JP2011183420A - 竪型鋳造装置及び竪型鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 酸化膜の混入のない溶湯を、高速で金型キャビテイに充填し、閉塞されたキャビテイ内の溶湯を有効に加圧して、ひけ巣の発生がなく、かつ、ガスの巻き込みのない鋳造品を簡便に鋳造することのできる、作業効率がよく、生産性もよく、メンテナンスの容易な、小型で設備費の安い竪型鋳造装置を提供すること。
【解決手段】 金型キャビテイ20の一部又は全部を形成することができる上金型5及び下金型4を備えた竪型鋳造装置であって、上金型5には、下方に向かって漸次縮径するテーパー形状部7を上部に有する溶湯流入通路18が形成され、上金型5及び下金型4は回転自在に設置されると共に、上金型5及び下金型4を回転するための駆動源9が設けられている竪型鋳造装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、アルミニューム合金等の鋳造品を鋳造することができる竪型鋳造装置及びかかる装置を用いた竪型鋳造方法に関し、より詳しくは、金型を回転させながら遠心力を利用して金型キャビテイ内へ溶湯を上方から充填する竪型鋳造装置及びかかる装置を用いた竪型鋳造方法に関する。
軽合金製品等の鋳造品、特に強度が必要とされる部品を安いコストで鋳造する場合、溶湯鋳込み時における酸化膜の混入、ガスの巻き込みを防止するために、竪型の重力鋳造機が使用されている。そして、かかる竪型の重力鋳造機においては、例えば、金型を傾けて、端部から溶湯を注湯し、注湯完了後、正常な位置に引き起こす傾転鋳造機が既に知られており、多用されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
しかしながら、重力鋳造法における押湯高さの圧力だけでは、鋳込み速度は遅く、圧力も低いので、溶湯の凝固時に発生するひけ巣の発生防止や薄肉製品に対し十分に対応しうるものではなく、また、押湯も大きく余分な溶湯を必要としていた。また、この方式では、厚肉で押湯も大きいので、鋳造時において発生する凝固熱の熱量は大きく、その放散は金型表面からの熱輻射及び空冷のみであることから、金型の冷却速度は遅く、鋳造のサイクルタイムが長く、生産性を上げることが困難であった。
特開平5−318090号公報 特開2002−120060号公報
竪型鋳造装置による鋳造において、高品質の鋳造品、特に薄肉で大型の鋳造品を鋳造するためには、溶湯を冷却しない短時間の間に高速で金型キャビテイに溶湯を充填する必要がある。また、鋳造品の不良欠陥の原因となる酸化膜の混入や、ガスの巻き込みを防止し、凝固収縮によって発生するひけ巣を防止するためには、溶湯を十分に充填すると共に、凝固収縮体積に対して十分量の溶湯を有効に加圧して補充する必要があるが、余分な容量の溶湯の使用を少なくすることも重要である。さらには、その際、稼動運転中のトラブルを少なくするために、実用上、キャビテイの構造や、鋳造装置全体の構造を簡単にする必要がある。そして作業効率やメンテナンスの容易さも非常に重要な要素である。
本発明の課題は、酸化膜の混入のない溶湯を、高速で金型キャビテイに充填し、閉塞されたキャビテイ内の溶湯を有効に加圧して、ひけ巣の発生がなく、かつ、ガスの巻き込みのない鋳造品を簡便に鋳造することのできる、作業効率がよく、生産性もよく、メンテナンスの容易な、小型で設備費の安い竪型鋳造装置、及びかかる竪型鋳造装置を用いた竪型鋳造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、装置に搭載した金型を回転し、発生する遠心力による高い圧力を利用して、金型キャビテイ内に溶湯を充填し、凝固収縮体積を補充することにより、高速で短時間に充填及び体積補充を行うことができ、作業効率が向上すると共に、酸化膜の混入やガスの巻き込みを防止することができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(1)金型キャビテイの一部又は全部を形成することができる上金型及び下金型を備えた竪型鋳造装置であって、前記上金型には、下方に向かって漸次縮径するテーパー形状部を上部に有する溶湯流入通路が形成され、前記上金型及び下金型は回転自在に設置されると共に、該上金型及び下金型を回転するための駆動源が設けられていることを特徴とする竪型鋳造装置や、(2)下金型が、下部に配置された固定盤に軸受を介して取り付けられた回転テーブルに搭載されると共に、上金型が、上部に配置された可動盤に軸受けを介して取り付けられていることを特徴とする上記(1)記載の竪型鋳造装置や、(3)上金型及び下金型のすり合わせ面にガス隙間が設けられ、該ガス隙間に連通するガス排出口が上金型及び/又は下金型の外周に設けられていることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の竪型鋳造装置や、(4)回転テーブル及び/又は上金型の上金型ホルダーに、内周側から外周側に連通する通風用通路が設けられていることを特徴とする上記(2)又は(3)記載の竪型鋳造装置や、(5)上記(1)〜(4)のいずれか記載の竪型鋳造装置を用いる鋳造方法であって、上金型及び下金型を回転させながら、1回の鋳込みに必要な溶湯を溶湯流入通路に投入し、金型キャビテイに充填することを特徴とする竪型鋳造方法に関する。
本発明によれば、ひけ巣の発生がなく、かつ、ガスの巻き込みのない鋳造品を簡便に鋳造することのできる、作業効率がよく、生産性もよく、メンテナンスの容易な、小型で設備費の安い竪型鋳造装置、及びかかる竪型鋳造装置を用いた竪型鋳造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る竪型鋳造装置の説明図であり、(A)は概略平面図であり、(B)は概略縦断面図である。 図1に示す竪型鋳造装置における溶湯の注湯状態を示す図である。 図1に示す竪型鋳造装置における溶湯の注湯終了状態を示す図である。 図1に示す竪型鋳造装置における溶湯の凝固収縮時の補充充填の状態を示す図である。 図1に示す竪型鋳造装置における溶湯の充填完了時点の状態を示す図である。 本発明の装置をアルミホイール用に応用した竪型鋳造装置の説明図であり、(A)は概略平面図であり、(B)は概略縦断面図である。 図6に示す装置の溶湯充填完了時点の状態を示す図である。 本発明の装置を複数個の小物部品を同時に鋳造する場合に応用した竪型鋳造装置の概略平面図である。 本発明の装置をサスペンションフレーム用に応用した竪型鋳造装置の概略平面図である。 図8及び図9に示す装置の溶湯充填完了時点の状態を示す図である。
本発明の竪型鋳造装置としては、金型キャビテイの一部又は全部を形成することができる上金型及び下金型を備えた装置であって、前記上金型には、下方に向かって漸次縮径するテーパー形状部を上部に有する溶湯流入通路が形成され、前記上金型及び下金型は回転自在に設置されると共に、該上金型及び下金型を回転するための駆動源が設けられている装置であれば特に制限されるものではなく、本発明における上金型及び下金型には、便宜上、それぞれ上金型ホルダー及び下金型ホルダーを含む。
本発明の竪型鋳造装置は、作業効率がよく、メンテナンスの容易な設備費の安い竪型鋳造装置であると共に、本発明の竪型鋳造装置を用いると、凝固時にひけ巣の発生がなく、かつ酸化膜の混入やガスの巻き込みのない鋳造品、特に薄肉で大型の鋳造品を好適に鋳造することができる。かかる鋳造品としては特に限定されるものではないが、軽金属合金、特に凝固収縮の大きいアルミニューム合金が好ましい。アルミニュームの鋳造は酸化膜の混入やガスの巻き込みが、強度欠陥の原因を作り、凝固する時に約7%収縮することから、酸化膜の混入やガスの巻き込みを防止し、ひけ巣の発生を防止しうる本発明の鋳造装置や鋳造方法は、アルミニューム合金等の酸化しやすい、凝固収縮が大きい軽合金からなる溶湯から、特に薄肉で大型の鋳造品を鋳造する鋳造品を鋳造する場合に特に有効に適用することができる。
上金型に形成された溶湯流入通路は、下方に向かって漸次縮径するテーパー形状部を上部に有する通路であって、具体的には、漏斗状の溶湯流入通路を例示することができ、テーパー形状部を断熱性の高いセラミックスから製作することが、注湯した溶湯の冷却を抑制できることから好ましい。溶湯の投入に際しては、かかるテーパー形状部の内壁面に沿って投入できるよう給湯ラドルの方向を制御することが好ましい。このように溶湯を溶湯流入通路の内壁面に沿って投入することにより、溶湯は旋回しながらその発生した遠心力によって壁面に密着して流下すると共に、溶湯流入通路の中心部に空隙を形成して溶湯流入通路の下部にある空気を上方に流出させる。これにより、溶湯への酸化膜の混入やガスの巻き込みを防止すると共に、仮に溶湯に少量の酸化膜が混入したとしても、旋回流下中に比重の軽い酸化物は内周部に集まり、金型キャビテイへの流入を防止することができる。
