JPH08238538A - Ti若しくはTi合金またはTiAl系金属間化合物中空鋳物鋳造用中子 - Google Patents
Ti若しくはTi合金またはTiAl系金属間化合物中空鋳物鋳造用中子Info
- Publication number
- JPH08238538A JPH08238538A JP7043296A JP4329695A JPH08238538A JP H08238538 A JPH08238538 A JP H08238538A JP 7043296 A JP7043296 A JP 7043296A JP 4329695 A JP4329695 A JP 4329695A JP H08238538 A JPH08238538 A JP H08238538A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- casting
- core
- pin
- shaped core
- intermetallic compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Mold Materials And Core Materials (AREA)
- Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 中空のピストンピン素材をTiAl系金属間
化合物組成の溶湯を用いて鋳造する場合に採用されて、
正常なピストンピン素材を得ることが可能なピン状中子
を提供する。 【構成】 ピン状中子8はFe系合金材料より構成さ
れ、且つピストンピン素材の体積に対する体積率RをR
≧17%に設定される。Fe系合金材料は、溶融Tiと
の反応性が低く、また体積率Rを前記のように設定する
のでピン状中子8は十分な熱容量を持つ。これにより、
鋳造中におけるピン状中子8の溶融を防止することが可
能である。
化合物組成の溶湯を用いて鋳造する場合に採用されて、
正常なピストンピン素材を得ることが可能なピン状中子
を提供する。 【構成】 ピン状中子8はFe系合金材料より構成さ
れ、且つピストンピン素材の体積に対する体積率RをR
≧17%に設定される。Fe系合金材料は、溶融Tiと
の反応性が低く、また体積率Rを前記のように設定する
のでピン状中子8は十分な熱容量を持つ。これにより、
鋳造中におけるピン状中子8の溶融を防止することが可
能である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Ti若しくはTi合金
またはTiAl系金属間化合物よりなる中空鋳物の鋳造
に用いられる中子に関する。
またはTiAl系金属間化合物よりなる中空鋳物の鋳造
に用いられる中子に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融Tiは化学的に高活性であるため、
従来、中子の構成材料としては、溶融Tiとの反応性の
低いセラミック材料、例えばカルシア、イットリア、カ
ルシア部分安定化ジルコニア等が用いられている(例え
ば、特開平6−583号公報参照)。
従来、中子の構成材料としては、溶融Tiとの反応性の
低いセラミック材料、例えばカルシア、イットリア、カ
ルシア部分安定化ジルコニア等が用いられている(例え
ば、特開平6−583号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記セラ
ミック材料は高価であり、また中子製造に当ってはバイ
ンダとの混練、成形、脱脂、焼成、必要に応じて機械加
工等の諸工程を必要とすることから製造工数が多く、そ
の結果、中子の製造コストが高い、という問題がある。
ミック材料は高価であり、また中子製造に当ってはバイ
ンダとの混練、成形、脱脂、焼成、必要に応じて機械加
工等の諸工程を必要とすることから製造工数が多く、そ
の結果、中子の製造コストが高い、という問題がある。
【0004】一方、中空鋳物からの中子除去に当り、サ
ンドブラスト処理が適用されているがその中子を十分に
除去することが難しく、またドリル加工も試みられてい
るがセラミック粉が飛散するため衛生上好ましくない。
そこで、中実鋳物に穿孔加工を施すことも考えられる
が、TiAl系金属間化合物を構成材料とした場合には
その機械加工性が極めて悪いため多大な作業時間を必要
とする。
ンドブラスト処理が適用されているがその中子を十分に
除去することが難しく、またドリル加工も試みられてい
るがセラミック粉が飛散するため衛生上好ましくない。
そこで、中実鋳物に穿孔加工を施すことも考えられる
が、TiAl系金属間化合物を構成材料とした場合には
その機械加工性が極めて悪いため多大な作業時間を必要
とする。
【0005】本発明は前記に鑑み、溶融Tiとの反応性
が低く、また材料費が安く、その上、製造が簡単で、ま
た中空鋳物からの除去が容易な前記中子を提供すること
を目的とする。
が低く、また材料費が安く、その上、製造が簡単で、ま
た中空鋳物からの除去が容易な前記中子を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はTi若しくはT
i合金またはTiAl系金属間化合物よりなる中空鋳物
の鋳造に用いられる中子であって、Fe系合金材料より
構成され、且つ前記中空鋳物の体積に対する体積率Rが
R≧17%であることを特徴とする。
i合金またはTiAl系金属間化合物よりなる中空鋳物
の鋳造に用いられる中子であって、Fe系合金材料より
構成され、且つ前記中空鋳物の体積に対する体積率Rが
R≧17%であることを特徴とする。
【0007】
【作用】中子をFe系合金材料より構成し、またその体
積率RをR≧17%に設定すると、溶融Tiに対するF
e系合金材料の反応性が低く、また中子が十分な熱容量
を持つことから、鋳造中において中子外周域が溶融しな
いか、または溶融しても、その溶融量は僅少となる。
積率RをR≧17%に設定すると、溶融Tiに対するF
e系合金材料の反応性が低く、また中子が十分な熱容量
を持つことから、鋳造中において中子外周域が溶融しな
いか、または溶融しても、その溶融量は僅少となる。
【0008】中子の除去は、それがFe系合金材料より
構成されていることからドリル加工等の機械加工により
行われ、その際、前記溶融に伴う中空鋳物への溶込み域
は加工代の範囲内にあるから容易に除去される。
構成されていることからドリル加工等の機械加工により
行われ、その際、前記溶融に伴う中空鋳物への溶込み域
は加工代の範囲内にあるから容易に除去される。
【0009】ただし、中子の体積率RがR<17%で
は、その熱容量が不十分となるため鋳造中において中子
外周域の溶融量が多くなり、その結果、中空鋳物への溶
込み域が加工代の範囲を超える。
は、その熱容量が不十分となるため鋳造中において中子
外周域の溶融量が多くなり、その結果、中空鋳物への溶
込み域が加工代の範囲を超える。
【0010】
【実施例】図1において、中空鋳物としての内燃機関用
ピストンピン素材1は、TiAl系金属間化合物組成の
溶湯を用いて遠心鋳造されたもので、軸方向に延び、且
つ全長に亘り等径の貫通孔2を有する。
ピストンピン素材1は、TiAl系金属間化合物組成の
溶湯を用いて遠心鋳造されたもので、軸方向に延び、且
つ全長に亘り等径の貫通孔2を有する。
【0011】図2〜8は、ピストンピン素材1を鋳造す
るために用いられる立型遠心鋳造装置3を示す。その装
置3は、図2,3に明示するように、上、下方向に延び
る回転軸4と、回転軸4の上端部に固定された円形の鋳
型支持台5と、鋳型支持台5上に載置されて、複数のボ
ルト61 およびナット62 により鋳型支持台5に取付け
られた円形の遠心鋳造用鋳型Mとより構成される。
るために用いられる立型遠心鋳造装置3を示す。その装
置3は、図2,3に明示するように、上、下方向に延び
る回転軸4と、回転軸4の上端部に固定された円形の鋳
型支持台5と、鋳型支持台5上に載置されて、複数のボ
ルト61 およびナット62 により鋳型支持台5に取付け
られた円形の遠心鋳造用鋳型Mとより構成される。
【0012】鋳型Mは、鋳型支持台5に取付けられて回
転可能な鋳型本体7と、その鋳型本体7に支持される複
数の貫通孔成形用ピン状中子8とを備えている。各ピン
状中子8は全長に亘り等径である。
転可能な鋳型本体7と、その鋳型本体7に支持される複
数の貫通孔成形用ピン状中子8とを備えている。各ピン
状中子8は全長に亘り等径である。
【0013】鋳型本体7は、その回転中心線a回りに形
成されて鋳型本体7の上面に開口する湯口9と、同様に
前記回転中心線a回りに形成されて湯口9下部に連なる
円筒形ランナ10と、その円筒形ランナ10の外周にお
いて、各中心線bが、回転中心線aに対して垂直な1つ
の仮想回転面c上に位置するように配設され、且つピス
トンピン1の外形に合致する複数の円筒孔11と、ラン
ナ10に近い側に存する各円筒孔11の端部dおよびラ
ンナ10間を連通する複数のゲート12とを有する。
成されて鋳型本体7の上面に開口する湯口9と、同様に
前記回転中心線a回りに形成されて湯口9下部に連なる
円筒形ランナ10と、その円筒形ランナ10の外周にお
