JP2001191159A - 竪型遠心鋳造方法 - Google Patents

竪型遠心鋳造方法

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JP2001191159A
JP2001191159A JP37506299A JP37506299A JP2001191159A JP 2001191159 A JP2001191159 A JP 2001191159A JP 37506299 A JP37506299 A JP 37506299A JP 37506299 A JP37506299 A JP 37506299A JP 2001191159 A JP2001191159 A JP 2001191159A
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mold
cavity
casting
cast
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JP37506299A
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Tsutomu Mochizuki
勉 望月
Yutaka Yagi
豊 八木
Koji Oya
耕二 大矢
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】軸心方向に肉厚の異なる鋳造品を竪型遠心鋳造
方法により鋳造するに際し、厚肉部分の内面に凹みが生
じるのを防止する。また内面部分に引け巣が発生したり
炭化物の偏析が生じたりして内面側の組織が不健全組織
となり、これを削り取ることによって材料歩留りが悪化
し、また内径の小さな鋳造品を得ることが難しくなると
いった問題を解決する。 【解決手段】鋳型16のキャビティ22内部に金属の溶
湯を鋳込んで、溶湯を鋳型16の高速回転による遠心力
にてキャビティ22形状に対応した形状の且つ中心部に
縦向きの空洞部50を有する形状に鋳造成形するに際
し、先ず第一の溶湯を開口36より鋳型16のキャビテ
ィ22内に鋳込み、次いで第一の溶湯の内面部分が凝固
する直前に同材から成る第二の溶湯を追加鋳込みする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は竪型遠心鋳造方法
に関し、特に溶湯を2段階若しくはそれ以上の複数段階
に供給鋳込みすることを特徴とする竪型遠心鋳造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】鋳型を
高速で回転させ、その中に溶湯を注ぐことにより鋳物を
製造する遠心鋳造方法は、溶湯に作用する遠心力により
溶湯と鋳型との密着が良く、これにより冷却速度が増し
て微細な組織が得られ、また健全な外周部組織の得られ
る鋳造方法として広く実施されている。この内、例えば
製品形状が外径φ100〜1000mm,長さ最大で1
000mm程度の大型の鋳造品を製造する場合、竪型遠
心鋳造方法が広く採用されている。
【0003】図4は従来実施されている竪型遠心鋳造方
法の一例を示している。同図において200は回転軸、
202は回転軸200と一体回転する回転テーブルであ
り、その上に枠体204が配設されていて、その枠体2
04の内部に鋳型(金型)206が収容されている。
【0004】鋳型206は上型208と下型210とか
ら成っており、内部に鋳造品成形用のキャビティ212
が形成されている。また上型208には、そのキャビテ
ィ212に連通する溶湯の供給口214が形成されてい
る。
【0005】216は溶湯を収容する容器で、これより
供給管218が下向きに延び出している。供給管218
は耐火材製のもので、図4(B)に示しているように厚
肉をなしている。
【0006】この竪型遠心鋳造方法の場合、鋳型206
を高速回転させつつ供給管218の下端部を供給口21
4内部に挿入し、容器216内の溶湯を、その供給管2
