JP2004307331A - 無機系遅延硬化性グラウト - Google Patents

無機系遅延硬化性グラウト Download PDF

Info

Publication number
JP2004307331A
JP2004307331A JP2004084463A JP2004084463A JP2004307331A JP 2004307331 A JP2004307331 A JP 2004307331A JP 2004084463 A JP2004084463 A JP 2004084463A JP 2004084463 A JP2004084463 A JP 2004084463A JP 2004307331 A JP2004307331 A JP 2004307331A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cement
fine powder
mass
grout
inorganic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004084463A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3638941B2 (ja
Inventor
Kazuo Suzuki
計夫 鈴木
Taiji Mikami
泰治 三上
Masaru Arakane
勝 荒金
Yoshihiko Higashida
義彦 東田
Minoru Hoshino
実 星野
Atsushi Morita
篤史 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takemoto Oil and Fat Co Ltd
Sumitomo SEI Steel Wire Corp
Original Assignee
Takemoto Oil and Fat Co Ltd
Sumitomo SEI Steel Wire Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takemoto Oil and Fat Co Ltd, Sumitomo SEI Steel Wire Corp filed Critical Takemoto Oil and Fat Co Ltd
Priority to JP2004084463A priority Critical patent/JP3638941B2/ja
Publication of JP2004307331A publication Critical patent/JP2004307331A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3638941B2 publication Critical patent/JP3638941B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/91Use of waste materials as fillers for mortars or concrete

Landscapes

  • Bridges Or Land Bridges (AREA)
  • Preparation Of Clay, And Manufacture Of Mixtures Containing Clay Or Cement (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

【課題】 十分な凝結遅延硬化性を有し、硬化後にはPC鋼材やシースと十分な付着力が得られる無機系遅延硬化性グラウトを提供する。
【解決手段】 本発明グラウトは、セメント、無機微粉末、凝結遅延剤、粘度調整剤及び水の配合物から構成される。セメントは、ビーライトを30〜70質量%含有するポルトランドセメントとする。無機微粉末は、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、シリカフュームおよび石灰石微粉末よりなる群から選択される一つ以上とする。次のA〜Dの要件を満たすように各成分を配合する。
A:(水と凝結遅延剤)/(セメントと無機微粉末)が25〜55質量%
B:セメント/無機微粉末が95/5〜75/25(質量比)
C:凝結遅延剤の固形分がセメントの0.4超1.0質量%以下
D:粘度調整剤がセメントと無機微粉末との合計に対して0.5〜1.5質量%
【選択図】 なし

Description

本発明は橋梁、容器等のプレストレストコンクリート構造物に用いるプレグラウトPC鋼材用無機系遅延硬化性グラウトと、このグラウトを用いたプレグラウトPC鋼材並びにポストテンション工法に関するものである。
従来プレストレストコンクリート構造物に使用するポストテンション工法は、あらかじめコンクリート構造物内に配置されたメタルシースにPC鋼より線を挿入し、所定の荷重まで緊張した後、シースとPC鋼より線の隙間内にセメントグラウトを注入していた。このグラウトに期待される主な機能としては、(1)構造物が供用されたときPC鋼より線と構造物とが一体になって挙動するようにPC鋼より線とグラウトの間の十分な付着力を確保すること、(2)外部の環境からPC鋼より線を保護して防食することが挙げられる。
ところが、セメントグラウトを工事現場でシースとPC鋼より線の隙間に注入する場合、いろいろ問題があった。例えば、シースとPC鋼より線の隙間が小さいため、完全にグラウトが注入・充填されないことがあり、長期間の間に外部から浸入してくる水とか、シース内に滞留・残留していた腐食水によってPC鋼より線が腐食して破断すると言う問題があった。さらには、PC鋼より線と構造物との間で所定の付着が構造物全長に亘り維持されないため、供用中にひび割れが構造物の一部分に集中すると言った問題が起こることもあった。
そのため、最近、工場であらかじめPC鋼より線の周囲に一定の隙間を設けてシースで被覆し、この隙間に硬化速度が遅い遅延硬化型充填材を充填したプレグラウトPC鋼より線が採用されるようになってきた。代表的には、この充填材として硬化速度が遅いエポキシ樹脂を用いた樹脂系プレグラウトPC鋼より線(商品名アフターボンド)がある(例えば特許文献1)。
この樹脂系プレグラウトPC鋼より線を用いるには、まずコンクリートの打設前に型枠内にプレグラウトPC鋼より線を配置し、コンクリートの打設・硬化後にPC鋼より線を緊張する。遅延硬化型樹脂は、この緊張時にPC鋼より線とポリエチレンシースとの間で大きな摩擦が発生しないように、緊張時まで所定の粘性を保持すると共に、緊張後は早く硬化するように調整されている。硬化後は、従来のセメントグラウトと同様の効果・機能を得ることができる。ところが、この樹脂系プレグラウトPC鋼より線についても、シース中に充填される樹脂が高価であると言う欠点を有していた。
そのため、この樹脂系プレグラウトPC鋼より線と同様の効果・機能を持ち、かつ安価な遅延硬化型充填材を用いたプレグラウトPC鋼より線の開発が望まれている。
これに対して、安価な遅延硬化型充填材として従来のセメントグラウト系充填材が考えられる。この場合、PC鋼より線を緊張するまでセメントグラウトの硬化を樹脂系プレグラウトPC鋼より線の樹脂のように遅らせる必要がある。セメントグラウトの硬化を遅らせる技術は幾つか報告されている。これらは従来からの現場においてグラウト作業での品質向上等を目的としたものである。例えば、(1)水と減水剤と凝結遅延剤とを配合したセメントグラウト(特許文献2)、(2)セメントと無機微粉と高性能減水剤と凝結遅延剤と増粘剤と水を配合したセメントグラウト(特許文献3、特許文献4、特許文献5など)がある。しかし、これらは何れも現場での作業改善のために硬化を遅らせているもので、その時間も数時間から数日程度と非常に短い。
一方、硬化時間を比較的長く遅らせたものとしては、セメントと水と凝結遅延剤とを配合したセメントグラウト(特許文献6)がある。
特公平5-6993号公報
特開平7-187853号公報
特開平9-32294号公報
特開平9-30855号公報
特開平9-110503号公報
特開2000-145018号公報
しかしながら、特許文献6の技術についても次のような問題があった。
(1)PC鋼より線の周囲に付着させるセメントグラウトに関し、緊張時の摩擦係数低減と硬化後の付着力との観点から適正な配合が開示されていない。特許文献6の技術はセメントグラウトをPC鋼より線とシースとの隙間へ充填する方法であるため、この充填が確実に行われているかどうか不明である。この充填を確実にするには、樹脂系プレグラウトPC鋼より線と同様に、工場加工により連続的に製造する方法、即ち裸のPC鋼より線の表面にセメントグラウトを付着させた後、その周囲にシースを被覆する方法がよい。その際、PC鋼より線の緊張時の摩擦係数を小さくし、かつ硬化後の付着力が十分に期待できる程度にセメントグラウトをPC鋼より線に付着させる必要がある。ところが、特許文献6には、この機能を実現できるセメントグラウトの配合が示唆されていない。
(2)PC鋼より線の周囲に付着させるセメントグラウトに関し、凝結遅延硬化性の観点からも適正な配合を示唆していない。セメントグラウトは、実用上必要とされるPC鋼より線の緊張までの間、所定のPC鋼より線の伸びが得られるようにする必要がある。即ち、PC鋼より線の一端を緊張したとき他端の固定側に必要な荷重が伝達される必要がある。ところが、特許文献6は、このような観点からの適正な配合を何ら示唆していない。
従って、本発明の主目的は、以下の少なくとも一つの特性を得られるプレグラウトPC鋼材用の無機系遅延硬化性グラウトを提供することにある。
(1)十分な凝結遅延硬化性を有すること
(2)PC鋼材の表面に付着させるとき、適度な付着量が確保できる粘着性を有すること
(3)PC鋼材の長さ方向に均一に硬化が進行すること
(4)所定の時期までシースとPC鋼材との摩擦を小さくでき、PC鋼材を緊張するときに必要な緊張量が得られること
(5)硬化後、PC鋼材が構造物と一体になって挙動する付着力が確保できること
本発明の他の目的は、遅延硬化性を有し、ポストテンション工法用PC鋼材に最適な無機系グラウトの製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、遅延硬化性を有する無機系グラウトを用いたプレグラウトPC鋼材を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、上記のプレグラウトPC鋼材を用いるポストテンション工法を提供することにある。
本発明は、所定のセメントや無機微粉末を用い、これらに凝結遅延剤、粘性調整剤及び水を適正量配合することで上記の目的を達成する。
〔無機系遅延硬化性グラウト〕
すなわち、本発明無機系遅延硬化性グラウトは、プレグラウトPC鋼材に用いる無機系遅延硬化性グラウトで、セメント、無機微粉末、凝結遅延剤、粘度調整剤及び水の配合物から構成される。セメントは、ビーライトを30〜70質量%含有するポルトランドセメントとする。無機微粉末は、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、シリカフュームおよび石灰石微粉末よりなる群から選択される一つ以上とする。そして、次のA〜Dの要件を満たすように各成分を配合することを特徴とする。
A:(水と凝結遅延剤)/(セメントと無機微粉末)が25〜55質量%
B:セメント/無機微粉末が95/5〜75/25(質量比)
C:凝結遅延剤の固形分がセメントの0.4超1.0質量%以下
D:粘度調整剤がセメントと無機微粉末との合計に対して0.5〜1.5質量%
このような配合とすることで、PC鋼材を緊張するまでは硬化を遅らせる十分な遅延硬化性を有し、硬化後にはPC鋼材が構造物と一体になって挙動する付着力を確保できる無機系グラウトを安価に得ることができる。
また、この無機系グラウトをPC鋼材の表面に付着させるとき、適度な付着量が確保できる。PC鋼材の緊張時には、シースとPC鋼材との摩擦を小さくでき、PC鋼より線を緊張するときに必要な緊張量が得られる。そして、硬化時にはPC鋼材の長さ方向に均一に硬化が進行する。
以下、本発明グラウトの各成分および配合の限定理由を説明する。
<セメント>
セメントは、ビーライト(C2S)を30〜70質量%含有するポルトランドセメントとする。ビーライトは含有量が多いと、セメント中における水和反応の早い成分が相対的に少なくなり、その結果水和反応が比較的ゆっくり進むので、グラウトの硬化が遅延される。一方、ビーライト含有量が少ないと、水和反応の早い成分が相対的に多くなり、水和反応が早期に進むので、グラウトの硬化が促進される傾向にある。この含有量が30質量%未満では、グラウトの硬化が遅すぎる傾向にあり、逆に70質量%を超えるとグラウトの硬化が早すぎる傾向にある。
このようなビーライト含有量のポルトランドセメントを得るには、例えば低熱ポルトランドセメントを用いればよい。この低熱ポルトランドセメントは、中庸熱ポルトランドセメントより、さらに水和熱が低いセメントである。より具体的には、水和熱の発生が少なく、長期強度の発現性のあるビーライトを主成分としたものが挙げられる。例えば、JIS R5210に記載の低熱ポルトランドセメントが好適に用いられる。一般に、低熱ポルトランドセメントは40〜70質量%程度のビーライトを含有している。
また、低熱ポルトランドセメントと普通ポルトランドセメントを混合しても良い。一般に、普通ポルトランドセメントには、20〜27質量%程度のビーライトを含有している。従って、ビーライトの含有量が30〜70質量%となるように低熱ポルトランドセメントと普通ポルトランドセメントを適宜混合すればよい。代表的には、低熱ポルトランドセメントの配合量を60質量%以上とし、より好ましくは95質量%以上とする。このようなビーライトの含有量のポルトランドセメントを用い、後述する凝結遅延剤の固形分のセメントに対する含有量を特定することで、適度な遅延硬化性を確保することができる。なお、一般に入手しやすい低熱ポルトランドセメントと普通ポルトランドセメントを混合し、前者を60質量%含有させた場合、全セメント中のビーライト含有量の下限は、実用的には32質量%程度である。
<無機微粉末>
無機微粉末は、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、シリカヒューム、石灰石微粉末から選択される1種以上である。これらの無機微粉末は単独であるいは混合で使用できる。中でも無機微粉末の比表面積が3000cm2/g以上のものが好ましい。このような無機微粉末を用いることで、セメント粒子が凝集した粗大粒子である継粉の発生を減少させ、ペーストの均一性を向上させることができる。3000cm2/g未満の場合、継粉の発生を減少させることが難しい。特に、比表面積が4500cm2/g〜5000cm2/gの無機微粉末が好ましい。
<凝結遅延剤>
凝結遅延剤は、特に制限するものでない。例えば、(A)グルコン酸、グルコヘプトン酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸のエチレンオキサイド付加物等のヒドロキシカルボン酸及びそれらの塩、(B)ピルビン酸、アセト酢酸、プロピオニル酢酸、等のケト酸及びそれらの塩、(C)リグニンスルホン酸、とその塩、(D)蔗糖、ブドウ糖等の糖類、(E)炭酸塩、リン酸塩、ケイ弗化物、ホウ酸塩糖の無機塩、糖が挙げられる。中でも長い凝結遅延硬化性があり、かつ温度依存性が比較的小さいヒドロキシカルボン酸アルカリ金属塩が好ましい。さらに好ましい凝結遅延剤としては、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸にエチレンオキサイドを1〜10モル付加したもののナトリウム塩が挙げられる。以上の凝結遅延剤は単独物でも混合物でも使用できる。
<粘度調整剤>
粘度調整剤は、特に制限するものでない。例えば、(A)メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性セルロースエーテル、(B)β-1、3-グルガン、可溶性でんぷん、カルボキシルメチルでんぷん、メチルでんぷん等のでんぷん誘導体、(C)ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成高分子、糖が挙げられる。中でも20℃、2%水溶液の粘度が5〜20Pa・secを有する水溶性セルロースエーテルと20℃、2%水溶液の粘度が30〜100Pa・secを有する水溶性セルロースエーテルとの混合物が好ましい。
<セメント、凝結遅延剤、無機微粉末の配合比>
(水と凝結遅延剤)/(セメントと無機微粉末)は25〜55質量%とする。この配合比が25%未満になると、グラウトが団子状になりPC鋼材にまとわりつきにくくなる。また、この配合比が55%を超えるとグラウトが低粘度でしゃぶしゃぶになり、やはりPC鋼より線にまとわりつきにくくなる。さらに、何れの場合も硬化後に必要な付着力等が得られないためである。これらのより好ましい配合比は35〜45質量%である。
<セメントと無機微粉末の配合比>
セメント/無機微粉末の質量比は95/5〜75/25とする。セメント/無機微粉末が95/5より大きくなると、グラウトが粒々状になりPC鋼より線などに付着したときの均一性がなくなる。逆に75/25より小さくなる場合も均一性が悪くなる。これらのより好ましい配合比は90/10〜80/20(質量比)である。
<凝結遅延剤の固形分のセメントに対する比率>
凝結遅延剤の固形分はセメントの0.4超1.0質量%以下とする。凝結遅延剤の固形分のセメントに対する比率が0.4%以下では早く固まりすぎ、PC鋼材の緊張が可能な程度の粘度を維持することが難しい。また、この比率が1.0%を超えると硬化しないことがあり、必要な凝結遅延硬化性が得られないためである。この比率のより好ましい範囲は0.5〜0.8質量%である。
<粘度調整剤の比率>
粘度調整剤はセメントと無機微粉末との合計に対して0.5〜1.5質量%とする。粘度調整剤の配合量が(セメント+無機微粉末)に対して0.5%より小さいとPC鋼材に必要なグラウトが付着しなくなる。また、この配合量が1.5%より大きくなるとグラウトが団子状になり、平坦にならないためである。いずれの場合も、緊張時に必要なPC鋼材の伸びと硬化後の付着力が得られない。この比率のより好ましい範囲は0.8〜1.0質量%である。
〔無機系遅延硬化性グラウトの製造方法〕
本発明無機系遅延硬化性グラウトの製造方法は、次の混合工程、加水工程および遅延剤添加工程を含むことを特徴とする。
混合工程:下記のセメントと下記の無機微粉末とをセメント/無機微粉末が95/5〜75/25(質量比)となるように配合し、さらに粘度調整剤がセメントと無機微粉末との合計に対して0.5〜1.5質量%となるように混合して混合物とする。
セメント:ビーライトを30〜70質量%含有するポルトランドセメント
無機微粉末:フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、シリカフュームおよび石灰石微粉末よりなる群から選択される一つ以上
加水工程:上記混合物に水を混合してペーストとする。
遅延剤添加工程:上記ペーストに、固形分がセメントの0.4超1.0質量%以下で、かつ(水と凝結遅延剤)/(セメントと無機微粉末)が25〜55質量%となるように凝結遅延剤水溶液を混合する。
この製造方法において、混合工程でセメントと無機微粉末と粘度調整剤とを混合する方法としては、公知の混合方法が適用できる。例えば、ホバートミキサ、パン型ミキサ、強制2軸ミキサ等の混合機を用いて混合する方法が挙げられる。混合する時間としては特に制限するものでないが、目安として混合物の外観が均一となるまで混合する。
加水工程では、セメントと無機微粉末と粘度調整剤とから得られた混合物に水を混合してペーストとする。この加水混合も、公知の混合手段を適用すれば良い。加える水は全量を一度に加えてもよいし、分割してもよい。水を加えて混合する時間としては特に制限するものでないが、目安としてペーストの外観が均一となるまで混合する。更に、このペーストに増量剤を添加しても良い。増量剤は、特に限定されないが例えば、硅砂を用いることができる。増量剤の添加により、ペーストの硬化収縮量を見かけ上小さくできる。
遅延剤添加工程では、以上で得られたペーストに凝結遅延剤を加えて混合して無機系遅延硬化性グラウトを得る。この混合でも、公知の混合手段を適用すれば良い。ペーストに凝結遅延剤を加えて混合する時間としては特に制限するものではないが、目安として混合物の外観が均一となるまで混合する。
〔プレグラウトPC鋼材〕
本発明プレグラウトPC鋼材は、PC鋼材と、この鋼材の外周を間隔をあけて被覆するシースと、前記PC鋼材とシースとの間に介在される上記無機系遅延硬化性グラウトとを具えることを特徴とする。
ここで用いるPC鋼材には、PC鋼線、PC鋼より線、PC鋼棒など、公知の鋼材が含まれる。例えばJIS G 3536(PC鋼線及びPC鋼より線)が知られている。
また、シースには、ポリエチレンなどの樹脂シースの他、従来のPC構造物で使用されているメタルシースも利用できる。このシースは、表面を凹凸形状に成形してコンクリートとの付着強度を高めることが好ましい。
本発明プレグラウトPC鋼材は、例えば、特開平6-136883号公報に記載の技術において、遅延硬化型樹脂を本発明グラウトに置換した方法により得ることができる。即ち、裸のPC鋼材に本発明グラウトを付着させ、その上をシースで覆うことによって製造が可能である。
その他、樹脂製や金属製の中空シース中に、本発明グラウトを供給・塗布しながら、裸のPC鋼材を挿入する等の方法でも製造することができる。ただし、シース内に確実にグラウトを注入するには、工場で連続的に製造することが好ましい。
〔ポストテンション工法〕
本発明のポストテンション工法は、以上のような本発明プレグラウトPC鋼材を用いる方法である。即ち、予め型枠内に前述した本発明プレグラウトPC鋼材を配置する工程と、型枠内にコンクリートを打設して硬化させる工程と、コンクリートの硬化後にPC鋼材を緊張し、コンクリート構造物の端面に定着する工程とを具えることを特徴とする。
例えば、橋梁の桁における床板の横締めに本発明工法を用いる場合、床板型枠内に鉄筋を配置し、その後、型枠内の所定の位置に本発明プレグラウトPC鋼材を配置する。床板の両端で型枠より外側に出ているプレグラウトPC鋼材のシースを剥ぐ。その後、PC鋼材の端部から支圧板を通して配置し、支圧板を型枠に固定する。その後、コンクリートを打設し、コンクリートが所定の強度に達すれば、プレグラウトPC鋼材の端部から定着具を通す。固定側となるプレグラウトPC鋼材の一端は定着具で確実に構造物の端面に固定し、緊張側となるプレグラウトPC鋼材の他端は、ジャッキにてPC鋼材を所定の荷重まで緊張した後、定着具で構造部の端面に定着する。
以上説明したように、本発明グラウト及びその製造方法によれば、十分な硬化遅延性と、硬化後の付着力を確保できる無機系グラウトを安価に得ることができる。
本発明プレグラウトPC鋼材によれば、少なくとも保管、現場施工、打設コンクリートの強度発現を経てPC鋼材の緊張に至るまでの間、無機系遅延硬化性グラウトが十分な遅延硬化性を有する。また、PC鋼材に無機系遅延硬化性グラウトを適度に付着させることで、シースとPC鋼材との隙間への均一なグラウトの充填が可能になる。さらに同グラウトの硬化後にはPC鋼材が構造物と一体になって挙動する付着力を確保できる。
本発明ポストテンション工法によれば、コンクリート構造物が供用された際、PC鋼材と構造物とが一体になって挙動するのに十分な付着力を確保し、かつ外部の環境からPC鋼材を十分に防食したコンクリート構造物を構築することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。以下の表を含む説明において、化学成分に関する「%」は質量%を示す。
<試験例1>
(1)サンプルグラウトの製造
I. プレグラウトPC鋼より線用グラウト<P-1>の製造
ホバートミキサに低熱ポルトランドセメント8.5kg、比表面積4870cm2/gの炭酸カルシウム1.5kg、20℃で2%水溶液の粘度が20Pa・secを有する水溶性メチルセルロース60gと20℃で2%水溶液の粘度が20Pa・secを有する水溶性メチルセルロース40gとを投入し、1分間空練りをして混合物とする。次に、この混合物に水3.83kgを加えて2分間練りまぜてペーストとする。さらにペーストに凝結遅延剤としてグルコン酸ナトリウム40%水溶液170gを加えて7分間練り混ぜてグラウト<P-1>を作った。
II. プレグラウトPC鋼より線用グラウト<P-2>〜<P-11>、<R-1>〜<R-8>の製造
プレグラウトPC鋼より線<P-1>の練り混ぜ方法と同様にして、組成の異なるサンプルグラウト<P-2>〜<P-11>、<R-1>〜<R-8>までを作った。
III. 従来グラウト<R-9>〜<R-12>の製造
さらに、比較のため、従来グラウト<R-9>〜<R-12>を、特開2000-145018号公報、特開平7-187853号公報、特開平9-32294号公報、特開平9-30855号公報、特開平9-110503号公報に記載されている組成と製造方法により製造した。
<R-9>は特開2000-1458018号公報に記載の組成と製造方法による無機系グラウトである。このグラウトは、ホバートミキサに比表面積3280cm2/gの普通ポルトランドセメント10kg、凝結遅延剤としてグルコン酸ナトリウム40%水溶液200g、水3.8kgを投入し、10分間混ぜて作った。
<R-10>は特開平7-187853号公報に記載の組成と製造方法による無機系グラウトである。このグラウトは、ホバートミキサに比表面積3280cm2/gの普通ポルトランドセメント10kg、減水剤としてナフタリンスルホン酸ホルマリン高縮合物を20g、凝結遅延剤としてグルコン酸ナトリウム40%水溶液20g、及び水3.78kgを投入し、10分間混ぜて作った。
<R-11>は特開平9-32284号公報、特開平9-30855号公報に記載の組成と製造方法による無機系グラウトである。このグラウトは、ホバートミキサに比表面積3280cm2/gの普通ポルトランドセメント8kg、減水剤としてナフタリンスルホン酸ホルマリン高縮合物50g、無機微粉末2kg、粘度調整剤としてメチルセルロース30g、凝結遅延剤としてグルコン酸ナトリウム40%水溶液10g及び水3.94kgを投入し、10分間混ぜて作った。
<R-12>は特開平9-110503号公報に記載の組成と製造方法による無機系グラウトである。このグラウトは、ホバートミキサに比表面積3280cm2/gの普通ポルトランドセメント10kg、減水剤としてナフタリンスルホン酸ホルマリン高縮合物50g、粘度調整剤としてメチルセルロース20g及び水3.95kgを投入し、10分間混ぜて作った。
これらサンプルグラウト<P-1>〜<R-12>までの組成を表1および表2に示す。これら表中の各成分は次の通りである。
A-1:比表面積3470cm/gでビーライト含有量50%の低熱ポルトランドセメント
A-2:(比表面積3470cm/gの低熱ポルトランドセメント)/(比表面積3280cm/gの普通ポルトランドセメント)=95/5(質量比)の混合セメント、混合セメントの比表面積は、3460cm/g
A-3:(比表面積3470cm/gの低熱ポルトランドセメント)/(比表面積3280cm/gの普通ポルトランドセメント)=70/30(質量比)の混合セメント、混合セメントの比表面積は、3413cm/g
A-4:比表面積3280cm/g普通ポルトランドセメント
A-5:比表面積3490cm/gでビーライト含有量58%の低熱ポルトランドセメント
B-1:比表面積4870cm/gの石灰石微粉末
B-2:比表面積3370cm/gのフライアッシュ
B-3:比表面積4080cm/gの高炉スラグ微粉末
C-1:グルコン酸ナトリウム40%水溶液
C-2:グルコン酸1モルにエチレンオキサイド1モルを付加したもののナトリウム塩40%水溶液
C-3:クエン酸ナトリウム40%水溶液
D-1:(20℃で2%水溶液の粘度が20Pa・secを有する水溶性メチルセルロース)/(20℃で2%水溶液の粘度が100Pa・secを有する水溶性メチルセルロース)=60/40(質量比)の混合物
D-2:(20℃で2%水溶液の粘度が20Pa・secを有する水溶性メチルセルロース)/(20℃で2%水溶液の粘度が100Pa・secを有する水溶性メチルセルロース)=50/50(質量比)の混合物
D-3:(20℃で2%水溶液の粘度が20Pa・secを有する水溶性メチルセルロース)/(20℃で2%水溶液の粘度が100Pa・secを有する水溶性メチルセルロース)=70/30(質量比)の混合物
Figure 2004307331
Figure 2004307331
(2)プレグラウトPC鋼より線の製造
上記のサンプルグラウトを用いてプレグラウトPC鋼より線を作製した。まず、φ21.8mmの裸のPC鋼より線にサンプルグラウトを連続して塗布する。次に、このグラウトの上に約200℃に加熱したポリエチレンを押し出し、シースを被覆する。そして、このシースが冷却しない内にシース表面が凹凸状になるように加工して冷却した。
得られたプレグラウトPC鋼より線の断面図を図1Aに、側面図を図1Bに示す。このプレグラウトPC鋼より線100は、中心から順に、複数の素線をより合わせたPC鋼より線10、グラウト20、シース30で構成される。シースは、外径の大きい凸環部31と外径の小さい凹環部32とが長手方向に交互に形成されている。さらに、シースには、長手方向に連続する一対の突条部33が断面の対向する位置に形成されている。シースにおける各部の寸法は、凸環部外径:29mm、凹環部外径:25mm、突条部外径:35mm、肉厚1.3mmである。
(3)グラウトおよびPC鋼より線の評価
上記組成のグラウトについて、まとわり性とグラウトの均一性について評価した。次に、前述のプレグラウトPC鋼より線について凝結遅延硬化性と付着性について評価した。そして、これら評価結果に基づいて実用性を総合的に評価した。各評価結果を表3に示す。
Figure 2004307331
I. まとわり性の評価については、グラウトの粘度で評価した。適正粘度は粘度計で5.0〜30.0Pa・secであるが、粘度が5.0Pa・secより小さくなると柔らかくなり、まとわり性が低下する。さらに30.0Pa・secを越えると硬くなり団子状になってまとわり難くなる。粘度が15.0〜25.0Pa・secの場合を◎で、30.0Pa・secを超える場合または5.0Pa・sec未満の場合を×で、それ以外を○で示している。
II. 均一性についてはグラウトを作ったとき、性状が粒々状になっているか等を観察して官能評価した。粒々状になっている場合を×、なっていない場合を○で示す。
III. 凝結遅延硬化性については、プレグラウトPC鋼より線を1ヶ月常温(約15〜20℃)で放置し、実際のコンクリート部材を模擬した熱履歴モデルに基づいて加熱履歴を与えた後、種々の期間後の摩擦抵抗を測定することによって評価した。熱履歴モデルを図2のグラフに示す。この摩擦試験での評価は、図3に示すように、PC鋼より線の直径が21.8mmで、被覆長さが480mmのプレグラウトPC鋼より線100の周囲を手で握り秤量計300に押し当てて、PC鋼より線10のすべり出し直前の荷重である初滑荷重を測定するという簡易摩擦評価試験により行なった。ここでは、プレグラウトPC鋼より線の緊張側から固定側に実用上問題のない荷重伝達ができる値として、初滑荷重を被覆面積で除した値Fが0.05N/mm2になるまでを基準値とした。この基準値は、予め簡易摩擦評価試験と同様の熱履歴が付与されるコンクリート構造体の中にプレグラウトPC鋼より線を配置して一端を固定しておき、他端からPC鋼より線を緊張したとき、固定側でどの程度荷重が低下するかのデーターを求めて、その荷重低下率が50%以下となる値を求めて決定した。
評価については、次のように行った。
早期に硬化して不合格「×」:加熱前と加熱後5日未満にFが0.05N/mm2を超える場合
適度に遅延硬化して合格「○」:加熱後5日以上、2週間未満でFが0.05N/mm2以下、加熱後2週間以降にFが0.05N/mm2を超える場合
適度に遅延硬化して合格「◎」:加熱後2週間以上、2ヶ月以内でFが0.05N/mm2以下、加熱後2ヶ月以降にFが0.05N/mm2を超える場合
長期間硬化せず不合格「×」:加熱後2ヶ月の時点で再度同様の加熱履歴を与えてもFが0.05N/mm2以下の場合
IV. 硬化後のグラウトの付着性については、従来から橋梁等の建築物で用いられているグラウトの付着強度と比較し、同等(2.5N/mm2)以上かどうかで評価した。同等以上の場合を○、同等未満の場合を×で示す。
この付着性試験では、図4に示すようなコンクリートブロックを用いて付着強度を評価する。型枠内にプレグラウトPC鋼より線100とスパイラル筋200を同軸上に配置し、PC鋼より線100の端部からアンカープレート210を通して、PC鋼より線100とスパイラル筋210を埋設するコンクリートブロック220を形成する。このコンクリートブロック220のサイズは30cm×30cm×30cmである。サンプルグラウトの硬化後、このプレグラウトPC鋼より線100の一端に変位計230を装着し、他端からPC鋼より線10を緊張して、一定の変位が得られた際の緊張荷重で付着力を評価した。従来のグラウトと同等以上の付着力が得られた場合を合格とし「○」とした。
表3から明らかなように、本発明実施例である<P-1>〜<P-11>では、まとわり性と均一性に合格すると共に、凝結遅延硬化性・付着性共に実用性があることが分かる。<R-1>については、グラウトが継粉状になり均一性が無くなって付着力に劣るため実用性が小さい。<R-2>については、グラウトがさらさらになり<R-1>と同様均一性が無くなり付着力が低く実用性が劣る。<R-3>については、早く硬化するため実用性が小さい。<R-4>については、硬化が進まないため実用性が小さい。<R-5>〜<R-8>については、まとわり性が悪く、付着力に劣り実用性が小さい。<R-9>〜<R-12>については、遅延硬化性・付着力共に劣り、実用性が小さい。
<試験例2>
次に、試作した低熱ポルトランドセメントと普通ポルトランドセメントとを用いて、表4に示す特性を持つサンプルグラウトを作製した。このサンプルグラウトに用いた無機微粉末はB-1、凝結遅延剤はC-1、粘度調整剤はD-1である。そして、このサンプルグラウトを用いて試験例1と同様のプレグラウトPC鋼より線を作製した。
Figure 2004307331
このPC鋼より線を用いて特性評価を行なった。評価は、試験例1と同様で、まとわり性、均一性、凝結遅延硬化性および付着性について行なった。その結果、表4に示すいずれのサンプルもまとわり性と均一性に合格すると共に、凝結遅延硬化性・付着性共に実用性があることが確認された。
本発明無機遅延性グラウトは、橋梁、容器等のプレストレストコンクリート構造物に用いるプレグラウトPC鋼材に好適に利用することができる。
図1AはプレグラウトPC鋼より線の断面図、図1Bはその側面図である。 熱履歴モデルを示すグラフである。 簡易摩擦試験方法の説明図である。 グラウトの付着性試験の説明図である。
符号の説明
10 PC鋼より線
20 グラウト
30 シース
31 凸環部
32 凹環部
33 突条部
100 プレグラウトPC鋼より線
200 スパイラル筋
210 アンカープレート
220 コンクリートブロック
230 変位計
300 秤量計

Claims (8)

  1. プレグラウトPC鋼材に用いる無機系遅延硬化性グラウトであって、
    下記のセメント、下記の無機微粉末、ならびに凝結遅延剤、粘度調整剤及び水が次のA〜Dの要件を満たすように配合されてなることを特徴とする無機系遅延硬化性グラウト。
    A:(水と凝結遅延剤)/(セメントと無機微粉末)が25〜55質量%
    B:セメント/無機微粉末が95/5〜75/25(質量比)
    C:凝結遅延剤の固形分がセメントの0.4超1.0質量%以下
    D:粘度調整剤がセメントと無機微粉末との合計に対して0.5〜1.5質量%
    セメント:ビーライトを30〜70質量%含有するポルトランドセメント
    無機微粉末:フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、シリカフュームおよび石灰石微粉末よりなる群から選択される一つ以上
  2. 無機微粉末の比表面積が3000cm2/g以上であることを特徴とする請求項1に記載の無機系遅延硬化性グラウト。
  3. 凝結遅延剤がヒドロキシカルボン酸アルカリ金属塩であることを特徴とする請求項1又は2に記載の無機系遅延硬化性グラウト。
  4. 粘度調整剤は、20℃、2%水溶液の粘度が5〜20Pa・secを有する水溶性セルロースエーテルと30〜100Pa・secを有する水溶性セルロースエーテルとの混合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の無機系遅延硬化性グラウト。
  5. (水+凝結遅延剤)/(セメントと無機微粉末)が35〜45質量%、
    セメント/無機微粉末が90/10〜80/20(質量比)、
    凝結遅延剤の固形分がセメントの0.5〜0.8質量%、
    粘度調整剤が(セメント+無機微粉末)に対して0.8〜1.0質量%の割合であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の無機系遅延硬化性グラウト。
  6. 下記のセメントと下記の無機微粉末とをセメント/無機微粉末が95/5〜75/25(質量比)となるように配合し、さらに粘度調整剤がセメントと無機微粉末との合計に対して0.5〜1.5質量%となるように混合して混合物とする混合工程と、
    この混合物に水を混合してペーストとする加水工程と、
    このペーストに固形分がセメントの0.4超1.0質量%以下で、かつ(水と凝結遅延剤)/(セメントと無機微粉末)が25〜55質量%となるように凝結遅延剤の水溶液を混合する遅延剤添加工程とを含むことを特徴とする無機系遅延硬化性グラウトの製造方法。
    セメント:ビーライトを30〜70質量%含有するポルトランドセメント
    無機微粉末:フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、シリカフュームおよび石灰石微粉末よりなる群から選択される一つ以上
  7. PC鋼材と、
    この鋼材の外周を間隔をあけて被覆するシースと、
    前記PC鋼材とシースとの間に介在される請求項1〜5のいずれかに記載の無機系遅延硬化性グラウトとを具えることを特徴とするプレグラウトPC鋼材。
  8. 予め型枠内に請求項7に記載のプレグラウトPC鋼材を配置する工程と、
    型枠内にコンクリートを打設して硬化させる工程と、
    コンクリートの硬化後にコンクリート構造物の端面でPC鋼材を緊張定着する工程とを具えることを特徴とするポストテンション工法。
JP2004084463A 2003-03-24 2004-03-23 無機系遅延硬化性グラウト Expired - Lifetime JP3638941B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004084463A JP3638941B2 (ja) 2003-03-24 2004-03-23 無機系遅延硬化性グラウト

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003081138 2003-03-24
JP2004084463A JP3638941B2 (ja) 2003-03-24 2004-03-23 無機系遅延硬化性グラウト

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004307331A true JP2004307331A (ja) 2004-11-04
JP3638941B2 JP3638941B2 (ja) 2005-04-13

Family

ID=33478133

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004084463A Expired - Lifetime JP3638941B2 (ja) 2003-03-24 2004-03-23 無機系遅延硬化性グラウト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3638941B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010047447A (ja) * 2008-08-22 2010-03-04 Oriental Shiraishi Corp セメント系グラウト組成物及び該組成物を用いたプレグラウトpc鋼材の製造方法
JP2013203619A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 充填材の充填方法
CN113800811A (zh) * 2021-09-23 2021-12-17 重庆三圣实业股份有限公司 一种压浆剂及其制备方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010047447A (ja) * 2008-08-22 2010-03-04 Oriental Shiraishi Corp セメント系グラウト組成物及び該組成物を用いたプレグラウトpc鋼材の製造方法
JP2013203619A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 充填材の充填方法
CN113800811A (zh) * 2021-09-23 2021-12-17 重庆三圣实业股份有限公司 一种压浆剂及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3638941B2 (ja) 2005-04-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2006001891A1 (en) Composition and application of novel sprayable phosphate cement that bonds to styrofoam
US11465939B2 (en) Mortar repaired reinforced concrete structure
JP6653077B2 (ja) 超速硬性セメントモルタル
JP4693456B2 (ja) コンクリート構造物の補修または増厚用グラウト材及び当該グラウト材を用いたアルカリ骨材反応防止施工方法
JP3638941B2 (ja) 無機系遅延硬化性グラウト
JP3813374B2 (ja) 凝結調整材スラリーを用いた吹付セメントコンクリートの施工方法
JPS5857386B2 (ja) モルタル組成物
KR100561097B1 (ko) 모르타르 구조물의 강도 증대를 위한 첨가제
CN108264270B (zh) 一种金属地砖铺贴用环保型浆料
JP5514790B2 (ja) 耐酸性乾式吹付け用モルタル材料及び該吹付け材料の製造方法
JP3552023B2 (ja) セメントモルタル組成物
JP5647465B2 (ja) Pcグラウト組成物
JP2003055018A (ja) ポリマーセメント組成物
JP2014189437A (ja) ひび割れ低減型高炉セメント組成物及びその製造方法
JP5755270B2 (ja) コンクリート表面への接着性が改善されたプラスターモルタル、及びコンクリートにおいてプラスターモルタルの接着性を改善させるための方法
JP4617073B2 (ja) 急硬性材料及び急硬性セメント組成物
JP2000072503A (ja) 被覆細骨材、セメント組成物、セメント組成物の製造方法
JP2010155757A (ja) グラウト用混和剤およびグラウト組成物
JP5270258B2 (ja) セメント系グラウト組成物及び該組成物を用いたプレグラウトpc鋼材の製造方法
WO2003091181A1 (fr) Composition de mortier
JP4001709B2 (ja) グラウト及びpc構造物
JPH0256296B2 (ja)
CN106830825A (zh) 用于后张预应力锚头的封锚材料及其制备方法
JP3311985B2 (ja) 半たわみ性舗装材、それを用いた半たわみ性舗装体及びその構築方法
JP2846565B2 (ja) グラウト材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041013

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050112

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3638941

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090121

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090121

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100121

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110121

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110121

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120121

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120121

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130121

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130121

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140121

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250