JP2628096B2 - 液晶表示素子 - Google Patents
液晶表示素子Info
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Description
高分子を色補償板としたスーパーツイステッドネマティ
ック型液晶表示素子に関する。
は、ツイステッドネマティック(TN)型と呼ばれ、一対
の上下基板間で液晶分子が約90゜ねじれた構造をとって
おり、液晶による偏光面の回転と電圧印加時におけるそ
の効果の消失を利用している。この表示方式は、白黒表
示であるため優れたシャッター効果がありカラーフィル
ターを画素ごとに設けることにより比較的容易に多色表
示ができるという利点があるが、電圧−透過率特性のし
きい値特性が悪いため高時分割駆動が困難であるという
欠点があり、大容量表示ではコントラスト低下や視野角
が狭くなる等の問題があった。
子のねじれ角を大きくし、偏光板の偏光軸を液晶の配向
方向とずらすことにより液晶による複屈折効果を利用す
る方式が提案され、SBE(super twisted birefrin genc
e effect)またはSTN(super twisted nematic)モード
と呼ばれている。この方式はしきい値特性に優れている
ため時分割駆動においてもコントラスト低下が少なく、
視野角も広いという優れた特性を持つ反面、複屈折効果
を利用するため着色表示となってしまい、さらにこのま
まではカラー化も困難であった。
に、液晶層が逆のねじれの向きを持つ液晶セルを2つ積
層し、一方を駆動用、もう一方を補償板として用い、複
屈折による色付きを補償して白黒表示を行わせる2層型
のSTN型液晶表示素子が開発された。しかしながらこの
2層方式は、正面から見た場合は白黒表示であるが、斜
めから見ると色付きを生じたり、液晶セルを2枚用いる
ために素子が厚くまた重くなってしまう上、生産性が悪
いという問題がある。
に置き換えることにより改善することができる(位相板
型白黒表示STN液晶表示素子)。しかしながらこの位相
板方式では、十分なコントラストを得ることができない
上、さらに視野角が狭くなるという問題があった。
代わりにねじれ配向した液晶性素子高分子を補償板とす
る方法も提案されている。この方式は、塗布、配向させ
た液晶性高分子を補償板の主要構成要素として用いる。
液晶性高分子はガラス転移点以下に冷却することにより
液晶状態での配向状態を固定化できる。ガラス転移点が
室温以上である液晶性高分子を液晶状態でねじれ配向さ
せたのち冷却すれば、補償用の液晶セルと同等の補償性
能を発現させることができる。固相での自己保持性を利
用して、液晶性高分子を保持するための基板を1枚とす
ることができるため、従来の2層型液晶表示素子に較べ
て素子を薄く構成できる。コントラストも2層方式と同
等な優れた特性を有している。しかし、この場合でも、
液晶性高分子を保持するための基板の分だけ素子の厚み
増加と重量増加があった。
れたものであり、その目的は、軽量、薄型で、視野角が
広く、高コントラストな白黒表示が行え、信頼性の高い
液晶表示素子を提供することにある。
する一対の透光性基板及び該基板に挟持され、正の誘電
異方性を有し、電圧無印加時にほぼ水平に、かつ縲旋軸
を基板に垂直に向けてねじれ配向した液晶層からなる液
晶セル、基板の外側に配置された偏光板、及び液晶層と
偏光板の間に設けられ、縲旋軸が液晶層の縲旋軸とほぼ
平行になるようにねじれ液晶性高分子膜とから構成され
る液晶表示素子において、液晶性高分子が実質的にオル
ソ置換芳香族単位を構成成分として含む光学活性なポリ
エステルであり、該液晶性高分子膜は、基板内面に設け
られ、かつ、液晶状態でねじれネマチック配向し、液晶
転移点以下ではガラス状態となる液晶性高分子の配向固
定化膜であることを特徴とする液晶表示素子が提供され
る。
面図である。この液晶表示素子では、第1の透光性基板
11と第2の透光性基板21とが離間、対向して配設され、
両基板11,21と外周シール14とによって形成された空間
に液晶が封入されて液晶層15をなし、液晶セル16が形成
されている。基板11と21の内面には液晶層15に電圧を印
加するための透明電極12,22と液晶を一定方向に配向さ
せるための配向膜13,23が形成されている。17,27は偏光
板である。基板21の内面には、さらに、液晶性高分子を
主たる機能成分とする補償板30が配置される。33は液晶
