JP2882594B2 - 電動機の冷却装置 - Google Patents

電動機の冷却装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は電動機の冷却装置、特
に、駆動回路が一体的に組み付けられる電動機の冷却装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電動機の冷却装置としては、例え
ば、特開昭62−64246号公報に記載されたものが
知られる。この冷却装置は、回転子の外方にヨークを配
置し、このヨークの内周に界磁磁極を、また、外周にパ
ワーICを取り付け、このパワーICをケーシングで覆
ったものである。
【0003】この冷却装置は、パワーICをヨークに組
み付けて電動機と一体化し、電圧降下の低減等を図る。
そして、回転子とヨークの界磁磁極との間、また、ヨー
クのパワーICとケーシングの間にそれぞれ隙間、すな
わち冷却風の通路が形成され、この通路を流れる冷却風
で回転子とパワーICとを冷却する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の電動機の冷却装置にあっては、ヨークの外周に
パワーICを配置してケーシングで覆い、ヨークの内外
に冷却用の通路を形成するため、全体として径方向に大
型化するという問題があった。この発明は、上記問題に
鑑みてなされたもので、電動機に径方向に大型化するこ
となく駆動回路を一体に組み付けることができ、さら
に、駆動回路の冷却を効果的に行なえるようにした電動
機の冷却装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明にかかる電動機の冷却装置は、モータケー
ス内にロータとステータとを配置し、これらロータおよ
びステータの少なくとも一方に冷却風を導くモータ冷却
風路をモータケースに形成するとともに、モータケース
のロータ回転軸方向一側に駆動回路が設けられたホルダ
部材を組み付け、このホルダ部材の駆動回路に冷却風を
導く回路冷却風路を前記モータ冷却風路から回転軸方向
に離隔して形成し、この回路冷却風路と前記モータ冷却
風路とを連通させるとともに、これら冷却風路の連通部
にロータと一体的に回転して両冷却風路に冷却風を生じ
させるファンを配置した。
【0006】
【作用】この発明の電動機の冷却装置は、ホルダ部材を
モータケースの回転軸方向一側に設け、モータ冷却風路
と回路冷却風路とを回転軸方向に離隔させるため、全体
としての径方向への大型化が防止でき、また、電動機と
駆動回路との熱的な干渉が防止できる。さらに、これら
冷却風路の連通部分に設けたファンで両冷却風路に冷却
風を生じさせることができるため、より小型化、またさ
らに、部品点数の削減も図れる。
【0007】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。図1から図3はこの発明の一実施例にかかる電
動機の冷却装置を示し、図1が電動機の縦断面図、図2
が主要部品の側面図、図3が同主要部品の斜視図であ
る。
【0008】図1において、11は大径部11aと小径
部11bとを有するケース本体であり、ケース本体11
は、大径部11a側が開口し、小径側が一体に閉止され
る。このケース本体11には、開口に端蓋12が固設さ
れて開口が閉止され、この端蓋12と閉止端との間に回
転軸13が架設される。このケース本体11は大径部1
1aがモータケースに相当し、また、ケース本体11の
小径部11bがホルダ部材に相当する。
【0009】ケース本体11には閉止端に複数の通孔1
4が回転軸13軸方向に、また、大径部11aの小径部
11b側部分に径方向に開口する複数の通孔16が周方
向等間隔に形成され、同様に、端蓋12にも複数の通孔
15が回転軸13軸方向に形成される。通孔14および
通孔16は大径部11a内に、通孔15は小径部11b
内に開口し、大径部11a内には通孔14から通孔16
に至るモータ冷却風路30が、小径部11b内には通孔
15から通孔16に至る回路冷却風路31が形成され
る。
【0010】また、ケース本体11には、大径部11a
の内壁面にステータ21が固設され、小径部11bの内
壁面にFET等のスイッチ素子が取り付けられて駆動回
路22を構成する。ステータ21および後述のロータは
モータ冷却風路30に臨んで、また、駆動回路22は回
路冷却風路31内に配置される。周知のように、ステー
タ21はヨーク21aにコイル21bを巻線して構成さ
れ、コイル21bが駆動回路22を介し電源に接続され
