JP3652473B2 - 排水処理システム - Google Patents

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    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、公共下水、工場排水等の排水を、担持体に担持された微生物によって生物学的に処理する排水処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
公共下水、工場排水等の排水は、通常、排水処理施設等によって浄化処理されるようになっており、また、最近では、環境汚染を一層確実に防止するために、下水処理施設等の処理能力の向上、および、処理水の水質の向上が要求されている。このために、排水処理施設では、排水中のBOD(生物的酸素要求量)およびアンモニア性窒素を、微生物を利用して低減させる生物学的処理方法が採用されている。このような生物学的処理方法の一つに、微生物が担持された担持体を、生物反応槽内の排水中に浮遊させて、好気的条件下において、担持体に担持された微生物によって排水を処理する方法がある。この場合、BODは、排水中に浮遊する活性汚泥によって酸化分解され、アンモニア性窒素は、担持体に担持された硝化菌等の微生物によって、亜硝酸または硝酸に酸化処理される。
【0003】
このような生物学的な処理方法では、生物反応槽を大型化することにより、処理能力を向上させることができる。しかしながら、都市部においては、下水処理施設を広い敷地面積で建設することが困難になっているために、生物反応槽の水深を7m〜数十m程度に深くして、処理能力を向上させることが行われている。このような深槽式の生物反応槽では、数mm程度の担持体に、微生物を包括固定あるいは結合させることによって担持して、処理される下水に対して5〜20容量%の割合で配置して、生物反応槽の底部の全面から空気を供給して曝気するようになっている。
【0004】
この場合、微生物が担持された担持体を下水中に浮遊させた状態で、200mg/l のBOD濃度を10mg/l 以下に低減させるとともに、40mg/l のアンモニア性窒素を2mg/l 以下に低減させるためには、下水1m3 当たり約6m3 の曝気空気量が必要になる。通常、曝気のために使用される送風機の吐出圧力は、最大で7000mm水柱圧程度であるために、水深が5m以上の生物反応槽においては、底部の全面にわたって曝気するためには、吐出圧力が大きくなった特別仕様の送風機が必要になる。その結果、送風機自体が高価になるとともに、送風機による消費電力も増大し、経済性が損なわれることになる。
【0005】
また、水深の深い部分にて曝気処理すると、水中に溶解する空気量が増加する。しかしながら、水中に多量の空気が溶解すると、後段の沈殿池では、溶解した空気が細かい気泡となって分離し、水中の懸濁固体に空気が付着して、懸濁固体の沈降分離が妨害されるおそれがある。
【0006】
このような問題を解決するために、生物反応槽を上下2段に分離して、上段に流入する排水のみを曝気処理して、下段に流入する排水を嫌気条件にて脱窒処理する装置が提案されている。しかしながら、この場合には、生物反応槽の構造が複雑になる。また、下段部分は、上段にて覆われているために、維持管理が容易でないという問題もある。
【0007】
これに対して、生物反応槽の内部を、垂直な仕切り板にて2つの処理室に分割し、各処理室同士を、仕切り板の上側および下側にて連通させるとともに、一方の処理室内に曝気装置を配置する排水処理システムも開発されている。この場合には、曝気装置が配置された処理室内にて水が上昇し、仕切り板の上側を通って他方の処理室内に水が流入するために、生物反応槽内にて、担持体が含まれた水が循環することになる。
【0008】
しかし、このような構成では、生物反応槽における底面のコーナー部では、水が十分に流動せず、そのコーナー部にて担持体が堆積するおそれがある。コーナー部における担持体の堆積を防止するために、水の流速を速くすると、担持体自体が磨耗し、長期にわたって安定的に使用することができなくなる。
【0009】
また、生物反応槽の内部に複数の円筒状の上昇流路を設けて、各上昇流路内に曝気装置をそれぞれ配置するとともに、各上昇流路の下方の底部に、下側になるにつれて順次狭くなった凹溝を設ける排水処理システムも開発されている。このような構成では、各上昇流路内の水が曝気装置によってそれぞれ上方に流動し、各上昇流路の上端部から吐出される。そして、各上昇流路から吐出される水に含まれる担持体が、重力によって分離されて沈降する。沈降した担持体は、各上昇流路の下方の各溝部内に流動して、水とともに各上昇流路内に流入することになり、担持体は、水とともに循環されることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
排水を処理する生物反応槽には、つりがね虫と称せられる70〜190μm程度の微小動物(正式名:Epistylis urceolata )が多量に発生することがある。このような微小動物が、生物反応槽の水中に含まれる担持体に付着すると、担持体の見掛け上の比重が0.1〜0.2程度小さくなる。このように、担持体の見掛け上の比重が軽くなると、担持体の沈降速度が遅くなる。担持体の沈降速度が、3cm/s以下になると、担持体を重力によって分離させることができなくなるおそれがある。このような問題を防止するために、担持体の比重を大きくすると、担持体が生物反応槽の底部に堆積してしまう。
【0011】
さらに、生物反応槽の底部に水中撹拌機を配置して、その水中撹拌機によって、生物反応槽内の水を、担持体とともに撹拌することを試みたところ、秒速2m以上の流速域で、流れの剪断作用によって、つりがね虫は、付着しにくくなることが見出された。従って、このような方法で、担持体に対する微小動物の付着は防止することができる。しかし、生物反応槽のすみずみにまで担持体を均一に撹拌することは困難であり、担持体に担持された微生物による排水の処理効率が低下するという問題がある。
【0012】
本発明は、このような問題を解決するものであり、その目的は、微生物が担持された担持体に微小動物が付着するおそれがなく、生物反応槽内に流入する排水を効率よく処理することができる排水処理システムを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の排水処理システムは、原水の流入口と処理水の流出口とを有し、微生物が担持された多数の担持体が、生物反応槽内に流入する原水中に浮遊する間に、その担持体に担持された微生物によって原水が処理される排水処理システムであって、生物反応槽の底面に配置され、生物反応槽内の水を上部から吸い込んで斜め下方に向かって周囲に吐出することにより、担持体が撹拌混合された水を生物反応槽の底面に沿って流動させる水中撹拌機と、生物反応槽の底面に沿って流動する水が担持体とともに流入するように、生物反応槽内に上下方向に沿って配置された上昇流路と、この上昇流路内の水が担持体とともに上方に流動するように、上昇流路内の水を曝気する曝気手段と、曝気手段にて曝気された水から担持体が重力分離されて、担持体が分離された水が流入するように生物反応槽内に設けられた処理水水路と、該処理水水路からオーバーフローした水が流入するように、この処理水水路に隣接して設けられた流出水路あるいは処理水路と、を具備することを特徴とする。
【0014】
前記担持体は、粒子径が0.5〜5.0mm程度、比重が1.03〜1.15程度である。
【0015】
前記担持体は、無機材料の粉末を含有する有機高分子材料によって含水ゲルに構成されており、微生物が包括固定されている。
【0016】
前記担持体は、生物反応槽内に、生物反応槽内の水に対して、5〜20容量%程度が収容されている。
【0018】
前記上昇流路は、生物反応槽の底面とは適当な間隔をあけて垂直状態に配置された隔壁と、生物反応槽の側面とによって構成されている。
【0019】
前記原水の流入口は、生物反応槽の側面から、上昇流路内に向かって原水を吐出する。
【0021】
前記生物反応槽の内部には、担持体が分離された水が流入するように処理水水路が設けられており、前記流出水路は、この処理水水路からオーバーフローする水が流入するようになっている。
【0022】
