JP2869681B2 - 温度制御装置 - Google Patents

温度制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サーミスタを使用した
温度制御装置において、サーミスタの短絡・断線といっ
た異常を検出することにより、加熱素子の加熱不良や異
常過熱を未然に防止する温度制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】従来、レーザープリンタや電子複写機の加
熱定着装置等の各種装置の温度制御のために、サーミス
タを用いた温度制御装置が使用されている。この温度制
御装置は、各種装置に取り付けられているヒーター等が
加熱して温度が変化するのをサーミスタの抵抗値変化に
より検出し、ヒーター等に通電する加熱電流をON・O
FFして、温度を所定の温度になるように制御してい
る。
【0003】ところでこのような温度制御装置におい
て、サーミスタが断線した場合は、サーミスタの抵抗値
がみかけ上大きくなり、低温検出状態と等価となるた
め、ヒーターへの加熱電流は通電状態となり、過熱し極
めて危険な状態となる。
【0004】一方、短絡の場合は抵抗値が小さくなり高
温検出状態と等価となるため、ヒーターへの通電はOF
Fとなるから、過熱の危険は無いが、装置は使用できな
い。そしてこの故障原因をサービスで捜すのは比較的困
難である。
【0005】上記問題点を解決するため、温度制御装置
にサーミスタの短絡と断線を検出する検出回路を設けた
ものが、例えば特開昭60−260979号公報に開示
されている。この検出回路は、通常の温度制御回路とは
別に、サーミスタの抵抗値変化による電圧変化を基準電
圧と比較することによりサーミスタの断線及び短絡のそ
れぞれを検出するコンパレータを別々に設け、それぞれ
の信号をマイクロコンピュータ(以下「マイコン」とい
う)に入力し、比較判断することにより、サーミスタが
断線か短絡かを判断し、該マイコンの出力ポートからの
信号によってヒーターをオンオフ制御するように構成さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の温度制御装置においては、以下のような問題点があっ
た。
【0007】サーミスタの短絡と断線を検出するコン
パレータはそれぞれ別々に設ける必要があり、コスト高
となる。
【0008】ヒーターをオフするための信号線をマイ
コンの出力ポートに接続する必要があり、マイコンの出
力ポートが余計に必要になる。
【0009】本発明は上述の点に鑑みてなされたもので
あり、サーミスタの短絡と断線を検出するコンパレータ
を共用でき、低コストで安全性の高い温度制御装置を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め本発明は、加熱素子(ヒーターH)にスイッチング素
子を介して加熱電流を通電するように構成し、加熱温度
によるサーミスタRTHの抵抗値変化に対応して前記スイ
ッチング素子のオンオフを制御する温度制御装置におい
て、前記サーミスタRTHの抵抗値の変化による電圧値と
基準電圧とを比較し、該サーミスタRTHの短絡及び断線
を検出するチェック用コンパレータQ2を設け、該チェ
ック用コンパレータQ2がサーミスタRTHの断線を検出
した場合前記スイッチング素子をオフにし加熱素子(ヒ
ーターH)への通電を絶つと共に警告信号を出力し、
絡した場合は外部からのショートチェック信号の入力に
より短絡したことをチェック用コンパレータQ 2 が検出
して警告信号を出力するとともに前記ショートチェック
信号をサーミスタRTHの短絡の有無にかかわらず前記ス
イッチング素子をオフするヒータオフ信号として共用せ
しめる検出回路を設けた。
【0011】
【作用】上記の如く構成すれば、サーミスタRTHの断
線,短絡の検出に1つのコンパレータQ2が共用でき
る。
【0012】また外部からショートチェック信号を入力
すると強制的に加熱素子(ヒーターH)がオフできる。
従って、ショートチェックの目的以外の目的で加熱素子
(ヒーターH)をオフしたいときでも、該ショートチェ
ック信号線が利用できる。
【0013】またサーミスタRTHが断線,短絡した場
合、加熱素子(ヒーターH)は必ずオフになるので、確
実に加熱素子(ヒーターH)の異常過熱が防止できる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の1実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1は本発明にかかる温度制御装置の回
路図である。同図においてサーミスタRTHと抵抗R2
3の接続点の電圧VTHは、温度制御用コンパレータQ1