る。駆動回路22は、スイッチ素子をブリッジ状に結線
して構成され、コントローラから入力する信号に応じコ
イル21bを通電する。
【0011】回転軸13は、図中左端が端蓋12をベア
リング17を介し回転自在に貫通して外部に突出し、図
中右端がケース本体11の閉止端にベアリング18で回
転自在に支持される。回転軸13には、大径部11a内
にロータ19が固設され、また、ロータ19に隣接して
小径部11b側に送風ファン20が固設される。ロータ
19と前述したステータ21との間にはモータ冷却風路
30を構成する微小の隙間が形成される。
【0012】冷却ファン20は、図2および図3に示す
ように、2つのファン20aとファン20bとを回転軸
軸方向に組み付けて構成される。この冷却ファン20
は、図1中に矢印で示すように、ファン20aが大径部
11a内すなわちモータ冷却風路30に冷却風を生じさ
せ、また、ファン20bが回路冷却風路31内に冷却風
を生じさせる。
【0013】この実施例の電動機の冷却装置にあって
は、ステータ21のコイル21bが駆動回路22から通
電され、ロータ19が回転する。この時、コイル21b
および駆動回路22等は発熱するが、送風ファン20が
ロータ19と一体に回転し、この送風ファン20の回転
でモータ冷却風路30と回路冷却風路31に冷却風が流
れ、コイル21bおよび駆動回路22等が冷却される。
【0014】ここで、モータ冷却風路30においては、
冷却風は端蓋12の通孔15からモータケース10内に
流入してロータ19とステータ21との間を通過し、ロ
ータ19とステータ21とを冷却してケース本体11の
通孔から排出する。また、回路冷却風路31において
は、通孔16から冷却風が流入し、この冷却風が駆動回
路22を冷却して通孔から排出される。したがって、ロ
ータ19およびステータ21等の電動機自体の冷却と駆
動回路22の冷却とを熱的に遮絶して行なえ、冷却性を
向上できる。
【0015】そして、この電動機は、ケース本体11に
ロータの回転軸方向に離隔して大径部11aと小径部1
1bとを形成し、大径部11a内にロータ19とステー
タ21とを配置し、小径部11bに駆動回路22を設け
る。このため、電動機全体として径方向に大型化するこ
とがなく、その小型化が図れる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、この発明にかかる
電動機の冷却装置によれば、電動機自体を冷却するモー
タ冷却風路と駆動回路を冷却する回路冷却風路とを回転
軸方向に分離させて独立的に形成するとともに、これら
冷却風路を一端を集合させて集合部に送風ファンを設け
たため、全体としての大型化を招くことなく電動機と駆
動回路との双方を効率的に冷却でき、また、部品点数の
削減も図れるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例が適用された電動機の縦断
面図
【図2】同電動機の主要部品の側面図
【図3】同主要部品の斜視図
【符号の説明】
11・・・ケース本体、 11a・・・大径部(モータケース
に相当)、 11b・・・小径部(ホルダ部材に相当)、
13・・・回転軸、19・・・ロータ、 20・・・送風ファ
ン、 21・・・ステータ、 22・・・駆動回路、30・・・
モータ冷却風路、 31・・・回路冷却風路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭60−166264(JP,U) 実開 昭62−84360(JP,U) 実開 平3−50970(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02K 9/00 - 9/28

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータケース内にロータとステータとを
    配置し、これらロータおよびステータの少なくとも一方
    に冷却風を導くモータ冷却風路をモータケースに形成す
    るとともに、モータケースのロータ回転軸方向一側に駆
    動回路が設けられたホルダ部材を組み付け、このホルダ
    部材の駆動回路に冷却風を導く回路冷却風路を形成し、
    この回路冷却風路と前記モータ冷却風路とを連通させ、
    これら冷却風路の連通部にロータと一体的に回転して各
    冷却風路に冷却風を生じさせるファンを配置したことを
    特徴とする電動機の冷却装置。
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