JP2881022B2 - 低着色性スルホン化α,β―不飽和カルボン酸無水物の製造方法 - Google Patents

低着色性スルホン化α,β―不飽和カルボン酸無水物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、スルホン化α,β−不飽和カルボン酸無水
物の製造方法に関するものである。スルホン化α,β−
不飽和カルボン酸無水物は、乳化剤、分散剤、帯電防止
剤、スケール防止剤、導電材料などの原料として広汎な
用途を持つ有用な化合物であるが、特に近年、種々の優
れた界面活性剤の原料として用いられている。本発明
は、当該化合物の有利な製造方法を提供するものであ
る。
(従来の技術) 種々の有機化合物を硫酸、発煙銃酸、無水硫酸などの
スルホン化剤と反応させることにより該当するスルホン
化合物を製造できることは古くから知られており、スル
ホン化α.β−不飽和カルボン酸無水物それ自身も古く
から知られている化合物である。
しかしながら、その製造方法については詳細な研究は
ほとんど為されていないのが現状である。米国特許第3,
987,043号には、α,β−不飽和カルボン酸無水物、た
とえば無水マレイン酸と無水硫酸を有機溶媒の非存在
下、60〜110℃の温度範囲で反応させる方法が開示され
ており、その中で得られた製品は暗褐色に着色している
ことが明示されている。事実、このような方法にもとづ
いて製造されたスルホン化α,β−不飽和カルボン酸無
水物は褐色の着色が著しく極端な場合には赤褐色を呈す
るような製品しか得ることができない。
(発明が解決しようとする課題) このように従来の製造法で合成されたスルホン化α,
β−不飽和カルボン酸無水物は、その着色のためにその
物自身は良好な性能を持っているにもかかわらず、極め
て限られた用途にしか使用することができなく、スルホ
ン化α,β−不飽和カルボン酸無水物の製造方法につい
ては、未だ工業的に満足できる方法は開発されていない
のが現状である。
そこで、本発明の目的は、α,β−不飽和カルボン酸
無水物を無水硫酸によりスルホン化反応せしめて、スル
ホン化α,β−不飽和カルボン酸無水物を製造するに際
し、収率良く着色の少ないスルホン化α,β−不飽和カ
ルボン酸無水物を製造する方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は、かかる目的を達成すべく鋭意研究した
結果、スルホン化剤である無水硫酸そのものを、α,β
−不飽和カルボン酸無水物のスルホン化溶媒に用いるこ
とにより著しく着色性の改良されたスルホン化α.β−
不飽和カルボン酸無水物を全く収率を損なうことなく得
ることが出来ることを発見し本発明を完成させるに至っ
たのである。
α,β−不飽和カルボン酸無水物のスルホン化時に使
用するスルホン化剤が着色性不純物生成の原因であるこ
とからスルホン化剤を溶媒として多量に使用することに
よりスルホン化α,β−不飽和カルボン酸無水物の着色
性が効果的に抑制されることは全く予期せざることと言
わざるをえない。
すなわち、本発明は、α.β−不飽和カルボン酸無水
物を無水硫酸によりスルホン化反応せしめて、スルホン
化α,β−不飽和カルボン酸無水物を製造するに際し、
α,β−不飽和カルボン酸無水物を、該無水物に対して
1.5〜10モル倍量の溶融無水硫酸中に連続的または間欠
的に添加し、溶融状態で反応せしめたのち、未反応の無
水硫酸 を反応終了後反応系から除去することを特徴とするスル
ホン化α.β−不飽和カルボン酸無水物の製造方法であ
る。
本発明の最も特徴とする点は、α,β−不飽和カルボ
ン酸無水物の無水硫酸によるスルホン化反応においてス
ルホン化剤の無水硫酸そのものを溶媒として用いること
により着色性成分の生成を効果的に抑制することであ
る。当該着色成分抑制機構については定かではないが
α,β−不飽和カルボン酸無水物の無水硫酸によるスル
ホン化反応において初期に生成するスルホン化中間体
は、過剰の無水硫酸中では、容易にスルホン化α,β−
不飽和カルボン酸無水物に変化するが、α,β−不飽和
カルボン酸無水物が残存する反応系においては、スルホ
ン化中間体がスルホン化α,β−不飽和カルボン酸無水
物へと変化する以外に着色を誘発する不純物にも変化し
てしまうためと推定される。
したがって常に過剰の無水硫酸中にα,β−不飽和カ
ルボン酸無水物を添加することにより着色の少ないスル
ホン化α,β−不飽和カルボン酸無水物を得ることが出
来るものと考えられる。
使用する無水硫酸は溶融状態にて用いるが、その温度
は17〜60℃、好ましくは20〜50℃である。温度が17℃未
満の場合、無水硫酸は固体であり反応の制御が困難とな
る。温度が60℃を越える場合には、無水硫酸の蒸気圧が
大きくなり操作上問題となり、この場合には生成したス
ルホン化α,β−不飽和カルボン酸無水物の着色の程度
も大きくなる。
無水硫酸の使用量は、α,β−不飽和カルボン酸無水
物に対して1.5〜1.0モル倍量、好ましくは1.5〜3モル
倍量である。使用量が1.5モル倍量より少ない場合、ス
ルホン化α,β−不飽和カルボン酸無水物の着色の程度
が大きく、使用量が10モル倍量より多い場合には、無水
硫酸のコスト及びその回収除去にコストが高くなり経済
的に不利なものとなる。
本発明において用いられるα,β−不飽和カルボン酸
無水物は下記一般式で表現される化合物である。
ここで、R1,R2としては水素原子、低級アルキル基、
ハロゲン原子等をあげることができるが、そのうち少な
くとも一方は水素原子である。
具体例として無水マレイン酸、モノクロロ無水マレイ
ン酸、無水シトラコン酸などをあげることができる。
スルホン化反応に用いられる無錘硫酸は、α,βおよ
びγ型のいずれの形態でも使用できるが、取扱いおよび
反応性の点からするとγ型が最も良い。反応に用いられ
る無水硫酸の純度については、特に制限はないが高い純
度であるほど良好な結果が得られることは言うまでもな
い。
反応系の気相はできるだけ水分を含有しないことが必
要である。本発明者らの知見によれば気相中の水含有量
は3重量%以下であれば特に着色防止に有効であること
がわかっている。
このような理由から、当該方法を実施するにあたり、
反応器中の気相部には乾操空気、高純度窒素ガス、乾操
窒素ガス、アルゴンガスなどが充填される。
反応時間は、スルホン化反応が行なわれる温度によっ
て異なるが、通常少なくともα,β−不飽和カルボン酸
無水物と無水硫酸との反応による発熱が見られなくなる
まで反応が続けられる。
また、未反応の無水硫酸は反応終了後反応系から除去
回収され再使用することができる。未反応の無水硫酸を
反応系から除去するためには、窒素、アルゴン、乾操空
気、二酸化炭素等の気体を吹き込む方法、減圧により残
存する無水硫酸を留去する方法などいずれの方法も採用
できる。
以下、本発明を実施例によって許しく説明するが。本
発明これらに限定されるものではない。
実施例1 滴下ロート、温度計、冷却管および攪拌装置を備えた
4つ口フラスコにγ型無水硫酸160g(2.0mol)を30℃で
溶融攪拌し、フラスコ内の気相を窒素ガス(水分含有量
0.1重量%以下)にて置換したのち、冷却しながら溶融
無水マレイン酸98g(1.0mol)を5時間で適下した。滴
下と共に内温は上昇するが、滴下終了後反応熱による内
温の上昇が見られなくなるまで反応を続けた。反応終了
後、上述の窒素ガスを100ml/minの速度となるよう調節
しながら吹き込み、未反応の無水硫酸を留去した。除去
後、イオンクロマトグラフィーにより残存無水硫酸を測
定したところ、0.1重量%であった。しかるのち、反応
液を冷却することにより淡黄白色のスルホン化無水マレ
イン酸の結晶177gを得た。得られた結晶を高速液体クロ
マトグラフィー(以下HPLCと略記する。)により分析し
た結果およびガードナー比色計による潮定結果を第1表
に示した。
実施例2 実施例1と同じ装置を用い、仕込み量を無水硫酸120g
(1.5mol)および無水マレイン酸98g(1.0mol)として
実施例1と同様の反応を行った。反応終了後、減圧下に
て50℃で未反応の無水硫酸を除去した。除去後イオンク
ロマトグラフィーにより残存無水硫酸を測定したところ
0.1重量%であった。冷却して得られた177gの淡黄白色
の結晶のHPLCによる分析結果、ガードナー測定結果を第
1表に示した。
実施例3 実施例1と同じ装置、仕込量で、フラスコ内の気相部
の置換を乾燥空気(水分含有量2.5重量%)で行った以
外は実施例1と同様の反応を行った。得られた淡黄白色
結晶のHPLCによる分析結果、ガードナー測定結果を第1
表に示した。
比較例1 実施例1と同じ装置を用い、仕込み量を無水硫酸80g
(1.0mol)および無水マレイン酸98g(1.0mol)として
実施例1と同様の反応及び反応終了後の後処理を行い、
未反応の無水硫酸を留去した。
除去後イオンクロマトグラフィーにより残存無水硫酸
を測定したところ0.1重量%であった。冷却して得られ
た169gの赤褐色の結晶のHPLCによる分析結果、ガードナ
ー測定結果を第1表に示した。
比較例2 実施例1と同じ装置を用い、仕込み量を無水硫酸80g
(1.0mol)および無水マレイン酸98g(1.0mol)として
実施例1と同様の反応を行った。反応終了後、実施例2
と同様の後処理を行ない、未反応の無水硫酸を留去し
た。除去後イオンクロマトグラフィーにより残存無水硫
酸を測定したところ0.1重量%であった。冷却して得ら
れた168gの赤褐色の結晶のHPLCによる分析結果、ガード
ナー測定結果を第1表に示した。
フロントページの続き 審査官 福井 悟 (56)参考文献 特開 昭49−24915(JP,A) 特開 昭50−84527(JP,A) 米国特許3987043(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 307/60 C07C 309/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α,β−不飽和カルボン酸無水物を無水硫
    酸によりスルホン化反応せしめてスルホン化α,β−不
    飽和カルボン酸無水物を製造するに際し、α,β−不飽
    和カルボン酸無水物を、該無水物に対して1,5〜10モル
    倍量の溶融無水硫酸中に連続的または間欠的に添加し、
    溶融状態で反応せしめたのち、未反応の無水硫酸を反応
    終了後反応系から除去することを特徴とする低着色性ス
    ルホン化α,β−不飽和カルボン酸無水物の製造方法。
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