JP6177568B2 - ポリアリレート樹脂組成物およびそれを用いた樹脂塗膜、フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、ポリアリレート樹脂とカルボジイミド化合物からなるポリアリレート樹脂組成物に関する。
従来より、ポリアリレート樹脂は、耐熱性、機械的強度、透明性に優れるため、電気・電子、自動車、機械等の分野で幅広く使用されている。代表的なポリアリレート樹脂として、ビスフェノールA、テレフタル酸、およびイソフタル酸から構成されたものが知られ、主に、押出成形品や射出成形品として用いられている。
このようなポリアリレート樹脂は、塩化メチレン等の塩素系溶媒の溶液として溶液流延法を主とした製法で、フィルム用途にも使用されている(例えば、特許文献1)。例えばフィルムコンデンサの様な電気・電子用途、タッチパネル、液晶などの構成物に加え、音響特性を活かしたスピーカー用振動板フィルムとしての利用例がある(例えば、特許文献2,3)。
このようなスピーカー用振動板フィルムは、近年、携帯電話等の小型の電子機器に搭載され多く用いられている。小型化が必要であるがゆえに、熱源であるボイスコイルと振動板が直付けされる場合が多く、振動板には耐熱性が必要であった。
耐熱性を有する振動板フィルムとしては、従来よりポリエーテルイミド樹脂、ポリアリレート樹脂等が検討されている。
ポリエーテルイミド樹脂は耐熱性の点で満足できる材料であったが、その材料物性上硬い材料であり、スピーカーとしての低域共振周波数を下げること(低F化)ができず、低域の再生帯域を拡大することができなかった。また、内部損失が低く、ローリング等が起こりやすく歪みが大きくなり、音質劣化を招きやすい材料であった。また溶融押出し法による製法であるため、膜厚の均質化が図りにくく、スピーカー特性上の不具合を招きやすかった。
一方でポリアリレート樹脂は耐熱性、柔軟性を兼ね備えるため、低F化しやすく、低域の再生帯域拡大を図りやすい。また、ポリエーテルイミドのより内部損失が高く、振動板の不要共振の抑制も図りやすい。また溶液流延法によるフィルム化が容易であるため、フィルム膜厚のバラツキが低減し、さらなるスピーカー特性の向上を図ることができた。
国際公開第1999/018141号パンフレット 特開2006−20188号公報 特開2010−87925号公報
本発明者は、前記スピーカー用途に適したフィルムとして、以下のような課題を克服することで、さらなるスピーカー特性の向上が図れることを見出した。
第一に、スピーカー用振動板フィルムとして用いる場合、低域再生帯域の拡大のためさらなる低F化が必要である。これに対してはスピーカー振動板フィルムを薄膜化することで対応が可能である。
近年、携帯電話、スマートフォンでは、高出力で長時間使用されるにともない、スピーカー振動板の割れが顕在化している。振動板の割れも薄膜化することで低減が可能である。
しかしながら、ポリアリレート樹脂を用いて薄膜フィルムを得ることは、非常に困難であった。元々ポリアリレート樹脂は溶融押出では、加工温度が高いため、ゲル(フィッシュアイ)が発生しやすく、均一厚みのフィルムを得ることも難しい。これに対し、溶液流涎法において、薄膜フィルムを得る場合、通常希薄溶液を流涎、乾燥することで薄膜化が可能であった。しかしながら、溶液粘度が低くはじき等で膜厚が安定しなかった。
一方、はじき解消のために高固形分濃度の樹脂溶液を用いた場合、塗工機ダイから供給される液量変動の影響を受けやすく膜厚が安定しなかった。これらは、低固形分濃度であっても溶液粘度の高い樹脂溶液を用いることで解消できると考えた。
樹脂溶液は、用いるポリアリレート樹脂を高分子量化することで、高粘度化が可能である。ポリアリレート樹脂を高分子量化は、また、振動疲労強度を向上させ、割れ耐性も高まる。すなわち、薄膜フィルムであっても絞り等の二次加工においても偏肉を減少し、割れ耐性、さらにはスピーカーの長時間使用においても十分な耐久性を有する振動疲労強度を高めたフィルムとすることが可能である。
一方で、溶液流涎法でフィルム化を試みる場合、用いる有機溶剤に対する下記要求もあった。近年、環境問題に対する対応から非ハロゲン系有機溶剤を積極的に使用する風潮が高い。通常ポリアリレート樹脂は、多くのハロゲン系有機溶剤に対して易溶である。しかし、非ハロゲン系溶剤に対しては溶剤溶解性が十分ではなく、高濃度の樹脂溶液を得ることは難しかった。したがって、溶解性が低く低濃度の樹脂溶液を用いたとしても、製膜性に支障の出ないポリアリレート樹脂とする必要がある。このような観点からも分子量を高めたポリアリレート樹脂を得る必要性がある。
第二に、スピーカー用振動板フィルムとして用いるには、低域に加え、高域の特性向上が必要である。通常、高域特性の向上のためには、用いる材料の弾性率を高めることが考えられる。この点で、ポリアリレート樹脂は、ポリエーテルイミド樹脂よりも弾性率が低く、改善が求められていた。
以上のことから、現在使用されているスピーカー用振動板フィルムとしては、低F化のためにフィルムを薄膜化すること、その際割れ耐性、振動疲労強度を十分高めるためにポリアリレート樹脂を高分子量化すること、一方で高域特性の改善のために、ポリアリレート樹脂の弾性率を高めることが必要である。
従来より、ポリアリレート樹脂は、種々の特性バランス、操業性の観点から、界面重合法を主体として製造が行なわれている。通常、ポリアリレート樹脂の分子量は、得られる樹脂の要求特性から、所定の分子量となるよう末端封止剤を用いて分子量の制御が行なわれている。このような末端封止の操作によって従来のポリアリレート樹脂であっても高分子量化は可能であった。しかしながら、高分子材料の有する弾性率は、材料固有の特性であるため、たとえポリアリレート樹脂を高分子量化したとしても、高弾性率化は容易ではなかった。
本発明では、従来のポリアリレート樹脂の耐熱性、機械的特性を維持したまま、十分に高分子量化し、さらに弾性率を高めたポリアリレート樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。
(1)有機溶剤中でポリアリレート樹脂(A)、カルボジイミド化合物(B)を反応させるポリアリレート樹脂組成物の製造方法であって、ポリアリレート樹脂組成物が、ポリアリレート樹脂(A)100質量部に対し、カルボジイミド化合物(B)0.3〜5質量部を含有し、重量平均分子量(Mw)が7万以上であるポリアリレート樹脂組成物の製造方法。
(2)ポリアリレート樹脂(A)の下記条件(i)、(ii)で測定されるインヘレント粘度(η1)、インヘレント粘度(η0)の関係が、(η1)/(η0)=0.98未満である(1)に記載のポリアリレート樹脂組成物の製造方法。
(i)酢酸ナトリウムを0.01mol/L含むフェノール/テトラクロロエタン=6/4(質量比)混合溶媒で測定されるインヘレント粘度(η1
(ii)酢酸ナトリウム非存在下、テトラクロロエタン溶液で測定されるインヘレント粘度(η0
(3)引張弾性率が2.0GPa以上である(1)または(2)記載のポリアリレート樹脂組成物の製造方法。
(4)カルボジイミド化合物(B)が芳香族ポリカルボジイミドである(1)〜(3)いずれかに記載のポリアリレート樹脂組成物の製造方法。
(5)ポリアリレート樹脂(A)100質量部に対し、カルボジイミド化合物(B)0.3〜5質量部を含有するポリアリレート樹脂組成物であって、重量平均分子量(Mw)が7万以上であるポリアリレート樹脂組成物を含有する樹脂溶液。
(6)ポリアリレート樹脂(A)の下記条件(i)、(ii)で測定されるインヘレント粘度(η 1 )、インヘレント粘度(η 0 )の関係が、(η 1 )/(η 0 )=0.98未満であるポリアリレート樹脂組成物を含有する(5)に記載の樹脂溶液。
(i)酢酸ナトリウムを0.01mol/L含むフェノール/テトラクロロエタン=6/4(質量比)混合溶媒で測定されるインヘレント粘度(η 1
(ii)酢酸ナトリウム非存在下、テトラクロロエタン溶液で測定されるインヘレント粘度(η 0
(7)引張弾性率が2.0GPa以上であるポリアリレート樹脂組成物を含有する(5)または(6)に記載の樹脂溶液。
(8)カルボジイミド化合物(B)が芳香族ポリカルボジイミドであるポリアリレート樹脂組成物を含有する(5)〜(7)いずれかに記載の樹脂溶液。
(9)(5)〜(8)いずれかに記載の樹脂溶液から形成される樹脂塗膜。
(10)(9)に記載の樹脂塗膜が基材上に形成された積層体。
本発明によれば、従来のポリアリレート樹脂の耐熱性、機械的特性を維持したまま、十分に高分子量化したポリアリレート樹脂組成物が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリアリレート樹脂(A)は、芳香族ジカルボン酸残基と、ビスフェノール残基とから構成されているポリエステルである。ポリアリレート樹脂(A)は、溶融重合、界面重合など公知慣用の方法により製造することができるが、界面重合法により製造することが最も好ましい。
芳香族ジカルボン酸残基を導入するためのポリアリレート原料としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、メチルテレフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルフォンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2−ビス(4−カルボキシフェノキシ)エタン、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。これら芳香族ジカルボン酸は2種以上を混合して用いることができる。
上記芳香族ジカルボン酸の中でも、テレフタル酸、イソフタル酸が好ましく、得られるポリアリレート樹脂の重合性、機械的特性および、溶剤溶解性を向上させる観点で、テレフタル酸およびイソフタル酸を混合して用いることがさらに好ましい。その場合、テレフタル酸とイソフタル酸の混合モル比率(テレフタル酸/イソフタル酸)は、任意に選択することができるが、重合性および得られるポリアリレート樹脂の機械的特性、溶剤溶解性向上の観点から、90/10〜10/90(モル%)の範囲であることが好ましく、70/30〜30/70(モル%)であることがより好ましく、55/45〜45/55(モル%)であることがより好ましい。
ビスフェノール残基を導入するためのポリアリレート原料としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2−フェニル−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタルイミジン、4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデンジフェノール等のビスフェノール類が挙げられる。
上記ビスフェノール類の中でも、ポリアリレート樹脂の重合性、得られるポリアリレート樹脂の機械的特性の向上、経済性の観点で、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)が特に好ましい。また、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを用いる場合、溶剤溶解性、耐熱性を付与する観点等から、他のビスフェノール類と混合して用いることもできる。
本発明においては、ポリアリレート樹脂(A)の条件(i)で測定されるインヘレント粘度(η)と、条件(ii)で測定されるインヘレント粘度(η)の比率が、ポリアリレート樹脂(A)とポリカルボジイミド化合物(B)の反応性に関与するため重要となる。
上記インヘレント粘度の測定において、条件(i)でのインヘレント粘度とは、所定量の酢酸ナトリウム存在下、フェノール/テトラクロロエタン = 6/4(質量比)溶液を用い温度25℃で測定されるインヘレント粘度(η)であり、条件(ii)でのインヘレント粘度とは、酢酸ナトリウム非存在下、テトラクロロエタン溶液を用い温度25℃で測定されるインヘレント粘度(η)である。
インヘレント粘度(η)は、フェノールがポリアリレート分子鎖中に存在する酸無水物結合を分解する作用をもたらし、酢酸ナトリウムはその分解を促進する作用があるため、測定するポリアリレート樹脂中の酸無水物結合を切断した残りのフラグメントの分子量の指標となる。よってこの(η)/(η)が低い程、ポリアリレート樹脂中の酸無水物結合量が多いこととなる。
本発明において、ポリアリレート樹脂(A)の条件(i)で測定されるインヘレント粘度(η)と、条件(ii)で測定されるインヘレント粘度(η)は、(η)/(η)=0.98未満であることが好ましく、0.95未満であることがより好ましく、0.90未満であることがさらに好ましい。(η)/(η)が0.98以上であるとポリアリレート樹脂中に含まれる酸無水物結合量が少ないため、ポリカルボジイミド化合物(B)との反応性が乏しくなり、円滑に架橋反応が進行せず、高分子量のポリアリレート樹脂組成物を得ることが困難となる。
(η)/(η)の比率を制御する方法としては、上記のようにポリアリレート樹脂(A)の分子主鎖中に含まれる酸無水物結合を増やすことが挙げられる。
ポリアリレート樹脂(A)中の酸無水物結合は、ポリアリレートの重合時に副次的に起きる反応により生成されるものである。酸無水物結合を増やすには、ポリアリレートの重合反応速度を落とすこと、芳香族ジカルボン酸クロライドの加水分解反応を進めることが効果的である。前者については、用いる重合触媒の種類の選定、配合量、重合時の撹拌速度の制御、後者については、反応時の水相のアルカリ濃度を高めることで制御が可能である。
重合触媒としては、トリブチルベンジルアンモニウムハライド、テトラブチルアンモニウムハライド、トリメチルベンジルアンモニウムハライド、トリエチルベンジルアンモニウムハライド等の第四級アンモニウム塩や、トリブチルベンジルホスホニウムハライド、テトラブチルホスホニウムハライド、トリメチルベンジルホスホニウムハライド、トリエチルベンジルホスホニウムハライド等の第四級ホスホニウム塩が挙げられる。中でも、高分子量で低カルボキシル価のポリマーを得ることができる点で、トリブチルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライドが好ましい。本発明においては酸無水物結合が存在することが必要であるが、反応速度が遅くなるトリメチルベンジルアンモニウムクロライドを用いることが好ましい。
反応時の水相のアルカリ濃度はビスフェノールが完全に溶解できる濃度に高めることが必要であり、本発明に最も適したビスフェノールAの場合、ビスフェノールAと末端封鎖剤が有するフェノール性水酸基モル量の1.0〜2.0倍とすることが好ましく、1.02〜1.8倍量とすることが好ましい。本発明で必要となる酸無水物結合を増やすにはアルカリ倍率を高く設定することが好ましい。
ポリアリレート樹脂(A)のインヘレント粘度(η)は、0.4〜1.0であることが好ましく、0.45〜0.9であることがより好ましく、0.5〜0.8であることがさらに好ましい。インヘレント粘度(η)が0.4未満となると得られる樹脂組成物の分子量が低くなるため、機械的特性、耐熱性、溶剤溶解性が劣る場合があり、インヘレント粘度(η)が1.0を超えるとポリアリレート樹脂(A)製造中の溶液粘度が高くなり過ぎ、製造設備への負荷が高くなることに伴い、固形分濃度を下げる必要性が生じ、経済的に不利である。インヘレント粘度(η)は、ポリアリレート樹脂(A)の分子量の指標であり、例えば原料モノマーの仕込み比を調節する方法、末端封鎖剤を使用する方法等で適宜調整することができる。
本発明に用いる末端封止剤としては、一価フェノール、一価酸クロライド、一価アルコール、一価カルボン酸等が挙げられる。一価フェノールとしては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、o−メトキシフェノール、m−メトキシフェノール、p−メトキシフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2−フェニル−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−フェニル−2−(2−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−フェニル−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられ、一価酸クロライドとしては、ベンゾイルクロライド、安息香酸クロライド、メタンスルホニルクロライド、フェニルクロロホルメート等が挙げられ、一価アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ドデシルアルコール、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等が挙げられ、一価カルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、フェニル酢酸、p−tert−ブチル安息香酸、p−メトキシフェニル酢酸等が挙げられる。これらの中でも、反応性と熱安定性の点から、p−tert−ブチルフェノールが好ましい
末端封鎖剤の配合量を増やす程、得られるポリアリレート樹脂(A)の分子量は低くなる。配合量は全ビスフェノール配合モル量に対し、0.1〜20モル%であることが好ましく、0.3〜15モル%であることがより好ましく、0.5〜10モル%の範囲内であることがさらに好ましい。ただし、末端封鎖剤配合量に応じた得られるポリアリレート樹脂の分子量は製造装置、生産条件によっても変化するため、適宜変更する必要がある。
ビスフェノール、末端封鎖剤、芳香族ジカルボン酸クロライドの配合量は、ビスフェノール(2価)及び末端封鎖剤(1価)が有するフェノール性水酸基のモル量と、芳香族ジカルボン酸クロライド(2価)から得られるカルボキシル基のモル量を当量にするよう調整することが好ましい。ただし連続重合方式等のように組成比が流動的に変化する場合は、フェノール性水酸基のモル量が多くなるように配合することが連続的に生産されるポリアリレート樹脂の分子量を安定化させる観点から好ましい。
本発明におけるカルボジイミド化合物(B)は、(−N=C=N−)で表されるカルボジイミド基を分子内に有する化合物をいう。本発明においてカルボジイミド化合物(B)は、ポリアリレート樹脂(A)を高分子量化するための架橋剤としての役割を果たす。架橋反応に寄与している官能基としては、ポリアリレート樹脂(A)主鎖中の酸無水物結合、ポリアリレート樹脂(A)分子末端のカルボキシル基、水酸基であり、これらがカルボジイミド化合物(B)中のカルボジイミド基と反応するものと考えられ、特にポリアリレート樹脂(A)主鎖中の酸無水物結合とカルボジイミド化合物の反応がポリアリレート樹脂(A)の高分子量化に寄与していると推察される。また、カルボジイミド化合物(B)がポリアリレート樹脂(A)中に存在する、カルボキシル基、水酸基、酸無水物結合と反応することによりポリアリレート樹脂(A)中の反応性官能基が低減することとなり、得られるポリアリレート樹脂の耐湿熱性が向上することが期待できる。
なお、架橋剤としては、カルボジイミド化合物のほかに、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、オキサゾリン化合物等が挙げられる。本発明においては、低温でポリアリレート樹脂と反応可能なカルボジイミド化合物が最も適しており、後述する有機溶剤、例えば、ポリアリレート樹脂の溶解性に優れた塩化メチレン(沸点40℃)、クロロホルム(沸点61℃)に溶解し、その樹脂溶液中で反応が可能である、つまり、用いる有機溶剤の沸点よりも低い温度で反応が可能なカルボジイミド化合物が好適に用いることができる。
なお、本発明においてカルボジイミド基を分子内に1個有する化合物をモノカルボジイミド化合物とし、カルボジイミド基を分子内に2個以上有する化合物をポリカルボジイミド化合物とし区別をする。これらカルボジイミド化合物は単独で使用してもよいが2種以上を組み合わせて使用してもよい。架橋密度を調整する観点からモノカルボジイミドとポリカルボジイミドを混合して使用することも可能であるが、ポリカルボジイミドのみを使用することがより好ましい。
同一分子内に1個のカルボジイミド基を有するモノカルボジイミドとしては、例えば、N,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジ−tert−ブチルフェニルカルボジイミド、N−トリル−N´−フェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−アミノフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジ−o−トリルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジシクロヘキシルカルボジイミド、エチレン−ビス−ジフェニルカルボジイミド、N−オクタデシル−N′−フェニルカルボジイミド、N−ベンジル−N′−フェニルカルボジイミド、N−フェニル−N′−トリルカルボジイミド、N,N′−ジ−o−エチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−エチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−o−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−o−イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,6−ジエチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2−エチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2−イソブチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,4,6−トリメチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,4,6−トリイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,4,6−トリイソブチルフェニルカルボジイミド、ジ−β−ナフチルカルボジイミド等の芳香族モノカルボジイミド、N,N’−ジ−o−トリルカルボジイミド、N,N’−ジオクチルデシルカルボジイミド、N−トリル−N´−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−トリルカルボジイミド、ヘキサメチレン−ビス−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N′−ベンジルカルボジイミド、N−オクタデシル−N′−トリルカルボジイミド、N−シクロヘキシル−N′−トリルカルボジイミド、N−ベンジル−N′−トリルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、t−ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジ−t−ブチルカルボジイミド等の脂肪族/または脂環族モノカルボジイミドを挙げることができる。
同一分子内に2個以上のカルボジイミド基を有するポリカルボジイミドとしては、上述のモノカルボジイミドをポリマー化させることで得ることもできるが、各種市販品を用いることが入手性、経済性の観点から好ましい。例えば、ラインヘミー社製スタバックゾールP、ラインヘミー社製スタバックゾールP−100、ラインヘミー社製スタバックゾールP−400などの芳香族ポリカルボジイミド、日清紡社製LA−1などの脂肪族/または脂環族ポリカルボジイミドを挙げることができる。ポリアリレート樹脂(A)との反応性、カルボジイミド化合物(B)との反応後得られた架橋物の安定性、熱安定性、弾性率の観点から芳香族ポリカルボジイミドを用いることが好ましい。
本発明のポリカルボジイミド分子中のカルボジイミド基数は、2〜100であることが好ましく、2〜80であることがより好ましく、2〜60であることがさらに好ましい。カルボジイミド基数が2未満、すなわちモノカルボジイミドである場合は架橋反応を起こすことが出来ないため、単独での使用が不可能である。またカルボジイミド基数が100を超える場合は、架橋密度が上がり過ぎるため、得られる樹脂溶液が不均一となり、また樹脂溶液の溶液粘度が高くなり、フィルムなどの製膜性に劣ることがある。
カルボジイミド基数は、ポリカルボジイミド分子中のカルボジイミドの個数であり、ジイソシアネート化合物から得られたポリカルボジイミドであれば、重合度に相当する。例えば、21個のジイソシアネート化合物が鎖状につながって得られたポリカルボジイミドの重合度は、20であり、分子鎖中のカルボジイミド基数は20である。通常、ポリカルボジイミドは、種々の長さの分子の混合物であり、カルボジイミド基数は、平均値で表される。カルボジイミド基数は、13C−NMR、IR、GPC、滴定法またはそれらの組合せ等により測定でき、カルボジイミド基数として把握することが可能である。13C−NMRでは130から142ppm、IRでは2130〜2140cm−1にピークを観察することが可能である。
カルボジイミド化合物(B)の配合量は、ポリアリレート樹脂(A)100質量部に対し、0.3〜5質量部である必要があり、0.5〜4質量部であることが好ましく、0.8〜3質量部であることが特に好ましい。カルボジイミド化合物(B)の配合量が0.3質量部未満であると、ポリアリレート樹脂(A)の架橋を十分に起こすことができず高分子量化が困難となる。5質量部を超えると、樹脂溶液の保存安定性が低下したり、得られる塗膜、フィルムの熱安定性が不足する。
本発明において、ポリアリレート樹脂(A)にカルボジイミド化合物(B)を配合する方法は特に限定されるものではないが、例えば、ポリアリレート樹脂(A)を有機溶剤に溶解した際、カルボジイミド化合物(B)を配合し、攪拌混合することで架橋反応を進行させ、高分子量化したポリアリレート樹脂組成物を得る方法が最も簡便でかつ好ましい。
このようにポリアリレート樹脂(A)を溶解した樹脂溶液中で、カルボジイミド化合物(B)との反応を進行させることは、ポリアリレート分子鎖中に存在する酸無水物結合が少ない場合であっても、カルボジイミド化合物(B)と確実に反応するため、所望する高分子量のポリアリレート樹脂組成物とすることが可能である。
本発明のポリアリレート樹脂組成物のGPC法で測定される数平均分子量は、7万以上である必要があり、8万以上であることが好ましく、9万以上であることがより好ましく、10万以上であることがさらに好ましい。数平均分子量が7万未満であると、得られる塗膜、フィルムの強靭性や耐疲労性が低下する。なお、数平均分子量は、テトラヒドロフランを流出液とし、GPC法により測定される値であり、ポリスチレン換算の値として算出される。
本発明のポリアリレート樹脂組成物のインヘレント粘度は、0.7以上であることが好ましく、0.8以上であることがより好ましく、0.85以上であることがさらに好ましく、0.9以上であることが最も好ましい。インヘレント粘度が0.7未満であると、得られる塗膜、フィルムの強靭性や耐疲労性が低下する。さらに、これを用い得られる樹脂溶液の粘度が十分に高くなく、薄膜化が困難となり、結果として優れた振動板フィルムを得ることが出来ない。なお、インヘレント粘度は、 前記ポリアリレート樹脂(A)のインヘレント粘度(η)を測定する方法と、同等の方法を用いて求めることができる。
上記ポリアリレート樹脂組成物は、そのまま樹脂溶液として、塗膜、フィルムの形成に用いることができるが、前記有機溶剤に溶解したポリアリレート樹脂組成物より有機溶剤を乾燥、除去した後、ポリアリレート樹脂組成物のみを取り出すことができる。このようなポリアリレート樹脂組成物は、再び有機溶剤に溶解して樹脂溶液とし、溶液流延法により、塗膜、フィルムの形成に用いることができるが、有機溶剤に溶解することなく、溶融押出法によって塗膜、フィルムの形成を行うこともできる。
本発明のポリアリレート樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ブルーイング剤、顔料、難燃剤、離型剤、帯電防止剤、滑剤、有機系充填剤、無機系充填剤などを含んでもよい。
また本発明のポリアリレート樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、ポリアリレート樹脂以外の他の樹脂が含まれてもよい。他の樹脂としては、例えば、ポリアミド(ナイロン)、ポリエステルアミド、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリオレフィン、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。これらの成分は、1種でも、2種以上用いてもよく、単に混合されていてもよいし、共重合されていてもよい。また配合する方法はポリアリレート樹脂(A)と溶融押出等の手法で事前に配合していても良いし、樹脂溶液作製時にポリアリレート樹脂(A)と同時に溶解してもよいし、各々別に溶解した後混合してもよい。
塗膜、フィルムの形成方法としては、溶液流延法が特に好ましい。ポリアリレート樹脂組成物の樹脂溶液に用いる有機溶剤としては、ハロゲン化炭化水素系溶剤、ハロゲン化芳香族炭化水素系溶剤、アミド化合物系溶剤、エーテル化合物系溶剤、ケトン化合物系溶剤および芳香族炭化水素系溶剤から選ばれる各有機溶剤が挙げられる。これらは単独で用いてもよいが2種以上組合わせて用いることもできる。これらは本発明のポリアリレート樹脂組成物を溶解して樹脂溶液とすることができれば特に限定されることはなく、樹脂溶液を使用する環境等に合わせて選択することが好ましい。なお、ポリアリレート樹脂(A)とカルボジイミド化合物(B)を反応させる際に用いる有機溶剤と、得られたポリアリレート樹脂組成物を一旦乾燥し、再び溶解し樹脂溶液とする場合に用いる有機溶剤は、同じであっても異なるものを用いてもよく、適宜選択することができる。
本発明の樹脂溶液に用いるハロゲン化炭化水素系溶剤としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、クロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ジブロモメタン、トリブロモメタン、ブロモエタン、1,2−ジブロモエタン、1−ブロモプロパンなどが挙げられる。
本発明の樹脂溶液に用いるハロゲン化芳香族炭化水素系溶剤としては、例えば、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼンなどが挙げられる。
本発明の樹脂溶液に用いるアミド化合物系溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
本発明の樹脂溶液に用いるエーテル化合物系溶剤としては、例えば、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
本発明の樹脂溶液に用いるケトン化合物系溶剤としては、例えば、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
本発明の樹脂溶液に用いる芳香族炭化水素系溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
またポリアリレート樹脂(A)として、二価フェノール成分がビスフェノールA、芳香族ジカルボン酸成分がテレフタル酸、イソフタル酸から構成されたポリアリレート樹脂を用いる場合、溶剤溶解性が必ずしも十分ではなく、溶解を試みた場合、ゲル状ブツや残渣が残ることがある。また仮に溶解した場合も長時間放置した場合、溶液がプリン状またはガラス状に固化すること、いわゆるゲル化が起きる。このゲル化を防ぐには、溶解力に優れた溶剤を用いること、具体的にはハロゲン化炭化水素系溶剤またはハロゲン化芳香族炭化水素系溶剤、アミド化合物系溶剤、エーテル化合物系溶剤、ケトン化合物系溶剤を用いることが好ましく、ハロゲン化炭化水素系溶剤またはハロゲン化芳香族炭化水素系溶剤、アミド化合物系溶剤、エーテル化合物系溶剤を用いることがより好ましく、ハロゲン化炭化水素系溶剤またはハロゲン化芳香族炭化水素系溶剤を用いることがさらに好ましい。
また、固形分濃度を下げることも効果的であり、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。加えてゲル化は保存温度の影響も受ける。ポリアリレート樹脂(A)の場合、ゲル化は溶剤結晶化に起因することがあるため低温で保管することが好ましく、常温以下、0〜5℃程度で保管することがより好ましい。
本発明の樹脂溶液の固形分濃度は1〜40質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましく、3〜20質量%がさらに好ましい。固形分濃度が1質量%未満では、樹脂溶液の溶液粘度が不十分となり、均一な薄膜を得ることが困難となり、十分な機械特性を有する塗膜、フィルムを得ることが難しくなる。固形分濃度が40質量%を超えると、樹脂溶液としてのハンドリング性が低下するばかりでなく、得られる塗膜、フィルムの厚み精度が低下することがある。なお、ポリアリレート樹脂(A)とカルボジイミド化合物(B)を反応させる際、有機溶剤中で反応させる場合においても、前記固形分濃度の範囲で行うことが好ましく、反応性に合わせて適宜調整することができる。
なお、本発明の樹脂溶液は、該樹脂溶液を用いて、直ぐに塗膜、フィルムの形成を行うこともできるが、一旦樹脂溶液として長時間保管した後に、塗膜、フィルム形成のための樹脂溶液として用いることもできる。
またポリアリレート樹脂(A)、カルボジイミド化合物(B)を溶解してなる樹脂溶液中では、架橋反応と分解反応が同時に起きており、主たる反応である架橋反応の優先度を高め、分解反応を抑える観点で、溶解時から保管時まで一貫して常温以下の低温で実施できることが最も好ましい。溶解、保管する温度としては、常温以下が好ましく、0〜5℃の冷蔵がより好ましい。ただし、溶解に時間を要し、樹脂溶液を調整するために時間を要する場合、溶解時の温度を上げる必要が生じる。その際、溶解時の温度を高めることが溶解に要する時間を削減でき、速やかに保管状態すなわち低温状態に移行でき効果的な場合もある。
本発明のポリアリレート樹脂組成物を用いて、塗膜、フィルムの形成を行う方法としては、特に溶液流延法が好ましい。溶液流涎法では、ポリアリレート樹脂組成物を前記有機溶剤に溶解して、樹脂溶液を調製し、フィルム等の基材上に流延し、流延後、加熱乾燥して有機溶剤を除去することで基材上への塗膜の形成ができる。また、この際フィルム等の基材を剥離することで、ポリアリレート樹脂組成物からなるフィルムを得ることもできる。乾燥工程では、ポリアリレート樹脂組成物と残存する有機溶剤量に応じて系のみかけのガラス転移温度が変化することを考慮し、段階的に加熱乾燥を行なうことが良好な表面状態のフィルムを得る観点から好ましい。また基材に流涎し塗膜を得た場合、カールが問題となることがある。これは塗膜が基材側と空気層側で乾燥効率が異なるために生じる現象である。この場合、基材を厚くし、塗膜を薄くすることがカール解消にあたり好適であり、テンターなどで支持をすることでよりカールを低減することが出来る。また乾燥温度を低くし長時間かけて乾燥することでもカールを緩和することが出来る。また特に、フィルムを得ることを試みた場合にカールが問題となる場合、基材に流涎後、粗乾燥を経たのち、速やかに基材を剥離し、ポリアリレート樹脂からなるフィルムのみで追加乾燥することでカールを低減することが出来る。また、ステンレスベルトにて粗乾燥を行った後、ポリアリレート樹脂からなるフィルムを単離し追加乾燥することも好適である。
本発明のポリアリレート樹脂組成物からなる塗膜、フィルムの厚みは特に制限されるものではないが、0.5〜1500μm、特に0.5〜500μmであることが好ましい。
本発明のポリアリレート樹脂組成物からなる塗膜、フィルムの引張弾性率は特に制限されるものではないが、2.0GPa以上であることが好ましく、2.2GPa以上であることがより好ましく、2.4GPa以上であることがさらに好ましい。引張弾性率が2.0GPa未満であると、例えば、スピーカー振動板フィルムとして用いた場合、高域の振動特性を十分に高めることが難しくなる。
本発明のポリアリレート樹脂組成物は、前記溶液流延法、溶融押出法による塗膜、フィルムの形成以外にも、他の加工方法を用いて各種成形体に成形することができる。他の加工方法とは、例えば、射出成形法、押出成形法、圧縮成形法、ブロー成型法などが挙げられる。
本発明のポリアリレート樹脂組成物は、耐熱性、柔軟性等の機械特性に優れるため、自動車分野、電気・電子分野等で用いることができる。自動車分野では各種絶縁保護被膜、電気・電子分野ではフィルムコンデンサ、スピーカー部材、各種ディスプレイ部材として好適に用いることができ、ポリアリレート樹脂組成物の高分子量化にともなう、強靭性、耐疲労性の向上により、液晶ディスプレイ等で用いられるタッチパネル部材やスピーカー用振動板フィルムとしての使用が可能である。特にスピーカー用振動板フィルムとしては、長期的な振動疲労に耐え、音響特性の向上効果が高いため好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
1.評価方法
(1)ポリアリレート樹脂およびポリアリレート樹脂組成物のインヘレント粘度(η
ポリアリレート樹脂またはポリアリレート樹脂組成物を濃度1g/dlとなるように1,1,2,2−テトラクロロエタンに溶解した。ウベローデ型粘度計を用い、25℃の温度にて試料溶液および溶媒の落下時間を測定し、以下の式を用いてインヘレント粘度を求めた。なお、ポリアリレート樹脂組成物については、150℃×24h真空乾燥処理後測定を行った。
インヘレント粘度=ln[(試料溶液の落下時間/溶媒のみの落下時間)/樹脂濃度(g/dl)]
(2)ポリアリレート樹脂のインヘレント粘度(η
用いる溶媒をフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=6/4(質量比)溶液に対し、酢酸ナトリウムを0.01mol/Lを配合した混合溶媒とした以外は、インヘレント粘度(η)と同様にして、インヘレント粘度(η)の測定を行った。
(3)(η)/(η)の算出
インヘレント粘度(η)とインヘレント粘度(η)より(η)/(η)を求めた。(η)/(η)は、ポリアリレート分子鎖中の酸無水物結合存在量の程度を示す指標である。(η)/(η)が小さくなるほど、酸無水物結合の存在量が多いことを示し、(η)/(η)が1に近づくほど、酸無水物結合は殆ど存在しない。本発明においては、(η)/(η)は0.9以上であることが好ましい。
(4)樹脂溶液の調製
実施例記載の所定のポリアリレート樹脂100質量部、所定のカルボジイミド化合物0.3質量部を均一にドライブレンドした後、50mlスクリュー管中にクロロホルム45g、前記ブレンド物5g秤量し、23℃下ウェーブローダーを用い70rpmで撹拌し樹脂溶液の調製を行った。撹拌は、常温下(23℃)で3日間行った。
(5)ポリアリレート樹脂組成物の重量平均分子量
前記「(4)樹脂溶液の調製」で得られた樹脂溶液について、撹拌の途中(調整後1日目)、撹拌終了後(調整後3日目)の樹脂溶液をスクリュー管から一部抜き取った。撹拌終了後の樹脂溶液をさらに、常温(23℃)で、樹脂溶液の調製から5日目、180日目まで静置保管した。以上の調整後1、3、5、180日目の樹脂溶液のそれぞれにつき、60℃にて12h乾燥しポリアリレート樹脂組成物を得て、下記方法により、重量平均分子量の測定を行った。なお、1日目と3日目、または3日目と5日目の重量平均分子量の値を対比し、数値変化が無い場合、その時点を持って反応が完了したものとみなす。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件でポリスチレン換算の重量平均分子量を測定した。
・送液装置:ウォーターズ社製Isocratic HPLC Pump 1515
・検出器:ウォーターズ社製Refractive Index Detector 2414
・カラム:Mixed−D(充填シリカゲル粒径5μm、チューブ長さ300mm、内径7.5mm)
・溶媒:クロロホルム
・流速:1mL/分
・測定温度:40℃
(6)樹脂溶液の保存安定性
「(5)ポリアリレート樹脂組成物の重量平均分子量」で得られた調整後3日目、180日目の重量平均分子量の結果より、下式により重量平均分子量の保持率を算出した。重量平均分子量の保持率の値が大きいほど樹脂溶液の保存安定性に優れるものと判断をした。
重量平均分子量の保持率=(調整後180日目の重量平均分子量)/(調整後3日目の重量平均分子量)×100
(7)溶剤溶解性
「(5)ポリアリレート樹脂組成物の重量平均分子量」で得られた調整後3日目のポリアリレート樹脂組成物を、有機溶剤としてジオキソラン、シクロペンタノンを用い、それぞれに濃度10質量%となるように溶解した。これらを24時間撹拌し、残渣が無かった場合、得られた樹脂溶液をさらに常温(23℃)で2週間静置保管した。2週間経過後の樹脂溶液の挙動を下記基準より判断した。
◎:変化なし
○:一部白濁しているが、溶液は固まっていない
△:白濁し、溶液も固化している
×:残渣有
(8)フィルムの耐熱性
「(5)ポリアリレート樹脂組成物の重量平均分子量」で得られた調整後3日目の樹脂溶液を用い、得られた厚さ100μmのフィルムを、熱風乾燥機中で150℃、1000h熱処理を行った。熱処理後のフィルムにつき、前記同様に重量平均分子量を測定した。得られた熱処理後の重量平均分子量の結果、および(5)で求めた調整後3日目の重量平均分子量の結果より、下式により重量平均分子量の保持率を算出した。
重量平均分子量の保持率は、実用的には75%以上であることが好ましい。
重量平均分子量の保持率 =(熱処理後フィルム重量平均分子量)/(調整後3日目の重量平均分子量)×100
(9)フィルムの引張弾性率
JIS K−2318に準拠して、インテスコ社製引張圧縮試験機を用い、厚み100μmのフィルムの引張弾性率を測定した。引張弾性率は、実用的には2.0GPaであることが好ましい。
(10)膜厚均一性
100×100mmサイズの厚み10μmのフィルムにおいて、接触式フィルム厚み測定器を用い任意の10所について厚みの測定を行った。この操作を3枚のフィルムで実施した。測定点30ヶ所の測定結果より標準偏差(σ)を求めた。標準偏差が小さいほど膜厚均一性が高いと判断した。実用的には、標準偏差は0.15以下が好ましい。
(11)圧空成形性
100μmフィルムを用い、温度を220〜260℃まで変更し、圧空成形機を用い直径100mmであるスピーカーコーン形状の成形体を加工し成形性を判断した。最も良好な温度条件で成形した際の状態を下記のように判定した。
○:成形後の厚みは均一であった。
△:成形後の厚みがやや不均一であった。
×:割れ、破れ等があった。
2.原料
(1)カルボジイミド化合物
・(b−1):芳香族型ポリカルボジイミド
ポリ(1,3,5−トリイソプロピルベンゼン)カルボジイミド、ラインケミー社製「スタバックゾールP−400」、数平均分子量約6400。
・(b−2):芳香族型ポリカルボジイミド(オリゴマータイプ)
ポリ(1,3,5−トリイソプロピルベンゼン)カルボジイミド、ラインケミー社製「スタバックゾールP」、数平均分子量約700。
・(b−3):脂環族型ポリカルボジイミド
ポリ(4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)、日清紡社製「LA−1」。
・(b−4):芳香族型モノポリカルボジイミド
N,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、ラインケミー社製「スタバックゾールI」。
(2) カルボジイミド化合物以外の化合物
・(c−1):エポキシ化合物
EGMA(エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体)−g(グラフト)−AS(アクリロニトリルスチレン)共重合体、日油社製「モディパーA4400」、EGMA/AS=70/30(質量比)、E/GMA=85/15(質量比)。
製造例1
攪拌装置を備えた反応容器中において2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)6.0モル、p−t−ブチルフェノール0.21モル、水酸化ナトリウムを18.3モル(アルカリ倍率1.5(倍/フェノール水酸基))を水20リットルに溶解した後、相間移動触媒であるトリブチルベンジルアンモニウムクロライド(TMBAC)0.042モルを添加し溶解させた(水相)。別にテレフタル酸クロライドとイソフタル酸クロライドの1:1混合物6.1(テレフタル酸クロライド、イソフタル酸クロライド共に3.04モル)モルを10リットルの塩化メチレンに溶解した(有機相)。反応容器内温度を30℃に保ち、水相に有機相を添加した。その後強撹拌を施しこの状態で2時間反応を行った後攪拌を停止して10分間静置し、水相と有機相を分離させた。水相を分離して体積の測定を行った後、有機相に20リットルの水と酢酸を添加して中和した。さらに有機相を20リットルの水で5回洗浄した後、有機相を大量のメタノール中に投下してポリマーを沈澱させ、沈澱したポリマーを単離、乾燥し、ポリアリレート樹脂(a−1)を得た。その結果を表1に示す。
製造例2〜5
ビスフェノール、p−t−ブチルフェノール、テレフタル酸クロライド、イソフタル酸クロライドの配合比率、及び、触媒の種類、アルカリ倍率、反応容器内温度を表1記載の組成比、条件とする以外は、製造例1と同様の操作を行って、ポリアリレート樹脂(a−2)〜(a−5)を得た。その結果を表1に示す。
製造例6
ポリアリレート樹脂(a−1)を、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=6/4(質量比)混合溶媒に対し、酢酸ナトリウムを0.01mol/Lを配合した溶媒に溶解させ、3時間静置させた。その後、メタノール中にてポリマーを再沈殿させ、得られたポリマーをメタノール中で2日間浸漬させることで洗浄して、ポリアリレート樹脂(a−6)を得た。その結果を表1に示す。
製造例7
ポリアリレート樹脂の重量平均分子量が7万以上となるように、表1記載の原料の仕込み、重合条件とする以外は、製造例1と同様の操作を行って、ポリアリレート樹脂(a−7)を得た。その結果を表1に示す。
実施例1
ポリアリレート樹脂(a−1)100質量部、カルボジイミド化合物(b−1)0.3質量部を均一にドライブレンドした後、50mlスクリュー管中にクロロホルム45g、前記ブレンド物5g秤量し、23℃下ウェーブローダーを用い70rpmで撹拌した。攪拌開始1、3、180日経過後、同一のスクリュー管から樹脂溶液(濃度10質量%)を3ml抜き取り、60℃にて12h乾燥しポリアリレート樹脂組成物を得た。
前記攪拌開始1、3、180日経過後のそれぞれについてポリアリレート樹脂組成物の重量平均分子量を測定した。また、攪拌開始後3日経過後に得られたポリアリレート樹脂組成物についてインヘレント粘度を測定した。
さらに、撹拌開始3日経過後の樹脂溶液(濃度10質量% )を10ml抜き取り、バーコーターを用いてガラス基板上に厚さ1000μmとなるようキャストした。室温で120分乾燥後、フィルムをガラス基板から引き剥がし、ステンレス製枠でフィルムを固定した状態で、真空乾燥機内150℃、12h乾燥し、乾燥厚さ100μmのフィルムを得た。
また、クロロホルム47.5g、前記ブレンド物2.5g、樹脂溶液濃度5質量%、キャスト時の樹脂溶液の設定厚みを200μmとした以外は、前記同様の操作を行って、厚さ10μmのフィルムを得た。
得られたフィルムについて、各種評価を行った。その結果を表2に示す。
実施例2〜8
表2記載の配合に従う以外は、実施例1と同様にしてポリアリレート樹脂組成物を得、得られたフィルムについても各種評価を行った。その結果を表2に示す。
実施例9
表2記載の実施例3の配合に従い、攪拌時の雰囲気温度を5℃とする以外は、実施例1と同様にしてポリアリレート樹脂組成物を得て各種評価を行った。その結果を表2に示す。
実施例10
表2記載の実施例3の配合に従い、攪拌時の雰囲気温度を35℃とする以外は、実施例1と同様にしてポリアリレート樹脂組成物を得て各種評価を行った。その結果を表2に示す。
比較例1〜8、10
表3記載の配合に従う以外は、実施例1と同様にしてポリアリレート樹脂組成物を得て各種評価を行った。その結果を表3に示す。
比較例9
実施例1と同一の原料の仕込みとし、二軸混練押出機を用い溶融混練を行い、ポリアリレート樹脂組成物を得た。溶融混練の条件は、樹脂温度340℃、スクリュー回転300rpm、吐出量20kgとした。得られたポリアリレート樹脂組成物について各種評価を行った。その結果を表3に示す。
実施例1〜10は、本願所定の配合に従ったため、十分に高分子量化したポリアリレート樹脂組成物を得ることができ、耐熱性も優れるものであった。
なお、実施例9は、より低温で攪拌したことにより分解反応が抑えられ、分子量が高く保持されており、ポリアリレート樹脂組成物の耐熱性が優れるものであった。
比較例1は、カルボジイミド化合物の配合を行わなかったため、分子量の増加が見られなかった。また、引張弾性率、溶剤溶解性、膜厚均一性、圧空成形性が劣った。
比較例2は、カルボジイミド化合物の配合量が下限値未満であったため、分子量の増加が十分には見られなかった。また、引張弾性率、溶剤溶解性、膜厚均一性が劣った。
比較例3は、カルボジイミド化合物の配合が上限値を超えたため、得られたポリアリレート樹脂組成物の耐熱性、保存安定性が劣るものとなった。
比較例4は、ポリアリレート樹脂の(η)/(η)が上限値を超えたため、分子量の増加が十分には見られなかった。また、引張弾性率、溶剤溶解性に劣った。
比較例5は、ポリアリレート樹脂の(η)/(η)が上限値を超えたため、分子量の増加が十分には見られなかった。また、引張弾性率、溶剤溶解性、膜厚均一性、圧空成形性が劣った。
比較例6は、ポリアリレート樹脂の(η)/(η)が上限値を超えたため、分子量の増加が十分には見られなかった。また、引張弾性率、溶剤溶解性、膜厚均一性、圧空成形性が劣った。
比較例7は、用いるカルボジイミド化合物がモノカルボジイミド単独のため、分子量の増加が見られなかった。また、引張弾性率、溶剤溶解性、膜厚均一性、圧空成形性が劣った。
比較例8は、用いるポリアリレート樹脂の重量平均分子量が11万であったが、カルボジイミド化合物の配合を行わなかったため、引張弾性率、溶剤溶解性、膜厚均一性が劣った。
比較例9は、実施例1と同様の所定の配合に従ったが、得られたポリアリレート樹脂組成物の重量平均分子量が7万未満であったため、引張弾性率、溶剤溶解性、膜厚均一性、圧空成形性が劣った。
比較例10は、カルボジイミド化合物以外のもの(=エポキシ化合物)を用いたため、分子量は全く増加しなかった。また、引張弾性率、溶剤溶解性、得られたポリアリレート樹脂の耐熱性、膜厚均一性、圧空成形性が劣った。

Claims (10)

  1. 有機溶剤中でポリアリレート樹脂(A)、カルボジイミド化合物(B)を反応させるポリアリレート樹脂組成物の製造方法であって、ポリアリレート樹脂組成物が、ポリアリレート樹脂(A)100質量部に対し、カルボジイミド化合物(B)0.3〜5質量部を含有し、重量平均分子量(Mw)が7万以上であるポリアリレート樹脂組成物の製造方法。
  2. ポリアリレート樹脂(A)の下記条件(i)、(ii)で測定されるインヘレント粘度(η1)、インヘレント粘度(η0)の関係が、(η1)/(η0)=0.98未満である請求項1に記載のポリアリレート樹脂組成物の製造方法。
    (i)酢酸ナトリウムを0.01mol/L含むフェノール/テトラクロロエタン=6/4(質量比)混合溶媒で測定されるインヘレント粘度(η1
    (ii)酢酸ナトリウム非存在下、テトラクロロエタン溶液で測定されるインヘレント粘度(η0
  3. 引張弾性率が2.0GPa以上である請求項1または2記載のポリアリレート樹脂組成物の製造方法。
  4. カルボジイミド化合物(B)が芳香族ポリカルボジイミドである請求項1〜3いずれかに記載のポリアリレート樹脂組成物の製造方法。
  5. ポリアリレート樹脂(A)100質量部に対し、カルボジイミド化合物(B)0.3〜5質量部を含有するポリアリレート樹脂組成物であって、重量平均分子量(Mw)が7万以上であるポリアリレート樹脂組成物を含有する樹脂溶液。
  6. ポリアリレート樹脂(A)の下記条件(i)、(ii)で測定されるインヘレント粘度(η 1 )、インヘレント粘度(η 0 )の関係が、(η 1 )/(η 0 )=0.98未満であるポリアリレート樹脂組成物を含有する請求項5に記載の樹脂溶液。
    (i)酢酸ナトリウムを0.01mol/L含むフェノール/テトラクロロエタン=6/4(質量比)混合溶媒で測定されるインヘレント粘度(η 1
    (ii)酢酸ナトリウム非存在下、テトラクロロエタン溶液で測定されるインヘレント粘度(η 0
  7. 引張弾性率が2.0GPa以上であるポリアリレート樹脂組成物を含有する請求項5または6に記載の樹脂溶液。
  8. カルボジイミド化合物(B)が芳香族ポリカルボジイミドであるポリアリレート樹脂組成物を含有する請求項5〜7いずれかに記載の樹脂溶液。
  9. 請求項5〜8いずれかに記載の樹脂溶液から形成される樹脂塗膜。
  10. 請求項9に記載の樹脂塗膜が基材上に形成された積層体。
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