JP2869453B2 - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JP2869453B2 JP2114619A JP11461990A JP2869453B2 JP 2869453 B2 JP2869453 B2 JP 2869453B2 JP 2114619 A JP2114619 A JP 2114619A JP 11461990 A JP11461990 A JP 11461990A JP 2869453 B2 JP2869453 B2 JP 2869453B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は液晶表示素子に関し、特に正の誘電異方性を
有する液晶が液晶層の厚み方向に90゜以上ねじれた構造
を有するSTN型液晶表示素子に関するものである。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
従来主に用いられてきた液晶の表示モードは、ツイス
トネマティック(TN)型と呼ばれ、一対の基板間で液晶
分子が約90゜ねじれた構造をとっており、液晶による偏
光面の回転と、電圧印加によるその効果の消失を利用し
ている。この表示モードは、時計や電卓等の低時分割駆
動では十分なものであったが、表示容量を増大させるた
めに高時分割駆動させると、コントラストが低下した
り、視角がせまくなるという欠点があった。これは、高
時分割駆動になると、選択点と非選択点にかかる電圧の
比が1に近づくためで、高コントラスト、広視角の表示
素子を得るためには、素子の相対透過率が10%変化する
電圧V10に対する50%変化する電圧V50の比(V50/V10
で表わされる急峻度γをできるだけ小さくすることが必
要である。
ツイストネマティック型の場合、このγ値は1.13程度
である。このγ値を小さくするために、液晶分子のねじ
れ角を大きくし、偏光軸を液晶配向方向とずらす方式が
提案されており、SBEモードやSTNモードと呼ばれてい
る。このような方式によると、γ値を1.1以下にするこ
とができ、1/400デューティ程度の高時分割駆動が可能
になる。
しかし、このような方式では、複屈折による着色及び
その電圧による変化を利用するため、原理的に白黒表示
を行うことは困難であり、液晶セルの透過光または反射
光には着色を生じ、着色背景上への表示となってしま
う。
STN型液晶表示素子の着色を解消する色補償板とし
て、ねじれの向きが逆でねじれ角が等しい液晶セルを用
いる方法、高分子フィルムなどの複屈折性媒質を用いる
方法が知られている(特開昭64−519号公報)。
高分子フィルムなどの複屈折性媒質を用いた液晶表示
素子(以下FSTNと略記す)は、ねじれの向きが逆でねじ
れ角が等しい液晶セルを用いる液晶表示素子(以下DSTN
と略記す)に較べてコントラストが低い。一方、DSTNは
液晶セルを二つ使用するので、素子の厚さ、重量、コス
トの面でFSTNよりも劣る。
また、FSTN及びDSTN共に視角による表示色及びコント
ラストの変化が大きいという欠点があった。
本発明は、従来の液晶表示素子に見られる前記欠点を
解消し、優れた表示品質を有する液晶表示素子を提供す
ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
上記目的を達成するために、本発明によれば、正の誘
電異方性を有する液晶組成物からなる液晶層が、電極を
備えた一対の基板間で、電圧無印加時に基板に対して略
水平に配向し、液晶層の厚み方向に120゜以上、360゜以
下のねじれた構造を有するように構成された液晶セル
と、該液晶セルの両側に設けられた、ポリマーフィルム
を基板とし該基板に対して略水平で厚み方向にねじれた
構造を有するように配向させた高分子液晶層、もしくは
該液晶セルの両基板上に該基板に対して略水平で厚み方
向にねじれた構造を有するように配向させた高分子液晶
層と、該高分子液晶層を挟むように配設された一対の偏
光子を設けた構造を有する液晶表示素子が提供される。
次に、図面を参照して、本発明の構成を詳述する。第
1図は本発明の液晶表示素子の一構成例(請求項1に対
応)を示す断面図である。この図において、基板1,11は
それぞれ配向処理が施された配向膜3,13と透明電極4,14
を有し、離間、対向して配設され、その間に液晶が封入
され液晶層6を形成し、シール剤5によって外気と遮断
され、液晶セルが形成されている。そしてこの液晶セル
の両側にポリマーフィルム基板8,18上に形成された高分
子液晶層7,17が配設され、この高分子液晶層7,17を挟む
ように偏光子2,12が設置されて、液晶表示素子が構成さ
れている。
第2図は、本発明の液晶表示素子の別の構成例(請求
項2に対応)を示す断面図である。液晶セルの構成は第
1図の例と同じであるが、高分子液晶層7,17が液晶セル
の基板1,11上に形成されている点が異なる。
本発明の液晶表示素子の構成例のように、基板と偏光
子の間に高分子液晶層を設ける場合、基板としては透光
性を有するガラス、プラスチックなどを用いる。プラス
チック基板を用いたときは、基板の厚さを0.2mm以下の
薄厚にすることが容易であり、そのため表示素子をきわ
めて薄く、かつ軽量にすることができる。また、基板が
薄いために表示が二重像とならず広視角の表示素子を得
ることができる。
本発明の液晶表示素子の各基板における配向処理は、
液晶分子が電圧無印加時に略水平配向するように行わ
れ、この配向処理方向に沿って液晶分子が優先配向す
る。この場合、液晶分子の配向に関していう略水平と
は、液晶分子の基板に対する傾き角がおおよそ0゜から
30゜の範囲にあることを言う。この配向制御は、基板に
対して、従来公知の斜方蒸着や、無機または有機被膜を
形成した後に綿布などでラビングすることにより行うこ
とができる。本発明に使用する配向膜3,13としては、ポ
リアミド、ポリイミドなどの高分子被膜等にラビング処
理したものや、SiO、MgO、MgF2などを用いて斜め蒸着し
たものが用いられる。
液晶層6において、液晶は正の誘電異方性を有するネ
マティックまたはコレステリック液晶で、配向膜13,3に
より、電圧を印加しない状態で基板面にほぼ平行に配向
している。液晶は上下基板の間で螺旋軸を基板面に垂直
に向けたねじれ配向をとっていることが好ましく、その
ねじれ角は120゜〜360゜であることが好ましい。ねじれ
角が小さい場合には電圧−透過率特性の急峻性が低下
し、時分割駆動特性が低下する。液晶のねじれ角ω
は、第3図に示すように下基板11の配向膜13の配向処
理方向(R1)、上基板1の配向膜3の配向処理方向
(R2)および液晶のピッチと液晶層6の厚さを制御する
ことによって容易に制御が可能である。液晶層6の屈折
率異方性ΔnLと厚さdLの積ΔnLdLは、良好なコントラス
トを得るためには0.4μm〜1.3μmの範囲が好ましい。
高分子液晶層17,7は、この層中で厚み方向にねじれた
配向をとるように配向が制御される。本構成において、
高分子液晶層17,7はその光学異方性のため複屈折性を生
じる。高分子液晶層17,7のねじれ角をそれぞれω、ω
とし、屈折率異方性と厚さの積をそれぞれΔnL1dL1
ΔnL2dL2とする。ここで、通常の液晶セルを用いた補償
板による白黒表示STN型液晶表示素子における液晶セル
と補償板の偏光作用につして述べる。表示用の液晶層6
に入射する光の偏光状態(直線偏光)を示すベクトルを
L、液晶層6の偏光作用を示す行列をL、色補償用の液
晶層の偏光作用を示す行列をMとすると、二つの液晶層
を出射した光は入射光の偏光状態にもどるので、次式の
ように書ける。
MLΨ=Ψ (1) したがって、 ML=I(単位行列) (2) となり、MはLの逆行列となる。
M=L-1 (3) 表示用の液晶層6を仮想的に二層に分割し、それぞれ
の層の偏光作用を示す行列をL1,L2とすると、Lは次式
のように書ける。
L=L2L1 (4) 本発明のように、高分子液晶層17,7を表示用の液晶層
6の両側に設置する場合、各高分子液晶層17,7の偏光作
用を示す行列をM1,M2とする。前記のように出射光の偏
光状態が入射光の偏光状態にもどる場合は、次式のよう
に書ける。
M2L2L1M1Ψ=Ψ (5) (5)より M2L2L1M1=I (6) となる。M1,M2が次の条件(7)を満足する場合、
(6)が成立し、(7)は(6)の十分条件となる。
M2L2=I,L1M1=I (7) つまり、M1,M2が、それぞれL1,L2の逆行列であると
き、(5)が成立する。
M1=L-1,M2=L2 -1 (8) 表示用の液晶層6を仮想的に二層に分割した時、
(8)の条件を満足するためには、高分子液晶層17,7の
ねじれの向きが液晶層6のねじれの向きと逆で、ねじれ
角、リターデーションが分割した液晶層の各層のねじれ
角、リターデーションと一致している必要がある。分割
した液晶層のねじれ角、リターデーションをそれぞれ加
算すると、もとの液晶層6のねじれ角、リターデーショ
ンとなる。したがって、次式(9)が条件(8)を満足
するための必要条件となる。
ω+ω=ωL,Δn1d1+Δn2d2=ΔnLdL (9) しかし、実際に液晶層を時分割駆動すると、非選択画
素にもしきい値電圧以上の電圧が印加されて、液晶層の
リターデーションの実効値が減少するため、Δn1d1とΔ
n2d2の和はΔnLdLよりも少し小さくする必要がある。
さらに、(8)の条件を満足するためには、第3図
(a)のように配向膜13の配向処理方向R1と高分子液晶
層17の液晶層6に隣接する分子の長軸方向D2が直交し
(δ=90゜)、第3図(b)のように配向膜3上の配
向処理方向R2と高分子液晶層7の液晶層6に隣接する分
子長軸方向U1が直交する(δ=90゜)ように配置する
必要がある。
高分子液晶層17,7を液晶セルの両側に設置する構成を
とる場合、第1図のように高分子液晶層17,7の基板18,8
にポリマーフィルムを用いたのは、ガラス基板のように
厚みのある基板を用いた高分子液晶層を液晶セルの両側
に設置すると、表示素子全体の厚みがDSTNの場合とほぼ
同じぐらい厚くなってしまうためである。第2図のよう
に高分子液晶層17,7を液晶セルの基板11,1上に形成する
と、第1図のような構成よりもそさらに素子の厚みを薄
くすることができ、その上、液晶セルと基板を共有して
いるためコストの面でも有利になる。
具体的なポリマーフィルムの材料としては、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、
ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレン
サルファイド、ポリオレフィン、ポリアリレート、エポ
キシ樹脂などを用いることができる。
用いられる液晶性高分子の種類としては、液晶状態で
コレステリック配向し、液晶転移点以下ではガラス状態
となるものはすべて使用でき、例えばポリエステル、ポ
リアミド、ポリエステルイミドなどの主鎖型液晶性高分
子、あるいはポリアクリレート、ポリメタクリレート、
ポリマロネート、ポリシロキサンなどの側鎖型液晶性高
分子を例示することができる。
次に、本発明で用いられる液晶性高分子を用いた補償
板のより具体的な作製法の一例を示す。基板8,18上に液
晶性高分子を基板に対して水平にかつ特定の方向に配向
させるための配向膜を形成する。配向膜としては具体的
には従来公知の斜法蒸着や、無機または有機被膜を形成
した後に綿布などでラビングすることにより行うことが
できる。より具体的にはポリアミド、ポリイミドなどの
高分子被膜等にラビング処理したものや、SiO、MgO、Mg
F2などを斜め蒸着したものを好適に用いる。次に液晶性
高分子を有機溶媒に溶解させた溶液をポリイミド配向膜
上に塗布する。液晶性高分子用の溶媒としては、そこで
用いられる液晶性高分子の種類、重合度によっても異な
るが、一般には、クロロホルム、ジクロロエタン、テト
ラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエ
チレン、オルソジクロロベンゼンなどのハロゲン系炭化
水素、フェノール、o−クロロフェノール、クレゾール
などのフェノール系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロ
トン性極性溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の
エーテル系溶媒およびこれらの混合溶媒を例示できる。
溶液濃度は塗布法、高分子の粘性、目的とする膜厚等に
より異なる。液晶表示素子用の補償板として要求される
膜厚は一般には2〜10μm程度であるため、通常は2〜
50wt%の範囲で使用され、好ましくは5〜30wt%の範囲
で使用される。塗布法としてはスピンコート法、ロール
コート法、グラビアコート法、ディッピング法、スクリ
ーン印刷法などを採用できる。液晶性高分子を塗布後、
溶媒を乾燥して除去し、液晶性高分子がコレステリック
液晶性を示す温度で所定時間熱処理して液晶性高分子を
配向させたのちガラス転移点以下の温度に冷却する。液
晶性高分子を配向させるときの温度は、液晶性高分子の
ガラス転移点以上であることが必要で、液晶性高分子の
等方性液体への転移温度より低いことが必要である。配
向膜の界面効果による配向を助ける意味でポリマーの粘
性は低い方がよく、したがって温度は高い方がよいが、
あまり高いとコストの増大と作業性の悪化を招き好まし
くない。一般的には50℃〜300℃の範囲が好ましく、特
に100℃〜250℃の範囲が特に好ましい。また、この温度
において液晶性高分子はネマティック相であることが必
要である。また、一旦等方性液体となる温度まで加熱
後、上記液晶相を呈する温度に冷却して配向させること
もできる。熱処理時間はポリマーの組成、分子量によっ
て異なるが、一般には10秒〜60分の範囲が好ましく、特
に30秒〜30分の範囲が好ましい。処理時間が短すぎる場
合には配向が不十分となり、また、長すぎる場合には生
産性が低下し好ましくない。液晶配向が完成されてから
液晶性高分子膜はガラス転移点以下の温度に冷却すれ
ば、配向を固定化することができる。冷却速度は特に制
限されず、加熱雰囲気からガラス転移化の雰囲気に移す
だけでよい。なお、液晶性高分子薄膜を配向固定化し
て、かつ室温付近で用いる場合、液晶性高分子のガラス
転移温度は30℃以上であることが好ましい。これより低
い場合、固定化した配向構造が崩れることがあり、好ま
しくない。液晶性高分子の膜厚は100μm以下であるこ
とが好ましく、特に50μm以下であることが好ましい。
100μmを超えると均一な配向を得ることが困難とな
る。
第2図の基板1,11上に高分子液晶層を形成する場合も
上記と同様にして行うことができるが、基板1,11は液晶
セルの基板も兼ねているため、高分子液晶層7,17を形成
するプロセスは液晶セルを作製するプロセスの前に実施
する必要がある。
本発明の補償板は、さらに液晶性高分子面を保護する
目的で他の基板を積層して用いることも可能であり、ま
た同様の目的で他の樹脂膜を表面に形成することもでき
る。
本発明の液晶表示素子の特徴として、コントラストの
高さが挙げられる。本発明の高分子液晶層は、厚み方向
にねじれた構造をもっているので、液晶セルを用いた補
償板と同等の色補償作用を有しており、本発明の液晶表
示素子はDSTNと同等のコントラストが得られる。
本発明の液晶表示素子の別の特徴として、素子の薄
さ、軽さ、低コストが挙げられる。第1図のような構造
の素子の場合は、素子全体の厚さは通常のSTN型液晶表
示素子の厚さにポリマーフィルム2枚分の厚さが加わる
だけなので、DSTNよりも薄い。また、ポリマーフィルム
は軽いので、素子全体の重量は通常のSTN型液晶表示素
子とほとんど変わらない。また、高分子液晶層を用いた
補償板の方が液晶セルを用いた補償板よりも生産性が良
く、コストも安いので、本発明の液晶表示素子はDSTNよ
りも低コストである。第2図のような構造の素子につい
ても同様である。
本発明の液晶表示素子のさらに別の特徴として、その
視野角の広さが挙げられる。通常の液晶セルを用いて色
補償した液晶表示素子の配向処理方向、偏光板の配置を
第4図に示す。第3図と第4図を比較すると、表示用の
液晶セルに対する補償板の分子長軸方向の配向分布が異
なる。これら二つの液晶表示素子を時分割駆動して、視
角によるコントラスト及び表示色の変化を比較すると、
上記の配向分布の違いにより視角特性が異なり、本発明
の液晶表示素子の方が広視角であることがわかる。
本発明の液晶表示素子のさらに別の特徴として、補償
板の均一性に由来する表示の均一性の高さが挙げられ
る。本発明では、上述のようにコレステリック相におけ
る均一配向を固定化しているため、補償板をきわめて均
一に作製することができ、したがって表示素子の表示を
均一にすることができる。
本発明の液晶表示素子のさらに別の特徴として、高い
信頼性が挙げられる。本発明で用いる補償板を配向固定
化して用いる場合、配向状態は、温度が液晶性高分子が
液晶相に転移する温度以下であれば、外力や温度で変化
することが無いため、優れた信頼性を示す。
以上のように、本発明により、FSTNの欠点であったコ
ントラストの低さ、DSTNの欠点であった厚さ、重さ、高
コストが解消され、さらに視角特性が向上して優れた表
示品質を有する液晶表示素子の作製が可能となる。
〔実施例〕
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
(実施例1) ストライプ状の透明電極を有する上下ガラス基板での
液晶のねじれ角が240゜であり、液晶層のリターデーシ
ョンが0.86μmであるSTNセルAを作製した。液晶は正
の誘電異方性を有するネマティック液晶ZLI2293(メル
ク社製)にカイラルネマティック液晶S811(メルク社
製)を添加したものを用いた。配向処理は、ポリイミド
膜のラビング処理により行った。
次にポリエーテルスルホンを基板とし、この基板上に
ポリイミドワニスPIQ(日立化成製)をスピンコート法
で約1000Åの厚さに塗布し、ついで230℃で焼成してポ
リイミド膜を形成した。ついでポリイミド膜上をテトロ
ン植毛布で一方向にこすり、ラビング処理を行った。下
記PL1で示される繰返し単位を持ちガラス転移点が70℃
のネマチック型ポリシロキサン系液晶性高分子と下記PL
2で示される繰返し単位を持ち光学活性基を有するポリ
シロキサン系液晶性高分子をフェノール/テトラクロロ
エタン混合溶媒(重量比50:50)に25重量%となるよう
に溶解させた。
この溶液をスピンコート法により塗布し、ついで70℃
で乾燥後、上記高分子液晶がコレステリック相になる17
0℃で30分間熱処理を行い、室温に急冷することによ
り、ねじれ角が120゜、リターデーションが0.43μmの
高分子液晶層を得た。上記高分子液晶層を2つ(B1,
B2)作製した。
高分子液晶層B1をセルAの下に、セルAの下側基板と
B1のフィルム基板が接し、セルAの下側基板上の液晶分
子方配向方向とB1のフィルム基板上の分子配向方向が直
交するように(δ=90゜)配置した。また、高分子液晶
層B2をセルAの上に、セルAの上側基板とB2のフィルム
基板が接し、セルAの上側基板上の液晶分子配向方向と
B2のフィルム基板上の分子配向方向が直交するように
(δ=90゜)配置した。
次に下側偏光板の透過軸が下側偏光板に隣接するB1
分子配向方向と45゜の角度を成し(β=45゜)、上側
偏光板の透過軸が上側偏光板に隣接するB2の分子配向方
向と45゜の角度を成す(β=45゜)ように、上下偏光
板を設置し、本発明の液晶表示素子とした。
この液晶表示素子において液晶セルAを1/200デュー
ティで時分割駆動したところ、液晶セルを表示用の液晶
セルの片側に設置して色補償を行った液晶表示素子(比
較例1)に較べて、視角による表示色の変化及びコント
ラストの変化が小さくなり、表示品質が向上したことが
確認された。
(実施例2) ストライプ状の透明電極を有するガラス基板の電極の
無い面に配向膜を塗布してラビング処理を行い、この膜
上に実施例1の液晶性高分子PL1とPL2の混合溶液を塗布
して焼成、急冷し、リターデーションが0.475μm、ね
じれの向きが実施例1のセルAと逆向きでねじれ角が90
゜の高分子液晶層D1を作製した。同様にしてストライプ
状の透明電極を有するガラス基板の電極の無い面に、リ
ターデーションが0.475μm、ねじれの向きがセルAと
逆でねじれ角が90゜の高分子液晶層D2を作製した。ただ
し、D1のガラス基板とD2のガラス基板の電極面をストラ
イプパターンが直交するように対向させた時に、D1とD2
のガラス基板上の分子の長軸が平行になるようにラビン
グ処理を行った。
上記高分子液晶層付ガラス基板の電極面に配向膜を塗
布してラビング処理を行い、ZLI2293にS811を添加した
液晶を封入し、液晶層のリターデーションが0.95μm、
ねじれ角が180゜のSTNセルCを作製した。ただし、D1,D
2のガラス基板上の分子長軸方向と隣接する液晶分子長
軸方向が直交するようにラビング処理を行った(δ
δ=90゜)。
次に下側及び上側偏光板の透過軸が、それぞれに隣接
する高分子液晶層の分子長軸方向と45゜の角度を成し
(β=β=45゜)、上下偏光板の透過軸が直交する
ように偏光板を設置し、本発明の液晶表示素子とした。
この液晶表示素子において液晶セルCをデューティ1/
200で時分割駆動したところ、高分子液晶層を表示用の
液晶セルの片側に設置して色補償を行った液晶表示素子
(比較例2)に較べて、正面から見た時の表示特性は同
等であったが、視角による表示色及びコントラストの変
