JP2873457B2 - 電子写真用現像剤 - Google Patents

電子写真用現像剤

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JP2873457B2
JP2873457B2 JP1104210A JP10421089A JP2873457B2 JP 2873457 B2 JP2873457 B2 JP 2873457B2 JP 1104210 A JP1104210 A JP 1104210A JP 10421089 A JP10421089 A JP 10421089A JP 2873457 B2 JP2873457 B2 JP 2873457B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は特定の樹脂を含有する電子写真用現像剤に関
し、特に高速の現像、定着に適した定着性、耐オフセッ
ト性、耐ブロッキング性を同時に満足させる特定の樹脂
を含有する電子写真用現像剤に関する。
[従来の技術] 近年、電子写真は複写機のみならずレーザービームプ
リンターにも応用され従来にもまして高速記録が要求さ
れるようになり、定着装置として高速性に優れたヒート
ロールが多用されてきている。また、複写もしくは印字
された画像を折り曲げて使用する(ダイレクトメール
等)、ハガキ(厚紙である)に複写もしくは印字する等
の多様な要求もあり、従来以上の定着性が必要となって
きている。
スチレン−アクリルモノマー共重合樹脂で分散度3.5
〜40のものをバインダーとする電子写真用トナーが耐オ
フセット性に優れるトナーとして提案されている(特開
昭50−134652号)。
また、特開昭62−115170号には重量平均分子量1万〜
3万及びガラス転移温度60〜70℃であるスチレン−アク
リルモノマー共重合体樹脂(A)と重量平均分子量20万
〜40万及びガラス転移温度55〜65℃であるスチレン−ア
クリルモノマー共重合体樹脂(B)を重量比で(A)/
(B)が90/10〜50/50の範囲で混合されてなり、140℃
における溶融粘度が10,000ポイズ以下である電子写真ト
ナー用樹脂組成物が開示されている。
高速現像定着に適した定着性、耐オフセット性及び耐
ブロッキング性を改良する提案もある。しかし、このよ
うな従来提案された電子写真トナーでは液体現像液用ト
ナーとしては、脂肪族炭化水素溶剤に安定に分散できな
かったり、また、定着エネルギーが低い場合、乾式トナ
ーでは定着性が不十分である等の欠点があった。
高速記録において、定着性及び耐オフセット性に優れ
たトナーは、従来得られていないのが現状である。
[発明が解決しようとする課題] 本発明はこのような従来の問題点を解決し、定着性及
びオフセット性に優れ、耐ブロッキング性も良好なトナ
ーを得るために特定の樹脂を含む電子写真用現像剤を提
供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明の電子写真用現像剤は、樹脂成分として、
(1)ジビニルベンゼンまたはそのアルキル(炭素数1
〜20)置換体モノマー(B)を必須成分として含み、メ
チルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアク
リレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレ
ート、プロピルアクリレート、n−ブチルメタクリレー
ト、iso−ブチルメタクリレート、酢酸ビニル、ビニル
トルエン、スチレン、p−クロルスチレンよりなる群か
ら選ばれたモノマー(E)を含んでもよい系より重合し
た重合体に、フルオロアルキル(メタ)アクリレートモ
ノマー(A)をグラフト共重合させて形成した含フッ素
グラフト共重合体、 (2)ジビニルベンゼンまたはそのアルキル(炭素数1
〜20)置換体モノマー(B)と、脂肪族炭化水素に溶媒
和する直鎖、分岐又は環状アルキル基を有する(メタ)
アクリレートモノマー(C)を必須成分として含み、メ
チルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアク
リレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレ
ート、プロピルアクリレート、n−ブチルメタクリレー
ト、iso−ブチルメタクリレート、酢酸ビニル、ビニル
トルエン、スチレン、p−クロルスチレンよりなる群か
ら選ばれたモノマー(E)を含んでもよい系より共重合
した共重合体に、フルオロアルキル(メタ)アクリレー
トモノマー(A)をグラフト共重合させて形成した含フ
ッ素グラフト共重合体、又は、 (3)ジビニルベンゼンまたはそのアルキル(炭素数1
〜20)置換体モノマー(B)と、脂肪族炭化水素に溶媒
