JP2873556B2 - Pcグラウト用混和材 - Google Patents

Pcグラウト用混和材

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JP2873556B2 JP7200436A JP20043695A JP2873556B2 JP 2873556 B2 JP2873556 B2 JP 2873556B2 JP 7200436 A JP7200436 A JP 7200436A JP 20043695 A JP20043695 A JP 20043695A JP 2873556 B2 JP2873556 B2 JP 2873556B2
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俊夫 河野
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/70Grouts, e.g. injection mixtures for cables for prestressed concrete

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  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレストレトスコ
ンクリートにおいて、緊張鋼材の防錆,緊張鋼材及びシ
ース管との付着が強固なPCグラウト用の混和材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】コンクリートにプレストレスを導入する
場合、ポストテンション方式では、コンクリートの圧縮
強度が所定の強度に達するのをまって、シース管に通し
た緊張鋼材(PC鋼材)を緊張してプレストレスを与え
る。この場合、シース管の中に送り込んだグラウトは十
分にPC鋼材を包み、PC鋼材が錆びないように保護す
るとゝもに、PC鋼材−シース管−コンクリートの経路
をもって、確実で十分な付着が得られて一体となるもの
でなければならない。
【0003】PCグラウトに関して、コンクリート標準
示方書施工編(土木学会)には、膨張率が10%以下、
塩化物含有量が0.30Kg/m以下、ブリージング
率が3%以下、水セメント比が45%以下、材令28日
の圧縮強度200Kgf/cm以上、流動性について
は、JAロートを用いて測定した場合の流下時間が15
〜30秒の間とそれぞれ規定している。
【0004】しかし、前記のような基準をクリヤーして
も、ブリージング水の発生及び硬化による収縮の発生は
避けられない場合がある。すなわち、PC鋼材は、通常
の緊張状態において、シース管の全長にわたってその中
心に設置せしめることができず、特にPC鋼材の中央部
はシース管の内周面と接した状態に設置される。そのた
め、流動性が低いPCグラウトではシース管とPC鋼材
との間に完全に注入するのが困難となる。
【0005】また、PCグラウトが凝結硬化すると、シ
ース管の内部上方にブリージング水が溜まる。このブリ
ージング水はPCグラウトのセメントとの水和反応によ
って無くなるが、その部分が空隙となる。この空隙の発
生は、PCグラウトの硬化収縮によっても起こり、PC
鋼材の腐食及びPC鋼材とシース管間の不十分な付着の
原因ともなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、従来のこの
種PCグラウトの経過時間と長さ変化率をグラフに表す
と、図1に示すようになる。図1において、グラフA
は、水/セメント比が45%,混和材/セメント比が
1.0%とし、その配合例を、セメントが100Kg,
混和材が1Kg,水が45KgとしたA社製のPCグラ
ウトの経過時間と長さ変化率を表したものである。
【0007】このグラフAによって明らかなように、充
填後急激に膨張しその後収縮に転ずるが、最大膨張時に
はシース管から溢れだし、収縮が始まると膨張量が減少
してしまう。その結果、シース管の内壁とPCグラウト
との間にすきまが生じてしまい、シース管の内壁とPC
グラウトが一体化されないといった問題点がある。
【0008】また同図のグラフBは、水/セメント比が
45%,混和材/セメント比が1.2%とし、セメント
が100Kg,混和材が1.2Kg,水が45Kgの配
合からなるB社製のPCグラウトの経過時間と長さ変化
率を表したグラフである。このB社の製品の場合は、グ
ラフBに示すように、最初のうちはあまり膨張・収縮は
おこらないが、徐々に収縮が始まってしまうため、シー
ス管の内壁とPCグラウトとの間に隙間が生じてしま
い、一体化されないといった前記A社製のPCグラウト
と同様の問題点がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
従来の諸問題点を解決するために成されたもので、膨張
後の初期硬化収縮率が少なく、ブリージング率が低く、
且つ流動性において優れたものを提供することを目的と
したものであり、その要旨は、水酸化カルシウムとの反
応時期が夫々異なる表面がコーティングされたセメント
混和用アルミニウム粉末及び表面が酸化されたアルミニ
ウム粉末並びに表面が強固に酸化されたアルミニウム試
薬と、界面活性剤及び比表面積が大きい高活性シリカか
らなることを特徴とするPCグラウト用混和材にある。
【0010】
【発明の実施の態様】本発明の最大の特徴は、水酸化カ
ルシウムとの反応時期、更に詳しくは、膨張時期が夫々
異なる数種類のアルミニウム粉末を、セメントペースト
に練り混ぜることにある。すなわち、水酸化カルシウム
と最も早く反応する第1番目のアルミニウム粉末が膨張
し、該第1番目のアルミニウム粉末が硬化し始めて収縮
を開始する時期の前後に第2番目に早く反応するアルミ
ニウム粉末が膨張するといったように、第2番目,第3
番目のアルミニウム粉末を順次膨張させ、各アルミニウ
ム粉末の硬化時の収縮を抑制して、膨張を持続させるよ
うにしたものである。
【0011】本発明において使用するアルミニウム粉末
は、加工状態の異なる3種類のアルミニウム粉末を使用
する。アルミニウムは水酸化カルシウムと反応して水素
ガスを発生し、この水素ガスによりセメントペーストが
膨張するので、このアルミニウム粉末はグラウト用の膨
張剤として従来から使用しているが、本発明では、反応
時期を異ならしめるために、加工状態の異なる三種類の
アルミニウム粉末を使用する点に一つの特徴がある。
【0012】すなわち,三種類のアルミは、前記のセメ
ント混和用アルミニウムと、工場廃材として生じたアル
ミニウムと、一級アルミニウム試薬である。これら三種
類のアルミニウムのうち、セメント混和用アルミニウム
粉末は、これをセメントと水との混練物に投入するとそ
の表面にコーティングしたステアリン酸がはずれ、水酸
化カルシウムと直ちに反応を開始する。そして反応し始
めてから約1時間後に最高の膨張量を示し、その後硬化
による収縮に転じる。
【0013】また、工場廃材のアルミニウム粉末は、工
場でアルミニウム部材を加工する時に発生するものであ
るためコーティングが施されていない。したがって、表
面が酸化されているので、これをセメントと水との混練
物(セメントペースト)に投入した場合、約30分後に
水酸化カルシウムと反応し始め、約4時間後に最高の膨
張量を示しその後硬化による収縮に転じる。
【0014】さらに、一級アルミニウム試薬は、前記の
アルミニウムに比べて純度が高いので、表面の酸化がよ
り強固であるため、これをセメントペーストに投入した
場合に約2時間後に水酸化カルシウムと反応し始め、約
7時間後に最高の膨張量を示し、その後硬化による収縮
に転じる。
【0015】上記のように、セメントペーストの水酸化
カルシウムと、反応する時期がそれぞれ異なる三種類の
アルミニウム粉末を混入することにより、水素ガスの発
生が長くなり、PCグラウトの硬化が始まるころまで膨
張を持続させるようにしたものである。
【0016】本発明では膨張材として、更に酸化カルシ
ウム(生石灰)又はカルシウムサルホアルミネート(C
SA)を主成分とする粉末を使用することに特徴があ
る。すなわち、酸化カルシウムは水和反応により膨張す
るが、これをセメントペーストに添加した場合、約8〜
10時間後に膨張が顕著になり始め、約7日後に最高の
膨張量を示す。そして、その後は硬化による収縮に転じ
るが、この場合の収縮量も極めて少ない。又、カルシウ
ムサルホアルミネートも水和反応により同様の膨張が起
こる。
【0017】そして又、本発明では、充填性,流動性の
向上及び減水効果によるブリージングの低減に効果のあ
る界面活性剤と、比表面積が大きいため保水性を有し、
ブリージングが大幅に低減可能となる高活性シリカを使
用することに特徴がある。ここで、前記界面活性剤とし
ては、リクニン系,ポリカルボン酸系,メラミン系,ア
ミノスルホン酸系,ナフタリン系のもの、例えば、β−
ナフタリンスルホン酸ホルマリン高縮合物などが挙げら
れれる。
【0018】
【実施例】次に、本発明に係る混和材の組成を、対セメ
ント重量%で示すと、水が37.5%,混和材が5.0
%であり、その配合例は、セメントが40Kg,混和材
が2Kg,水が15Kgである。そして、前記混和材と
しては、対セメント重量%で示すと、石灰系膨張剤2.
6%,天然石膏1.3%,高炉スラグ(8000cm
/g)0.29%,ナフタレン0.6%,高活性シリカ
0.2%,セメント混和用アルミニウム粉末0.002
3%,アルミニウム工場廃材0.0025%,一級アル
ミニウム試薬0.000325%である。
【0019】而して、前記配合例からなるPCグラウト
の経過時間と長さ変化率は、図1のグラフCに示す通り
である。すなわち、グラフCを見て明らかなように、初
期から膨張側にあり、約4時間経過後に最高の膨張量に
達する。そして、その後は硬化による収縮に転じるが、
その収縮量の減少率は最高の膨張量との比較においても
約0.1%程度と極めて少ないし、8時間経過後は前記
収縮量をそのまま維持していることが判る。
【0020】また、流下時間は、JAロートでは、1
8.2秒〜21.0秒、J14ロートでは、2.5秒〜
3.1秒であり、ブリージング率は3時間で0.00
%,24時間で0%、塩化物含有量は0.178Kg/
であり、圧縮強度は、材令3日で202Kgf/c
,7日で3172Kgf/cm,13日で421
2Kgf/cmであり、その何れも、前記コンクリー
ト標準示方書施工編(土木学会)の規定値を充分にクリ
アしているとゝもに、1Kgf/cmといった低圧で
も容易に28mのシース管内に注入でき、且つ温度も殆
ど上昇しなかった。
【0021】
【発明の効果】本発明に係るPCグラウト用混和材は、
上記のように、水酸化カルシウムとの反応時期が夫々異
なる表面がコーティングされたセメント混和用アルミニ
ウム粉末及び表面が酸化されたアルミニウム粉末並びに
表面が強固に酸化されたアルミニウム試薬と、界面活性
剤及び比表面積が大きい高活性シリカからなる構成であ
るから、ブリージング率も低く且つ流動性に優れている
ので、シース管とその内部に挿通したPC鋼材との間に
空隙が形成されることなく、確実で十分な付着が得られ
て一体構造となる。従って、プレストレストコンクリー
ト製品の耐久性が増大するとゝもに、曲げ及びせん断力
に対し剛性と強さを増すことができる、といった効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】PCグラウトの経過時間と長さ変化率を表した
グラフである。
【符号の説明】
A 従来のPCグラウトの経過時間と長さ変化率を表し
たグラフ。 B 従来の他のPCグラウトの経過時間と長さ変化率を
表したグラフ。 C 本発明に係る混和材を混入したPCグラウトの経過
時間と長さ変化率を表したグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 22/04 C04B 28/00 - 28/36

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化カルシウムとの反応時期が夫々異
    なる表面がコーティングされたセメント混和用アルミニ
    ウム粉末及び表面が酸化されたアルミニウム粉末並びに
    表面が強固に酸化されたアルミニウム試薬と、界面活性
    剤及び比表面積が大きい高活性シリカからなることを特
    徴とするPCグラウト用混和材。
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