の−入力端に入力されるとともに、チェック用コンパレ
ータQ2の+入力端に入力されている。また温度制御用
コンパレータQ1の+入力端には電源電圧Vccを抵抗R6
と抵抗R7で分圧した基準電圧が入力され、チェック用
コンパレータQ2の−入力端には電源電圧Vccを抵抗R4
とR5で分圧した基準電圧が入力されている。
【0015】温度制御用コンパレータQ1の出力は、イ
ンバータ回路を介してOR回路U5に入力され、該OR
回路U5の出力は、オープンコレクタタイプのインバー
タU6を介してヒータスイッチング素子Trのベースに
入力される。一方チェック用コンパレータQ2の出力は
3つのゲート回路U1,U2,U3からなるチェック回路
Cに入力され、その出力はインバータ回路U4に入力さ
れ、その出力はインバータ回路を介してOR回路U5
入力される。
【0016】一方マイコン等の外部装置からのショート
チェック信号の配線は、オープンコレクタタイプのイン
バータU8及び抵抗R3を通して前記サーミスタRTHと抵
抗R2,R3の接続点に接続されるとともに、ゲート回路
1,U2の入力側に接続され、またオープンコレクタタ
イプのインバータ回路U7を介してヒータスイッチング
素子Trのベースに接続されている。さらにゲート回路
3の出力端からはセンサーフェイル信号用の配線が引
き出されている。
【0017】以下、上記構成の温度制御装置において、
その動作をサーミスタRTHが正常状態にある場合、断線
状態にある場合、及び短絡状態にある場合に分けて説明
する。
【0018】〔サーミスタRTHが正常状態にある場合〕
サーミスタRTHが正常状態の場合、ヒーターHによる加
熱開始時にはサーミスタRTHは低温であるから、サーミ
スタRTHの抵抗値は高抵抗である。ここで抵抗R1の抵
抗値はサーミスタRTHの抵抗値より十分大きくしている
から、サーミスタRTHと抵抗R2の接続点の電圧VTHは
サーミスタRTHの抵抗値と抵抗R2の抵抗値で決まり、
低温でサーミスタRTHの抵抗値が高いときは電圧VTHは
低く、温度制御用コンパレータQ1の出力は”H”レベ
ルとなる。これによりOR回路U5の出力は”L”、イ
ンバータU6の出力は”H”レベルとなり、ヒータスイ
ッチング素子Trはオンとなり、ヒーターHに加熱電流
が通電される。
【0019】ヒーターHへの通電により温度が上昇する
と、サーミスタRTHの抵抗値が小さくなって行き、電圧
VTHは次第に上昇する。そしてこの電圧VTHが温度制御
用コンパレータQ1の+入力端の基準電圧を超えると、
温度制御用コンパレータQ1の出力が”L”となり、ヒ
ータスイッチング素子Trのベース入力は”L”とな
り、該ヒータスイッチング素子Trはオフし、ヒーター
Hへの通電はオフされる。このヒータスイッチング素子
Trのオンオフにより、ヒーターHの加熱温度が所定の
温度範囲に維持される。
【0020】なお上記温度制御用コンパレータQ1の出
力が”L”に反転したとき、抵抗R8によって温度制御
用コンパレータQ1の+入力端の基準電圧は下がるので
ヒステリシスが生じる。即ち、温度制御用コンパレータ
1の出力が”H”の場合(ヒーターHがオンの場合)
にサーミスタRTHの温度が上昇してその抵抗値が小さく
なって電圧VTHが上昇して温度制御用コンパレータQ1
の出力が”L”になるときの電圧VTHよりも、温度制御
用コンパレータQ1の出力が”L”の場合(ヒーターH
がオフの場合)にサーミスタRTHの温度が下降してその
抵抗値が大きくなって電圧VTHが下降して温度制御用コ
ンパレータQ1の出力が”H”になるときの電圧VTHの
方が低くなる。つまり、オンしているヒーターHをオフ
させるサーミスタRTHの温度よりも、オフしているヒー
ターHをオンさせるサーミスタRTHの温度の方が低くな
り、これによってヒステリシスが生じるのである。
【0021】〔サーミスタRTHが断線状態になった場
合〕サーミスタRTHが断線した場合、電圧VTHは抵抗R
1と抵抗R2の抵抗値による電源電圧Vccの分圧電圧とな
る。サーミスタRTHは温度が低い程、抵抗値が大となる
ため、サーミスタRTH断線時の電圧VTHが、通常の使用
温度範囲よりも低温の場合の電圧VTHになるように抵抗
1と抵抗R2の抵抗値を決めておけば、電圧VTHが抵抗
1と抵抗R2の抵抗値による前記分圧電圧となった時サ
ーミスタRTHは断線したことになる。
【0022】従って、チェック用コンパレータQ2の抵
抗R4と抵抗R5の抵抗値で設定される基準電圧(−入力
端)がサーミスタRTH断線時の電圧VTHよりも高くなる
ようにするとともに、正常状態では必ず−入力端の電圧
が+入力端の電圧よりも低くなるように、抵抗R4,R5
の抵抗値を設定しておけば、サーミスタRTH断線の時だ
けチェック用コンパレータQ2の出力が”L”となり、
ゲート回路U1出力が”L”、ゲート回路U3出力が”
H”となる。このためセンサーフェイル信号として”
H”が出力される。
【0023】一方これと同時にゲート回路U3出力によ
ってヒータースイッチング素子Trのベースの電圧レベ
ルは強制的に”L”となり、ヒータースイッチング素子
Trはオフとなり、ヒーターHへの通電はオフされる。
【0024】〔サーミスタRTHが短絡状態になった場
合〕サーミスタRTHの短絡を調べるために、ショートチ
ェック信号を入力、即ち”H”にする。これによってイ
ンバータU8出力が”L”となり、電圧VTHはサーミス
タRTHと抵抗R3の抵抗値による電源電圧Vccの分圧電
圧に略等しくなる(なぜなら、RTH≪R1,R3
2)。
【0025】ここでサーミスタRTHが正常であれば、抵
抗R3は十分小さい値に設定されているため、電圧VTH
は非常に低い値となる。これは前述のサーミスタRTHの
断線時と同じ状況であり、チェック用コンパレータQ2
の出力は同様に”L”となる。しかしながらショートチ
ェック信号は”H”であるから、ゲート回路U1,U2
に出力は”H”となり、ゲート回路U3は”L”のまま
となる。従ってセンサーフェイル信号としては”L”が
出力される。
【0026】一方サーミスタRTHが短絡した場合は、電
圧VTHはほとんど電源電圧Vccと等しくなり、チェック
用コンパレータQ2の+入力端の電圧が−入力端の電圧
より高くなり、その出力は”H”となる。するとゲート
回路U2の出力が”L”となり、従ってゲート回路U3
出力は”H”となり、センサーフェイル信号として”
H”が出力される。ところでショートチェック信号を入
力したとき、インバータU7の出力は”L”となり、こ
れによってヒータスイッチング素子Trはオフし、ヒー
ターHへの通電はオフする。これはコンパレータQ1
2の出力のいかんにかかわらず、強制的に行われる。
【0027】ところで、上述のように本温度制御装置に
おいては、サーミスタRTHの断線時及び短絡時共にヒー
ターHはオフとなり、またショートチェック信号を入力
した場合もヒーターHをオフしているので、ヒーターH
の過熱状態は極めて起りにくい構成となっており、その
安全性が高い。
【0028】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる温度制御装置によれば、以下のような優れた効果を
有する。
【0029】サーミスタの断線,短絡の検出に1つの
コンパレータを共用しているので、部品点数が削減で
き、低コスト化が図れる。
【0030】外部からショートチェック信号を入力す
ると強制的にヒーターがオフできる。従って、ショート
チェックの目的以外の目的でヒーターをオフするとき
(例えば電力の低減化が必要なときや何らかの故障でヒ
ーターをオフしなければならないとき)でも、該ショー
トチェック信号線を用いてヒーターのオフが可能とな
る。従って通常のヒーターオフ信号線は該ショートチェ
ック信号線で共用できるため不要となり、システム設計
の自由度も上げられる(マイコンのポートが1つ不要と
なる)。
【0031】サーミスタが断線,短絡した場合、ヒー
ターは必ずオフになるので、確実にヒーターの異常過熱
が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる温度制御装置の回路図である。
【符号の説明】
RTH サーミスタ Q2 チェック用コンパレータ H ヒーター(加熱素子)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱素子にスイッチング素子を介して加熱
    電流を通電するように構成し、加熱温度によるサーミス
    タの抵抗値変化に対応して前記スイッチング素子のオン
    オフを制御する温度制御装置において、 前記サーミスタの抵抗値の変化による電圧値と基準電圧
    とを比較し、該サーミスタの短絡及び断線を検出するチ
    ェック用コンパレータを設け、 該チェック用コンパレータがサーミスタの断線を検出し
    た場合前記スイッチング素子をオフにし加熱素子への通
    電を絶つと共に警告信号を出力し、短絡した場合は外部
    からのショートチェック信号の入力により短絡したこと
    をチェック用コンパレータが検出して警告信号を出力す
    るとともに前記ショートチェック信号をサーミスタの短
    絡の有無にかかわらず前記スイッチング素子をオフする
    ヒータオフ信号として共用せしめる検出回路を設けたこ
    とを特徴とする温度制御装置。
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