JP2861403B2 - 遠心鋳造法。 - Google Patents

遠心鋳造法。

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JP2861403B2
JP2861403B2 JP41895990A JP41895990A JP2861403B2 JP 2861403 B2 JP2861403 B2 JP 2861403B2 JP 41895990 A JP41895990 A JP 41895990A JP 41895990 A JP41895990 A JP 41895990A JP 2861403 B2 JP2861403 B2 JP 2861403B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、遠心鋳造用金型を用
いて高融点金属、例えば、チタンまたはチタン合金など
を遠心鋳造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、TiまたはTi合金などの高融
点金属を鋳造するための鋳型として、黒鉛鋳型、ロスト
ワックス鋳型に代表される特殊セラミックス鋳型、水冷
銅合金鋳型が知られており、これら鋳型を用いて遠心鋳
造も行われている。
【0003】TiまたはTi合金などの高融点金属を鋳
造するための金型として、本発明者らは、図3および図
4に示される遠心鋳造金型を開発した(特願平2−78
384号)。
【0004】図3は、図4におけるIII−III断面
図であり、図4は図3におけるIV−IV断面図であ
る。図3および図4において、1は金型本体、2は鋳造
キャビティ、3は中心湯道、4は分岐湯道、5はTi合
金溶湯、7はゲートであり、鋳造キャビティ2は分岐湯
道4の先端部に設けられている。上記遠心鋳造金型は、
金型本体1に設けられた中心湯道3を軸として回転せし
められ、金型本体1の回転中に中心湯道3にTi合金溶
湯5を注入すると、Ti合金溶湯5は分岐湯道4を通っ
て鋳造キャビティ2に導入され、Ti合金鋳物が製造さ
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この遠心鋳造
金型を用いてTi合金溶湯5を中心湯道3に注入する
と、Ti合金溶湯5は、分岐湯道4を通って、鋳造キャ
ビティ2に導入されはするが、鋳造キャビティ2は分岐
湯道4の先端部に設けられているために、図3に示され
るように鋳造キャビティ2に導入されたTi合金溶湯5
は、鋳造キャビティ2の表面に衝突し、スプラッシュが
発生し、鋳造キャビティ2の表面に荒れ6が生じ、かつ
溶湯の回転速度は鋳型の回転速度より遅いため、回転方
向と逆方向の側面に吹きだし、したがって、得られたT
i合金鋳物の回転方向と逆方向の表面に湯じわおよび肌
荒れが生じるという課題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
かかる課題を解決すべく研究を行った結果、この発明の
遠心鋳造法で用いる遠心鋳造用金型の断面図である図1
に示されるように、金型の回転中心部に回転軸方向に設
けられた中心湯道3、上記中心湯道3から湯道方向に対
して直角方向に分岐してのびた分岐湯道4および上記分
岐湯道4の一方の側面にのみゲート7を介して設けられ
た鋳造キャビティ2を有する遠心鋳造用金型を作製し、
この遠心鋳造用金型を中心湯道3の軸を中心にして分岐
湯道4から鋳造キャビティ2の方向に向かって回転させ
ながら、上記中心湯道3に溶湯を注入すると、図1に示
されるように、溶湯は分岐湯道4の回転方向と逆方向の
壁を伝って湯道末端まで達した後、ゲート7を通って鋳
造キャビティ2の壁面に湧きだし、鋳造キャビティ2の
壁面に沿うようにして鋳造キャビティ2に層流として導
入されるため、溶湯が表面に衝突することがなく、した
がって鋳造キャビティ2の表面に荒れが生じることがな
く、またこのようにして鋳造されたTi合金鋳物の表面
には湯じわおよび肌荒れが発生することがない、という
知見を得たのである。
【0007】この発明は、かかる知見に基づいて成され
たものであって、金型の回転中心部に回転軸方向に設け
られた中心湯道、上記中心湯道から湯道方向に対して直
角方向に分岐してのびた分岐湯道、および上記分岐湯道
の一方の側面にのみゲートを介して設けられた鋳造キャ
ビティを有する遠心鋳造用金型を用い、この遠心鋳造用
金型を回転軸を中心にして分岐湯道から鋳造キャビティ
の方向に向かって回転させながら、上記中心湯道に溶湯
を注入する遠心鋳造法、に特徴を有するものである。
【0008】この遠心鋳造用金型の鋳造キャビティ2
は、分岐湯道4の側面にゲート7を介して設けられてお
り、この遠心鋳造用金型を、中心湯道3の軸を中心にし
て分岐湯道4から鋳造キャビティ2の方向に向かってA
方向に回転させながら、上記中心湯道3にTi合金溶湯
5を注入すると、注入されたTi合金溶湯5は分岐湯道
4を通って分岐湯道先端に達し、分岐湯道4に充満した
Ti合金溶湯5はゲート7を通って鋳造キャビティ2に
湧きだし、鋳造キャビティ2の壁面に沿うようにして鋳
造キャビティ2に導入され鋳込まれる。
【0009】さらに、図2は、この発明の遠心鋳造法で
用いる他の遠心鋳造用金型の断面図であり、この遠心鋳
造用金型の分岐湯道4には、ゲート7および鋳造キャビ
ティ2が複数個設けられている。
【0010】
【実施例】この発明を実施例に基づいて具体的に説明す
る。
【0011】Cu−2%Be−0.3%Coの組成を有
する銅合金を用い、図1に示されるような、直径:50
mmの中心湯道、直径:5mmの分岐湯道、および上記
分岐湯道の側面に直径:3mmのゲートを介して接続さ
れた直径:30mmの自動車エンジン用バルブリテーナ
鋳造キャビティを有する遠心鋳造用金型を作製し、この
遠心鋳造用金型を真空雰囲気中の非消耗型アーク溶解炉
内に回転可能に設置し、この遠心鋳造用金型を中心湯道
を軸に分岐湯道からキャビティに向かう方向に回転速
度:500r.p.m.で回転せしめながら、Ti−6
%Al−4%Vの溶湯を中心湯道に注入し、6個のTi
合金製自動車エンジン用バルブリテーナを製造した。こ
れら遠心鋳造された6個のTi合金製自動車エンジン用
バルブリテーナの表面に湯じわが発生しているかいない
かを調べた結果、いずれのTi合金製自動車エンジン用
バルブリテーナの表面にも湯じわの発生は見られなかっ
た。
【0012】
【比較例】上記実施例とまったく同一の遠心鋳造用金型
を用い、この遠心鋳造用金型を上記実施例の回転方向と
反対の方向(キャビティから分岐湯道に向かう方向、す
なわち図1におけるAと反対方向)に回転せしめる以外
は上記実施例とまったく同一の条件でTi−6%Al−
4%Vの溶湯を鋳造し、6個のTi合金製自動車エンジ
ン用バルブリテーナを製造した。この場合は、溶湯は分
岐湯道4の回転方向と逆方向の壁を伝って直接ゲートか
らスプラッシュ状に吹き出すため、得られたTi合金製
自動車エンジン用バルブリテーナの表面にスプラッシュ
跡および湯じわが見られた。
【0013】
【発明の効果】本発明法によると、鋳物の表面に湯じわ
および肌荒れが生ずることがない健全な鋳肌を有するT
i合金鋳物を遠心鋳造することができ、産業上優れた効
果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の遠心鋳造用金型の断面図
【図2】この発明の遠心鋳造用金型の断面図
【図3】従来の遠心鋳造用金型の断面図
【図4】図3におけるIV−IV断面図
【符号の説明】
1 金型本体 2 鋳造キャビティ 3 中心湯道 4 分岐湯道 5 Ti合金溶湯 6 荒れ 7 ゲート

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型の回転中心部に回転軸方向に設けら
    れた中心湯道、上記中心湯道から湯道方向に対して直角
    方向に分岐してのびた分岐湯道、および上記分岐湯道の
    一方の側面にのみゲートを介して設けられた鋳造キャビ
    ティを有する遠心鋳造用金型を用い、上記遠心鋳造用金
    型を中心湯道を回転軸として分岐湯道から鋳造キャビテ
    ィの方向に向かって回転させながら、上記中心湯道に溶
    湯を注入することを特徴とする遠心鋳造法。
JP41895990A 1990-12-18 1990-12-18 遠心鋳造法。 Expired - Lifetime JP2861403B2 (ja)

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JPH04210860A JPH04210860A (ja) 1992-07-31
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WO2015119449A1 (ko) * 2014-02-07 2015-08-13 한국생산기술연구원 다중 가압 주조 금형 및 이를 이용한 성형물 제조방법

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