化が小さくなり、表示品質が向上したことが確認され
た。
(比較例1) 上下ガラス基板間での液晶のねじれの向きが実施例1
のセルAと逆でねじれ角が240゜、リターデーションが
0.86μmであるSTNセルEを作製した。液晶はZLI2293に
カイラルネマティック液晶R811(メルク社製)を添加し
たものを用いた。
セルEをセルAの上に、セルEの下側基板上の液晶分
子長軸とセルAの上側基板上の液晶分子長軸方向が直交
する(δ=90゜)ように積層した。上下偏光板の透過軸
と隣接する液晶セルの液晶分子長軸方向が45゜の角度を
成し(α=α=45゜)、上下偏光板の透過軸が直交
するように偏光板を設置し、比較例の液晶表示素子とし
た。
(比較例2) ガラス基板上に液晶性高分子PL1とPL2の混合溶液を塗
布して、リターデーションが0.95μm、ねじれの向きが
実施例2のセルCと逆向きでねじれ角が180゜の高分子
液晶層Fを形成した。
上記高分子液晶層FをセルCの上に、セルCの上側基
板上の液晶分子長軸方向とFのガラス基板上の分子長軸
方向が直交する(δ=90゜)ように積層した。上下偏光
板の透過軸と隣接する分子長軸方向が45゜の角度を成し
(α=α=45゜)、上下偏光板の透過軸が直交する
ように偏光板を設置し、比較例の液晶表示素子とした。
〔発明の効果〕
請求項1の発明によれば、STN液晶表示素子におい
て、液晶セルの両側に、ポリマーフィルムを基板とし該
基板に対して略水平で厚み方向にねじれた構造を有する
ように配向させた高分子液晶層を設けたことにより、高
コントラスト、薄くて軽量、低コスト、広視角の優れた
表示品質を有する液晶表示素子を提供することができ
る。
また、請求項2の本発明によっても、STN型液晶表示
素子において、液晶セルの両基板上に該基板に対して略
水平で厚み方向にねじれた構造を有するように配向され
た高分子液晶層を設けたことにより、高コントラスト、
薄くて軽量、低コスト、広視角の優れた表示品質を有す
る液晶表示素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の液晶表示素子の一構成例を示す断面
図、第2図は本発明の液晶表示素子の別の構成例を示す
断面図、第3図は本発明の液晶表示素子における各要素
の角度関係を示す図、第4図は従来の液晶表示素子にお
ける各要素の角度関係を示す図である。 1,11……基板 2,12……偏光板 3,13……配向膜 4,14……透明電極 5……シール剤 6……液晶層 7,17……高分子液晶層 8,18……ポリマーフィルム基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−149624(JP,A) 特開 昭64−519(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/133 500 G02F 1/1335 510

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正の誘電異方性を有する液晶組成物からな
    る液晶層が、電極を備えた一対の基板間で、電圧無印加
    時に基板に対して略水平に配向し、液晶層の厚み方向に
    120゜以上、360゜以下のねじれた構造を有するように構
    成された液晶セルと、該液晶セルの両側に設けられた、
    ポリマーフィルムを基板とし該基板に対して略水平で厚
    み方向にねじれた構造を有するように配向させた高分子
    液晶層と、該高分子液晶層を挟むように配設された一対
    の偏光子とを具備した構造を有することを特徴とする液
    晶表示素子。
  2. 【請求項2】正の誘電異方性を有する液晶組成物からな
    る液晶層が、電極を備えた一対の基板間で、電圧無印時
    に基板に対して略水平に配向し、液晶層の厚み方向に12
    0゜以上、360゜以下のねじれた構造を有するように構成
    された液晶セルと、該液晶セルの両基板上に該基板に対
    して略水平で厚み方向にねじれた構造を有するように配
    向させた高分子液晶層と、該高分子液晶層を挟むように
    配設された一対の偏光子とを具備した構造を有すること
    を特徴とする液晶表示素子。
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