JPH0629152B2 - 基板用結晶化ガラスの製造方法 - Google Patents
基板用結晶化ガラスの製造方法Info
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- JPH0629152B2 JPH0629152B2 JP62043793A JP4379387A JPH0629152B2 JP H0629152 B2 JPH0629152 B2 JP H0629152B2 JP 62043793 A JP62043793 A JP 62043793A JP 4379387 A JP4379387 A JP 4379387A JP H0629152 B2 JPH0629152 B2 JP H0629152B2
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- glass
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- coefficient
- heat treatment
- crystallized glass
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C10/00—Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition
- C03C10/0009—Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition containing silica as main constituent
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- Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)
- Glass Compositions (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、各種電気機器分野等に用いられる基板材、特
に磁気ヘッド用基板材に適した大きな熱膨張係数を有
し、かつ熱処理条件による熱膨張係数の変動が小さい基
板用結晶化ガラスを製造する方法に関する。
に磁気ヘッド用基板材に適した大きな熱膨張係数を有
し、かつ熱処理条件による熱膨張係数の変動が小さい基
板用結晶化ガラスを製造する方法に関する。
[従来の技術] 磁気ヘッドは、オーディオ機器、VTRおよびコンピュ
ータ等において、情報の記録、再生、消去機能を担う重
要な部品であり、近年需要が増大している。特に、これ
らの機器の小型化、情報の高密度化の要望が高まる中
で、IC等の薄膜技術を応用した薄膜磁気ヘッドの開発
が、急速に進んできている。
ータ等において、情報の記録、再生、消去機能を担う重
要な部品であり、近年需要が増大している。特に、これ
らの機器の小型化、情報の高密度化の要望が高まる中
で、IC等の薄膜技術を応用した薄膜磁気ヘッドの開発
が、急速に進んできている。
この薄膜磁気ヘッドは、基板上に磁性材料を薄膜形成し
たもので、Ni−Znフェライト、Mn−Znフェライ
ト、パーマロイ(Fe−Ni)、センダスト(Fe−A
l−Si)およびそれらの非晶質物等の薄膜が、情報の
記録、再生、消去機能を担い、基板は磁性材料の支持と
共に摺動機能等を担うため、基板自体にも、種々の特性
が要望される。すなわち、(1)磁性材料との接着性を
良好にするため、磁性材の種類に応じ、約100〜20
0×10-7/℃の範囲の熱膨張係数を選び得ること、
(2)磁性材料の薄膜形成作業等が高温で行なわれるた
め、600℃以上の耐熱性を有すること、(3)磁気テ
ープやディスクとの摺動により片ヘリを生じないよう前
記磁性材料とほぼ同等の硬度、すなわち、ビッカース硬
度で約450〜900kgf/mm2の範囲を有すること、
(4)組織が緻密で均質、微細であること、(5)品質
が一定で生産性に優れていること等が一般に必要とされ
ている。
たもので、Ni−Znフェライト、Mn−Znフェライ
ト、パーマロイ(Fe−Ni)、センダスト(Fe−A
l−Si)およびそれらの非晶質物等の薄膜が、情報の
記録、再生、消去機能を担い、基板は磁性材料の支持と
共に摺動機能等を担うため、基板自体にも、種々の特性
が要望される。すなわち、(1)磁性材料との接着性を
良好にするため、磁性材の種類に応じ、約100〜20
0×10-7/℃の範囲の熱膨張係数を選び得ること、
(2)磁性材料の薄膜形成作業等が高温で行なわれるた
め、600℃以上の耐熱性を有すること、(3)磁気テ
ープやディスクとの摺動により片ヘリを生じないよう前
記磁性材料とほぼ同等の硬度、すなわち、ビッカース硬
度で約450〜900kgf/mm2の範囲を有すること、
(4)組織が緻密で均質、微細であること、(5)品質
が一定で生産性に優れていること等が一般に必要とされ
ている。
この基板用材料としては、粉体焼結法によるセラミック
スや、溶融法による結晶化ガラスが候補とされている。
しかし、焼結セラミックスは、粉体の粒度調整等工程操
作が複雑であり高価となるうえ、気孔の全くない緻密な
ものを得るのは困難である。
スや、溶融法による結晶化ガラスが候補とされている。
しかし、焼結セラミックスは、粉体の粒度調整等工程操
作が複雑であり高価となるうえ、気孔の全くない緻密な
ものを得るのは困難である。
これに比べて、結晶化ガラスは緻密なものを容易に得ら
れる利点がある。前記要望事項にあるような大きな熱膨
張係数を有するものとしては、酸化物基準であらわして
SiO2−Li2O系の結晶化ガラスが多数知られてい
る。たとえば、特公昭36−19480号公報には、S
iO2−Li2O−(Al2O3)−P2O5系の結晶
化ガラスが、特公昭38−924号公報には、SiO2
−Li2O−(Al2O3)−ROおよび/又はR2O
3−P2O5系の結晶化ガラスが各々記載されている。
また、特開昭49−125419号公報には、SiO2
−Li2O−Al2O3−(TiO2/ZrO2/P2
O5/F)系の結晶化ガラスが、特開昭50−9401
7号公報には、高温の熱処理によって得られるSiO2
−Li2O−P2O5系結晶化ガラスの製造方法が開示
されている。さらに、特開昭60−180934号公報
には、SiO2−Li2O系に感光性金属を核剤として
含有させた結晶化ガラスが提案されている。
れる利点がある。前記要望事項にあるような大きな熱膨
張係数を有するものとしては、酸化物基準であらわして
SiO2−Li2O系の結晶化ガラスが多数知られてい
る。たとえば、特公昭36−19480号公報には、S
iO2−Li2O−(Al2O3)−P2O5系の結晶
化ガラスが、特公昭38−924号公報には、SiO2
−Li2O−(Al2O3)−ROおよび/又はR2O
3−P2O5系の結晶化ガラスが各々記載されている。
また、特開昭49−125419号公報には、SiO2
−Li2O−Al2O3−(TiO2/ZrO2/P2
O5/F)系の結晶化ガラスが、特開昭50−9401
7号公報には、高温の熱処理によって得られるSiO2
−Li2O−P2O5系結晶化ガラスの製造方法が開示
されている。さらに、特開昭60−180934号公報
には、SiO2−Li2O系に感光性金属を核剤として
含有させた結晶化ガラスが提案されている。
ところが、これらの従来技術による結晶化ガラスは、い
ずれも熱処理温度の若干の違いで熱膨張係数が大きく変
化してしまう。このため、実際の製造においては、ロッ
ドごとに熱膨張係数が変動しやすく、また、加熱装置内
の温度のバラつきによって、製品中の熱膨張係数が不均
一となりやすい。そのため、品質が不安定で、生産性に
乏しい欠点がある。
ずれも熱処理温度の若干の違いで熱膨張係数が大きく変
化してしまう。このため、実際の製造においては、ロッ
ドごとに熱膨張係数が変動しやすく、また、加熱装置内
の温度のバラつきによって、製品中の熱膨張係数が不均
一となりやすい。そのため、品質が不安定で、生産性に
乏しい欠点がある。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、上述の点に鑑み、基板用材料に対する前記各
要望事項を満たし、しかも熱処理温度による熱膨張係数
の変化が小さい、基板用結晶化ガラスの製造方法を提供
することを目的とする。
要望事項を満たし、しかも熱処理温度による熱膨張係数
の変化が小さい、基板用結晶化ガラスの製造方法を提供
することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明者は、上記目的を達成するため種々の試験研究を
重ねた結果、比較的少量のP2P5と特定範囲量のMg
O成分を必須的に含有させたSiO2−Li2O−P2
O5−MgO系原ガラスを700〜850℃以下の温度
で熱処理することにより得られる結晶化ガラスは、組織
の緻密性、微細性に優れ、かつ適切な硬度を有するう
え、P2P5の量によって所望の熱膨張係数を選択する
ことができ、しかも熱処理による熱膨張係数の変化が小
さいことをみいだすことができた。
重ねた結果、比較的少量のP2P5と特定範囲量のMg
O成分を必須的に含有させたSiO2−Li2O−P2
O5−MgO系原ガラスを700〜850℃以下の温度
で熱処理することにより得られる結晶化ガラスは、組織
の緻密性、微細性に優れ、かつ適切な硬度を有するう
え、P2P5の量によって所望の熱膨張係数を選択する
ことができ、しかも熱処理による熱膨張係数の変化が小
さいことをみいだすことができた。
従来のSiO2−Li2O系ガラスは、熱処理温度によ
って結晶の種類や生成量が変化しやすいため、熱膨張係
数が大きく変化し、品質の安定した生産が困難であるの
に対し、本発明の上記SiO2−Li2O−P2P5−
MgO系の原ガラスを用いて所定の熱処理を行なう場合
には、熱処理温度がかなり変化しても、P2O5の含有
量に応じて、Li2O・2SiO2、クリストバライ
ト、α−石英およびLi2O・SiO2等の結晶の生成
および成長が、抑制ないし調整されるため、熱膨張係数
が大きく変化しないものと考えられる。そのため、P2
P5量を制御することにより、所望の熱膨張係数を有す
る製品を、容易に、かつ安定して製造することができ
る。
って結晶の種類や生成量が変化しやすいため、熱膨張係
数が大きく変化し、品質の安定した生産が困難であるの
に対し、本発明の上記SiO2−Li2O−P2P5−
MgO系の原ガラスを用いて所定の熱処理を行なう場合
には、熱処理温度がかなり変化しても、P2O5の含有
量に応じて、Li2O・2SiO2、クリストバライ
ト、α−石英およびLi2O・SiO2等の結晶の生成
および成長が、抑制ないし調整されるため、熱膨張係数
が大きく変化しないものと考えられる。そのため、P2
P5量を制御することにより、所望の熱膨張係数を有す
る製品を、容易に、かつ安定して製造することができ
る。
本発明は、上記の知見に基づいてなされたものである。
本発明にかかる基板用結晶化ガラスの製造方法の特徴
は、重量%で、SiO2 60〜87%、Li2O 5
〜15%、Na2Oおよび/またはK2O 0.5〜1
0%、MgO 0.5〜7.5%、CaO 0〜9.5
%、SrO 0〜15%、BaO 0〜13%、ZnO
0〜13%、B2O3 0〜10%、Al2O3 0
〜9%、P2O5 0.5〜8%、TiO2 0〜5
%、ZrO2 0〜3%、SnO2 0〜3%、As2
O3+Sb2O3 0〜2%および上記各金属酸化物の
1種または2種以上の金属元素の弗化物をFの合計量と
して0〜5%を含有するガラスを、700〜850℃以
下の結晶化温度で熱処理するところにある。
は、重量%で、SiO2 60〜87%、Li2O 5
〜15%、Na2Oおよび/またはK2O 0.5〜1
0%、MgO 0.5〜7.5%、CaO 0〜9.5
%、SrO 0〜15%、BaO 0〜13%、ZnO
0〜13%、B2O3 0〜10%、Al2O3 0
〜9%、P2O5 0.5〜8%、TiO2 0〜5
%、ZrO2 0〜3%、SnO2 0〜3%、As2
O3+Sb2O3 0〜2%および上記各金属酸化物の
1種または2種以上の金属元素の弗化物をFの合計量と
して0〜5%を含有するガラスを、700〜850℃以
下の結晶化温度で熱処理するところにある。
本発明において結晶化させるガラスの組成範囲を上記の
ように限定した理由はつぎのとおりである。
ように限定した理由はつぎのとおりである。
すなわち、SiO2成分は、Li2O・2SiO2、L
i2O・SiO2や高膨張性のクリストバライト、α−
石英の結晶を得るための重要な成分であるが、その量が
60%未満ではクリストバライトおよびα−石英の結晶
が析出し難くなるため、所望の高熱膨張係数が得られ
ず、また87%を超えるとガラスの溶融が困難となる。
i2O・SiO2や高膨張性のクリストバライト、α−
石英の結晶を得るための重要な成分であるが、その量が
60%未満ではクリストバライトおよびα−石英の結晶
が析出し難くなるため、所望の高熱膨張係数が得られ
ず、また87%を超えるとガラスの溶融が困難となる。
Li2O成分は、Li2O・2SiO2およびLi2O
・SiO2結晶を得るための重要な成分であるが、その
量が5%未満ではガラス溶融が困難となるうえに、上記
結晶を十分に析出させることができない。また、15%
を超えると、高膨張性のクリストバライトおよびα−石
英が析出し難く、所望の高熱膨張係数が得られない。な
お、Li2O量は、製品の高硬度および高熱膨張特性を
顕著にし、結晶粒径を一層微小にするためには、5〜1
2%が好ましい。
・SiO2結晶を得るための重要な成分であるが、その
量が5%未満ではガラス溶融が困難となるうえに、上記
結晶を十分に析出させることができない。また、15%
を超えると、高膨張性のクリストバライトおよびα−石
英が析出し難く、所望の高熱膨張係数が得られない。な
お、Li2O量は、製品の高硬度および高熱膨張特性を
顕著にし、結晶粒径を一層微小にするためには、5〜1
2%が好ましい。
Na2OおよびK2O成分は、ガラスの溶融性を向上さ
せる重要な成分であり、それぞれ10%まで含有させる
ことができる。なお、上記効果を得るためには、Na2
OおよびK2Oの1種または2種の合計量を0.5%以
上含有させることが好ましい。
せる重要な成分であり、それぞれ10%まで含有させる
ことができる。なお、上記効果を得るためには、Na2
OおよびK2Oの1種または2種の合計量を0.5%以
上含有させることが好ましい。
MgO成分は、ガラスの溶融性の改善、ガラス成形時の
部分的乳白化の防止、熱膨張曲線に大きな屈曲をもたら
すα−クリストバライト結晶の過度の析出抑制、および
下記に示すP2O5成分との共存により、熱処理条件に
よる熱膨張係数の変化を抑制するための重要な成分であ
り、その量が0.5%未満ではそれらの効果が十分では
ない。また、CaO、SrOおよびBaO成分も上記の
乳白化防止と上記結晶の析出抑制を除いてMgOと同様
の効果があるので添加し得るが、これらの成分のうちM
gOは7.5%を、CaOは9.5%を、SrOは15
%を、BaOは13%をそれぞれ超えると、所望の結晶
析出が困難になるとともに、結晶粒径が粗大化して緻密
性が低下する。同様の理由でこれらの成分の合計量は2
5%までとするのが好ましい。ZnO成分は、ガラスの
溶融性の改善、熱処理条件による熱膨張係数の変化の抑
制に補助的効果があるので13%まで含有させることが
できる。
部分的乳白化の防止、熱膨張曲線に大きな屈曲をもたら
すα−クリストバライト結晶の過度の析出抑制、および
下記に示すP2O5成分との共存により、熱処理条件に
よる熱膨張係数の変化を抑制するための重要な成分であ
り、その量が0.5%未満ではそれらの効果が十分では
ない。また、CaO、SrOおよびBaO成分も上記の
乳白化防止と上記結晶の析出抑制を除いてMgOと同様
の効果があるので添加し得るが、これらの成分のうちM
gOは7.5%を、CaOは9.5%を、SrOは15
%を、BaOは13%をそれぞれ超えると、所望の結晶
析出が困難になるとともに、結晶粒径が粗大化して緻密
性が低下する。同様の理由でこれらの成分の合計量は2
5%までとするのが好ましい。ZnO成分は、ガラスの
溶融性の改善、熱処理条件による熱膨張係数の変化の抑
制に補助的効果があるので13%まで含有させることが
できる。
B2O3成分は、ガラスの溶融性を向上する有効な成分
であるが、その含有量が10%以上では、所望の結晶を
析出し難くなる。
であるが、その含有量が10%以上では、所望の結晶を
析出し難くなる。
Al2O3成分は、製品の化学的耐久性および硬度を向
上させる有効な成分であるが、その含有量が10%を超
えると溶融性が悪化し、さらに低膨張性のβ−スポジュ
ーメンの結晶が析出し、熱膨張係数が低下する。
上させる有効な成分であるが、その含有量が10%を超
えると溶融性が悪化し、さらに低膨張性のβ−スポジュ
ーメンの結晶が析出し、熱膨張係数が低下する。
P2O5成分は、本発明において、ガラスの結晶核剤と
して働くと共に、上記MgO成分との共存下において製
品の熱膨張係数の調整および熱処理条件による熱膨張係
数の変化を抑制する効果をみいだされた重要な成分であ
る。第1図は、SiO2 82.0%、Al2O3
3.1%、Li2O 8.5%、K2O 3.6%、N
a2O 1.0、MgO 1.5%およびAs2O3
0.3%からなる基礎組成に、P2O5を添加して得た
ガラスを熱処理(570℃×1時間→810℃×2時
間)した場合の、P2O5添加量に対する熱膨張係数
(α×10-7/℃)の変化を示したものである。図から
明らかなようにP2O5量を適宜に選ぶことにより、所
望の熱膨張係数を得ることができる。また、第2図・曲
線aは、上記基礎組成にP2O5 3.0%を添加して
得たガラスについて、熱処理温度を変えた場合の結晶化
後の熱膨張係数の変化を示したものであり、また曲線b
は、MgOとP2O5を含有しない以外は、上記と同様
の組成からなるガラスを用いた従来の例(後に述べる表
−1の比較例A)の熱膨張係数の変化を示したものであ
る。前者は後者に比べて、その変化が非常に小さいこと
がわかる。従って、本発明の製造方法によれば、熱処理
による熱膨張係数の変化が実質的に起こらない品質の一
定した結晶化ガラスが得られる。P2O5成分は、上記
効果のために最低0.5%の含有が必要であるが、8%
を超えるとガラスが失透を生じやすくなりガラスの成形
が困難となる。
して働くと共に、上記MgO成分との共存下において製
品の熱膨張係数の調整および熱処理条件による熱膨張係
数の変化を抑制する効果をみいだされた重要な成分であ
る。第1図は、SiO2 82.0%、Al2O3
3.1%、Li2O 8.5%、K2O 3.6%、N
a2O 1.0、MgO 1.5%およびAs2O3
0.3%からなる基礎組成に、P2O5を添加して得た
ガラスを熱処理(570℃×1時間→810℃×2時
間)した場合の、P2O5添加量に対する熱膨張係数
(α×10-7/℃)の変化を示したものである。図から
明らかなようにP2O5量を適宜に選ぶことにより、所
望の熱膨張係数を得ることができる。また、第2図・曲
線aは、上記基礎組成にP2O5 3.0%を添加して
得たガラスについて、熱処理温度を変えた場合の結晶化
後の熱膨張係数の変化を示したものであり、また曲線b
は、MgOとP2O5を含有しない以外は、上記と同様
の組成からなるガラスを用いた従来の例(後に述べる表
−1の比較例A)の熱膨張係数の変化を示したものであ
る。前者は後者に比べて、その変化が非常に小さいこと
がわかる。従って、本発明の製造方法によれば、熱処理
による熱膨張係数の変化が実質的に起こらない品質の一
定した結晶化ガラスが得られる。P2O5成分は、上記
効果のために最低0.5%の含有が必要であるが、8%
を超えるとガラスが失透を生じやすくなりガラスの成形
が困難となる。
TiO2、ZrO2およびSnO2成分は、核形成剤と
してそれぞれ5%、3%および3%まで、補助的に使用
し得る。
してそれぞれ5%、3%および3%まで、補助的に使用
し得る。
As2O3およびSb2O3成分は、ガラス溶融の際の
清澄剤として添加し得るが、これらの1種または2種の
合計量は2%以下で十分である。
清澄剤として添加し得るが、これらの1種または2種の
合計量は2%以下で十分である。
また、上記金属酸化物の1種または2種以上の金属元素
の弗化物を含有させると、結晶化の調整等に有効である
が、その量がFの合計量として5%を超えるとガラスが
不安定になり、所望の結晶が得られない。
の弗化物を含有させると、結晶化の調整等に有効である
が、その量がFの合計量として5%を超えるとガラスが
不安定になり、所望の結晶が得られない。
なお、本発明において使用するガラスは、上記の成分以
外に、所望の特性を損なわない範囲内で、少量のLa2
O3、Y2O3、Gd2O3、Ta2O5、Nb
2O5、WO3、Bi2O3、GeO2、Rb2O、C
s2O、Fe2O3、Co2O3、NiO、MnO、C
u2OおよびSO3等の成分を含有させることができ
る。
外に、所望の特性を損なわない範囲内で、少量のLa2
O3、Y2O3、Gd2O3、Ta2O5、Nb
2O5、WO3、Bi2O3、GeO2、Rb2O、C
s2O、Fe2O3、Co2O3、NiO、MnO、C
u2OおよびSO3等の成分を含有させることができ
る。
本発明の製造方法においては、上記のガラス組成を有す
るガラス成形体を熱処理するに当り、適宜の昇温速度で
加熱し、ガラス組成に応じて結晶核形成のため約550
〜800℃×0.5〜10時間の範囲の条件から適宜選
ばれる低温度域の熱処理を行なった後、さらに結晶化の
ための高温度域の所定温度に加熱し、ガラス中にα−ク
リストバライト、Li2O・2SiO2を主結晶とし、
α−石英、Li2O・SiO2を適宜含む所望の微結晶
を生成させるに十分な時間(通常約0.5〜10時間)
保持する。この際、結晶粒径の粗大化、並びに熱膨張係
数および硬度の低下を防止するため、本発明の製造方法
においては、上記結晶化温度域の上限は850℃とすべ
きである。なお、本発明の製造方法においては、必ずし
も上記核形成のための低温度域での保温を必要とせず、
結晶化温度における保温のみとした場合も同様の製品を
得ることができる。
るガラス成形体を熱処理するに当り、適宜の昇温速度で
加熱し、ガラス組成に応じて結晶核形成のため約550
〜800℃×0.5〜10時間の範囲の条件から適宜選
ばれる低温度域の熱処理を行なった後、さらに結晶化の
ための高温度域の所定温度に加熱し、ガラス中にα−ク
リストバライト、Li2O・2SiO2を主結晶とし、
α−石英、Li2O・SiO2を適宜含む所望の微結晶
を生成させるに十分な時間(通常約0.5〜10時間)
保持する。この際、結晶粒径の粗大化、並びに熱膨張係
数および硬度の低下を防止するため、本発明の製造方法
においては、上記結晶化温度域の上限は850℃とすべ
きである。なお、本発明の製造方法においては、必ずし
も上記核形成のための低温度域での保温を必要とせず、
結晶化温度における保温のみとした場合も同様の製品を
得ることができる。
[実施例] つぎに、本発明の基板用結晶化ガラスの製造方法にかか
る好適な実施例につき説明する。
る好適な実施例につき説明する。
表−1は、本発明の基板用結晶化ガラスの製造実施例
(NO.1、2)と従来技術の比較例(NO.A)において、
熱処理温度を変えた場合につき、使用したガラス組成、
結晶化熱処理温度、得られた製品の熱膨張係数(測定温
度範囲;50〜600℃)とその最大値と最小値の差
(Δα)を対比して示したものである。なお、実施例N
O.1と2は、同じ基礎組成に、P2O5の量をかえて添
加したものである。
(NO.1、2)と従来技術の比較例(NO.A)において、
熱処理温度を変えた場合につき、使用したガラス組成、
結晶化熱処理温度、得られた製品の熱膨張係数(測定温
度範囲;50〜600℃)とその最大値と最小値の差
(Δα)を対比して示したものである。なお、実施例N
O.1と2は、同じ基礎組成に、P2O5の量をかえて添
加したものである。
また、表−2は、本発明の別の製造実施例(NO.1〜1
5)と、従来技術の比較例(NO.B)を示したもので、
この表におけるαとΔαは、表記の熱処理温度を基準と
して+25℃と−25℃の熱処理温度を与えた場合の熱
膨張係数の平均値とその差を示したものである。
5)と、従来技術の比較例(NO.B)を示したもので、
この表におけるαとΔαは、表記の熱処理温度を基準と
して+25℃と−25℃の熱処理温度を与えた場合の熱
膨張係数の平均値とその差を示したものである。
本発明の方法において使用する上記実施例のガラスは、
いずれも酸化物、炭酸塩、硝酸塩、リン酸塩および弗化
物等の原料を混合し、これを通常の溶融装置を用いて約
1350〜1500℃の温度で溶融し、攪拌均質化した
後、所望形状に成形し、さらに徐冷して得たものであ
る。その後、これらのガラスを約3.5℃/分の昇温速
度で加熱して核形成温度(ガラスの屈伏点ないしこれよ
り30℃高い温度)で1時間保持した後、約1.5℃/
分の昇温速度で加熱して表記の結晶化温度を基準として
2時間保持し、ガラス中に、Li2O・2SiO2、α
−クリストバライトを主結晶とする微結晶を生成させ、
結晶化ガラスとした。
いずれも酸化物、炭酸塩、硝酸塩、リン酸塩および弗化
物等の原料を混合し、これを通常の溶融装置を用いて約
1350〜1500℃の温度で溶融し、攪拌均質化した
後、所望形状に成形し、さらに徐冷して得たものであ
る。その後、これらのガラスを約3.5℃/分の昇温速
度で加熱して核形成温度(ガラスの屈伏点ないしこれよ
り30℃高い温度)で1時間保持した後、約1.5℃/
分の昇温速度で加熱して表記の結晶化温度を基準として
2時間保持し、ガラス中に、Li2O・2SiO2、α
−クリストバライトを主結晶とする微結晶を生成させ、
結晶化ガラスとした。
表−1および表−2にみられるとおり、本発明の方法の
実施例により得られる結晶化ガラスは、熱処理温度によ
る熱膨張係数の差が格段に小さく、また所望の熱膨張係
数を有する製品を得ることができる。
実施例により得られる結晶化ガラスは、熱処理温度によ
る熱膨張係数の差が格段に小さく、また所望の熱膨張係
数を有する製品を得ることができる。
これに対し、従来技術の比較例AおよびBは、熱処理温
度の変化により熱膨張係数が大きく変化してしまう。
度の変化により熱膨張係数が大きく変化してしまう。
さらに、本発明の方法による結晶化ガラスは、表記して
いないが、ビッカース硬度が約500〜900kg/mm2の
範囲にあり、結晶粒径が1μ以下と微細性に優れてい
る。
いないが、ビッカース硬度が約500〜900kg/mm2の
範囲にあり、結晶粒径が1μ以下と微細性に優れてい
る。
[発明の効果] 以上述べたとおり、本発明の基板用結晶化ガラスの製造
方法は、SiO2−Li2O−P2O5−MgO系の所
定組成を有する原ガラスを850℃以下の温度で結晶化
熱処理する方法であるため、適切な硬度と緻密、均質な
組織を有し、所望の熱膨張係数を容易に選択可能であっ
て、しかも熱処理温度による熱膨張係数の変化の小さい
結晶化ガラスを安定して製造することができる。
方法は、SiO2−Li2O−P2O5−MgO系の所
定組成を有する原ガラスを850℃以下の温度で結晶化
熱処理する方法であるため、適切な硬度と緻密、均質な
組織を有し、所望の熱膨張係数を容易に選択可能であっ
て、しかも熱処理温度による熱膨張係数の変化の小さい
結晶化ガラスを安定して製造することができる。
従って、本発明の結晶化ガラスの製造方法は、磁気ヘッ
ド用をはじめ、上記諸特性を要求される各種基板材の製
造において、きわめて有用である。
ド用をはじめ、上記諸特性を要求される各種基板材の製
造において、きわめて有用である。
第1図は、SiO2−Al2O3−Li2O−K2O−
Na2O−MgO系ガラスへのP2O5添加量による結
晶化ガラスの熱膨張係数の変化を示す図である。第2図
は、本発明方法の実施例と従来例における熱処理温度に
よる熱膨張係数の変化を対比して示した図である。
Na2O−MgO系ガラスへのP2O5添加量による結
晶化ガラスの熱膨張係数の変化を示す図である。第2図
は、本発明方法の実施例と従来例における熱処理温度に
よる熱膨張係数の変化を対比して示した図である。
Claims (1)
- 【請求項1】重量%で、SiO2 60〜87%、Li
2O 5〜15%、Na2Oおよび/またはK2O
0.5〜10%、MgO+CaO+SrO+BaO
0.5%以上、ただし、MgO 0.5〜7.5%、C
aO 0〜9.5%、SrO 0〜15%、BaO 0
〜13%、ZnO 0〜13%、B2O3 0〜10
%、Al2O3 0〜9%、P2O5 0.5〜8%、
TiO2 0〜5%、ZrO2 0〜3%、SnO2
0〜3%、As2O3+Sb2O3 0〜2%および上
記各金属酸化物の1種または2種以上の金属元素の弗化
物をFの合計量として0〜5%を含有するガラスを、7
00〜850℃の結晶化温度で熱処理することを特徴と
する基板用結晶化ガラスの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62043793A JPH0629152B2 (ja) | 1987-02-26 | 1987-02-26 | 基板用結晶化ガラスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62043793A JPH0629152B2 (ja) | 1987-02-26 | 1987-02-26 | 基板用結晶化ガラスの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63210039A JPS63210039A (ja) | 1988-08-31 |
JPH0629152B2 true JPH0629152B2 (ja) | 1994-04-20 |
Family
ID=12673622
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62043793A Expired - Lifetime JPH0629152B2 (ja) | 1987-02-26 | 1987-02-26 | 基板用結晶化ガラスの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0629152B2 (ja) |
Families Citing this family (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4971932B1 (en) * | 1989-02-24 | 1995-01-03 | Corning Glass Works | Magnetic memory storage devices |
JPH0617247B2 (ja) * | 1990-11-28 | 1994-03-09 | 伊藤忠商事株式会社 | 耐熱性絶縁電子回路基板およびその製造方法 |
JPH0645476B2 (ja) * | 1990-11-28 | 1994-06-15 | 伊藤忠商事株式会社 | メタルマスク基板 |
JP2516553B2 (ja) * | 1993-05-19 | 1996-07-24 | 株式会社オハラ | 磁気ディスク用結晶化ガラスおよびその製造方法 |
US6120922A (en) * | 1997-04-28 | 2000-09-19 | Goto; Naoyuki | Glass-ceramic substrate for a magnetic information storage medium |
JP4086211B2 (ja) * | 1998-04-17 | 2008-05-14 | Hoya株式会社 | ガラス組成物およびその製造方法 |
US6376403B1 (en) | 1998-04-17 | 2002-04-23 | Nippon Sheet Glass Co., Ltd. | Glass composition and process for producing the same |
EP2314550A1 (fr) * | 2009-10-26 | 2011-04-27 | AGC Glass Europe | Materiau vitrocristallin silico-sodo-calcique |
JP5762707B2 (ja) * | 2010-09-08 | 2015-08-12 | 株式会社オハラ | 結晶化ガラスの製造方法および結晶化ガラス物品 |
CN112608032B (zh) | 2018-10-26 | 2022-04-22 | 成都光明光电股份有限公司 | 微晶玻璃、微晶玻璃制品及其制造方法 |
CN118307203A (zh) * | 2024-04-07 | 2024-07-09 | 江苏飞特尔通信有限公司 | 一种用于ltcc的微晶玻璃储能陶瓷材料及其制备方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59203736A (ja) * | 1983-05-02 | 1984-11-17 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 結晶化ガラス |
JPS6272547A (ja) * | 1985-09-26 | 1987-04-03 | Toshimichi Morisane | 磁気記録用グラス・セラミツク基体 |
JPS62246840A (ja) * | 1986-04-18 | 1987-10-28 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 磁気ヘッド用結晶化ガラス |
-
1987
- 1987-02-26 JP JP62043793A patent/JPH0629152B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63210039A (ja) | 1988-08-31 |
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