JP2874380B2 - チップ型積層セラミックコンデンサ - Google Patents
チップ型積層セラミックコンデンサInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は面実装用のチップ型積層
セラミックコンデンサに関する。更に詳しくは積層セラ
ミックコンデンサの内部電極に関するものである。
セラミックコンデンサに関する。更に詳しくは積層セラ
ミックコンデンサの内部電極に関するものである。
【0002】
【従来の技術】チップ型積層セラミックコンデンサは、
基板等の表面に直接実装される面実装用電子部品として
広く用いられている。このコンデンサは、内部電極とセ
ラミック誘電体とを交互に積層することにより複数の内
部電極同士が対向するベアチップを形成し、このベアチ
ップの端部に内部電極が取出され、この取出された部分
を含むベアチップの端部を包込むように覆って外部接続
用の端子電極を形成して作られる。一方、近年積層セラ
ミックコンデンサの技術開発が進み、従来はタンタルコ
ンデンサや電解コンデンサが用いられた分野にまで積層
セラミックコンデンサが使用され始めている。例えばス
イッチング電源の平滑用コンデンサ等が挙げられる。こ
のような用途ではコンデンサは大容量で高耐圧であるこ
とが要求され、しかも交流での耐電圧特性及び交流での
耐湿負荷寿命特性が重要となっている。
基板等の表面に直接実装される面実装用電子部品として
広く用いられている。このコンデンサは、内部電極とセ
ラミック誘電体とを交互に積層することにより複数の内
部電極同士が対向するベアチップを形成し、このベアチ
ップの端部に内部電極が取出され、この取出された部分
を含むベアチップの端部を包込むように覆って外部接続
用の端子電極を形成して作られる。一方、近年積層セラ
ミックコンデンサの技術開発が進み、従来はタンタルコ
ンデンサや電解コンデンサが用いられた分野にまで積層
セラミックコンデンサが使用され始めている。例えばス
イッチング電源の平滑用コンデンサ等が挙げられる。こ
のような用途ではコンデンサは大容量で高耐圧であるこ
とが要求され、しかも交流での耐電圧特性及び交流での
耐湿負荷寿命特性が重要となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、チップ型積層
セラミックコンデンサでは端子電極に含まれるガラスフ
リット中のガラス成分がチップのセラミック誘電体層に
拡散して電気的に弱い部分を形成し易いため、端子電極
部分に水分が浸入した状態で交流を印加してコンデンサ
に常に電流を流すと、端子電極近傍の誘電体層では電気
化学的な劣化又は腐食が起きることがあった。特に最外
層の内部電極が形成されていない部分と端子電極のベア
チップ端部の包込み部分との間のセラミック誘電体層に
おいてその傾向が顕著でこの誘電体層で絶縁不良を引起
こす恐れがあった。またチップ型積層セラミックコンデ
ンサに空気中で高電圧を印加した場合、沿面放電と呼ば
れる現象が起きる。これはコンデンサ表面の誘電体層中
の端子電極とそれに対向する内部電極の最外層の間で、
コロナ放電が起き、電流が流れる現象である。この現象
は交流で特に顕著に起き、500Vrms程度で発生す
るため、電源用途などでは大きな問題となる。コロナ発
生電圧以上の電圧を印加すると、コロナは大きくなり、
最終的には対向する端子電極間で放電を起こすに至り、
絶縁不良又は誘電体層の絶縁破壊を引起こす恐れがあっ
た。従来のコンデンサはこの沿面放電を防止するために
コンデンサ表面に絶縁性のオイルを塗布したり、回路全
体を樹脂で封止することが必要となる不具合があった。
セラミックコンデンサでは端子電極に含まれるガラスフ
リット中のガラス成分がチップのセラミック誘電体層に
拡散して電気的に弱い部分を形成し易いため、端子電極
部分に水分が浸入した状態で交流を印加してコンデンサ
に常に電流を流すと、端子電極近傍の誘電体層では電気
化学的な劣化又は腐食が起きることがあった。特に最外
層の内部電極が形成されていない部分と端子電極のベア
チップ端部の包込み部分との間のセラミック誘電体層に
おいてその傾向が顕著でこの誘電体層で絶縁不良を引起
こす恐れがあった。またチップ型積層セラミックコンデ
ンサに空気中で高電圧を印加した場合、沿面放電と呼ば
れる現象が起きる。これはコンデンサ表面の誘電体層中
の端子電極とそれに対向する内部電極の最外層の間で、
コロナ放電が起き、電流が流れる現象である。この現象
は交流で特に顕著に起き、500Vrms程度で発生す
るため、電源用途などでは大きな問題となる。コロナ発
生電圧以上の電圧を印加すると、コロナは大きくなり、
最終的には対向する端子電極間で放電を起こすに至り、
絶縁不良又は誘電体層の絶縁破壊を引起こす恐れがあっ
た。従来のコンデンサはこの沿面放電を防止するために
コンデンサ表面に絶縁性のオイルを塗布したり、回路全
体を樹脂で封止することが必要となる不具合があった。
【0004】本発明の目的は、交流が印加されたときの
耐電圧特性及び交流での耐湿負荷寿命特性がそれぞれ高
く、しかも内部電極と端子電極間のセラミック誘電体層
が電気化学的に劣化することのないチップ型積層セラミ
ックコンデンサを提供することにある。更に本発明の目
的は、沿面放電を本質的に防止し、表面処理を必要とし
ないチップ型積層セラミックコンデンサを提供すること
にある。
耐電圧特性及び交流での耐湿負荷寿命特性がそれぞれ高
く、しかも内部電極と端子電極間のセラミック誘電体層
が電気化学的に劣化することのないチップ型積層セラミ
ックコンデンサを提供することにある。更に本発明の目
的は、沿面放電を本質的に防止し、表面処理を必要とし
ないチップ型積層セラミックコンデンサを提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来のコ
ンデンサに交流を印加したときに生じる端子電極とこれ
に対向する内部電極間での絶縁不良の要因がガラスフリ
ットの誘電体層への拡散、水分及び電流の3点であっ
て、このうちの1点でも除去すれば、問題を解決できる
ことを知見した。この中で誘電体層に拡散しないように
ガラスフリットの組成を決めることは端子電極の機械的
特性及びはんだ付け性等に大きく影響するため、最適な
その組成を見出すことは容易でなく、また水分の存在も
不可避であることから、誘電体層における電流を阻止す
ることにより、本発明に到達した。また本発明者らは、
コロナ放電が端子電極と、それに対向する内部電極間に
かかる電界に沿って発生していることを知見した。そこ
でコロナ放電の発生を防止し、沿面放電の発生を避ける
ためには、上述と同様に誘電体層における電流を阻止す
れば良く、そのために端子電極が包込む誘電体層に電界
がかからない構造を考察して、本発明に到達した。即
ち、本発明は、図1及び図2に示すように層表面に内部
電極14が印刷された複数のセラミック誘電体層13a
〜13gを積層することにより内部電極同士が対向しか
つ両端部11a,11bに内部電極14が取出されたベ
アチップ11と、ベアチップの両端部11a,11bを
包込むように覆って内部電極14に接続された一対の端
子電極12a,12bとを備えたチップ型積層セラミッ
クコンデンサ10の改良である。その特徴ある構成は、
複数のセラミック誘電体層13a〜13gのうち最外層
の2つのセラミック誘電体層13a,13gにそれぞれ
上部保護誘電体層16及び下部保護誘電体層17が積層
され、上部保護誘電体層16及び下部保護誘電体層17
のそれぞれの層表面に一対の端子電極12a,12bの
ベアチップ両端部の包込み部分に対向して4つの保護電
極16a,16b,17a,17bが印刷形成され、保
護電極16a,16b,17a,17bは端子電極12
a,12bと等電位となるように端子電極に接続された
ことにある。
ンデンサに交流を印加したときに生じる端子電極とこれ
に対向する内部電極間での絶縁不良の要因がガラスフリ
ットの誘電体層への拡散、水分及び電流の3点であっ
て、このうちの1点でも除去すれば、問題を解決できる