性高分子の配向方向を制御するための配向膜である。
マテックまたはコレステリック液晶で、配向膜13,23に
より、電圧を印加しない状態で基板面にほぼ平行に配向
している。液晶は上下基板の間で螺旋軸を基板面に垂直
に向けてねじれ配向をとっていることが好ましく、その
ねじれ角は120゜〜360゜であることが好ましい。ねじれ
角が小さい場合には電圧−透過率特性の急峻性が低下
し、時分割駆動特性が低下する。液晶のねじれ角は、第
2図に示すように下基板11の配向膜13の配向処理方向
(R1)、上基板21の配向膜23の配向処理方向(R2)およ
び液晶のピッチと液晶層15の厚さを制御することによっ
て容易に制御が可能である。なお、本構成例では、液晶
性高分子膜30の内面に配向膜33を設けたが、液晶性高分
子をラビング処理して配向膜とし、配向膜33を省略する
こともできる。波長λにおけるねじれ配向した液晶層15
のレターデーションRL(rad)は液晶の屈折率異方性Δn
Lと液晶層15の厚さdLの積ΔnLdLとねじれ角ωL(rad)
を用いて RL=(ωL 2+π2(ΔnLdL/λ)2)1/2 (1) のように表わされる。
mにおいてπ〜3πの範囲であることが好ましく、1.5π
〜2.5πの範囲であることが特に好ましい。Δndで表わ
せばねじれ角によっても異なるが0.4μm〜1.3μmの範
囲が好ましい。
膜であり、液晶層15とは逆のねじれの向きでねじれ配向
している。本構成において、液晶性高分子膜30はその光
学異方性のために複屈折性を生ずる。液晶性高分子膜30
のレターデーションRCは、液晶性高分子の屈折率異方性
ΔnCと液晶性高分子膜30の厚さdCを用いて、 RC=(ωC 2+π2(ΔnCdC/λ)2)1/2 (2) のように表わされる。
は、液晶層15を通過することにより常光線と異常光線と
の間に、(1)式で表わされる様な位相のずれを生じ、
結果として液晶層15を通過後の光は波長により異なる楕
円率と方位角を持つ楕円偏光となる。本発明における液
晶性高分子膜30は、この楕円偏光を再度直線に戻すよう
に機能する。すなわち、偏光板27の透過軸を偏光の方位
角方向に平行に設置することにより白色の背景が得ら
れ、直交させて設置することにより黒色の背景が得られ
る。RCはRLとほぼ等しいか僅かに小さく設定することが
良好な白黒表示を得る上で好ましい。
板内面に設けられる。上記のようなレターデーションを
得るための液晶性高分子の膜厚はおおむね2〜20μmの
間であるから、素子全体の厚さと重量の変化はほとんど
無い。
るためには液晶性高分子を安定に、かつ均一に配向させ
るとともに、配向方向をも精度良く制御する必要があ
る。さらに、この様に液晶性高分子を基板内面に設ける
には、液晶性高分子の配向が、液晶セルを作製する時の
熱履歴に対しても安定である必要がある。本発明におい
ては、液晶性高分子として高温の液晶相形成温度でねじ
れネマティック配向し、液晶転移点以下ではガラス状態
となる液晶性高分子を用いることによってこれらの問題
を解決した。
マティック構造をとる液晶相で行われ、ついで液晶転移
点以下に冷却することによりねじれネマティック配向に
固定化する。液晶性高分子としては液晶転移点以下でガ
ラス相となる材料を用いることが必要で、スメクティッ
ク相を持たないことが好ましい。これらの相が存在する
と、固定化のための冷却時に必然的にこれらの相を通過
し、結果的に一度得られた均一なネマティック配向を乱
されたり、破壊されたりする。結晶相を持つものでは、
ネマティック相で良好な配向が得られたとしても、冷却
時に配向が乱れたり、破壊されたりする。
ティック構造は、きわめて安定であり、均一なものであ
る。また、液晶転移温度を液晶セル作製時のプロセス温
度より高く設定することにより、液晶セルを作製する時
の熱履歴に対しても安定な配向が得られる。液晶転移温
度は高い方が好ましいが、高すぎた場合には生産性の悪
化を招くため上限がある。すなわち、液晶転移温度は80
℃〜300℃の範囲であることが好ましく、100℃〜250℃
の範囲であることがより好ましい。
るよう処理がなされる。配向処理の方法としては、基板
21上に、低分子液晶を配向させる場合と同様な配向膜、
例えばポリイミドやポリビニルアルコール等の有機高分
子被膜のラビング処理膜やSiOなどの斜方蒸着膜などを
形成後、液晶性高分子を塗布し、液晶性高分子が液晶相
を形成する温度で熱処理する方法を好ましく用いる。基
板がプラスチック基板である場合には、基板上を直接ラ
