JP2864623B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、非単結晶半導体薄膜を用いて作成される半
導体装置の製造方法に関する。
[従来の技術] 非晶質シリコン薄膜、微結晶シリコン薄膜、多結晶シ
リコン薄膜等の非単結晶半導体薄膜には、ダングリング
ボンドが多数存在する。たとえば、多結晶シリコン薄膜
に関しては、結晶粒界に存在するダングリングボンド等
の欠陥が、キャリアに対するトラップ準位となりキャリ
アの伝導に対して障壁として働く。(J.Y.W.Seto,J.App
l.Phys.,46,p5247(1975))。従って、多結晶シリコン
薄膜トランジスタの性能を向上させる為には、前記欠陥
を低減させる必要がある。(J.Appl.Phys.,53(2),p1
193(1982))。この目的の為に水素による前記欠陥の
終端化が行われており、この様な水素化の方法として
は、水素プラズマ処理法、水素イオン注入法、あるいは
プラズマ窒化膜からの水素の拡散法等が知られている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、従来の水素化の方法では、以下に述べる欠点
があった。(1)水素イオン注入法においては、イオン
注入装置と言う高価な装置を必要とし、数百Å程度の多
結晶シリコン層に制御性良く水素を打ち込むことが困難
である等の欠点がある。(2)プラズマ窒化膜からの水
素の拡散法においては、水素の供給が不十分であるため
に、水素プラズマ処理と比べて特性が十分向上しない等
の欠点がある。(3)水素プラズマ処理法においては、
特性の向上という点では優れているが、プラズマダメー
ジによるゲート耐圧不良、閾値電圧(Vth)のシフト等
の不良が多発する等の欠点がある。
そこで、本発明は水素化によるTFT特性向上の効果を
確保しつつ、前述の問題を解決した半導体装置の製造方
法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明の半導体装置の製造方法は、以下の特徴を有す
る。
本発明の半導体装置の製造方法は、基板上にソース・
ドレイン領域と、該ソース・ドレイン領域の間に形成さ
れた非単結晶半導体よりなるチャネル領域と、該チャネ
ル領域にゲート絶縁膜を介して対向配置されたゲート電
極とを有する薄膜トランジスタを形成する工程と、 該薄膜トランジスタ上に非晶質薄膜を形成する工程
と、該非晶質薄膜上に水素の拡散係数が非晶質二酸化珪
素よりも小さい物質からなる層を形成する工程と、 該非晶質薄膜に熱処理を施して水素を脱離、拡散させ
る工程とを有し、 前記熱処理工程において、水素の脱離開始後の昇温速
度を5℃/分より小さくすることを特徴とする。
本発明は、前記熱処理工程の熱処理温度が300℃〜500
℃であることを特徴とする。
本発明は前記非晶質薄膜をプラズマCVD法で形成した
ことを特徴とする。
本発明は前記非晶質薄膜上に水素の拡散係数が非晶質
二酸化珪素よりも小さい物質からなる前記層は、300オ
ングストローム〜1μmの厚さを有し、Cr、Mo、Alのい
ずれかからなることを特徴とする。
本発明は前記非晶質薄膜上に水素の拡散係数が非晶質
二酸化珪素よりも小さい物質からなる前記層は、1000オ
ングストローム〜1μmの厚さを有する非晶質窒化珪素
からなることを特徴とする。
[実施例] 本発明の実施例を、第1図の本発明における薄膜トラ
ンジスタの工程図にしたがって説明する。第1図(a)
は、ガラス、石英等の絶縁性非晶質基若しくはSiO2等の
絶縁性非晶質材料等の絶縁性非晶質材料1−1上に、多
結晶シリコン等の非単結晶シリコン薄膜1−2を堆積さ
せ、その後ホトリソグラフィ法により該非単結晶シリコ
ン薄膜をパターン形成する工程である。該非単結晶シリ
コン薄膜の形成方法としては以下に述べるような方法が
ある。
(1)減圧CVD法で580℃〜650℃程度で多結晶シリコン
薄膜を堆積させる。
(2)EB(Electron Beam)蒸着法、スパッタ法、プラ
ズマCVD法等で非晶質シリコン薄膜を堆積後、550℃〜65
0℃程度で2〜70時間程度、固相成長アニールを行い、
粒径1〜2μm以上の大粒径の多結晶シリコン薄膜を形
成する。
(3)減圧CVD法等で多結晶シリコン薄膜を堆積後、イ
オンインプラ法により、Si等を打ち込み、該多結晶シリ
コン薄膜を非晶質化した後、550℃〜650℃程度で固相成
長アニールを行い、粒径1〜2μm程度の大粒径多結晶
シリコン薄膜を形成する。
尚、上述の方法で多結晶シリコンを形成した場合、結
晶化度が100%に近い、文字通りの多結晶シリコンとな
る場合と、結晶化度が50%程度〜90%程度の多結晶シリ
コンとなる場合がある。この場合、後者は多結晶シリコ
ンと呼ぶよりも微結晶シリコンと呼ぶ方がふさわしいか
も知れないが、本特許では、特に断わりが無い場合は、
両者を含めて多結晶シリコンと呼ぶことにする。また、
非単結晶性のシリコン薄膜1−2としては、上述の多結
晶シリコン薄膜以外にも、微結晶シリコンや非晶質シリ
コン薄膜を用いてもよい。
次に第1図(b)に示すように熱酸化法等によりゲー
ト酸化膜1−4を形成する。ドライ酸化法を用いれば酸
素雰囲気で約1150℃の熱処理によって、絶縁耐圧の高い
良質のゲート酸化膜を得ることができる。ウエット酸化
法を用いれば900℃程度の低温でも酸化膜が形成される
が、ドライ酸化法で形成された膜に比べれば絶縁耐圧は
低く、膜質は劣る。前記非単結晶シリコ薄膜1−2とし
て多結晶シリコンを用いた場合は、この熱酸化工程で熱
処理による結晶成長が進み、結晶化度が向上し、結晶粒
径が拡大する。前記非単結晶シリコン薄膜1−2として
非晶質シリコン薄膜若しくは微結晶シリコン薄膜を用い
た場合にも、熱酸化工程で前記結晶粒径は5000Åから数
μmの大きさの多結晶シリコンに結晶成長する。尚、ゲ
ート酸化膜の形成方法としては、上述の熱酸化法に限ら
ず、(1)CVD法、プラズマCVD法、ECR−PCVD法、光CVD
法、スパッタ法等でSiO2膜を形成する。(2)プラズマ
酸化法等で低温酸化する。等の方法もある。これらの方
法は、プロセスの温度を600℃程度以下の低温にできる
ため、基板として、安価なガラス基板を用いることがで
きる。
次に第1図(c)に示すようにゲート電極1−5を形
成する。該ゲート電極材料には、一般的に多結晶シリコ
ンが用いられている。該多結晶シリコン層の形成方法と
しては、(1)減圧CVD法で多結晶シリコンを形成し、
オキシ塩化リン等を用いた熱拡散法により、N+poly−Si
を形成する方法、(2)プラズマCVD法等で、B(ボロ
ン)、P(リン)等の不純物をドープした非晶質シリコ
ン層を形成し、550℃〜650℃程度の固相成長アニールを
2時間程度〜70時間程度行い、該非晶質シリコン層を多
結晶化することで、P+poly−Si、N+poly−Siを形成する
等の方法がある。特に、固相成長法を用いて、ゲート電
極を形成した場合は、結晶粒径1〜2μm以上の結晶粒
を含む大粒径の多結晶シリコンが形成できるため、熱拡
散法を用いた場合よりも、低抵抗の多結晶シリコンを形
成することが出来るという利点がある。更に、ゲート電
極として、P+poly−Siを用いた場合は、チャンネルイオ
ンインプラを省くことが出来るという利点もあるが、詳
細は後述する。続いて該ゲート電極1−5をマスクとし
て不純物元素をイオン注入して、ソース領域1−6及び
ドレイン領域1−7を形成する。前記不純物元素として
は、リン、ヒ素あるいはボロン等が用いられている。
次に第1図(d)に示すように層間絶縁膜1−8を堆
積させる。続いて、前記ソース領域1−6及びドレイン
領域1−7の不純物活性化と、前記層間絶縁膜1−8の
緻密化の目的で600℃〜1000℃程度の熱処理を行う。
次に第1図(e)に示すように非晶質シリコン膜1−
9をプラズマCVD法等の方法で堆積させる。この際、非
晶質シリコン薄膜中には10%程度の水素が含まれてい
る。装置としては、通常のプラズマCVD装置を利用して
行うことが出来る。反応室の中に基板をセットし、該反
応室中にモノシランガス、若しくはモノシランガスを水
素ガス若しくはアルゴンガス等で希釈したガスを導入す
る。内圧は0.3〜2Torr程度とする。13.56MHzの高周波パ
ワーを印加し、上述のガスを分解し、基板上に水素化ア
モルファスシリコン(a−Si:H)を500Å〜1μm程度
形成する。基板温度は、室温〜350℃程度であるが、低
温のアニールによって、効率よく水素が脱離する点か
ら、200℃以下が特に望ましい。
続いて、第1図(f)に示すように、該非晶質シリコ
ン膜1−9上にキャップ層1−10を形成し、300℃〜500
℃程度の温度で水素化アニールを施す。アニール時間は
30分〜5時間程度である。このアニールによって、非晶
質シリコンから原子状の水素が脱離し、層間絶縁膜、ゲ
ート電極中を拡散し、多結晶シリコンの結晶粒界に存在
するダングリングボンドを終端化する。尚、キャップ層
1−10としては、非晶質シリコンから発生する水素が拡
散しにくい材料が望ましい。例えば、(1)Cr、Mo、Al
等の金属薄膜をスパッタ法、蒸着法等で300Å〜1μm
程度形成する方法、(2)非晶質窒化珪素(a−SiNX
を1000Å〜1μm程度形成する方法が特に望ましい。
尚、キャップ層の材質は上記材料に限らず非晶質二酸化
珪素(SiO2)よりも水素が拡散しにくい(拡散係数が小
さい)材料である点が重要である。
続いて、所定の水素化アニール温度までの昇温方法に
ついて述べる。非晶質シリコン上に水素拡散防止用のキ
ャップ層を形成してあるため水素化アニールの方法を最
適化しないと、水素の急激な脱離に伴う非晶質シリコン
層の剥離やピンホール等の欠陥発生等の問題を生ずる。
そこで、水素化アニールの条件、特に、所定の水素化ア
ニール温度までの昇温方法は重要である。第2図は本発
明の実施例における昇温方法の模式図の一例である。第
2図において、(a)は所定の温度に保たれたアニール
炉に試料を挿入し、所定の水素化アニール温度(T1)ま
で所定の昇温速度で昇温して、所定の水素化アニール温
度(T1)でアニールする場合を示す。昇温速度は、5℃
/分より遅い方が水素の脱離に伴う欠陥の発生や膜の剥
離が抑制され望ましい。尚、昇温速度は常に一定である
必要はなく、上述の値の範囲で変動しても無論構わな
い。尚、T1は、前述の通り300℃〜500℃程度が望まし
い。特に、350℃〜400℃程度が、非晶質シリコンからの
水素の脱離と脱離した水素の拡散が効率よく成され、更
に多結晶シリコンのダングリングボンドへの水素付加の
効率も良いため、特に望ましい。又、400℃〜500℃程度
以上のアニール温度では、非晶質シリコンからの水素の
脱離と脱離した水素の拡散は上述の温度よりも更に効率
的に起こるが、多結晶シリコンのダングリングボンドへ
の水素付加の効率が低下する(水素の付加と脱離が同時
に起こるようになるため)。そこで、一旦400℃〜500℃
程度若しくはそれ以上の温度まで昇温し、10分〜1時間
程度アニールを行い、水素の脱離と拡散を促進した後、
400℃程度以下まで冷却し、多結晶シリコンのダングリ
ングボンド等の欠陥への水素の付加を促進するアニール
を30分〜2時間程度行うアニール方法はきわめて有効で
ある。第2図(b)は所定の温度(T2)まで所定の昇温
速度で昇温し、続いて、水素化アニール温度である所定
の温度(T1)まで昇温速度を遅くして昇温する場合を示
す。昇温速度をT2の前後で変える理由は、前述のように
250℃〜300℃程度(プラズマCVD法による成膜時の基板
温度が低く、室温程度で成膜した膜は150℃程度から水
素が脱離する場合がある。)より高い温度で膜中より水
素の脱離が始まるため、その前後で昇温速度を変え、水
素の脱離が始まった後は、昇温速度を5℃/分よりも遅
くして、欠陥の発生や膜の剥離を抑制するためである。
従って、T2は200℃〜350℃程度にするのが望ましい。
(基板温度が低く、室温付近で成膜した膜の場合は、T2
は100℃〜150℃程度が望ましい。)尚、T2までは昇温速
度を5℃/分よりも早くしてよく、昇温時間の短縮にも
なる。また、第2図(a)の場合と同様に、昇温速度は
常に一定である必要はない。また、T2の前後での昇温速
度の変化もステップ的である必要はなく徐々に昇温速度
を変えてもよい。また昇温速度を変える温度(T2)は複
数あってもよい。第2図(c)は所定の温度(T2)まで
昇温した後、T2で所定の時間保持し、続いて水素化アニ
ール温度である所定の温度T1まで昇温する場合を示す。
アニール温度より低い温度で所定時間(例えば20分〜20
時間程度)保持することで水素をよりゆっくり抜くこと
ができ、欠陥の発生や膜の剥離を抑制することができ
る。T2は250℃〜350℃程度が望ましい。(基板温度が低
く、室温付近で成膜した膜の場合は、T2は150℃〜200℃
程度が望ましい。)尚、所定の温度(T2)は一定に保つ
必要はない。例えば5℃/分よりも遅い昇温速度でゆっ
くり昇温させてもよい。また所定の温度に保持する温度
(T2)は複数あってもよい。例えば250℃程度で一旦保
持した後で350℃程度で再び保持する等の方法もあり、
欠陥の発生や膜の剥離をより抑制することができる。
尚、第2図(a)〜(c)の内の複数を組み合わせて用
いることで、より欠陥の発生や膜の剥離を抑制すること
も可能である。また、第2図(a)〜(c)は本実施例
の一例であり、本発明はこれに限定されるものではな
い。
続いて、第1図(g)に示すように、前記キャップ層
1−10及び非晶質シリコン層1−9をエッチング除去し
た後、ソース領域及びドレイン領域のコンタクト電極1
−11を形成すれば薄膜トランジスタが完成する。該コン
タクト電極材料としてはAlやCrやNi等の金属材料を用い
る。
本発明により形成した多結晶シリコンTFT(poly−Si
TFT)の電界効果移動度はNチャンネルで50cm2/V・s
(LPCVD法590℃で多結晶シリコンを形成した場合)〜16
0cm2/V・s(プラズマCVD法で形成した非晶質シリコン
を600℃で約17時間固相成長させた場合)となり、水素
ガス雰囲気中でアニールしただけの場合(〜10cm2/V・
s)と比べて大幅な特性向上がなされた。
続いて水素化に伴う閾値電圧制御の問題に関して述べ
る。多結晶シリコンTFTを水素化すると、Nチャンネル
トランジスタがデプレッション方向にVthがシフトし、
Pチャンネルトランジスタがエンハンスメント方向にシ
フトするが、チャンネル領域に1015〜1019/cm3程度の不
純物をドープすることで、Vthを制御することができ
る。例えば、第1図において、ゲート電極を形成する前
に、イオンインプラ法等でB(ボロン)等の不純物を10
11〜1013/cm2程度のドーズ量で打ち込む等の方法があ
る。特に、ドーズ量が前述の値程度であれば、Pチャン
ネルトランジスタ、Nチャンネルトランジスタ共オフ電
流が最小になるように、Vthを制御することができる。
従って、CMOS型のTFT素子を形成する場合においてもPc
h,Nchを選択的にチャンネルドープせずに、全面を同一
の工程でチャンネルドープすることもできる。また、前
述の様に、ゲート電極として、従来の熱拡散法によるN+
poly−Siを用いる代わりに、固相成長法等で形成したP+
poly−Siを用いることで、チャンネルイオンインプラを
用いずに、Vthを制御することもできる。
次に、従来の水素プラズマ処理で多発したプラズマ損
傷による不良が、本発明の水素化では、全く発生しない
理由に関して述べる。
水素プラズマ処理で発生するダメージの原因は、今の
ところ明らかではないが、プラズマ雰囲気中に浸された
ことにより、チャージアップが起こり、ゲート膜に電圧
が加わった状態になる。更に、基板温度が300℃程度と
比較的高いため、一種のBT(Bias−Temperature)スト
レスが加わり、水素プラズマ時間も1〜2時間程度と長
いために、TFTの不良が生じたとするモデルが現象をよ
く説明する。
一方、本発明の水素化の方法では、非晶質シリコンを
プラズマCVD法で形成し、アニールによって非晶質シリ
コンから脱離した水素原子によって水素化を行ってい
る。従って、非晶質シリコン成膜時に上述のようなBTス
トレスが加わらなければ、ダメージが発生しなくなる。
実際、非晶質シリコンをプラズマCVD法で成膜しただけ
では、上述のようなBTストレスは殆ど加わらず、本発明
で形成したTFTでは、ダメージによる不良を皆無にする
ことができた。その理由としては、以下の2点が考えら
れる。
(1)水素プラズマ処理と非晶質シリコンの成膜では、
高周波のパワーが1桁程度違うため(20cm径の電極サイ
ズで水素プラズマ処理:100〜200W、非晶質シリコンの成
膜:10〜20)、水素プラズマ処理程チャージアップが起
こりにくい。
(2)水素プラズマ処理では、水素ガスを分解し原子状
水素を供給しながら、熱拡散によって水素原子を多結晶
シリコン層まで拡散させる必要がある。従って、基板温
度を250℃〜350℃程度の高温に保たなければ、水素化の
効果が激減する。一方、本発明では、原子状水素の供給
とその熱拡散による水素化を、非晶質シリコン成膜時に
行うのではなく、それとは別のアニール工程で行うた
め、非晶質シリコン成膜時の基板温度を低温化すること
が出来る。また、基板温度を低温化(例えば200℃以
下)したほうが、低温で水素が脱離しやすいため、本発
明では非晶質シリコンの成膜温度を低温化したほうが望
ましい。従って、本発明ではBTストレスはより軽減され
る。
以上述べたように、本発明を応用すれば、ON電流が大
きく、OFF電流が小さく、サブスレッシュホルド領域の
立ち上がりが急峻で、信頼性の優れた薄膜トランジスタ
をプラズマ損傷等による不良を皆無にして製造可能とな
る。更に、本発明によれば、大面積の基板を水素化する
ことも容易である上、量産性も向上するという大きな利
点がある。
本発明の応用としては、例えば、非単結晶シリコンを
素子材としたTFTによって構成された液晶表示パネル、
密着型イメージセンサー、ドライバー内蔵型のサーマル
ヘッド、有機系EL等を発光素子としたドライバー内蔵型
の光書き込み素子や表示素子、三次元IC等が考えられ
る。本発明を用いることで、これらの素子の高速、高解
像度化等の高性能化が実現される。更に、実施例で説明
したように、600℃程度以下の低温プロセスに本発明を
応用することにより、基板として安価なガラスを用いた
大面積で高性能な半導体装置も実現可能となる。
尚、第1図では、poly−SiTFT製造工程に本発明を適
用した場合を例としたが、本発明はこれに限定されるも
のではない。本発明は、チャンネル領域の少なくとも一
部が多結晶である絶縁ゲート型電界効果トランジスタ全
てに対して有効である。また、チャンネル領域の少なく
とも一部が微結晶であるトランジスタや、スパッタ法や
蒸着法等で形成した水素化が不十分な非晶質半導体がチ
ャンネル領域の一部を成すトランジスタにおいても本発
明は有効である。
また、チャンネル領域が単結晶であっても、三次元IC
の様に再結晶化または固相成長させたシリコン層に素子
を形成する場合、結晶内に亜粒界等の欠陥を生じ易い。
その場合、本発明に基づく半導体装置の製造方法で、欠
陥の終端化を行うと特性の向上に効果がある。
さらに、HBT(ヘテロバイポーラトランジスタ)等の
ヘテロ接合界面の欠陥密度の低減に対しても本発明は有
効である。特に、ヘテロ接合を形成する二つの半導体層
のうちの少なくとも一方が、非単結晶半導体よりなる場
合は、本発明によるプラズマ処理により、膜中及び界面
の欠陥を同時に低減することが出来る。
また、非単結晶半導体を素子材とした太陽電池・光セ
ンサやバイポーラトランジスタ、静電誘導トランジスタ
をはじめとして本発明は幅広く半導体プロセス全般に応
用することができる。
[発明の効果] 以上述べたように、本発明によればpoly−SiTFT等の
チャンネル領域の少なくとも一部が非単結晶半導体より
なる絶縁ゲイト型電界効果トランジスタの高性能化を、
プラズマ損傷等による不良もなく実現できる。また、本
発明は絶縁ゲイト型電界効果トランジスタに限らず、半
導体プロセス全般に渡り広く応用することができ、その
効果はきわめて大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)から(g)は、本発明の実施例における薄
膜トランジスタの工程図である。 第2図(a)から(c)は、本発明の実施例における昇
温方法の模式図である。 1−1;絶縁性非晶質材料 1−2;非単結晶シリコン薄膜 1−9;非晶質シリコン層 1−10;キャップ層

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上にソース・ドレイン領域と、該ソー
    ス・ドレイン領域の間に形成された非単結晶半導体より
    なるチャネル領域と、該チャネル領域にゲート絶縁膜を
    介して対向配置されたゲート電極とを有する薄膜トラン
    ジスタを形成する工程と、 該薄膜トランジスタ上に非晶質薄膜を形成する工程と、 該非晶質薄膜上に水素の拡散係数が非晶質二酸化珪素よ
    りも小さい物質からなる層を形成する工程と、 該非晶質薄膜に熱処理を施して水素を脱離、拡散させる
    工程とを有し、 前記熱処理工程において、水素の脱離開始後の昇温速度
    を5℃/分より小さくすることを特徴とする半導体装置
    の製造方法。
  2. 【請求項2】前記熱処理工程の熱処理温度が300℃〜500
    ℃であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の
    製造方法。
  3. 【請求項3】前記非晶質薄膜をプラズマCVD法で形成し
    たことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の半導体
    装置の製造方法。
  4. 【請求項4】前記非晶質薄膜上に水素の拡散係数が非晶
    質二酸化珪素よりも小さい物質からなる前記層は、300
    オングストローム〜1μmの厚さを有し、Cr、Mo、Alの
    いずれかからなることを特徴とする請求項1記載の半導
    体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】前記非晶質薄膜上に水素の拡散係数が非晶
    質二酸化珪素よりも小さい物質からなる前記層は、1000
    オングストローム〜1μmの厚さを有する非晶質窒化珪
    素からなることを特徴とする請求項1記載の半導体装置
    の製造方法。
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