前記上昇流路は、生物反応槽の底面と適当な間隔をあけて垂直状態に配置されたドラフト管で形成され、この上昇流路の上側に配置された曝気撹拌装置が、上昇流路内の水を吸引して、圧縮エアーと混合して周囲に吐出するようになっている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の排水処理システムの実施の形態の一例を示す概略横断面図である。この排水処理システムでは、原水が流入する生物反応槽11内にて、担持体に担持された微生物によって、原水が処理されるようになっている。生物反応槽11は、幅寸法が10m程度であるのに対して、その奥行き長さは100m程度になっており、しかも、深さが10m程度の深層式になっている。生物反応槽11の底面11aは、一方の側面11bから他方の側面11cにかけて、幅方向に沿って順次深くなるように傾斜している。
【0025】
生物反応槽11には、原水が流入する原水流入管12が設けられている。原水流入管12は、生物反応槽11における側面11cの外側に配管されており、その側面11cの上下方向の中間部に連結された主管12aと、この主管12aから分岐して生物反応槽11の底面11aに連結された枝管12bとを有している。主管12aは、原水ポンプ12dによって、原水を生物反応槽11に供給するようになっており、また、原水ポンプ12dから主管12aに吐出される原水には、曝気装置15の空気供給管15cによって、空気が混合されるようになっている。主管12a内にて原水と混合される空気は、微細な気泡となって生物反応槽11内に噴出する。気泡は、微細であるために、水中での滞留時間が長く、酸素の溶存効率が高められる。枝管12bには、原水ポンプ12eによって供給される原水が、開閉弁12eを介して、生物反応槽11の底部に供給されるようになっている。
【0026】
生物反応槽11の内部には、原水にふくまれるアンモニア性窒素を亜硝酸または硝酸にまで酸化する硝化菌が微生物として担持された多数の微小な担持体13が収容されている。担持体は、無機材料の粉末を含有する有機高分子材料により、粒子径が0.5〜5.0mm程度、比重が1.03〜1.15程度の含水ゲルで構成されており、微生物が包括固定されている。担持体13は、生物反応槽11にて処理される水に対して5〜20容量%程度の割合で、生物反応槽11内の水中に混合されている。微生物が担持された担持体13は、原水流入管12から生物反応槽11内に流入した原水内に浮遊して、担持体13によって担持された微生物によって、その原水におけるアンモニア性窒素を酸化処理する。
【0027】
生物反応槽11の底面11aには、水中撹拌機14が設けられている。この水中撹拌機14は、底面11aの浅くなった側縁に近接して配置されており、生物反応槽11内の水を上部から吸い込んで、斜め下方に向かって周囲に吐出するようになっている。水中撹拌機14から吐出される水は、生物反応槽11の底面11aに沿って流動する。
【0028】
生物反応槽11の内部には、底面11aの深くなった側縁に連続する側面11cに沿った上昇流路11eが形成されるように、長手方向に沿って隔壁11dが設けられている。この隔壁11dの下端部は、底面11aに対して適当な間隔があけられている。隔壁11dは、側面11cの上下方向中程までは、その側面11cとは一定の間隔があけられた垂直状態になっており、隔壁11dの上部は、上側になるにつれて順次側面11cから離れるように傾斜している。従って、上昇流路11eの上部は、上側になるにつれて順次広がった状態になっている。隔壁11dの上端は、生物反応槽11内に収容される水の水位よりも、適当な距離だけ下方に位置している。
【0029】
隔壁11dに近接した生物反応槽11の側面11cは、他方の側面11bよりも高くなっている。また、この側面11cよりも低くなった他方の側面11bの上部外面には、この側面11cからのオーバーフロー水が流入する流出水路11fが設けられている。生物反応槽11内からのオーバーフロー水は、この流出水路11fを通って排水される。
【0030】
生物反応槽11には、流出水路11fが設けられた側面11bに近接して、分離壁26が設けられている。この分離壁26は、側面11bとは適当な間隔をあけて垂直に配置されており、その下端部は、生物反応槽11の中程に位置している。分離壁26と側面11bとの間には処理水水路25が形成されている。前記水中撹拌機14は、この処理水水路25の下方に配置されている。
【0031】
原水流入管12から生物反応槽11内に流入した原水は、水中撹拌機14によって、担持体13とともに、生物反応槽11の底面11aに沿って流動し、隔壁11dと底面11aとの間を通って上昇流路11e内に流入して、曝気空気によって、その上昇流路11e内を上昇する。上昇流路11e内を上昇した水は、担持体13とともに、隔壁11dの上方を通過して、生物反応槽11の上部に流動し、生物反応槽11内を循環流動する。分離壁26と側面11bとの間の処理水水路25では、担持体13の沈降速度よりも遅い上昇速度で 処理水が上昇し、担持体13が水に対して重力分離されて沈降する。