ビング処理する方法も採用できる。
ネマティック配向し、液晶転移点以下ではガラス状態と
なるものはすべて使用でき、例えばポリエステル、ポリ
アミド、ポリエステルイミドなどの主鎖型液晶性高分
子、あるいはポリアクリレート、ポリメタクリレート、
ポリマロネート、ポリシロキサンなどの側鎖型液晶性高
分子を例示することができる。なかでも合成の容易さ、
配向性、ガラス転移点等からポリエステルを好ましい材
料として例示できる。用いられるポリエステルとしては
オルソ置換芳香族単位を構成成分として含むポリマーが
最も好ましく、他にかさ高い置換基を有する芳香族、あ
るいは弗素または含弗素置換基を有する芳香族などを構
成成分として含むポリマーも好ましく使用できる。
結合を互いにオルソ位とする構造単位を意味する。具体
的には次に示すようなカテコール単位、サリチル酸単
位、フタル酸単位およびそれらの基のベンゼン環に置換
基を有するものなどを挙げることができる。
アルキル基もしくはアルコキシ基またはフェニル基を示
す。またkは0〜2である。) これらのなかでも特に好ましい例として次のようなも
のを例示することができる。
ジオール類より誘導される構造単位(以下、ジオール成
分という)およびジカルボン酸類より誘導される構造単
位(以下、ジカルボン酸成分という)および/または
(b)一つの単位中にカルボン酸と水酸基を同時に含む
オキシカルボン酸類より誘導される構造単位(以下、オ
キシカルボン酸成分という)により構成される。
族および脂肪族のジオールを挙げることができる。
ルキル基もしくはアルコキシ基またはフェニル基を示
す。lは0〜2である。) −O−(CH2)n−O−(nは2から12の整数を表わ
す) なかでも、 −O−CH2−CH2−O−、 −O−(CH2)4−O−、 −O−(CH2)6−O−、 などが好ましく用いられる(式中、Meはメチル基、Buは
ブチル基を示す)。
することができる。
アルキル基もしくはアルコキシ基またはフェニル基を示
す。mは0〜2である。) なかでも、 などが好ましい。
な単位を例示することができる。
テルと同様、大略1:1である(オキシカルボン酸を用い
ている場合は、カルボン酸基と水酸基の割合)。またポ
リエステル中に占めるオルソ置換芳香族単位の割合は5
モル%〜40モル%の範囲が好ましく、さらに好ましくは
10モル%〜30モル%の範囲である。5モル%より少ない
場合は、ネマチック相の下に結晶相が現われる傾向があ
り好ましくない。また40モル%より多い場合は、ポリマ
ーが液晶性を示さなくなり好ましくない。代表的なポリ
エステルとしては次のようなポリマーを例示することが
できる。
い置換基を含む芳香族単位、あるいはフッ素または含フ
ッ素置換基を含む芳香族単位を構成成分とするポリマー
もまた好ましく用いられる。
ェノール/テトラクロロエタン(60/40)混合溶媒中、3
0℃で測定した対数粘度が0.05〜3.0、が好ましく、さら
に好ましくは0.07〜2.0の範囲である。対数粘度が0.05
より小さい場合、得られた高分子液晶の強度が弱くなり
好ましくない。また3.0より大きい場合、液晶形成時の
粘性が高すぎて、配向性の低下や配向に要する時間の増
加など問題点が生じる。
めに混合される光学活性化合物としては、低分子液晶の
化学構造の一部に光学活性基を導入した液晶性化合物が
一般的である。たとえば、以下のような化合物を例示で
きる。
れるため、基板外面や、別基板上に形成する場合とは異
なった性状が要求される。たとえば、第1図の構成例の
様に液晶性高分子の上に配向膜を形成する場合には、配
向膜形成時の熱に耐える必要があり、さらに配向膜を塗
布法で形成する場合には、塗布溶液に対する耐溶剤性も
要求される。さらに、配向膜の密着性も重要である。液
晶性高分子膜自体を配向膜として用いる場合には、液晶
性高分子が液晶と直接接触するために、液晶中への液晶
性高分子成分の溶出があってはならない。また後で述べ
る別の構成例(第3図)のように、液晶性高分子上に透
明導電膜を形成する場合には、導電膜形成時の熱に耐え
るとともに、透明導電膜の密着性も重要となる。この様
な観点から、本発明における光学活性物質としては、光
学活性な高分子化合物を特に好ましく用いる。分子内に
光学活性な基を有する高分子であればいずれも使用する
ことができるが、ベースポリマーとの相溶性の観点から
液晶性を示す高分子であることが望ましい。例として光
学活性を基を有する液晶性のポリアクリレート、ポリメ
