JP2881643B2 - コンクリートブロックの製造方法及び型枠装置並びにコンクリートブロックの施工方法 - Google Patents

コンクリートブロックの製造方法及び型枠装置並びにコンクリートブロックの施工方法

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秀夫 土田
孝夫 種田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリートブロ
ックの製造方法及び型枠装置並びにコンクリートブロッ
クの施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら、例えば河川の補修工事現場などに載置するコンクリ
ートブロックは、図1,2に図示したように底型21a
に分離可能な側型21bを着脱自在に連設して構成され
る型枠21内にコンクリート24を充填し、このコンク
リート24の硬化後、脱型して製造するもので(以下、
従来法という。)、このコンクリートブロックは、クレ
ーン機等を使用して吊り部材23で該コンクリート24
の上面に埋設したフック22を吊り上げてストックヤー
ドに積み上げ、このストックヤードから施工場所に運ば
れ、鏝でならされた面とは違い型枠21の型面に当接し
ていたきれいな仕上がり面が表面に出るように該コンク
リートブロックをクレーン等の重機を使用して反転させ
て設置される。
【0003】ところで、上記従来法では、コンクリート
24が所定の強度を発揮しない前にフック22を吊り部
材23を介してクレーン機等で吊り上げようとすると、
このフック22が抜けてしまう為、コンクリート24が
フック22が抜けないような状態に硬化するまではコン
クリートブロックをストックヤードに積み上げることは
できない(約4tのコンクリートブロックを製造する際
に、コンクリート24がフック22が抜けないような状
態に硬化するまで約1週間もの時間がかかる。)。
【0004】このことは、結局その型枠21は1週間は
そのままにしておかなければならないことを意味し、次
のコンクリートブロックをその型枠を使用して製造する
のは1週間後となる。コンクリートブロックの量産性を
高める為に型枠21を数多く使用することも考えられる
が、それでは型枠21を多く製作する分、コストアップ
となる。
【0005】少しでも、コストをかけずコンクリートブ
ロックを量産すべく、底型21aのみ複数用意し、コン
クリートが適度な硬度になったら側型21bのみを除去
し、別の底型21aに当該側型21bを連設し、この型
枠21にコンクリートを充填してコンクリートブロック
を製造したりもしているが、底型21aを複数製造しな
ければならない為、やはり、コストアップとなる。
【0006】以上のように、従来法は、非常に量産性が
悪く、しかも、その為、工期が伸びてしまう問題点があ
る。
【0007】本発明は、上述の問題点を解決するコンク
リートブロックの製造方法及び型枠装置並びにコンクリ
ートブロックの施工方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発
明の要旨を説明する。
【0009】分離可能な側型1Aに底型1Bを着脱可能
に連設し上部にコンクリート導入口1’を有する型枠1
を、該コンクリート導入口1’を上方に位置させた状態
で配設し、この型枠1内にコンクリート導入口1’から
コンクリートを充填し、該コンクリートが適度に硬化し
た後、当該型枠1を吊り上げるとともにコンクリート導
入口1’が下方に位置するように回転させて所定の場所
に移動させ、その後、脱型して当該コンクリートを更に
硬化させることでコンクリートブロック8を製造するこ
とを特徴とするコンクリートブロックの製造方法に係る
ものである。
【0010】また、請求項1記載のコンクリートブロッ
クの製造方法において、型枠1をコンクリート導入口
1’が下方に位置するように回転させる手段として、側
型1Aに突設した軸部2に該側型1Aを回転させる回転
手段3を連設し、該回転手段3により型枠1をコンクリ
ート導入口1’が下方に位置するように回転させるよう
にしたことを特徴とするコンクリートブロックの製造方
法に係るものである。
【0011】また、分離可能な側型1Aに底型1Bを着
脱可能に連設し、上部にコンクリート導入口1’を有す
る型枠1を、該コンクリート導入口1’を上方に位置さ
せた状態で配設し、この型枠1内にコンクリート導入口
1’からコンクリートを充填するとともにフック7を連
設するフック連結体6を端部が底面に露出する状態で埋
設し、該コンクリートが適度に硬化した後、側型1Aに
突設した軸部2に該側型1Aを回転させる為の回転手段
3を連設し、該回転手段3により型枠1を吊り上げると
ともにコンクリート導入口1’が下方に位置するように
回転させて所定の場所に移動させ、当該場所において脱
型し当該コンクリートを更に硬化させることでコンクリ
ートブロック8を製造し、このコンクリートブロック8
に埋設されているフック連結体6にフック7を連設し、
このフック7を利用してコンクリートブロック8を施工
場所まで移動させ、該フック7を除去することを特徴と
するコンクリートブロックの施工方法に係るものであ
る。
【0012】また、分離可能な側型1Aに底型1Bを着
脱可能に連設し、上部にコンクリート導入口1’を有す
る型枠1を、該コンクリート導入口1’を上方に位置さ
せた状態で配設し、この型枠1内にコンクリート導入口
1’からコンクリートを充填するとともにフック7を連
設するフック連結体6を端部が底面に露出する状態で埋
設し、該コンクリートが適度に硬化した後、側型1Aに
突設した軸部2に該側型1Aを回転させる為の回転手段
3を連設し、該回転手段3により底型1Bを残して該側
型1Aのみを吊り上げるとともにコンクリート導入口
1’が下方に位置するように回転させて所定の場所に移
動させ、当該場所において脱型し当該コンクリートを更
に硬化させることでコンクリートブロック8を製造し、
このコンクリートブロック8に埋設されているフック連
結体6にフック7を連設し、このフック7を利用してコ
ンクリートブロック8を施工場所まで移動させ、該フッ
ク7を除去することを特徴とするコンクリートブロック
の施工方法に係るものである。
【0013】また、分離可能な側型1Aに底型1Bが着
脱可能に連設され上部にコンクリート導入口1’を有す
るコンクリートブロック製造用の型枠1と、上方に位置
するコンクリート導入口1’が下方に位置するように該
型枠1を回転させる為の回転手段3とで構成され、該回
転手段3は型枠1の側型1Aに設けられた連結部2に連
結されていることを特徴とする型枠装置に係るものであ
る。
【0014】
【発明の作用並びに効果】請求項1の発明は、型枠内1
にコンクリート導入口1’からコンクリートを充填し、
該コンクリートが適度に硬化した後、型枠1を吊り上げ
るとともにコンクリート導入口1’が下方に位置するよ
うに回転させて所定の場所に移動させ、その後、脱型し
て当該コンクリートを更に硬化させることでコンクリー
トブロック8を製造する。
【0015】また、請求項2の発明は、請求項1の発明
に加え、側型1Aに突設した軸部2に回転手段3を連設
して型枠1を回転させる。
【0016】また、請求項3,4の発明は、請求項1,
2,3の発明に加え、型枠1をフック連結体6が上方に
位置するようにして所定の場所に移動させ、その後、脱
型し、コンクリートを更に硬化させてコンクリートブロ
ック8を製造し、このコンクリートブロック8のフック
連結体6にフック7を連結し、該フックを利用して施工
場所まで移動させ、フック7をフック連結体6から外
す。
【0017】よって、請求項1,2の発明は、コンクリ
ート打設場所から所定の場所に型枠を移動させるに際し
て型枠を回転させてしまう為、型枠の型面に当接してい
たきれいな仕上がり面が表面に位置する状態で所望の強
度が発揮される状態まで硬化させることができ、よっ
て、施工現場で一々コンクリートブロックを反転させる
作業が不要となりそのまま施工場所に設置でき、それだ
け効率的なコンクリートブロックの施工が行えることに
なる。
【0018】そして、コンクリートブロックの製造に際
し、コンクリートが適度に硬化した時点で型枠を除去
し、直ちにこの型枠を次のコンクリートブロックの製造
に使用することができるから、従来法に比してコンクリ
ートブロックを量産し得る秀れたコンクリートブロック
の製造方法となる。
【0019】更に、請求項3,4の発明は、フック7及
びフック連結体6により施工場所までの移動が非常に効
率的に行えることになる。
【0020】
【発明の実施の形態】図3,4,5,6,7は本発明の
一実施例を図示したものであり、以下に説明する。
【0021】図面の型枠1は、前型1a,後型1b,左
型1c,右型1dを分離可能に連設した側型1Aを底型
1Bに着脱可能に連設したもので、当該型枠1の上部に
はコンクリート導入口1’が設けられている。
【0022】また、図3,4,5,6に図示したよう
に、左型1c及び右型1d夫々の外面中央部には軸部2
が突設されている。この軸部2は該左型1c,右型1d
に固着された角形の軸体2aの先端に鍔板2bを形成し
た構造である。この夫々の軸体2aとクレーン機等に連
結される駆動源を内装した反転機5の回動軸5aとには
チェーン4が係止状態で懸環されている(このチェーン
4と反転機5とが請求項でいう回転手段3)。従って、
回動軸5aを回動させると、回動軸5aとチェーン4と
の係止作用並びにチェーン4と軸体2aの角2a’との
係止作用により、チェーン4が回動し、よって、型枠1
が回転(反転)することになる。
【0023】施工現場に設置する際、鏝でならされた面
でなく、型面に当接していたきれいな仕上がり面が表面
となるように考慮し、且つ、施工現場においてのクレー
ン等の重機を使用してのブロックの反転を行わないよう
にすることを考慮して、最も作業性が向上する型枠1の
吊り上げ移動時に該型枠1を反転させる。その為に回転
手段3が必要となる。
【0024】また、底型1Bの上面には凸部1B’が設
けられている。この凸部1B’は、型枠1内にコンクリ
ートを充填してコンクリートブロックを成形した際、当
該コンクリートブロック8の上面に凹部8aを形成する
為のものである。
【0025】この凸部1B’の適当位置には、例えばフ
ック連結体6が立設されており、コンクリート硬化後、
コンクリート内に埋設されるフック連結体6にフック7
を螺着して当該ブロック8をクレーン機等で吊り上げて
運搬できるようにする。
【0026】本実施例は上述のように構成したから、次
の作用効果を呈する。
【0027】前記型枠1内にコンクリートを充填し、続
いて、このコンクリートが適度に、即ち、型枠1を吊り
上げて反転させても内部のコンクリートが変形しない程
度の硬さに硬化したのを確認した後、型枠1に係る左型
1c及び右型1dから突設する軸部2及びクレーン機等
に吊り部材23を介して連結される反転機5の回動軸5
aにチェーン4を懸環し、側型1Aを吊り上げるととも
に、回動軸5aを回動させてコンクリート導入口1’が
下方に位置するように型枠1を反転させ(図6中A→B
→C→D→E参照)、そのまま降下させて所定位置(ス
トックヤード)に当該型枠1を載置し、続いて、底型1
B及び側型1Aに係る前型1a,後型1b,左型1c,
右型1dを分離して脱型し、ストックヤードでコンクリ
ートを更に硬化させ、この側型1A及び底型1Bを次の
コンクリートブロック8の製造に直ちに使用し、所望の
強度が発揮される状態まで硬化したストックヤードにあ
るコンクリートブロック8はフック7及びフック連結体
6を介してクレーン機等により、適宜、施工場所に設置
され、最後にフック連結体6に螺着したフック7を外
す。
【0028】本実施例は、コンクリート自体を吊り上げ
るのではなく、側型1Aを吊り上げる為、コンクリート
が所望の強度を発揮するまでの硬化を待つ必要はなく、
直ちに当該型枠1を次のブロック製造に転用することが
可能となる。よって、極めて量産性に秀れ、従来法に比
して例えば河川の補修工事などの工期を可及的に短縮す
ることができる。
【0029】また、本実施例によれば、型枠1をストッ
クヤードに移動させる吊り工程中において反転させる
為、型枠1の型面に当接しているきれいな仕上がり面が
表面に出た状態でコンクリートの硬化が行え、よって、
施工現場で反転させたりすることはなく、そのまま当該
コンクリートブロックを設置できることは勿論、必須工
程である打設場所からストックヤードへの移動工程中に
おいて当該反転を行ってしまう為、それだけ作業性が向
上する。
【0030】そして、更に、ストックヤードから施工現
場までの移動に際してはフック連結体6にフック7を螺
着するだけで良く、施工現場での設置完了後は、フック
連結体6に螺着されているフック7を外すだけで良く、
この点においても作業性が向上する。
【0031】以上の本実施例の他、コンクリート充填
後、型枠1を吊り上げてストックヤードに移動させる場
合、底型1Bを側型1Aから分離させて、底型1Bを残
し、側型1Aのみをストックヤードへ移動させ、該スト
ックヤードで側型1Aを脱型するようにしても同様であ
る。
【0032】尚、コンクリート導入口1’開口縁に内方
に突出する突起を設けたり、また、前型1a,後型1
b,左型1c及び右型1dの型面に適宜な凹凸を設けた
りし、コンクリートが充填された側型1Aを反転させた
際に、側型1Aからコンクリートが抜け落ちることを防
止するように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来法に係る説明図である。
【図2】従来法に係る説明図である。
【図3】本実施例に係る型枠の斜視図である。
【図4】本実施例に係る型枠を吊り上げた場合の正面図
である。
【図5】本実施例に係る型枠の要部の側断面図である。
【図6】本実施例に係るコンクリートブロックの製造工
程説明図である。
【図7】本実施例に係る製造方法により製造したコンク
リートブロックの斜視図である。
【符号の説明】
1 型枠 1’コンクリート導入口 1A側型 1B底型 2 軸部,連結部 3 回転手段 6 フック連結体 7 フック 8 コンクリートブロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 種田 孝夫 新潟県新潟市太郎代1572番地9 北日本 建材リース株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B28B 13/06 B28B 1/14 B28B 7/08 B66C 1/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分離可能な側型に底型を着脱可能に連設
    し上部にコンクリート導入口を有する型枠を、該コンク
    リート導入口を上方に位置させた状態で配設し、この型
    枠内にコンクリート導入口からコンクリートを充填し、
    該コンクリートが適度に硬化した後、当該型枠を吊り上
    げるとともにコンクリート導入口が下方に位置するよう
    に回転させて所定の場所に移動させ、その後、脱型して
    当該コンクリートを更に硬化させることでコンクリート
    ブロックを製造することを特徴とするコンクリートブロ
    ックの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のコンクリートブロックの
    製造方法において、型枠をコンクリート導入口が下方に
    位置するように回転させる手段として、側型に突設した
    軸部に該側型を回転させる回転手段を連設し、該回転手
    段により型枠をコンクリート導入口が下方に位置するよ
    うに回転させるようにしたことを特徴とするコンクリー
    トブロックの製造方法。
  3. 【請求項3】 分離可能な側型に底型を着脱可能に連設
    し、上部にコンクリート導入口を有する型枠を、該コン
    クリート導入口を上方に位置させた状態で配設し、この
    型枠内にコンクリート導入口からコンクリートを充填す
    るとともにフックを連設するフック連結体を端部が底面
    に露出する状態で埋設し、該コンクリートが適度に硬化
    した後、側型に突設した軸部に該側型を回転させる為の
    回転手段を連設し、該回転手段により型枠を吊り上げる
    とともにコンクリート導入口が下方に位置するように回
    転させて所定の場所に移動させ、当該場所において脱型
    し当該コンクリートを更に硬化させることでコンクリー
    トブロックを製造し、このコンクリートブロックに埋設
    されているフック連結体にフック7を連設し、このフッ
    クを利用してコンクリートブロックを施工場所まで移動
    させ、該フックを除去することを特徴とするコンクリー
    トブロックの施工方法。
  4. 【請求項4】 分離可能な側型に底型を着脱可能に連設
    し、上部にコンクリート導入口を有する型枠を、該コン
    クリート導入口を上方に位置させた状態で配設し、この
    型枠内にコンクリート導入口からコンクリートを充填す
    るとともにフックを連設するフック連結体を端部が底面
    に露出する状態で埋設し、該コンクリートが適度に硬化
    した後、側型に突設した軸部に該側型を回転させる為の
    回転手段を連設し、該回転手段により底型を残して該側
    型のみを吊り上げるとともにコンクリート導入口が下方
    に位置するように回転させて所定の場所に移動させ、当
    該場所において脱型し当該コンクリートを更に硬化させ
    ることでコンクリートブロックを製造し、このコンクリ
    ートブロックに埋設されているフック連結体にフックを
    連設し、このフックを利用してコンクリートブロックを
    施工場所まで移動させ、該フックを除去することを特徴
    とするコンクリートブロックの施工方法。
  5. 【請求項5】 分離可能な側型に底型が着脱可能に連設
    され上部にコンクリート導入口を有するコンクリートブ
    ロック製造用の型枠と、上方に位置するコンクリート導
    入口が下方に位置するように該型枠を回転させる為の回
    転手段とで構成され、該回転手段は型枠の側型に設けら
    れた連結部に連結されていることを特徴とする型枠装
    置。
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CN107445044A (zh) * 2017-08-01 2017-12-08 深圳海龙建筑科技有限公司 预制构件翻转装置及翻转方法
CN113510833A (zh) * 2021-04-20 2021-10-19 徐州中煤汉泰建筑工业化有限公司 一种装配式建筑用便于模具退模装置
CN114986663A (zh) * 2022-06-10 2022-09-02 玛戈隆特骨瓷(上海)有限公司 一种陶瓷制作用注浆成型装置及其工艺

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