和する直鎖、分岐又は環状アルキル基を有する(メタ)
アクリレートモノマー(C)と極性基としてのカルボキ
シル基、グリシジル基、又はヒドロキシ基を有するモノ
マー(D)を必須成分として含み、メチルメタクリレー
ト、メチルアクリレート、エチルアクリレート、エチル
メタクリレート、プロピルメタクリレート、プロピルア
クリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチル
メタクリレート、酢酸ビニル、ビニルトルエン、スチレ
ン、p−クロルスチレンよりなる群から選ばれたモノマ
ー(E)を含んでもよい系より共重合した共重合体に、
フルオロアルキル(メタ)アクリレートモノマー(A)
をグラフト共重合させて形成した含フッ素グラフト共重
合体を含有することを特徴とするものである。
本発明で使用される含フッ素グラフト共重合体は乾式
電子写真用現像剤及び湿式電子写真用現像剤の両方に有
効である。
乾式電子写真用現像剤、すなわち乾式トナーの場合は
前記特定樹脂をバインダーとし、着色剤及び/又は磁性
粉と組み合わせて構成される。また、乾式電子写真用現
像剤の場合は前記特定樹脂と着色剤とを主成分とする湿
式トナーを担体液中に分散して使用される。
本発明の含フッ素グラフト共重合体は市販の交互共重
合又はランダム共重合フッ素ポリマーに比較して撥水、
撥油性を示すとともに溶剤に対する溶解性に優れてお
り、電子写真用トナーに用いた場合は熱ローラー定着時
にこれに付着しにくいためオフセット現像が発生せず、
軟化点の低い樹脂をトナー材料に用いることができ、こ
のため、高速定着が可能になる。また、ブロッキング性
にも優れていることがわかった。すなわち、前記含フッ
素グラフト共重合体の場合は幹部分であるジビニルベン
ゼンまたはそのアルキル(炭素数1〜20)置換体の
(共)重合体の幹部分が定着粒子に相溶し、フルオロア
ルキル(メタ)アクリレートの含フッ素原子部分が着色
剤表面に配列するため撥水、撥油の効果が十分に発揮さ
れるが、交互共重合体やランダム共重合体の場合はフッ
素分子が着色剤表面上に十分に配列されず、このため所
望の効果を発揮できない。
本発明の電子写真用現像剤は、ジビルベンゼンまたは
そのアルキル(炭素数1〜20)の置換体モノマー(B)
を必須成分として含み、メチルメタクリレート、メチル
アクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレ
ート、プロピルメタクリレート、プロピルアクリレー
ト、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリ
レート、酢酸ビニル、ビニルトルエン、スチレン、p−
クロルスチレンよりなる群から選ばれたモノマー(E)
を含んでもよいい系より重合した重合体に、フルオロア
ルキル(メタ)アクリレートモノマー(A)をグラフト
共重合させて形成した含フッ素グラフト共重合体を少な
くとも含有する。
さらに、含フッ素グラフト共重合体のための幹部分と
なる前記重合体に代えて、脂肪族炭化水素溶媒に溶媒和
するアルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー
(C)や極性モノマー(D)を加えて重合した重合体を
幹部分とし、フルオロアルキル(メタ)アクリレートモ
ノマー(A)をグラフト共重合させることによって得ら
れたグラフト共重合体を使用することができる。
重合媒体として、水、有機溶媒等が使用されるが、無
溶媒の状態でも重合可能である。
本発明に用いる含フッ素モノマー(A)としては、フ
ルオロアルキルアクリレート(フルオロアルキル部分は
−CH2CF3、−CH2C2F5、−CH2C3F7、−CH2C4F9、−CH2C5
F11、−CH2C7F15、−CH2C8F17、−CH2C9F19、−CH2C10F
21等)、フルオロメタクリレート(フルオロアルキル部
分は−CH2CF3、−CH2(CF2CF22H、−CH2CH2C3F7、−
(CH25C8F17、−CH2(CF2CF23H、−CH2(CF2CF24
H、−(CH2(CF27CF3、−CH2C20F41等)等が挙げ
られる。含フッ素モノマー(A)は、重合後、撥水、撥
油性に寄与する成分となる。
ジビニルベンゼン又はそのアルキル置換体(B)とし
ては、o−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、
p−ジビニルベンゼン、p−メチルジビニルベンゼン、
o−エチルジビニルベンゼン、p−ブチルジビニルベン
ゼン、m−ヘキシルジビニルベンゼン、o−ノニルジビ
ニルベンゼン、p−デシルジビニルベンゼン、o−ウン
デシルジビニルベンゼン、p−ステアリルジビニルベン
ゼン、o−メチルジビニルベンゼン、p−エチルジビニ
ルベンゼン、o−ブチルジビニルベンゼン、p−ヘキシ
ルジビニルベンゼン、p−ノニルジビニルベンゼン、m
−デシルジビニルベンゼン、p−ウンデシルジビニルベ
ンゼン、o−ステアリルジビニルベンゼン等が挙げられ
る。
モノマー(B)は、架橋構造を作る成分である。
重合前も重合後も脂肪族炭化水素に溶媒和するモノマ
ー(C)は耐久性、接着性、分散安定性を更に改良する
ために用いられる。その具体例としては、ラウリルアク
リレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタク
リレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート、ドデシルメタクリレート、
ドデシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、ヘキ
シルアクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメ
タクリレート、セチルメタクリレート、セチルアクリレ
ート、ビニルラウレート、ビニルステアレート、ノニル
メタクリレート、ノニルアクリレート、デシルメタクリ
レート、デシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリ
レート、シクロヘキシルアクリレート等が挙げられる。
極性基(カルボキシル基、グリシジル基、ヒドロキシ
ル基等)を有するモノマー(D)はモノマー(C)と同
様に接着性、柔軟性、分散安定性等の向上に寄与するモ
ノマーである。その具体例としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸等が挙
げられ、グリシジル基を有するモノマーとしては、グリ
シジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリ
シジルプロピルメタクリレート、グリシジルプロピルア
クリレート、グリシジルブチルアクリレート、グリシジ
ルブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、ヒドロキシエチルアクリレート等が挙げられる。
また、その他成膜性及び接着性を改良するためのモノ
マー(E)も必要に応じて使用される。その具体例とし
てはメチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタ
クリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルメタク
リレート、iso−ブチルメタクリレート、酢酸ビニル、
ビニルトルエン、スチレン、p−クロルスチレン等が挙
げられる。
また、この含フッ素グラフト共重合体の製造で使用さ
れる重合触媒としては、アゾビスイソブチロニトリル
(AIBN)、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、フェニ
ルアゾトリフェニルメタン、ラウリルパーオキサイド、
ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサ
イド、クメンヒドロパーオキサイドなどが挙げられる。
非水溶媒としては、石油系脂肪族炭化水素、例えばケ
ロシン、リグロイン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n
−オクタン、i−オクタン、i−ドデカン(以上の市販
品としてエクソン社製アイソパーH,G,L,K;ナフサNo.6;
ソルベッソ100等がある);ハロゲン化脂肪族炭化水
素、例えば四塩化炭素、パーフルオロエチレン等が挙げ
られる。これらの脂肪族炭化水素系溶媒にはトルエン、
キシレン等の芳香族系溶媒を少量加えることもできる。
モノマー(A)は撥水、撥油、モノマー(B)は架橋
構造を作る。モノマー(C)は脂肪族炭化水素等の非極
性溶媒に溶媒和し、分散性、接着性に寄与する。モノマ
ー(D)は極性制御効果や分散安定性を増す。
重合時のモノマー重量比は用途によって変化させるべ
きであるが、好ましくは、モノマー(A)/(B)/
(C)/(D)=1〜50/0.01〜20/30〜80/0.01〜20重
量部程度が適切である。
モノマー(A)が1重量部未満では、撥水、撥油効果
が小さく、50重量部を超えると接着性の低下を来たす。
モノマー(B)は0.01重量部未満ではポリマーの粒子化
が困難であり、20重量部を超えると架橋部が大きすぎ分
散し難くなる。また、接着力も低下する。モノマー
(C)は30重量部未満では接着性、脂肪族炭化水素溶媒
に分散しにくくなる。80重量部を超えると非水溶媒に対
する撥油性が低下する。モノマー(D)は0.01重量部未
満では極性制御、分散効果が不足し、20重量部を超える
と親水性が増し、水に対する撥水性が劣化する。
以上のようにして得られる含フッ素共重合体は粒径が
0.1〜5μm程度で分離安定性が良く、分子間の接着力
があるので特に塗料、印刷インキ、トナー用材料として
適している。
本発明の電子写真用現像剤に使用される着色剤として
は、例えばカーボンブラック、ニグロシン染料、アニリ
ンブルー、アルコオイルブルー、クロムイエロー、ウル
トラマリンブルー、デュポンオイルレッド、モノリンイ
エロー、マラカイトグリーンオクサレート、ランプブラ
ック、ローズベンガル及びこれらの混合物がある。着色
剤は、トナーの全重量に対して3〜50重量%の量で使用
するのが好ましいが、使用材料により変動し、これに限
定されるわけではない。
磁性粉としてはフェライト、マグネタイト等があり、
トナーの全重量に対して3.0〜60重量%使用される。磁
性粉に着色剤を併用するときは、着色剤はトナーの全重
量に対して10重量%以下にするのが好ましい。
一方、湿式現像剤に用いられる材料は次の通りであ
る。
着色剤は乾式トナーと同様のものが使用可能であり、
また、含フッ素共重合体の構造において用いられる前述
のような非水溶媒、特に石油系脂肪族炭化水素が使用可
能である。いずれにしても湿式トナーの場合は着色剤を
本発明の特定樹脂で表面処理することが望ましいが、も
ちろん、表面処理せずに使用してもよい(この場合、前
記特定樹脂は結着用樹脂として使用される)。
本発明の電子写真用現像剤を作るには乾式現像剤の場
合は本発明の特定樹脂;着色剤及び/又は磁性粉;及び
必要に応じて定着性又はオフセット防止の向上剤、帯電
制御剤、結着用樹脂等を混練し、混練物を所望粒度に粉
砕すればよい。ここで、混練法としては樹脂成分が加熱
によって溶融状態となり、これを機械的な剪断力をかけ
て混合する方法が好ましい。例えば、加熱された2本の
ロールの間を通す方式、加熱されたスクリューによって
撹拌、混合する方式、溶融状態のトナー配合物を圧力に
よって細孔から押出す方式等が挙げられるが、同様に効
果のあるものであれば、特に限定はされない。
こうして適度に溶融混練されたトナー配合物は、周知
の方法によって平均粒径が5〜30μm程度に粉砕され
る。この場合、例えばハンマーミル、ジェットミル等、
周知の機械的な粉砕法が適用される。
ここで、定着性又はオフセット防止の向上剤として
は、ロジンのエステル類、アミド化物等の誘導体、パラ
フィンワックス、カスターワックス、カルナウバワック
ス等のワックス類、アイオノマー樹脂等が、帯電制御剤
としてはオイルブラックBY(オリエント化学社製)、ア
ルカリブルー、ニグロシン等が、結着用樹脂としては、
ポリオレフィン、スチレン〜アクリル酸共重合体、ロジ
ン変性マレイン酸樹脂等が挙げられる。
一方、湿式現像剤の場合はケディミル、アトライタ
ー、ボールミル等の分散機に前記特定樹脂、着色剤、及
び必要あれば分散安定向上剤、他の結着用樹脂等を少量
の担体液と共に仕込み、24〜30時間程度分散して粒子径
が0.1〜2μm程度のトナーを作成すればよい。なお、
着色剤を前記特定樹脂で表面処理する場合は着色剤、特
定樹脂及び必要あれば結着用樹脂を加熱混練し、粉砕し
て樹脂コート着色剤として、更にこれを結着用樹脂とと
もに担体液中に分散すればよい。ここで、着色剤にコー
トする結着用樹脂としては、エチレン〜マレイン酸グラ
フト共重合体、エチレン〜エチルアクリレート〜メタク
リレート共重合体、エチレン〜エチルアクリレート〜ア
クリル酸共重合体、プロピレン〜メチルアクリレート共
重合体、エチレン〜エチルアクリレート〜無水マレイン
酸共重合体等が挙げられる。また、着色剤と併用される
結着用樹脂としては、ラウリルメタクリレート〜グリシ
ジルメタクリレート共重合体、2−エチルヘキシルメタ
クリレート〜ジメチルアミノエチルメタクリレート共重
合体等が挙げられる。
[実施例] 以下、本発明を実施例によって更に詳しく説明する。
製造例1 撹拌機、温度計、冷却管及び滴下ロートを備えたフラ
スコにエチルメタクリレート100g、ジビニルベンゼン10
g、BPO1gを加え、80℃で4時間重合反応を行った。
次にこの中にCH2=CH−COOCH2CH2C10F21 5gとBPO0.2g
とを滴下ロートより1時間かけて滴下し、80℃で重合さ
せた。重合率は96%、得られた含フッ素重合体の接触角
は水で22゜、ケロシンで26゜であった。
製造例2 製造例1と同じフラスコにケロシン100gを採り、90℃
に加熱した。撹拌しながら2−エチルヘキシルメタクリ
レート90g、スチレン100g、p−メチルジビニルベンゼ
ン0.5g及びBPO2gを加え、6時間重合反応を行った。
次にこの中にCH2=C(CH3)COOCH2CH2C3F7 10g及びB
PO0.5gを加え、80℃で5時間重合させた。重合率は93.5
%、得られた含フッ素重合体の接触角は水で28゜、ケロ