タクリレート、ポリマロネート、ポリシロキサン、ポリ
エステル、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリカー
ボネート、あるいはポリペプチド、セルロースなどを挙
げることができる。なかでもベースとなるネマチック液
晶性ポリマーとの相溶性から、芳香族主体の光学活性な
ポリエステルが最も好ましい。具体的には次のようなポ
リマーを例示することができる。
テトラクロロエタン中、30℃で測定した対数粘度が0.05
〜5.0の範囲が好ましい。対数粘度が5.0より大きい場合
は粘性が高すぎて結果的に配向性の低下を招くので好ま
しくなく、また0.05より小さい場合は組成のコントロー
ルが難しくなり好ましくない。
テルと光学活性化合物を所定の割合で、固体混合、溶液
混合あるいはメルト混合などの方法によって行える。組
成物中に占める光学活性化合物の割合は、光学活性化合
物中の光学活性な基の比率、あるいはその光学活性化合
物のネマチック液晶にねじれを与えるときのねじれ力に
よって異なるが、一般的には0.1〜50wt%の範囲が好ま
しく、特に0.5〜30wt%の範囲が好ましい。0.1wt%より
少ない場合はネマチック液晶に十分なねじれを与えるこ
とができず、また50wt%より多い場合は配向性に悪影響
をおよぼす。
ことなく自身で均一でモノドメインなねじれネマチック
配向をし、かつその配向状態を容易に固定化できる高分
子液晶を用いることによっても製造できる。これらのポ
リマーは主鎖中に光学活性基を有し自身が光学活性であ
ることが必須であり、具体的には光学活性なポリエステ
ル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステルイミ
ドなどの主鎖型液晶ポリマー、あるいはポリアクリレー
ト、ポリメタクリレート、ポリシロキサンなどの側鎖型
液晶ポリマーなどを例示することができる。なかでも合
成の容易さ、配向性、ガラス転移点などからポリエステ
ルが好ましい。用いられるポリエステルとしてのオルソ
置換芳香族単位を構成成分として含むポリマーが最も好
ましいが、オルソ置換芳香族単位の代わりにかさ高い置
換基を有する芳香族、あるいはフッ素または含フッ素置
換基を有する芳香族などを構成成分として含むポリマー
もまた使用することができる。これらの光学活性なポリ
エステルは、今まで説明してきたネマチック液晶性ポリ
エステルに、さらに光学活性なジオール、ジカルボン
酸、オキシカルボン酸を用いて次に示すような光学活性
基を導入することにより得られる。(式中、*印は光学
活性炭素を示す) など。
0.1〜20モル%の範囲が好ましく、特に0.5〜10モル%の
範囲が好ましい。光学活性な基の割合が0.1%より少な
い場合は補償板に必要なねじれ構造が得られず、また20
モル%より多い場合はねじれ力が強すぎて補償効果の低
下を来し好ましくない。これらのポリマーの分子量は、
各種溶媒中たとえばフェノール/テトラクロロエタン
(60/40)混合溶媒中、30℃で測定した対数粘度が0.05
〜3.0が好ましく、さらに好ましくは0.07〜2.0の範囲で
ある。対数粘度が0.05より小さい場合、得られた高分子
液晶の強度が弱くなり好ましくない。また3.0より大き
い場合、液晶形成時の粘性が高すぎて、配向性の低下や
配向に関する時間の増加など問題が生じる。
り、配向固定化した後の配向の安定性に影響を及ぼす。
用途にもよるが、一般的には室温付近で使用すると考え
れば、ガラス転移点が30℃以上であることが望ましく、
特に50℃以上であることが望ましい。ガラス転移点が30
℃より低い場合、室温付近で使用すると一度固定化した
液晶構造が変化する場合があり、液晶構造に由来する機
能が低下してしまい好ましくない。
酸クロライド法を用いることによって行うことができ
る。
したものである。第1の透光性基板11と第2の透光性基
板21とが離間、対向して配設され、両基板11,21と外周
シール14とによって形成された空間に液晶が封入されて
液晶層15をなし、液晶セル16が形成されている。基板21
の内面にはこれまでに説明した液晶性高分子からなる補
償層30が形成されている。基板11と補償層21の内面には
液晶層15に電圧を印加するための透明電極12,22と液晶
を一定方向に配向させるための配向膜13,23が形成され
ている。17,27は偏光板である。33は液晶性高分子の配
向方向を制御するための配向膜である。
設けられているため、駆動電圧の降下が少なく、より低
電圧の駆動が可能となる。
板のより具体的な作製法の一例を示す。基板21上に液晶
性高分子を該基板に対して水平にかつ特定の方向に配向
させるための配向膜を形成する。配向膜としては具体的
には従来公知の斜方蒸着や、無機または有機被覆を形成
した後に綿布などでラビングすることにより行うことが
できる。より具体的にはポリアミド、ポリイミドなどの
高分子被膜等にラビング処理したものや、SiO、MgO、Mg
F2などを斜方蒸着したものを好適に用いる。次に液晶性
高分子を有機溶媒に溶解させた溶液をポリイミド配向膜
上に塗布する。液晶性高分子用の溶媒としては、そこで
用いられる液晶性高分子の種類、重合度によっても異な
るが、一般には、クロロホルム、ジクロロエタン、テト
ラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエ
チレン、オルソジクロロベンゼンなどのハロゲン系炭化
水素、フェノール、o−クロロフェノール、クレゾール
などのフェノール系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロ
トン性極性溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の
エーテル系溶媒およびこれらの混合溶媒を例示できる。
溶液濃度は塗布法、高分子の粘性、目的とする膜厚等に
より異なる。液晶表示素子用の補償板として要求される
膜厚は一般には2〜10μm程度であるため通常は2〜50
wt%の範囲で使用され、好ましくは5〜30wt%の範囲で
使用される。塗布法としてはスピンコート法、ロールコ
ート法、グラビアコート法、ディッピング法、スクリー
ン印刷法などを採示できる。液晶性高分子を塗布後、溶
媒を乾燥して除去し、液晶性高分子がネマティック液晶
性を示す温度で所定時間熱処理して液晶性高分子を配向
させたのちガラス転移点以下の温度に冷却する。液晶性
高分子を配向させるときの温度は、液晶性高分子のガラ
ス転移点以上であることが必要で、液晶性高分子の等方
性液体への転移温度より低いことが必要である。配向膜
の界面効果による配向を助ける意味でポリマーの粘性は
低い方がよく、したがって温度は高い方がよいが、あま
り高いとコストの増大と作業性の悪化を招き好ましくな
い。一般的には50℃〜300℃の範囲が好ましく、100℃〜
250℃の範囲が特に好ましい。また、この温度において
液晶性高分子はねじれネマティック相であることが必要
である。また、一旦等方性液体となる温度まで加熱後、
上記液晶相を呈する温度に冷却して配向させることもで
きる。熱処理時間はポリマーの組成、分子量によって異
なるが、一般には10秒〜60分の範囲が好ましく、30秒〜
30分の範囲が特に好ましい。処理時間が短すぎる場合に
は配向が不十分となり、また、長すぎる場合には生産性
が低下し好ましくない。液晶配向が完成されてから液晶
性高分子膜はガラス転移点以下の温度に冷却すれば、配
向を固定化することができる。冷却速度は特に制限され
ず、加熱雰囲気からガラス転移点下の雰囲気に移すだけ
でよい。なお、液晶性高分子薄膜を配向固定化して、か
つ室温付近で用いる場合、液晶性高分子のガラス転移温
度は30℃以上であることが好ましい。これにより低い場
合、固定化した配向構造が崩れる場合があり、好ましく
ない。液晶性高分子の膜厚は100μm以下であることが
好ましく、特に50μm以下であることが好ましい。100
μm以上であると均一な配向を得ることが困難となる。
いて、C2は液晶性高分子は配向させるための配向膜にお
ける配向処理方向を示している。液晶性高分子は液晶に
接する側ではC1の方向に配向する。良好な補償効果を得
るためには、C1とR2の成す角δは40゜〜140゜の範囲で
あることが好ましく、60゜〜120゜の範囲であることが
より好ましい。P1とP2はそれぞれ偏光体17と27の偏光透
過軸(または吸収軸)を表わしている。同様の目的か
ら、P1とR1の成す角αは20゜〜70゜の範囲であることが
好ましく、C2とP2の成す角βも20゜〜70゜の範囲である
ことが好ましい。
施例に限定されるものではない。
製のポリイミドワニスPIQをスピンコート法で約1000Å
の厚さに塗布し、ついで270℃で焼成してポリイミド膜
を形成した。ついでポリイミド膜上をテトロン植毛布で
一方向にこすり、ラビング処理を行った。ついで、下記
式(A)で示される繰り返し単位を有するネマティック
液晶性ポリエステル系液晶性高分子と下記式(B)で示
される繰り返し単位を有する光学活性なポリエステルを
重量比で95:5の割合で含む濃度15wt%のフェノール/テ
トラクロロエタン溶液(50:50重量比)を先の配向膜上
にスピンコート法で塗布したのち、乾燥して膜厚約3.6
μmの液晶性高分子膜を形成した。ついで、液晶性高分
子がネマティック相を呈する210℃で30分間熱処理を行
った。室温で急冷後、得られた配向組織を観察したとこ
ろ、モノドメインなねじれ配向であり、ΔnCdCは0.82μ
m、ねじれ角は230゜(右ねじれ)であった。
ロンのエタノール溶液を塗布し、70℃で乾燥したのちラ
ビング処理を行い、配向膜を形成した。この基板と同様
の配向処理の施されたガラス基板とを配向処理面が対向
するように、かつ配向処理方向が230゜の角度を成する
ようにスペーサーを介して貼り合わせ、空隙にメルク社
製のネマティック液晶ZL12293とカイラルネマティック
液晶S811の混合液晶を充填した。ΔnLdLは0.87μmで、
ねじれの向きは液晶性高分子とは逆(左ねじれ)であっ
た。
と同様の液晶表示素子を作製した。α=β=45゜(上下
偏光板は直交)、δは90゜とした。
動させたところ、均一な表示が得られ、第4図に示すよ
うに優れた白黒表示が行えた。
設けずに、液晶性高分子膜を直接ナイロン植毛布でラビ
ング処理を行った。その他は実施例1と同様にして液晶
表示素子を作製した。この素子においても、実施例1と
同様優れた表示性能が得られた。
スピンコート法で約1000Åの厚さに塗布し、ついで270
℃で焼成してポリイミド膜を形成した。ついでポリイミ
ド膜上をテトロン植毛布で一方向にこすり、ラビング処
理を行った。実施例1と同じ液晶性高分子溶液を先の配
向膜上にスピンコート法で塗布したのち、乾燥して膜厚
約3.6μmの液晶性高分子膜を形成した。ついで、液晶
性高分子がネマティック相を呈する210℃で30分間熱処
理を行ったのち室温に急冷した。
とする透明導電膜をスパッタ法を形成し、ついでフォト
リソグラフィー法でパターン形成した。この上にアルコ
ール可溶性ナイロンのエタノール溶液を塗布し、70℃で
乾燥したのちラビング処理を行い、配向膜を形成した。
この基板と同様の配向処理の施されたガラス基板とを配
向処理面が対向するように、かつ配向処理方向が230゜
の角度を成するようにスペーサーを介して貼り合わせ、
空隙にメルク社製のネマティック液晶ZL12293とカイラ
ルネマティック液晶S811の混合液晶を充填した。ΔnLdL
は0.87μmで、ねじれの向きは液晶性高分子とは逆(左
ねじれ)であった。
の液晶表示素子を作製した。α=β=45゜(上下偏光板
は直交)、δは90゜とした。
駆動させたところ、実施例1と同様に、優れた白黒表示
が行えた。しかも、しきい値電圧の実効値は実施例1よ
り優れていた。
返し単位を有するポリエステル系光学活性液晶性高分子
の15重量%フェノール/テトラクロロエタン(60:40重
量比)溶液を用いたほかは、実施例1と同様にして液晶
表示素子を作製した。この液晶表示素子においても、実
施例1と同様、優れた表示性能を示した。
性高分子(C)の15重量%フェノール/テトラクロロエ
タン(60:40重量比)溶液を用いたほかは、実施例2と
同様にして液晶表示素子を作製した。この液晶表示素子
においても、実施例2と同様、優れた表示性能を示し
た。
される繰り返し単位を有する液晶性高分子を用いたほか
は実施例1と同様にして液晶表示素子を作製した。この
素子において補償板は、マルチドメイン配向で、光散乱
性を有していた。この液晶表示素子をデューティ1/200
の時分割駆動で駆動させたところ、コントラストが非常
に低く、実用には耐えなかった。
層を、液晶セルの内面に設けたため、素子の重量と厚さ
の増加がほとんど無く、また、補償層として、ねじれ配
向した液晶性高分子を用いているため、コントラストが
高く、視野角においても優れている。さらに、配向固定
化した液晶性高分子を用いているため、信頼性において
も優れている。その上、液晶転移点以下でガラス相を呈
する液晶性高分子を用いているため、補償層の配向を均
一化することができ、そのため、表示の均一性にも優れ
ており、各種情報機器の表示素子として価値が高い。
図、第2図は第1図の液晶表示素子の各要素の角度関係
を示す図、第3図は本発明による液晶表示素子の別の構
成例を示す断面図、第4図は実施例1の液晶表示素子に
おける透過率の波長依存性を示す図である。 11,21……基板 12,22……透明電極 13,23……配向膜 14……シール剤 15……液晶層 17,27……偏光板 30……高分子液晶膜(補償板)
Claims (2)
- 【請求項1】電極を有する一対の透光性基板及び該基板
に挟持され、正の誘電異方性を有し、電圧無印加時にほ
ぼ水平に、かつ螺旋軸を基板に垂直に向けてねじれ配向
した液晶層からなる液晶セル、基板の外側に配置された
偏光板、及び液晶層と偏光板の間に設けられ、螺旋軸が
液晶層の螺旋軸とほぼ平行になるようにねじれ液晶性高
分子膜とから構成される液晶表示素子において、液晶性
高分子が実質的にオルソ置換芳香族単位を構成成分とし
て含む光学活性なポリエステルであり、該液晶性高分子
膜は、基板内面に設けられ、かつ、液晶状態でねじねネ
マチック配向し、液晶転移点以下ではガラス状態となる
液晶性高分子の配向固定化膜であることを特徴とする液
晶表示素子。 - 【請求項2】電極を有する一対の透光性基板及び該基板
に挟持され、正の誘電異方性を有し、電圧無印加時にほ
ぼ水平に、かつ螺旋軸を基板に垂直に向けてねじれ配向
した液晶層からなる液晶セル、基板の外側に配置された
偏光板、及び液晶層と偏光板の間に設けられ、螺旋軸が
液晶層の螺旋軸とほぼ平行になるようにねじれ液晶性高
分子膜とから構成される液晶表示素子において、液晶性
高分子が実質的にオルソ置換芳香族単位を構成成分とし
て含むポリエステルと光学活性化合物とからなる液晶性
高分子組成物であり、該液晶性高分子膜は、基板内面に
設けられ、かつ、液晶状態でねじれネマチック配向し、
液晶転移点以下ではガラス状態となる液晶性高分子の配
向固定化膜であることを特徴とする液晶表示素子。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2104506A JP2628096B2 (ja) | 1990-04-19 | 1990-04-19 | 液晶表示素子 |
US07/681,898 US5250214A (en) | 1990-04-09 | 1991-04-08 | Liquid crystal color display device provided with a color filter film and an optical phase plate comprising liquid crystal polymer |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2104506A JP2628096B2 (ja) | 1990-04-19 | 1990-04-19 | 液晶表示素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH043021A JPH043021A (ja) | 1992-01-08 |
JP2628096B2 true JP2628096B2 (ja) | 1997-07-09 |
Family
ID=14382384
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2104506A Expired - Lifetime JP2628096B2 (ja) | 1990-04-09 | 1990-04-19 | 液晶表示素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2628096B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62232409A (ja) * | 1986-04-01 | 1987-10-12 | Mitsubishi Petrochem Co Ltd | 有機高分子液晶 |
JP2537608B2 (ja) * | 1986-12-15 | 1996-09-25 | セイコーエプソン株式会社 | 液晶表示装置 |
-
1990
- 1990-04-19 JP JP2104506A patent/JP2628096B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH043021A (ja) | 1992-01-08 |
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