ことを知見した。この中で誘電体層に拡散しないように
ガラスフリットの組成を決めることは端子電極の機械的
特性及びはんだ付け性等に大きく影響するため、最適な
その組成を見出すことは容易でなく、また水分の存在も
不可避であることから、誘電体層における電流を阻止す
ることにより、本発明に到達した。また本発明者らは、
コロナ放電が端子電極と、それに対向する内部電極間に
かかる電界に沿って発生していることを知見した。そこ
でコロナ放電の発生を防止し、沿面放電の発生を避ける
ためには、上述と同様に誘電体層における電流を阻止す
れば良く、そのために端子電極が包込む誘電体層に電界
がかからない構造を考察して、本発明に到達した。即
ち、本発明は、図1及び図2に示すように層表面に内部
電極14が印刷された複数のセラミック誘電体層13a
〜13gを積層することにより内部電極同士が対向しか
つ両端部11a,11bに内部電極14が取出されたベ
アチップ11と、ベアチップの両端部11a,11bを
包込むように覆って内部電極14に接続された一対の端
子電極12a,12bとを備えたチップ型積層セラミッ
クコンデンサ10の改良である。その特徴ある構成は、
複数のセラミック誘電体層13a〜13gのうち最外層
の2つのセラミック誘電体層13a,13gにそれぞれ
上部保護誘電体層16及び下部保護誘電体層17が積層
され、上部保護誘電体層16及び下部保護誘電体層17
のそれぞれの層表面に一対の端子電極12a,12bの
ベアチップ両端部の包込み部分に対向して4つの保護電
極16a,16b,17a,17bが印刷形成され、保
護電極16a,16b,17a,17bは端子電極12
a,12bと等電位となるように端子電極に接続された
ことにある。
【0006】
【作用】内部電極のダミー電極として、保護電極16
a,16b,17a,17bを最外層の内部電極14
a,14gが取出されていない部分の近傍に設けること
により、コンデンサに交流を印加したときに、この内部
電極14a,14gが取出されていない部分と端子電極
12a,12bのベアチップ端部の包込み部分との間の
誘電体層には電界がかからなくなる。これにより、ベア
チップ端部の端子電極12a,12bが包込まれる部分
に対向する誘電体層にガラスフリットの拡散層や水分が
存在していても、この誘電体層には電流そのものの流れ
が阻止されるため電気化学的な腐食は生じなくなる。ま
た、電界がかからないことにより、コロナ放電は発生せ
ず、コンデンサに表面処理を施さなくても沿面放電を防
止することができる。
a,16b,17a,17bを最外層の内部電極14
a,14gが取出されていない部分の近傍に設けること
により、コンデンサに交流を印加したときに、この内部
電極14a,14gが取出されていない部分と端子電極
12a,12bのベアチップ端部の包込み部分との間の
誘電体層には電界がかからなくなる。これにより、ベア
チップ端部の端子電極12a,12bが包込まれる部分
に対向する誘電体層にガラスフリットの拡散層や水分が
存在していても、この誘電体層には電流そのものの流れ
が阻止されるため電気化学的な腐食は生じなくなる。ま
た、電界がかからないことにより、コロナ放電は発生せ
ず、コンデンサに表面処理を施さなくても沿面放電を防
止することができる。
【0007】以下、本発明を詳述する。図1及び図2に
示すように、チップ型積層セラミックコンデンサ10は
ベアチップ11とこのベアチップ11の両端部11a,
11bに一対の端子電極12a,12bとを備える。図
ではベアチップ11は、7層のセラミック誘電体層13
a〜13gと、上から2層目の上部保護誘電体層16
と、最下層の下部保護誘電体層17と、最上層のカバー
誘電体層18からなる合計10層を積層することにより
形成される。なお、本発明のコンデンサの誘電体層の積
層数は10層に限定されない。これらの誘電体層13a
〜13g及び16〜18はいずれも鉛ペロブスカイト
系、又はチタン酸バリウム系その他のセラミック誘電体
からなる。7層のセラミック誘電体層13a〜13gの
