JPH11297509A - 積層型セラミック電子部品 - Google Patents

積層型セラミック電子部品

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JPH11297509A
JPH11297509A JP10097263A JP9726398A JPH11297509A JP H11297509 A JPH11297509 A JP H11297509A JP 10097263 A JP10097263 A JP 10097263A JP 9726398 A JP9726398 A JP 9726398A JP H11297509 A JPH11297509 A JP H11297509A
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JP
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internal electrode
electrode layer
layer
electronic component
multilayer
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JP10097263A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Inoue
竜也 井上
Takuoki Hata
拓興 畑
Yasuo Wakahata
康男 若畑
Riho Sasaki
理穂 佐々木
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造の際の積層ずれによる静電容量変化が小
さい積層型セラミック電子部品を提供することを目的と
するものである。 【解決手段】 第1の内部電極層3aと第2の内部電極
層3bとを交互にかつセラミック層2を介して積層した
積層体1と、この積層体1の両端部に設けた第1の外部
電極4aと第2の外部電極4bとを備え、第1の内部電
極層3aは、第1の外部電極4aに電気的に接続され、
かつ第2の外部電極4bと電気的に非接続の状態とし、
第2の内部電極層3bは、第2の外部電極4bに電気的
に接続され、かつ第1の外部電極4aと電気的に非接続
の状態とし、第1の内部電極層3aと第2の内部電極層
3bとは、一層セラミック層2を介して少なくとも二ヵ
所で対向している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電気回路の
過電圧の保護を目的とする積層型バリスタ等の積層型セ
ラミック電子部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】積層型セラミック電子部品の一例である
積層型バリスタにおいては、最近の電子機器の超小型
化、省電力化の推進により機器の低電圧化が進むに伴
い、サージだけでなく静電気放電の脅威が高まり、機器
の静電気対策が重要課題となってきた。回路の駆動電圧
が小さくなるほど、異常電圧による機器の誤作動や、最
悪の場合、回路部品の破壊が起こりやすいからである。
携帯電話やノートパソコンあるいは携帯型情報端末機器
といった機器は、外部からの信号を受ける為の様々なI
O端子を持つため、インターフェースケーブルの接続時
等の静電気放電が直接内部信号回路にダメージを与える
可能性が高いという問題点がある。さらに、携帯電話の
場合、IO端子だけでなくアンテナ部分からの静電気放
電も問題になってきている。
【0003】この様な信号回路、またはアンテナ回路等
の静電気放電対策用部品は、低電圧駆動回路に対応でき
ることと同時に、その信号ラインへの影響をできる限り
小さくするために静電容量が数pFからせいぜい十数p
Fといった小さなものであることが望ましい。
【0004】図15に従来の積層型バリスタの縦断面
図、図16、図17に内部電極形状を示す横断面図を示
す。
【0005】従来の積層型バリスタは、セラミック層1
00と長方形状の内部電極層101a,101bとをセ
ラミック層100を介して交互にかつ内部電極層101
a,101bとが相対向する端面に露出するように積層
した積層体の両端面に外部電極102を形成したもので
あった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の積層型バリ
スタは、半導体セラミックに比較的静電容量の小さい酸
化亜鉛系セラミックを使ったものでも、その静電容量が
数十〜数百pFになる。この静電容量を小さくしようと
した場合、内部電極層101a,101bの数を減らす
か、内部電極層101a,101bに挟まれたセラミッ
ク層100(以下有効層とする)の厚みを大きくする
か、もしくは内部電極層101a,101bの面積を小
さくするしかない。しかし、内部電極層101a,10
1bの数を減らしても内部電極層101a,101bの
重なり部分の面積が大きい従来の内部電極層101a,
101bの形状では数pFに静電容量をするのは困難で
あるし、有効層の厚みを大きくすれば、その電圧は有効
層厚みに比例して大きくなる為、同時にバリスタ電圧も
高くなり低電圧駆動回路に対応し難い。
【0007】また、従来の形状のまま内部電極層の面積
を単純に小さくすれば、積層ズレによる内部電極層の重
なり部分の面積変化が大きくなり静電容量のバラツキが
大きくなる。このような問題のため、結局、低容量かつ
低バリスタ電圧を有する積層型バリスタを構成すること
は困難であった。
【0008】そこで本発明は、製造の際の積層ずれによ
る静電容量変化が小さい積層型セラミック電子部品を提
供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の積層型セラミック電子部品は、第1の内部電
極層と第2の内部電極層とを交互にかつセラミック層を
介して積層した積層体と、この積層体の両端部に設けた
第1の外部電極と第2の外部電極とを備え、前記第1の
内部電極層は、前記第1の外部電極に電気的に接続さ
れ、かつ前記第2の外部電極と電気的に非接続の状態と
し、前記第2の内部電極層は、前記第2の外部電極に電
気的に接続され、かつ前記第1の外部電極と電気的に非
接続の状態とし、前記第1の内部電極層と前記第2の内
部電極層とは、前記セラミック層を介して少なくとも二
ヵ所で対向していることを特徴とするものであり、上記
目的を達成することができるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、第1の内部電極層と第2の内部電極層とを交互にか
つセラミック層を介して積層した積層体と、この積層体
の両端部に設けた第1の外部電極と第2の外部電極とを
備え、前記第1の内部電極層は、前記第1の外部電極に
電気的に接続され、かつ前記第2の外部電極と電気的に
非接続の状態とし、前記第2の内部電極層は、前記第2
の外部電極に電気的に接続され、かつ前記第1の外部電
極と電気的に非接続の状態とし、前記第1の内部電極層
と前記第2の内部電極層とは、前記セラミック層を介し
て少なくとも二ヵ所で対向していることを特徴とする積
層型セラミック電子部品であり、低容量で静電容量バラ
ツキの少ないものである。
【0011】請求項2に記載の発明は、第1の内部電極
層と第2の内部電極層とが対向している部分の最大幅よ
り、第1の外部電極及び第2の外部電極と接触している
部分の最大幅の方を大きくした請求項1に記載の積層型
セラミック電子部品であり、第1及び第2の内部電極層
と第1及び第2の外部電極との電気的接続を確実に取る
ことができる。
【0012】請求項3に記載の発明は、第1の内部電極
層を複数でかつその形状が二種類以上とした請求項1あ
るいは請求項2に記載の積層型セラミック電子部品であ
り、静電容量の微調整が可能なものである。
【0013】請求項4に記載の発明は、第2の内部電極
層を複数でかつその形状が二種類以上とした請求項3に
記載の積層型セラミック電子部品であり、静電容量の微
調整が可能なものである。
【0014】請求項5に記載の発明は、第1の内部電極
層及び第2の内部電極層の角部分の少なくとも一部が曲
線状である請求項1〜請求項4のいずれか一つに記載の
積層型セラミック電子部品であり、電解集中を防止する
ことができるものである。
【0015】請求項6に記載の発明は、第1の内部電極
層あるいは第2の内部電極層のうちの少なくとも一層
を、前記積層体の表面に露出させた請求項1〜請求項5
のいずれか一つに記載の積層型セラミック電子部品であ
り、露出させた部分を除去することにより静電容量の調
整が可能なものである。
【0016】請求項7に記載の発明は、セラミック層と
して電圧非直線抵抗特性を示す半導体セラミック層を用
いた請求項1〜請求項6のいずれか一つに記載の積層型
セラミック電子部品であり、低容量で静電容量バラツキ
の少ない積層型バリスタとなる。
【0017】以下、本発明の一実施の形態について積層
型バリスタを例に図面を参照して説明する。