【0032】
原水流入管12によって生物反応槽11内に流入した原水は、生物反応槽11内に収容された状態になり、その原水内を多数の微小な担持体13が浮遊する。生物反応槽11内の原水は、担持体13とともに、底面11aに設けられた水中撹拌機14によって、底面11aに沿って流動し、原水流入管12の主管12aから曝気空気とともに吐出される原水によって、上昇流路11e内に流入されて上昇流路11e内を上昇する。このとき、上昇流路11e内を担持体13とともに上昇する水は、原水内に吹き込まれた曝気空気によって曝気される。曝気された水は、担持体13とともに、上昇流路11eから生物反応槽11の上部に流動し、生物反応槽11内を循環する。
【0033】
このように、生物反応槽11内を流動する水は、その水中を浮遊する担持体13にて担持された微生物である硝化菌によって、アンモニア性窒素が亜硝酸または硝酸に酸化される。また、排水中を浮遊する活性汚泥によって、生物要求酸素量(BOD)が低減される。特に、曝気装置15の各空気供給管15cによって吹き込まれる曝気空気によって、生物反応槽11内の水が曝気されるために、担持体13に担持された硝化菌および活性汚泥が、好気条件下にて効率よく排水を処理する。
【0034】
生物反応槽11内を排水とともに流動する担持体13は、比重が1.03〜1.15と、水の比重によりも若干大きくなっているために、処理水水路25内には流入せずに、処理水から重力分離され、担持体13は、水中を沈降する。そして、沈降した担持体13は、水中撹拌機14によって水とともに流動する。担持体13が分離した処理水は、生物処理槽11における低くなった側面11bをオーバーフローして、流出水路11f内に排出される。
【0035】
このような排水処理システムでは、曝気装置15によって、排水に対する空気供給量を自由に変更することができるために、原水の水質および水量に応じた適正な曝気量に制御することができる。また、処理された水の酸素溶存量が多すぎることにより、後工程の沈殿池において、溶解した酸素が気泡となって分離して、懸濁固体の沈降が抑制されるようなおそれがない。
【0036】
図2は、本発明の排水処理システムの実施の形態の他の例を示す斜視図である。この排水処理システムでは、微生物が担持された多数の担持体が収容されている生物反応槽11内には、各側面11bおよび11cに沿って、上昇流路11eがそれぞれ形成されるように、隔壁11dが、生物反応槽11の長手方向の全長にわたって、それぞれ垂直に設けられている。各上昇流路11eの上下方向中程には、曝気装置の散気管17が、それぞれ長手方向に沿って水平に設けられている。各散気管17には、各側方に水平に突出する複数の枝管部17aが、長手方向に等しい間隔をあけて設けられており、各枝管部17aは、例えば、多孔性物質によって管状に構成されており、その内部に圧縮空気が供給されることにより、上方に向かって曝気空気が放出されるようになっている。
【0037】
生物反応槽11の幅方向中央部である各隔壁11dの間には、それぞれが長手方向に沿って垂直に配置された一対の分離壁26が適当な間隔をあけて設けられている。各分離壁26の下端は、生物反応槽11の上下方向の中程に位置しており、各分離壁26の上端面には、長手方向に沿った波形状の越流堰が形成されている。各分離壁26の間には、担持体に担持された微生物によって処理された処理水が上昇する処理水水路25が形成されている。各分離壁26の上部における隔壁11d側には、流出水路11fが、長手方向に沿ってそれぞれ設けられている。各流出水路11fは、各分離壁26をオーバーフローする処理水が流入するようになっており、各流出水路11f内に流入した処理水が、生物反応槽11の外部に排出される。
【0038】
生物反応槽11における底面11aの中央部には、水中撹拌機14が設けられている。この水中撹拌機14は、上部から吸引した水を、下部から周囲に吐出するようになっている。
【0039】