シンで30゜であった。
製造例3 製造例1と同様なフラスコに水400gと、ドデシルベン
ゼンスルフォン酸ソーダ2gを採り90℃に加熱し、撹拌し
ながらこの中にシクロヘキシルアクリレート200g、スチ
レン50g、o−ブチルジビニルベンゼン10g、メタクリル
酸5g、グリシジルメタクリレート10g及びBPO3gよりなる
モノマー溶液を加え、前記温度で4時間重合反応を行っ
た後、これにビニルピリジン0.1gを加え80℃で10時間重
合反応させた。
次にこの中にCH2=C(CH3)COOCH2(CF28H 50g、A
IBN3gを加え、前記温度で1時間重合させた。その結
果、重合率は98%、得られた含フッ素グラフト共重合体
の接触角は水で38゜、ケロシンで42゜であった。
製造例4 製造例1で用いたフラスコにポリエチレンワックス
(アライドケミカル社製ACポリエチレン1103)50gを採
り、90℃に加熱溶解せしめた。この中にメチルメタクリ
レート100g、o−ステアリルジビニルベンゼン10g、ア
クリル酸1g、グリシジルアクリレート8g及びAIBN10gよ
りなるモノマー溶液を滴下ロートで2時間に亘って滴下
し撹拌しながら前記温度で6時間重合反応させた。次
に、メチルメタクリレート100g、CH2=C(CH3)COOCH2
C20F51 50g及びt−ブチルパーオキサイド5gを加え、更
に130℃で6時間撹拌下に重合反応させた。重合率は98.
5%、得られた含フッ素共重合体の接触角は水で33゜ケ
ロシンで42゜であった。
実施例1 重量部 製造例1の共重合体 80 帯電制御剤:オイルブラックBY (オリエント化学製) 2 カーボン:三菱カーボン#44 (三菱化成工業(株)商品名) 15 ポリプロピレン:ビスコール550P (三洋化成工業(株)商品名) 3 を混合し、ニーダーで溶融混練し、冷却後、粗粉砕し、
ジェットミルで微粉砕し、ジグザグ分級機で5〜25μm
に分級し、トナーとした。このトナーを酸化鉄粉キャリ
アEFV202/300(日本鉄粉製)と組み合わせてトナー濃度
5%の現像剤を調製した。
この現像剤を使用してSF−75(シャープ製)で画像出
し後、オイルレステフロンロール定着法(線圧0.5kg/c
m、ニップ幅4mm、紙送り速度80mm/秒)でヒートロール
温度を変えて定着性、耐オフセット性の評価をした。結
果を表1に示す。
実施例2 製造例1の共重合体の代りに、樹脂成分として製造例
2の共重合体50重量部及びスチレン〜アクリル酸共重合
体30重量部を使用した以外は、実施例1と同様にして現
像剤の特性を評価した。結果を表1に示す。
実施例3 製造例1の共重合体の代りに、樹脂成分として製造例
3の共重合体30重量部及びロジン変性マレイン酸樹脂50
重量部を使用した以外は、実施例1と同様にして現像剤
の特性を評価した。結果を表1に示す。
実施例4 重量部 三菱カーボン#44 100 製造例4の共重合体 50 アイソパーH 500 をアトライターで10時間分散後、粒子径1.1μmの湿式
トナーを作成した。定着熱ローラーで120〜180℃の表面
温度においてローラー定着させたところ、オフセット現
象が生じない定着性のよいコピーが得られた。
実施例5 重量部 カーボンブラックMA−11 (三菱カーボン) 400 エチレン〜無水マレイン酸(98/2) グラフト共重合体 600 製造例1の共重合体 100 を用意し、ガロンニーダー中でカーボンブラック及びエ
チレン無水マレイン酸グラフト共重合体を混合し、120
℃で2時間混練後、製造例1の共重合体を100重量部添
加し、120℃で更に1時間加熱混練し、着色剤を得た。
上記着色剤を2mm以下に粉砕し、湿式トナー用着色剤
(A)を作った。
<トナーの製造> 重量部 着色剤(A) 100 ラウリルメタクリレート〜 グリシジルメタクリレート (90/10重量比)共重合体 50 アイソパーL 500 をアトライターで40℃,40時間分散し、湿式トナーを作
成した。定着熱ローラーでで125〜145℃の表面温度にお
いてローラー定着させたところオフセット現像が生じな
い定着性のよいコピーが得られた。製造例1の共重合体
を除いて同様に作成した比較用トナーはわずかにオフセ
ットが生じた。
実施例6 重量部 カーボンブラック リーガル400 400 (キャボット社) フミン酸アンモニウム 10 水 500 をニーダー中、25℃で分散する。次に 重量部 エチレン〜エチルアクリレート〜メタクリル酸 (60/35/5)共重合体 700 製造例4の共重合体 50 を約1時間かけて上記カーボン含水ペーストに混合し、
130℃で2時間混練し、フラッシングを行った。水を分
離後、更に120℃で2時間混練し、真空にして揮発分を
除去し、着色剤(B)を作った。この着色剤(B)を使
用して実施例5と同様にして湿式トナーを作成し、熱ロ
