JP2881739B2 - 吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents

吸水性樹脂の製造方法

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JP2881739B2
JP2881739B2 JP2512045A JP51204590A JP2881739B2 JP 2881739 B2 JP2881739 B2 JP 2881739B2 JP 2512045 A JP2512045 A JP 2512045A JP 51204590 A JP51204590 A JP 51204590A JP 2881739 B2 JP2881739 B2 JP 2881739B2
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欣也 長砂
勝弘 梶川
卓己 初田
好夫 入江
晃明 藤原
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、吸水性樹脂の製造方法に関するものであ
り、更に詳しくは、吸水諸特性に優れかつ残存するモノ
マー含有量の低い吸水性樹脂を安定に、操業性よく得る
ための製造方法に関するものである。
背景技術 近年、生理綿、紙おむつ、あるいはその他の体液を吸
収する衛生材料の一構成材料や農園芸用保水剤として吸
水性樹脂が用いられている。このような吸水性樹脂とし
ては、例えばポリアクリル酸部分中和物架橋体、デンプ
ン−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、デ
ンプン−アクリル酸グラフト重合体の中和物、酢酸ビニ
ル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物、アクリロ
ニトリル共重合体もしくはアクリルアミド共重合体の加
水分解物またはこれらの架橋体等が知られている。
しかしながら、これらの吸水性樹脂中には、通常、未
重合の残存モノマーが存在し、特にこの吸水性樹脂が衛
生材料、食品分野等へ使用する際には、その含有量を低
減させるための試みが種々行なわれている。
従来、重合体中の残存モノマーを低減させる試みは、
例えば高分子凝集剤等のごとき水溶性重合体等の分野で
古くから行なわれている。その方法としては、特開昭56
−103,207号に述べられているように、 (1)重合開始剤を増量あるいは分割添加する方法、 (2)溶媒等による抽出法、 (3)残存モノマーを別の誘導体に導く方法、 といった3つに大別される。これらの技術を吸水性樹脂
の残存モノマーの低減にも応用することができる。
(1)の方法を吸水性樹脂に応用した例としては、特開
昭56−72,005号公報や特開平1−24,808号公報が報告さ
れているが、吸水性樹脂にこの方法を応用した場合、水
溶性重合体の場合と同じく重合体の分子量の低下、過度
の自己架橋反応に伴なう吸収倍率の低下、水可溶性成分
量の増加等が認められ、残存モノマーは低減されるもの
の吸水性樹脂の特性が低下する。また、(2)の方法と
しては、特開平1−292,003号公報が報告されているが
この方法も残存モノマーの低減には有効であるが、多量
の溶媒の使用とその回収のコストが非常に高く、好まし
い方法とはいい難い。(3)の残存モノマーを別の誘導
体へ導く方法としては、水溶性重合体の場合においてア
ミンまたはアンモニア等を加えて未反応モノマーと付加
物を形成させる方法(特公昭33−2,646号公報)、亜硫
酸水素塩、亜硫酸塩、ピロ亜硫酸塩等を加えて未反応モ
ノマーと付加物を形成させる方法(特開昭56−103,207
号公報)等が開示されており、これをそのまま吸水性樹
脂に応用した例も報告されている(特開平1−62,317号
公報および西独特許公開第3724709号公報)。
しかしながら、本発明者らが行なった結果によれば、
特開平1−62,317号公報に記載された方法では、残存モ
ノマーの低減率は未だ低く、また西独特許公開第372470
9号公報の方法においては、残存モノマーの低減はなさ
れるものの、吸水性樹脂粉末100重量部に対して50〜500
重量部という多量の水を用いるがために、乾燥工程が必
須となり、経済的にも非常に不利になるばかりでなく、
吸水性樹脂のタイプによっては従来有していた諸特性、
例えば、吸引力、加圧下の吸収倍率等が非常に低下する
場合が認められた。
したがって、本発明の目的は、吸水性樹脂およびその
新規な製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、吸水特性に優れかつ残存モノマ
ー含有量の低い吸水性樹脂およびこれを安定に操業性よ
く得るための製造方法を提供することにある。
発明の開示 これらの諸目的は、吸水性樹脂粉末(1)100重量部
に対して、水不溶性微粒子状粉体(2)および界面活性
剤(3)よりなる群から選ばれた少なくとも1種の添加
剤[以下、添加剤(A)という。]0.01〜5重量部の存
在下に水7〜100重量部を含有する水性液と還元性物質
(4)を添加することを特徴とする吸水性樹脂(5)の
