JP2863389B2 - エアゾール缶用容器及びエアゾール缶 - Google Patents

エアゾール缶用容器及びエアゾール缶

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JP2863389B2
JP2863389B2 JP4303949A JP30394992A JP2863389B2 JP 2863389 B2 JP2863389 B2 JP 2863389B2 JP 4303949 A JP4303949 A JP 4303949A JP 30394992 A JP30394992 A JP 30394992A JP 2863389 B2 JP2863389 B2 JP 2863389B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジメチルエーテル(D
ME)や液化石油ガス(LPG)等を噴射剤として内容
物を霧状もしくはムース状で散布するエアゾール缶の本
体として使用するエアゾール缶用容器及びエアゾール缶
に関するものである。
【0002】
【従来技術とその課題】エアゾール缶の噴射剤として
は、従来フロンガスが主流を占めていたが地球大気の環
境問題からフロンの使用が規制され、それに代わる噴射
剤としてDMEやLPGが使用されるようになった。通
常、エアゾール缶本体は金属単体から形成されており、
耐食性に劣るため缶の内面をエポキシ樹脂等で塗装する
ことがなされている。
【0003】このような塗装品では、エアゾール缶本体
を絞り成形した後スプレーコーティング等の方法にて塗
装方法するような場合、コーナー部が均一に塗装できな
いとという問題や、塗装面にピンホールが生じる等の問
題があり、内容物により腐蝕されやすく、また、予めロ
ールコーター等で塗装したものを用いて絞り成形したも
のは、塗膜が硬いため絞り成形時にクラックが発生しや
すく、同様に内容物の影響を受けやすいという問題があ
った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
消できるエアゾール缶用容器及びエアゾール缶を見出し
たものでありその要旨とするところは、アルミニウム板
の少なくとも片面に、エポキシ樹脂、脂肪酸又はヒドロ
キシ置換フェノールからなる薄膜を350℃以上の温度
で熱処理した熱変性被膜を介してポリアミド樹脂層また
はポリアミド樹脂層とエチレン−ビニルアルコール共重
合体樹脂層を順次被覆してなる積層体を、樹脂層が内面
となるように絞り・しごき加工してなるエアゾール缶用
容器、及びその上部に金属板の少なくとも片面に熱可塑
性樹脂層を被覆した積層板を樹脂が内面になるように絞
り加工して得られたマウティングキャップをかしめて取
り付けてなるエアゾール缶にある。
【0005】以下本発明を詳細に説明する。本発明で使
用するアルミニウム板は、加工性や強度面からマンガン
との合金であるJISH0001による3000系や、
マグネシウムとの合金である5000系の合金が好適に
使用できる。またアルミニウム板表面には通常のクロメ
ート処理、ジルコニウム処理やチタネート処理等の化成
処理したもの、電解エッチング等の物理的表面処理を施
したものを使用してもよい。板厚は、0.2〜0.7m
m、好ましくは0.3〜0.6mmのものが好適に使用
でき、厚みが0.2mm未満では耐内圧性に劣り、0.
7mmを越えるものでは絞り加工性に劣るという問題が
ある。
【0006】上記アルミニウム板の少なくとも片面には
特定の熱変性被膜を介してポリアミド樹脂層またはポリ
アミド樹脂層とエチレン−ビニルアルコール共重合体樹
脂層を順次被覆する必要がある。熱変性被膜はエポキシ
樹脂、脂肪酸またはヒドロキシ置換フェノールからなる
薄膜を350℃以上の温度で熱処理して得るものであ
り、熱処理温度が350℃未満ではポリアミド樹脂層と
の接着性の改良がみられない。
【0007】ここで、薄膜に使用するエポキシ樹脂とし
ては、ビスフェノールAとエポクロルヒドリンからなる
ビスフェノール型エポキシ樹脂で分子量が330〜30
00のものが好適に使用でき、脂肪酸としては、パルミ
チン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が挙げられ、ヒド
ロキシ置換フェノールとしてはサリチルアルコール、ヒ
ドロキシメチルクレゾール等が挙げられる。薄膜は、通
常のロールコータで塗布すればよい。
【0008】本発明で使用するポリアミド樹脂として
は、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロ
ン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6
とナイロン66との共重合体等が好適に使用でき、さら
にポリアミド系エラストマー、耐衝撃性ナイロン等も使
用できるがこれらに限定されるものではない。ポリアミ
ド樹脂層の厚みは、20〜150μm、好ましくは50
〜100μmのものが好適に使用できる。
【0009】上記ポリアミド樹脂層にさらにエチレンと
ビニルアルコールとの共重合体(以下「EVOH」とい
う)を積層してもよく、さらに耐蝕性を改良できる。E
VOHはエチレン含量が20〜60モル%、好ましく
は、30〜50モル%のものが好適に使用できる。エチ
レン含量が上記範囲外では耐蝕性の改良効果が出にく
い。厚みは5〜50μm、好ましくは10〜30μmの
ものが使用できる。
【0010】上記樹脂は熱変性被膜を介してアルミニウ
ム板表面に被覆されるが、被覆方法としては、通常の溶
融ラミネート方法によればよい。得られた積層体は、樹
脂層が内面となるようにカップ成形した後、通常の絞り
・しごき加工にてエアゾール容器として冷間加工され
る。
【0011】ここで、絞り・しごき加工した後、300
℃以上の温度で熱処理すると、さらに耐蝕性を改良でき
る。2ピース缶の場合ネッキング加工する前、3ピース
缶の場合底部を嵌合する前に熱処理すればよく、加熱手
段としては、通常の熱風炉、赤外線加熱炉、及び高周波
加熱等により行なえばよい。
【0012】また、本発明の容器を用いてネッキング加
工する場合、金属板の少なくとも片面にポリアミド樹脂
やポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂を被覆した積層
板を樹脂が内面になるように絞り加工して得られたマウ
ティングキャップを使用すると、容器とかしめた後、か
しめ部分を加熱して樹脂を溶融させることによりかしめ
部分を完全に熱接着でき通常のパッキンが不要になると
いう利点がある。
【0013】以下本発明を実施例により説明する。
【0014】
【実施例】
実施例1 表面を燐酸、無水クロム酸及びフッ化物を含む処理液に
て40〜50℃の処理温度にてクロメート処理して、ク
ロメート被膜量が10mg/m2 を有する表面処理アル
ミニウム板(A5182−O 厚み0.50mm)を得
た。当該処理表面の片面にビスフェノール型エポキシ樹
脂(分子量;380エポキシ当量;180〜200)を
1,1,1トリクロロエタンで溶解した後ロールコータ
ーにて、塗布乾燥後の厚みが、1μmとなるように塗布
した。上記アルミニウム板を400℃以上で熱処理して
エポキシ樹脂を熱変性させた後、ナイロン6からなるフ
ィルム(厚み100μm)を溶融ラミネートした。
【0015】得られた各積層板を用いて52mm径×1
00mm高のエアゾール容器を絞り・しごき加工(しご
き率35%)した。ついで、得られたエアゾール容器の
上部に、バルブを取りつけたマウティングキャップ(成
形後、ポリアミドイミド塗料をスプレーコーティングし
たもの)を嵌着させた。このエアゾール缶に各種内容物
を充填した後、正立状態にて雰囲気温度45℃で3カ月
間保存し、容器の内面の状態を観察した。その結果、噴
射剤がDMEで二酸化塩素液(ClO2 )1000pp
mを内容物とするものでは全く異常が見られず、日焼け
治療剤(ブチレングリコール2.5%、クエン酸0.1
%、エタノール5%、水73%)を内容物とするもので
は、内面側に一部僅かな被膜の膨れが観察されたが実用
上問題無い程度であった。
【0016】実施例2 実施例1と同様な方法にてクロメート処理しエポキシ樹
脂を熱変性させたアルミニウムの表面にナイロン6フイ
ルム(厚み80μm)を熱融着させた後、さらにその上
にエチレン含量が32モル%のEVOHフイルム(厚み
20μm)をラミネートし実施例1と同様な方法でエア
ゾール缶を構成した後、実施例1と同様に保存テストを
行った。その結果実施例1で使用した噴射剤がDMEで
二酸化塩素液(ClO2 )を内容物とするもの、日焼け
治療剤ともに全く異常が見られなかった。
【0017】実施例3 実施例1と同様な方法にてクロメート処理しエポキシ樹
脂を熱変性させたアルミニウムの表面にナイロン6フイ
ルム(厚み100μm)を熱融着させた後、さらに実施
例1と同様な方法で絞り・しごき加工した容器を400
℃の熱風炉にて実体温度が300℃以上になるように熱
処理した。得られたエアゾール容器にて実施例1と同様
な方法でエアゾール缶を構成し、実施例1と同様に保存
テストを行った。その結果実施例2と同様に噴射剤がD
MEで二酸化塩素液(ClO2 )を内容物とするもの、
日焼け治療剤ともに全く異常が見られなかった。
【0018】実施例4 熱変性被膜をオレイン酸から形成した以外は実施例1と
同一内容でエアゾール缶を構成した後、実施例1と同様
に保存テストを行った。その結果、実施例1と同一結果
であった。
【0019】比較例1 実施例1と同一のクロメート処理アルミニウム板を用い
て実施例1と同様な形状のエアゾール容器を絞り・しご
き加工した後、エポキシフェノール系塗料にてスプレー
コーティングを2回行い、内面の被膜厚みが8μmのも
のを得た。得られた塗装エアゾール容器を用いて実施例
1と同様に保存テストを行った。その結果、噴射剤がD
MEで二酸化塩素液(ClO2 )を内容物とするもの、
日焼け治療剤ともに容器内面の全体に被膜の膨れが見ら
れ樹脂が剥離しており実用に供されるものではなかっ
た。
【0020】
【発明の効果】上述したように本発明の容器及びエアゾ
ール缶によれば耐腐蝕性に優れており各種噴射剤を使用
したエアゾール缶に好適に使用できる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム板の少なくとも片面に、エ
    ポキシ樹脂、脂肪酸又はヒドロキシ置換フェノールから
    なる薄膜を350℃以上の温度で熱処理した熱変性被膜
    を介してポリアミド樹脂層を被覆した積層体を、樹脂層
    が内面となるように絞り・しごき加工してなるエアゾー
    ル缶用容器。
  2. 【請求項2】 アルミニウム板の少なくとも片面に、エ
    ポキシ樹脂、脂肪酸又はヒドロキシ置換フェノールから
    なる薄膜を350℃以上の温度で熱処理した熱変性被膜
    を介してポリアミド樹脂層とエチレン−ビニルアルコー
    ル共重合体樹脂層を順次被覆してなる積層体を、エチレ
    ン−ビニルアルコール共重合体樹脂層が最内面となるよ
    うに絞り・しごき加工してなるエアゾール缶用容器。
  3. 【請求項3】 絞り・しごき加工した後、300℃以上
    の温度で熱処理したことを特徴とする請求項1又は請求
    項2記載のエアゾール缶用容器。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3記載のエアゾール
    缶用容器を用い、その上部に金属板の少なくとも片面に
    熱可塑性樹脂層を被覆した積層板を樹脂が内面になるよ
    うに絞り加工して得られたマウティングキャップをかし
    めて取り付けてなるエアゾール缶。
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ES2292526T3 (es) * 1995-04-14 2008-03-16 Smithkline Beecham Corporation Procedimiento para la preparacion de un inhalador dosificador.
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