【0018】(実施の形態1)図1は本実施の形態にお
ける積層型バリスタの縦断面図、図2、図3は本実施の
形態における積層型バリスタの横断面図、図4は本実施
の形態の第1及び第2の内部電極層の重なり具合を説明
するための平面図であり、1は積層体、2はセラミック
層、3aは第1の内部電極層、3bは第2の内部電極
層、4aは第1の外部電極、4bは第2の外部電極であ
る。
【0019】まず、主成分のZnOに副成分としてBi
23,Co23,Sb23,Al23等を加えて、酢酸
ブチル、有機バインダ、可塑剤を加えて混合し、スラリ
ーを得た。このスラリーをドクターブレード法にてシー
ト化し、適当な大きさに切断し、セラミック層2となる
セラミックグリーンシートを得た。
【0020】次に、図2、図3に示すようにこのグリー
ンシート上にAgペーストにより形成した第1及び第2
の内部電極層3a,3bを第1の内部電極層3aと第2
の内部電極層3bとがセラミック層2を挟んで交互に積
層した積層体1を900〜950℃で焼成し、バレル研
磨後、積層体1の両端面に第1の外部電極4aを第1の
内部電極層3aと第2の外部電極4bを第2の内部電極
層3bと電気的に接続されるようにAg/Pdペースト
を塗布し、700〜900℃で焼き付けて積層型バリス
タを得た。
【0021】この積層型バリスタは、第1及び第2の内
部電極層3a,3bの形状が非対称型であり、図4に示
すように一層のセラミック層2を挟んで第1の内部電極
層3aと第2の内部電極層3bとが対向する部分を二ヵ
所以上有している。
【0022】(実施の形態2)図5、図6は本実施の形
態における積層型バリスタの横断面図、図7は本実施の
形態の第1及び第2の内部電極層の重なり具合を説明す
るための平面図であり、第1及び第2の内部電極層3
a,3bの形状の違いを除けば、実施の形態1と同様に
しての積層型バリスタを得た。
【0023】この第1及び第2の内部電極層3a,3b
は点対称型になっており、図7に示すように一層のセラ
ミック層2を挟んで第1の内部電極層3aと第2の内部
電極層3bとが対向する部分を二ヵ所有している。
【0024】(実施の形態3)図2、図3、図8は本実
施の形態における積層型バリスタの横断面図、図9は本
実施の形態の第1及び第2の内部電極層の重なり具合を
説明するための平面図である。
【0025】図2、図8に第1の内部電極層3aを示
し、図3に第2の内部電極層3bを示している。
【0026】この積層型バリスタは、セラミック層2を
介して第2の内部電極層3bを図2、図8に示す第1の
内部電極層3aで挟んだ構造の積層体の両端面に第1の
外部電極4aを第1の内部電極層3aと第2の外部電極
4bを第2の内部電極層3bと電気的に接続されるよう
に形成している。また図9に示すようにセラミック層2
を挟んで第1の内部電極層3aと第2の内部電極層3b
とが対向する部分を二ヵ所以上有している。
【0027】この積層型バリスタも実施の形態1に示し
た方法で製造した。 (実施の形態4)図2、図3、図8、図10は本実施の
形態における積層型バリスタの横断面図、図11は本実
施の形態の第1及び第2の内部電極層の重なり具合を説
明するための平面図である。
【0028】図2、図8に第1の内部電極層3aを示
し、図3、図10に第2の内部電極層3bを示してい
る。
【0029】この積層型バリスタは、セラミック層2を
介して図2、図8に示す第1の内部電極層3aと図3、
図10に示す第2の内部電極層3bを交互に積層した積
層体の両端面に第1の外部電極4aを第1の内部電極層
3aと第2の外部電極4bを第2の内部電極層3bと電
気的に接続されるように形成している。また図11に示
すようにセラミック層2を挟んで第1の内部電極層3a
と第2の内部電極層3bとが対向する部分を二ヵ所以上
有している。
【0030】この積層型バリスタも実施の形態1に示し
た方法で製造した。 (実施の形態5)図12、図13は本実施の形態におけ
る積層型バリスタの横断面図、図14は本実施の形態の
第1及び第2の内部電極層の重なり具合を説明するため
の平面図であり、第1及び第2の内部電極層3a,3b
の形状を除けば、実施の形態1の積層型バリスタと同じ
構造である。
【0031】この第1の内部電極層3aと第2の内部電
極層3bとは非対称型であり、かつ第2の内部電極層3
bは第1及び第2の外部電極4a,4bと非接続部分す
なわち積層型バリスタの側面に表面に露出する部分を持
っており、図14に示すようにセラミック層2を挟んで
第1の内部電極層3aと第2の内部電極層3bとが対向
する部分を二ヵ所以上有している。
【0032】この積層型バリスタは、第1及び第2の外
部電極4a,4bを形成後の静電容量検査で静電容量を
調整する必要が生じた場合、積層型バリスタの側面に露
出させた第2の内部電極層3bを露出させることによ
り、静電容量を調整することができるものである。
【0033】この積層型バリスタも実施の形態1に示し
た方法で製造した。以上、実施の形態1〜実施の形態5
の積層型バリスタの初期特性を(表1)に示す。
【0034】
【表1】
【0035】(表1)において、試料No.1,2およ
び3の積層型バリスタは、実施の形態1に示す構造であ
り、第1及び第2の内部電極層3a,3bに挟まれたセ
ラミック層2の数(以下有効層数とする)をそれぞれ
1,2,3と変えたものである。また試料No.4,5
の積層型バリスタは、実施の形態2に示す構造であり、
有効層数は1で、有効層の厚みを変えたものである。さ
らに試料No.6の積層型バリスタは、実施の形態3に
示す構造であり、有効層数を2としたものである。試料
No.7の積層型バリスタは、実施の形態4に示す形状
であり、有効層数を3としたものである。また試料N
o.8の積層型バリスタは、実施の形態5に示す構造で
あり、有効層数を1としたものである。なお、試料N
o.9〜12は比較の為に作製した従来の内部電極層構
造を持つ積層型バリスタである(内部電極層構造以外の
セラミック材料、電極材料、外径の大きさ等はNo.1
〜8と同じとする)。
【0036】また初期特性は各試料番号の積層型バリス
タ20個の平均値を示している。(表1)によれば、本
発明の積層型バリスタつまり試料No.1〜8の積層型
バリスタは、静電容量が13pF以下で32V程度のバ
リスタ電圧を有することがわかる。従来の一般的な積層
型バリスタは試料No.9に示す様な特性を有し、試料
No.10の様に有効層厚みを同じにして、有効層数を
少なくしても静電容量は25pF程度にしか小さくでき
ない。逆に試料No.11の積層型バリスタの様に有効
層厚みを大きくして静電容量を10pF以下にすればバ
リスタ電圧が161Vといった高い値を示す。また、試
料No.12の積層型バリスタは従来の積層型バリスタ
が持つ長方形状の内部電極層構造で重なり部分をできる
限り小さくしたものであるが、この場合、静電容量10
pF以下でバリスタ電圧も低いが、静電容量のバラツキ
が本発明の積層型バリスタに比べ大きい。例えば試料N
o.12に近い静電容量を持つ試料No.2は、静電容
量の最高値と最低値の差が0.7pFで平均値から5%
以下のバラツキであるのに対し、試料No.12はその
差が5.3pFあり平均値から35%以上のバラツキが
ある。
【0037】上記の様に試料No.1〜8の積層型バリ
スタは、全て従来の積層型バリスタにはない優れた特性
を示す。また試料No.5に示すように有効層厚みを3
倍にすればバリスタ電圧も約3倍になり正比例している
が、静電容量の大きな変化はない。これは、第1の内部
電極層3aと第2の内部電極層3bとの重なり部分の面
積が小さくなると、重なり部分の面積に対し、電界の分
布が静電容量に与える影響が大きくなってくる為と考え
られ、この様な内部電極層構造を持つ積層型バリスタ
は、静電容量を大きく変えずバリスタ電圧を自在に変え
ることができる効果を持っている。
【0038】また、試料No.6や7の積層型バリスタ
の様に一方の外部電極と電気的に接続する内部電極層形
状を2種以上にすることで、同じ有効層厚み、同じバリ
スタ電圧を持ったまま静電容量を自在に変えることが可
能である(試料No.2と6、試料No.3と7)。従
って、静電容量を変えるために違う厚みのセラミックグ
リーンシートを用意する必要がない。さらに、試料N
o.6や7は、第1の内部電極層3aと第2の内部電極
層3bのセラミック層2を挟んで対向する部分が、第1
の内部電極層3aと第2の内部電極層3bの間に介する
セラミック層2毎に違うので第1及び第2の内部電極層
3a,3bにかかる電界集中が弱まる為、試料No.2
や試料No.3の積層型バリスタよりサージ耐量が高く
なる。また、試料No.8は積層体の側面に露出させた
第1及び第2の外部電極4a,4bと非接触な第1及び
第2の内部電極層3a,3bの部位を除去することで、
静電容量を最低で0.5pF程度少なくすることが可能
であるので、静電容量バラツキをほとんどなくすことが
できる。
【0039】以上のように本発明の積層型バリスタは、
静電容量が小さく、さらに積層型バリスタ毎の静電容量
のバラツキが小さく、かつ低バリスタ電圧を持ってい
る。また、No.1〜8の積層型バリスタは静電容量が
低いにもかかわらず、8×20μsにおけるサージ耐量
はすべて5A以上であり、国際電気標準会議(IEC)
の定める静電気放電イミニュティ試験要求であるIEC
−1000−4−2のレベル4のESD耐量をすべてク
リアする実用的な積層型バリスタである。
【0040】なお本発明においてポイントとなることに
ついて以下に記載する。 (1)第1の内部電極層3aと第2の内部電極層3bは
それぞれ一層ずつでも複数層ずつでも構わず、もちろん
第1の内部電極層3aと第2の内部電極層3bの数が同
じでも違っていても構わない。また第1及び第2の内部
電極層3a,3bの形状は特に上記実施の形態で示した
ものに限定されるものではなく、非対称型でも対称型で
も構わず、第1の内部電極層3aと第2の内部電極層3
bとが、一層のセラミック層2を介して少なくとも二ヵ
所で対向している形状であればどんな形であっても構わ
ない。さらに第1の内部電極層3aあるいは第2の内部
電極層3b、あるいはその両方ともその形状を二種類以
上とすることにより、積層型セラミック電子部品の静電
容量の微調整が可能となる。例えばそれぞれ二種類ずつ
の形状を有する場合、その積層される順番は所望の静電
容量を有するように積層すれば良い。
【0041】また第1の内部電極層3aあるいは第2の
内部電極層3bの角部分の少なくとも一部、できればで
きるだけ多くを曲線状とすることにより、電界集中を防
止することができ、積層型バリスタの場合であれば、サ
ージ耐量に優れたものとなる。
【0042】さらにまた、実施の形態5では第1の内部
電極層3a、第2の内部電極層3bの両方共を積層体の
側面に露出させて、完成後の静電容量の調整を可能なも
のとしたが、少なくとも一層の第1あるいは第2の内部
電極層3a,3bを積層体側面に露出させれば静電容量
の微調整が可能となる。
【0043】(2)また第1及び第2の外部電極4a,
4bの形状は特に限定するものではなく、第1及び第2
の内部電極層3a,3bの露出した積層体の端面全体を
覆うものであっても構わないし、端面の一部だけに形成
したものでも構わない。また半田付け性を上げるため第
1及び第2の外部電極4a,4b上にニッケル−スズメ
ッキやニッケル−半田メッキ等のメッキを施してもよ
い。
【0044】(3)第1及び第2の内部電極層3a,3
b、第1及び第2の外部電極4a,4bは、導電性を持
つ金属で形成されていれば特に限定するものではない
が、銀、銅、金、白金、パラジウム、ニッケルあるいは
これらの合金など、セラミック層2と同時焼成できるも
のであれば特に好ましい。さらに、第1及び第2の内部
電極層3a,3bと外部電極4a,4bとは、同じ金属
でも異なる金属であっても構わない。
【0045】(4)セラミック層2は、その組成にはこ
だわらず、例えばZnO系、SrTiO3系などの半導
体セラミック、BaTiO3系などの誘電体セラミック
などが挙げられる。またセラミック層2の組成は一種類
に限定するものでなく、積層型セラミック電子部品の形
状が保たれるのであれば、誘電率やバリスタ電圧等の電
気特性の違う二種以上の異種のセラミック層2を用いて
も構わず、例えば半導体セラミック層と磁性体セラミッ
ク層といった違う特性を有する材料の複合セラミック層
であっても構わない。
【0046】(5)積層型セラミック電子部品の表面に
ガラスコーティングなどを施して強度を増したり、耐湿
性、耐メッキ性を上げるなどの処理を行っても構わな
い。特に実施の形態5で示した積層型バリスタのよう
に、その側面に第2の内部電極層3bを露出させたもの
においては、その効果は顕著に見られる。
【0047】(6)本発明の積層型セラミック電子部品
の大きさは、特に限定するものではなく、数ミリ〜数百
ミクロンオーダーが一般的であるが、工法が許す限りそ
れよりさらに小さくても、また大きくても構わない。ま
た、積層型セラミック電子部品の外部形状は、通常は角
柱、四角柱、もしくはその角がとれた形が多いが、工法
が許す限りそれ以外のどんな形であっても構わない。
【0048】(7)本発明の積層型セラミック電子部品
は、バリスタに向いたものであるが、特にバリスタだけ
に限定するものではなく、コンデンサ、センサ、サーミ
スタなど多岐にわたるものである。
【0049】(8)実施の形態1〜5に示したように、
第1の内部電極層3aと第2の内部電極層3bとが対向
している部分の最大幅より、第1の外部電極4a及び第
2の外部電極4bと接続される部分の幅の方を大きくし