製造方法により達成される。
これらの諸目的は、吸水性樹脂粉末(1)100重量部
に対して、水不溶性微粒子状粉体(2)および界面活性
剤(3)よりなる群から選ばれた少なくとも1種の添加
剤[以下、添加剤(A)という。]0.01〜5重量部の存
在下に水7〜100重量部を含有する水性液と還元性物質
(4)を添加して得られる吸水性樹脂(5)によっても
達成される。
図面の簡単な説明 第1図は、本発明において使用される加圧下の吸収倍
率測定装置の概略断面図である。
発明を実施するための最良の形態 本発明に使用される吸水性樹脂粉末(1)とは、水中
において多量の水を吸収して膨潤し含水ゲル状物(ヒド
ロゲル)を形成するものであり、例えばデンプン−アク
リロニトリルグラフト重合体の加水分解物、デンプン−
アクリル酸グラフト重合体の中和物、アクリル酸エステ
ル−酢酸ビニル共重合体のケン化物、アクリロニトリル
共重合体もしくはアクリルアミド共重合体の加水分解
物、自己架橋型ポリアクリル酸中和物、ポリアクリル酸
部分中和物架橋体、架橋イソブチレン−無水マレイン酸
共重合体の中和物等を挙げることができる。これらの吸
水性樹脂粉末(1)は、架橋密度が均一なものでも或い
は表面部分およびその近傍が架橋処理されたものでもい
ずれも使用できる。好ましくは、最終的に得られる樹脂
の吸水諸特性を考えると、アクリル酸(塩)を主成分と
する水溶性エチレン性不飽和単量体の架橋重合体であ
り、さらに残存モノマーの低減率から考えると、最も好
ましくは表面部分およびその近傍が処理前の吸水性樹脂
粉末の有する官能基と反応し得る架橋剤により架橋処理
されたものである。そのためには、吸水性樹脂粉末の表
面に、吸水性樹脂粉末のもつ官能基と反応し得る架橋剤
を添加し、加熱して反応させればよい。
この場合、架橋剤としては、例えば処理前の吸水性樹
脂粉末がカルボキシル基を有する場合には、例えば、ペ
ンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリビ
ニルアルコール等の多価アルコール化合物、エチレング
リコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシ
ジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエ
ーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル等
の多価グリシジルエーテル化合物、亜鉛、カルシウム、
マグネシウム、アルミニウム、ジルコニウム等の多価金
属塩化合物が例示できる。
なお、吸水性樹脂粉末(1)の製法は、水溶液重合
法、逆相懸濁重合法等、特に限定されるものではない。
これらの吸水性樹脂粉末(1)の中の含水率は30重量
%以下さらには15重量%以下のものが本発明に好適に使
用できる。
本発明では、このようにして得られた吸水性樹脂粉末
(1)(通常100〜3,000ppmの残存モノマーを含有して
いる場合が多い)に添加剤(A)の存在下、還元性物質
(4)と特定量の水を含有する水性液を添加混合するこ
とにより残存モノマー含量を飛躍的かつ効率的に低減さ
せることができる。この場合添加する水性液中の水は吸
水性樹脂粉末(1)100重量部に対し7〜100重量部であ
る。この添加水量が7重量部未満と少ない場合には残存
モノマーの低減率が低く、また用いた還元性物質が樹脂
中に残存しやすく、安全性の面からも問題が残る。一
方、100重量部を越えて使用すると残存モノマーの低減
率は大きくなるが、この加えた水を再び乾燥させること
は経済的にも不利であり、吸水性樹脂粉末(1)の有し
ていた加圧下の吸収倍率、吸引力などの吸水諸特性を低
下させる場合がある。好ましくは添加水量は7〜50重量
部であり、さらに好ましくは7〜30重量部である。この
水は通常、用いる全量または一部分に上記還元性物質
(4)を溶解させることが好ましいが、水蒸気または氷
の状態で一部または全量を吸水性樹脂粉末(1)に添加
してもよい。
本発明では混合の際に水不溶性微粒子状粉体(2)お
よび/または界面活性剤(3)を必須に用いることによ
り、前述したような吸水諸特性を低下させることなく吸
水性樹脂粉末(1)中の残存モノマーを飛躍的に低減さ
せることができる。
水不溶性微粒子状粉体(2)としては、例えば二酸化
ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネ
シウム、酸化亜鉛、タルク、リン酸カルシウム、リン酸
バリウム、粘土、珪藻土、ゼオライト、ベントナイト、
カオリン、ハイドロタルサイト、活性白土等の水不溶性
粉末状無機物、セルロース粉末、パルプ粉末、エチルセ
ルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、セルロ
ースアセテートブチレート、変性でんぷん、キチン、レ
ーヨン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロン、ポリメ
チルメタクリレート、メラミン樹脂、メラミン−ベンゾ
グアナミン樹脂、活性炭、茶の葉等の水不溶性粉末状有