各層表面にはAg,Ag/Pd,Pt等の貴金属、或い
はNi,Fe,Co等の卑金属を含む導電性ペーストが
塗布されて内部電極14a〜14gがそれぞれ印刷形成
される。また2層の保護誘電体層16,17の各層表面
にも誘電体層13a〜13gと同一の導電性ペーストが
塗布されて一対の保護電極16a,16b及び17a,
17bがそれぞれ印刷形成される。これら4つの保護電
極16a,16b及び17a,17bは誘電体層16及
び17のそれぞれ両端部に取出される。これらの内部電
極14a〜14gのうちセラミック誘電体層13a〜1
3gの奇数番目の内部電極14a,14c,14e,1
4gは誘電体層13a,13c,13e,13gの端部
の右側に取出される。またセラミック誘電体層13a〜
13gの偶数番目の内部電極14b,14d,14fは
誘電体層13b,13d,13fの端部の左側に取出さ
れる。
示すように、チップ型積層セラミックコンデンサ10は
ベアチップ11とこのベアチップ11の両端部11a,
11bに一対の端子電極12a,12bとを備える。図
ではベアチップ11は、7層のセラミック誘電体層13
a〜13gと、上から2層目の上部保護誘電体層16
と、最下層の下部保護誘電体層17と、最上層のカバー
誘電体層18からなる合計10層を積層することにより
形成される。なお、本発明のコンデンサの誘電体層の積
層数は10層に限定されない。これらの誘電体層13a
〜13g及び16〜18はいずれも鉛ペロブスカイト
系、又はチタン酸バリウム系その他のセラミック誘電体
からなる。7層のセラミック誘電体層13a〜13gの
各層表面にはAg,Ag/Pd,Pt等の貴金属、或い
はNi,Fe,Co等の卑金属を含む導電性ペーストが
塗布されて内部電極14a〜14gがそれぞれ印刷形成
される。また2層の保護誘電体層16,17の各層表面
にも誘電体層13a〜13gと同一の導電性ペーストが
塗布されて一対の保護電極16a,16b及び17a,
17bがそれぞれ印刷形成される。これら4つの保護電
極16a,16b及び17a,17bは誘電体層16及
び17のそれぞれ両端部に取出される。これらの内部電
極14a〜14gのうちセラミック誘電体層13a〜1
3gの奇数番目の内部電極14a,14c,14e,1
4gは誘電体層13a,13c,13e,13gの端部
の右側に取出される。またセラミック誘電体層13a〜
13gの偶数番目の内部電極14b,14d,14fは
誘電体層13b,13d,13fの端部の左側に取出さ
れる。
【0008】セラミック誘電体層13a〜13gと保護
誘電体層16,17は所定の大きさに打抜かれ、最上層
のカバー誘電体層18とともに圧着される。圧着体は所
定のチップのサイズに切断された後、焼成されてベアチ
ップ11となる。このベアチップ11の端部11a,1
1bは端子電極12a,12bと確実に接続するために
バレル研磨される。研磨後、端部11a,11bを包込
むようにAg,Pd,Pt,Cuを1種又は2種以上を
含む導電性ペーストがそれぞれ塗布される。
誘電体層16,17は所定の大きさに打抜かれ、最上層
のカバー誘電体層18とともに圧着される。圧着体は所
定のチップのサイズに切断された後、焼成されてベアチ
ップ11となる。このベアチップ11の端部11a,1
1bは端子電極12a,12bと確実に接続するために
バレル研磨される。研磨後、端部11a,11bを包込
むようにAg,Pd,Pt,Cuを1種又は2種以上を
含む導電性ペーストがそれぞれ塗布される。
【0009】塗布されたペーストはベアチップ11の端
部11a,11bに焼付けられる。これにより端子電極
12a,12bがベアチップ11の端部11a,11b
を包込むように覆いかつ内部電極14に接続される。保
護電極16a,16b及び17a,17bは端子電極1
2a,12bのベアチップ端部の包込み部分に対向す
る。端子電極12aには保護電極16a,17a及び内
部電極14b,14d,14fが接続され、端子電極1
2bには保護電極16b,17b及び内部電極14a,
