JPH0580326A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JPH0580326A
JPH0580326A JP3241181A JP24118191A JPH0580326A JP H0580326 A JPH0580326 A JP H0580326A JP 3241181 A JP3241181 A JP 3241181A JP 24118191 A JP24118191 A JP 24118191A JP H0580326 A JPH0580326 A JP H0580326A
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JP
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liquid crystal
substrate
polymer film
crystal display
film
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JP3241181A
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Inventor
Haruo Iimura
治雄 飯村
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 延伸したポリマーフィルムを基板に用いた色
補償STN型の液晶表示素子を提供することを目的とす
る。 【構成】 基板1,11は延伸ポリマーフィルムで、そ
れぞれ配向処理が施された配向膜3,13と透明電極
4,14を有し、離間,対向して配設する。その間に液
晶が封入され液晶層6を形成し、シール剤5によって外
気と遮断し、液晶セル10を形成する。基板1の外側に
は、該基板1とリターデーションの値が異なるポリマー
フィルム7を設置し、ポリマーフィルム7と基板11の
外側に、それぞれ偏光子2,12を設置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示素子に関し、特
に正の誘電異方性を有する液晶が液晶層の厚み方向に9
0°以上ねじれた構造を有するSTN型液晶表示素子に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来主に用いられてきた液晶の表示モー
ドは、ツイストネマティック(TN)型と呼ばれ、一対
の基板間で液晶分子が約90°ねじれた構造をとってお
り、液晶による偏光面の回転と、電圧印加によるその効
果の消失を利用している。この表示モードは、時計や電
卓等の低時分割駆動では十分なものであったが、表示容
量を増大させるために高時分割駆動させると、コントラ
ストが低下したり、視角がせまくなるという欠点があっ
た。これは、高時分割駆動になると、選択点と非選択点
にかかる電圧の比が1に近づくためで、高コントラス
ト、広視角の表示素子を得るためには、素子の相対透過
率が10%変化する電圧V10に対する50%変化する電
圧V50の比(V50/V10)で表わされる急峻度γをでき
るだけ小さくすることが必要である。
【0003】ツイストネマティック型の場合、このγ値
は1.13程度である。このγ値を小さくするために、
液晶分子のねじれ角を大きくし、偏光軸を液晶配向方向
とずらす方式が提案されており、SBEモードやSTN
モードと呼ばれている。このような方式によると、γ値
を1.1以下にすることができ、1/400デューティ
程度の高時分割駆動が可能になる。
【0004】しかし、このような方式では、複屈折によ
る着色及びその電圧による変化を利用するため、原理的
に白黒表示を行うことは困難であり、液晶セルの透過光
または反射光に着色を生じ、着色背景上への表示となっ
てしまう。このようなSTN型液晶表示素子の着色を解
消する色補償板として、ねじれの向きが逆でねじれ角が
等しい液晶セルを用いる方法、高分子フィルムなどの複
屈折性媒質を用いる方法が知られている(特開昭64−
519号公報参照)。
【0005】通常、液晶表示素子の基板にはガラスが用
いられるが、基板をポリマーフィルムにすると、素子が
軽量薄型になり、また文字の浮きが無い等の利点があ
る。ポリマーフィルムを液晶表示素子の基板として用い
る場合に、ポリマーフィルムに要求される特性として
は、平滑性,透明性,耐熱性,耐溶液性,寸法安定性等