機物等が例示でき、これらのうち1種または2種以上を
使用することができる。
また、これらの水不溶性微粒子状粉体(2)は、水や
各種溶剤中でのエマルションとして用いてもよい。
これらの水不溶性微粒子状粉体(2)の粒子径は1000
μm以下、好ましくは100μm以下、さらに好ましくは5
0μm以下、最も好ましくは10μm以下である。
また、これら水不溶性微粒子状粉体(2)の中でも水
不溶性粉末状無機物がより好ましく、その中でも二酸化
ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、ゼオライ
ト、カオリン、ハイドロタルサイトが好ましい。また、
セピオライト等消臭機能をもつ無機物粉体等も、特に好
適に本発明に使用できる。さらに、水不溶性粉末状有機
物の中ではパルプ、セルロース粉末、5μm以下の粒子
径を有するメチルメタクリレート重合体、例えばポリメ
チルメタクリレート粉末、活性炭等が好ましい。また、
これらのもので一部分が疎水化処理されているものも好
適に本発明に使用できる。
また、界面活性剤(3)としてはアニオン性界面活性
剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両
性界面活性剤、高分子界面活性剤等を例示することがで
き、これらのうち1種または2種以上を用いることがで
きる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば高級アルコー
ル硫酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、
アルキルポリオキシエチレンサルフェート塩、ジアルキ
ルスルホコハク酸塩等が、ノニオン性界面活性剤として
は、例えばソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステル(ポリ)グリセリン脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオ
キシエチレンアシルエステル、ショ糖脂肪酸エステル等
が、カチオン性界面活性剤としては、例えばアルキル第
4級アルミニウム塩、アルキルアミン塩類が、両性界面
活性剤としては、例えばアルキルベタイン、レシチン等
が、高分子界面活性剤としては、例えば親油性のカルボ
キシル基を有するポリマーやエチレンオキサイド−プロ
ピレンオキサイドブロックポリマー等がそれぞれ使用で
きる。
これらの界面活性剤(3)のなかでも、最終製品の吸
水性を損わず、しかも残存モノマー量の低減効果に優れ
たものとしては、水溶性および/または水分散性の界面
活性剤が好ましく、中でもアニオン性界面活性剤もしく
はHLB7以上好ましくはHLB10以上のノニオン性界面活性
剤が好適に使用できる。
本発明を実施するに際しては、上記の水不溶性微粒子
状粉体(2)と界面活性剤(3)は併用して用いてもよ
い。その使用量は一般に吸水性樹脂粉末(1)100重量
部に対して0.01〜5重量部である。0.01重量部より少な
い場合には、残存モノマー低減効果を十分に発揮し得な
くなり、吸水性樹脂粉末(1)の有していた吸水諸特性
が低下する場合がある。また、一方、5重量部より多く
使用すると、その添加剤(A)の量に伴ない吸水性樹脂
粉末(1)本来の性能を低下させる。好ましくは0.1〜
3重量部である。
また、添加する水性液中に有機溶剤を存在させること
により、残存モノマー低減効果がより顕著に発揮される
場合がある。この場合有機溶剤としては、例えばメタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド、アセトン、メチルエチル
ケトン等の親水性有機溶剤、n−ペンタン、n−ヘキサ
ン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロヘキサン、シ
クロオクタン、メチルシクロヘキサン、デカリン、ベン
ゼン、エチルベンゼン、トルエン、キシレン等の疎水性
有機溶剤等を例示することができるが、好ましくは親水
性有機溶剤である。
親水性有機溶剤を用いる場合には、添加する水または
還元性物質(4)の水溶液にあらかじめ混合して用いる
方法等が採用できる。また、疎水性有機溶剤を用いる場
合には、界面活性剤(3)を用いて、加える水または還
元性物質の水溶液を疎水性有機溶剤中に懸濁、乳化させ
た状態を形成させ、その状態で吸水性樹脂粉末(1)に
添加する方法等が採用できる。
これら有機溶剤の使用量は、使用する水の量にもよ
り、特に親水性有機溶剤を用いる場合には、水性液中の
有機溶剤量が20重量%を越えると残存モノマーの低減率
が低くなる場合があるが、一般に吸水性樹脂粉末(1)
100重量部に対し0.01〜50重量部である。0.01重量部未
満では有機溶剤を用いた効果があらわれず、50重量部を
越えると経済的に不利となる。好ましくは0.01〜8重量
%である。
本発明で残存モノマーに付加させることのできる還元
性物質(4)は先述した特公昭33−2,646号公報、特開
昭56−103,207号公報に述べられている公知の物質を採
用することができる。これらの還元性物質(4)として
