JP2869211B2 - フィンボックスの射出成形用金型 - Google Patents

フィンボックスの射出成形用金型

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JP2869211B2
JP2869211B2 JP14098391A JP14098391A JP2869211B2 JP 2869211 B2 JP2869211 B2 JP 2869211B2 JP 14098391 A JP14098391 A JP 14098391A JP 14098391 A JP14098391 A JP 14098391A JP 2869211 B2 JP2869211 B2 JP 2869211B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、車載冷暖房用装置の空気吹出口
等に装着される、筒状のケース部材の内部に羽根部材が
回動可能に装着されて成る構造のフィンボックスを、容
易に且つ安価に製造することのできる射出成形用金型に
関するものである。
【0002】
【背景技術】車両室内における冷暖房用空気吹出口に
は、通常、空気通路としての透孔を有する筒状のケース
部材に対して、その内部の対向する壁部間に跨がって複
数枚の羽根部材が配設されてなる構造の樹脂製品であ
る、所謂フィンボックスが装着されている。かかるフィ
ンボックスにあっては、各羽根部材の両端部に対して、
それぞれ、ケース部材に設けられた支持孔に挿通されて
取り付けられる支持軸が一体的に設けられており、これ
らの支持軸によって、各羽根部材がケース部材に対して
一軸回りに回動可能に支持されているのであり、そし
て、その回動操作に基づいて、吹出口からの空気の吹出
方向が変化せしめられ得るようになっている。
【0003】ところで、このような構造のフィンボック
スは、従来、一般に、ケース部材と羽根部材とを、それ
ぞれ別工程で形成した後、該羽根部材をケース部材に対
して組み付けることによって製造されていたが、このよ
うな製造手法では、組付工程に人手が多く必要であるた
めに、製造作業が面倒で製造コストが高くつき、量産性
も低かった。また、このようにして得られたフィンボッ
クスでは、羽根部材に形成された支持軸の外径と、該支
持軸が挿通される、ケース部材に形成された通孔の内径
との寸法差等に起因して、羽根部材の動き具合(回動抵
抗)にバラツキが生じ易く、かかる回動支持部位におけ
るガタツキ等の発生によって、製品の品質が安定しない
という不具合をも、有していたのである。
【0004】また、近年、このような問題に対処すべ
く、可動盤側に金型回転板を取り付けることにより、固
定金型と可動金型との組合せが変更可能とされた型締装
置と、それら二組の金型内に形成される成形空間に対し
てそれぞれ所定の樹脂材料を射出せしめる二つの射出装
置とを備えてなる、所謂二色射出成形機を用い、第一の
射出装置により、固定金型と可動金型とによって形成さ
れたケース部材の成形キャビティ内において、ケース部
材を射出成形した後、該ケース部材を可動金型に付着せ
しめたまま型開きして、固定金型のみを交換することに
より、かかるケース部材の内部に羽根部材の成形キャビ
ティを形成し、その後、第二の射出装置により、かかる
羽根部材の成形キャビティ内において、羽根部材を射出
成形することにより、上述の如き構造のフィンボックス
を形成する方法も提案されている。
【0005】しかしながら、このような二色射出成形機
を用いてフィンボックスを形成する場合には、二色射出
成形機自体、金型回転板やその駆動機構等を備えている
ために、構造が複雑であることに加えて、ケース部材の
成形キャビティを形成するための金型と羽根部材の成形
キャビティを形成するための金型との、二組の金型が必
要とされることから、設備投資費がかさみ、また保守も
面倒となるといった、実施上の大きな問題を有していた
のである。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、固定部と可動部分とを有するフィンボック
スを、通常の射出成形機と一組の成形用金型とを用い
て、容易に且つ安価に製造することのできる、新規なフ
ィンボックスの射出成形用金型を提供することにある。
【0007】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明にあっては、筒状のケース部材の内部に、少なくと
も一つの羽根部材を、対向する壁部間に跨がって配設す
ると共に、該羽根部材の両端部に該ケース部材に設けら
れた支持孔に挿通される一対の支持軸を一体的に設け
て、それらの支持軸により、かかる羽根部材を該ケース
部材に対して一軸回りに回動可能に支持せしめて成るフ
ィンボックスを製造するための射出成形用金型であっ
て、(a)第一の本体金型および第二の本体金型から成
り、互いに型合わせされることによって、前記ケース部
材の成形キャビティを、それら第一及び第二の本体金型
間に跨がって型合わせ方向に形成すると共に、前記羽根
部材の成形キャビティを、それら第一及び第二の本体金
型の型合わせ面間に形成する本体金型と、(b)該本体
金型の上側で型合せ面を挟んだ両側において、斜め上方
に移動可能に配設された一組の分割型から構成されて、
本体金型の上側において型合わせされることにより
記ケース部材における上壁部の成形キャビティ内に突
出位置せしめられて、該ケース部材の上壁部に前記支持
孔を成形するための先細円錐台形状の突起を形成すると
共に、かかる突起の内部に、該突起の先端面に開口して
前記羽根部材の成形キャビティに接続される前記支持軸
の成形キャビティを、該突起の基部側におけるキャビテ
ィ内径が該突起の先端面外径よりも所定寸法大径とされ
た逆テーパ形状をもって形成する上側補助金型と
(c)該本体金型の下側で型合せ面を挟んだ両側におい
て、斜め下方に移動可能に配設された一組の分割型から
構成されて、該本体金型の下側において型合わせされる
ことにより、前記ケース部材における下壁部の成形キャ
ビティ内に突出位置せしめられて、該ケース部材の下壁
部に前記支持孔を成形するための先細円錐台形状の突起
を形成すると共に、かかる突起の内部に、該突起の先端
面に開口して前記羽根部材の成形キャビティに接続され
る前記支持軸の成形キャビティを、該突起の基部側にお
けるキャビティ内径が該突起の先端面外径よりも所定寸
法大径とされた逆テーパ形状をもって形成する下側補助
金型とを備え、且つ、前記本体金型と前記上側補助金型
及び/又は下側補助金型との型合せ面間に、前記羽根部
材および前記支持軸の成形キャビティを、前記ケース部
材の成形キャビティに対して連通せしめる小口の接続ゲ
ートが形成されているフィンボックスの射出成形用金型
を、その特徴とするものである。
【0008】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明することとする。
【0009】先ず、図1及び図2には、本発明に係る射
出成形用金型が有利に用いられ得るフィンボックスの一
具体例が示されている。かかるフィンボックス10は、
内部に空気通路12が形成された略矩形筒状のケース部
材14を有していると共に、該ケース部材14における
空気通路12内に、三枚の羽根部材16が、並列的に配
されてなる構造とされている。そして、それら各羽根部
材16の長手方向両端部には、ケース部材14に設けら
れた支持孔18,18を貫通して外方に突出する一対の
支持軸20,20が、一体的に形成されており、これら
の支持軸20,20により、かかる羽根部材16が、ケ
ース部材14に対して、一軸回りに回動可能に装着され
ている。
【0010】また、本具体例に示されたフィンボックス
10にあっては、中央のものを含む二枚の羽根部材1
6,16に対して、それぞれ、長手方向両側に位置し
て、一方の面上に突出する平板形状の突出片22,22
が、羽根部材16の配設間隔に略相当する突出高さをも
って、一体的に設けられている。それによって、図3に
示されている如く、それらの突出片22が、隣接する羽
根部材16に対して当接せしめられることにより、回動
方向外側に位置する一つの羽根部材16だけを内側に回
動させることによって、三枚の羽根部材16が、連動し
て同一方向に回動せしめられ得るようになっている。
【0011】そして、このような構造のフィンボックス
10は、図4乃至図6に示されている如き、所定の金型
を用いた射出成形により、樹脂の一体射出成形操作にて
製造することができるのである。以下、かかる成形用金
型の構造およびかかる金型を用いた射出成形方法につい
て説明する。
【0012】先ず、かかるフィンボックス10の製造に
用いられる金型にあっては、図4及び図5に示されてい
る如く、第一の本体金型24および第二の本体金型26
と、それら第一及び第二の本体金型24,26の上側で
型合せ面40を挟んだ両側に配された第一及び第二の分
割型28,30から成る上側補助金型32、および第一
及び第二の本体金型24,26の下側で型合せ面40を
挟んだ両側に配された第三及び第四の分割型34,36
から成る下側補助金型38によって構成されている。
【0013】そして、第一の本体金型24および第二の
本体金型26の内部には、それら両金型24,26間に
跨がって、型合せ方向に延びる状態で、前記ケース部材
14の成形キャビティ42が形成されている。また、こ
れら第一及び第二の本体金型24,26の型合せ面間に
は、かかる型合せ面に沿って広がる状態で、前記羽根部
材16の成形キャビティ44が、金型上下方向(図4
中、上下方向)に形成されている。更にまた、第二の本
体金型26には、前記突出片22の成形キャビティ46
が、各羽根部材用成形キャビティ44から型合せ方向後
方に向かって突出する状態で、設けられている。
【0014】また、かかる第一の本体金型24および第
二の本体金型26にあっては、その上下面が、それぞ
れ、型合せ面40側に向かって内方に切れ込む形状の上
側傾斜面48,50および下側傾斜面52,54とされ
ている。そして、これら傾斜面48,50及び52,5
4によって、第一及び第二の本体金型24,26内に形
成されたケース部材用成形キャビティ42の上下壁部に
相当する部分と、羽根部材用成形キャビティ44におけ
る前記支持軸20,20の形成部位に相当する部分と
が、両金型24,26の型合せ面40上において、それ
ぞれ、外部に開口せしめられている。
【0015】また一方、上側補助金型32を構成する第
一の分割型28および第二の分割型30にあっては、そ
れぞれ、第一の本体金型24および第二の本体金型26
の上側傾斜面48,50上を、型合せ方向にスライド可
能に配設されていると共に、下側補助金型38を構成す
る第三の分割型34および第四の分割型36にあって
は、それぞれ、第一の本体金型24および第二の本体金
型26の下側傾斜面52,54上を、型合せ方向にスラ
イド可能に配設されている。なお、これら第一乃至第四
の分割型28,30,34,36は、それぞれ、第一及
び第二の本体金型24,26の上下面に固設されたガイ
ドブロック55(図5参照)により、その両端部におい
て案内されつつ移動せしめられるようになっている。
【0016】そして、それら上側補助金型32および下
側補助金型38が、第一及び第二の本体金型24,26
の型合せ面40と同一の面上で型合せされることによ
り、それぞれ、前記第一及び第二の本体金型24,26
内に形成されたケース部材用成形キャビティ42および
羽根部材用成形キャビティ44の型合せ面上における開
口を閉塞せしめるようになっている。
【0017】さらに、かかる上側補助金型32および下
側補助金型38にあっては、それぞれ、型合せされるこ
とによって、各羽根部材用成形キャビティ44における
支持軸20,20の形成部位に相当する部分において、
それぞれケース部材用成形キャビティ42内に突出する
突起56を、その型合せ面上で形成するようになってい
る。また、これらの突起56は、それぞれ、第一及び第
二の本体金型24,26における傾斜面48,50及び
52,54と略同一の傾斜角を有するテーパ状外周面を
もって突出する、先細の円錐台形状にて形成されてい
る。
【0018】すなわち、これらの突起56は、ケース部
材用成形キャビティ42内に突出位置せしめられること
によって、ケース部材用成形キャビティ42内におい
て、前記羽根部材16の支持軸20が挿通される前記支
持孔18を形成するための雄型を構成するようになって
いるのである。
【0019】また、これら各突起56の内部には、それ
ぞれ、先端面において開口する凹部形態をもって、前記
支持軸20の成形キャビティ58が形成されており、そ
の開口部において、上記第一及び第二の本体金具24,
26内に形成された羽根部材用成形キャビティ44に対
して接続せしめられている。なお、図からも明らかなよ
うに、かかる羽根部材用成形キャビティ44および支持
軸成形キャビティ58は、前記ケース部材用成形キャビ
ティ42とは独立して形成されている。
【0020】そして、かかる支持軸用成形キャビティ5
8は、図6に拡大して示されているように、分割型2
8,30及び34,36の型合せ面間に跨がって形成さ
れている。また、この支持軸用成形キャビティ58は、
突起56の基部側に行くに従って次第に拡径する逆テー
パ状の内周面をもって形成されていると共に、突起56
の基部側におけるキャビティ内径:aが、該突起56の
先端面の外径:bよりも大きくなるように設定されてい
る。また、この支持軸用成形キャビティ56における逆
テーパ状内周面の傾斜角は、突起56における外周面の
傾斜角よりも小さく設定されており、それによって、所
謂アンダカット形状となる支持軸20の成形後における
分割型28,30及び34,36の型開きが可能とされ
ている。
【0021】更にまた、図6に示されている如く、上側
補助金型32を構成する第二の分割型30における突起
56の先端面と第二の本体金型26との型合せ面間、お
よび下側補助金型38を構成する第四の分割型36にお
ける突起56の先端面と第二の本体金型26との型合せ
面間には、それぞれ、ケース部材用成形キャビティ42
を羽根部材用成形キャビティ44および支持軸用成形キ
ャビティ58に対して接続する接続ゲート60が形成さ
れている。ここにおいて、かかる接続ゲート60は、樹
脂の流動が許容され得る程度に充分に小さな口径をもっ
て形成されたピンゲート構造をもって形成されている。
【0022】そして、上述の如く、第一及び第二の本体
金型24,26と、第一及び第二の分割型28,30か
ら成る上側補助金型32および第三及び第四の分割型3
4,36から成る下側補助金型38とを含んで構成され
て成る射出成形用金型にあっては、例えば、図4に概略
的に示されている如き構造をもって、型締装置に対して
装着されることとなる。
【0023】より詳細には、第一の本体金型24は、第
一の金型取付板62を介して、図示しない型締装置にお
ける可動盤に装着される一方、第二の本体金型26は、
ランナブロックとしての第二の金型取付板64を介し
て、図示しない型締装置における固定盤に装着されるこ
ととなり、それによって、可動盤の固定盤に対する移動
に基づき、第一の本体金型24と第二の本体金型26と
が、型締め・型開き作動可能とされる。
【0024】また、第一の金型取付板62の上部および
下部には、それぞれ、油圧シリンダ66,68が固設さ
れて、それらの油圧シリンダ66,68のピストンロッ
ドに対して、上側補助金型32を構成する第一の分割型
28および下側補助金型38を構成する第三の分割型3
4が連結される。更にまた、第二の本体金型26の上部
および下部には、それぞれ、油圧シリンダ70,72が
固設されて、それらの油圧シリンダ70,72のピスト
ンロッドに対して、上側補助金型32を構成する第二の
分割型30および下側補助金型38を構成する第四の分
割型34が連結される。
【0025】すなわち、それによって、上側補助金型3
2および下側補助金型38が、それぞれ、油圧シリンダ
66,70及び68,72の作動により、第一及び第二
の本体金型24,26の上下傾斜面48,50及び5
2,54上を移動せしめられて、型締め・型開き作動せ
しめられ得ることとなる。
【0026】なお、図4に示されている如く、第一の本
体金型24および第一の金型取付板62の内部には、成
形品を取り出すためのイジェクトピン74を有する突出
板76が配設されている一方、第二の本体金型26およ
び第二の金型取付板64の内部には、ランナ78が形成
されており、図示しない射出装置におけるノズルから射
出される樹脂材料を、ケース部材用成形キャビティ42
に導くようになっている。
【0027】そして、かくの如くして型締装置に装着さ
れた金型を用いて、前記図1及び図2に示されている如
き構造のフィンボックス10を製造するには、先ず、図
4に示されている如く、第一及び第二の本体金型24,
26および上下補助金型32,38を型合せして圧締せ
しめた状態下、図示しない射出装置により、ランナ78
を通じて、所定の材質の溶融樹脂を、成形キャビティ内
に射出せしめる。
【0028】このようにして射出された溶融樹脂は、ラ
ンナ78からケース部材用成形キャビティ42に導かれ
て充填されることとなり、更に、該ケース部材用成形キ
ャビティ42から、接続ゲート60を通じて、羽根部材
用成形キャビティ44,突出片用成形キャビティ46お
よび支持軸用成形キャビティ58内にまで導かれて充填
されることとなる。即ち、かかる一度の射出操作によっ
て、ケース部材14と、支持軸20,20および突出片
22を備えた羽根部材16とが、同時に形成され得るの
である。
【0029】次いで、油圧シリンダ66,68,70,
72によって、第一乃至第四の分割型28,30,3
4,36を移動せしめることにより、上側及び下側の補
助金型32,38を、それぞれ型開き作動せしめた後、
可動盤を移動せしめて第一及び第二の本体金型24,2
6を型開き作動せしめる。そして、その後、突出板76
を、図示しない駆動手段により駆動せしめることによ
り、第一の本体金型24側に付着した成形品を、金型か
ら取り出す。
【0030】更に、その後、金型から取り出した成形品
において、各羽根部材16を回転させることにより、該
羽根部材16をケース部材14から分離せしめる。即
ち、上述の如くして得られた成形品にあっては、各羽根
部材16が、ケース部材14に対して、接続ゲート60
の形成部位において、該接続ゲート60内に充填された
樹脂によって連結されているが、前述の如く、この接続
ゲート60は、小径のピンゲートにて形成されているこ
とから、かかる羽根部材16の回転操作によって、容易
に切断、分離することができるのであり、それによっ
て、目的とするフィンボックス10が得られることとな
るのである。
【0031】また、そこにおいて、かかる成形品たるフ
ィンボックス10にあっては、成形後の樹脂の収縮作用
に基づき、各羽根部材16の支持軸20,18が、ケー
ス部材14の上下壁部に対して、軸方向内方に所定寸法
収縮せしめられることとなる。そして、それら各支持軸
20は、逆テーパ形状をもって形成されていることか
ら、その収縮作用によって、図7に示されている如く、
その外周面と、ケース部材14における支持孔18の内
周面との間の隙間が、有利に減少乃至は消滅され得るの
であり、以て、かかる支持軸20が、支持孔18によ
り、ガタツキ等が可及的に抑えられた良好なる支持状態
をもって、回動可能に支持せしめられることとなるので
ある。
【0032】従って、上述の如き金型を用いた射出成形
操作によれば、目的とするフィンボックス10を、金型
交換や射出装置の交換等を行なうことなく、ただ一組の
金型を用いた一度の射出操作によって、製造することが
でき、しかも、成形後に羽根部材16をケース部材14
に組み付ける必要もないのであり、それ故、従来の成形
方法に比して、その作業性や量産性、コスト性、或いは
設備の簡略化等の点に関して、飛躍的な向上が達成され
得るのである。
【0033】また、かかる金型によれば、ケース部材1
4や羽根部材16、支持軸20の形状および肉厚、或い
は樹脂材料の種類等に応じて、支持軸20の収縮量を考
慮して、支持軸20における逆テーパ状外周面の傾斜角
や、該支持軸20と支持孔18との間の間隙量などを適
当に設定することにより、羽根部材16(支持軸20)
の成形後における収縮作用に基づいて、該羽根部材16
をケース部材14に対して、ガタツキ等を防止しつつ有
利に支持せしめることができるのであり、それ故、優れ
た支持性能を安定して得ることが可能となるのである。
【0034】更にまた、本実施例においては、両側に位
置する羽根部材16の回動運動を他の羽根部材16に伝
達することにより、三枚の羽根部材16の回動方向を揃
える連動機構が、二枚の羽根部材16,16の側面に形
成した突出片22によって構成されており、しかも、そ
れら突出片22の成形用キャビティ46が、本体金型2
6に形成されており、羽根部材16と同時に射出成形さ
れ得るようになっていることから、従来の如く、フィン
ボックスの形成後に別途形成した連結機構等を組み付け
る必要もないのであり、それ故、複数枚の羽根部材を備
え、且つそれらの羽根部材が相互に連動して回動され得
るフィンボックスの製作に際して、より一層優れた製作
性と量産性とが、達成され得るのである。
【0035】以上、本発明の実施例について詳述してき
たか、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0036】例えば、前記実施例では、三枚の羽根部材
16を備えたフィンボックス10の射出成形用金型につ
いての具体例を示したが、一枚又は二枚、或いは四枚以
上の羽根部材を備えたフィンボックスに対しても、本発
明が有利に適用され得ることは、勿論である。
【0037】また、本体金型および補助金型の具体的形
状は、前記実施例のものに限定されるものでは決してな
く、一般的な金型設計と同様、使用する型締装置の構造
やランナ形状等に応じて、当業者の知識に基づいて、適
宜、設計変更され得るものである。
【0038】更にまた、複数枚の羽根部材を備えたフィ
ンボックスを製造するに際しても、前記実施例において
示されている如き突出片22は、必ずしも設ける必要は
なく、従来手法に従い、フィンボックスの成形後に、各
羽根部材に対して、それらを互いに連動せしめる連結部
材を組み付けるようにしても良い。
【0039】さらに、前記実施例では、羽根部材用成形
キャビティ44が、第一及び第二の本体金型24,26
の型合せ面間に広がる状態で形成されていたが、突出片
を設けない場合や、該突出片の形状によっては、かかる
羽根部材用成形キャビティを、一方の本体金型内に突出
して、型合せ方向に広がる状態で形成することも可能で
ある。
【0040】また、羽根部材用成形キャビティおよび支
持軸用成形キャビティを、ケース部材用成形キャビティ
に連通する接続ゲートは、フィンボックスの射出成形後
における羽根部材の回動操作によって、容易に切断する
ことができる程度に小口であれば良く、その具体的な形
態は限定されるものではない。具体的には、かかる接続
ゲートとして、例示の如きピンゲートの他、薄肉のフィ
ルムゲート等を採用することも可能である。
【0041】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもないところである。
【0042】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に係る射出成形用金型を用いれば、目的とするフィンボ
ックスを、金型交換や射出装置の交換等を行なうことな
く、一度の射出操作によって製造することができ、しか
も成形後における特別な組付作業等も不要となることか
ら、極めて優れた製造作業性や量産性および低コスト性
が発揮され得ると共に、製造設備の簡略化も有利に達成
され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る射出成形用金型が有利に用いられ
得るフィンボックスの一具体例を示す斜視図である。
【図2】図1に示されているフィンボックスの横断面図
である。
【図3】図1に示されているフィンボックスにおける羽
根部材の連動機構を説明するための斜視説明図である。
【図4】図1に示されているフィンボックスの製造に使
用される、本発明に従う構造とされた金型の一具体例を
概略的に示す断面説明図である。
【図5】図4におけるV−V矢視図に相当する説明図で
ある。
【図6】図5におけるA部を拡大して示す要部説明図で
ある。
【図7】図4に示された金型を用いて成形されたフィン
ボックスにおける要部を示す説明図である。
【符号の説明】
10 フィンボックス 14 ケース部材 16 羽根部材 18 支持孔 20 支持軸 24 第一の本体金型 26 第二の本体金型 28 第一の分割型 30 第二の分割型 32 上側補助金型 34 第三の分割型 36 第四の分割型 38 下側補助金型 40 型合せ面 42 ケース部材用成形キャビティ 44 羽根部材用成形キャビティ 58 支持軸用成形キャビティ 60 接続ゲート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 45/26 - 45/44

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状のケース部材の内部に、少なくとも
    一つの羽根部材を、対向する壁部間に跨がって配設する
    と共に、該羽根部材の両端部に該ケース部材に設けられ
    た支持孔に挿通される一対の支持軸を一体的に設けて、
    それらの支持軸により、かかる羽根部材を該ケース部材
    に対して一軸回りに回動可能に支持せしめて成るフィン
    ボックスを製造するための射出成形用金型であって、 第一の本体金型および第二の本体金型から成り、互いに
    型合わせされることによって、前記ケース部材の成形キ
    ャビティを、それら第一及び第二の本体金型間に跨がっ
    て型合わせ方向に形成すると共に、前記羽根部材の成形
    キャビティを、それら第一及び第二の本体金型の型合わ
    せ面間に形成する本体金型と、 該本体金型の上側で型合せ面を挟んだ両側において、斜
    め上方に移動可能に配設された一組の分割型から構成さ
    て、該本体金型の上側において型合わせされることに
    より、前記ケース部材における上壁部の成形キャビティ
    内に突出位置せしめられて、該ケース部材の上壁部に前
    記支持孔を成形するための先細円錐台形状の突起を形成
    すると共に、かかる突起の内部に、該突起の先端面に開
    口して前記羽根部材の成形キャビティに接続される前
    支持軸の成形キャビティを、該突起の基部側におけるキ
    ャビティ内径が該突起の先端面外径よりも所定寸法大径
    とされた逆テーパ形状をもって形成する上側補助金型
    該本体金型の下側で型合せ面を挟んだ両側において、斜
    め下方に移動可能に配設された一組の分割型から構成さ
    れて、該本体金型の下側において型合わせされることに
    より、前記ケース部材における下壁部の成形キャビティ
    内に突出位置せしめられて、該ケース部材の下壁部に前
    記支持孔を成形するための先細円錐台形状の突起を形成
    すると共に、かかる突起の内部に、該突起の先端面に開
    口して前記羽根部材の成形キャビティに接続される前記
    支持軸の成形キャビティを、該突起の基部側におけるキ
    ャビティ内径が該突起の先端面外径よりも所定寸法大径
    とされた逆テーパ形状をもって形成する下側補助金型と
    を備え、 且つ、前記本体金型と前記上側補助金型及び/又は下側
    補助金型との型合せ面間に、前記羽根部材および前記支
    持軸の成形キャビティを、前記ケース部材の成形キャビ
    ティに対して連通せしめる小口の接続ゲートが形成され
    ていることを特徴とするフィンボックスの射出成形用金
    型。
  2. 【請求項2】 前記本体金型を構成する第一の本体金型
    および第二の本体金型の上下面を、それぞれ型合わせ面
    側に向かって内方に切れ込む形状の上側傾斜面および下
    側傾斜面とし、前記上側補助金型を構成する一組の分割
    型を第一及び第二の本体金型における該上側傾斜面上で
    型合わせ方向にスライド可能に配設すると共に、前記下
    側補助金型を構成する一組の分割型を第一及び第二の本
    体金型における該下側傾斜面上で型合わせ方向にスライ
    ド可能に配設した請求項1に記載のフィンボックスの射
    出成形用金型。
  3. 【請求項3】 前記上側補助金型を構成する一組の分割
    型および前記下側補助金型を構成する一組の分割型を、
    何れも、前記本体金型を構成する第一の本体金型と第二
    の本体金型の型合わせ面と同一の面上で型合わせするよ
    うにした請求項1又は2に記載のフィンボックスの射出
    成形用金型。
  4. 【請求項4】 前記第一の本体金型および前記第二の本
    体金型と前記上側補助金型を構成する一組の分割型の間
    に、該上側補助金型を構成する一組の分割型を型開閉作
    動せしめる油圧シリンダをそれぞれ配設すると共に、該
    第一の本体金型および該第二の本体金型と前記下側補助
    金型を構成する一組の分割型の間に、該下側補助金型を
    構成する一組の分割型を型開閉作動せしめる油圧シリン
    ダをそれぞれ配設した請求項1乃至3の何れかに記載の
    フィンボックスの射出成形用金型。
  5. 【請求項5】 前記羽根部材の成形キャビティを複数設
    けると共に、その少なくとも一つの羽根部材の成形キャ
    ビティにおいて、隣接する羽根部材の成形キャビティ側
    に向かって突出する突出片用成形キャビティを形成し、
    該突出片用成形キャビティにより、隣接する羽根部材に
    当接して羽根部材の回転運動を他の羽根部材に伝達する
    連動機構を構成する突出片を、該羽根部材の成形と同時
    に該羽根部材に一体形成するようにした請求項1乃至4
    の何れかに記載のフィンボックスの射出成形用金型。
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