このような排水処理システムでは、図示しない原水流入管から生物反応槽11内に原水が流入すると、原水は、微生物が担持された担持体とともに、水中撹拌機14によって撹拌されて、生物反応槽11内における各側部に設けられた上昇流路11e内に流入する。各上昇流路11e内に流入した排水は、曝気装置の各散気管17から上方に向かって放出される圧縮エアーによって、曝気されるとともに、上方に向かって流動される。曝気された排水は、担持体とともに、隔壁11eと分離壁26との間に流動して、その部分にて担持体が重力分離され、担持体が沈降する。担持体が沈降して分離された水は、各分離壁26の間の処理水水路25内に流入して、各分離壁26の上端面からそれぞれオーバーフローし、流出水路11f内に排出される。
【0040】
図3は、本発明の排水処理システムの実施の形態のさらに他の例を示す横断面図である。この排水処理システムでは、微生物が担持された担持体13が収容された生物反応槽11の上部に、分離槽18が設けられている。この分離槽18は、上端面および下端面が開放された四角筒状をしており、幅方向に沿って配置された各分離壁18aの上端面には、波形状の凹凸がそれぞれ設けられている。分離槽18における各分離壁18aの上部外面には、水平な処理水路18bがそれぞれ設けられており、各処理水路18bの各端部が、枝管部18cをそれぞれ介して、生物反応槽11の上部を幅方向に貫通する排水管19にそれぞれ連結されている。
【0041】
生物反応槽11における分離槽18の中央部の下方である底面11aの中央部には、水中撹拌機14が設けられている。この水中撹拌機14は、上部から吸引される水を、斜め下方に向かって周囲に吐出するようになっている。また、上部の吸引口には、カバー30が設けられており、水中撹拌機14が停止したときに、生物反応槽11内を沈降する担持体が撹拌機内に流入して堆積することを防止している。これにより、水中撹拌機14内に流入して堆積した担持体によって、運転開始時に極端な負荷が水中撹拌機14のモーターに加わることが防止され、モーターが破壊されることが防止されるとともに、担持体が破損することも防止することができる。
【0042】
生物反応槽11における幅方向の各側部には、上昇流路を構成するドラフト管22がそれぞれ垂直に設けられている。各ドラフト管22は、下端面が生物反応槽11の底面11aに対して適当な間隔をあけた状態で配置されている。各ドラフト管22の上端面は、生物反応槽11における上下方向中央部よりも若干上方に位置している。
【0043】
各ドラフト管22の上端面には、曝気撹拌装置21がそれぞれ連結されている。各曝気撹拌装置21は、下方の水を吸引して、上部から斜め下方の周囲に向かって吐出するようになっている。各曝気撹拌装置21には、生物反応槽11の上方から生物反応槽11内に配管した空気供給管21aが連結されており、この空気供給管21aによって供給される曝気空気が、曝気撹拌装置21内に吸引された水内に混合される。
【0044】
このような構成の排水処理システムでは、生物反応槽11内に流入した原水が、生物反応槽11の底面11a中央部に設けられた水中撹拌機14によって、微生物が担持された担持体とともに、生物反応槽11の底面11aに沿って、周囲に拡散される。担持体とともに周囲に拡散された排水は、生物反応槽11の所定位置に配置された各ドラフト管22上の曝気撹拌装置21によって、各ドラフト22の下端面から、担持体とともに各ドラフト管22内に吸引されて、ドラフト管22内の上昇流路を上昇し、曝気撹拌装置21にて、エアー供給管21aから供給される圧縮エアーが混合されることによって曝気された状態で、斜め下方に向かって周囲に吐出される。
【0045】
このように、生物反応槽11内にて水が循環する間に、担持体に担持された微生物である硝化菌および活性汚泥によって、排水中のアンモニア性窒素が亜硝酸または硝酸に酸化処理されるとともに、BODが酸化分解される。
【0046】
曝気撹拌装置21から吐出される水に含まれる担持体は、水の比重に対して若干大きい1.03〜1.15の比重になっているために、分離槽18の下方にて重力分離され、水中をゆっくりと沈降する。そして、沈降した担持体は、底面11aの中央部に配置された水中撹拌機14によって周囲に拡散され、前述したように、曝気撹拌装置21によって、ドラフト管22内の上昇流路に吸引されて上昇し、曝気された状態で、分離槽18の下方に循環される。
【0047】
