JP2863670B2 - 磁気ヘッド溶着用ガラス組成物 - Google Patents

磁気ヘッド溶着用ガラス組成物

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    • C03C8/00Enamels; Glazes; Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions
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  • Glass Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ヘッド等の空隙部
に充填され、比較的低温で溶着処理が可能な磁気ヘッド
溶着用ガラス組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオテープレコーダ等の磁気記
録再生装置には高密度の記録再生機能が要求され、これ
に伴い、磁気ヘッドも高密度記録再生を行い得るものが
求められている。そこで、このような磁気ヘッドでは、
例えばフェライト等の高透磁率を有する酸化物磁性材料
からなるヘッドコアが使用され、また高透磁率を有する
酸化物磁性材料や、セラミックスあるいは結晶化ガラス
等の非磁性基板材料等からなるコアブロックのギャップ
対向面に、高飽和磁束密度を有するセンダスト等の合金
磁性材料からなる合金薄膜を形成したヘッドコア等が使
用されている。
【0003】従来、上述のようなヘッドコアに形成され
たギャップには、ガラスが充填されており、このガラス
は通常、鉛を主成分とした低融点鉛ガラス等が使用され
ている。しかし、結晶化ガラス基板、アモルファス合金
薄膜および蒸着による合金薄膜等をガラスを用いて溶着
する場合、溶着工程における結晶化ガラス基板の熱変形
や合金薄膜の熱応力による剥離等が生じやすい。そこ
で、これらを防するために、溶着用ガラスにおいては、
理想的には600℃以下のなるべく低い温度で溶着を行
い得るような特性が必要とされ、同時に十分な濡れ性を
備えていることも必要とされる。さらに、溶着工程にお
いて、合金薄膜の剥離を生じさせず、ガラス自体の割れ
欠けをも生じさせないためには、磁気ヘッド溶着用ガラ
ス組成物とそれ以外の材料との間の熱膨張係数の差を出
来るだけ小さくする必要がある。
【0004】そのためには、常温からガラス屈伏点まで
一定な熱膨張挙動をもつ低融点ガラスが必要とされる。
一方、磁気テープの摺動面に露光した部分に偏摩耗が生
じないように、ビッカース硬度が500以上であるよう
なガラス組成物、及び良好な耐水性を備えたガラス組成
物が望まれている。さらに、VTR(Video Tape Recor
der)において、磁気ヘッドのテープ摺動面上のガラス
部分がテープ摺動時に摩擦帯電を起こし、その結果放電
し、その放電の際にモニターの画面上に“白飛び”と呼
ばれるいわゆる放電ノイズを発生させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、600
℃以下の低い温度で溶着を行うことが可能な従来の磁気
ヘッド溶着用ガラス組成物は、一般に、硬度や耐水性等
に問題を有するものが多く、また、ビッカース硬度が5
00以上のガラスは、600℃以下という温度では十分
な濡れ性を有するものが少ない。さらに、常温から屈伏
点まで一定な熱膨張挙動をもつ低融点ガラスが必要とさ
れるが、このようなガラスはあまり存在しておらず、た
とえ存在している低融点ガラスであっても、ガラスの安
定性や強度等に問題を有しているものが多い。さらに、
ガラスの強度不足からガラスの割れ欠けを生じやすく、
特に低温度や低湿度の冬期にガラスの摩擦帯電から白飛
びを発生させる等の問題を有していた。これらの結果、
従来の低融点ガラスを用いた場合、磁気ヘッド製造工程
における歩留まりの低下を招き、さらには、出来上がっ
た磁気ヘッドを搭載したVTRが白飛びを発生させる等
の問題を生じていた。
【0006】本発明は、このような実情に鑑みなされた
もので、ガラス中に歪を生じにくく、ガラスの割れ欠け
を減少させ、熱応力による合金薄膜等の剥離を防止し、
摩擦による帯電を減少させることを可能にした磁気ヘッ
ド溶着用ガラス組成物を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、(1)SiOを主成分とし、該SiO
を20重量%以上、25重量%以下の含有量とし、前
記SiO以外にガラス化を補うためにPb、Tl、T
e及びBiの酸化物のうち少なくとも1種類以上と、N
O、K Oの両者を4:1の割合で、その合計8重
量%以下と、ZnO、ZrOそれぞれの3重量%以下と
を成分として含むこと、或いは、(2)前記(1)にお
いて、元素の周期表におけるII族であるアルカリ土類
金属の酸化物のうち少なくとも1種類以上と、両性元素
の酸化物を3種類以上とを成分としてさらに含むこと
或いは、(3)前記(1)において、AgI、AgB
r、AgCl及びAg Oのうち少なくとも1種類を成
分として含むこと、或いは、(4)SiO を主成分と
し、該SiO を20重量%以上、25重量%以下の含
有量とし、前記SiO 以外にガラス化を補うためにP
b、Tl、Te及びBiの酸化物のうち少なくとも1種
類以上と、AgI、AgBr、AgCl及びAgOの
うち少なくとも1種類を成分として含むことを特徴とす
るものである。
【0008】
【作用】本発明の磁気ヘッド溶着用ガラス組成物は、網
目形成酸化物であるSiO2を20重量%以上含み、ビ
ッカース硬度が400以上の高硬度で耐摩耗性に優れ、
さらにヤング率が6000〜7000kg/mm2と低
融点ガラスとしては異例なほど弾性に富み、歪みに強
く、ガラスの割れ欠けが減少し、熱応力による合金薄膜
等の剥離を防止する。また、比較的低融点の金属である
Pb、Tl、Te及びBi等の比較的ガラス化が容易
で、粘度を下げる働きをもつ酸化物のうち少なくとも1
種類以上を含み、融液は極めて低融点、低粘度で、被溶
着材料との濡れ性に富み、比較的低温での溶着が可能で
ある。かつ、Na2O、K2Oの両者を4:1の割合で、
合計8重量%以下含有することにより、ガラス組成物の
熱膨張係数を110〜130(×10-7/℃)の範囲で調
整することができ、さらに両者が4:1の割合のため、
耐水性は極端に劣化する。さらに、ZnO、ZrOをそ
れぞれ3重量%以下含むため、ZnOの働きによりさら
にビッカーズ硬度が500程度に向上し、ZrOの働き
により、ガラス表面に皮膜を作り、耐水性が向上してい
る。
【0009】また、本発明のガラス組成物に元素の周期
表より、II族のアルカリ土類金属の酸化物を少なくとも
1種類以上含有し、I族のアルカリ金属の酸化物ほど耐
水性を劣化させることなく、熱膨張係数を110〜14
0(×10-7/℃)の範囲で調整することができ、かつ、
両性元素の酸化物を3種類以上含むことにより、ガラス
の摩擦帯電量を大幅に減少させる。
【0010】また、本発明のガラス組成物は、AgI、
AgBr、AgCl及びAg2Oのうち少なくとも1種
類を含み、ガラスにイオン伝導性をもたせ、その結果と
してガラスの摩擦帯電量を減少させ、ガラス中にアース
を設ける効果により、摩擦帯電を防止する。
【0011】
【実施例】本発明の一実施例について以下に説明する。
SiO2、PbO、B23、Al23、Na2O、K
2O、Tl23、ZnO、ZrO、CaOおよびSrO
の各原料をそれぞれ所定量ずつ採取して配合し、白金ル
ツボ中、1200℃の温度で約1時間熔融および混合す
ることにより、表1に示す試料1を作製した。
【0012】
【表1】
【0013】上記ガラス組成物を用いて種々の磁気ヘッ
ドのコアを作製した結果、フェライト、センダスト、F
e系アモルファス、Co系アモルファス合金磁性材料、
Li2O・SiO2及びSiO2・Al23・ZnOをそ
れぞれ主結晶とする結晶化ガラス基板等とほとんど反応
せず、核化を抑制する効果があった。したがって、特に
磁気特性の劣化を防止することができた。また、700
℃に加熱し、1時間保持した後、冷却する工程を3回繰
り返した場合においても、上記ガラス中の透明度は変化
せず、色のくすみも発生しない安定なガラスであり、磁
気ヘッド生産工程における再加熱加工にも十分耐えるこ
とが確認された。
【0014】さらに、上記ガラス組成物は、一般的な磁
気ヘッド溶着用低融点ガラスと比較した場合、急冷却し
た際の残留歪みが比較的少なく、さらに本発明によるガ
ラス組成物は、ヤング率が7000kg/mm2と低融
点ガラスとしてはかなり大きく、その結果、ガラスの割
れ欠けの発生を防止することができた。また、上記ガラ
ス組成物は、ガラスの強度、安定性等と密接に関係する
SiO2等の網目形成酸化物のガラス中における占有率
が高いこと、またZnOを含むことから、ビッカース硬
度も550と低融点ガラスとしては稀にみる高硬度であ
り、磁気テープ摺動時の耐摩耗性にも優れており、偏摩
耗も見られなかった。
【0015】さらに、上記ガラス組成物は、Tl23
比較的多く含んでいることから、低融点、低粘度であ
り、したがって、被溶着材料との間の濡れ性に富み、作
業温度が550℃と比較的低温で溶着が可能であった。
また、結晶化ガラス基板の熱変形によるガラスの割れ欠
けを減少させ、合金薄膜の熱応力による剥離等を防止す
ることができた。
【0016】一方、上記組成比で作製した磁気ヘッド溶
着用ガラス組成物は、熱膨張係数が120であり、磁気
ヘッド基板の熱膨張係数に容易に一致させることができ
た。したがって、基板及び溶着ガラスの間の熱膨張の違
いによる応力、割れ欠け等の発生を防止し、その結果、
両者の良好な密着を得ることができた。請求項1記載の
磁気ヘッド溶着用ガラス組成物においては、網目形成酸
化物であるSiOを20重量%以上含むので、ビッカ
ース硬度が400以上の高硬度で耐摩耗性に優れ、さら
にヤング率が6000〜7000kg/mmと低融点
ガラスとしては異例なほど弾性に富み、歪みに強く、ガ
ラスの割れ欠けが減少し、熱応力による合金薄膜等の剥
離を防止する。
【0017】一方、SiO2が25重量%以上含まれる
ガラスを用いて作製した磁気ヘッドをVTRに搭載し
て、ソフトテープの再生を行うと、モニター画面上に白
飛びが確認されてしまうので、SiO2を25重量%以
下とすると、比較的摩擦帯電量を小さく抑えることが出
来る。また、比較的低融点の金属であるPb、Tl、T
e及びBi等の比較的ガラス化が容易で粘度を下げる働
きをもつ酸化物のうち少なくとも1種類以上を含むこと
により、融液は極めて低融点、低粘度で、被溶着材料と
の濡れ性に富み、比較的低温での溶着が可能となる。
【0018】一般に磁気ヘッド溶着用ガラス中にZrO
2およびK2O、Na2O等のアルカリ金属の酸化物を添
加することにより、ガラスの熱膨張を容易に抑制するこ
とが可能になる反面、磁気ヘッド溶着用ガラスにとって
重要な位置を占める耐水性を劣化させることが知られて
いるが、上記ガラス組成物においては、Na2O及びK2
Oの組成比を重量%でほぼ4:1の割合に設定し、さら
に両者合計で6.5重量%と8重量%に抑えてあるた
め、良好な耐水性を有していることが確認された。しか
し、ZrO2を添加せずに作製したガラスやNa2O、K
2Oの割合を4:1から大きくずらした場合、例えば、
割合を2:1に設定し、あるいは8重量%を超えて、例
えば、12重量%、すなわちNa2Oを8重量%、K2
を4重量%用いて作製したガラス組成物においては、耐
水性が著しく悪化するという結果を得た。さらに、上記
ガラス組成物は、ZrO2を含むことにより、磁気ヘッ
ド溶着用ガラスにとっては重要である耐水性をさらに大
幅に向上させることができた。
【0019】また、本発明の実施例のガラス組成物は、
PbO、Al23、Tl23およびZnOと4種類の両
性金属の酸化物を含んでいるため、図1に示す摩擦帯電
量が上記4種類のうち、Al23、Tl23およびZn
Oの3種類を添加せずに作製した、図2に示すガラスの
摩擦帯電量(約2000V)の約1/4の略500Vに
抑えられていた。本発明の実施例の低融点ガラスを用い
て作製した磁気ヘッドを搭載したVTRデッキを用い
て、市販のソフトテープを再生したが、完全に放電ノイ
ズを防止することが出来た。
【0020】請求項に記載のガラス組成物において
は、前記請求項1記載のガラス組成物に元素の周期表よ
り、II族のアルカリ土類金属の酸化物を少なくとも1
種類以上含有し、I族のアルカリ金属の酸化物ほど耐水
性を劣化させることなく、熱膨張係数を110〜140
(×10−7/℃)の範囲で調整することができ、か
つ、両性元素の酸化物を3種類以上含むことにより、ガ
ラスの摩擦帯電量を大幅に減少させる。
【0021】II族のアルカリ土類金属の酸化物、例え
ば、BaO等はI族ほどイオン化傾向が大きくないた
め、大気中の水分に対しても比較的安定であり、耐水性
の確保に有利に働く。しかし、I族のアルカリ金属同
様、熱膨張係数の調整が比較的容易である。さらに、両
性元素、例えば、Zn、Al、Tl、Pb等を3種類以
上含むため、結果的に本発明のガラス組成物は、アルカ
リ金属(I族)、アルカリ土類金属(II族)、両性元素
等、それぞれ異なった電位がばらばらに配置され、それ
らが全体で見ると、電位の平衡を保つような、すなわ
ち、イオン結合に近い形であると推察される。このとき
に、両性元素が、あるときはプラス、あるときはマイナ
スに作用して、うまく全体の電位を平衡に保つ働きをも
つ。したがって、本発明によるガラス組成物を用いて作
製された磁気ヘッドは、磁気テープとこすれあった際
に、部分的にプラスあるいはマイナスに帯電しても、周
りの両性元素等の酸化物が働いて、全体の電位が一定に
落ち着き、モニター画面上に白飛びが発生するほど帯電
量が増えることがない。ただし、このことは、ガラスの
電気抵抗が小さくなり、電気が流れやすくなることを意
味しているのではなく、あくまでも、モニター上の白飛
びを防止する程度に、摩擦帯電を防止する効果があるこ
とを意味している。
【0022】また、本発明の実施例のガラス組成物に、
更にAgOを1.5重量%添加したところ、図3に示
す摩擦帯電量が約200Vと図1の約半分に減少するこ
とが確認された。以上のように、上記実施例の磁気ヘッ
ド溶着用ガラス組物は、磁気ヘッド溶着用ガラスに対す
る要求仕様をほぼ完全に満足しているものであった。し
たがって、このガラス組成物を使用する場合は、生産工
程における歩留まりを良くし、製品の品質を大幅に向上
させることができる。請求項3,4に記載のガラス組成
物においては、それぞれ前記請求項1記載の、又は請求
項1のベース成分からなるガラス組成物にAgI、Ag
Br、AgCl及びAgOのうち少なくとも1種類を
含むため、ガラスにイオン伝導性をもたせ、その結果と
してガラスの摩擦帯電量を減少させ、ガラス中にアース
を設ける効果により、摩擦帯電を防止する。
【0023】図1、図2および図3は、ピンオンディス
ク試験機を用い、ディスク側を本発明によるガラス組成
物、または、本発明の範囲を外れて作製したガラス組成
物を用い、ピン側を市販のビデオテープ材料として、デ
ィスク上に摩擦により発生した電位を振動容量型表面電
位計で測定した。
【0024】
【発明の効果】本発明は、以上に説明したように構成さ
れているので、以下のような効果を奏する。 (1)上記請求項1記載の磁気ヘッド溶着用ガラス組成
物は、網目形成酸化物であるSiOを20重量%以上
含むことから、ビッカース硬度が400以上の高硬度で
耐摩耗性に優れ、さらにヤング率が6000〜7000
kg/mm以上で、鉛低融点ガラスとしては例外的に
弾性に富み、ガラス中に歪みを生じにくく、ガラスの割
れ欠けが減少し、熱応力により合金薄膜等の剥離を防止
することが出来るという効果を奏する。さらに、SiO
が25重量%以下のため、比較的摩擦帯電量を小さく
抑えることが出来る。また、比較的低融点の金属である
Pb、Tl、TeおよびBi等の比較的ガラス化が容易
で粘度を下げる働きをもつ酸化物のうち少なくとも1種
類以上を含むことにより、融液は極めて低融点、低粘度
で、被溶着材料との濡れ性に富み、比較的低温での溶着
が可能という効果を奏する。かつNaO、KOの両
者を4:1の割合で、合計8重量%以下含有することに
より、ガラス組成物の熱膨張係数を110〜130(×
10−7/℃)の範囲で調整することができ、さらに両
者が4:1の割合のため、耐水性に優れるという効果を
奏する。さらに、ZnO、ZrOをそれぞれ3重量%以
下含むため、ZnOの働きによりさらにビッカーズ硬度
が500程度に向上し、ZrOの働きにより、ガラス表
面に皮膜を作り、耐水性を向上させるという効果を奏す
る。 (2)上記請求項に記載のガラス組成物は、上記請求
1記載のガラス組成物に元素の周期表より、II族の
酸化物を少なくとも1種類以上含有するため、耐水性を
劣化させることなく、熱膨張係数を110〜140(×
10−7/℃)の範囲で調整することができ、かつ両性
元素の酸化物を3種類以上含むことにより、ガラスの摩
擦帯電量を大幅に減少させることが出来るという効果を
奏する。さらに、両性元素、例えばZn、Al、Tl、
Pb等を3種類以上含むため、本発明のガラス組成物を
用いて、作製された磁気ヘッドは、磁気テープとこすれ
あった際に、部分的にプラスあるいはマイナスに帯電し
ても、周りの両性元素等の酸化物が働いて、全体の電位
が一定に落ち着き、モニター画面上に白飛びが発生する
ほど帯電量が増えることがないという効果を奏する。 (3)上記請求項3,4に記載のガラス組成物は、上記
請求項1、又は請求項1のベース成分からなるガラス組
成物にAgI、AgBr、AgCl及びAgOのうち
少なくとも1種類を含むためにガラスにイオン伝導性を
もたせ、その結果として、ガラスの摩擦帯電量を減少さ
せる。すなわち、ガラス中にアースを設ける効果によ
り、摩擦帯電を防止するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により作成した磁気ヘッド溶着用ガラス
組成物の摩擦帯電量を示す図である。
【図2】本発明の範囲を外れて作製した従来の磁気ヘッ
ド溶着用ガラス組成物の摩擦帯電量を示す図である。
【図3】本発明の実施例で作製した磁気へッド溶着用ガ
ラス組成物に、更にAg2Oを1.5重量%添加して作製
した磁気ヘッド溶着用ガラス組成物の摩擦帯電量を示す
図である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiOを主成分とし、該SiOを2
    0重量%以上、25重量%以下の含有量とし、前記Si
    以外にガラス化を補うためにPb、Tl、Te及び
    Biの酸化物のうち少なくとも1種類以上と、Na
    O、K Oの両者を4:1の割合で、その合計8重量
    %以下と、ZnO、ZrOそれぞれの3重量%以下とを
    成分として含むことを特徴とする磁気ヘッド溶着用ガラ
    ス組成物。
  2. 【請求項2】 元素の周期表におけるII族であるアル
    カリ土類金属の酸化物のうち少なくとも1種類以上と、
    両性元素の酸化物を3種類以上とを成分としてさらに含
    むことを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド溶着用ガ
    ラス組成物。
  3. 【請求項3】 AgI、AgBr、AgCl及びAg
    Oのうち少なくとも1種類を成分として含むことを特徴
    とする請求項1記載の磁気ヘッド溶着用ガラス組成物。
  4. 【請求項4】 SiO を主成分とし、該SiO を2
    0重量%以上、25重量%以下の含有量とし、前記Si
    以外にガラス化を補うためにPb、Tl、Te及び
    Biの酸化物のうち少なくとも1種類以上と、AgI、
    AgBr、AgCl及びAgOのうち少なくとも1種
    類を成分として含むことを特徴とする磁気ヘッド溶着用
    ガラス組成物。
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