18から供給口214を通じてキャビティ212内部に
供給する。
【0007】而してキャビティ212内に鋳込まれた溶
湯は、遠心力により外周部が鋳型206に押し付けられ
て密着し、キャビティ212に対応した形状に成形され
る。一方中心部は遠心力により空洞部220となる。
【0008】ところで従来の竪型遠心鋳造方法を用いた
鋳造品の鋳造は、1回の溶湯鋳込みだけで鋳造が行われ
る。この場合鋳型206内に注入された溶湯は、鋳型2
06によって外周側から吸熱が行われ、従って外周側か
ら内周側に向って凝固が進行し、内周側の部分が最終的
に凝固する。このためその内周部(内面側)に引け巣が
発生し、その引け巣部分が不健全部となり易い問題があ
った。
【0009】またこの竪型遠心鋳造方法の場合、内面の
押湯効果によって内面に凹み222が生じ易く、特に軸
心方向に肉厚の厚い部分(厚肉部224A)と、相対的
にこれより肉厚の薄い部分(薄肉部224B)とがある
場合に、その厚肉部224Aでの凝固収縮が大きいため
にこれに伴う大きな凹み222を内面に生成し易い問題
があり、更に溶湯の成分によっては低比重の炭化物が遠
心力により内周側に集まって膜状に偏析し、組織が肉厚
方向に不均等となり易いといった問題があった。
【0010】この竪型遠心鋳造方法では、供給口214
から溶湯が外部に飛び散る危険を防ぐべく溶湯の供給量
を一定以下に抑えることから、必然的にその供給口21
4よりも内径の大きな製品しか得ることができず、しか
もその供給口214は、供給管218を回転する鋳型2
06の供給口214内に十分な隙間をもって安全に挿入
できるように十分大きなものとしておかなければなら
ず、このために内径の比較的大きな製品しか成形するこ
とができなかった。
【0011】加えて鋳造品224の内面側に凹み222
が生成し易いことから、鋳造品224の空洞部220を
軸心方向に沿って一定の内径とするために、更には内面
に生じた上記の引け巣や偏析、即ち不健全部を除去して
肉厚方向に均質な組織の製品を得るために、鋳造成形後
において更に内面側を大きく削り取らなければならず、
これにより内径が更に大径化してしまうといった問題が
あった。
【0012】例えば供給口214の内径が30mmであ
るとすると、最終的に中心孔(空洞部)の孔径が80m
mとか90mmの製品しか得られないといった問題があ
った。換言すれば従来の竪型遠心鋳造方法の場合、大き
な内径の製品しか得られないといった問題があった。ま
た内面側を大きく削って除去しなければならないことか
ら、材料歩留りが悪化するといった問題も生じていた。
上記のような引け巣や偏析は、製品の肉厚が厚くなる程
それら引け巣や偏析の厚みも厚くなるため、上記の問題
は一層顕著となる。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の竪型遠心鋳造方
法はこのような課題を解決するために案出されたもので
ある。而して請求項1の鋳造方法は、竪型の鋳型に形成
した供給口を通じて該鋳型のキャビティ内部に金属の溶
湯を鋳込んで、該溶湯を該鋳型の高速回転による遠心力
にて該キャビティ形状に対応した形状の且つ中心部に縦
向きの空洞部を有する形状に鋳造成形する竪型遠心鋳造
方法において、先ず第一の溶湯を前記供給口より前記鋳
型のキャビティ内に鋳込み、次いで該第一の溶湯の前記
空洞部側の内面部分が凝固する直前に該第一の溶湯と同
材から成る第二の溶湯を前記供給口より該内面側に追加
鋳込みし、それら第一及び第二の溶湯の凝固体である前
記鋳造品を得ることを特徴とする。
【0014】請求項2の鋳造方法は、請求項1におい
て、前記第一の溶湯の鋳込み後、前記空洞部側の内面に
凹み生成した後において、前記第二の溶湯の追加鋳込み
を行い、該凹みの形状修正と内径の細径化を行うことを
特徴とする。
【0015】請求項3の鋳造方法は、請求項2におい
て、前記鋳造品が軸心方向において肉厚が不均等なもの
であることを特徴とする。
【0016】請求項4の鋳造方法は、請求項1〜3の何
れかにおいて、前記第一の溶湯よりも少量で前記第二の
溶湯の追加鋳込みを行うことを特徴とする。
【0017】請求項5の鋳造方法は、請求項4におい
て、前記第一の溶湯の鋳込み時の溶湯温度よりも前記第
二の溶湯の鋳込み時の溶湯温度を高くすることを特徴と
する。
【0018】請求項6の鋳造方法は、竪型の鋳型に形成
した供給口を通じて該鋳型のキャビティ内部に金属の溶
湯を鋳込んで、該溶湯を該鋳型の高速回転による遠心力
にて該キャビティ形状に対応した形状の且つ中心部に縦
向きの空洞部を有する形状に鋳造成形する竪型遠心鋳造
方法において、溶湯を前記鋳型に供給する供給管の下端
を前記供給口よりも上方に位置させた上、該供給口には
上端部にフランジ状の溶湯の受部を備えた耐火材製の筒
状ピースをアダプタとして装着し、更に前記鋳型の上面
から起立する形態で前記供給口及び前記供給管を取り囲
むようにして溶湯の飛散防止用カバーを配設し、前記供
給管からの溶湯を前記筒状ピースを通じて前記鋳型のキ
ャビティ内に供給鋳込みすることを特徴とする。
【0019】
【作用及び発明の効果】上記のように本発明は、第一の
溶湯を鋳型のキャビティ内に鋳込んだ後、その第一の溶
湯の内面部分が凝固する直前に、第一の溶湯と同材から
成る第二の溶湯を供給口より内面側に追加鋳込みするも
ので、この竪型遠心鋳造方法の場合、第1回目に鋳込ま
れた第一の溶湯が凝固する過程で内面側に引け巣が生じ
ようとしても、引続く第二の溶湯の追加鋳込みによって
これが抑制される。
【0020】尤も第二の溶湯が凝固する過程で、その内
面側に引け巣が発生することがあるが、第二の溶湯の追
加鋳込みによって鋳造品における空洞部の内径は細径化
しており、従って引け巣が生じる場合があっても、その
引け巣の位置は空洞部内面により近い位置において生ず
る。即ち引け巣の位置を従来の鋳造方法に比べてより内
面側に移行させることができる。
【0021】また第1回目に鋳込まれた第一の溶湯が凝
固する過程でその内面側に炭化物等の偏析が生じようと
した場合であっても、続く第二の溶湯の追加鋳込みによ
って、炭化物の濃化した部分が第二の溶湯と十分に混合
され、従って炭化物等の偏析も抑制される。
【0022】更に第一の溶湯の凝固過程でその内面に凹
みが生成された場合においても、第二の溶湯の追加鋳込
みによって、生成した凹みを形状修正することができ、
尚且つ第二の溶湯の追加鋳込みによって鋳造品の内径を
可及的に細径化することが可能となる。
【0023】従って本発明の鋳造方法によれば、従来得
られなかったような内径の小さな鋳造品を得ることがで
きるようになり、更に内面部分の引け巣や偏析等の不健
全部分を削って除去する場合においても、その削り量を
最小限に抑えることができ、以って内径の小さな製品を
得ることができるようになる。また削り量が少なくて済
むことから、材料歩留りも向上する。尚、本発明におい
て第一の溶湯と第二の溶湯とは同材から成るものであ
り、従ってその内面から外面に到るまで鋳造品の材質は
同材質である。
【0024】本発明においては、第一の溶湯の鋳込み
後、その内面に凹み生成した後において第二の溶湯の追
加鋳込みを行うことが望ましく(請求項2)、これによ
り凹みの形状修正と内径の細径化を効果的に行うことが
できる。
【0025】第一の溶湯の鋳込みにより生じた内面側の
凹みは、鋳造品が軸心方向において肉厚が不均等なもの
である場合においてその厚肉部分に生じ易く(請求項
3)、従って本発明はこのような鋳造品、即ち軸心方向
に肉厚が不均等なものの鋳造に際し適用して特に効果的
である。
【0026】本発明ではまた、第二の溶湯の追加鋳込み
量を、第一の溶湯の鋳込み量よりも少量とすることが望
ましい(請求項4)。このようにすることで、即ち第二
の溶湯を少量だけ追加鋳込みすることで、第一の溶湯の
凝固時に生じた各種欠点を効果的に改善することができ
る。
【0027】この場合において、第二の溶湯の鋳込み時