分離槽18の下方に吐出された水は、担持体に担持された微生物、および活性汚泥によって処理されており、担持体が重力分離された状態で、分離槽18内に流入して、分離槽18における各分離壁18aからオーバーフローし、処理水路18bおよび枝管部18cを通って排水管19内に排出される。
【0048】
このような排水処理システムでも、各曝気撹拌装置21によって、排水に対するエアー供給量を自由に変更することができるために、処理された水の酸素溶存量が多すぎることにより、後工程の沈殿池において、溶解した酸素が気泡となって分離して懸濁固体の沈降が抑制されるようなおそれがない。
【0049】
なお、上記実施の形態では、微生物が包括固定された担持体を使用する構成であったが、微生物が結合された担持体を使用するようにしてもよい。
【0050】
【発明の効果】
本発明の排水処理システムは、このように、微生物が担持された担持体によって、生物反応槽内の排水を処理する際に、生物反応槽の底面に配置された水中撹拌機によって、排水を担持体とともに底面に沿って流動させて、上昇流路内に流入させて、上昇流路内にて曝気するとともに上昇させた後に、重力分離によって担持体を分離させるようになっているために、深槽式の生物反応槽の全体にわたって担持体を撹拌することができ、微小動物が担持体に付着して、担持体が重力分離できなくなるようなおそれがない。また、担持体が生物反応槽のコーナー部に堆積するようなおそれもなく、担持体に担持された微生物によって、排水を長期にわたって安定的に処理することができる。担持体と水との分離に比重差を利用して、網面等のスクリーンを使用していないために、スクリーンの目詰まりの解消させる等の作業が不要になり、維持管理が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排水処理システムの実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の排水処理システムの実施の形態の他の例を一部破断して示す斜視図である。
【図3】本発明の排水処理システムの実施の形態のさらに他の例を示す要部の断面図である。
【符号の説明】
11 生物反応槽
11a 底面
11b 側面
11c 側面
11d 隔壁
11e 上昇流路
11f 流出水路
12 原水流入管
12a 主管
12b 枝管
13 担持体
14 水中撹拌機
15 曝気装置
15c 空気供給管
17 散気管
18 分離槽
21 曝気撹拌装置
22 ドラフト管
25 処理水水路
26 分離壁

Claims (4)

  1. 原水の流入口と処理水の流出口とを有し、微生物が担持された多数の担持体が、生物反応槽内に流入する原水中に浮遊する間に、その担持体に担持された微生物によって原水が処理される排水処理システムであって、
    生物反応槽の底面に配置され、生物反応槽内の水を上部から吸い込んで斜め下方に向かって周囲に吐出することにより、担持体が撹拌混合された水を生物反応槽の底面に沿って流動させる水中撹拌機と、
    生物反応槽の底面に沿って流動する水が担持体とともに流入するように、生物反応槽内に上下方向に沿って配置された上昇流路と、
    この上昇流路内の水が担持体とともに上方に流動するように、上昇流路内の水を曝気する曝気手段と、
    曝気手段にて曝気された水から担持体が重力分離されて、担持体が分離された水が流入するように生物反応槽内に設けられた処理水水路と、
    該処理水水路からオーバーフローした水が流入するように、この処理水水路に隣接して設けられた流出水路あるいは処理水路と、
    を具備することを特徴とする排水処理システム。
  2. 前記担持体は、 無機材料の粉末を含有する有機高分子材料によって、粒子径が0.5〜5.0mm、比重が1.03〜1.15の含水ゲル状に構成されたものである請求項1に記載の排水処理システム。
  3. 前記担持体は、生物反応槽内に、生物反応槽の水に対して、5〜20容量%程度が収容されている請求項1に記載の排水処理システム。
  4. 前記上昇流路は、生物反応槽の底面と適当な間隔をあけて垂直状態に配置されたドラフト管で形成され、該ドラフト管の上端面には、上昇流路内の水を吸引して、周囲に向かって吐出する曝気撹拌装置が設けられている請求項1に記載の排水処理システム。
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