JP2864634B2 - テープ走行制御装置 - Google Patents

テープ走行制御装置

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JP2864634B2
JP2864634B2 JP2060238A JP6023890A JP2864634B2 JP 2864634 B2 JP2864634 B2 JP 2864634B2 JP 2060238 A JP2060238 A JP 2060238A JP 6023890 A JP6023890 A JP 6023890A JP 2864634 B2 JP2864634 B2 JP 2864634B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ビデオテープレコーダのテープ走行をスム
ーズに行うための制御装置に関する。
従来の技術 ビテオテープレコーダ(以下VTRと略称する)のテー
プが正方向に走行する場合の、磁気テープの供給側と回
転シリンダー間のテープテンションの制御方法は大きく
分けると二通りある。一つは、テープの供給側と回転シ
リンダーのテープ巻き付け位置に設けた固定ポストとの
間にテンションポストを置き、テンションポストの位置
に応じて、供給側リール台に機械的にブレーキをかける
方法である。この場合テンションを弱める時には、供給
側リール台のブレーキを弱め、逆に強めるときにはブレ
ーキ力を上げることになる。もう一つの方法は、供給側
リール台をダイレクトドライブモード(以下、Sモータ
と略称する。)によって駆動し、テンションポストには
位置センサーを備え、位置センサーの出力に応じて、S
モータのトルクを変化させる閉ループ制御を用いたもの
である。
後者はより精度の高い制御が可能でありその方法を第
3図を用いて説明する。
ここで、テープの正方向走行とは、早送りではなく、
テープの記録・再生時の走行状態を表すものとする。
テープが正方向(矢印F方向)に走行する場合には、
Sモータ304の発生する巻取りトルクによるバックテン
ションと、軸308に対し回動自在に設けられたテンショ
ンアーム307に植設されたテンションポスト302を支持す
るばね301の復元力とが釣り合い、テンションポスト302
はBの位置にあり、テープ303の303a部分のテンション
は最適値となる。この時テンションポストに設けた位置
センサーの値が、その動作範囲の中心値になるように、
テンションポスト302を支持するばね301のばね力及びテ
ンションポスト302に設けた位置センサー(図示せず)
の動作範囲が設定されている。Sモータ304の巻取りト
ルクが弱くなりテープの303a部分のテンションが弱くな
ると、テンションポスト302はA位置の方向に回動し、
逆にSモータ304の巻取りトルクが強くなりテープ303a
部分のテンションが強くなると、テンションポスト302
はC位置の方向へ回動する。したがってテンション制御
装置は、位置センサーの出力が中心値となるようSモー
タ304の巻取りトルクを制御し、テープ303a部分のテン
ションを最適値に保っている(以下、この制御方法を閉
ループ制御と略称する)。またテープが矢印Fと逆方向
に走行する場合には、Sモータ304は、テープが正方向
に走行する場合に発生するバックテンションより大き
く、テープを供給側リール台に巻取るに十分なトルクを
発生する。したがって、テープ303a部分のテンションは
強くなりテンションポスト302はCの位置まで回動す
る。
このときCの位置でその動作範囲の中心値を出力する
位置センサーを設ければ逆走行時におけるテープ303a部
分のテンションの最適値を制御することも可能である
が、コストの関係上、リール台の出側すなわちこの場合
回転シリンダ側のテンションをF,リール台の巻径をD,リ
ール台の軸換算トルクをTとすると、F=T・D/2なる
関係があることから、Sモータ304の発生するリールパ
ルスの周期から前記Dを算出し、Fがほぼ一定となるよ
うDの値に応じてTを変化させる方法が採られている。
(以下、この制御方法を巻径比制御と略称する。)ま
た、テープの走行方向を逆方向から正方向に変化させる
場合には、第4図に示すように、t4aのタイミングで、
巻径比制御モードにあってSモータのトルクを下げ、t4
bのタイミングで、閉ループ制御に切り換えている。こ
れは、逆方向の強いテンションから正方向の弱いテンシ
ョンへ急激に変化することによって、テンションポスト
302の振動や、テープ走行の浮き等の影響を防ぐためで
ある。
発明が解決しようとする課題 ところが第4図のt4aのタイミングでSモータのトル
クを下げても第3図のテンションポスト302が位置セン
サーの動作範囲の中心から大きく外れているため、第4
図のt4bのタイミングで閉ループ制御に入った時、制御
装置は第3図のテープ303a部分のテープテンションが高
いとみなし、Sモータ304のトルクを急激に下げる。そ
のためこれと同時にSモータ304によるバックテンショ
ンがなくなりテンションポスト302は、これを支持する
ばね301によってその復元時定数で急激にAの位置に移
動する。通常テンションポスト302は、その回動範囲を
規制するためにAの位置に機械的なストッパー(図示せ
ず)が設けられている。そのためにテンションポスト30
2は、Aの位置へ急激に移動したときにテンションアー
ム308またはテンションポスト302がストッパーに衝突し
てその影響で振動し、回転シリンダーの巻付け位置に設
けた固定ポスト306付近でテープが回転シリンダーから
浮き上がり、映像信号の出力が一瞬、欠落するという課
題があった。
本発明は、このような従来の課題を解消するものであ
り、簡単な構成でテンションポストの急激な回動をなく
し、映像信号が欠落することのない安定したテープ走行
を行うことができるテープ走行制御装置を提供するもの
である。
課題を解決するための手段 本発明のテープ走行制御装置は磁気テープの供給側と
回転シリンダーのテープ巻付け位置に設けた固定ポスト
間のテープテンションを、磁気テープが正方向に走行す
る場合には、位置センサと連動し、テープテンションを
強める方向にばねで付勢され、テープテンションに応じ
て回動するテンションポストを磁気テープの供給側と固
定ポスト間に設け、位置センサーの出力が所定の値にな
るよう供給側のリール台を駆動するモータのトルクを変
化させることによって制御し、磁気テープが逆方向に走
行する場合には、供給側のリール台が発生するリールパ
ルスの周期から供給側のテープの巻径を検出し、巻径値
に応じて供給側のリール台を駆動するモータのトルクを
変化させることによって制御するものであって、磁気テ
ープの走行方向が逆方向から正方向に変わる場合に、供
給側のリール台を駆動するモータのトルクをテープが逆
方向に走行するときの値から、テンションポストに連動
した位置センサがその動作範囲のほぼ中心に回動する値
(すなわち正転走行時の位置に近くなる値)に下げた
後、テープが正方向に走行する場合の制御モードに切り
換えるように構成したものである。
作用 本発明のテープ走行制御装置は、上記構成によって磁
気テープの走行方向が逆方向から正方向に変わる場合
に、方向変化の少し前に、テンションポスト近辺のテー
プテンションがテンションポストに連動した位置センサ
がその動作範囲のほぼ中心に回動する値にまで下げられ
た後、テープが正方向に走行する場合の制御モードに切
り換えられることによって、テンションポストが逆方向
走行時の位置から、回動範囲内で、ばねが復元する方向
の規制位置に向って急激に回動するのを防ぎ、テンショ
ンポストまたはテンションアームがストッパーに衝突す
る時に起る振動や、テープの浮きを解消できるものであ
る。
実施例 以下、本発明の一実施例のテープ走行制御装置を図面
を参照しながらその構成と動作を説明する。
第1図において走行装置全体を制御する中央制御装置
であるマイクロコンピュータ(以下、マイコンと略称す
る)。101はモード指令信号102が正方向の走行を指示す
ると、制御モード切換スイッチ107を2の位置に切り換
える。テープ303のテンションを検出するテンションポ
スト302に設けた位置センサ112の出力はアンプ113によ
って増幅され、その出力である位置センサ出力114はテ
ンション制御回路115に入力される。この場合位置セン
サ112はたとえば、発光ダイオードとフォトトランジス
タを対向させ、テンションポストに取り付けた遮蔽板に
よって、フォトトランジスタに入光する発光ダイオード
の光量によりテンションポスト302の位置を検出する光
カプラー等を用いる。これは位置を検出しているが、結
果的にはテープのテンションを検出していることにな
る。
テンション制御回路115は、テンションセンサ出力114
が第2図における2CのBの値、すなわち、テープ303の
テンションが正方向走行時の最適値になるようモータ駆
動回路108にトルク指令信号を出力し、Sモータ304の巻
取りトルクを制御する。以上の方法で閉ループ制御が行
われる。
つぎにマイコン101はモード指令信号102が逆方向走行
を指令すると、制御モード切換スイッチ107を2から1
の位置に切り換える。巻径検出回路104、逆走行トルク
発生回路105および減衰器103によって逆走行時の走行ト
ルク制御手段とする。(テープ走行方向の切り換えは図
示しない)。テンションセンサ出力114は第2図の2Cの
Cの値になり、テンションポスト302を支持するテンシ
ョンアーム308を付勢するばね301も伸び、テープ303の
テンションも高くなる。このとき巻径検出回路104に
は、Sモータ304のリールパルス106が入力されており、
その周期によって、巻径検出回路104は、供給リール台
のテープ巻径Dを検出し、逆方向走行トルク指令発生回
路105は、テープテンションをF,供給側リール台の軸換
算トルクをTとしたとき、F=T・D/2なる関係がある
ことから、テープテンションFが逆方向走行時の最適値
になるようにテープ巻径Dに応じてモータ駆動回路108
にトルク指令を出力し、Sモータ304のトルクを制御す
る。この方法により巻径比制御を行う。
つぎにマイコン101は、第2図におけるt2aのタイミン
グでモード指令信号102が逆方向から正方向に変わる
と、減衰器103を動作させ、逆方向走行トルク指令発生
回路105のトルク指令出力を減衰させる。このとき減衰
器103の減衰量は、テンションセンサ出力114が第2図の
2CにおけるBの値になるよう、テンションセンサ出力11
4を監視しながら変化させるのが最も望ましい方法であ
るが、少なくともテープの始端から終端までの全ての巻
径で共用し得る量に設定することによって、テンション
センサ出力114が第2図の2CにおけるBに近い値になる
ように構成する。このときテンションポスト302は、正
方向走行時の閉ループ制御モードにおける回動位置C近
くまで移動する。マイコン101は第2図におけるt2bのタ
イミングで制御モード切換スイッチ107を2の位置に切
り換え、閉ループ制御に切り換えるとともにテープ走行
方向を正転に切り換える(図示せず)。t2bのタイミン
グでは、テンションセンサ出力114は、その動作範囲の
ほぼ中心値になっているので、テンション制御装置115
は急激にSモータ110のトルクを下げることはない。ま
たt2aとt2b間の時間は、テンションセンサ出力114が、
第2図の2CにおけるBの値近くに収束するに十分な時間
に設定する。
なお、上記の説明で供給側リールモータは供給側リー
ル台と直結しているとしたが、ベルト、アイドラなどを
介して駆動を伝達するものでも差支えない。なお上記テ
ンションポスト302と位置センサ112は一体としてテンシ
ョンセンサ107としてもよく、センサとしては位置のみ
でなくたとえば圧電素子による変形出力などを取っても
よいものである。なお、第1図中で単独の回路または手
段としてブロックで表わした機能をマイコンの中で行な
わせるようにしてもよいものである。
発明の効果 以上のように本発明のテープ走行制御装置は、テープ
の走行方向が逆方向走行から正方向走行に変わるとき
に、供給側リール台を駆動するモータのトルクを、逆方
向走行時の値から、テンションポストに設けた位置セン
サがその動作範囲のほぼ中心に回動する値に下げた後、
テープが正方向に走行する場合の制御モードに切り換え
るものであり、したがってテンションポストの急激な回
動によるテープ走行の乱れを防ぎ、テープが回転シリン
ダーから浮き上がり、映像信号の出力が一瞬欠落するこ
となどなく、テープの走行方向を変えた場合でも安定し
た映像信号の再生を可能にするものである。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明の一実施例のテープ走行制御装置のブ
ロック図、第2図は同じくそのタイミング波形図、第3
図は、従来のVTRのテープ走行制御装置のテープ走行系
の要部を表す平面図、第4図は従来例のタイミング波形
図である。 101……マイクロコンピュータ、107……制御モード切換
スイッチ、108……モータ駆動回路、112……位置セン
サ、115……テンション制御回路、116……走行トルク制
御手段、117……テンションセンサ、302……テンション
ポスト、304……モータ、305……回転シリンダ、306…
…固定ポスト、307……テンションアーム、309……供給
側リール。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】供給側リールを駆動するモータと、 回転シリンダのテープ巻付け位置に設けた固定ポスト
    と、 前記供給側リールと前記固定ポストの中間にあり、その
    間に架張されたテープに当接してそのテープのテンショ
    ンを強める方向に付勢されたテンションセンサと、 前記モータを駆動するモータ駆動回路と、 前記テンションセンサの出力により制御されるテンショ
    ン制御回路と、 逆方向走行時の走行トルク制御手段と、 中央制御装置と、 テープの正方向走行中は前記テンション制御回路により
    前記モータ駆動回路を制御する第1の制御モードと、 テープの逆方向走行中は前記走行トルク制御手段により
    前記モータ駆動回路を制御する第2の制御モードとを備
    え、 前記中央制御装置の指示により、テープノ逆方向走行中
    に、正方向走行に切替える場合、前記逆方向走行時の前
    記第2の制御モードにおける走行トルクを減少させ、前
    記テンションセンサの出力が正方向走行時とほぼ等しい
    時に前記第1の制御モードに切り替えることを特徴とす
    るテープ走行制御装置。
  2. 【請求項2】制御モード切換えスイッチを備え、正方向
    走行中は閉ループ制御モードに、逆方向走行中は巻径比
    制御モードに切替える請求項1記載のテープ走行制御装
    置。
  3. 【請求項3】テンションセンサはテンションポストと位
    置センサとからなる請求項1記載のテープ走行制御装
    置。
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