の溶湯温度は、第一の溶湯の鋳込み時の溶湯温度よりも
高くすることが望ましい(請求項5)。第二の溶湯の鋳
込み量を、第一の溶湯の鋳込み量よりも少なくしたと
き、第二の溶湯は鋳込み後において温度降下が大きくな
る。この意味において第二の溶湯の温度を高くしておく
ことが望ましいのであり、また第二の溶湯の温度を高く
しておくことで保温効果が高くなり、これにより第一の
溶湯の凝固によって生成する引け巣や炭化物等の偏析を
より効果的に抑制できるようになる。
【0028】請求項6の鋳造方法は、溶湯の供給管の下
端を鋳型の供給口よりも上方に位置させるとともに、そ
の供給口には耐火材製の筒状ピースをアダプタとして装
着し、更に鋳型の上面にはその供給口及び供給管を取り
囲むようにして溶湯の飛散防止用カバーを配設し、そし
て供給管からの溶湯をその筒状ピースを通過させて鋳型
のキャビティ内に供給鋳込みするようになしたもので、
この鋳造方法では、供給管を鋳型の供給口内部に挿入す
ることなく溶湯を高速回転する鋳型の内部に供給する点
を特徴としており、これにより鋳型における溶湯供給の
ための開口、即ち溶湯の飛散出口となる開口を可及的に
小さくなし得、これによって内径の小さな鋳造品を鋳造
することが可能となる利点が得られる。
【0029】
【実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に基づい
て詳しく説明する。図1及び図2は、本発明の一実施形
態の竪型遠心鋳造方法の実施装置の概略構成を示したも
ので、図中10は上下向きに配設された回転軸で、12
はその回転軸10と一体回転する回転テーブルである。
回転テーブル12上には枠体14が固設してあり、その
内部に鋳型(金型)16が収容されている。
【0030】鋳型16は上型18と下型20とから成っ
ており、内部に成形用のキャビティ22を有していると
ともに、上型18にはそのキャビティ22に連通する上
下に貫通の供給口24が形成されている。26は溶湯の
容器でこれより供給管28が下向きに延び出しており、
容器26内の溶湯がその供給管28を通じて鋳型16へ
と供給されるようになっている。
【0031】上記供給管28は、その下端が鋳型16に
おける供給口24と同心となる位置において、供給口2
4よりも上方に位置させられている。一方供給口24に
は耐火材から成る筒状ピース30が装着されている。
【0032】この筒状ピース30は、図2に詳しく示し
ているように溶湯受けとなる上端のフランジ部(受部)
32と、その本体としての円筒部34を有しており、そ
の円筒部34が供給口24の内周面に実質的に密着する
状態で上型18に嵌込状に取り付けられている。この筒
状ピース30は、内側に溶湯の通過孔36を形成してい
る。
【0033】鋳型16の上面、詳しくは上型18の上面
には、供給口24及び供給管28の下部を取り囲むよう
にして溶湯飛散防止カバー38が配設されている。この
溶湯飛散防止カバー38は、立上り部40と、その上端
から内向きに延びる水平部42とを有しており、それら
によって筒状ピース30における通過孔36から溶湯が
飛散したとき、これを受けて更に外方への溶湯の飛散を
防止している。この溶湯飛散防止カバー38は、水平部
42の中心部に開口44を有しており、その開口44内
に上記供給管28の下端部が下向きに挿入されている。
【0034】次に上記装置を用いて行う本実施形態の竪
型遠心鋳造方法を以下に詳述する。本実施形態の鋳造方
法では、先ず鋳型16を回転テーブル12及び枠体14
とともに高速で回転させ(例えば回転数680rp
m)、容器26内に収容した第一の溶湯(溶綱)を筒状
ピース30の通過孔36を通じて鋳型16のキャビティ
22内に供給鋳込みする。
【0035】キャビティ22内に供給された第一の溶湯
は、外周部が鋳型16の高速回転による遠心力でキャビ
ティ22に強く押し付けられ、中心部が空洞部となる。
そして第一の溶湯の凝固が外周側から内周側に向って進
行し、その内周側の部分が凝固する直前で、第一の溶湯
と同材から成る第二の溶湯を同じく筒状ピース30の通
過孔36を通じてキャビティ22内に追加供給(追加鋳
込み)する。
【0036】尚第二の溶湯の追加鋳込み量は、第一の溶
湯の鋳込み量よりも少量とし、且つ第二の溶湯の鋳込み
時の溶湯温度を第一の溶湯のそれに対して高くする。例
えば第一の溶湯を100kg鋳込むとすると、第二の溶
湯はその1割程度の10kg程度とし、また第一の溶湯
の鋳込み時の溶湯温度を1500℃とすると、第二の溶
湯の鋳込み時の溶湯温度を例えば1550〜1600℃
程度の温度とする。
【0037】図3はキャビティ22への溶湯の鋳込み後
における状態変化を模式的に表している。先ず図3
(I)は第一の溶湯を鋳込んでいる途中の状態を表して
おり、(II)は更に第一の溶湯を供給してその全部をキ
ャビティ22内に供給し終わった状態を表している。こ
のとき第一の溶湯は鋳型16内面、即ちキャビティ22
内面に接する外周部から凝固し始めている。
【0038】(III)は第一の溶湯の鋳込み後何分か経
過したときの状態を表しており、このとき外周部からの
凝固は(II)よりも更に進んでおり、また空洞部50側
の内面は(II)に比べて更に立ち上がった状態となって
いる。
【0039】(IV)は凝固が更に進んだ状態を示してい
る。尚、図3中イは凝固部分を表しており、またロは未
凝固部分を表している。(IV)に示しているように、凝
固が進むにつれて厚肉部46A(46Bは薄肉部を示し
ている)の内面側に凝固収縮に伴う凹み48が生成す
る。
【0040】ここで(IV)は内面部分が凝固する直前の
状態を表しており、そこで続いてこの鋳造方法では、第
一の溶湯と同材の第二の溶湯をこの段階でキャビティ2
2内に追加鋳込みする。(V)はこのときの状態を表し
ている。尚第二の溶湯の追加鋳込みによって、(IV)の
状態において内面近傍で引け巣が生じようとしていたと
き、その引け巣が解消され、また炭化物等の濃化部分が
第二の溶湯と混合される。
【0041】その後(VI)に示しているように、追加鋳
込みされた第二の溶湯が凝固し、(VI)に示す形状の鋳
造品46が得られる。尚、本例において第二の溶湯の追
加鋳込みは例えば第一の溶湯の鋳込みを行った後約5分
後に行う。
【0042】この鋳造方法によれば、引け巣の位置を従
来の鋳造方法に比べてより内面側に移行させることがで
きる。また第1回目に鋳込まれた第一の溶湯が凝固する
過程でその内面側に炭化物等の偏析が生じようとした場
合であっても、続く第二の溶湯の追加鋳込みによってそ
の炭化物の濃化した部分が第二の溶湯と十分に混合さ
れ、従って炭化物等の偏析も抑制される。
【0043】更に第一の溶湯の凝固過程でその内面に凹
み48が生成された場合においても、第二の溶湯の追加
鋳込みによってその凹み48を形状修正することがで
き、尚且つ第二の溶湯の追加鋳込みによって鋳造品46
の内径を可及的に細径化することが可能となる。
【0044】従ってこの鋳造方法によれば、従来得られ
なかったような内径の小さな鋳造品46を得ることがで
きるようになり、更に内面部分の引け巣や偏析等の不健
全部分を削って除去する場合においてもその削り量を最
小限に抑えることができ、これにより内径の小さな製品
を得ることができるようになる。また削り量が少なくて
済むことから材料歩留りも向上する。
【0045】この鋳造方法では、供給管28を鋳型16
の供給口24内部に挿入することなく、溶湯を高速回転
する鋳型16の内部に供給するようにしており、これに
より鋳型16における開口(通過孔36)、即ち溶湯の
飛散出口となる開口を可及的に小さくなし得、これによ
って内径の小さな鋳造品46を鋳造することが可能とな
る利点が得られる。
【0046】以上本発明の実施の形態を詳述したがこれ
はあくまで一例示である。例えば上記例では軸心方向に
おいて肉厚の異なる鋳造品を鋳造成形するようにしてい
るが、本発明は場合によって軸心方向に肉厚が均等な形
状の鋳造品或いはその他形状の鋳造品を鋳造成形するに
際して適用することも可能であるし、また上記では溶湯
を2回に分けてキャビティ内に鋳込むようにしている
が、場合によって3回若しくはそれ以上の回数に分けて
同材の溶湯をキャビティ内に鋳込むようになすことも可
能であるなど、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更を加えた態様で実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の鋳造方法の実施装置の概
略構成を示す図である。
【図2】図1の実施装置の要部を拡大して示す図であ
る。
【図3】同実施形態の方法による鋳造の際のキャビティ
内での溶湯の変化の状態を模式的に表す図である。
【図4】従来の竪型遠心鋳造方法の一例を示す図であ
る。
【符号の説明】
16 鋳型 22 キャビティ 24 供給口 28 供給管 30 筒状ピース 32 フランジ部(受部) 38 溶湯飛散防止カバー 46 鋳造品 48 凹み 50 空洞部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 竪型の鋳型に形成した供給口を通じて該
    鋳型のキャビティ内部に金属の溶湯を鋳込んで、該溶湯
    を該鋳型の高速回転による遠心力にて該キャビティ形状
    に対応した形状の且つ中心部に縦向きの空洞部を有する
    形状に鋳造成形する竪型遠心鋳造方法において、 先ず第一の溶湯を前記供給口より前記鋳型のキャビティ
    内に鋳込み、次いで該第一の溶湯の前記空洞部側の内面
    部分が凝固する直前に該第一の溶湯と同材から成る第二
    の溶湯を前記供給口より該内面側に追加鋳込みし、それ
    ら第一及び第二の溶湯の凝固体である前記鋳造品を得る
    ことを特徴とする竪型遠心鋳造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記第一の溶湯の鋳
    込み後、前記空洞部側の内面に凹み生成した後におい
    て、前記第二の溶湯の追加鋳込みを行い、該凹みの形状
    修正と内径の細径化を行うことを特徴とする竪型遠心鋳
    造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記鋳造品が軸心方
    向において肉厚が不均等なものであることを特徴とする
    竪型遠心鋳造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかにおいて、前記第
    一の溶湯よりも少量で前記第二の溶湯の追加鋳込みを行
    うことを特徴とする竪型遠心鋳造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記第一の溶湯の鋳
    込み時の溶湯温度よりも前記第二の溶湯の鋳込み時の溶
    湯温度を高くすることを特徴とする竪型遠心鋳造方法。
  6. 【請求項6】 竪型の鋳型に形成した供給口を通じて該
    鋳型のキャビティ内部に金属の溶湯を鋳込んで、該溶湯
    を該鋳型の高速回転による遠心力にて該キャビティ形状
    に対応した形状の且つ中心部に縦向きの空洞部を有する
    形状に鋳造成形する竪型遠心鋳造方法において、 溶湯を前記鋳型に供給する供給管の下端を前記供給口よ
    りも上方に位置させた上、該供給口には上端部にフラン
    ジ状の溶湯の受部を備えた耐火材製の筒状ピースをアダ
    プタとして装着し、更に前記鋳型の上面から起立する形
    態で前記供給口及び前記供給管を取り囲むようにして溶
    湯の飛散防止用カバーを配設し、前記供給管からの溶湯
    を前記筒状ピースを通じて前記鋳型のキャビティ内に供
    給鋳込みすることを特徴とする竪型遠心鋳造方法。
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