14c,14e,14gが接続される。端子電極12
a,12bの表面には、必要に応じて電気めっき層、例
えばNiめっき層、Sn/Pbめっき層を形成してもよ
い。なお、図示しないが、内部電極の取出し部を誘電体
層の積層順にベアチップの一方の端部の左側部分及び右
側部分に交互に設け、左側部分及び右側部分をそれぞれ
包込むように覆って一対の端子電極を形成するチップ型
積層セラミックコンデンサにも本発明の保護電極を同様
に設けることができる。
部11a,11bに焼付けられる。これにより端子電極
12a,12bがベアチップ11の端部11a,11b
を包込むように覆いかつ内部電極14に接続される。保
護電極16a,16b及び17a,17bは端子電極1
2a,12bのベアチップ端部の包込み部分に対向す
る。端子電極12aには保護電極16a,17a及び内
部電極14b,14d,14fが接続され、端子電極1
2bには保護電極16b,17b及び内部電極14a,
14c,14e,14gが接続される。端子電極12
a,12bの表面には、必要に応じて電気めっき層、例
えばNiめっき層、Sn/Pbめっき層を形成してもよ
い。なお、図示しないが、内部電極の取出し部を誘電体
層の積層順にベアチップの一方の端部の左側部分及び右
側部分に交互に設け、左側部分及び右側部分をそれぞれ
包込むように覆って一対の端子電極を形成するチップ型
積層セラミックコンデンサにも本発明の保護電極を同様
に設けることができる。
【0010】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、保
護誘電体層の層表面に端子電極のベアチップ包込み部分
に対向して保護電極をダミー電極として印刷形成し、保
護電極を端子電極と等電位となるように端子電極に接続
することにより、コンデンサに交流を印加したときに、
この内部電極が取出されていない部分と端子電極のベア
チップ端部の包込み部分との間の誘電体層には電界がか
からなくなる。これにより、ベアチップ端部の端子電極
が包込まれる部分に対向する誘電体層にガラスフリット
の拡散層や水分が存在していても、この誘電体層には電
流そのものの流れが阻止されるため電気化学的な腐食は
起らない。またこの誘電体層に電界がかかっていないた
め、コロナ放電の発生が抑えられ、沿面放電の発生を防
止することができる。この結果、極めて信頼性の高い積
層セラミックコンデンサが得られ、かつコンデンサの表
面処理を不要とすることができる。特に、本発明のコン
デンサは、その誘電体材料、端子電極材料に従来のもの
を使用でき、かつ保護電極層を除いて積層工程も従来の
工程と同一であるため、低コストで量産することができ
る利点もある。
護誘電体層の層表面に端子電極のベアチップ包込み部分
に対向して保護電極をダミー電極として印刷形成し、保
護電極を端子電極と等電位となるように端子電極に接続
することにより、コンデンサに交流を印加したときに、
この内部電極が取出されていない部分と端子電極のベア
チップ端部の包込み部分との間の誘電体層には電界がか
からなくなる。これにより、ベアチップ端部の端子電極
が包込まれる部分に対向する誘電体層にガラスフリット
の拡散層や水分が存在していても、この誘電体層には電
流そのものの流れが阻止されるため電気化学的な腐食は
起らない。またこの誘電体層に電界がかかっていないた
め、コロナ放電の発生が抑えられ、沿面放電の発生を防
止することができる。この結果、極めて信頼性の高い積
層セラミックコンデンサが得られ、かつコンデンサの表
面処理を不要とすることができる。特に、本発明のコン
デンサは、その誘電体材料、端子電極材料に従来のもの
を使用でき、かつ保護電極層を除いて積層工程も従来の
工程と同一であるため、低コストで量産することができ
る利点もある。
【0011】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに説明す
る。 く実施例> セラミック誘電体層、保護誘電体層、カバー誘電体層を
構成する誘電体としていずれも鉛ペロブスカイト系のも