は亜硫酸(塩)、亜硫酸水素塩、亜リン酸(塩)、次亜
リン酸(塩)、チオ硫酸(塩)、アンモニア、アミン
類、アミノ酸類等をあげることができる。
具体例としては亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、
亜硫酸カルシウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸、亜硫
酸水素カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素ア
ンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウ
ム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸マグネシウム、次亜リ
ン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸アン
モニウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カリウム、亜
リン酸アンモニウム、アンモニア、塩化アンモニウム、
メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、ジメチル
アミン、ジエチルアミン、シクロヘキシルアミン、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、イソプロパノ
ールアミン、ベンジルアミン、モルフォリン、グリシ
ン、アラニン、バリン、ロイシン、セリン、スレオニ
ン、システイン、シスチン、チロシン、アスパラギン
酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン等を用いること
ができ、これらのうち反応性を考慮して1種または2種
以上を使用することができる。
これらの残存モノマー低減率から考えると好ましくは
亜硫酸(塩)、亜硫酸水素塩、アンモニア、アミノ酸類
等であり、最も好ましくは亜硫酸(塩)、亜硫酸水素塩
である。
吸水性樹脂粉末(1)中の残存モノマー量が、例えば
3000ppm以上と多量の場合には、一般に必要な還元性物
質(4)の量は多くなるが、その場合、還元性物質
(4)の種類によってはそのもの自体が樹脂中に残存し
たり、付加生成物の残存量が多くなり、残存モノマー量
は低減されるものの、樹脂の安全性の面からは必ずしも
好ましいとはいえない場合がある。
そのため、吸水性樹脂粉末(1)としても100〜3,000
ppm、さらに好ましくは100〜1000ppm、最も好ましくは1
00〜500ppmの残存モノマーを有していることが製品の安
全性の面からは望ましく、還元性物質(4)の使用量
は、吸水性樹脂粉末(1)100重量部に対して0.001〜1
重量部、好ましくは0.005〜0.1重量部、最も好ましくは
0.01〜0.05重量部である。
還元性物質(4)の量が1重量部を越えると、吸水性
樹脂粉末(1)の諸性能を低下させたり、還元性物質
(4)が樹脂中に残存する場合があり、また、0.001重
量部未満では残存モノマーの低減効果が認められにくく
なる場合がある。
本発明における製造方法の実施態様を表わす具体例と
しては、 (A)吸水性樹脂粉末(1)に予め水不溶性微粒子状粉
体(2)および/または界面活性剤(3)を混合した
後、還元性物質(4)を溶解した水溶液を添加し、均一
に混合する方法、 (B)吸水性樹脂粉末(1)に予め水不溶性微粒子状粉
体(2)および/または界面活性剤(3)を混合した
後、還元性物質(4)を溶解した水溶液に、さらに還元
性物質の熔解性を妨げない範囲で親水性有機溶剤を加え
た水性液を添加し、均一に混合する方法、 (C)吸水性樹脂粉末(1)に、水不溶性微粒子状粉体
(2)および/または界面活性剤(3)を熔解、または
分散させた還元性物質(4)の水溶液(または親水性有
機溶剤を含んだ水溶液)を添加し、均一に混合する方
法、 (D)界面活性剤(3)を溶解もしくは分散させた疎水
性有機溶剤中に還元性物質(4)の水溶液(または親水
性有機溶剤を含んだ水性液)を分散させ、乳化、懸濁さ
せた状態で必要により水不溶性微粒子状粉体(2)の存
在下に吸水性樹脂粉末(1)と混合する方法、 (E)吸水性樹脂粉末(1)に予め水不溶性微粒子状粉
体(2)および/または界面活性剤(3)を混合した
後、還元性物質(4)(の水溶液)を添加し、均一に混
合した後、さらに攪拌下水蒸気により水分を与える方法 等が例示される。
これらの添加混合に用いる混合機としては、通常の混
合機または捏和機を用いることができる。例えば円筒型
混合機、二重円錐型混合機、流動化型混合機、V型混合
機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、回転円板型
混合機、気流型混合機、双腕型捏和機、インターナルミ
キサー、マラー型捏和機、ロールミキサー、スクリュー
型押出機等があげられるが、残存モノマーを低減させる
効果をさらに高め、高い生産性を得るためにも高速回転
パトルを有し、機械的混合力の大きな混合機がより好ま
しい。また、吸水性樹脂粉末(1)粉体を流下させ、そ
こに水性液の液滴を噴霧し、並流状態で両者を接触さ
せ、機械的混合力なしに混合する方法も本発明も本発明
に使用できる。このようにして混合して得られた吸水性
樹脂は、さらに加熱することにより効率よく残存モノマ
ーが低減する場合がある。最終製品の含水率を調整する
必要のある場合には加熱を行なうことが好ましい。加熱
するには、通常の乾燥器や加熱炉を用いることができ
る。例えば、溝型攪拌乾燥器、回転乾燥器、円盤乾燥
器、捏和乾燥器、流動相乾燥器、気流乾燥器、赤外線乾
燥器、熱風乾燥器、マイクロ波乾燥器等である。
加熱温度は40〜200℃、好ましくは60〜120℃、さらに
好ましくは60〜80℃である。また、使用する還元性物質
(4)の種類によってはその残存量を低減させるために
も、上記加熱処理を行なうことが有効な場合もある。還
元性物質(4)の残存量をさらに低減させる場合には、
加熱後の吸水性樹脂にさらに酸化性物質を添加してもよ
い。ただし、その場合は、水可溶性成分の増加や吸収倍
率が低下したりする場合があるので、加熱後としなけれ
ばならない。酸化性物質の例としては、過硫酸塩、過酸
化水素、ハイドロパーオキサイド、酸素、空気等が挙げ
られる。好ましくは過硫酸塩、酸素、空気である。
本発明を実施するに当っては、還元性物質(4)の混
合時に、該吸水性樹脂粉末(1)のもつ官能基と反応し
得る、2個以上の官能基を有する架橋剤を添加、加熱反
応させてもよい。この場合、該吸水性樹脂粉末(1)
は、架橋密度が均一であることがより好ましく、架橋剤
としては、前述した多価アルコール化合物、多価グリシ
ジルエーテル化合物等が好適に使用でき、その使用量は
吸水性樹脂粉末(1)100重量部に対して0.01〜10重量
部である。なお、加熱反応温度は、90〜230℃が好まし
い。さらに同様に、吸水性樹脂に消臭剤、香料、薬剤、
植物生育助剤、殺菌剤、防塵剤、発泡剤、顔料、染料、
親水性短繊維、肥料等を介在させることにより、得られ
る吸水性樹脂に新たな機能を付与することもできる。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発
明はこれに限定されるものではない。なお、下記実施例
において「部」は特にことわらない限り重量による。
なお、残存モノマー量は以下のようにして求めた。
200mlのビーカーに脱イオン水100mlを加え、そこに吸
水性樹脂1.0gを攪拌下加えて脱イオン水を全量ゲル化さ
せた。1時間後、リン酸水溶液を5ml添加することによ
りゲルを収縮させ、攪拌後、吸水性樹脂分散液を濾紙を
用いて濾過し、濾過液を高速液体クロマトグラフィーで
分析した。
一方、既知の濃度を示すモノマー標準液を同様に分析
して得た検量線を外部標準となし、濾過液の希釈倍率を
考慮して、吸水性樹脂中の残存モノマー量を求めた。
また、残存モノマーの低減率は次の式により求めた。
参考例 アクリル酸ナトリウム141部、アクリル酸36.1部およ
びN,N′−メチレンビスアクリルアミド0.093部を脱イオ
ン水329部に溶解し、これに窒素ガスを吹き込んで溶存
酸素を追いだした。このモノマーの水溶液を30℃に保っ
た。次いで過硫酸ナトリウム0.3部およびl−アスコル
ビン酸0.01部を加えて静置重合し、ゲル状の含水重合体
を得た。
これを150℃で熱風乾燥を行なった後、ハンマー型粉
砕機にて粉砕し、20メッシュ金網で篩分けして20メッシ
ュ通過物の吸水性樹脂粉末(a)を得た。吸水性樹脂粉
末(a)中の残存モノマーは343ppmであった。なお、吸
水性樹脂粉末(a)の含水率は4%であった。さらに、
この吸水性樹脂粉末(a)100重量部にグリセリン1重
量部、水4重量部およびエタノール4重量部からなる水
性液を混合し、180℃で30分間加熱処理することにより
表面部分および近傍が架橋処理された吸水性樹脂粉末
(b)を得た。吸水性樹脂粉末(b)中の残存モノマー
は360ppmであった。なお、吸水性樹脂粉末(b)の含水
率は2%であった。
実施例1 参考例で得た吸水性樹脂粉末(b)100部に、添加剤
(A)として二酸化ケイ素(日本アエロジル(株)製、
アエロジル200)1.0部を混合した。還元性物質として亜
硫酸水素ナトリウム0.05部を水30部、イソプロパノール
2部に溶解し、還元性物質の水性液を調整した。この水
性液を上記吸水性樹脂粉末(b)と二酸化ケイ素の混合
物に高速回転パドル型混合機を用いて添加混合した。そ
の後、さらに対流型熱風乾燥器を用いて70℃の温度で2
時間加熱し、本発明の吸水性樹脂(1)を得た。吸水性
樹脂(1)巾の残存モノマーは、52ppm、低減率は86%
であった。
実施例2 参考例で得た吸水性樹脂粉末(b)100部に、添加剤
(A)として界面活性剤であるジアルキルスルホコハク
酸ナトリウム(花王(株)製、ペレックスOT−P)0.7
部を混合した。還元性物質として亜硫酸水素ナトリウム
0.05部を水20部に溶解し、上記吸水性樹脂粉末(b)と
界面活性剤の混合物に高速回転パドル型混合機を用いて
添加混合した。その後、さらに流動床乾燥器を用いて90
℃の温度で2時間加熱し、本発明の吸水性樹脂(2)を
得た。吸水性樹脂(2)中の残存モノマーは85ppm、低