ーラー定着を行ったところ、オフセット現像もなく定着
性のよいコピーが得られた。製造例4の共重合体を除い
て同様に作成したトナーはオフセットがわずかに生じ
た。
実施例7 実施例6の着色剤を使用して実施例1と同様にしてジ
グザグ分級機で5〜25μmに分級しトナーを作成し、乾
式トナーにした。以下実施例1と同様に評価したとこ
ろ、耐オフセット性180℃、耐ブロッキング性は0であ
った。
[発明の効果] 以上述べたように、本発明の含フッ素重合体を樹脂成
分として含有する現像剤は、耐ブロッキング性、定着性
及び耐オフセット性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 俊彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 植松 ひでみ 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 昭63−4243(JP,A) 特開 昭63−182664(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 9/087 G03G 9/13

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジビニルベンゼンまたはそのアルキル(炭
    素数1〜20)置換体モノマー(B)を必須成分として含
    み、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチ
    ルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタ
    クリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルメタク
    リレート、iso−ブチルメタクリレート、酢酸ビニル、
    ビニルトルエン、スチレン、p−クロルスチレンよりな
    る群から選ばれたモノマー(E)を含んでもよい系より
    重合した重合体に、フルオロアルキル(メタ)アクリレ
    ートモノマー(A)をグラフト共重合させて形成した含
    フッ素グラフト共重合体を含有することを特徴とする電
    子写真用現像剤。
  2. 【請求項2】ジビニルベンゼンまたはそのアルキル(炭
    素数1〜20)置換体モノマー(B)と、脂肪族炭化水素
    に溶媒和する直鎖、分岐又は環状アルキル基を有する
    (メタ)アクリレートモノマー(C)を必須成分として
    含み、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エ
    チルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメ
    タクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルメタ
    クリレート、iso−ブチルメタクリレート、酢酸ビニ
    ル、ビニルトルエン、スチレン、p−クロルスチレンよ
    りなる群から選ばれたモノマー(E)を含んでもよい系
    より共重合した共重合体に、フルオロアルキル(メタ)
    アクリレートモノマー(A)をグラフト共重合させて形
    成した含フッ素グラフト共重合体を含有することを特徴
    とする電子写真用現像剤。
  3. 【請求項3】ジビニルベンゼンまたはそのアルキル(炭
    素数1〜20)置換体モノマー(B)と、脂肪族炭化水素
    に溶媒和する直鎖、分岐又は環状アルキル基を有する
    (メタ)アクリレートモノマー(C)と極性基としての
    カルボキシル基、グリシジル基、又はヒドロキシ基を有
    するモノマー(D)を必須成分として含み、メチルメタ
    クリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレー
    ト、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、
    プロピルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、is
    o−ブチルメタクリレート、酢酸ビニル、ビニルトルエ
    ン、スチレン、p−クロルスチレンよりなる群から選ば
    れたモノマー(E)を含んでもよい系より共重合した共
    重合体に、フルオロアルキル(メタ)アクリレートモノ
    マー(A)をグラフト共重合させて形成した含フッ素グ
    ラフト共重合体を含有することを特徴とする電子写真用
    現像剤。
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