JP2880066B2 - 生物学的水処理装置 - Google Patents

生物学的水処理装置

Info

Publication number
JP2880066B2
JP2880066B2 JP6053923A JP5392394A JP2880066B2 JP 2880066 B2 JP2880066 B2 JP 2880066B2 JP 6053923 A JP6053923 A JP 6053923A JP 5392394 A JP5392394 A JP 5392394A JP 2880066 B2 JP2880066 B2 JP 2880066B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tank
carrier
nitrification
water treatment
denitrification
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6053923A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07256291A (ja
Inventor
幸弘 二星
賢二 石丸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP6053923A priority Critical patent/JP2880066B2/ja
Publication of JPH07256291A publication Critical patent/JPH07256291A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2880066B2 publication Critical patent/JP2880066B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生物学的水処理装置に
関し、詳細には、窒素を含む有機性の下水、廃水および
汚水等を、脱窒菌や硝化菌を高濃度に固定化した微生物
担体を用いて浄化処理する生物学的水処理装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】窒素を含む有機性汚水等の生物学的処理
方法としては、好気条件下で硝化菌がアンモニアを硝酸
まで硝化する硝化反応と、嫌気条件下で脱窒菌が硝酸を
窒素ガスに還元する脱窒反応の組み合わせにより、原水
に含まれる窒素成分を除去する活性汚泥循環変法が広く
知られているが、この処理方法では、反応槽内の菌保有
濃度に限界があり、反応のために十分な菌量を保持する
には非常に大きな容量の反応槽を必要になるという問題
があった。
【0003】そこで、槽内の菌保有濃度を高める方策が
検討され、例えば、財団法人、下水道業務管理センター
発行(平成4年6月)の文献「包括固定化硝化菌を用い
た窒素除去プロセスの開発」に紹介されているように、
硝化菌を高濃度に固定化した粒状の微生物担体を投入す
ることで菌保有濃度を高め、硝化反応を促進して滞留時
間を短縮する水処理方法が開発され、また、それら微生
物担体を用いて浄化処理する硝化処理装置(特開平2-21
4597号公報) も提案されている。
【0004】〔図6〕は、上記硝化処理装置を硝化槽ユ
ニットとして備える生物学的水処理装置の概要構成の説
明断面図である。この生物学的水処理装置では、最初沈
澱池(31)と、脱窒槽(41)と硝化槽(42)とを連ねてなる微
生物反応槽(32)と、最終沈澱池(33)をそれぞれ設けると
共に、その微生物反応槽(32)の硝化槽(42)には、硝化菌
を高濃度に固定化した粒状の微生物担体(40)を投入して
いる。また、硝化槽(42)の上側部には、入り側にスクリ
ーン(44)を配した硝化液還流路(43)を設けると共に、脱
窒槽(41)と硝化槽(42)の間に設られた処理水流路(45)に
も、同様のスクリーン(46)を配し、これらスクリーン(4
4),(46) にて、前記微生物担体(40)の流出を防いで硝化
槽(42)内に保持する構成とされている。また脱窒槽(41)
の内底には処理水を攪拌させる攪拌機(47)が、硝化槽(4
2)の内底には処理水中に気泡を放散する散気装置(48)が
それぞれ配置されている。
【0005】この生物学的水処理装置では、硝化菌を高
濃度に固定化した粒状の微生物担体を投入することで、
硝化槽内の菌保有濃度を高めて硝化速度を促進し、前記
活性汚泥循環変法と比べて槽内滞留時間を約半分近くま
で短縮でき、それに伴って微生物反応槽の容量も大幅に
縮減できるという大きな効果を得ている。
【0006】なお、上記従来装置においては、硝化槽の
みに微生物担体を投入しているが、最近では脱窒槽にも
脱窒菌を高濃度に固定化した微生物担体を投入して、微
生物反応槽内の総滞留時間を短縮する水処理方法も検討
されている。また、既存の水処理設備での脱窒処理およ
びその効率化も検討され、例えば、特開平4-310298号公
報では、既存の活性汚泥法による水処理設備の曝気槽等
をそのまま利用して、微生物担体を用いた脱窒処理を行
うことのできる生物学的窒素除去ユニットが提案されて
いる。
【0007】〔図7〕は、上記生物学的窒素除去ユニッ
トの概要構成の説明断面図である。この生物学的窒素除
去ユニットは、枠体(図示省略)にネット(51a) を被着
してなるケージ(51)と、このケージ(51)を脱窒領域(52)
と硝化領域(53)に分割する仕切手段(54)と、脱窒領域(5
2)のケージ(51)に設置されて該脱窒領域(52)内の処理水
を攪拌する攪拌装置(55)と、硝化領域(53)のケージ(51)
に設置されて該硝化領域(53)内の処理水中にエアーを送
り込む散気装置(56)と、ケージ(51)に設置されて硝化領
域(53)から脱窒領域(52)に処理水を循環させる硝化液循
環装置(57)と、脱窒領域(52)と硝化領域(53)に投入され
た微生物担体(50)とから構成されている。また、ケージ
(51)は、既存の活性汚泥水処理設の曝気槽等の反応槽(6
0)内に浸漬できる寸法であって、その枠体(図示省略)
は攪拌装置(55)や散気装置(56)などを取付けるに充分な
強度を有し、また被着されたネット(51a) の目幅は微生
物担体(50)の径よりも小さなものとされている。更に、
このケージ(51)は、据付および撤去が容易なように脱窒
領域(52)と硝化領域(53)とに分離可能とされて、上記反