のを用いた。セラミック誘電体層は層間が80μmで、
静電容量が47.0nFになるように構成した。内部電
極及び保護電極はAg/Pdペーストを図2に示すよう
に各誘電体層の表面に塗布して形成した。またベアチッ
プの両端部にはAg/Pdペーストを図1に示すように
塗布した後、焼付け端子電極を形成した。このセラミッ
クコンデンサは長さが4.5mmで、幅が3.3mm
で、厚みが1.7mmであり、JIS−R特性を有し
た。 <比較例> 保護誘電体層を積層せず、保護電極を設けない以外は実
施例と同様にしてセラミックコンデンサを作製した。
る。 く実施例> セラミック誘電体層、保護誘電体層、カバー誘電体層を
構成する誘電体としていずれも鉛ペロブスカイト系のも
のを用いた。セラミック誘電体層は層間が80μmで、
静電容量が47.0nFになるように構成した。内部電
極及び保護電極はAg/Pdペーストを図2に示すよう
に各誘電体層の表面に塗布して形成した。またベアチッ
プの両端部にはAg/Pdペーストを図1に示すように
塗布した後、焼付け端子電極を形成した。このセラミッ
クコンデンサは長さが4.5mmで、幅が3.3mm
で、厚みが1.7mmであり、JIS−R特性を有し
た。 <比較例> 保護誘電体層を積層せず、保護電極を設けない以外は実
施例と同様にしてセラミックコンデンサを作製した。
【0012】<試験方法> 実施例及び比較例のセラミックコンデンサについて、次
の2種類の試験を行った。括弧内の数値nは試験した試
料数である。 (a) 交流耐湿負荷試験(n=30) 85℃の温度で85%の相対湿度下、250Vrmsで
50Hzの交流電圧を印加して1000時間後の劣化又
は破壊の有無を調べた。 (b) 交流耐電圧試験(n=30) 空気中及びシリコーン油中で、昇圧速度100Vrms
/secで50Hzの交流電圧を印加して放電を開始す
る電圧を測定した。上記(a)及び(b)の結果を表1に示
す。
の2種類の試験を行った。括弧内の数値nは試験した試
料数である。 (a) 交流耐湿負荷試験(n=30) 85℃の温度で85%の相対湿度下、250Vrmsで
50Hzの交流電圧を印加して1000時間後の劣化又
は破壊の有無を調べた。 (b) 交流耐電圧試験(n=30) 空気中及びシリコーン油中で、昇圧速度100Vrms
/secで50Hzの交流電圧を印加して放電を開始す
る電圧を測定した。上記(a)及び(b)の結果を表1に示
す。
【0013】<試験結果と評価>交流耐湿負荷試験で
は、保護電極を形成した実施例は保護電極を形成しない
比較例より耐湿性が大幅に改善され、1000時間経過
した時点で破壊したコンデンサはなかった。これに対し
て比較例のコンデンサは数10時間で破壊するものが現
れ、300時間経過するまでに全体の10%に当る3個
が破壊した。交流耐電圧試験では、保護電極を形成した
実施例は空気中でも沿面放電の発生はなく、かつ破壊電
圧のばらつきが小さくなり、結果的に平均値は比較例よ
り向上した。また実施例のコンデンサでは破壊は全て内
部電極部分で発生したが、比較例のコンデンサでは空気
中で試験した場合、沿面放電を起こすものがあった。以
上のことから、実施例は比較例に比べて極めて高い信頼
性を有することが判った。
は、保護電極を形成した実施例は保護電極を形成しない
比較例より耐湿性が大幅に改善され、1000時間経過
した時点で破壊したコンデンサはなかった。これに対し
て比較例のコンデンサは数10時間で破壊するものが現
れ、300時間経過するまでに全体の10%に当る3個
が破壊した。交流耐電圧試験では、保護電極を形成した
実施例は空気中でも沿面放電の発生はなく、かつ破壊電
圧のばらつきが小さくなり、結果的に平均値は比較例よ
り向上した。また実施例のコンデンサでは破壊は全て内
部電極部分で発生したが、比較例のコンデンサでは空気
中で試験した場合、沿面放電を起こすものがあった。以
上のことから、実施例は比較例に比べて極めて高い信頼
性を有することが判った。
【0014】
【表1】