減率は76%であった。
実施例3〜13 実施例1において添加剤(A)の種類および量、還元
性物質の種類および量、添加する水の量、有機溶剤の種
類および量、混合後の加熱条件を第1表に示したように
変更した他は同様の操作を行ない、本発明の吸水性樹脂
(3)〜(13)を得た。それぞれ残存モノマー量を測定
し、低減率と合わせ第1表に示した。
実施例14 参考例で得た吸水性樹脂粉末(b)100部に、還元性
物質として0.33%亜硫酸水素アンモニウム水溶液30部、
イソプロパノール2部からなる水性液に二酸化ケイ素
(日本アエロジル(株)製アエロジル200)1.0部をさら
に添加することにより得られた分散液を高速回転パドル
型混合機を用いて添加、混合した。その後、さらに対流
型熱風乾燥器を用いて79℃の温度で2時間加熱し、本発
明の吸水性樹脂(14)を得た。吸水性樹脂(14)中の残
存モノマーは58ppm、低減率は84%であった。
実施例15 参考例で得た吸水性樹脂粉末(b)100部に、還元性
物質として亜硫酸ナトリウム0.04部を溶解させた水30
部、イソプロパノール2部からなる水性液にジアルキル
スルホコハク酸ナトリウム(花王(株)製、ペレックス
OT−P)1.0部をさらに添加し、得られた分散液を、高
速回転パドル型混合機を用いて添加、混合した。その
後、さらに流動床乾燥器を用いて90℃の温度で2時間加
熱し、本発明の吸水性樹脂(15)を得た。吸水性樹脂
(15)中の残存モノマーは83ppm、低減率は77%であっ
た。
実施例16 シクロヘキサン20部に、ポリオキシエチレンソルビタ
ンモノステアレート(花王(株)製、レオドールTW−S1
20)0.5部を溶解させ、そこに還元性物質として亜硫酸
水素カリウム0.2部を溶解させた水20部を加え、激しく
攪拌することにより、亜硫酸水素カリウム水溶液のシク
ロヘキサン中の乳化、懸濁液を得た。参考例で得た吸水
性樹脂粉末(b)100部に、上記乳化、懸濁液を混合し
た。その後、さらに80℃で3時間減圧乾燥することによ
り、本発明の吸水性樹脂(16)を得た。吸水性樹脂(1
6)中の残存モノマーは108ppm低減率は70%であった。
実施例17 参考例で得た吸水性樹脂粉末(b)100部に、二酸化
ケイ素(日本アエロジル(株)製アエロジル380)0.5部
を混合した。還元性物質として亜硫酸水素ナトリウム0.
2部を水5部に溶解した水溶液と、上記吸水性樹脂と二
酸化ケイ素の混合物とを、高速回転パドル型混合機を用
いて混合した。その後、更に上記混合物を攪拌下、水蒸
気と接触させることにより水分を与えた。この状態でサ
ンプリングを行ない水分量を測定すると合計34部の水を
含んでいた。
その後、更に対流型熱風乾燥器を用いて100℃の温度
で2時間加熱することにより、本発明の吸水性樹脂(1
7)を得た。吸水性樹脂(17)中の残存モノマーは105pp
m、低減率は71%であった。
実施例18〜24 実施例1における吸水性樹脂粉末(b)に代えて、参
考例で得られた吸水性樹脂粉末(a)を用いて実施例1
〜7と同様の処理を行ない、それぞれ実施例18〜24とし
吸水性樹脂(18)〜(24)を得た。結果を第2表に示し
た。
実施例25〜28 実施例15における吸水性樹脂粉末(b)に代えて、吸
水性樹脂粉末(a)を用いて実施例15と同様の処理を行
ない、実施例25とした。また、実施例25において添加剤
(A)の種類、添加水量等を第3表に示したように変更
した他は同様の操作を行ない、それぞれ実施例26〜28と
し、吸水性樹脂(26)〜(28)を得た。実施例25〜28の
結果を第3表に示した。
比較例1 実施例1において二酸化ケイ素を加えずに同様の操作
を行なった。得られた比較用吸水性樹脂(1)の残存モ
ノマーは152ppm、低減率は58%と低かった。
比較例2 実施例2においてジアルキルスルホコハク酸ナトリウ
ムを用いずに同様の操作を行なった。得られた比較用吸
水性樹脂(2)の残存モノマーは192ppm低減率は47%と
低かった。
比較例3 実施例2で水20部を使用せずに亜硫酸水素ナトリウム
0.05部をジアルキルスルホコハク酸ナトリウムの存在
下、吸水性樹脂粉末(b)とドライブレンドした他は同
様の操作を行ない、比較用吸水性樹脂(3)を得た。残
存モノマーは335ppm、低減率は7.0%と低かった。
比較例4 実施例2でジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、水
20部を使用せずに亜硫酸水素ナトリウム0.05部を吸水性
樹脂粉末(b)とドライブレンドした他は同様の操作を
行ない、比較用吸水性樹脂(4)を得た。残存モノマー
は331ppm、低減率は8.0%と低かった。
比較例5〜8 残存モノマー1080ppmを含有する市販の吸水性樹脂粉
末(c)100重量部に第4表に示したような還元性物質
と水を混合し、比較例5〜8とした。得られた比較用吸
水性樹脂(5)〜(8)の残存モノマーと低減率を第4
表に示した。
実施例29 参考例で得た吸水性樹脂粉末(b)100部に二酸化ケ
イ素(日本アエロジル(株)製、アエロジル200)1.0部
を混合した。還元性物質として亜硫酸水素ナトリウム0.
05部を水80部およびイソプロパノール5部に溶解し、還
元性物質の水性液を調整した。この水性液を上記吸水性
樹脂粉末(b)と二酸化ケイ素の混合物に高速回転パド
ル型混合機を用いて添加混合した。その後、さらに対流
型熱風乾燥器を用いて80℃の温度で2時間加熱し、本発
明の吸水性樹脂(29)を得た。吸水性樹脂(29)の残存
モノマー、低減率、吸収倍率、吸引力、加圧下の吸収倍
率、水可溶性成分量を測定し、第5表に示した。
なお、吸収倍率、加圧下の吸収倍率、吸引力および水
可溶性成分量は、以下の方法で測定した。
(a)吸収倍率 吸水性樹脂0.2gを不織布製のティーバック式袋(40mm
×150mm)に均一に入れ、0.9重量%塩化ナトリウム水溶
液に浸漬して30分後にこのティーバック式袋を引き上
げ、一定時間水切りをした後、その重量を測定し、以下
の式で吸収倍率を算出した。
(b)加圧下の吸収倍率 第1図に示す装置を用いて加圧下の吸収倍率を測定す
る。ビュレット1の上口2に栓3をし、測定台4と空気
口5を等高位にセットする。測定台4中の直径70mmのガ
ラスフィルター(NO.1)6上に濾紙、吸水性樹脂(A−
1)0.2gおよび濾紙7を載せ、さらに20g/cm2のおもり
8を載せ、その後30分間にわたって吸収した人口尿の値
を加圧下の吸収倍率(ml/g)として表わした。
(c)吸引力 ティッシュペーパー(55mm×75mm)の上に人口尿(組
成:尿素1.9%、NaCl0.8%、CaCl20.1%およびMgSO40.1
%)20mlを加えて人口尿を含んだ基材を作成し、その基
材の上に、吸水性樹脂を1.0gを置いた。10分後に膨潤ゲ
ルを採取して、その重量を測定することにより、ティッ
シュペーパーからの液の吸引力とした。また同時に、加
えた吸水性樹脂のママコの有無を観察した。
(d)水可溶性成分量 吸水性樹脂0.5gを容器中50mlの脱イオン水で膨潤させ
密閉して37℃で12時間放置した。この膨潤ゲルを950ml
の脱イオン水に加え、30分攪拌した後濾紙で濾過しコロ
イド滴定により水可溶性成分量(%)を求めた。
実施例30 実施例29において水80部およびイソプロパノール5部
を水20部およびイソプロパノール2部に変更した以外は
同様の操作を行ない吸水性樹脂(30)を得た。吸水性樹
脂(30)の残存モノマー、低減率、吸収倍率、吸引力加
圧下の吸収倍率および水可溶性成分量を測定し、第5表
に示した。
実施例31 参考例で得た吸水性樹脂粉末(a)100部に二酸化ケ
イ素(日本アエロジル(株)製、アエロジル200)1.0部
を混合した。還元性物質として亜硫酸水素ナトリウム0.
05部、架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエ
ーテル0.05部を、水25部およびイソプロパノール2部に
溶解した水性液を調整した。この水溶液を上記吸水性樹
脂粉末(a)と二酸化ケイ素の混合物に、高速回転パド
ル型混合機を用いて添加混合した後、さらに撹拌下120
℃で40分間加熱処理することにより本発明の吸水性樹脂
(31)を得た。吸水性樹脂(31)の残存モノマー、低減
率、吸収倍率、吸引力、加圧下の吸収倍率および水可溶
性成分量を測定し、第5表に示した。
比較例9 実施例29で二酸化ケイ素(日本アエロジル(株)製、
アエロジル200)を使用しない以外は実施例29と同様の
操作を行ない、比較用吸水性樹脂(9)を得た。この比
較用吸水性樹脂(9)の残存モノマー、低減率、吸収倍
率、吸引力、加圧下の吸収倍率および水可溶性成分量を
測定し、第5表に示した。
比較例10 吸水性樹脂粉末(b)100部に二酸化ケイ素(日本ア
エロジル(株)製、アエロジル200)1部を混合し、比
較用吸水性樹脂(10)を得た。この比較用吸水性樹脂
(10)の残存モノマー、低減率、吸収倍率、吸引力、加
圧下の吸収倍率および水可溶性成分量を測定し、第5表
に示した。
比較例11 吸水性樹脂粉末(b)100部に二酸化ケイ素(日本ア
エロジル(株)製アエロジル200)2部を混合した。ラ
ジカル重合開始剤である過硫酸アンモニウム0.5部を水2
0部に溶解した水性液を上記吸水性樹脂粉末(b)と二
酸化ケイ素の混合物に高速パドル型混合機を用いて添加
混合し、80℃で30分間放置し比較用吸水性樹脂(11)を
得た。この比較用吸水性樹脂(11)の残存モノマー、低
減率、吸収倍率、吸引力、加圧下の吸収倍率および水可
溶性成分量を測定し、第5表に示した。
第4〜5表より明らかなように、還元性物質の付加反
応により吸水性樹脂中の残存モノマーを低減するには、
還元性物質を添加する際の水量が非常に重要であり、添
加水量が少ない時は残存モノマーは効率よく低減しな
い。また、本発明の必須構成成分である添加剤(A)を
用いずに多量の水分を添加した場合は、添加剤(A)を
用いた場合に比べ残存モノマーの低減率は低く、従来有
していた吸水性樹脂の吸水諸特性を著しく低下させてし
まう場合がある。
しかし、本発明による添加剤(A)を還元性物質と特
定量の水の添加時に用いることにより、吸水性樹脂が有
していた吸水諸特性を損なうことなくかつ残存モノマー
を非常に効率よく低減できることが明らかになり安全性
の高い吸水諸特性に優れた吸水性樹脂を安定に効率よく
生産することが可能になった。
産業上の利用可能性 本発明によれば、吸水性樹脂粉末(1)に残存してい
る残存モノマー量を非常に効率よく低減でき、その含有
量の非常に低い吸水性樹脂(5)を簡便かつ効率的に製
造することができる。しかも、本発明の方法は、吸水性
樹脂粉末(1)が有している本来の吸水諸特性を何ら損
なうものではない。
従って、本発明により得られる吸水性樹脂(5)は、
その特徴を生かして使い捨ておむつや生理用ナプキン等
の衛生材料の吸収剤、医療用保水剤、農園芸用保水剤、
その他諸工業用脱水剤等の吸水性や保水性を必要とする
用途に好適に利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 入江 好夫 兵庫県姫路市船津町1453―1 (72)発明者 藤原 晃明 京都府長岡京市柴の里10―137 (56)参考文献 特開 昭60−55011(JP,A) 特開 昭61−57614(JP,A) 特開 昭56−103207(JP,A) 特開 昭55−135110(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 6/00

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸水性樹脂粉末(1)100重量部に対して
    水不溶性微粒子状粉体(2)および界面活性剤(3)よ
    りなる群から選ばれた少なくとも1種の添加剤0.01〜5
    重量部の存在下に水7〜100重量部を含有する水性液と
    還元性物質(4)を添加することを特徴とする吸水性樹
    脂(5)の製造方法。
  2. 【請求項2】該吸水性樹脂粉末(1)は表面部分および
    その近傍が処理前の吸水性樹脂粉末の有する官能基と反
    応し得る架橋剤により架橋処理されたものである請求の
    範囲第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】該水性液が該吸水性樹脂粉末(1)100重
    量部に対して0.01〜8重量部の親水性有機溶剤を含有す
    るものである請求の範囲第1項に記載の方法。
  4. 【請求項4】該水性液中の親水性有機溶剤の割合が20重
    量%以下である請求の範囲第3項に記載の方法。
  5. 【請求項5】該水性液中の該吸水性樹脂粉末(1)に対
    する添加は、高速回転パドル型混合機により行われる請
    求の範囲第1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】該吸水性樹脂粉末(1)が100〜3,000ppm
    の残存モノマーを含有してなる請求の範囲第1項に記載
    の方法。
  7. 【請求項7】該水不溶性微粒子状粉体(2)が水不溶性
    粉末状無機物である請求の範囲第1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】該水性液および還元性物質(4)を添加し
    たのちに40〜200℃の温度で加熱処理されてなる請求の
    範囲第1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】該水性液が該吸水性樹脂粉末(1)の有す
    る官能基と反応し得る2個以上の官能基を有する架橋剤
    を含有してなる請求の範囲第1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】残存モノマー量が76ppm以下で、かつ人
    工尿の加圧下吸収倍率が27m1/g以上である吸水性樹脂。
  11. 【請求項11】該吸水性樹脂が水溶液重合法で得られた
    ものであることを特徴とする請求の範囲第10項に記載の
    吸水性樹脂。
  12. 【請求項12】該吸水性樹脂の吸引力が16g以上である
    ことを特徴とする請求の範囲第10または11項のいずれか
    に記載の吸水性樹脂
  13. 【請求項13】該吸水性樹脂が表面部分およびその近傍
    が架橋処理されたものである請求の範囲第10〜12項のい
    ずれかに記載の吸水性樹脂。
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