た方が低容量でかつ第1及び第2の内部電極層3a,3
bと第1及び第2の外部電極4a,4bとの電気的接続
を確実なものとなる。さらに第1の内部電極層3aと第
2の内部電極層3bの第1の外部電極4a及び第2の外
部電極4bと接続される部分の幅を同じにすることによ
り一つの内部電極層パターンで第1の内部電極層3aと
第2の内部電極層3bを同時に形成することができる。
【0050】
【発明の効果】以上本発明によると、製造の際の積層ず
れによる静電容量のバラツキが小さい積層型セラミック
電子部品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における積層型バリスタ
の縦断面図
【図2】本発明の実施の形態1、3、4における積層型
バリスタの横断面図
【図3】本発明の実施の形態1、3、4における積層型
バリスタの横断面図
【図4】図2、図3に示す第1及び第2の内部電極層の
重なり具合を説明するための平面図
【図5】本発明の実施の形態2における積層型バリスタ
の横断面図
【図6】本発明の実施の形態2における積層型バリスタ
の横断面図
【図7】図5、図6に示す第1及び第2の内部電極層の
重なり具合を説明するための平面図
【図8】本発明の実施の形態3、4における積層型バリ
スタの横断面図
【図9】図2、図3、図8に示す第1及び第2の内部電
極層の重なり具合を説明するための平面図
【図10】本発明の実施の形態4における積層型バリス
タの横断面図
【図11】図2、図3、図8、図10に示す第1及び第
2の内部電極層の重なり具合を説明するための平面図
【図12】本発明の実施の形態5における積層型バリス
タの横断面図
【図13】本発明の実施の形態5における積層型バリス
タの横断面図
【図14】図12、図13に示す第1及び第2の内部電
極層の重なり具合を説明するための平面図
【図15】従来の積層型バリスタの縦断面図
【図16】図15に示す積層型バリスタの横断面図
【図17】図15に示す積層型バリスタの横断面図
【符号の説明】
1 積層体 2 セラミック層 3a 第1の内部電極層 3b 第2の内部電極層 4a 第1の外部電極 4b 第2の外部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 理穂 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の内部電極層と第2の内部電極層と
    を交互にかつセラミック層を介して積層した積層体と、
    この積層体の両端部に設けた第1の外部電極と第2の外
    部電極とを備え、前記第1の内部電極層は、前記第1の
    外部電極に電気的に接続され、かつ前記第2の外部電極
    と電気的に非接続の状態とし、前記第2の内部電極層
    は、前記第2の外部電極に電気的に接続され、かつ前記
    第1の外部電極と電気的に非接続の状態とし、前記第1
    の内部電極層と前記第2の内部電極層とは、前記セラミ
    ック層を介して少なくとも二ヵ所で対向している積層型
    セラミック電子部品。
  2. 【請求項2】 第1の内部電極層と第2の内部電極層
    は、その対向している部分の最大幅より、第1の外部電
    極及び第2の外部電極と接触している部分の最大幅の方
    を大きくした請求項1に記載の積層型セラミック電子部
    品。
  3. 【請求項3】 第1の内部電極層は、複数でかつその形
    状が二種類以上ある請求項1あるいは請求項2に記載の
    積層型セラミック電子部品。
  4. 【請求項4】 第2の内部電極層は、複数でかつその形
    状が二種類以上ある請求項3に記載の積層型セラミック
    電子部品。
  5. 【請求項5】 第1の内部電極層及び第2の内部電極層
    は、その角部分の少なくとも一部が曲線状である請求項
    1〜請求項4のいずれか一つに記載の積層型セラミック
    電子部品。
  6. 【請求項6】 第1の内部電極層あるいは第2の内部電
    極層のうちの少なくとも一層は、前記積層体の表面に露
    出している請求項1〜請求項5のいずれか一つに記載の
    積層型セラミック電子部品。
  7. 【請求項7】 セラミック層は、電圧非直線抵抗特性を
    示す半導体セラミック層である請求項1〜請求項6のい
    ずれか一つに記載の積層型セラミック電子部品。
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