がある。一般的に、延伸フィルムは無延伸フィルムに較
べて、平滑性,寸法安定性,機械的強度等が優れてい
る。
【0006】
【発明が解決しょうとする課題】しかし、この延伸フィ
ルムを色補償板を用いたSTN型液晶表示素子の基板と
して使用した場合、延伸フィルムが複屈折性を有してい
るので、STNセルの入射偏光及び出射偏光状態が基板
の複屈折によって変化してしまい、コントラストが大幅
に低下してしまう。
【0007】本発明は、延伸したポリマーフィルムを基
板に用いた色補償STN型液晶表示素子を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、正の誘電異方性を有する液晶組成物から
なる液晶層が、電極を備えた一対の基板間で、電圧無印
加時に略水平に配向し、液晶層の厚み方向に180°以
上,360°以下のねじれた構造を有するように構成さ
れた液晶セルと、該液晶セルを挾むように設けた一対の
偏光子等より構成された液晶表示素子において、該一対
の基板として複屈折性を有するポリマーフィルムIを用
い、該基板と偏光子の間に、該基板のリターデーション
の値が異なるポリマーフィルムIIを、該基板の最大屈折
率方向と該ポリマーフィルムIIの最大屈折率方向が直交
するように設置したことを特徴としている。また、本発
明に係る液晶表示素子は、ポリマーフィルムIIと偏光子
との間の少なくとも一方に、複屈折性を有するポリマー
フィルムIII を設置したことを特徴としている。
【0009】また、上記目的を達成するための本発明
は、正の誘電異方性を有する液晶組成物からなる液晶層
が、電極を備えた一対の基板間で、電圧無印加時に略水
平に配向し、液晶層の厚み方向に180°以上,360
°以下のねじれた構造を有するように構成された液晶セ
ルと、該液晶セルを挾むように設けた一対の偏光子より
構成された液晶表示素子において、該一対の基板として
複屈折性を有するポリマーフィルムIを用い、該基板と
偏光子の間に、該基板のリターデーションの値が等しい
ポリマーフィルムIIを、該基板Iの最大屈折率方向と該
ポリマーフィルムIIの最大屈折率方向が直交するように
設置し、該ポリマーフィルムIIと偏光子との間の少なく
とも一方に、色補償板を設けたことを特徴としている。
【0010】次に図面を参照して、本発明の構成を詳述
する。図1は、本発明の液晶表示素子の一構成例を示す
断面図である。この図において、基板1,11は延伸ポ
リマーフィルムで、それぞれ配向処理が施された配向膜
3,13と透明電極4,14を有し、離間,対向して配
設され、その間に液晶が封入され液晶層6を形成し、シ
ール剤5によって外気と遮断され、液晶セル10が形成
されている。基板1の外側には、該基板1とリターデー
ションの値が異なるポリマーフィルム7を設置し、ポリ
マーフィルム7と基板11の外側に、それぞれ偏光子
2,12が設置されて液晶表示素子が構成されている。
【0011】上記のポリマーフィルムとしては、ポリエ
ステル,ポリカーボネート,ポリマリレート,ポリエー
テルケトン,ポリスルホン,ポリエーテルスルホン等の
芳香族高分子や、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポ
リオレフィン系高分子、塩化ビニリデン,ポリビニルア
ルコール,ポリスチレン,アクリル樹脂等のビニル系高
分子、セルロース及びその誘導体、たとえば、再生セル
ロース(セロハン)、ジアセチルセルロース,トリアセ
チルセルロース等の各高分子の延伸フィルムを例示する
ことができる。
【0012】また、本発明の構成を詳述すると、図6に
示すように、基板1,11の外側にそれぞれ該基板1,
11とリターデーション値が等しいポリマーフィルム
7,17を配置し、更にポリマーフィルム7の上に色補
償板8を設けたところにある。なお、ポリマーフィルム
7,17としては上述したポリエステル,ポリエチレン
等が用いられる。
【0013】そして、各基板における配向処理は、液晶
分子が電圧無印加時に略水平配向するように行われ、こ
の配向処理方向に沿って液晶分子が優先配向する。この
場合、液晶分子の配向に関していう略水平とは、液晶分
子の基板に対する傾き角がおおよそ0°から30°の範
囲にあることを言う。この配向制御は、基板に対して、
従来公知の斜方蒸着や、無機または有機被膜を形成した
後に綿布などでラビングすることにより行うことができ
る。本発明に使用する配向膜3,13としては、ポリア