応槽(60)内に取り出し可能に浸漬配置されている。
【0008】この生物学的窒素除去ユニットでは、脱窒
領域に脱窒菌を固定化した微生物担体を、硝化領域に硝
化菌を固定化した微生物担体を投入することで、既設の
反応槽内での菌保有濃度を高めて硝化および脱窒反応を
促進することができる。また、処理に必要な装置類をユ
ニット化することによって、既存の活性汚泥水処理設備
に対して容易に据え付けられ、また、ケージを引き上げ
ることで、攪拌装置や散気装置等を槽外で着脱して点検
・整備を行うことができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、粒状の微生
物担体に固定化された脱窒菌や硝化菌は、担体表面また
は表層部で増殖し、かつ、その表面や表層部の脱窒菌や
硝化菌が主として脱窒や硝化反応に関与するので、上記
従来装置で用いる微生物担体は、粒径が 1〜30mm程度と
比較的小さな粒状体とされている。一方、汚水処理場等
においては、数百立方メートル規模の微生物反応槽をも
つ大型な生物学的水処理装置が適用され、またその槽内
の菌保有量を高めて脱窒や硝化反応を促進するために、
上記の微生物担体は、数十立方メートル規模の量で投入
される。そして、槽内に投入された微生物担体は、毒性
物の槽内流入による固定菌の死滅等のアクシデントが生
じない限り、一部交換や補充等の対処のみによって長期
の処理に継続して用いられるが、その反応を安定させて
長期の処理を効率良く継続するためには、微生物反応槽
に装備した機械装置類、特に槽底の攪拌装置および散気
装置の適切な点検・整備および交換などの保全整備が重
要となる。
【0010】しかし、これら生物学的水処理装置におい
ては、投入した微生物担体が阻害要因となって、装備し
た機械装置類、特に槽底の攪拌装置や散気装置等の点検
・整備や交換作業に比較的長時間を要し、それが保全整
備のための運転停止時間を延長させて稼働率の低下を招
くという問題が派生している。
【0011】すなわち、前記従来の生物学的水処理装置
では、点検・整備等に際し、槽底の機械装置は、槽内を
排水して露出させた上で、分解整備や交換等を行うので
あるが、その排水に伴い、大量に投入されている微生物
担体が堆積して槽底の機械装置上を覆うので、これら微
生物担体を点検・整備すべき槽底の機械装置上から排除
することが必要となる。そのため、この種の生物学的水
処理装置では、まず、槽内の水位を低下させて微生物担
体を槽底に集め、その大部分をサンドポンプ等により槽
外に回収し、次いで、槽内を完全に排水して、残余の微
生物担体を槽底および機械装置上に堆積させた後、それ
らを散水または掻寄せ等により点検・整備すべき機械装
置上から順次排除して片寄せ、また必要に応じて片寄せ
た微生物担体をサンドポンプ等によって槽外に回収し、
しかる後に、その槽底の機械装置の点検・整備および交
換を行うという、比較的煩雑で時間を要する作業手順が
採られている。
【0012】また、前記従来の生物学的窒素除去ユニッ
トでは、反応槽内からケージをを引き上げることで、槽
内を排水することなく、内下部に設置された攪拌装置や
散気装置等を槽外に取り出すことができるが、その際
に、このケージ内の微生物担体も同時に引き上げられ、
その内底で堆積して内下部の攪拌装置や散気装置上を覆
うので、それら機械装置の点検・整備や交換を行うに
は、上記と同様に、ケージ内の微生物担体の全量または
大部分を外部に回収する必要が生じる。そのため、ま
ず、ケージを中途まで引き上げて微生物担体を下底に集
め、その大部分をサンドポンプ等により外部に回収し、
次いで、ケージを完全に反応槽外に取り出した後、上記
と同様にして、残余の微生物担体を内下部の機械装置上
から排除した上で点検・整備および交換を行うという、
上記同様の作業手順が必要となる。更にまた、この従来
の生物学的窒素除去ユニットは、処理に必要な攪拌装置
や散気装置等の機械装置類をユニット化してケージに設
置しているので、硝化領域と脱窒領域とに分離しても、
単位重量の大きなものとなり、大型な既存水処理設備に
適用するために大型構成とした場合には、その引き上げ
が困難で、大容量の引き上げ手段を特別に準備する必要
がある。また、前記前者の生物学的水処理装置のよう
に、既に必要な機械装置類を備えている水処理装置には
適用できない。
【0013】本発明は、上記従来技術の問題を解消する
ためになされたもので、微生物反応槽が比較的大型とさ
れ、かつ槽内の菌保有濃度を高めるために大量の微生物
担体が投入される場合でも、装備した機械装置類の点検
・整備や交換に際し、槽内の微生物担体を、槽底の機械
装置上から容易に排除でき、更には、その全量を槽外に
回収することなく一部を槽内に残留させてなお、点検・
整備すべき槽底の機械装置上を容易に解放することがで
きて、それら機械装置の点検・整備や交換等の作業を効
率良く行うことができ、よって保全整備のための運転停
止時間を短縮して稼働率の向上が図れる生物学的水処理
装置の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、内底に攪拌装
置を複数配置した脱窒槽と散気装置を複数配置した硝化
槽とからなる微生物反応槽を備え、かつ、その脱窒槽お
よび/または硝化槽内に粒状の微生物担体を有してなる
生物学的水処理装置において、上記目的を達成するため
に、以下の技術的手段を講じたことを特徴とするもので
ある。すなわち、請求項1記載の生物学的水処理装置
は、前記微生物担体を内部に有する脱窒槽の攪拌装置の
直上方に位置する内底部および硝化槽の散気装置の直上
方に位置する内底部に、前記微生物担体の径よりも小さ
な目幅を有して槽内上部と下底部とを気液流通可能に画
成するスクリーンが複数に分割され、個別に着脱可能に
配設してなることを特徴とするものである。
【0015】
【0016】請求項2記載の生物学的水処理装置は、前
記微生物担体を有する脱窒槽の攪拌装置の側方に位置す
る内底1側壁部および硝化槽の散気装置の側方に位置す
る内底1側壁部に、上方を開口させた樋状の担体集合溝
を設ける一方、前記微生物担体を内部に有する脱窒槽の
攪拌装置の直上方に位置する内底部および硝化槽の散気
装置の直上方に位置する内底部に、前記微生物担体の径
よりも小さな目幅を有して槽内上部と下底部とを気液流
通可能に画成するスクリーンが一体に形成されると共に
その1側辺を前記担体集合溝の内側上端縁に回動可能に
連結されているものである。
【0017】請求項3記載の生物学的水処理装置は、前
記微生物担体を有する脱窒槽の攪拌装置の側方に位置し
て対向する内底2側壁部および硝化槽の散気装置の側方
に位置して対向する内底2側壁部それぞれに、上方を開
口させた樋状の担体集合溝を設ける一方、前記微生物担
体を内部に有する脱窒槽の攪拌装置の直上方に位置する
内底部および硝化槽の散気装置の直上方に位置する内底
部に、前記微生物担体の径よりも小さな目幅を有して槽
内上部と下底部とを気液流通可能に画成するスクリーン
1側辺を前記2つの担体集合溝の内側上端縁それぞれ
に回動可能に連結された2つの分割スクリーンからなる
ものである。
【0018】請求項4記載の生物学的水処理装置は、前
記攪拌装置が、所定高さの架台を介して脱窒槽内底に取
付けられる一方、前記硝化槽内底の各散気装置の間に、
それら散気装置の天板上面高さと同高さ位置で上端を開
口させた樋状の担体集合溝を設けてなることを特徴とす
るものである。
【0019】請求項5記載の生物学的水処理装置は、上
記硝化槽の散気装置の側方に位置する内底コーナ部に、
前記微生物担体の径よりも小さな目幅の担体流出阻止網
を介装した排水口を介して槽外に開閉可能に連通する担
体集合ピットを設ると共に、この担体集合ピットに前記
担体集合溝それぞれが連通されているものである。
【0020】なお、上記本発明の粒状の微生物担体は、
球状、正立方体状、多面体状、短角柱状、短丸柱状およ
び短筒状等の各種形状に形成されると共に、脱窒菌ない
しは硝化菌を高濃度に結合固定化あるいは包括固定化し
た粒状体である。
【0021】
【作用】請求項1記載の生物学的水処理装置では、粒状
の微生物担体を内部に有する脱窒槽の攪拌装置の直上方
および硝化槽の散気装置の直上方に、微生物担体の径よ
りも小さな目幅を有して槽内上部と下底部とを気液流通
可能に画成するスクリーンを配設しているので、このス
クリーンによって、脱窒槽および/または硝化槽内の微
生物担体が、それら槽の下底部側に流下して槽底に配置
した攪拌装置および散気装置に達することを阻止する一
方、攪拌装置による処理水の攪拌および散気装置による
処理水中への散気を円滑に行うことができ、高い菌保有
濃度のもとで高効率の脱窒浄化処理を達成できる。そし
て、前記スクリーンが複数に分割され、個別に着脱可能
に配設しているので、脱窒槽内の攪拌装置および硝化槽
内の散気装置の点検・整備等に際して槽内を排水し、こ
の脱窒槽および/または硝化槽内の微生物担体を、槽底
の攪拌装置や散気装置上に堆積させることなく、スクリ
ーン上に堆積させると共に、その大部分をサンドポンプ
等により槽外に回収した後、残余の微生物担体を各分割
スクリーンと共に順次側方に片寄せることで、残余の微
生物担体および分割スクリーンを槽外に取り出すことな
く、点検・整備すべき槽底の各機械装置上を順次かつ容
易に解放でき、それら機械装置の点検・整備や交換等の
作業を効率良く行うことができる。
【0022】
【0023】請求項2記載の生物学的水処理装置では、
微生物担体を有する脱窒槽および硝化槽の内底1側壁部
に、上方を開口させた樋状の担体集合溝を設ける一方、
前記微生物担体を内部に有する脱窒槽の攪拌装置の直上
方に位置する内底部および硝化槽の散気装置の直上方に
位置する内底部に、前記微生物担体の径よりも小さな目
幅を有して槽内上部と下底部とを気液流通可能に画成す
るスクリーンを、一体に形成すると共にその1側辺を担
体集合溝の内側上端縁に回動可能に連結させているの
で、上記と同様に槽底の機械装置の点検・整備等に際し
て槽内を排水し、槽内の微生物担体をスクリーン上に堆
積させると共に、その大部分を槽外に回収した後、該ス
クリーンの反担体集合溝側の端部を上昇させて回動傾斜
させると共に、残余の微生物担体を散水等によって担体
集合溝内に流し込んで集めることで、残余の微生物担体
を槽外に回収することなく、槽底の各機械装置上を容易
に解放でき、それら機械装置の点検・整備や交換等の作
業を効率良く行うことができる。
【0024】請求項3記載の生物学的水処理装置では、
微生物担体を有する脱窒槽および硝化槽の対向する内底
2側壁部それぞれに、上方を開口させた樋状の担体集合
溝を設ける一方、前記微生物担体を内部に有する脱窒槽
の攪拌装置の直上方に位置する内底部および硝化槽の散
気装置の直上方に位置する内底部に、前記微生物担体の
径よりも小さな目幅を有して槽内上部と下底部とを気液
流通可能に画成するスクリーンを、1側辺を2つの担体
集合溝の内側上端縁それぞれに回動可能に連結させた2
つの分割スクリーンからなるものとしているので、上記
と同様に槽底の機械装置の点検・整備等に際して槽内を
排水し、槽内の微生物担体をスクリーン上に堆積させる
と共に、その大部分を槽外に回収した後、2つの分割ス
クリーンそれぞれの反担体集合溝側の端部を上昇させて
回動傾斜させると共に、残余の微生物担体を散水等によ
り両側の担体集合溝内に流し込んで集めることで、残余
の微生物担体を槽外に回収することなく、槽底の各機械
装置上を容易に解放でき、それら機械装置の点検・整備
や交換等の作業を効率良く行うことができる。また、ス
クリーンを2つの分割スクリーンで構成しているので、
比較的大型で微生物担体の投入量の多い槽についても、
堆積した微生物担体を担体集合溝内に流し込むための回
動傾斜が容易となる。
【0025】請求項4記載の生物学的水処理装置では、
脱窒槽内底の各攪拌装置を所定高さの架台を介して槽内
底に取付けているので、その脱窒槽においては、攪拌装
置の点検・整備等に際して槽内を排水し、該槽内の微生
物担体を、架台の高さより低い高さ範囲内の槽底に堆積
させて、該架台上の攪拌装置を微生物担体の堆積層より
高く露出させることができる。一方、硝化槽内底の各散
気装置の間に、それら散気装置の天板上面高さと同高さ
位置で上端を開口させた樋状の担体集合溝を設けている
ので、その硝化槽においては、散気装置の点検・整備等
に際して槽内を排水し、該槽内の微生物担体を、槽底の
各散気装置上および担体集合溝内に堆積させると共に、
その大部分を槽外に回収した後、散気装置上に堆積した
残余の微生物担体を散水等により担体集合溝内に流し込
むことで、各散気装置上を容易に解放できる。従って、
その脱窒槽および/または硝化槽内の微生物担体の全量
を槽外に回収することなく、槽底の各攪拌装置および散
気装置の点検・整備や交換等の作業を効率良く行うこと
ができる。なお、上記脱窒槽の架台の高さは、この脱窒
槽の内底面積と微生物担体の総容積とから設定され、排
水時における微生物担体の脱窒槽底での予測堆積層厚さ
よりもやや大きな高さとされる。
【0026】請求項5記載の生物学的水処理装置では、
上記硝化槽の内底コーナ部に、この硝化槽内の微生物担
体の径よりも小さな目幅の担体流出阻止網を介装した排
水口を介して槽外に開閉可能に連通する担体集合ピット
を設ると共に、その担体集合ピットに上記担体集合溝そ
れぞれが連通させているので、この硝化槽内底の散気装
置の点検・整備等に際して槽底近くまで排水し、該槽内
の微生物担体を、槽底の各散気装置上および担体集合溝
内に堆積させると共に、その大部分を槽外に回収した
後、担体集合ピットの排水口を解放することで、各散気
装置上から各担体集合溝に流れ込んで担体集合ピットに
向かう水流を形成し、その水流によって散気装置上に堆
積した残余の微生物担体を、各担体集合溝および担体集
合ピット内に流し込んで集め、よって、残余の微生物担
体を槽外に回収することなく、槽底の各散気装置上を容
易に解放でき、それら散気装置の点検・整備や交換等の
作業を効率良くに行うことができる。
【0027】
【実施例】本発明に係る生物学的水処理装置の実施例に
ついて、以下に、図面を参照して説明する。〔図1〕
は、本発明の生物学的水処理装置の第1実施例の概要構
成の説明図であって、 (a)図は装置全体の概要構成配置
を示す正断面図、 (b)図は (a)図のA−A断面図であ
る。
【0028】〔図1〕の (a)図において、 (2)は微生物
反応槽であって、この微生物反応槽(2) は、脱窒槽(11)
と硝化槽(12)とを連ねてなる大型水槽で、その上流側に
は最初沈澱池(1) が、下流側には最終沈澱池(3) がそれ
ぞれ配設されている。また、最初沈澱池(1) は送給流路
(4) を介して脱窒槽(11)に接続され、また、最終沈澱池
(3) には、鎮静後の処理水を放流する放流路(6) と、沈
澱した活性汚泥の一部を脱窒槽(11)に返送するための汚
泥返送管路(7) が設けられると共に、その汚泥返送管路
(7) の中途に汚泥排出管路(8) が分岐して設けられてい
る。
【0029】一方、微生物反応槽(2) の硝化槽(12)の上
部には、脱窒槽(11)に向かう硝化液還流路(13)が設けて
あり、また、その硝化液還流路(13)の入側には、担体流
出阻止網(14)が硝化槽(12)の内下部とを画成して斜めに
配され、この担体流出阻止網(14)の上部が、処理水流路
(5) を介して最終沈澱池(3) に接続されている。また、
脱窒槽(11)と硝化槽(12)との間の仕切壁部には、硝化槽
(12)に向けて処理水を送る連通流路(15)が設けてあり、
この連通流路(15)にも、上記と同様の担体流出阻止網(1
4') が配されている。
【0030】更に、脱窒槽(11)の内底には処理水を攪拌
する水中攪拌機(16)が、硝化槽(12)の内底には処理水中
に気泡を放散する散気装置(17)がそれぞれ複数配置され
ている。また、硝化槽(12)の散気装置(17)は、上方に向
けて個別に取り外し可能に、それぞれの天板(17a) 同士
を連ねて配置されている。
【0031】また、脱窒槽(11)の水中攪拌機(16)の直上
方と、硝化槽(12)の散気装置(17)の直上方に位置する槽
内底部それぞれに、その上部と下底部とを気液流通可能
に画成する網状のスクリーン(18),(19) が着脱可能に配
設されている。そして、その脱窒槽(11)内のスクリーン
(18)上方に、脱窒菌を高濃度に固定化した微生物担体
(P) が、硝化槽(12)内のスクリーン(19)上方に、硝化菌
を高濃度に固定化した微生物担体(P')がそれぞれ投入さ
れている。
【0032】また、それら微生物担体(P),(P')は、粒径
が約 5mmの粒状体とされ、一方、脱窒槽(11)および硝化
槽(12)内のスクリーン(18),(19) は、微生物担体(P),
(P')を通過させない 3〜 4mm程度の目幅の網体(18b),(1
9b) を枠体(18c),(19c) に張着した複数の分割スクリー
ン(18a),(19a) からなり、かつ、その枠体(18c),(19c)
は耐腐食性の有する鋼材、網体(18b),(19b) はステンレ
ス鋼線からなるものとされている。また、それらスクリ
ーン(18),(19) の分割スクリーン(18a),(19a) は、 (b)
図に示すように、下方の水中攪拌機(16)および散気装置
(17)に対応する区画形状にそれぞれ分割されると共に上
方に向けて個別に着脱可能とされている。
【0033】上記構成配置の本実施例の生物学的水処理
装置では、最初沈澱池(1) から微生物反応槽(2) に供給
された最初沈澱池流出水(W) 中の窒素成分は、硝化槽(1
2)内の好気条件下での硝化菌の作用によって、NH4 +
−N→NO3 - −Nとなり、更に、この硝化槽(12)の硝
化処理水の大部分は、硝化液還流路(13)を経て脱窒槽(1
1)に戻され、その硝化処理水中の窒素成分NO3 - −N
は、脱窒槽(11)内の嫌気条件下での脱窒菌の作用によっ
てNO3 - −N→N2 となり、窒素ガスとなって水中か
ら除去される。またその際に、脱窒槽(11)内の脱窒菌
は、最初沈澱池流出水(W) 中の有機成分を消費する。一
方、硝化槽(12)の処理水の一部は、最終沈澱池(3) に送
られ、この最終沈澱池(3) における鎮静後に得られた処
理水は放流され、沈澱した汚泥は、その一部が汚泥返送
管路(7) を経て脱窒槽(11)に返送され、残部は余剰汚泥
として処分される。
【0034】そして、本実施例の生物学的水処理装置で
は、微生物反応槽(2) の脱窒槽(11)と硝化槽(12)に脱窒
菌または硝化菌を高濃度に固定化した微生物担体(P),
(P')を投入しているので、それら槽内の菌保有濃度を高
めて脱窒および硝化速度を促進し、窒素を含む有機性汚
水等の浄化処理を効率良く行うことができる。
【0035】一方、それら微生物担体(P),(P')は、毒性
物の槽内流入による固定菌の死滅等のアクシデントが生
じない限り、一部交換や補充等の対処によって長期の処
理に継続して用いるが、その反応を安定させて長期の処
理を効率良く継続するには、その微生物反応槽(2) に装
備した機械装置類、特に槽底の水中攪拌機(16)および散
気装置(17)の適切な点検・整備や交換等の保全整備が必
要とされる。
【0036】ここで、本実施例の生物学的水処理装置で
は、槽底の水中攪拌機(16)および散気装置(17)の点検・
整備等に際し、次の手順にて、それら水中攪拌機(16)お
よび散気装置(17)上を解放し、その点検・整備や交換等
の作業を行う。
【0037】まず、脱窒槽(11)および硝化槽(12)内を、
その内底部のスクリーン(18),(19)より少し高い水位と
なるまで排水する。このとき、槽内の微生物担体(P),
(P')は、槽底の水中攪拌機(16)や散気装置(17)上に堆積
することなく、その上方に配置されたスクリーン(18),
(19) の各分割スクリーン(18a),(19a) 上に堆積する。
次いで、各分割スクリーン(18a),(19a) 上に堆積した微
生物担体(P),(P')の大部分を、サンドポンプ等により槽
外に回収し、続いて槽内を完全に排水した後に、残余の
微生物担体(P),(P')を各分割スクリーン(18a),(19a) と
共に順次側方に片寄せ、これによって、残余の微生物担
体(P),(P')および分割スクリーン(18a),(19a) を槽外に
取り出すことなく、点検・整備すべき槽底の水中攪拌機
(16)および散気装置(17)上を順次に解放し、それらの点
検・整備や交換等の作業を行う。
【0038】このようにして、槽底の機械装置の点検・
整備や交換等の作業を行う本実施例の生物学的水処理装
置では、前述した従来装置のように、堆積した微生物担
体を散水や掻き寄せによって個々の機械装置上から順次
排除する等の煩雑な槽内作業を行うことなく、各分割ス
クリーンを残余の微生物担体と共に順次側方に片寄せる
だけで、点検・整備すべき槽底の機械装置上を容易に解
放できて、それら機械装置の点検・整備や交換等の作業
を効率良く行うことができ、よって保全整備のための運
転停止時間を短縮して稼働率の向上が図れる。また、脱
窒浄化処理時においては、槽底部のスクリーンによっ
て、微生物担体が、下底側に流下して槽底の攪拌装置お
よび散気装置に達することを防いで、攪拌装置による処
理水の攪拌および散気装置による処理水中への散気を円
滑に行うことができ、よって高い菌保有濃度のもとで高
効率の浄化処理を安定して達成できる。
【0039】なお、上記実施例においては、微生物反応
槽の脱窒槽および硝化槽の内底部に配置するスクリーン
は、複数の分割スクリーンからなるものとしたが、例え
ば、比較的小型の微生物反応槽で、かつその脱窒槽およ
び硝化槽上部の解放が容易とされている場合には、スク
リーンを一体型とし、槽底の機械装置の点検・整備等に
際し、このスクリーンを残余の微生物担体と共に一旦槽
外に取り出すことで、点検・整備すべき槽底の機械装置
上を解放する構成とされても良い。
【0040】次いで、本発明の生物学的水処理装置の第
2および第3実施例を、〔図2〕および〔図3〕により
説明する。なお、これら実施例の生物学的水処理装置で
は、微生物反応槽の脱窒槽および硝化槽の内底部の一部
構成およびその内底部に配置するスクリーンの構成がそ
れぞれ異なる点を除いて、装置全体の構成配置は上記第
1実施例のものと同じであるので、〔図2〕および〔図
3〕では微生物反応槽のみを図示すると共に、〔図1〕
と等価な各部には同符号を付して説明を省略し、以下、
その差異点について要約して説明するものとする。
【0041】〔図2〕は、本発明の生物学的水処理装置
の第2実施例の概要説明図であって、 (a)図は要部の構
成を示す正断面図、 (b)図および (c)図は要部の作動説
明図である。
【0042】本実施例の生物学的水処理装置では、〔図
2〕の (a)図に示すように、微生物反応槽(2) の脱窒槽
(11)底の前側壁部と硝化槽(12)底の後側壁部に、上方を
開口させた樋状の担体集合溝(20),(21) がそれぞれ設け
られている。また、それら担体集合溝(20),(21) は、脱
窒槽(11)および硝化槽(12)それぞれの全横幅にわたり、
かつ、それぞれの開口上端を、側方に位置する水中攪拌
機(16)および散気装置(17)の上端よりも少し高く位置づ
けて設けられている。
【0043】一方、脱窒槽(11)の水中攪拌機(16)および
硝化槽(12)の散気装置(17)の直上方に配置されたスクリ
ーン(18'),(19') は、枠体(18c'),(19c') に、第1実施
例のものと同種で同目幅の網体(18b'),(19b') を張着し
てなる一体型とされると共に、その前側辺または後側辺
を、担体集合溝(20),(21) の内側上端縁にそれぞれ回動
可能に連結されている。
【0044】上記構成の本実施例の生物学的水処理装置
では、槽底の水中攪拌機(16)および散気装置(17)の点検
・整備等に際し、まず、第1実施例の場合と同様に、脱
窒槽(11)および硝化槽(12)内を、その内底部のスクリー
ン(18'),(19') より少し高い水位まで排水し、 (b)図に
示すように、それら槽内の微生物担体(P),(P')を、スク
リーン(18'),(19') 上に堆積させると共に、その大部分
をサンドポンプ等により槽外に回収する。次いで、槽内
を完全に排水した後、 (c)図に示すように、脱窒槽(11)
および硝化槽(12)のスクリーン(18'),(19') を、担体集
合溝(20),(21)と反対側の端辺部を引き上げて、回動傾
斜させると共に、残余の微生物担体(P),(P')を散水等に
よって前側ないしは後側の担体集合溝(20),(21) 内に流
し込んで集め、これによって、残余の微生物担体(P),
(P')およびスクリーン(18'),(19')を槽外に取り出すこ
となく、点検・整備すべき槽底の水中攪拌機(16)および
散気装置(17)上を解放し、それらの点検・整備や交換等
の作業を行う。
【0045】このようにして、槽底の機械装置の点検・
整備や交換等の作業を行う本実施例の生物学的水処理装
置では、微生物担体の一部を槽内に残留させてなお、ス
クリーンの回動傾斜と散水だけで、槽底の機械装置上を
容易に解放できて、それら機械装置の点検・整備や交換
等の作業を効率良く行うことができ、よって保全整備の
ための運転停止時間をより短縮して稼働率の向上が図れ
る。
【0046】〔図3〕は、本発明の生物学的水処理装置
の第3実施例の概要説明図であって、 (a)図は要部の構
成を示す正断面図、 (b)図および (c)図は要部の作動説
明図である。
【0047】本実施例の生物学的水処理装置では、〔図
3〕の (a)図に示すように、微生物反応槽(2) の脱窒槽
(11)底の対向する前・後側壁部と、硝化槽(12)底の対向
する前・後側壁部に、第2実施例のものと同構成の担体
集合溝(20),(21) をそれぞれ設けている。
【0048】一方、脱窒槽(11)の水中攪拌機(16)および
硝化槽(12)の散気装置(17)の直上方に配置されたスクリ
ーン(18"),(19") は、槽前後方向で分割された2つの分
割スクリーン(18a"),(19a") からなり、また、その分割
スクリーン(18a"),(19a") は、枠体(18c"),(19c") に第
1実施例のものと同種で同目幅の網体(18b"),(19b")を
張着してなると共に、前端ないしは後端辺を前後2つの
担体集合溝(20),(21)の内側上端縁それぞれに回動可能
に連結されている。
【0049】上記構成の本実施例の生物学的水処理装置
では、槽底の水中攪拌機(16)および散気装置(17)の点検
・整備等に際し、第2実施例と同様に槽内を排水するこ
とで、 (b)図に示すように、微生物担体(P),(P')をスク
リーン(18"),(19") の分割スクリーン(18a"),(19a") 上
に堆積させると共に、その大部分をサンドポンプ等によ
り槽外に回収する。次いで、槽内を完全に排水し、 (c)
図に示すように、それら分割スクリーン(18a"),(19a")
を、その内側端辺部を引き上げて回動傾斜させると共
に、残余の微生物担体(P),(P')を散水等によって前後側
の担体集合溝(20),(21) 内に流し込んで集め、これによ
って、残余の微生物担体(P),(P')およびスクリーン(1
8"),(19") を槽外に取り出すことなく、点検・整備すべ
き槽底の水中攪拌機(16)および散気装置(17)上を解放
し、それらの点検・整備や交換等の作業を行う。
【0050】本実施例の生物学的水処理装置では、第2
実施例と同様に、微生物担体の一部を槽内に残留させて
なお、スクリーンの回動傾斜と散水だけで、槽底の機械
装置上を容易に解放できて、それら機械装置の点検・整
備や交換等の作業を効率良く行うことができ、よって保
全整備のための運転停止時間をより短縮して稼働率の向
上が図れる。また、スクリーンを2分割構成としている
ので、堆積した微生物担体を担体集合溝内に流し込むた
めの回動傾斜が容易となり、比較的大型で微生物担体の
投入量の多い槽に適用して効果的である。
【0051】なお、以上に述べた第1〜第3実施例で
は、スクリーンの網体は、ステンレス鋼線からなるもの
としたが、これは一例であって、処理水中において、微
生物担体に固定化された脱窒菌や硝化菌に悪影響を及ぼ
す酸化物等を生成せず、かつ、耐腐食性を有して構造強
度を維持できるものであれば、他の鋼種の鋼線や合成樹
脂線等からなるものとされて良いことは言うまでもな
い。また、その網体を張着する枠体を構成する鋼材の種
別についても同様の観点から選定される。また、第2〜
第3実施例では、脱窒槽および硝化槽の担体集合溝を槽
の前・後壁部に設けたが、それら槽の形状等によって
は、担体集合溝を側壁部に設け、その担体集合溝に向け
てスクリーンを傾動させる構成とされて良いことは言う
までもない。
【0052】次いで、本発明の生物学的水処理装置の第
4および第5実施例を、〔図4〕および〔図5〕により
説明する。なお、これら実施例の生物学的水処理装置で
では、微生物反応槽の脱窒槽および硝化槽の内底部の一
部構成が異なる点と、その内底部にスクリーンを配置し
ない点を除いて、装置全体の構成配置は前記第1実施例
のものと同じであるので、〔図4〕および〔図5〕では
微生物反応槽のみを図示すると共に、〔図1〕と等価な
各部には同符号を付して説明を省略し、以下、その差異
点について要約して説明するものとする。
【0053】〔図4〕は、本発明の生物学的水処理装置
の第4実施例の概要説明図であって、 (a)図は要部の構
成を示す正断面図、 (b)図は排水時の状態の説明図であ
る。
【0054】本実施例の生物学的水処理装置では、〔図
4〕の (a)図に示すように、微生物反応槽(2) の脱窒槽
(11)内の各水中攪拌機(16)は、この脱窒槽(11)底に取着
された架台(22)上に取付けられている。また、それら架
台(22)の高さhは、該脱窒槽(11)の内底面積と投入され
る微生物担体(P) の総容積とから設定され、槽内排水時
における微生物担体(P) の槽底での予測堆積層厚さより
少し大きい高さとされている。
【0055】一方、硝化槽(12)底の前後方向に隣接する
散気装置(17)それぞれの間に、上端を開口させた樋状の
担体集合溝(23)が平行に設けられている。また、それら
担体集合溝(23)は、硝化槽(12)の全横幅にわたり、か
つ、その開口上端を側方の散気装置(17)の天板(17a) 上
面高さと同高さ位置として槽内底に固着されている。ま
た、各担体集合溝(23)の上部側端と隣接する散気装置(1
7)の天板(17a) とは互いに密接され、かつ、各散気装置
(17)は、上方に向けて個別に取り外し可能とされてい
る。
【0056】上記構成の本実施例の生物学的水処理装置
では、槽底の水中攪拌機(16)および散気装置(17)の点検
・整備等に際し、まず、脱窒槽(11)および硝化槽(12)内
を排水する。このとき、脱窒槽(11)内の微生物担体(P)
は、一部が各水中攪拌機(16)上に堆積するが、そのほと
んどは架台(22)上端より低い高さ範囲内の槽底に堆積
し、各攪拌装置(16)は槽底の堆積層より高く露出する。
一方、硝化槽(12)内の微生物担体(P')は、各散気装置(1
7)の天板(17a) 上および担体集合溝(23)内に堆積するの
で、その大部分をサンドポンプ等により槽外に回収す
る。次いで、散水によって、脱窒槽(11)の水中攪拌機(1
6)上の微生物担体(P) を槽底に洗い落す一方、硝化槽(1
2)の散気装置(17)の天板(17a) 上の残余の微生物担体
(P')を担体集合溝(23)内に流し込み、これによって、脱
窒槽(11)内の微生物担体(P) を槽外に取り出すことな
く、また硝化槽(12)内に微生物担体(P')の一部を残留さ
せたままで、点検・整備すべき槽底の水中攪拌機(16)お
よび散気装置(17)上を解放し、それらの点検・整備や交
換等の作業を行う。
【0057】このようにして、槽底の機械装置の点検・
整備や交換等の作業を行う本実施例の生物学的水処理装
置では、槽内の排水と続く散水による水中攪拌機および
散気装置上からの微生物担体の排除だけで、槽底の機械
装置上を容易に解放できて、それら機械装置の点検・整
備や交換等の作業を効率良く行うことができ、よって保
全整備のための運転停止時間を短縮して稼働率の向上が
図れる。
