JP2862348B2 - 液晶ポリマーフィルムの製造方法 - Google Patents
液晶ポリマーフィルムの製造方法Info
- Publication number
- JP2862348B2 JP2862348B2 JP2197218A JP19721890A JP2862348B2 JP 2862348 B2 JP2862348 B2 JP 2862348B2 JP 2197218 A JP2197218 A JP 2197218A JP 19721890 A JP19721890 A JP 19721890A JP 2862348 B2 JP2862348 B2 JP 2862348B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid crystal
- film
- acid
- polyester
- crystal polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,液晶ポリマーフィルムの製造法に関するも
のであり,生産性に優れた該フィルムの製造法を提供せ
んとするものである。
のであり,生産性に優れた該フィルムの製造法を提供せ
んとするものである。
(従来の技術および発明の解決しようとする課題) 異方性溶融物を形成し得るポリエステル,いわゆる液
晶ポリエステルは多くが溶融成形可能であり,耐熱性,
寸法安定性,ガスバリヤー性等に優れているということ
から,そのフィルムの工業化の実現が期待されてきた。
晶ポリエステルは多くが溶融成形可能であり,耐熱性,
寸法安定性,ガスバリヤー性等に優れているということ
から,そのフィルムの工業化の実現が期待されてきた。
しかしながら,液晶ポリマーのフィルム化には次のよ
うな問題がある。すなわち,液晶ポリマー固有の異方性
はその2軸配向化にとって大きく障害となり,縦,横の
性能バランスがとりにくく,極端な場合には容易に裂け
てしまうものしかできず,実用性に乏しいことである。
このため,多くの検討がなされており,例えば特開昭
52−109578号公報や特開昭58−31718号公報の如く1軸
配向性の液晶ポリエステルフィルムを異方性をなくす方
向で重ね合わせた積層体,特開昭62−25513号公報,
特開昭63−95930号公報,特開昭63−24251号公報等では
Tダイ法における特殊な工夫,特開昭56−46728号公
報,特開昭61−102234号公報,特開昭56−17320号公報
等ではインフレーション法製膜時のブロー比や流動方向
の工夫等が提案されている。しかるに,のような場合
には接着層が介在することによる液晶ポリマー独自の性
能の低下や薄いフィルムの製造の困難さの問題が生じ,
では液晶ポリマーの異方性によって生じる2軸配向フ
ィルム化への障害を打ち破るほどの効果は期待できない
と考えられる。これに対してのインフレーション法で
は溶融ポリマーを流動方向と直角方向に力を加えること
ができ,2軸配向させるには最も有利であるが,液晶ポリ
マーの高流動性や1軸配向性はインフレーション法フィ
ルム化にとって不可欠のバブル形成能を妨げてしまう。
この傾向は横方向に配向させるべくブロー比を大きくし
た時に特に著しく,結局は縦,横のバランスがとれてい
ないものしか安定して生産できないことになる。
うな問題がある。すなわち,液晶ポリマー固有の異方性
はその2軸配向化にとって大きく障害となり,縦,横の
性能バランスがとりにくく,極端な場合には容易に裂け
てしまうものしかできず,実用性に乏しいことである。
このため,多くの検討がなされており,例えば特開昭
52−109578号公報や特開昭58−31718号公報の如く1軸
配向性の液晶ポリエステルフィルムを異方性をなくす方
向で重ね合わせた積層体,特開昭62−25513号公報,
特開昭63−95930号公報,特開昭63−24251号公報等では
Tダイ法における特殊な工夫,特開昭56−46728号公
報,特開昭61−102234号公報,特開昭56−17320号公報
等ではインフレーション法製膜時のブロー比や流動方向
の工夫等が提案されている。しかるに,のような場合
には接着層が介在することによる液晶ポリマー独自の性
能の低下や薄いフィルムの製造の困難さの問題が生じ,
では液晶ポリマーの異方性によって生じる2軸配向フ
ィルム化への障害を打ち破るほどの効果は期待できない
と考えられる。これに対してのインフレーション法で
は溶融ポリマーを流動方向と直角方向に力を加えること
ができ,2軸配向させるには最も有利であるが,液晶ポリ
マーの高流動性や1軸配向性はインフレーション法フィ
ルム化にとって不可欠のバブル形成能を妨げてしまう。
この傾向は横方向に配向させるべくブロー比を大きくし
た時に特に著しく,結局は縦,横のバランスがとれてい
ないものしか安定して生産できないことになる。
本発明者らはこのような状況に鑑み,性能に優れた液
晶ポリマーフィルムを操業性よく製造する方法を提供す
ることを課題として検討を進めた次第である。
晶ポリマーフィルムを操業性よく製造する方法を提供す
ることを課題として検討を進めた次第である。
(課題を解決するための手段) 本発明者らの検討で明らかになったのは,特定の組成
の液晶ポリエステルの変性物がバブル形成能に優れ,イ
ンフレーション法製膜によって2軸配向フィルムを与え
やすいことである。
の液晶ポリエステルの変性物がバブル形成能に優れ,イ
ンフレーション法製膜によって2軸配向フィルムを与え
やすいことである。
すなわち,本発明は「p−ヒドロキシ安息香酸,テレ
フタル酸およびエチレングリコールを主成分とし,異方
性溶融物を形成し得るポリエステルと下記一般式 R1−N=C=N−R3−N=C=N−R2 (ここでR1,R2は1価の有機基であり,R3は2価の有機
基である。) で表されるビスカルボジイミド系化合物との反応物を溶
融押出し,インフレーション法で2軸配向フィルムを得
ることを特徴とする液晶ポリマーフィルムの製造方
法。」を要旨とする。
フタル酸およびエチレングリコールを主成分とし,異方
性溶融物を形成し得るポリエステルと下記一般式 R1−N=C=N−R3−N=C=N−R2 (ここでR1,R2は1価の有機基であり,R3は2価の有機
基である。) で表されるビスカルボジイミド系化合物との反応物を溶
融押出し,インフレーション法で2軸配向フィルムを得
ることを特徴とする液晶ポリマーフィルムの製造方
法。」を要旨とする。
本発明において,異方性溶融物を形成し得るポリエス
テルとは溶融状態において90°に交差した偏光子を備え
る光学系において偏光を通過させる性質を持つポリエス
テルを意味する。
テルとは溶融状態において90°に交差した偏光子を備え
る光学系において偏光を通過させる性質を持つポリエス
テルを意味する。
本発明のフィルムにおける液晶ポリエステルはかかる
性質を持つポリエステルのうち,p−ヒドロキシ安息香
酸,テレフタル酸およびエチレングリコールを主成分と
するものであり,各々の成分がそれぞれ30〜74モル%,3
5〜13モル%および35〜13モル%であることがフィルム
形成能に優れている点で本発明の目的に適っている。ま
た,本発明の目的を損なわない範囲でイソフタル酸,メ
タヒドロキシ安息香酸,4,4′−ジカルボキシビフェニ
ル,2,6−ナフタレンジカルボン酸,4,4′−ジカルボキシ
ジフェニルエーテル,2,6−ジヒドロキシナフタレン,4,
4′−ジヒドロキシビフェニル,2−フェニルハイドロキ
ノン,2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン,
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン,2,2−ビス
(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン,ビ
ス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン等
の芳香族成分の他,マロン酸,コハク酸,スベリン酸,
アジピン酸,アゼライン酸,セバシン酸,ドデカン二
酸,テトラデカン二酸,エイコサン二酸,トリメチレン
グリコール,プロピレングリコール,1,4−ブタジオー
ル,1,6−ヘキサンジオール,ジエチレングリコール,ト
リエチレングリコール,ポリエチレングリコール等の脂
肪族成分,1,4−シクロヘキサンジカルボン酸,1,4−シク
ロヘキサンジメタノール等の脂環族成分を適宜共重合成
分として含むものでよく,また,難燃剤,耐熱剤,耐光
剤,つや消し剤,顔料等の添加剤を含んでいてもさしつ
かえない。
性質を持つポリエステルのうち,p−ヒドロキシ安息香
酸,テレフタル酸およびエチレングリコールを主成分と
するものであり,各々の成分がそれぞれ30〜74モル%,3
5〜13モル%および35〜13モル%であることがフィルム
形成能に優れている点で本発明の目的に適っている。ま
た,本発明の目的を損なわない範囲でイソフタル酸,メ
タヒドロキシ安息香酸,4,4′−ジカルボキシビフェニ
ル,2,6−ナフタレンジカルボン酸,4,4′−ジカルボキシ
ジフェニルエーテル,2,6−ジヒドロキシナフタレン,4,
4′−ジヒドロキシビフェニル,2−フェニルハイドロキ
ノン,2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン,
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン,2,2−ビス
(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン,ビ
ス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン等
の芳香族成分の他,マロン酸,コハク酸,スベリン酸,
アジピン酸,アゼライン酸,セバシン酸,ドデカン二
酸,テトラデカン二酸,エイコサン二酸,トリメチレン
グリコール,プロピレングリコール,1,4−ブタジオー
ル,1,6−ヘキサンジオール,ジエチレングリコール,ト
リエチレングリコール,ポリエチレングリコール等の脂
肪族成分,1,4−シクロヘキサンジカルボン酸,1,4−シク
ロヘキサンジメタノール等の脂環族成分を適宜共重合成
分として含むものでよく,また,難燃剤,耐熱剤,耐光
剤,つや消し剤,顔料等の添加剤を含んでいてもさしつ
かえない。
上記の液晶ポリエステルは,溶融重縮合法により得ら
れる。例えば,液晶ポリエステルは通常のポリエステル
の合成のように,アセチル化されたモノマーを用いて溶
融重合することもできるし,特公昭56−18016号公報に
開示されているように,あらかじめp−ヒドロキシ安息
香酸を除く成分のみから得られたポリエステルとp−ア
セトキシ安息香酸とを乾燥窒素流下で加熱溶融し,アシ
ドリシス反応によって共重合ポリエステルフラグメント
を生成させ,次いで減圧し増粘させるという方法でも溶
融重合できる。反応が容易なことから,後者の方が好ま
しい。
れる。例えば,液晶ポリエステルは通常のポリエステル
の合成のように,アセチル化されたモノマーを用いて溶
融重合することもできるし,特公昭56−18016号公報に
開示されているように,あらかじめp−ヒドロキシ安息
香酸を除く成分のみから得られたポリエステルとp−ア
セトキシ安息香酸とを乾燥窒素流下で加熱溶融し,アシ
ドリシス反応によって共重合ポリエステルフラグメント
を生成させ,次いで減圧し増粘させるという方法でも溶
融重合できる。反応が容易なことから,後者の方が好ま
しい。
ここで,ビスカルボジイミド系化合物と反応する前の
液晶ポリエステルは反応性を考えると,あまり分子量の
高いものは必要でなく,フェノール/テトラクロルエタ
ン1/1(重量比)混合溶媒中35℃で測定した固有粘度が
0.30〜0.80程度のものがよい。
液晶ポリエステルは反応性を考えると,あまり分子量の
高いものは必要でなく,フェノール/テトラクロルエタ
ン1/1(重量比)混合溶媒中35℃で測定した固有粘度が
0.30〜0.80程度のものがよい。
本発明で用いられるビスカルボジイミド系化合物は前
記一般式で示されるものであるが,具体的な化合物とし
てはp−フェニレン−ビス(2,6−ジメチルフェニルカ
ルボジイミド),p−フェニレン−ビス(2,6−ジイソプ
ロピルフェニルカルボジイミド),p−フェニレン−ビス
(シクロヘキシルカルボジイミド)、p−フェニレン−
ビス(p−クロルフェニルカルボジイミド),エチレン
−ビス(シクロヘキシルカルボジイミド),テトラメチ
レン−ビス(シクロヘキシルカルボジイミド),ヘキサ
メチレン−ビス(シクロヘキシルカルボジイミド),エ
チレン−ビス(フェニルカルボジイミド)が代表例とし
て挙げられる。
記一般式で示されるものであるが,具体的な化合物とし
てはp−フェニレン−ビス(2,6−ジメチルフェニルカ
ルボジイミド),p−フェニレン−ビス(2,6−ジイソプ
ロピルフェニルカルボジイミド),p−フェニレン−ビス
(シクロヘキシルカルボジイミド)、p−フェニレン−
ビス(p−クロルフェニルカルボジイミド),エチレン
−ビス(シクロヘキシルカルボジイミド),テトラメチ
レン−ビス(シクロヘキシルカルボジイミド),ヘキサ
メチレン−ビス(シクロヘキシルカルボジイミド),エ
チレン−ビス(フェニルカルボジイミド)が代表例とし
て挙げられる。
なお,R1,R2,R3はいずれも有機基であるが,各有機基
はいずれも炭素原子数が1〜20の炭化水素基が好まし
く,ハロゲン原子,エーテル結合,スルホン結合等の比
較的不活性の基を含むものであってもよい。
はいずれも炭素原子数が1〜20の炭化水素基が好まし
く,ハロゲン原子,エーテル結合,スルホン結合等の比
較的不活性の基を含むものであってもよい。
液晶ポリエステルとビスカルボジイミド系化合物との
反応は溶融状態で,かつ350℃以下,好ましくは320℃以
下で1〜10分間の条件で行い得るが,この際,混合器と
して1軸エクストルーダー,2軸エクストルーダー,ライ
ンミキサー等を適宜使用する。
反応は溶融状態で,かつ350℃以下,好ましくは320℃以
下で1〜10分間の条件で行い得るが,この際,混合器と
して1軸エクストルーダー,2軸エクストルーダー,ライ
ンミキサー等を適宜使用する。
ビスカルボジイミド系化合物の添加量は元の液晶ポリ
エステルの分子量によって異なるが,好ましくは0.1〜
4重量%,さらに好ましくは0.3〜3重量%であること
がよい。ビスカルボジイミド系化合物はポリエステルの
末端カルボキシル基と反応して鎖成長剤として作用する
ばかりでなく,得られたポリマー構造はフィルム形成能
の著しい向上を示すものである。
エステルの分子量によって異なるが,好ましくは0.1〜
4重量%,さらに好ましくは0.3〜3重量%であること
がよい。ビスカルボジイミド系化合物はポリエステルの
末端カルボキシル基と反応して鎖成長剤として作用する
ばかりでなく,得られたポリマー構造はフィルム形成能
の著しい向上を示すものである。
かかる反応で得られたポリマーはインフレーション成
形装置に供されて溶融押出され,2軸配向フィルムとなる
のであるが,溶融押出された管状フィルムは引取方向に
ドラフトをかけるとともに,これに直角な方向に対して
膨張するようにフィルムの内側から空気または窒素ガス
等によって力が加えられる。この際,溶融押出温度は20
0〜350℃,さらに好ましくは220〜320℃であることがよ
く,横方向(引取方向に対して直角方向)の延伸倍率
(ブロー比)はフィルムの2軸配向化という意味で引取
方向の延伸倍率(ドラフト比)に対して0.4〜3.0倍,さ
らに好ましくは0.6〜2.5倍になるようにすることがよ
い。
形装置に供されて溶融押出され,2軸配向フィルムとなる
のであるが,溶融押出された管状フィルムは引取方向に
ドラフトをかけるとともに,これに直角な方向に対して
膨張するようにフィルムの内側から空気または窒素ガス
等によって力が加えられる。この際,溶融押出温度は20
0〜350℃,さらに好ましくは220〜320℃であることがよ
く,横方向(引取方向に対して直角方向)の延伸倍率
(ブロー比)はフィルムの2軸配向化という意味で引取
方向の延伸倍率(ドラフト比)に対して0.4〜3.0倍,さ
らに好ましくは0.6〜2.5倍になるようにすることがよ
い。
本発明の方法の最大の特徴は以下の実施例にも示す如
く,インフレーションによって形成される液晶ポリマー
フィルムからなるバブルが高ブロー比でも形成されやす
く,安定して2軸に配向した液晶フィルムが製造され得
ることである。
く,インフレーションによって形成される液晶ポリマー
フィルムからなるバブルが高ブロー比でも形成されやす
く,安定して2軸に配向した液晶フィルムが製造され得
ることである。
(実施例) 以下,実施例によって本発明をさらに具体的に説明す
る。
る。
実施例1〜5,比較例1 (1)異方性溶融物を形成し得るポリエステルき合成固
有粘度が0.71のポリエチレンテレフタレートのチップと
パラアセトキシ安息香酸の粉末とをエチレンテレフタレ
ート単位とパラヒドロキシ安息香酸成分のモル比が40/6
0となるように反応機に仕込み,反応機中で減圧下にお
いて原料を十分乾燥した後,窒素ガスを微量流しながら
270℃に昇温し,原料がすべて溶融してから40分間その
温度に保って酢酸を留出させアシドリシス反応を行っ
た。
有粘度が0.71のポリエチレンテレフタレートのチップと
パラアセトキシ安息香酸の粉末とをエチレンテレフタレ
ート単位とパラヒドロキシ安息香酸成分のモル比が40/6
0となるように反応機に仕込み,反応機中で減圧下にお
いて原料を十分乾燥した後,窒素ガスを微量流しながら
270℃に昇温し,原料がすべて溶融してから40分間その
温度に保って酢酸を留出させアシドリシス反応を行っ
た。
次いで,90分間かけて徐々に減圧し,0.3トールに達せ
しめた後,280℃に昇温して3時間重縮合反応を行って,
固有粘度が0.61のポリエステルのチップを得た。このチ
ップとパラアセトキシ安息香酸とをエチレンテレフタレ
ート単位とパラヒドロキシ安息香酸成分とのモル比が20
/80になるように反応機に仕込んで280℃に昇温し,40分
間アシドリシス反応を行った。その後,300℃に昇温して
0.3トールの減圧下で3時間,溶融相じ重縮合反応させ
た結果,固有粘度が0.62,溶融温度が278℃のポリエステ
ルのチップを得た。このポリエステルの液晶性は偏光顕
微鏡を用い,280℃でクロスニコル下で観察することによ
り確認された。
しめた後,280℃に昇温して3時間重縮合反応を行って,
固有粘度が0.61のポリエステルのチップを得た。このチ
ップとパラアセトキシ安息香酸とをエチレンテレフタレ
ート単位とパラヒドロキシ安息香酸成分とのモル比が20
/80になるように反応機に仕込んで280℃に昇温し,40分
間アシドリシス反応を行った。その後,300℃に昇温して
0.3トールの減圧下で3時間,溶融相じ重縮合反応させ
た結果,固有粘度が0.62,溶融温度が278℃のポリエステ
ルのチップを得た。このポリエステルの液晶性は偏光顕
微鏡を用い,280℃でクロスニコル下で観察することによ
り確認された。
(2)ポリエステルとビスカルボジイミド系化合物との
反応 (1)で得られたポリエステルのチップとビスカルボ
ジイミド系化合物とを所定量ドライブレンドした後,二
軸の混合押出機を用い、温度300℃,時間4分の条件で
溶融混合反応せしめチップ化した。
反応 (1)で得られたポリエステルのチップとビスカルボ
ジイミド系化合物とを所定量ドライブレンドした後,二
軸の混合押出機を用い、温度300℃,時間4分の条件で
溶融混合反応せしめチップ化した。
(3)フィルム化 (2)で最終的に得られたポリエステル反応物を290
℃で溶融し,直径50mm,スリット巾1.0mmの円筒状ダイか
ら押出し,ドラフト比/ブロー比が5/8となる条件で円
筒状フィルムを形成させ,10m/minの速度で25μ厚のフィ
ルムを巻き取った。
℃で溶融し,直径50mm,スリット巾1.0mmの円筒状ダイか
ら押出し,ドラフト比/ブロー比が5/8となる条件で円
筒状フィルムを形成させ,10m/minの速度で25μ厚のフィ
ルムを巻き取った。
(4)フィルムの性質 第1表にビスカルボジイミド系化合物の種類とその添
加量,反応で生じたポリマーの固有粘度および最終的に
得られるフィルムの強度を示す。
加量,反応で生じたポリマーの固有粘度および最終的に
得られるフィルムの強度を示す。
なお,第1表に示した実施例では,インフレーション時
のバブルはすべて安定であったが,全く加えなかった場
合(比較例1)は,ドラフト比/ブロー比条件が10/5の
ような比較的低ブロー比の条件でも安定したバブルは形
成されず,フィルムが得られなかった。
のバブルはすべて安定であったが,全く加えなかった場
合(比較例1)は,ドラフト比/ブロー比条件が10/5の
ような比較的低ブロー比の条件でも安定したバブルは形
成されず,フィルムが得られなかった。
比較例1 前述の合成法に準じて固有粘度が0.89の液晶ポリエス
テルを調整し,ビスカルボジイミド系化合物を添加せず
にフィルム化テストを行った。その結果,実施例と同じ
条件ではバブルが激しく揺れ動き安定した状態とはなら
なかった。
テルを調整し,ビスカルボジイミド系化合物を添加せず
にフィルム化テストを行った。その結果,実施例と同じ
条件ではバブルが激しく揺れ動き安定した状態とはなら
なかった。
(発明の効果) 本発明の方法は優れた力学的性質を持つ液晶ポリマー
フィルムを生産性よく製造する技術を提供するものであ
り,従来困難とされていた該フィルムの工業的生産を可
能とした。本発明の方法で得られるフィルムは磁気テー
プ類,熱転写フィルム,フレキシブルプリントサーキッ
ト用ベースフィルム,電気絶縁材料,特殊包装用フィル
ムとしての用途展開が期待でき,本発明の工業的価値は
高い。
フィルムを生産性よく製造する技術を提供するものであ
り,従来困難とされていた該フィルムの工業的生産を可
能とした。本発明の方法で得られるフィルムは磁気テー
プ類,熱転写フィルム,フレキシブルプリントサーキッ
ト用ベースフィルム,電気絶縁材料,特殊包装用フィル
ムとしての用途展開が期待でき,本発明の工業的価値は
高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 63/60 C08J 5/18 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (1)
- 【請求項1】p−ヒドロキシ安息香酸,テレフタル酸お
よびエチレングリコールを主成分とし,異方性溶融物を
形成し得るポリエステルと下記一般式 R1−N=C=N−R3−N=C=N−R2 (ここでR1,R2は1価の有機基であり,R3は2価の有機
基である。) で表されるビスカルボジイミド系化合物との反応物を溶
融押出し,インフレーション法で2軸配向フィルムを得
ることを特徴とする液晶ポリマーフィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2197218A JP2862348B2 (ja) | 1990-07-24 | 1990-07-24 | 液晶ポリマーフィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2197218A JP2862348B2 (ja) | 1990-07-24 | 1990-07-24 | 液晶ポリマーフィルムの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0481426A JPH0481426A (ja) | 1992-03-16 |
JP2862348B2 true JP2862348B2 (ja) | 1999-03-03 |
Family
ID=16370802
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2197218A Expired - Lifetime JP2862348B2 (ja) | 1990-07-24 | 1990-07-24 | 液晶ポリマーフィルムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2862348B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6177568B2 (ja) * | 2013-04-09 | 2017-08-09 | ユニチカ株式会社 | ポリアリレート樹脂組成物およびそれを用いた樹脂塗膜、フィルム |
JP7355523B2 (ja) * | 2019-05-16 | 2023-10-03 | 上野製薬株式会社 | 液晶ポリマー組成物 |
JP7365873B2 (ja) * | 2019-11-28 | 2023-10-20 | 上野製薬株式会社 | ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物 |
-
1990
- 1990-07-24 JP JP2197218A patent/JP2862348B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0481426A (ja) | 1992-03-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2010031174A (ja) | ポリエステル樹脂組成物およびそれを用いた二軸配向フィルム | |
US6646060B1 (en) | Resin composition containing crystalline polyimide | |
KR101386672B1 (ko) | 백색필름 및 이의 제조방법 | |
PL201642B1 (pl) | Piankowe arkusze i folie rozciągane mono- lub biosiowo oraz sposób ich wytwarzania | |
US5091138A (en) | Production of wholly aromatic polyester film | |
US4798875A (en) | Biaxially oriented polyester film | |
JPH0725996B2 (ja) | ポリエステル樹脂組成物 | |
JP2862348B2 (ja) | 液晶ポリマーフィルムの製造方法 | |
JP3227729B2 (ja) | 樹脂組成物成形品の製造方法 | |
JP4576644B2 (ja) | 芳香族液晶性ポリエステルおよびその製造方法 | |
JP2846903B2 (ja) | 液晶ポリマーフィルムの製造方法 | |
JPS6178862A (ja) | 二軸配向ポリエステルフイルム | |
JP2862350B2 (ja) | 液晶ポリマーフィルムの製造方法 | |
JPH03152132A (ja) | 液晶ポリマーフィルムおよびその製造法 | |
JP2010031139A (ja) | 共重合ポリエステル樹脂組成物およびその製造方法ならびにそれからなる二軸配向フィルム | |
JPH08245811A (ja) | ポリエステルフィルム | |
JP5492569B2 (ja) | ポリエステル樹脂、その製造方法およびそれを用いた二軸配向ポリエステルフィルム | |
JP2910107B2 (ja) | ポリエステルフィルム | |
JPS61102234A (ja) | ポリエステルフイルムの製造方法 | |
JP3876509B2 (ja) | ポリエステルフィルムおよびその製造方法 | |
JP2004107471A (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルム | |
JP2005169972A (ja) | 二軸配向積層フィルムおよび二軸配向積層フィルムの製造方法 | |
JP3646435B2 (ja) | ポリフェニレンスルフィドフィルム | |
JPH0774285B2 (ja) | 発泡樹脂成形品 | |
JP2013023622A (ja) | 芳香族ポリエステルの樹脂組成物および配向ポリエステルフィルム |