ミド、ポリイミドなどの高分子被膜等にラビング処理し
たものや、SiO,MgO,MgF2 などを用いて斜め
蒸着したものが用いられる。
【0014】液晶層6において、液晶は正の誘電異方性
を有するネマティックまたはコレステリック液晶で、配
向膜13,3により、電圧を印加しない状態で基板面に
ほぼ平行に配向している。液晶は上下基板の間で螺旋軸
を基板面に垂直に向けたねじれ配向をとっていることが
好ましく、そのねじれ角は180°〜360°であるこ
とが好ましい。ねじれ角が小さい場合には電圧−透過率
特性の急峻性が低下し、時分割駆動特性が低下する。液
晶のねじれ角ωL は、図2に示すように下基板11の配
向膜13の配向処理方向、上基板1の配向膜3の配向処
理方向および液晶のピッチと液晶層6の厚さを制御する
ことによって容易に制御が可能である。液晶層6の屈折
率異方性ΔnL と厚さdLの積ΔnL L は、良好なコ
ントラストを得るためには0.4μm〜1.3μmの範
囲が好ましい。
【0015】図6における色補償板8としては、液晶セ
ル10とねじれの向きが逆でねじれ角が等しい液晶セル
や、延伸したポリマーフィルムなどの複屈折フィルム
や、液晶セル10とねじれの向きが逆でねじれ角が等し
くなるように形成した高分子液晶層を例示することがで
きる。また、図6の構成例では、色補償板8をポリマー
フィルム7と偏光子2の間に設置したが、ポリマーフィ
ルム17と偏光子12の間に設置しても良く、またポリ
マーフィルム7及び17と偏光子2及び12の間に設置
しても良い。
【0016】
【作用】図1の構成例を用いて、請求項1に対応する本
発明の作用を説明する。光が偏光子12に入射する場
合、偏光子12を通過した光は直線偏光になり基板11
に入射する。基板11は複屈折性を有するので、通常は
偏光状態が変化してしまうが、基板11の最大屈折率方
向と偏光板の透過軸方向を平行又は直交させると、複屈
折効果が生じないので、直線偏光のまま基板11を通過
し、液晶層6に入射する。液晶層6を通過した光は楕円
偏光となり、基板1に入射する。
【0017】基板1とポリマーフィルム7は、最大屈折
率方向が直交しているので、互いの位相変化を打ち消し
合うが、リターデーションが異なるので完全には打ち消
し合わない。基板1とポリマーフィルム7を通過した光
の位相変化は、2つのフィルムのリターデーションの差
に対応するリターデーションをもつ複屈折フィルムを通
過した光の位相変化に対応する。ポリマーフィルム7を
出射した光は偏光板2を透過して人間の目に達する。
【0018】基板1とフィルム7のリターデーションの
値とフィルムの方向を適当に設定することにより、ST
Nセルの色補償を行うことができ、複屈折性を有するフ
ィルムを基板に用いた白黒表示STN型液晶表示素子を
作製することができる。構成例1では、液晶セルの上側
にポリマーフィルムを設置したが、液晶セルの下側に設
置しても良く、上下に設置しても良い。
【0019】次に、図2の構成例を用いて、請求項2に
対応する本発明の作用を説明する。図1との違いは、ポ
リマーフィルム7と偏光板2の間に、もう1枚複屈折フ
ィルム8を設置したことである。前記したように、基板
1とポリマーフィルム7は、そのリターデーションの差
に対応するリターデーションの値をもつ1枚の複屈折フ
ィルムに対応するので、図2の構成例は、液晶層の上側
に複屈折フィルムを2枚設置した構成と同じになる。し
たがって、基板1とフィルム7のリターデーションの値
とフィルムの方向及びフィルム8のリターデーションの
値と方向を適当に設定することにより、STNセルの色
補償を行うことができる。なお、構成例22では、液晶
セルの上側にフィルム7とフィルム8を設置したが、液
晶セルの下側に設置しても良く、上下に設置しても良
い。また、構成例2では、フィルム7の上にフィルムを
1枚設置したが、2枚以上設置しても良い。
【0020】次に、図6の構成例を用いて、本発明の作
用を説明する。光が偏光子12に入射する場合、偏光子
12を通過した光は直線偏光になり、ポリマーフィルム
17に入射して楕円偏光となって出射する。ポリマーフ
ィルム17の最大屈折率方向と基板11の最大屈折率方
向は直交し、リターデーションが一致しているので、ポ
リマーフィルム17で生じる位相変化と基板12で生じ
る位相変化は完全に打ち消し合うので、ポリマーフィル
ム17を出射した楕円偏光は、基板11を通過すると、
偏光板12を出射した直線偏光にもどる。このように、