前記上金型及び下金型は回転自在に設置されるが、上金型及び下金型を回転させる構成は、型締め時に上金型及び下金型を同時に垂直軸周りに回転させることができるものであれば特に制限されるものではない。例えば、下金型が、下部に配置された固定盤に軸受を介して取り付けられた回転テーブルに搭載されると共に、上金型が、上部に配置された可動盤に軸受けを介して取り付けられていることが好ましい。そして、下金型の下方に駆動源を設け、これにより回転テーブルを回転させて上金型及び下金型を回転させることが好ましい。なお、型締め時、上金型及び下金型はピン等により連結され、同期回転するようになっている。
また、本発明の竪型鋳造装置は、上金型及び下金型のすり合わせ面にガス隙間が設けられ、該ガス隙間に連通するガス排出口が上金型及び/又は下金型の外周に設けられていることが好ましく、特に、ガス排出口が上金型ホルダーに設けられていることが好ましい。金型キャビテイ内への溶湯充填時、このガス隙間から金型キャビテイ内に存在するするガスを排出することができる。すなわち、金型の回転による遠心力によってファンの効果を発生させ、金型キャビテイ内に残存する空気の排気を行い、金型キャビテイ内における溶湯のガスの巻き込みを防止することができる。
また、本発明の竪型鋳造装置の回転テーブルには、内周側から外周側に連通する通風用通路が設けられていることが好ましい。遠心力によるファン効果によって、外部と連通する内周側の開口からの空気の導入及び外周側の開口からの空気の排出が効果的に行われることにより、熱伝達係数を大きくして熱放散量を増加させ、生産性を高めることができる。すなわち、生産数が増加すると凝固する溶湯の凝固熱が累積して金型の温度を上昇させるところ、従来の方法では金型の放熱は熱輻射と空冷のみによって行われるので不十分で冷却時間が長くなって生産性を高めることはできなかったが、本発明においてはこれを解決することができる。また、回転テーブル同様、上金型ホルダーに通風用通路を設けてもよい。
上記のような構成の本発明の竪型鋳造装置を用いる鋳造するには、上金型及び下金型を回転させながら、1回の鋳込みに必要な溶湯を溶湯流入通路に投入し、金型キャビテイに充填するが、以下、本発明の竪型鋳造装置の作動状態、溶湯の状態等を具体的に説明する。
まず、注湯開始時には比較的遅い速度で金型を回転させ、給湯ラドルを用いて溶湯を溶湯流入通路のテーパー形状部(漏斗)の内壁面に沿って投入する。この際、溶湯が遠心力によって、溶湯が溶湯流入通路の斜面を上昇し外部に流出しないように、金型の回転速度、溶湯投入量、給湯ラドルの位置・投入方向等を制御しながら注湯作業を行う。金型の回転速度としては、100〜250RPM程度であることが好ましく、100〜200RPM程度であることがより好ましい。金型キャビテイに流入した溶湯は、その遠心力によって重力鋳造よりも早い速度で外周に向かって流れ、それによって発生する圧力によって金型キャビテイの高い所まで短時間に充填する。
給湯ラドルからの注湯が完了すると、溶湯流入通路内の湯面の降下に応じて、順次金型の回転速度を上昇させる。その際、給湯ラドルの流出口の方向は溶湯流入通路の中心部に向け、滴下する溶湯が漏斗の大径部の緩やかな勾配部に当たり、遠心力によって上部の外周に飛び出すことを防止する。
落下する湯面の最上部が溶湯流入通路の中ほどの最小径の垂直部に到達すると、溶湯が遠心力で上昇することはないので、金型キャビテイへの完全充填及び凝固収縮体積を補充するため、遠心力がさらに大きくなるように金型の回転数を最高速度に引き上げる。この最高回転速度は鋳造品の形状にもよるが、例えば、250〜500RPMである。
厚肉部の冷却には時間がかかり、その間、凝固収縮に対する補充が必要であるので、その時間内は最高回転数を保持する。これにより、凝固収縮に対し、重力よりも数十倍も大きい圧力で、しかも時間遅れなく補充が行われるので、ひけ巣の発生を防止できる。
そして、鋳造完了後、回転を停止、定位置に停止したことを確認した後、上部の可動プラテンを上昇させて型開きを行い、鋳造品を取り出す。
以上説明した本発明の竪型鋳造装置は、部品数が少なく、構造は小型で簡単であり、運転中のトラブルの発生も少なくなる。運転制御する項目は、注湯速度と回転速度の2つとその時間のみであり、かつその制御は簡単にできる。また、離型剤として重力鋳造法や低圧鋳造法と同じくトノコを使用するので瞬間的断熱性が良く、給湯ラドルから直接注湯された溶湯が大きい遠心力によって金型キャビテイに充填されるので、充填時間は短く、薄肉鋳造が可能になる。さらに、トノコを使用する場合、ダイカスト法やスクイズ法の黒鉛離型剤のように毎回スプレーする必要もなく、作業が簡単になると共に作業環境の汚れも少なく、作業者の健康管理上も有益である。
以下、図面を参照しつつ、本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る竪型鋳造装置の説明図であって、(A)は概略平面図であり、(B)は概略縦断面図である。図2〜図5は、図1に示す竪型鋳造装置の注湯開始時から溶湯充填完了までの状態を示す図である。また、図6は、本発明の装置をアルミホイール用に応用した竪型鋳造装置の説明図であって、(A)は概略平面図であり、(B)は概略縦断面図であり、図7は、図6に示す装置の溶湯充填完了時点の状態を示す図である。さらに、図8は、本発明の装置を複数個の小物部品を同時に鋳造する場合に応用した竪型鋳造装置の概略平面図であり、図9は、本発明の装置をサスペンションフレーム用に応用した竪型鋳造装置の概略平面図であり、図10は、図8及び図9に示す装置の溶湯充填完了時点の状態を示す図である。
図1に示される竪型鋳造装置は、下部に設けられた固定プラテン1及び上部に設けられた可動プラテン2を備え、可動プラテン2を上下に移動させて、型締め、型開きを行う装置である。固定プラテン1には、軸受8を介して回転テーブル3が取り付けられており、固定プラテン1の下部に取付けられた回転用の減速機付きで速度制御可能な電動モーター9等により、回転駆動軸10を介して回転駆動される。この回転テーブル3には、下金型4が搭載されており、回転テーブルの回転により、下金型4も回転する。
他方、可動プラテン2には、軸受13を介して、給湯を受け入れるための漏斗17を上部中心部に有する上金型6が取り付けられている。具体的には、上金型5は上金型ホルダー7に保持され、かかる上金型ホルダー7は軸受リテーナー12及び軸受13を介して上部の可動プラテン2に取付けられている。なお、上金型5は、型締め時、ピン(不図示)などによって下金型4に連結されており、下金型との同期回転を可能としている。
また、金型キャビテイ20の外周端部の下金型4と上金型6の合わせ面には、金型キャビテイ内の空気を排出する小さなガス隙間が設けられており、かかるガス隙間は、上金型6の外周面に設けられたガス排出口21に連通している。さらに、回転テーブル3と上金型ホルダー7の内周側から外周側に向けて通風通路23,24が設けられている。なお、通風通路23に流入する空気は、テーブル回転用の電動モーター9を取り付けた取付フレーム11に設けられた通路22を通じて行われる。
図1に示す竪型鋳造装置を用いて鋳造を行うには、まず、図2に示すように、例えば、酸化膜の混入のない底抜きの給湯ラドル14を少し傾けた状態でストップピン15を引き上げることにより、流出口16から漏斗17に注湯する。溶湯は、漏斗17の内壁面に当たり、回転速度を与えられながら流下する。したがって、遠心力により、溶湯流入通路18の壁面に沿って中心部に空間の空気通路を残しながら流下し、溶湯が、溶湯流入通路18の下部に残存する空気を巻き込むことはない。また、仮に、給湯ラドル14から小さな酸化膜が流入したとしても、酸化膜は溶湯よりも比重が小さいために、回転流下中に、その遠心力によって、中心部に析出され、金型キャビテイ20に流入することはない。他方、溶湯導入時の金型の回転により、ガス隙間からガス排出口21にわたる通路内の空気も遠心力を受け、ファンの効果を発生させて、金型キャビテイ20内の空気の排出に働き、金型キャビテイ20内における溶湯のガス巻き込みを防止する。
また、図3に示すように、注湯が完了し、溶湯湯面19の端の最高部が低下するにしたがって、その外周の半径も小さくなるので、順次回転速度を上昇させ、金型キャビテイ20内での充填圧力を大きくする。なお、この時、給湯ラドルから滴下する溶湯が漏斗17の大径部に落下しないように、給湯ラドル14の流出口16は中心に向ける。
図4に示すように、溶湯湯面19の最高部が溶湯流入通路18の最小径の垂直部分(上金型及び下金型の合わせ面近傍)に到達すると遠心力による上昇力は働くことはないので、溶湯の凝固収縮体積を補充するに必要な圧力を発生させるために金型の回転速度を最高速度に引き上げる。本発明の竪型鋳造装置においては金型が回転するので、キャビテイ内の溶湯はその遠心力によって重力鋳造よりも早い速度で金型キャビテイ20全体を充填する。図5に示すように、この最高回転数をある一定時間維持しながら、溶湯の凝固収縮体積を補充充填し、ひけ巣の発生を防止する。この時の鋳造品の周囲の強度を要する重要部分の遠心力の大きさは重力の10〜50倍程度であり、ひけ巣の発生は大幅に少なくなり、組織は緻密で強度を確保できる。また、一般に、中央の遠心力の小さい部分は強度を必要としない場合が多く、押湯圧力を必要としないので、残された押湯高さは低くてよく、ムダな溶湯を少なくでき、押湯の除去作業の負担を軽減することができる。なお、装置の作動中、金型は回転しているので、遠心力によるファンの効果により、通風通路23,24を空気が外側に向かって連続的に通過し、熱放散量を増加させ、金型温度の上昇を抑え、サイクルタイムを短く、生産性を高めることができる。
図6は、本発明の装置をアルミホイールに応用した場合の竪型鋳造装置の例であり、符号6は横型を示す。かかる横型5は、可動プラテン2が上昇し、型開きが行われている間に、図示していない横型装脱着装置によって型開きを行い、鋳造品を取り出すことができるようになっている。図7は、図6に示す竪型鋳造装置における溶湯充填完了時の状態を示している。本発明によれば、アルミホイールのハブのボルト取り付け部(ハブの中央部)を穴開き状態で鋳込むことが可能になり、押湯をなくし、余分の溶湯量を少なくして、機械加工時の穴あけ作業の短縮ができる。
図8は、本発明の装置を複数個の小物部品25を同時に鋳造する場合に応用した例を示しており、図10に示すように、溶湯充填完了時には、金型中央部には溶湯は残っておらず、押湯リング26及び押湯通路27によって鋳造品に圧力を加える構成となっている。
図9は、本発明の装置をサスペンションフレーム28用に応用した例を示しており、図8に示す装置と同様に、押湯リング26及び押湯通路27が鋳造品に圧力を加えている(図10参照)。
本発明によれば、溶湯を高速で金型キャビテイに充填し、閉塞されたキャビテイ内の溶湯を大きい遠心力で有効に加圧して、ひけ巣の発生がなく、かつ、酸化膜の混入、ガスの巻き込みのない鋳造品を簡便に鋳造することのできる、作業効率が良く、メンテナンスの容易な、設備費の安い竪型鋳造装置、及び該竪型鋳造装置を用いる竪型鋳造方法を提供することができる。
1 固定プラテン
2 可動プラテン
3 回転テーブル
4 下金型
5 横型
6 上金型
7 上金型ホルダー
8 軸受
9 電動モーター
10 駆動軸
11 取付フレーム
12 軸受リテーナー
13 軸受
14 給湯ラドル
15 ストップピン
16 流出口
17 漏斗
18 溶湯流入通路
19 溶湯湯面
20 金型キャビテイ
21 ガス排出口
22 通路
23 通風通路
24 通風通路
25 小物部品
26 押湯リング
27 押湯通路
28 サスペンションフレーム

Claims (5)

  1. 金型キャビテイの一部又は全部を形成することができる上金型及び下金型を備えた竪型鋳造装置であって、
    前記上金型には、下方に向かって漸次縮径するテーパー形状部を上部に有する溶湯流入通路が形成され、
    前記上金型及び下金型は回転自在に設置されると共に、該上金型及び下金型を回転するための駆動源が設けられていることを特徴とする竪型鋳造装置。
  2. 下金型が、下部に配置された固定盤に軸受を介して取り付けられた回転テーブルに搭載されると共に、上金型が、上部に配置された可動盤に軸受けを介して取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の竪型鋳造装置。
  3. 上金型及び下金型のすり合わせ面にガス隙間が設けられ、該ガス隙間に連通するガス排出口が上金型及び/又は下金型の外周に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の竪型鋳造装置。
  4. 回転テーブル及び/又は上金型の上金型ホルダーに、内周側から外周側に連通する通風用通路が設けられていることを特徴とする請求項2又は3記載の竪型鋳造装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の竪型鋳造装置を用いる鋳造方法であって、
    上金型及び下金型を回転させながら、1回の鋳込みに必要な溶湯を溶湯流入通路に投入し、金型キャビテイに充填することを特徴とする竪型鋳造方法。
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