【図1】本発明のチップ型積層セラミックコンデンサの
断面図。
断面図。
【図2】その保護誘電体層及びセラミック誘電体層の積
層状況を示す斜視図。
層状況を示す斜視図。
10 チップ型積層セラミックコンデンサ 11 ベアチップ 11a,11b ベアチップの端部 12a,12b 一対の端子電極 13a〜13g セラミック誘電体層 14a〜14g 内部電極 16,17 保護誘電体層 16a,16b,17a,17b 保護電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01G 4/00
Claims (2)
- 【請求項1】 層表面に内部電極(14)が印刷形成された
複数のセラミック誘電体層(13a〜13g)を積層することに
より前記内部電極同士が対向しかつ両端部(11a,11b)に
前記内部電極(14)が取出されたベアチップ(11)と、前記
ベアチップの両端部(11a,11b)を包込むように覆って前
記内部電極(14)に接続された一対の端子電極(12a,12b)
とを備えたチップ型積層セラミックコンデンサ(10)にお
いて、前記複数のセラミック誘電体層(13a〜13g)のうち 最外層
の2つのセラミック誘電体層(13a,13g)にそれぞれ上部
保護誘電体層(16)及び下部保護誘電体層(17)が積層さ
れ、 前記上部保護誘電体層(16)及び下部保護誘電体層(17)の
それぞれの層表面に前記一対の端子電極(12a,12b)のベ
アチップ両端部の包込み部分に対向して4つの保護電極
(16a,16b,17a,17b)が印刷形成され、 前記保護電極(16a,16b,17a,17b)は前記端子電極(12a,12
b)と等電位となるように前記端子電極に接続されたこと
を特徴とするチップ型積層セラミックコンデンサ。 - 【請求項2】 4つの保護電極(16a,16b,17a,17b)がベ
アチップの両端部(11a,11b)の包込み部分に対向して上
部保護誘電体層(16)及び下部保護誘電体層(17)の各表面
に印刷された請求項1記載のチップ型積層セラミックコ
ンデンサ。
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---|---|---|---|
JP3091421A JP2874380B2 (ja) | 1991-03-28 | 1991-03-28 | チップ型積層セラミックコンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP3091421A JP2874380B2 (ja) | 1991-03-28 | 1991-03-28 | チップ型積層セラミックコンデンサ |
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JPH04302118A JPH04302118A (ja) | 1992-10-26 |
JP2874380B2 true JP2874380B2 (ja) | 1999-03-24 |
Family
ID=14025911
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3091421A Expired - Lifetime JP2874380B2 (ja) | 1991-03-28 | 1991-03-28 | チップ型積層セラミックコンデンサ |
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JP (1) | JP2874380B2 (ja) |
Cited By (1)
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-
1991
- 1991-03-28 JP JP3091421A patent/JP2874380B2/ja not_active Expired - Lifetime
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