複屈折性を有する基板11は、ポリマーフィルム17を
設置することにより、光学的には複屈折性の無い基板と
同等になる。
【0021】基板11を出射した直線偏光は、液晶セル
を通過して再び楕円偏光となって基板1に入射する。上
記のように、基板1にポリマーフィルム7を設置したも
のは、複屈折性の無い基板と同等なので、液晶セルを出
射した楕円偏光はそのまま色補償板8に入射する。色補
償板により位相が変化した光は、偏光子2を通過して人
間の目に達する。
【0022】もし、ポリマーフィルム7及び17が無い
と、基板の複屈折により液晶層6の入射光及び出射光の
偏光状態が大きく変化してしまうので、色補償板8によ
る色補償ができなくなり、複屈折性を有するフィルムを
基板に用いた色補償STN型液晶表示素子を作製するこ
とができない。ただし、複屈折フィルムの最大屈折率方
向と偏光板の透過軸方向を平行又は直交させると、複屈
折フィルムによる複屈折効果が生じないので、構成例1
において、基板11の最大屈折率方向を偏光板12の透
過軸方向と平行または直交するように液晶セルを作製す
れば、ポリマーフィルム17を設置しなくても良い。ま
た、色補償板が液晶セルの下側にする場合は、基板1の
最大屈折率方向を偏光板2の透過軸方向と平行又は直交
するように液晶セルを作製すれば、ポリマーフィルム7
は設置しなくても良い。液晶セルの両側に色補償板を設
置する場合は、両方のポリマーフィルム7,17を設置
する必要がある。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。
【0024】〔実施例1〕ストライプ状の透明電極を有
する上下延伸ポリマーフィルム基板間での液晶のねじれ
角が240°であり、液晶層のリターデーションが0.
86μmであるSTNセルAを作製した。液晶は正の誘
電異方性を有するネマティック液晶ZLI2293(メ
ルク社製)にカイラルネマティック液晶S811(メル
ク社製)を添加したものを用いた。配向処理はポリイミ
ド膜のラビング処理により行った。基板に用いたポリマ
ーフィルムは、リターデーションが10.3μmの一軸
延伸PET(ポリエーテルスルホン)フィルムを用い
た。基板の最大屈折率方向(延伸方向)は、図3に示す
ように、上側は配向処理方向と直交する方向、下側は配
向処理方向と45°ずれるように設定した。
【0025】STNセルAの上に、リターデーションが
9.7μmの一軸延伸PETフィルムを、その最大屈折
率方向が上側基板の最大屈折率方向と直交するように設
置した。上側偏光板は、その透過軸が上側基板の最大屈
折率方向と45°ずれるように設置し、下側偏光板は、
その透過軸が下側基板の最大屈折率方向と直交するよう
に設置した。
【0026】STNセルAを時分割駆動すると、非選択
的に白,選択時に黒となる十分なコントラストをもつ色
補償STN型液晶表示素子が得られた。
【0027】〔実施例2〕基板に、リターデーションが
9.7μmの一軸延伸PETフィルムを用いて、実施例
1と同様のSTNセルBを作製した。ただし、上側基板
の最大屈折率方向を配向処理方向が一致するようにし
た。STNセルBの上に、リターデーションが10.3
μmの一軸延伸PETフィルムをその最大屈折率方向が
上側基板の最大屈折率方向と直交するように設置した。
上下偏光板は、実施例1と同様に配置した。STNセル
Bを時分割駆動すると、実施例1と同様の色補償STN
液晶表示素子が得られた。
【0028】〔実施例3〕基板に、リターデーションが
10.3μmの一軸延伸PETフィルムを用いて、実施
例1と同様のSTNセルCを作製した。ただし、上下基
板の最大屈折率方向は、図4のように設定した。STN
セルCの上下に、リターデーションが9.9μmの一軸
延伸PETフィルムを、各フィルムの最大屈折率方向
が、近接する基板の最大屈折率方向と直交するように設
置した。上下偏光板を図4のように設置して、STNセ
ルCを時分割駆動すると、非選択時に黒、選択時に白と
なる十分なコントラストをもつ色補償STN型液晶表示
素子が得られた。
【0029】〔実施例4〕基板に、リターデーションが
10.3μmの一軸延伸PETフィルムを用いて、実施
例1と同様のSTNセルDを作製した。ただし、上下基
板の最大屈折率方向は、図5のように設定した。STN
セルDの上に、リターデーションが9.9μmの一軸延
伸PETフィルムを、その最大屈折率方向が上側フィル
ム基板の最大屈折率方向と直交するように設置した。さ
らに、その上にリターデーションが0.38μmの一軸
延伸ポリカーボネートフィルムを、図5のように設置し
た。上下偏光板を図5のように設置して、STNセルD
を時分割駆動すると、非選択時に黒,選択時に白となる
十分なコントラストをもつ色補償STN型液晶表示素子
が得られた。
【0030】〔実施例5〕STNセルAの上に、基板に
用いた一軸延伸PETフィルムを、その最大屈折率方向
が上側基板の最大屈折率方向と直交するように設置し
た。さらにその上に、色補償板として、リターデーショ
ンが0.6μmの一軸延伸ポリカーボネートフィルム
を、その最大屈折率方向が上側基板のラビング方向と直
交するように設置した。
【0031】図7のように、下側偏光板は、その透過軸
方向が下側基板ラビング方向から45°ずれるように設
置した。したがって、液晶セルを作製する際、下側基板
の最大屈折率方向が下側基板ラビング方向と45°ずれ
るようにした。また、上側偏光板は、図7のように、一
軸延伸ポリカーボネートフィルムの最大屈折率方向から
45°ずれるように設置した。STNセルEを時分割駆
動すると、非選択的に白,選択時に黒となる十分なコン
トラストをもつ色補償STN型液晶表示素子が得られ
た。
【0032】〔実施例6〕実施例5で使用した一軸延伸
PETフィルムを基板に用い、上下基板間でSTNセル
Aとねじれの向きが逆で、ねじれ角が240°、リター
デーションが0.86μmのSTNセルEを作製した。
液晶はSTNセルAに用いたZLI2293に、ねじれ
の向きがS811と逆のR811(メルク社製)を添加
したものを用いた。配向処理は、STNセルAと同様で
ある。ただし、STNセルEは、STNセルAの上にS
TNセルEを重ねた時に、STNセルAの上側基板のラ
ビング方向とSTNセルEの下側基板のラビング方向が
直交し、さらに、STNセルAの上側基板の最大屈折率
方向とSTNセルEの下側基板の最大屈折率方向が直交
するように作製した。この場合、STNセルEの下側基
板は、STNセルEの基板としての役割とSTNセルA
の上側基板による複屈折の補償作用を行う補償板の役割
を合わせ持っていることになる。
【0033】STNセルAの上にSTNセルEを重ね、
図8のように偏光板を設置する。ただし、STNセルA
の下側基板の最大屈折率方向と下側偏光板の透過軸及び
STNセルEの上側基板の最大屈折率方向と上側偏光板
の透過軸は平行又は直交するようにセルAとセルEは作
製した。STNセルAを時分割駆動すると、非選択時に
黒,選択時に白となる十分なコントラストをもつ色補償
STN型液晶表示素子が得られた。
【0034】〔実施例7〕STNセルAの上下に、基板
に用いた一軸延伸PETフィルムを、各フィルムの最大
屈折率方向が、近接するフィルム基板の最大屈折率方向
と直交するように設置した。さらに、その上下にリター
デーションが0.41μmの一軸延伸ポリカーボネート
フィルムを、図9のように設置した。上下偏光板を図9
のように設置して、STNセルAを時分割駆動すると、
非選択時に黒、選択時に白となる十分なコントラストを
もつ色補償STN型液晶表示素子が得られた。
【0035】〔実施例8〕一軸延伸ポリエーテルスルホ
ンを基板とし、この基板上にポリイミドワニスPIQ
(日立化成社製)をスピンコート法で約1000Åの厚
さに塗布し、ついで230℃で焼成したポリイミド膜を
形成した。ついでポリイミド膜上をテトロン植毛布で一
方向にこすり、ラビング処理を行った。一方、下記化1
の繰返し単位を持ちガラス転移点が70℃のマネマィッ
ク液晶性ポリシロキサン系液晶性高分子と下記化2の繰
返し単位を持ち光学活性基を有するポリシロキサン系液
晶性高分子をフェノール/テトラクロロエタン混合溶媒
(重量比50:50)に25重量%となるように溶解さ
せた。
【化1】
【化2】
【0036】この溶液をスピンコート法により上記ポリ
イミド付きポリエーテルスルホン基板上に塗布し、つい
で70℃で乾燥後、上記高分子液晶がコレステリック相
になる170℃で30分間熱処理を行った後、室温に急
冷することにより、ねじれの向きがSTNセルAと逆で
ねじれ角が240°、リターデーションが0.86μm
の高分子液晶層を形成した。ただし、該高分子液晶層の
基板上のラビング方向は、図10のように、STNセル
Aの上に設置したときに、STNセル上の上側基板のラ
ビング方向と直交するようにした。また、該高分子液晶
層の基板の最大屈折率方向とSTNセルAの上側基板の
最大屈折率方向は直交するようにした。図10のように
上下偏光板を設置し、STNセルAを時分割駆動する
と、非選択時に黒、選択時に白となる十分なコントラス
トをもつ色補償STN型液晶表示素子が得られた。
【0037】
【発明の効果】本発明により、延伸ポリマーフィルムを
基板に用いて、優れた性能を有する色補償STN型液晶
表示素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶表示素子の断面図である。
【図2】同じく本発明に係る他の液晶表示素子の断面図
である。
【図3】STNセルA又はSTNセルBを用いた液晶表
示素子の分解図である。
【図4】STNセルCを用いた液晶表示素子の分解図で
ある。
【図5】STNセルDを用いた液晶表示素子の分解図で
ある。
【図6】本発明に係る他の液晶表示素子の断面図であ
る。
【図7】STNセルAを用いた液晶表示素子の分解図で
ある。
【図8】STNセルAとSTNセルEとを組み合わせた
液晶表示素子の分解図である。
【図9】STNセルAの上下にポリマーフィルム等を配
置した液晶表示素子の分解図である。
【図10】STNセルAの上に高分子液晶層を形成した
液晶表示素子の分解図である。
【符号の説明】
1,11 ポリマーフィルムI(液晶セル基板) 2,12 偏光子(偏光板) 4,14 電極(透明電極) 6 液晶層 7 ポリマーフィルムII 8 ポリマーフィルムIII 10 液晶セル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正の誘電異方性を有する液晶組成物から
    なる液晶層が、電極を備えた一対の基板間で、電圧無印
    加時に略水平に配向し、液晶層の厚み方向に180°以
    上、360°以下のねじれた構造を有するように構成さ
    れた液晶セルと、該液晶セルを挾むように設けた一対の
    偏光子等より構成された液晶表示素子において、該一対
    の基板として複屈折性を有するポリマーフィルムIを用
    い、該基板と偏光子の間に、ポリマーフィルムIとリタ
    ーデーションの値が異なるポリマーフィルムIIを、該基
    板の最大屈折率方向と該ポリマーフィルムIIの最大屈折
    率方向が直交するように設置したことを特徴とする液晶
    表示素子。
  2. 【請求項2】 ポリマーフィルムIIと偏光子との間の少
    なくとも一方に、複屈折性を有するポリマーフィルムII
    I を設置したことを特徴とする請求項1記載の液晶表示
    素子。
  3. 【請求項3】 正の誘電異方性を有する液晶組成物から
    なる液晶層が、電極を備えた一対の基板間で、電圧無印
    加時に略水平に配向し、液晶層の厚み方向に180°以
    上、360°以下のねじれた構造を有するように構成さ
    れた液晶セルと、該液晶セルを挾むように設けた一対の
    偏光子より構成された液晶表示素子において、該一対の
    基板として複屈折性を有するポリマーフィルムIを用
    い、該基板と偏光子の間に、該基板とリターデーション
    の値が等しいポリマーフィルムIIを、該基板Iの最大屈
    折率方向と該ポリマーフィルムIIの最大屈折率方向が直
    交するように設置し、該ポリマーフィルムIIと偏光子と
    の間の少なくとも一方に、色補償板を設置したことを特
    徴とする液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 色補償板として液晶セルを用いたことを
    特徴とする請求項3記載の液晶表示素子。
  5. 【請求項5】 色補償板として複屈折フィルムを用いた
    ことを特徴とする請求項3記載の液晶表示素子。
  6. 【請求項6】 色補償板として高分子液晶層を用いたこ
    とを特徴とする請求項3記載の液晶表示素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100335662B1 (ko) * 1999-06-30 2002-05-06 가시오 가즈오 광시야각도범위를 갖는 액정표시장치
JP2006009030A (ja) * 1994-06-24 2006-01-12 Rolic Ag 光学的要素

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