JP2846565B2 - グラウト材の製造方法 - Google Patents

グラウト材の製造方法

Info

Publication number
JP2846565B2
JP2846565B2 JP5335951A JP33595193A JP2846565B2 JP 2846565 B2 JP2846565 B2 JP 2846565B2 JP 5335951 A JP5335951 A JP 5335951A JP 33595193 A JP33595193 A JP 33595193A JP 2846565 B2 JP2846565 B2 JP 2846565B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
grout
cement
grout material
water
duct
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5335951A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07187853A (ja
Inventor
健雄 長井
健治 仲田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
PII ESU KK
Original Assignee
PII ESU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by PII ESU KK filed Critical PII ESU KK
Priority to JP5335951A priority Critical patent/JP2846565B2/ja
Publication of JPH07187853A publication Critical patent/JPH07187853A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2846565B2 publication Critical patent/JP2846565B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Clay, And Manufacture Of Mixtures Containing Clay Or Cement (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、PC構造物のポストテ
ンション方式のPC鋼材挿通ダクト内に施工するグラウ
ト材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポストテンション方式のプレストレスト
コンクリート(以下PCという)構造物では、PC鋼材
挿通ダクト(以下単にダクトという)内にグラウトを施
工する。グラウトはセメントミルク、モルタル等のグラ
ウト材をダクト内に圧入し、ダクト内に充満させるもの
である。PC構造物のダクトにグラウトを施工するの
は、PC鋼材に錆が発生するのを防止すること及びコン
クリートとPC鋼材とを一体となるように付着させるこ
とを目的としている。この目的を十分に達成するために
は、グラウトがダクト内の隅々まで充填される必要があ
る。
【0003】最近、円型構造物や大形橋梁において大容
量テンドンが使用されている。すなわち、引張強度の大
きいPC鋼より線(φ12.7mm〜φ15.2mm)
を多数、例えば19本〜55本を束ねたテンドンを口径
の大きいダクト内に配置して使用する傾向がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】テンドンが大容量にな
るとグラウトの注入量も多くなり、注入用のポンプの能
力も徐々に大きくなるようになった。またグラウトをダ
クト内に充満させるために、グラウト材に膨張性能を有
する混和剤を混入するが、混和剤は一般にセメントの水
和反応を促進する。このためグラウト材の可使時間が限
定される。したがって限られた時間内に大量のグラウト
を一挙に注入するためにダクト内の空気が抜けきらず大
量の空隙部が残留することがある。特にダクトの径が大
くなればなるほど鋼線束(テンドン)内部の空気が抜け
にくくなる。
【0005】また長いダクトや鋼線束の大きいテンドン
等にグラウト材を注入するとき、可使時間を長くするた
め水分の多いグラウト材を注入することもある。このよ
うな水分の多いグラウト材はブリージングを起こし易
く、分離水の多いグラウト材を用いて施工することによ
り、空隙部の多い不良グラウトとなることがある。国内
外においてグラウト不良が原因でPC構造物が損傷を起
していることが数多く報告されている。テンドンの大形
化に伴いグラウトの施工技術を再検討する必要がある。
【0006】以上のように、PC構造物のグラウト材の
凝固時間を従来の凝固時間より長くし、完全なグラウト
施工ができるようなグラウト材が要求されている。本発
明はこのような実情に鑑み、グラウト施工の目的に応じ
た品質を有し、適切な可使時間を調整したグラウト材を
製造する技術を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、プレストレス
トコンタリート構造物のPC緊張材挿通ダクト内に充填
するグラウト材の製造に当り、水、減水剤、セメントを
混練してセメントミルクを製造し、このセメントミルク
をこわばりを呈するまで放置し、硬化遅延剤を加えて再
混練することを特徴とするグラウト材の製造方法を提供
する。この方法はグラウト材の凝固時間を従来より長く
し、可使時間を調整したグラウト材を調合する場合に、
最初に硬化遅延剤を加えることなくセメントミルクがこ
わばりを呈し流動性を失ったとき、再混練すると良好な
流動性を呈し、このとき硬化遅延剤を加えると極めて効
果的であるとの知見に基づくものである。
【0008】
【作用】一般に、要求されるグラウト材の基本的な性質
としてつぎのものが挙げられる。 (1)適度な流動性を有すること (2)ブリージングが少ないこと (3)収縮量の少ないことまた若干の膨張性があること (4)所要の強度を有すること (5)必要により、練り上り後の硬化時間、すなわち可
使時間を調整することができること。
【0009】グラウト材の凝結に至るまでの可使時間の
調整は、硬化遅延剤を適切に混合することによって得ら
れる。しかし、このようなグラウト材は従来知られてい
ない。このようなグラウト材を得るには、適切な硬化遅
延剤の選定、周囲温度を勘案した添加量の決定、混練方
式及び混練時間の設定、添加時期の選定等を勘案して定
めることが必要である。また水セメント比、減水剤の種
類、添加量との関係も考慮する。
【0010】もっとも好ましい製造方法は、水、減水
剤、セメントを混練してセメントミルクを製造し、この
セメントミルクをこわばりを呈するまで放置し、硬化遅
延剤を加えて再混練することである。水、減水剤、セメ
ントを混練(一次混練)すると良好なコンシステンシー
を示しているが、その後わずかな時間でグラウト材はこ
わばり呈し、流動性を失う。本発明者らの研究によれ
ば、この時、再び撹拌(二次混練)すると一次混練直後
より良好な流動性を示し、その後の流動性の経時的な変
化は、緩やかとなる。一次混練後のこわばりの機構をセ
メント粒子とセメントミルク内の液相すなわち水との反
応の観点から見ると、セメント粒子と水とが接するや否
や、アルミネート相(C3 A)と硫酸分(SO3 )が反
応してエトリンガイト(C3 A・3CaSO 4 ・32H
2 O)を生成する。一方、硬化遅延剤として例えば、リ
グニンスルフォン酸塩を添加した場合、上記反応が阻害
され、液相中のリグニンスルフォン酸塩の濃度がある値
以下になった時初めて上記反応が進行するようになる。
このエトリンガイトは針状結晶でその結合力は極めて弱
いもので、小さな力で壊すことができる。一度壊された
エトリンガイトは再び結合することはなく、その後のコ
ンシステンシーの持続に結び付く。
【0011】本発明では一次混練後放置し、水和反応を
開始した時点でこれに硬化遅延剤を添加して再撹拌す
る。グラウト材が水和反応を開始すると、こわばりが生
じ、このこわばりが生じた段階で、これに硬化遅延剤を
添加して撹拌すると、硬化遅延剤の作用でセメント粒子
の周囲を被膜状に覆うためセメントの水和反応を遅ら
せ、長時間に亘って流動性を維持し可使時間の長いグラ
ウト材となる。
【0012】硬化遅延剤の添加量を調整することで、可
使時間を調整することができ、適切なグラウト施工時間
を選定することが可能となる。
【0013】
【実施例】本発明により可使時間を約6時間に調整した
グラウト材を製造した。 セメント量: 40kg 水セメント比: 36% 水量 : 14.4kg 水温 : 22℃ 減水剤 : 0.8kg 遅延剤 : 0.08kg 練り上がり量: 約27リットル 外気温度 : 8℃ 製造は、水、減水剤、セメントの順にミキサに投入し、
ミキサで3分間練り混ぜ、練り混ぜたグラウト材を15
分間放置した。15分間放置したグラウト材は非常にこ
わばっているが、硬化遅延剤を添加して2分間練り混ぜ
た。
【0014】セメントには普通ポルトランドセメントを
用い、水セメント比を36%とし、減水剤としては、ア
リールスルフォネートを主成分とした液状品である藤沢
薬品工業(株)のパリックGを用いた。遅延剤として変
性リグニンとオキシカルボン酸化合物の複合体を主成分
とする超遅延剤であるポゾリス物産のポゾリスNo.8
9を使用した。
【0015】製造したグラウト材の流動性はJAロート
で測定し、再混練直後22.1〜24.1秒であった。
再混練後6時間のJAロートフロー値は29.5〜3
0.1秒で安定した流動性を示した。また、膨張率は
0、ブリージング率は0、材令7日の圧縮強度はテスト
ピース3個平均で84kg/cm2 、材令28日強度は
テストピース3個平均で432kg/cm2 であった。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、適切な可使時間を有す
る優れたグラウト材を製造することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プレストレストコンクリート構造物のP
    C緊張材挿通ダクト内に充填するグラウト材の製造に当
    り、水、減水剤、セメントを混練してセメントミルクを
    製造し、該セメントミルクをこわばりを呈するまで放置
    し、その後、硬化遅延剤を加えて再混練することを特徴
    とするグラウト材の製造方法。
JP5335951A 1993-12-28 1993-12-28 グラウト材の製造方法 Expired - Fee Related JP2846565B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5335951A JP2846565B2 (ja) 1993-12-28 1993-12-28 グラウト材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5335951A JP2846565B2 (ja) 1993-12-28 1993-12-28 グラウト材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07187853A JPH07187853A (ja) 1995-07-25
JP2846565B2 true JP2846565B2 (ja) 1999-01-13

Family

ID=18294164

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5335951A Expired - Fee Related JP2846565B2 (ja) 1993-12-28 1993-12-28 グラウト材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2846565B2 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2802708B2 (ja) * 1992-12-18 1998-09-24 住友大阪セメント株式会社 高流動性超速硬セメント組成物、半たわみ性舗装構造体及び舗装法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07187853A (ja) 1995-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Xuli et al. Effect of methylcellulose admixture on the mechanical properties of cement
JPS6219388B2 (ja)
US4767461A (en) Method for manufacturing concrete
CN109095802B (zh) 混凝土用膨胀剂、混凝土及其制备方法
JP2846565B2 (ja) グラウト材の製造方法
JP6564674B2 (ja) セメント組成物、及び、セメント硬化体
JPH09295843A (ja) 高性能減水剤組成物及びそれを使用したセメント組成 物
JP2018076190A (ja) セメント組成物及びその製造方法
JP3246281B2 (ja) Pcグラウトの製造方法
JPH0256296B2 (ja)
JP3344170B2 (ja) Pcグラウト材
JPS5829265B2 (ja) コウキヨウドコンクリ−トセイヒン ノ セイゾウホウホウ
US4205998A (en) Admixture for obtaining rapid hardening portland cement and a method by which it is to be performed
JPH09110503A (ja) セメントグラウト材の製造方法
JPS5829984B2 (ja) セメントグラウトの配合方法
JPH0326237B2 (ja)
JPH06127991A (ja) 注入材
SU1054321A1 (ru) Комплексна добавка в бетонную и растворную смесь
SU906961A1 (ru) Способ приготовлени пористых гипсовых изделий
JPS5913462B2 (ja) 2型無水石こう系硬化材
JPH03290564A (ja) Pc用グラウトの注入法
JPH05321463A (ja) セメント混練物の打設方法
JP2004307331A (ja) 無機系遅延硬化性グラウト
JPH10305418A (ja) コンクリートの凝結時間調整方法
JP2001192251A (ja) コンクリート隙間部へのグラウト材およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19981020

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101030

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131030

Year of fee payment: 15

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees