JP2866598B2 - ガス量調節装置 - Google Patents

ガス量調節装置

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JP2866598B2
JP2866598B2 JP11059595A JP11059595A JP2866598B2 JP 2866598 B2 JP2866598 B2 JP 2866598B2 JP 11059595 A JP11059595 A JP 11059595A JP 11059595 A JP11059595 A JP 11059595A JP 2866598 B2 JP2866598 B2 JP 2866598B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスコンロやガスオー
ブンなどの各種のガス器具に使用するガス量調節装置に
関し、より詳しくは、バーナ本体に連通可能なガス流路
を備える器具栓本体と、前記ガス流路に形成の弁孔の開
口度を変更調節するために前記器具栓本体の挿通孔内に
抜き差し自在、かつ、摺動自在に挿入される弁体と、こ
の弁体の操作用突起に係合するカム溝を備えるカム部材
と、このカム部材を回動操作する操作体とを有するガス
量調節装置に関する。
【0002】
【従来の技術】このような構成のガス量調節装置は、従
来より種々のものが知られており、一般的には、例えば
特開平6−42736号公報に開示のように、前記カム
部材が板状体から構成され、このカム部材に設けるカム
溝が貫通孔から構成されていて、この貫通孔からなるカ
ム孔内に弁体の操作用突起を挿入位置させ、操作体によ
るカム部材の回動で前記弁体を摺動移動させるべく構成
されている。そして、従来のものは、前記カム孔がその
全周を密閉された完全な貫通孔で構成されており、ま
た、このカム孔を備えるカム部材も、ボルトなどによっ
て回動のみ可能に取り付けられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
ガス量調節装置においては、ガス種の転換などによって
使用するガスの種類が変わると、使用ガスの種類に応じ
て、ガス流路の弁孔の開口度を変更調節する弁体を交換
する必要がある。その場合、上述した従来のものでは、
弁体に固着の操作用突起が、全周を密閉された貫通孔か
らなるカム孔内に挿入位置されており、しかも、このカ
ム孔を備えたカム部材が、回動のみ可能に取り付けられ
ていたため、前記カム部材を取り外さない限り、弁体を
抜き取ることも、また、新たな弁体を挿入することもで
きず、弁体の交換時においては、このカム部材の取り外
し作業が不可欠なものであった。同様に、弁体の保守点
検時や、弁体によっては、弁体の取り付け角度を変更し
て使用するようなことも考えられ、いずれにせよ、弁体
を抜き取ったり挿入したりする際、カム部材の取り外し
が必要で、この点に改良の余地があった。
【0004】本発明の目的は、ガス種転換時などのよう
に弁体を交換する際、いちいちカム部材を取り外した
り、カム部材を再び取り付けたりする必要がなく、極力
簡単、容易に弁体を交換できるガス量調節装置の提供に
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明によるガス量調節装置の第1の特徴構成は、
バーナ本体に連通可能なガス流路を備える器具栓本体
と、前記ガス流路に形成の弁孔の開口度を変更調節する
ために前記器具栓本体の挿通孔内に抜き差し自在、か
つ、摺動自在に挿入される弁体と、この弁体の操作用突
起に係合するカム溝を備えるカム部材と、このカム部材
を回動操作する操作体とを有するガス量調節装置であっ
て、前記カム部材のカム溝に一端が開口する抜き差し用
溝を連通してある点にある。
【0006】第2の特徴構成は、前記抜き差し用溝をほ
ぼ直線状に構成し、前記カム部材の回動によって、この
直線状の抜き差し用溝を前記挿通孔の軸芯とほぼ平行に
することを可能に構成してある点にある。
【0007】第3の特徴構成は、前記カム部材から一体
的に前記操作体を連設し、前記カム部材を中心として、
このカム部材の回動軸を前記操作体の反対側に位置さ
せ、かつ、前記抜き差し用溝の開口を前記操作体側に位
置させてある点にある。
【0008】第4の特徴構成は、前記カム溝の一端部に
ほぼ直線状の抜き差し用溝を連通するとともに、前記カ
ム部材を弾性体によって前記操作用突起側に弾性付勢
し、この弾性付勢力に抗して前記カム部材をその回動軸
側を中心として操作用突起から離間する方向に揺動さ
せ、かつ、このカム部材を前記カム溝と操作用突起との
作動範囲を越える位置まで回動することにより、前記直
線状の抜き差し用溝を前記挿通孔の軸芯とほぼ平行にす
ることを可能に構成してある点にある。
【0009】第5の特徴構成は、前記直線状の抜き差し
用溝が前記挿通孔の軸芯とほぼ平行になる位置で前記カ
ム部材の位置を規制する位置規制部を設けてある点にあ
る。
【0010】第6の特徴構成は、前記位置規制部を前記
カム部材の回動を阻止するストッパ部とカム部材が乗り
上げ可能な段部とから構成し、かつ、これらストッパ部
と段部とを前記器具栓本体と一体的に形成してある点に
ある。
【0011】第7の特徴構成は、前記カム部材と操作体
とを板状体から一体的に形成し、かつ、前記カム溝と抜
き差し用溝とを貫通孔から構成するとともに、前記カム
部材を操作用突起側に弾性付勢する弾性体をつる巻きば
ねで構成してある点にある。
【0012】第8の特徴構成は、バーナ本体に連通可能
なガス流路を備える器具栓本体と、前記ガス流路に形成
の弁孔の開口度を変更調節するために前記器具栓本体の
挿通孔内に抜き差し自在、かつ、摺動自在に挿入される
弁体と、この弁体の操作用突起に係合するカム溝を備え
るカム部材と、このカム部材を回動操作する操作体とを
有するガス量調節装置であって、前記カム部材を弾性体
によって前記操作用突起側に弾性付勢し、この弾性付勢
力に抗して前記カム部材を操作用突起から離間する方向
に移動可能に構成してある点にある。
【0013】第9の特徴構成は、前記カム部材から一体
的に前記操作体を連設し、前記カム部材を中心として、
このカム部材の回動軸を前記操作体の反対側に位置さ
せ、この回動軸側を中心として前記カム部材を操作用突
起から離間する方向に揺動可能に構成してある点にあ
る。
【0014】
【作用】本発明の第1の特徴構成によれば、器具栓本体
の挿通孔内に抜き差し自在、かつ、摺動自在に挿入され
る弁体の操作用突起に係合するカム溝に、一端が開口す
る抜き差し用溝を連通するものであるから、弁体の操作
用突起を前記抜き差し用溝内を通過させることによっ
て、前記カム溝を備えるカム部材を取り外すことなく、
弁体を器具栓本体の挿通孔から抜き取ることができる。
同様に、新たな弁体を挿通孔に挿入する際にも、弁体の
操作用突起を抜き差し用溝内を通過させることで、カム
部材を取り外すことなく、新たな弁体を挿入することが
できる。
【0015】第2の特徴構成によれば、前記抜き差し用
溝をほぼ直線状に構成し、前記カム部材の回動によっ
て、この直線状の抜き差し用溝を前記挿通孔の軸芯とほ
ぼ平行にすることを可能にするものであるから、直線状
の抜き差し用溝を挿通孔の軸芯とほぼ平行にすること
で、器具栓本体の挿通孔に対し、弁体を容易、迅速に抜
き取ったり、挿入したりすることができる。
【0016】すなわち、前記抜き差し用溝は、必ずしも
直線状である必要はなく、曲線状であっても、折曲して
いても良いが、曲線状や折曲している場合には、前記操
作用突起の抜き差し用溝内通過の際、この溝の曲線や折
曲部に対応して、カム部材を適宜回動させながら通過さ
せる必要がある。しかしながら、抜き差し用溝をほぼ直
線状にし、かつ、この直線状の抜き差し用溝を挿通孔の
軸芯とほぼ平行にするを可能にすることで、カム部材を
回動操作する必要もなく、弁体を容易、迅速に抜き取っ
たり、挿入することができる。
【0017】第3の特徴構成によれば、前記カム部材か
ら一体的に前記操作体を連設し、カム部材の回動軸周り
に両者を一体的に回動させるものであるから、カム部材
と操作体とを別体に構成し、かつ、それぞれ回動可能に
構成して、両者を連動連結するものに比して、構造の簡
素化を図ることができるとともに、操作体によるカム部
材の操作も、より確実なものとなる。さらに、前記カム
部材を中心として、カム部材の回動軸を操作体の反対側
に位置させ、かつ、前記抜き差し用溝の開口を前記操作
体側に位置させるものであるから、通常、操作し易い方
向にある操作体側から、かつ、前記回動軸に邪魔される
ようなこともなく、前記弁体の抜き取りと挿入とをより
一層容易、迅速に行うことができる。
【0018】第4の特徴構成によれば、前記カム溝の一
端部にほぼ直線状の抜き差し用溝を連通するとともに、
前記カム部材を弾性体によって操作用突起側に弾性付勢
し、この弾性付勢力に抗して前記カム部材を操作用突起
から離間する方向に揺動させ、かつ、カム溝と操作用突
起との作動範囲を越える位置まで回動することにより、
直線状の抜き差し用溝を挿通孔の軸芯とほぼ平行にする
ことを可能にするものであるから、前記カム部材を揺動
させ、さらに、カム溝と操作用突起との作動範囲を越え
る位置にまで回動させない限り、直線状の抜き差し用溝
が挿通孔の軸芯と平行になることはなく、仮に、通常の
使用状態を逸脱して、装置そのものを極端に傾斜させた
り振動させたりしても、抜き差し用溝が挿通孔の軸芯と
平行になって、前記弁体が挿通孔から不測に抜け落ちる
ようなことがない。
【0019】このように、弁体の不測な抜け落ちが確実
に防止されるにもかかわらず、前記カム部材は、その回
動軸側を中心として操作用突起から離間する方向に揺動
可能であるから、このカム部材を中心として、前記回動
軸の反対側に位置する操作体を持って楽に揺動させるこ
とも、また、この操作体を持ってそのまま楽に回動させ
ることもでき、弁体の交換に際しては、その交換作業を
容易、迅速に行うことができる。
【0020】第5の特徴構成によれば、前記直線状の抜
き差し用溝が挿通孔の軸芯とほぼ平行になる位置で前記
カム部材の位置を規制する位置規制部を設けるものであ
るから、この位置規制部による規制位置にまでカム部材
を揺動、かつ、回動させれば、直線状の抜き差し用溝
が、確実に挿通孔の軸芯と平行になり、いちいち目視で
確認しながら調整する必要もなく、弁体の交換作業をよ
り楽に、迅速に行うことができる。
【0021】第6の特徴構成によれば、前記位置規制部
を前記カム部材の回動を阻止するストッパ部とカム部材
が乗り上げ可能な段部とから構成し、かつ、これらスト
ッパ部と段部とを前記器具栓本体と一体的に形成するも
のであるから、部品点数を少なくし得るのは勿論、前記
段部にカム部材を乗り上げさせることにより、弁体交換
時に、例えば操作体を持ったままで作業をする必要がな
く、弁体の交換を容易に行うことができる。
【0022】第7の特徴構成によれば、前記カム部材と
操作体とを板状体から一体的に形成し、かつ、前記カム
溝と抜き差し用溝とを貫通孔から構成するとともに、前
記カム部材を操作用突起側に弾性付勢する弾性体をつる
巻きばねで構成するものであるから、カム部材や操作体
を1枚の板状体から簡単、安価に製作し得るとともに、
特にカム部材付勢用の弾性体をつる巻きばねで構成する
ことにより、例えば、カム部材の回動軸にコイルスプリ
ングを外嵌して弾性付勢する場合などに比較して、カム
部材回動時の摩擦抵抗を少なくすることができ、通常の
使用時におけるカム部材の回動操作を円滑に行うことが
できる。
【0023】第8の特徴構成によれば、器具栓本体の貫
通孔内に抜き差し自在、かつ、摺動自在に挿入される弁
体の操作用突起に係合するカム溝を備えるカム部材を、
弾性体によって前記操作用突起側に弾性付勢し、この弾
性付勢力に抗して前記カム部材を操作用突起から離間す
る方向に移動可能に構成するものであるから、カム部材
を操作用突起から離間する方向に移動し、この操作用突
起とカム溝との係合を外すことによって、前記カム溝を
備えるカム部材を取り外すことなく、弁体を器具栓本体
の挿通孔から抜き取ることができる。同様に、新たな弁
体を挿通孔に挿入する際にも、カム部材を操作用突起か
ら離間する方向に移動することで、カム部材を取り外す
ことなく、新たな弁体を挿入することができる。
【0024】第9の特徴構成によれば、前記カム部材か
ら一体的に前記操作体を連設し、カム部材の回動軸周り
に両者を一体的に回動させるものであるから、カム部材
と操作体とを別体に構成し、かつ、それぞれ回動可能に
構成して、両者を連動連結するものに比して、構造の簡
素化を図ることができるとともに、操作体によるカム部
材の操作も、より確実なものとなる。その上、前記カム
部材を中心として、カム部材の回動軸を操作体の反対側
に位置させ、この回動軸側を中心として前記カム部材を
操作用突起から離間する方向に揺動可能に構成するもの
であるから、操作し易い方向にある操作体を持ってカム
部材を容易に揺動させることができ、かつ、前記回動軸
に邪魔されるようなこともなく、弁体の交換作業を容
易、迅速に行うことができる。
【0025】
【発明の効果】以上のように、第1の特徴構成によれ
ば、弁体の操作用突起に係合するカム溝に抜き差し用溝
を連通することで、ガス種転換時などのように弁体を交
換する際、いちいちカム部材を取り外す必要もなく、弁
体の交換作業を簡単に行うことができる。
【0026】第2の特徴構成によれば、抜き差し用溝を
ほぼ直線状に構成することで、弁体の交換時に、カム部
材を回動させながら器具栓本体の挿通孔から弁体を抜き
取ったり、挿入したりする必要がなく、弁体の交換を容
易、迅速に行うことができる。
【0027】第3の特徴構成によれば、カム部材から一
体的に操作体を連設することで、構造の簡素化を図り、
このカム部材と操作体とを回動軸周りに一体的に回動さ
せることにより、操作体によるカム部材の操作を確実に
するとともに、弁体の交換作業においても、操作し易い
方向にある操作体側から、前記回動軸に邪魔されること
もなく、前記弁体の抜き取りと挿入とをより一層容易、
迅速に行うことができる。
【0028】第4の特徴構成によれば、カム部材を揺動
させ、かつ、通常の作動範囲を越える位置にまで回動さ
せない限り、直線状の抜き差し用溝が挿通孔の軸芯と平
行になることはなく、装置そのものを極端に傾斜させた
り振動させたとしても、弁体が挿通孔から不測に抜け落
ちることがなく、それでいて、弁体の交換作業時におい
ては、操作体を持ってカム部材を楽に揺動させること
も、回動させることもでき、弁体の交換作業を容易、迅
速に行うことができる。
【0029】第5の特徴構成によれば、カム部材の位置
を規制する位置規制部を設けることで、直線状の抜き差
し用溝を容易に挿通孔の軸芯と平行にすることができ、
目視による調整も不必要で、弁体の交換作業を楽に、迅
速に行うことができる。
【0030】第6の特徴構成によれば、位置規制部を器
具栓本体と一体的に形成することで、部品点数の減少を
図り、かつ、カム部材が乗り上げる段部を設けること
で、弁体交換時に、例えば操作体を持ったままで作業を
する必要がなく、弁体の交換を容易に行うことができ
る。
【0031】第7の特徴構成によれば、カム部材や操作
体を1枚の板状体から簡単、安価に製作することがで
き、さらに、カム部材を操作用突起側に弾性付勢する弾
性体をつる巻きばねにすることで、コイルスプリングな
どに比してカム部材回動時の摩擦抵抗を少なくして、カ
ム部材の回動操作を円滑に行うことができる。
【0032】第8の特徴構成によれば、カム部材を操作
用突起側に弾性付勢し、この弾性付勢力に抗して前記カ
ム部材を操作用突起から離間する方向に移動可能に構成
するすることで、ガス種転換時などのように弁体を交換
する際、カム部材を取り外す必要もなく、弁体の交換作
業を簡単に行うことができる。
【0033】第9の特徴構成によれば、カム部材から一
体的に操作体を連設することで、構造の簡素化を図り、
カム部材と操作体とを回動軸周りに一体的に回動させる
ことにより、操作体によるカム部材の操作を確実にし、
しかも、弁体の交換作業時においては、操作し易い方向
にある操作体を持ってカム部材を容易に揺動させること
ができ、前記回動軸に邪魔されることもなく、弁体の交
換作業を容易、迅速に行うことができる。
【0034】
【実施例】本発明によるガス量調節装置は、ガスコンロ
やガスオーブンなどの各種のガス器具に使用するもの
で、ガスコンロに適用した実施例につき、図面に基づい
て説明する。図1および図2に示すように、ガスコンロ
前面のパネル1の近くには、器具栓本体2が内装され、
この器具栓本体2に開口の導入口3から供給される燃料
ガスを、導出口4に固着のノズル5からバーナ本体6へ
供給するように構成されている。前記器具栓本体2は、
第1器具栓本体2a、第2器具栓本体2b、第3器具栓
本体2cの3つの鋳造部品からなり、それぞれの間にパ
ッキンを介装し、ボルトにより固着されて組み立てられ
ている。この組み立てた状態において、第1器具栓本体
2aに開口の導入口3が、ガス流路としてのメイン流路
7とパージ流路8とを介して第3器具栓本体2cに開口
の導出口4に連通接続されている。
【0035】第1器具栓本体2aの後端側には、電磁式
の安全弁9が内装され、前端側には、合成樹脂製の固定
枠10が固着されていて、この固定枠10に対して合成
樹脂製のスライダ11が摺動自在に内嵌されている。こ
のスライダ11には、金属製のバルブロッド12が固着
されて前記安全弁9側に延出され、このバルブロッド1
2の中間部には、前記パージ流路8の入口を開閉するパ
ージ弁13の弁体13aが形成されるとともに、開閉弁
14の弁体14aが固着されている。前記スライダ11
と固定枠10との間には、第1コイルスプリング15
が、前記開閉弁14の弁体14aと第1器具栓本体2a
との間には、第2コイルスプリング16がそれぞれ介装
され、これら両コイルスプリング15,16によって、
スライダ11がコンロの前面側に弾性付勢されている。
【0036】前記スライダ11の下面には、図8に示す
ように、第1溝17a、第2溝17b、第3溝17c、
第4溝17dをほぼハート型に連通して形成のハートカ
ム溝17が形成され、図7に示すように、固定枠10に
形成の穴10a内に回動自在に挿入されたU字状のピン
18の遊端部18aが、固定枠10に穿設の円弧状孔1
0bを挿通して、このハートカム溝17内に挿入されて
いる。このハートカム溝17は、第1溝17aの前端が
第2溝17bより浅く、第2溝17bの後端が第3溝1
7cより浅く、第3溝17cが第4溝17dの前端より
浅く、第4溝17dの後端が第1溝17aより浅く構成
されている。
【0037】前記両コイルスプリング15,16により
弾性付勢されたスライダ11は、通常、ピン18の遊端
部18aが第1溝17aの後端に係合する閉位置Aに位
置保持され、この閉位置Aから、パネル1に回動自在に
取り付けた操作釦19を押圧操作すると、スライダ11
が両コイルスプリング15,16の弾性力に抗して後端
側へ摺動し、ピン18の遊端部18aが第1溝17aに
案内されて第2溝17bの前端にまで至る。これが操作
釦19の最大押し込み位置で、スライダ11は点火位置
Cに位置することになる。
【0038】その後、操作釦19に対する押圧力を解除
すると、ピン18の遊端部18aが第2溝17bに案内
されて第3溝17cに至り、第3溝17cに係合してス
ライダ11が開位置Bに位置保持される。この開位置B
からさらに操作釦19を押圧操作すると、第3溝17c
と遊端部18aとの係合が外れ、遊端部18aが第4溝
17dに案内されて第1溝17aの後端に至り、スライ
ダ11が閉位置Aに復帰するように、前記ハートカム溝
17、ピン18、ならびに、両コイルスプリング15,
16によって、いわゆるプッシュ、プッシュ機構が構成
されている。
【0039】前記固定枠10の一側部には、図6に示す
ように、取り付け部10cが一体的に形成され、詳しい
説明は省略するが、点火装置用の固定接点や安全装置用
の固定接点などを下面に有する接点板ブロック20を前
記取り付け部10cに取り付けると、この接点板ブロッ
ク20の下面と前記取り付け部10c上面との間に隙間
が生じ、この隙間内をスライダ11に取り付けた可動接
点が摺動して、接点板ブロック20の各固定接点を接触
状態と非接触状態とに切り換えるように構成されてい
る。すなわち、スライダ11が閉位置Aにあるときに
は、点火装置用の固定接点も安全装置用の固定接点も非
接触状態に維持され、かつ、パージ弁13と開閉弁14
とが閉じられるとともに、安全弁9もスプリング9bに
よって弾性的に閉弁されている。
【0040】この閉位置Aから、操作釦19を押圧操作
してスライダ11を押し込むと、開閉弁14が開いて、
接点板ブロック20の安全装置用の固定接点が接触状態
に切り換えられ、かつ、バルブロッド12の先端が安全
弁9の弁体9aを押圧して開弁する。さらに、点火位置
Cに至ると、パージ弁13が開くとともに、接点板ブロ
ック20の点火装置用の固定接点が接触状態に切り換え
られ、図外の点火装置によってバーナに点火される。こ
のバーナへの点火時においては、メイン流路7とパージ
流路8との両方から燃料ガスが供給されるので点火が確
実となる。
【0041】その後、操作釦19への押圧力を解除する
と、スライダ11が開位置Bにまで復帰して位置保持さ
れ、パージ弁13が閉じるとともに、点火装置用の固定
接点が非接触状態に切り換えられる。その際、開閉弁1
4は開いたままであり、また、安全弁9は、バーナの燃
焼による図外サーモカップリングの熱起電力により開弁
状態に維持されるので、バーナの燃焼が続行される。こ
の開位置Bにおいても、安全装置用の固定接点は接触状
態を維持しているので、バーナが不測に消火したような
場合には、サーモカップリングの熱起電力の低下によ
り、安全弁9が自動的に閉弁して、燃焼ガスの漏れを防
止する。この開位置Bからさらに操作釦19を押圧操作
すると、上述のようにハートカム溝17の第3溝17c
とピン18の遊端部18aとの係合が外れ、スライダ1
1が元の閉位置Aに自動復帰する。
【0042】第2器具栓本体2bには、この第2器具栓
本体2bの前端部に開口し、かつ、パージ流路8を横断
してメイン流路7にまで至る挿通孔21が穿設され、こ
の挿通孔21内に弁体としての金属製のニードル22が
挿入されている。このニードル22と挿通孔21との間
にはOリング23が介装され、かつ、ニードル22が挿
通孔21に対して摺動自在に挿入されていて、このニー
ドル22を摺動させることにより、ニードル22の先端
が、メイン流路7と導出口4とを連通する弁孔24の開
口度を変更調節するように構成されている。このニード
ル22の先端には、最小絞り量を設定するノズル孔25
がニードル22の軸芯方向に沿って穿設されるととも
に、ニードル22の軸芯方向に直行する連通孔26が穿
設され、かつ、その中間部には別部材からなる操作用突
起としての金属製の操作ピン27が挿入固着されてい
る。
【0043】この操作ピン27は、第2器具栓本体2b
の上面からニードル22挿入用の挿通孔21にまで至る
スリット28内に位置され、かつ、このスリット28
は、挿通孔21の軸芯と平行で、この挿通孔21と同様
に第2器具栓本体2bの前端部に開口し、操作ピン27
の上端がスリット28から突出するように構成されてい
る。この操作ピン27の上端に係合して、操作ピン27
を操作するのがガス量調節レバー29で、第2器具栓本
体2bに回動自在に支持されている。
【0044】このガス量調節レバー29は、金属製の1
枚の板状体から折曲形成されていて、図5に示すよう
に、断面コの字型の基部29a、この基部29aに連な
るカム部材としてのカム部29b、このカム部29bに
連なる操作体としてのレバー部29c、前記カム部29
bに連なる2つのばね係合片29d,29eなどから構
成され、前記カム部29bを中心として、基部29aと
レバー部29cとが互いに反対方向に位置されている。
前記コの字型基部29aの上片にはボルト孔30が、下
片には横側方に開口する取り付け孔31が穿設され、ま
た、前記カム部29bには、操作ピン27が係入するカ
ム溝の一例であるカム孔32が穿設されている。このカ
ム孔32は、前記ボルト孔30と異なる位置を中心とす
る円弧状に構成され、この円弧状カム孔32の一端部、
つまり、全開側の端部には、抜き差し用溝の一例である
ほぼ直線状の抜き差し孔33の一端が連通され、かつ、
この抜き差し孔33の他端が前記レバー部29c側で開
口されている。
【0045】このような構成のガス量調節レバー29
が、前記基部29a下片の取り付け孔31を第2器具栓
本体2bの下面から一体的に突設の突起34に外嵌し、
かつ、基部29a上片のボルト孔30を第2器具栓本体
2bの上面から一体的に突設の回動軸としての突起35
に外嵌し、かつ、この突起35に若干小径のボルト36
を螺合することで、第2器具栓本体2bに回動自在に取
り付けられている。そして、前記ボルト36には、ばね
材からなる弾性体としてのつる巻きばね37が外嵌さ
れ、このつる巻きばね37の両端が前記ばね係合片29
d,29eに形成の孔に係合されていて、このつる巻き
ばね37によりガス量調節レバー29全体が下方に弾性
付勢されるとともに、そのレバー部29cがパネル1を
貫通してコンロの前面に突出するように構成されてい
る。
【0046】したがって、ガス量調節レバー29のレバ
ー部29cを、図2に示す開方向に回動すると、円弧状
カム孔32と直線状のスリット28とに係合する操作ピ
ン27が前端側に強制移動され、それに伴ってニードル
22が前端側に摺動して、ニードル22の先端が弁孔2
4の開口度を大にするのであり、逆に閉方向に回動する
と、ニードル22が後端側に摺動して、弁孔24の開口
度を小にし、ガス量の調節を可能にするのである。
【0047】また、前記スライダ11の上面には、スラ
イダ11と一体形成の押圧部材11aが突設されてい
て、この押圧部材11aが、閉位置にあるガス量調節レ
バー29の基部29a下片から延出の被押圧部38に当
接可能に構成されているので、ガス量調節レバー29が
閉位置にある状態でスライダ11を押し込み操作する
と、押圧部材11aが被押圧部38に当接し、ガス量調
節レバー29を強制的に開方向に回動することになり、
点火装置による点火を確実に行うことができる。さら
に、押圧部材11aによって被押圧部38を押圧回動し
た状態においては、ニードル22の連通孔26がパージ
流路8と導出口4とを連通する位置に位置するように設
定されているので、上述したように、点火時においてメ
イン流路7とパージ流路8との両方から燃料ガスが供給
されることになる。
【0048】そして、ガス種転換時、ニードル22を取
り換える必要が生じた場合には、パネル1を外し、ガス
量調節レバー29のレバー部29cを図3の(イ)に示
す全開位置まで回動し、かつ、このレバー部29cを突
起35側を中心としてつる巻きばね37に抗して若干上
方へ持ち上げるのである。この場合、通常においては、
基部29a上片のボルト孔30は、あまりガタのない状
態で突起35に外嵌しているのであるが、ボルト36が
突起35よりも若干小径に構成されているので、基部2
9aは無理なく斜めに持ち上げられる。
【0049】このようにしてレバー部29cを持ち上げ
たままで、図3の(ロ)に示すように、レバー部29c
をさらに開方向に回動させるのである。すると、第2器
具栓本体2bの上面には、図4に示すように、ストッパ
部39aと段部39bとからなる位置規制部39が一体
形成されているので、(ロ)に示すように、ガス量調節
レバー29のカム部29bが段部39bに乗り上げると
ともに、カム部29bの横側部がストッパ部39aに当
接して、このガス量調節レバー29が、カム孔32と操
作ピン27との作動範囲を越えた位置において位置規制
される。
【0050】この状態においては、図3の(ロ)に示す
ように、ニードル22の操作ピン27が係合するスリッ
ト28と直線状の抜き差し孔33とが、上下方向で完全
に一致した状態となるので、ニードル22を前端側に引
き抜くことで、簡単に取り外すことができる。そして、
新たなニードル22を挿入し、ニードル22の操作ピン
27が抜き差し孔33の最奥部に達した時点で、ニード
ル22をさらに押し込むと、操作ピン27の押し込み力
と円弧状カム孔32の案内作用とにより、ガス量調節レ
バー29が閉方向に回動し、段部37bから外れて図4
の(イ)および図3の(イ)に示す状態となり、新たな
ニードル22の取り付けが完了する。
【0051】〔別実施例〕図9は別の実施例で、上述し
た実施例と異なる点は、ガス量調節レバー29のカム部
29bには、ボルト孔30と異なる位置を中心とする円
弧状のカム孔32のみが穿設されて抜き差し孔33がな
く、その代わりに、ガス量調節レバー29のレバー部2
9cを全開位置まで回動して上方へ持ち上げる際、前記
カム孔32がニードル22の操作ピン27から外れる位
置まで持ち上げ可能に構成されている点である。したが
って、この別の実施例においては、ガス量調節レバー2
9のレバー部29cを全開位置まで回動し、さらに、上
方へ持ち上げることにより、ニードル22を取り外した
り、取り付けたりすることができる。この別の実施例に
おいても、ボルト36が突起35よりも若干小径に構成
されているので、ガス量調節レバー29の基部29aを
無理なく斜めに持ち上げることができる。
【0052】上述した各実施例においては、ガス量調節
レバー29と一体的にカム部29bを設けたものを示し
たが、カム部29bを別体に構成し、かつ、回動可能に
構成して、このカム部29bとガス量調節レバー29の
レバー部cとを連動連結して実施することもできる。
【0053】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガス量調節装置の縦断面図
【図2】ガス量調節装置の一部切欠き平面図
【図3】ガス量調節レバーとニードルとの関係を示す平
面図
【図4】ガス量調節レバーと位置規制部との関係を示す
正面図
【図5】ガス量調節レバーの斜視図
【図6】固定枠とスライダとの関係を示す平面図
【図7】固定枠とスライダとの関係を示す底面図
【図8】ハートカム溝を示す底面図
【図9】別の実施例を示す要部の縦断面図
【符号の説明】
2 器具栓本体 6 バーナ本体 7 ガス流路 21 挿通孔 22 弁体 24 弁孔 27 操作用突起 29b カム部材 29c 操作体 32 カム溝 33 抜き差し用溝 35 回動軸 37 弾性体 39 位置規制部 39a ストッパ部 39b 段部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F23N 1/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バーナ本体(6)に連通可能なガス流路
    (7)を備える器具栓本体(2)と、前記ガス流路
    (7)に形成の弁孔(24)の開口度を変更調節するた
    めに前記器具栓本体(2)の挿通孔(21)内に抜き差
    し自在、かつ、摺動自在に挿入される弁体(22)と、
    この弁体(22)の操作用突起(27)に係合するカム
    溝(32)を備えるカム部材(29b)と、このカム部
    材(29b)を回動操作する操作体(29c)とを有す
    るガス量調節装置であって、 前記カム部材(29b)のカム溝(32)に一端が開口
    する抜き差し用溝(33)を連通してあるガス量調節装
    置。
  2. 【請求項2】 前記抜き差し用溝(33)をほぼ直線状
    に構成し、前記カム部材(29b)の回動によって、こ
    の直線状の抜き差し用溝(33)を前記挿通孔(21)
    の軸芯とほぼ平行にすることを可能に構成してある請求
    項1記載のガス量調節装置。
  3. 【請求項3】 前記カム部材(29b)から一体的に前
    記操作体(29c)を連設し、前記カム部材(29b)
    を中心として、このカム部材(29b)の回動軸(3
    5)を前記操作体(29c)の反対側に位置させ、か
    つ、前記抜き差し用溝(33)の開口を前記操作体(2
    9c)側に位置させてある請求項1または2記載のガス
    量調節装置。
  4. 【請求項4】 前記カム溝(32)の一端部にほぼ直線
    状の抜き差し用溝(33)を連通するとともに、前記カ
    ム部材(29b)を弾性体(37)によって前記操作用
    突起(27)側に弾性付勢し、この弾性付勢力に抗して
    前記カム部材(29b)をその回動軸(35)側を中心
    として操作用突起(27)から離間する方向に揺動さ
    せ、かつ、このカム部材(29b)を前記カム溝(3
    2)と操作用突起(27)との作動範囲を越える位置ま
    で回動することにより、前記直線状の抜き差し用溝(3
    3)を前記挿通孔(21)の軸芯とほぼ平行にすること
    を可能に構成してある請求項3記載のガス量調節装置。
  5. 【請求項5】 前記直線状の抜き差し用溝(33)が前
    記挿通孔(21)の軸芯とほぼ平行になる位置で前記カ
    ム部材(29b)の位置を規制する位置規制部(39)
    を設けてある請求項4記載のガス量調節装置。
  6. 【請求項6】 前記位置規制部(39)を前記カム部材
    (29b)の回動を阻止するストッパ部(39a)とカ
    ム部材(29b)が乗り上げ可能な段部(39b)とか
    ら構成し、かつ、これらストッパ部(39a)と段部
    (39b)とを前記器具栓本体(2)と一体的に形成し
    てある請求項5記載のガス量調節装置。
  7. 【請求項7】 前記カム部材(29b)と操作体(29
    c)とを板状体から一体的に形成し、かつ、前記カム溝
    (32)と抜き差し用溝(33)とを貫通孔から構成す
    るとともに、前記カム部材(29b)を操作用突起(2
    7)側に弾性付勢する弾性体(37)をつる巻きばねで
    構成してある請求項4、5または6記載のガス量調節装
    置。
  8. 【請求項8】 バーナ本体(6)に連通可能なガス流路
    (7)を備える器具栓本体(2)と、前記ガス流路
    (7)に形成の弁孔(24)の開口度を変更調節するた
    めに前記器具栓本体(2)の挿通孔(21)内に抜き差
    し自在、かつ、摺動自在に挿入される弁体(22)と、
    この弁体(22)の操作用突起(27)に係合するカム
    溝(32)を備えるカム部材(29b)と、このカム部
    材(29b)を回動操作する操作体(29c)とを有す
    るガス量調節装置であって、 前記カム部材(29b)を弾性体(37)によって前記
    操作用突起(27)側に弾性付勢し、この弾性付勢力に
    抗して前記カム部材(29b)を操作用突起(27)か
    ら離間する方向に移動可能に構成してあるガス量調節装
    置。
  9. 【請求項9】 前記カム部材(29b)から一体的に前
    記操作体(29c)を連設し、前記カム部材(29b)
    を中心として、このカム部材(29b)の回動軸(3
    5)を前記操作体(29c)の反対側に位置させ、この
    回動軸(35)側を中心として前記カム部材(29b)
    を操作用突起(27)から離間する方向に揺動可能に構
    成してある請求項8記載のガス量調節装置。
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