いて、各中心線bが、回転中心線aに対して垂直な1つ
の仮想回転面c上に位置するように配設され、且つピス
トンピン1の外形に合致する複数の円筒孔11と、ラン
ナ10に近い側に存する各円筒孔11の端部dおよびラ
ンナ10間を連通する複数のゲート12とを有する。
【0014】図2〜4に明示するように、ランナ10、
各円筒孔11および各ゲート12の両半部10a,11
a,12aはそれぞれ鋳型本体7を構成する銅製上、下
金型部13,14の合せ面15,16に開口するように
形成され、したがって仮想回転面cは両合せ面15,1
6間に在る。
各円筒孔11および各ゲート12の両半部10a,11
a,12aはそれぞれ鋳型本体7を構成する銅製上、下
金型部13,14の合せ面15,16に開口するように
形成され、したがって仮想回転面cは両合せ面15,1
6間に在る。
【0015】図3に明示するように各円筒孔11とそれ
に対応するゲート12とは屈折関係にあって、各円筒孔
11は、その延長中心線b1 が各ゲート12内を通って
ゲート内周壁eに突当るようにランナ10に関して巴状
に配列される。ランナ10から遠い側に存する各円筒孔
11の内端壁fと各ゲート内周壁eに、各円筒孔11の
延長中心線b1 と同軸の一対の盲状孔中子受17,18
が設けられる。図2〜5に明示するように、各中子受1
7,18の両半部17a,18aはそれぞれ上、下金型
部13,14の合せ面15,16に開口するように形成
されている。
に対応するゲート12とは屈折関係にあって、各円筒孔
11は、その延長中心線b1 が各ゲート12内を通って
ゲート内周壁eに突当るようにランナ10に関して巴状
に配列される。ランナ10から遠い側に存する各円筒孔
11の内端壁fと各ゲート内周壁eに、各円筒孔11の
延長中心線b1 と同軸の一対の盲状孔中子受17,18
が設けられる。図2〜5に明示するように、各中子受1
7,18の両半部17a,18aはそれぞれ上、下金型
部13,14の合せ面15,16に開口するように形成
されている。
【0016】図8において、各ピン状中子8はFe系合
金材料より構成されたもので、主体をなす孔成形部8a
と、孔成形部8aの両側に存する幅木部8bとよりな
る。また各ピン状中子8は、ピストンピン素材1の体積
に対する体積率RをR≧17%に設定されている。
金材料より構成されたもので、主体をなす孔成形部8a
と、孔成形部8aの両側に存する幅木部8bとよりな
る。また各ピン状中子8は、ピストンピン素材1の体積
に対する体積率RをR≧17%に設定されている。
【0017】Fe系合金材料としては、例えば表1に示
す組成を有するものが用いられている。表1において例
1,2は一般構造用圧延鋼材であり、また例3,4はみ
がき棒鋼用一般鋼材またはみがき棒鋼であり、さらに例
5はクロムモリブデン鋼鋼材であり、さらにまた例6は
ステンレス鋼棒である。
す組成を有するものが用いられている。表1において例
1,2は一般構造用圧延鋼材であり、また例3,4はみ
がき棒鋼用一般鋼材またはみがき棒鋼であり、さらに例
5はクロムモリブデン鋼鋼材であり、さらにまた例6は
ステンレス鋼棒である。
【0018】
【表1】
【0019】ピン状中子8の体積率Rは、ピストンピン
素材1の体積をV1 とし、またピン状中子8の体積をV
2 とすると、R=(V2 /V1 )×100(%)として
表わされる。
素材1の体積をV1 とし、またピン状中子8の体積をV
2 とすると、R=(V2 /V1 )×100(%)として
表わされる。
【0020】ピン状中子8を前記のようなFe系合金材
料より構成し、またその体積率RをR≧17%に設定す
ると、溶融Tiに対するFe系合金材料の反応性が低
く、またピン状中子8が十分な熱容量を持つことから、
鋳造中において孔成形部8aの外周域が溶融しないか、
または溶融しても、その溶融量は僅少となる。
料より構成し、またその体積率RをR≧17%に設定す
ると、溶融Tiに対するFe系合金材料の反応性が低
く、またピン状中子8が十分な熱容量を持つことから、
鋳造中において孔成形部8aの外周域が溶融しないか、
または溶融しても、その溶融量は僅少となる。
【0021】ピン状中子8の除去は、それがFe系合金
材料より構成されていることからドリル加工により行わ
れ、その際、前記溶融に伴うピストンピン素材1への溶
込み域は加工代の範囲内にあるから容易に除去される。
材料より構成されていることからドリル加工により行わ
れ、その際、前記溶融に伴うピストンピン素材1への溶
込み域は加工代の範囲内にあるから容易に除去される。
【0022】前記Fe系合金材料は、セラミック材料に
比べて安価であり、また機械加工性も良好であるからピ
ン状中子8の製造も簡単である。
比べて安価であり、また機械加工性も良好であるからピ
ン状中子8の製造も簡単である。
【0023】各ピン状中子8の両幅木部8bは、図6,
7に明示するように、両中子受17,18にそれぞれ嵌
着され、これにより各孔成形部8aが各円筒孔11内
に、それと同軸配置される。各孔成形部8aと各円筒孔
11との協働でピストンピン素材成形用キャビティCa
が形成される。
7に明示するように、両中子受17,18にそれぞれ嵌
着され、これにより各孔成形部8aが各円筒孔11内
に、それと同軸配置される。各孔成形部8aと各円筒孔
11との協働でピストンピン素材成形用キャビティCa
が形成される。
【0024】以下、ピストンピン素材1の遠心鋳造法に
ついて具体的に説明する。
ついて具体的に説明する。
【0025】ピストンピン素材1において、その外径は
25mmに、長さは70mmにそれぞれ設定され、鋳型本体
7の円筒孔11の個数は12個に設定された。各ピン状
中子8は、表1の例1、この場合はJIS SS330
より構成され、その直径は10mmに、長さは90mmに、
孔成形部8aの長さは70mmに、幅木部8bの長さは片
側で10mm、合計20mmにそれぞれ設定された。
25mmに、長さは70mmにそれぞれ設定され、鋳型本体
7の円筒孔11の個数は12個に設定された。各ピン状
中子8は、表1の例1、この場合はJIS SS330
より構成され、その直径は10mmに、長さは90mmに、
孔成形部8aの長さは70mmに、幅木部8bの長さは片
側で10mm、合計20mmにそれぞれ設定された。
【0026】先ず、Al含有量が48原子%であり、且
つ残部がTiおよび不可避不純物よりなるTiAl系金
属間化合物組成の溶湯を、真空チャンバ内で水冷銅るつ
ぼを用いて誘導溶解を行うことにより調製した。
つ残部がTiおよび不可避不純物よりなるTiAl系金
属間化合物組成の溶湯を、真空チャンバ内で水冷銅るつ
ぼを用いて誘導溶解を行うことにより調製した。
【0027】次いで、同様に真空チャンバ内に収容され
た鋳型Mを、図3において反時計方向に400〜500
rpm で回転させながら、湯口9から約1600℃の前記
溶湯を鋳型M内に注入し、そのまま鋳型Mを4分間回転
させて、図9に示すように12個のピストンピン素材1
の例1を鋳造した。この場合、鋳型Mの前記回転数に起
因して各キャビティCa内の溶湯には遠心力Gが作用
し、その遠心力Gは30〜40である。鋳型Mの回転停
止後、例1を真空チャンバ内で30分間冷却し、その後
真空チャンバを大気に開放して例1を離型した。
た鋳型Mを、図3において反時計方向に400〜500
rpm で回転させながら、湯口9から約1600℃の前記
溶湯を鋳型M内に注入し、そのまま鋳型Mを4分間回転
させて、図9に示すように12個のピストンピン素材1
の例1を鋳造した。この場合、鋳型Mの前記回転数に起
因して各キャビティCa内の溶湯には遠心力Gが作用
し、その遠心力Gは30〜40である。鋳型Mの回転停
止後、例1を真空チャンバ内で30分間冷却し、その後
真空チャンバを大気に開放して例1を離型した。
【0028】ピン状中子8として、その直径を変えて体
積を変化させたものを用いた、ということ以外は前記と
同様の方法でピストンピン素材1の例2〜4を鋳造し
た。
積を変化させたものを用いた、ということ以外は前記と
同様の方法でピストンピン素材1の例2〜4を鋳造し
た。
【0029】そして各例1〜4について、ピン状中子8
の体積率Rと、その孔成形部8aにおける外周域の状態
との関係を調べたところ、表2の結果を得た。
の体積率Rと、その孔成形部8aにおける外周域の状態
との関係を調べたところ、表2の結果を得た。
【0030】
【表2】
【0031】表2から明らかなように、例1の場合は孔
成形部8aの外周域における溶融が無く、また中子除去
のためのドリル加工性も良好であって合格品である。例
2,3の場合は、孔成形部8aの外周域における溶融量
が僅少であって、ピストンピン素材1への溶込み域がド
リル加工による加工代の範囲内にあるので問題は無く、
また前記ドリル加工性も良好であってこれも合格品であ
る。
成形部8aの外周域における溶融が無く、また中子除去
のためのドリル加工性も良好であって合格品である。例
2,3の場合は、孔成形部8aの外周域における溶融量
が僅少であって、ピストンピン素材1への溶込み域がド
リル加工による加工代の範囲内にあるので問題は無く、
また前記ドリル加工性も良好であってこれも合格品であ
る。
【0032】例4の場合は前記溶込み域が前記加工代の
範囲を超えるので不合格品である。
範囲を超えるので不合格品である。
【0033】以上の結果から、正常なピストンピン素材
1を得るためには、ピン状中子8の体積率RをR≧17
%に設定することが必要である、と言える。
1を得るためには、ピン状中子8の体積率RをR≧17
%に設定することが必要である、と言える。
【0034】次に、ピン状中子8として、直径が8mmに
設定され、且つ幅木部8bの長さ(両側のものの合計
値)を変えて体積を変化させたものを用いたということ
以外は前記と同様の方法でピストンピン素材1の例5〜
8を鋳造した。
設定され、且つ幅木部8bの長さ(両側のものの合計
値)を変えて体積を変化させたものを用いたということ
以外は前記と同様の方法でピストンピン素材1の例5〜
8を鋳造した。
【0035】そして各例5〜8について、ピン状中子8
の体積率Rと、孔成形部8aにおける外周域の状態との
関係を調べたところ、表3の結果を得た。表3には、表
2の例4も挙げられている。
の体積率Rと、孔成形部8aにおける外周域の状態との
関係を調べたところ、表3の結果を得た。表3には、表
2の例4も挙げられている。
【0036】
【表3】
【0037】表3から明らかなように、例5の場合は孔
成形部8aの外周域における溶融が無く、また中子除去
のためのドリル加工性も良好であって合格品である。例
6の場合は、孔成形部8aの外周域における溶融量が僅
少であって、ピストンピン素材1への溶込み域がドリル
加工による加工代の範囲内にあるので問題は無く、また
前記ドリル加工性も良好であってこれも合格品である。
成形部8aの外周域における溶融が無く、また中子除去
のためのドリル加工性も良好であって合格品である。例
6の場合は、孔成形部8aの外周域における溶融量が僅
少であって、ピストンピン素材1への溶込み域がドリル
加工による加工代の範囲内にあるので問題は無く、また
前記ドリル加工性も良好であってこれも合格品である。
【0038】例7,8の場合は、例4と同様に前記溶込
み域が前記加工代の範囲を超えるので不合格品である。
み域が前記加工代の範囲を超えるので不合格品である。
【0039】以上の結果から、正常なピストンピン素材
1を得るためには、ピン状中子8の体積率Rを、前記同
様にR≧17%に設定することが必要である、と言え
る。
1を得るためには、ピン状中子8の体積率Rを、前記同
様にR≧17%に設定することが必要である、と言え
る。
【0040】次に、ピン状中子8を構成するFe系合金
材料を変え、またその直径を10mmに、長さを90mm
に、孔成形部8aの長さを70mmに、幅木部8bの長さ
(両側のものの合計値)を20mmにそれぞれ設定したと
いうこと以外は前記と同様の方法でピストンピン素材1
の例9〜14を鋳造した。この場合、ピン状中子8の体
積率Rは、例1と同様にR=24.7%である。
材料を変え、またその直径を10mmに、長さを90mm
に、孔成形部8aの長さを70mmに、幅木部8bの長さ
(両側のものの合計値)を20mmにそれぞれ設定したと
いうこと以外は前記と同様の方法でピストンピン素材1
の例9〜14を鋳造した。この場合、ピン状中子8の体
積率Rは、例1と同様にR=24.7%である。
【0041】そして、各例9〜14について、孔成形部
8aにおける外周域の状態と中子除去のためのドリル加
工性を調べたところ、表4の結果を得た。
8aにおける外周域の状態と中子除去のためのドリル加
工性を調べたところ、表4の結果を得た。
【0042】
【表4】
【0043】表4から明らかなように、Fe系合金材料
よりなるピン状中子8を用いると、例9〜13のように
正常なピストンピン素材1を得ることが可能である。例
14のようにピン状中子8を純銅(JIS C1100
BE)より構成すると正常なピストンピン素材1を得る
ことができない。
よりなるピン状中子8を用いると、例9〜13のように
正常なピストンピン素材1を得ることが可能である。例
14のようにピン状中子8を純銅(JIS C1100
BE)より構成すると正常なピストンピン素材1を得る
ことができない。
【0044】なお、本発明はTiまたはTi合金組成の
溶湯を用いる場合にも適用される。
溶湯を用いる場合にも適用される。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、前記のような特定構造
を具備させることにより、溶融Tiとの反応性が低く、
また材料費が安く、その上製造が簡単で、また中空鋳物
からの除去が容易な中子を提供することができる。
を具備させることにより、溶融Tiとの反応性が低く、
また材料費が安く、その上製造が簡単で、また中空鋳物
からの除去が容易な中子を提供することができる。
【図1】ピストンピン素材の斜視図である。
【図2】ピン状中子が設置されていない遠心鋳造装置の
要部断面図で、図3の2−2線断面図に相当する。
要部断面図で、図3の2−2線断面図に相当する。
【図3】下金型部の平面図で、図2の3−3矢視図に相
当する。
当する。
【図4】図3の4−4線断面図である。
【図5】図3の5−5線断面図である。
【図6】遠心鋳造装置の要部断面図で、図7の6−6線
断面図に相当する。
断面図に相当する。
【図7】下金型部の平面図で、図6の7−7矢視図に相
当する。
当する。
【図8】ピン状中子の斜視図である。
【図9】鋳造後の下金型部の平面図である。
1 ピストンピン素材(中空鋳物) 8 ピン状中子 M 鋳型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B22D 21/06 B22D 21/06 (72)発明者 徳根 敏生 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 鹿屋 出 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 Ti若しくはTi合金またはTiAl系
金属間化合物よりなる中空鋳物の鋳造に用いられる中子
であって、Fe系合金材料より構成され、且つ前記中空
鋳物(1)の体積に対する体積率RがR≧17%である
ことを特徴とする、Ti若しくはTi合金またはTiA
l系金属間化合物中空鋳物鋳造用中子。 - 【請求項2】 前記Fe系合金材料は、一般構造用圧延
鋼材、みがき棒鋼用一般鋼材、みがき棒鋼、クロムモリ
ブデン鋼鋼材またはステンレス鋼棒から選択される一種
である、請求項1記載のTi若しくはTi合金またはT
iAl系金属間化合物中空鋳物鋳造用中子。 - 【請求項3】 遠心鋳造用鋳型(M)の構成要素であ
る、請求項1または2記載のTi若しくはTi合金また
はTiAl系金属間化合物中空鋳物鋳造用中子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7043296A JPH08238538A (ja) | 1995-03-02 | 1995-03-02 | Ti若しくはTi合金またはTiAl系金属間化合物中空鋳物鋳造用中子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7043296A JPH08238538A (ja) | 1995-03-02 | 1995-03-02 | Ti若しくはTi合金またはTiAl系金属間化合物中空鋳物鋳造用中子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08238538A true JPH08238538A (ja) | 1996-09-17 |
Family
ID=12659832
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7043296A Pending JPH08238538A (ja) | 1995-03-02 | 1995-03-02 | Ti若しくはTi合金またはTiAl系金属間化合物中空鋳物鋳造用中子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08238538A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010284672A (ja) * | 2009-06-10 | 2010-12-24 | Olympus Corp | 中子、鋳型、鋳造装置、及び鋳物の製造方法 |
JP2011183420A (ja) * | 2010-03-07 | 2011-09-22 | Fujino Gijutsu Consultant:Kk | 竪型鋳造装置及び竪型鋳造方法 |
-
1995
- 1995-03-02 JP JP7043296A patent/JPH08238538A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010284672A (ja) * | 2009-06-10 | 2010-12-24 | Olympus Corp | 中子、鋳型、鋳造装置、及び鋳物の製造方法 |