【0058】〔図5〕は、本発明の生物学的水処理装置
の第5実施例の要部の概要構成を示す横断上面図であ
る。
【0059】〔図5〕に示す本実施例の生物学的水処理
装置では、微生物反応槽(2) の脱窒槽(11)内の各水中攪
拌機(16)は、第4実施例と同構成の架台(22)上に取付け
られいる。また、硝化槽(12)底の散気装置(17)間には、
第4実施例と同構成の担体集合溝(23)が設けられ、か
つ、それら担体集合溝(23)は、同図に示すように、槽底
側壁に沿って設けられた連通溝(24)を介して、該硝化槽
(12)の内底コーナ部に設けられた担体集合ピット(25)
に、それぞれ連通されている。また、この担体集合ピッ
ト(25)は、該硝化槽(12)内の微生物担体(P')の径よりも
小さな目幅の担体流出阻止網(26)を内端部に介装すると
共に、出側に開閉弁(28)を配した排水口(27)を介して槽
外に連通されている。
【0060】上記構成の本実施例の生物学的水処理装置
では、槽底の水中攪拌機(16)および散気装置(17)の点検
・整備等に際し、第4実施例と同様にして、脱窒槽(11)
底の水中攪拌機(16)上を解放できる。また、硝化槽(12)
では、排水の後半において、担体集合ピット(25)の排水
口(27)を解放することで、各散気装置(17)上から各担体
集合溝(23)に流れ込んで担体集合ピット(25)に向かう水
流を形成し、この水流によって散気装置(17)上に堆積す
る微生物担体(P')を、各担体集合溝(23)および担体集合
ピット(25)内に自律的に流し込んで集め、槽底の各散気
装置(17)上をより容易に解放でき、よって、槽底の機械
装置の点検・整備や交換等の作業をより効率良く行うこ
とができて、保全整備のための運転停止時間をより短縮
して稼働率の向上が図れる。
【0061】なお、以上の5実施例では、微生物反応槽
の脱窒槽および硝化槽の双方に微生物担体を投入する場
合について述べたが、本発明は、これに限定されるもの
でなく、微生物反応槽の脱窒槽ないしは硝化槽のいずれ
か一方に微生物担体を投入する場合でも同様の効果が得
られることは言うまでもない。
【0062】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明に係る生物
学的水処理装置では、微生物反応槽が比較的大型とさ
れ、かつ槽内の菌保有濃度を高めるために大量の微生物
担体が投入される場合でも、装備した機械装置類の点検
・整備や交換等に際し、槽内の微生物担体を、点検・整
備すべき槽底の機械装置上から容易に排除でき、更に
は、その全量を槽外に回収することなく一部を槽内に残
留させてなお、点検・整備すべき槽底の機械装置上を容
易に解放することができて、それら機械装置の点検・整
備や交換等の作業を効率良く行うことができ、よって保
全整備のための運転停止時間を短縮して稼働率を向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生物学的水処理装置の第1実施例の概
要構成の説明図であって、 (a)図は装置全体の概要構成
配置を示す正断面図、 (b)図は (a)図のA−A断面図で
ある。
【図2】本発明の生物学的水処理装置の第2実施例の概
要説明図であって、 (a)図は要部の構成を示す正断面
図、 (b)図および (c)図は要部の作動説明図である。
【図3】本発明の生物学的水処理装置の第3実施例の概
要説明図であって、 (a)図は要部の構成を示す正断面
図、 (b)図および (c)図はは要部の作動説明図である。
【図4】本発明の生物学的水処理装置の第4実施例の概
要説明図であって、 (a)図は要部の構成を示す正断面
図、 (b)図は排水時の状態の説明図である。
【図5】本発明の生物学的水処理装置の第5実施例の要
部の概要構成を示す横断上面図である。
【図6】従来の生物学的水処理装置の概要構成の説明断
面図である。
【図7】従来の生物学的窒素除去ユニットの概要構成の
説明断面図である。
【符号の説明】
(1) --最初沈澱池 (2) --微生物反応槽 (3) --最終沈澱池 (4) --送給流路 (5) --処理水流路 (6) --放流路 (7) --汚泥返送管路 (8) --汚泥排出管路 (11)--脱窒槽 (12)--硝化槽 (13)--硝化液還流路 (14)--担体流出阻止網 (14') --担体流出阻止網 (15)--連通流路 (16)--水中攪拌機 (17)--散気装置 (17a) --天板 (18)--スクリーン (18a) --分割スクリーン (18b) --網体 (18c) --枠体 (19)--スクリーン (19a) --分割スクリーン (19b) --網体 (19c) --枠体 (P) --微生物担体 (P')--微生物担体 (W) --最初沈澱池流出水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C02F 3/34 C02F 3/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内底に攪拌装置を複数配置した脱窒槽と
    散気装置を複数配置した硝化槽とからなる微生物反応槽
    を備え、かつ、その脱窒槽および/または硝化槽内に粒
    状の微生物担体を有してなる生物学的水処理装置におい
    て、前記微生物担体を内部に有する脱窒槽の攪拌装置の
    直上方に位置する内底部および硝化槽の散気装置の直上
    方に位置する内底部に、前記微生物担体の径よりも小さ
    な目幅を有して槽内上部と下底部とを気液流通可能に画
    成するスクリーンが複数に分割され、個別に着脱可能に
    配設してなることを特徴とする生物学的水処理装置。
  2. 【請求項2】 内底に攪拌装置を複数配置した脱窒槽と
    散気装置を複数配置した硝化槽とからなる微生物反応槽
    を備え、かつ、その脱窒槽および/または硝化槽内に粒
    状の微生物担体を有してなる生物学的水処理装置におい
    て、前記微生物担体を有する脱窒槽の攪拌装置の側方に
    位置する内底1側壁部および硝化槽の散気装置の側方に
    位置する内底1側壁部に、上方を開口させた樋状の担体
    集合溝を設ける一方、 前記微生物担体を内部に有する脱窒槽の攪拌装置の直上
    方に位置する内底部および硝化槽の散気装置の直上方に
    位置する内底部に、前記微生物担体の径よりも小さな目
    幅を有して槽内上部と下底部とを気液流通可能に画成す
    るスクリーンが一体に形成されると共にその1側辺を前
    記担体集合溝の内側上端縁に回動可能に連結されてなる
    ことを特徴とする生物学的水処理装置。
  3. 【請求項3】 内底に攪拌装置を複数配置した脱窒槽と
    散気装置を複数配置した硝化槽とからなる微生物反応槽
    を備え、かつ、その脱窒槽および/または硝化槽内に粒
    状の微生物担体を有してなる生物学的水処理装置におい
    て、前記微生物担体を有する脱窒槽の攪拌装置の側方に
    位置して対向する内底2側壁部および硝化槽の散気装置
    の側方に位置して対向する内底2側壁部それぞれに、上
    方を開口させた樋状の担体集合溝を設ける一方、 前記微生物担体を内部に有する脱窒槽の攪拌装置の直上
    方に位置する内底部および硝化槽の散気装置の直上方に
    位置する内底部に、前記微生物担体の径よりも小さな目
    幅を有して槽内上部と下底部とを気液流通可能に画成す
    るスクリーンが1側辺を前記2つの担体集合溝の内側上
    端縁それぞれに回動可能に連結された2 つの分割スクリ
    ーンからなることを特徴とする生物学的水処理装置。
  4. 【請求項4】 内底に攪拌装置を複数配置した脱窒槽と
    散気装置を複数配置した硝化槽とからなる微生物反応槽
    を備え、かつ、その脱窒槽および/または硝化槽内に粒
    状の微生物担体を有してなる生物学的水処理装置におい
    て、前記攪拌装置が、所定高さの架台を介して脱窒槽内
    底に取付けられる一方、前記硝化槽内底の各散気装置の
    間に、それら散気装置の天板上面高さと同高さ位置で上
    端を開口させた樋状の担体集合溝を設けてなることを特
    徴とする生物学的水処理装置。
  5. 【請求項5】 前記硝化槽の散気装置の側方に位置する
    内底コーナ部に、前記微生物担体の径よりも小さな目幅
    の担体流出阻止網を介装した排水口を介して槽外に開閉
    可能に連通する担体集合ピットを設ると共に、この担体
    集合ピットに前記担体集合溝それぞれが連通されている
    請求項4記載の生物学的水処理装置。
JP6053923A 1994-03-24 1994-03-24 生物学的水処理装置 Expired - Fee Related JP2880066B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6053923A JP2880066B2 (ja) 1994-03-24 1994-03-24 生物学的水処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6053923A JP2880066B2 (ja) 1994-03-24 1994-03-24 生物学的水処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07256291A JPH07256291A (ja) 1995-10-09
JP2880066B2 true JP2880066B2 (ja) 1999-04-05

Family

ID=12956251

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6053923A Expired - Fee Related JP2880066B2 (ja) 1994-03-24 1994-03-24 生物学的水処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2880066B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07256291A (ja) 1995-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3471619B2 (ja) 生物濾過槽における濾材の閉塞防止装置
JP3045478B2 (ja) 養魚用汚水ろ過装置および浄化装置
CN205347124U (zh) 城市河道排污口污水处理设备
WO1998055407A1 (fr) Procede et appareil de traitement des eaux usees
JP2880066B2 (ja) 生物学的水処理装置
US20030183572A1 (en) Activated sludge method and device for the treatment of effluent with nitrogen and phosphorus removal
JPH04310298A (ja) 生物学的窒素除去用ユニット
CN208394884U (zh) 污水处理装置
JPH11290882A (ja) 窒素除去装置
JPH07155788A (ja) 硝化脱窒装置
JP3468171B2 (ja) 廃水処理装置
JPH0623391A (ja) 上向流式生物学的処理装置
JP3666064B2 (ja) 排水処理装置
CN212894377U (zh) 一种生活污水处理设备
CN209412045U (zh) 高效bmr污水处理装置
JP7469911B2 (ja) 水処理設備及び沈殿池
JP3679528B2 (ja) 汚水処理設備における微細物の除去装置
CN212864467U (zh) 污水处理系统
JP2601391B2 (ja) 生物学的硝化脱窒素装置
JPH1147786A (ja) 窒素除去装置
JP3118783B2 (ja) 回分式排水処理法及びその処理装置
JP3652473B2 (ja) 排水処理システム
JPH0975994A (ja) 生物学的廃水処理装置
KR20000002327A (ko) 상향여과식생물막법을이용한하수와오.폐수처리방법및장치
KR200214568Y1 (ko) 하수 및 오폐수 처리장치

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19990105

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090129

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100129

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees