JP2867573B2 - 投写型液晶表示装置 - Google Patents

投写型液晶表示装置

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JP2867573B2 JP2077845A JP7784590A JP2867573B2 JP 2867573 B2 JP2867573 B2 JP 2867573B2 JP 2077845 A JP2077845 A JP 2077845A JP 7784590 A JP7784590 A JP 7784590A JP 2867573 B2 JP2867573 B2 JP 2867573B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、特に液晶セル周辺の光学構成に特徴を有し
た、高画質な投射型液晶表示装置に関するものである。
従来の技術 近年、大画面ディスプレイとして、比較的容易に大画
面を得ることができる投射型表示装置が注目され、特
に、液晶パネルをライトバルブとして用いた投射型液晶
表示装置が商品化されている。
一般的な前面投写型液晶表示装置の光学系の概略を第
13図に示す。光源ランプ51で発した白色光を集光ミラー
52により集光し、さらに、2つのダイクロックミラー5
3、54により、波長域が400〜510nm程度の青色光(B)5
5と、波長域が490〜580nm程度の緑色光(G)56と、波
長域が570〜700nm程度の赤色光(R)57とに分離する。
この3色の光をそれぞれ青色用液晶パネル58、緑色用液
晶パネル59、赤色用液晶パネル60に入射することによ
り、それぞれの光に対し、光強度を空間的に変調する。
さらに、各パネルを出射した光を2つのダイクロックミ
ラー61、62により合成し、投写レンズ63により前方のス
クリーン64上に投射する。これにより、大画面のカラー
表示を得ることができる。
ここで用いたそれぞれの液晶パネルには、光変調を制
御する液晶駆動回路が接続されており、外部からの電気
信号により、画面表示がコントロールされる。
この投写型液晶表示装置においては、一般的に薄膜ト
ランジスタ等を組み込んだアクティブマトリクス型のツ
イストネマティック液晶パネル(以下、TN液晶パネルと
記す。)が用いられている。このアクティブマトリクス
型TN液晶パネルの断面図を第14図に示す。液晶パネル
は、数万〜数十万個の画素電極7と薄膜トランジスタ9
をマトリクス状に備えたアレイ基板5aと、共通電極8を
設けた対向基板5bとの間に液晶層6を設けた液晶セル
1、および、その両側に設置された2枚の偏光板2a,2b
から構成されている。
前記基板の内面はラビング等により配向処理されてお
り、上下基板の配向方向はほぼ90゜交差するように設定
される。これにより、液晶は分子長軸を基板近傍では配
向方向に向けるため、液晶層中ではねじれた状態(以
下、ツイストと表す)となる。この液晶セルに光を透過
させると、液晶分子の複屈折性とねじれ配列により、光
が旋回する(以下、旋光と表す)。ところが、液晶セル
に電圧を印加すると液晶層の厚み方向に電界が発生し、
液晶分子の誘電率異方性により、液晶の分子軸が電界方
向に立ち上がる。これにより、液晶分子のねじれは解消
され、旋光性が消失する。
この液晶セルの両面に偏光板2a,2bを配置し、印加電
圧を変化させることにより、液晶パネルを透過する光量
を調節する事が出来る。ここで、2枚の偏光板2a、2bの
透過軸方向を平行に設定すると電圧無印加時に暗表示と
なるノーマリブラックモード(NBモード)となり、2枚
の偏光板の透過軸方向を直交に設定すると電圧無印加時
に明表示となるノーマリホワイトモード(NWモード)と
なる。投写型液晶表示装置用の液晶パネルとしては、開
口率が大きいく、明るい表示を行なうことのできるNBモ
ードが有効である。
前記の液晶層での旋光性は波長により異なるため、液
晶パネルの透過率は波長により異なる(以下、この現象
を旋光分散と表す)。したがって、波長域の異なる光が
入射するR,G,B各色用パネルでは、光学特性をそれぞれ
の波長に適応させることが必要となる。そこで、NBモー
ドでは、ある程度のコントラストおよび黒表示を行なう
ためには、B,G,R各色用の液晶パネルの液晶層厚をそれ
ぞれの光の波長に応じて個々に設定するか、または、前
後に配置する偏光板の光学軸の設定角度を変化させる必
要があった。
第15図に液晶層厚を個々に設定したB,G,R各色用パネ
ルの暗表示時の分光透過率特性を示す。B用パネルでは
460nm付近の光、G用パネルでは540nm付近の光、R用パ
ネルでは610nm付近の光が遮断されているが、旋光分散
のために遮光される波長域は狭い。一方、これらのパネ
ルに入射する光の強度分布を第16図に示す。これは白色
光をダイクロックミラーで分離して得たものであるが、
各色光共に100nm程度の幅を持っている。この程度の波
長幅は明るい表示を得るために必要なものである。これ
から、第16図に示す各色光を第15図で示した各色用液晶
パネルでは充分に遮光することはできず、これら3色を
合成した画面表示においては、高コントラスト表示や純
粋な黒表示を行なうことができない。上記の構成で得ら
れたコントラストを第1表に示す。
さらに、投写型液晶表示装置では、高出力光源を用い
るため、装置全体および液晶パネルの温度が使用中に徐
々に上昇し、室温よりも20℃程度高くなる。これによ
り、液晶パネルの分光特性が変化し、透過率最低波長が
第15図よりも各パネルとも約20nm程度短波長側にシフト
する。したがって、第16図で示した各色光とのズレが大
きくなり、さらに画質が悪化する。さらに、この方法で
は各色用に対して、異なる液晶セルを必要とするため、
製造上煩雑であり不利である。
また、B,G,R毎に偏光板の光学軸の設定角度を変化さ
せる構成では、第15図で示した特性よりも遮光性が悪い
ために、さらに画質は劣ることになる。
そこで、上記のような問題を解消するための方法とし
て、各色用液晶パネルに対して、液晶の複屈折率Δnと
液晶層厚dの積Δndが等しくツイスト方向が逆の補償用
液晶セルを付加する方法が特開平1−277282号(特願昭
63−106404号)公報で示されている。この方法によれば
高コントラストで、純粋な黒表示を実現することができ
る。しかし、画質の点においては、画面の明るさが30%
程度低下するため、明るい表示を得ることが難しくな
り、また、倍の個数の液晶セルが必要となりコストが高
くなるという欠点があった。
発明が解決しようとする課題 以上のように、従来の方法では、明るい表示特性を示
しながら、高コントラストで純粋な黒表示を行なうこと
が難しく、また、温度変化により画質がいっそう悪化し
ていた。さらに、製造コスト面においても不利であっ
た。
本発明はこれらの課題を解決しようとするものであ
る。
課題を解決するための手段 波長帯域の異なる光線が通過する複数の光路を備えた
投写型液晶表示装置であって、少なくとも2つ以上の前
記光路中に、一対の偏光手段と、ツイストネマティク液
晶セルと、少なくとも1枚の位相板からなる光学構成を
配置し、前記光学構成にあって、液晶セル基板の配向方
向と位相板の遅相軸と偏光手段の遮光軸の設定角度、ま
たは、位相板のレタデーション値が、前記光学構成毎に
異なる構成とする。
作 用 液晶セルと偏光手段の間に複屈折性を示す位相板(以
下、位相子とも称す)を挿入することにより、液晶セル
を通過した前または後の偏光状態を変化させ、2つの偏
光手段と前記位相子と液晶セルからなる光学構成の分光
透過特性を変化させることができる。この現象を利用
し、位相子および偏光手段の光学軸の配置角度を適当に
設定することにより、暗表示時に遮光でき、しかも、明
表示時に高透過率が得られる特性、すなわち、入射する
光の強度分布に対応した分光透過特性を得ることができ
る。
また、液晶セルの温度変化による分光透過特性の変化
を考慮して、初期の分光透過特性の暗表示時における遮
光できる波長幅を広くしておくことにより、温度変化に
よる画質の劣化を少なくすることができる。
従って、上記手段により、投写型液晶表示装置に用い
る液晶パネルの光学特性において、暗表示時における遮
光性および明表示時の明るさを向上させることができ、
高コントラストで純粋な黒表示の投射表示を行なうこと
ができるものである。
また、液晶セルの温度変化に対しても、コントラスト
の低下や表示色の変化を少なくすることができる。さら
に、複数の液晶セルの光学特性を同一とすることが可能
となり、同一構成の液晶セルを使用することができ、ま
た、補償用の液晶セルを必要としないので、製造コスト
の低減にも有利となる。
実施例 以下本発明の実施例について図面を用いて説明する。
(実施例1) まず、本発明の実施例1について説明する。
本実施例は前面投写タイプの液晶表示装置であり、各
液晶セルには、NBモードの物を用いた実施例である。そ
して各液晶セルに対しそれぞれ2枚の位相板を用いると
共に、位相板の光学軸と偏光板の光学軸は液晶とは逆方
向にねじるように配置し、OFF時の液晶セルで発生する
旋光分散を補償して遮光特性を向上させ、明るく高コン
トラストな画質の投写表示を得るものである。
以下、第1図〜第4図に基づき実施例1を詳細に説明
する。第1図は投写型液晶表示装置の光学系の概略を示
す図であり、装置全体の光学系の概略構成は従来例とほ
ぼ同等で、光源ランプ51から発した白色光をダイクロイ
ックミラー53、54により、青、緑、赤色光55、56、57に
分離し、3枚の液晶パネル58、59、60に入射している。
また、第2図に前記青、緑、赤色光55、56、57の強度分
布を示す。
第3図(a)、(b)、(c)はそれぞれ前記青、
緑、赤色光55、56、57の光路に設置され、偏光板、TN液
晶セル及び位相子からなる光学構成(以下、この2枚の
偏光板と、それら偏光板にはさまれた光学要素とを含め
て液晶パネルと記す)とその光学軸の設定角度を示すも
のである。
それぞれの液晶パネルは共に第3図に示すように2枚
の偏光板2a,2bと液晶セル1および2枚の位相板3a,3bか
ら構成されており、2枚の位相板3a,3bは液晶セル1と
出射側偏光板2bの間に配置されている。
ここで用いた液晶セル1は画素数約9万のNBモードの
もので、断面構成は第14図で示したものと同じであり、
セル単体では、B、G、R用の3枚とも構成および光学
特性は同一で、液晶のツイスト角は88゜で右ねじれであ
り、液晶の複屈折率Δnは0.093、液晶層の厚さは5.0μ
mである。
ここで光軸の設定角度および液晶のねじれ方向につい
て定義しておく。光軸の設定角度は出射側から見て反時
計方向を正、時計方向を負とし、ねじれ方向については
出射側から見て光が進行するにつれて反時計方向に回転
することを右ねじれとする。
B用パネルにおいては入射側の位相板3aはレタデーシ
ョン値Δnd=300nm、出射側の位相板3bはΔnd=450nmの
ものを用い、各光学軸を第3図(a)のように設定して
おり、液晶セルの出射側配向方向11bと2枚の位相板の
遅相軸13a、13b、出射側偏光板の透過軸方向12bは光の
進行方向に対し左ねじれに配置されたものから、出射側
位相板の遅相軸13bが90゜回転した構成となっている。
G用パネルではΔnd=300nmのものを2枚用い、各光
学軸を第3図(b)のように設定しており、角度は異な
るが光学軸構成は青用パネルとほぼ同等である。
R用パネルも2枚とも同じレタデーションの位相板を
用い、Δnd=450nmのものを用い、各光学軸を第3図
(c)のように設定しており、2枚の位相板の遅相軸13
a、13b、出射側偏光板の透過軸方向12bは光の進行方向
に対し左ねじれに配置されているが、液晶セルの出射側
配向方向11bと入射側位相板の遅相軸13aは、ほぼ90゜の
角度をなす構成となっている。
この様に、光軸の設定角度やレタデーションの値を各
色毎に設定した上記構成によれば、第4図に示した各色
用パネルの光学特性(電圧無印加時の分光透過率特性)
からも明かな様に、各パネルに入射する光の強度分布に
対応した波長域で、投下率が十分に低くなっており、従
って良好な遮光特性が得られることがわかる。その結
果、明るく高コントラストの画像が得られる。
第2表に上記の構成の各色用パネルのセル温度25℃で
のコントラストを示す。非常に良好なコントラスト値で
あり、従来例に比べ大幅に向上していることが判る。
特に、B、G用のパネルにおいては、2枚の位相板の
値相軸をほぼ直交配置した場合には、ON時の明るさがよ
り向上し、また有効視野が拡大されて画面の周囲まで良
好な表示が可能となり、またパネルに対して広い角度の
光を入射させることが出来、より明るい表示が可能とな
る等の優れた効果が得られた。
また第4図に示すように、各パネルの透過率の低い波
長域は、第2図の光源の強度分布よりもやや長波長側に
広く設定することが可能である。これによって液晶セル
温度が上昇した場合にも良好な遮光特性を維持すること
が可能であり、高温になりやすい投写型液晶表示装置で
は非常に有効で、温度が45℃の状態においても25℃の場
合(第2図参照)とほぼ同等のコントラストが得られ
た。
さらに、本構成では電圧印加時にも有効に作用し、明
表示時の明るさも向上する。本構成の各パネルの明表示
時の輝度を、従来構成の輝度を100として、第3表に示
すが、赤用パネルは従来と同等であるが、青,緑用パネ
ルは明るくなっている。
また、各色用パネルの中間調表示時の色調の変化も従
来構成に比べて小さく、投写表示画面における色再現性
も向上している。
本実施例は前面投写タイプであるが、背面投写タイプ
としても良好な画面表示が得られた。
本実施例では、各色用パネルは同一の物を使用でき、
コスト面をはじめとして製造上、大なるメリットを有す
るものである。
(実施例2) 次に、本発明の実施例2について説明する。
本実施例は画面サイズ40インチの背面投写タイプの液
晶表示装置であり、また、一つの液晶セルに対してのみ
位相板を用いるだけでよく、低コストで実用上良好な画
質が得られるものである。
以下、第5図〜第7図に基づき実施例2を説明する。
第5図は投写型液晶表示装置の光学系の概略を示す図で
あり、光をスクリーン64の後方から照射して投写表示す
るもので、光源および光学系とスクリーンが一体になっ
ているものである。光源ランプ51から発した白色光をダ
イクロイックミラー53、54により、青、緑、赤色光55、
56、57に分離し、3枚の液晶パネル58、59、60に入射し
ている。さらに、前記各色用パネルで各色の光強度が変
調され、それぞれ投写レンズ63を介してスクリーン64上
に照射、合成されてカラー表示が得られる。ここで、前
記青、緑、赤色光55、56、57は第2図で示した実施例1
と同じ強度分布である。
第6図(a)は、青色光55の光路に設置され、偏光板
とTN液晶セル、位相子からなる光学構成とその光学軸設
定角度を示すもので、第6図(b)、(c)は緑、赤色
光56、57の光路に設置され、偏光板とTN液晶セルからな
る光学構成とその光学軸設定角度を示すものである。
本実施例では青色用パネルにのみ、位相子3aを用いて
おり、緑,赤色用パネルの構成は従来と同じで位相子は
用いていない。位相子は青色用パネルのみにしか用いて
いないが、液晶層での旋光分散の影響が最も大きいのは
短波長の青色光であり、この青色光の遮光性を十分に向
上させることで、実用上問題の無い画質が得られるので
ある。
本実施例で用いた液晶セル1はNBモードで、第14図で
示した液晶セルの構成と同じであり、セル単体では3枚
共構成、光学特性は同一である。液晶のツイスト角は88
゜で右ねじれであり、液晶の複屈折率Δnは0.093、液
晶層の厚さは5.0μmである。青色用パネルに用いた位
相子のレタデーション値はΔnd=270nmであり、第6図
(a)に示すように、液晶セルの出射側配向方向11bと
位相板の遅相軸13、出射側偏光板の遮光軸方向12b′は
光の進行方向に対し左ねじれに配置されている。
上記の構成の前記各色用パネルの光学特性を第7図に
示す。ここで、実線は本実施例の電圧無印加時の分光透
過率特性を示す曲線であり、破線は青色用パネルに位相
子を用いない場合の特性を示すものである。この図か
ら、青色用パネルの透過率の低い波長域が広くなり、遮
光性が改善していることがわかる。その結果、青色用パ
ネルのコントラストは従来に比べ2倍程度に向上し、実
用上良好な画質を得ることができた。
(実施例3) 以下に、本発明の実施例3について説明する。
本実施例は前面投写タイプの液晶表示装置であり、各
色用液晶セルのそれぞれに2枚の位相子を用い、更に各
液晶セルは入射光の波長に最適化した各色用液晶セルを
用いることにより、遮光性が実施例1に比べて更に向上
され、より高画質の投写表示が得られるものである。
投写型液晶表示装置の光学系の概略は実施例1と同じ
で、第1図に示したものである。したがって、青、緑、
赤色光55、56、57の強度分布も第2図に示すものと同等
である。
第8図は前記青、緑、赤色光55、56、57の光路に設置
される液晶パネルの光学軸設定角度を示すものである。
各色用共、角度設定はまったく同じであり、2枚の偏光
板2a,2bと液晶セル1および2枚の位相板3a,3bから構成
され、2枚の位相板3a,3bは液晶セル1と出射側偏光板2
bの間に配置されている。各光学軸を、液晶セルの出射
側配向方向11bと2枚の位相板の遅相軸13a,13b、出射側
偏光板の透過軸方向12bと直交する遮光軸方向は光の進
行方向に対し左ねじれに配置してある。前記位相板のレ
タデーション値は、各色用パネル毎に異なっており、B
用パネルにはΔnd=240nm、G用パネルには270nm、R用
パネルには300nmの位相板を用いた。
また、ここで用いた液晶セル1はNBモードで、画素数
約30万の高密度アクティブマトリクスを備え、断面構成
は第14図で示したものと同じであるが、液晶層厚は青色
用が4.4μm、緑色用が5.0μm、赤色用が5.7μmであ
る。いずれも液晶のツイスト角は88゜で右ねじれであ
り、液晶の複屈折率Δnは0.0935である。
上記の構成の前記各色用パネルの光学特性を第9図に
示す。これは、電圧無印加時の分光透過率特性のグラフ
であり、透過率の低い波長域が広く、良好な遮光特性が
得られている。したがって、コントラストは実施例1の
場合よりも優れた値を示し、また、温度変化に対しても
コントラストの劣化は少なく、高精細で良好な投写表示
が得られ、100インチに拡大しても充分な画質のフルカ
ラー表示を得ることができた。
(実施例4) ここではNWモードの液晶パネルを用いた投写型液晶表
示装置の実施例を示す。
NWモードでは、電圧無印加時に明表示となり、電圧印
加時に暗表示となるため、暗表示時において液晶の旋光
分散の影響を受けないため、良好な遮光性と高コントラ
ストを実現し易いが、投写型表示装置として重視される
明るさに関しては問題があった。これは、NWモードでは
開口率をあまり大きくできないということと、明表示時
に液晶の旋光分散が生じるためである。
そこで、本実施例では、位相子を付加することによ
り、明表示時における液晶の旋光分散を補償し、明るい
投写表示を得ようとするものである。
投写装置本体は実施例1と同じで、液晶セルの断面構
成も実施例1と同じであるが、液晶セルに接続されてい
る駆動回路はNW用のものである。
第10図(a)、(b)、(c)はそれぞれ青、緑、赤
色用の液晶パネルの構成を示すが、いずれも2枚の偏光
板2a,2bと液晶セル1および2枚の位相板3a,3bから構成
されており、2枚の位相板3a,3bは液晶セル1と出射側
偏光板2bの間に配置されている。位相子は全て、レタデ
ーション値Δnd=300nmのものを用いた。
本実施例の構成により、明表示時の輝度を20%程度向
上することができ、良好な画質のカラー投写表示を得る
ことができた。
(実施例5) 本実施例は液晶による旋光分散を補償用液晶セルによ
り補償し、これにさらに、位相板を用いることにより、
投写画面の隅々まで良好な表示特性を持つ液晶表示装置
に関するものである。
液晶による旋光分散を補償用液晶セルにより補償する
方式は、広い波長帯域において良好な遮光特性を示し、
コントラストや色再現性に優れている。しかし、この方
式では明表示の輝度や、良好な特性の得られる光入射角
度範囲が狭いことから発生する周囲画面の画質劣化が問
題となっていた。
本実施例では、光学軸がほぼ直行した2枚の位相板を
挿入することにより、前記の良好な特性の得られる光入
射角度範囲を広げ、周囲画面の画質劣化を解消する構成
となしたものである。
投写装置の光学系の概略は第1図に示したものと同じ
である。また、第11図に液晶パネルの構成を示すが、表
示用液晶セル1と出射側偏光板2bの間に補償用セル5お
よび2枚の位相板3a,3bが配置されている。これらの構
成およびそれぞれのセル等は青、緑、赤用パネルに対し
すべて同じに設定してある。ここで用いた表示用液晶セ
ル1のツイストは右ねじれの88゜であり、液晶の複屈折
率Δnは0.095、液晶層の厚さは4.8μmで均一である。
これに対し、補償セル5のツイストは左ねじれの88゜で
あり、液晶の複屈折率および液晶層厚は表示用セル1と
同じである。また、ここで用いた位相子はすべてΔnd=
300nmであり、2枚の光学軸は直角に設定されている。
以上の構成により、大画面に拡大した投写画面の隅々
まで、コントラストおよび色再現性に優れた表示特性を
得ることができた。
(実施例6) 本実施例は以上のように位相子を用いた投写型液晶表
示装置において、位相子および偏光板の光学軸の設定角
度を調整出来る機構を備えた実施例であり、この角度調
整機構を設けることにより、温度変化やランプ・偏光板
の劣化による色調の変化等を補償することができ、さら
に、画質最適化のための角度の微調整や表示画面の色あ
い調整を機械的に行なうことも可能となる。
本実施例では位相板を1枚使用した液晶パネルを青、
緑、赤色用に3枚用い、全体構成としては第5図に示し
たものと同じである。第12図は本実施例の一液晶パネル
の光学軸角度調整機構の概略を示す図である。角度調整
は位相板3と出射側偏光板2bに対して行なわれ、それぞ
れ、軸79に対し回転可能なホルダー77、78に取り付けら
れている。温度の検出は液晶セル1の近傍に取り付けら
れた温度検出器71により行なわれ、その信号をコントロ
ーラ72で処理し、モータ73が駆動され、モータの軸に取
り付けられた歯車74、75により、位相板3と出射側偏光
板2bの設定角度が変化する。
本構成を第1から5までの実施例に適応することによ
り、温度が変化しても、初期に設定した画質を保つこと
ができ、良好なフルカラー表示を得ることができた。
本実施例においては、駆動モータを一つとしたが、駆
動される光学子に対応して、複数の駆動モータを備える
ことにより、より一層の温度補償等を行なうことが可能
となる。
以上の実施例では、位相子としてポリカーボネイトま
たはポリビニルアルコールを延伸して作製された光の位
相差を生じるフィルムを用いた。しかし、位相子として
は複屈折性を示し、透過率の高いものであればよく、水
晶等の結晶性のものでもよい。
また、以上の実施例では、偏光手段として高分子フィ
ルムの偏光板を用いたが、偏光ビームスプリッタなどを
光路中に設定することにより、偏光を得ることもでき
る。
さらに、以上の実施例では、何れも位相子は液晶セル
の出射側に配置されているが、入射側に配置してもよ
く、更には複数の位相子を出射側と入射側の両側に分け
て配置してよい。
また、位相子の枚数は2枚に限定されるものでない。
位相子は、複数の位相子をその光学軸を僅かにずらし、
表示用の液晶セルのツイスト方向とは逆方向にねじるよ
うに配置することにより、旋光分散補償セルと同等の効
果を得ることが出来るものである(位相子で液晶分子の
複屈折効果を模擬している)。従って、位相子の枚数が
多くなるに従い、コストは上昇するものの隣合う位相子
の光学軸の交角を狭く連続させて液晶分子の配列に、よ
り近似させることが可能となり効果的である。そして、
投射型液晶表示装置の様に入射する光の波長幅がある程
度狭い場合には、位相子を1枚用いるだけでも実用的な
旋光分散補償効果を得ることが出来る。従って、本発明
の位相子の枚数は、要求される画質やコスト等に応じて
適宜設定することができるものである。
発明の効果 以上説明したように、本発明によれば投写型液晶表示
装置の暗表示時の遮光性を向上させることができ、さら
に、電圧無印加時の着色、色調のずれを解消でき、より
高コントラストで色再現性の良好な投写型表示装置を実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例1の投写型液晶表示装置におけ
る光学構成の概略図、第2図は各液晶パネルに入射する
光の分光特性図、第3図は光学軸の設定状態図、第4図
は実施例1における暗表示時の透過率特性図、第5図は
本発明の実施例2の装置における光学構成の概略図、第
6図は光学軸の設定状態図、第7図は実施例2における
暗表示時の透過率特性図、第8図は本発明の実施例3に
おける光学軸の設定状態図、第9図は実施例3における
暗表示時の透過率特性図、第10図は本発明の実施例4に
おける光学軸の設定状態図、第11図は本発明の実施例5
における光学軸の設定状態図、第12図は実施例における
光学軸の設定角度の調整機構の概略図、第13図は従来の
前面投写型液晶表示装置における光学構成図、第14図は
従来の投射型液晶表示装置にもちいる液晶パネルの一般
的な構成を示す断面図、第15図は従来の投射型液晶表示
装置にもちいる一般的な液晶パネルの暗表示時の分光透
過率特性図、第16図は従来の前面投写型液晶表示装置の
液晶パネルに入射する光の分光特性図である。 1……液晶セル、2a,2b……偏光板、3a,3b……位相板、
11a……入射側配向方向、11b……出射側配向方向、12a
……入射側偏光板透過軸方向、12b……出射側偏光板透
過軸方向、13a、13b……遅相軸方向、58……青色用パネ
ル、59……緑色用パネル、60……赤色用パネル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−11289(JP,A) 実開 平2−123987(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/13 505 G02F 1/1335 510

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波長帯域の異なる光線が通過する複数の光
    路を備え、少なくとも2つの前記光路中に、一対の偏光
    手段とツイストネマティック液晶セルと位相板とから少
    なくともなる光学構成を配置し、前記光学構成にあって
    は、液晶セル基板の配向方向と位相板の遅相軸もしくは
    偏光手段の遮光軸との設定角度または位相板のレタデー
    ション値が前記光学構成毎に異なることを特徴とする投
    写型液晶表示装置。
  2. 【請求項2】波長帯域の異なる光線が通過する複数の光
    路を備え、それぞれの光路中に一対の偏光手段とツイス
    トネマティック液晶セルとから少なくともなる光学構成
    を備え、最も短波長域の光線が通過する光路中の前記光
    学構成にのみ位相板を配置したことを特徴とする投写型
    液晶表示装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の投写型液晶表示装
    置であって、少なくとも1つの光学構成にあっては、2
    枚の位相板を配置し、前記2枚の位相板の遅相軸がほぼ
    直交していることを特徴とする投写型液晶表示装置。
  4. 【請求項4】請求項1または2記載の投写型液晶表示装
    置であって、光学構成における位相板の遅相軸、偏光手
    段の遮光軸または前記遅相軸と前記遮光軸の両光学軸の
    設定角度が別に設けた温度検出手段の検出結果に連動し
    て調節される構成となっていることを特徴とする投写型
    液晶表示装置。
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