JP2011183420A (ja) * | 2010-03-07 | 2011-09-22 | Fujino Gijutsu Consultant:Kk | 竪型鋳造装置及び竪型鋳造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5119865A (en) | Cu-alloy mold for use in centrifugal casting of ti or ti alloy and centrifugal-casting method using the mold | |
JPH09509101A (ja) | 反応性メルトの永久金型鋳造 | |
US3610320A (en) | Unit for manufacturing hollow metal ingots | |
RU93054777A (ru) | Способ получения реоотлитых слитков, предназначенных для изготовления и обладающих высокими механическими характеристиками отливок литьем под давлением | |
JPH08238538A (ja) | Ti若しくはTi合金またはTiAl系金属間化合物中空鋳物鋳造用中子 | |
KR100415367B1 (ko) | 복합롤 | |
JPH08238552A (ja) | 非真円形横断面を有する筒状鋳物の横型遠心鋳造法 | |
JPH0857619A (ja) | 遠心鋳造用鋳型 | |
JPH08238555A (ja) | 多数個取り用鋳型 | |
Hack | The filtration of steel castings | |
JP3712338B2 (ja) | 球状黒鉛鋳鉄の製造方法 | |
SU806241A1 (ru) | Способ центробежного лить биме-ТАлличЕСКиХ зАгОТОВОК | |
Mohammed et al. | Performance evaluation of metal mould for casting aluminium alloy (AA6063) of scientific products in national agency for science and engineering infrastructure | |
SU801978A1 (ru) | Способ получени отливок из черныхСплАВОВ | |
SU1740124A1 (ru) | Способ непрерывного лить заготовок | |
Ujiie | The Effects of Various Processing Parameters on the Shaping of Cast Metal in the Yozo Process | |
JPH0518743U (ja) | 遮蔽筒付き連続鋳造用浸漬ノズル | |
SU624438A1 (ru) | Способ получени коленчатых валов | |
Heetfield | Nickel Base Alloy Glass Shaping Member | |
Tardif et al. | New filtering method for casting inclusion-free tensile and creep test specimens of magnesium alloys | |
JP2604028B2 (ja) | タイヤモールド骨部の製造方法 | |
Magnus et al. | Foundry Technology for Aluminium-Rich Zinc Alloys | |
Sidorov | Vacuum Refining of Nickel-Base Alloy | |
JP3129898B2 (ja) | 複合ロールの鋳造方法 | |
Dibrov | Developments in the field of melting pouring, inoculation and refining of cast alloys |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071117 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081117 Year of fee payment: 8 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |