JP2007313517A - 半溶融鋳造方法及び半溶融鋳造装置 - Google Patents

半溶融鋳造方法及び半溶融鋳造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】半溶融又は半凝固状態の鋳造材料を鋳型のキャビティ内に鋳造する際に、鋳造品内に酸化物が入り込むことを抑制し、鋳造品の強度低下を防止することができる半溶融鋳造装置を提供する。
【解決手段】半溶融状態のビレットBの表面に形成された酸化皮膜fを除去する手段10を少なくとも備え、該酸化皮膜が除去されたビレットBを用いて鋳造を行うための半溶融鋳造装置1であって、前記酸化皮膜除去手段10は、前記ビレット表面にスリットsを形成するスリット形成手段20と、前記ビレットBにガスを吹付ける手段40と、前記吹付けるガスを所定の範囲に加熱するための加熱手段33と、を少なくとも備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、半溶融状態にしたビレットを用いて鋳造を行う方法及びその装置に係り、特に、半溶融状態に加熱されたビレット表面の酸化皮膜を取り除くに好適な半溶融鋳造方法及びその装置に関する。
従来から、デンドライトを分断した粒状α相と、それらの間を埋める共晶組織と、を含む結晶構造の金属材料を用いた鋳造方法が幅広く知られている。具体的には、この鋳造方法において、金属材料であるビレットを加熱して固相α相と液相(溶融した共晶組織)とが共存する状態(固液共存状態)にし、ビレットを鋳型のキャビティ内に圧入して製品を鋳造している。このような方法によれば、金属材料中のα相が球状に近い形状となることから鋳造の際にはα相同志がからみ合わないので、優れた成形性を得ることができる。さらに、材料の成形温度と凝固温度との温度差が小さいので凝固時の収縮量が小さく、ヒケのない寸法精度のよい良質の鋳造品を得ることができる。
また、この他にも、金属材料を溶解した後に、晶出したα相を分断するように電磁攪拌しながら冷却し、固相(α相)と液相とが共存する半凝固状態にした金属材料を用いて鋳造する方法が取られることがある。この方法は半凝固鋳造方法と呼ばれることもあり、半溶融鋳造方法と同様の利点があることから、広く用いられる。
ところで、ビレットは、遠心攪拌して製造されることが一般的であり、ビレット中の酸化物は比重が大きいため外周方向に移動し易い。さらに、遠心攪拌により製造されたビレットは、鋳造前には固相率が30%〜50%となるように加熱され、ビレット表面は、その内部に比べて大気に触れて酸化し易い。このようにして、鋳造前のビレットには、遠心攪拌と大気接触により表面に酸化皮膜が形成される。この酸化皮膜は、成形後の鋳造品の内部に酸化物として局所的に入り込むことがあり、この場合には鋳造品は部分的に所望の強度を得られないことがあった。
このような問題を鑑みて、例えば、図4に示ように、スリーブ71と、スリーブ71内に設置されスリーブ71の軸線方向に進退可能なプランジャ72と、スリーブ71と鋳型60との間に該スリーブ71の内径よりも小さい内径となるよう突出部74Aを形成した案内部74を少なくとも備えた成形装置70が提案されている(特許文献1参照)。このような装置70は、スリーブ径よりも小さい径となるように突出部74Aを形成しているため、ビレットBを射出する際に、突出部74Aは、ビレットBの表面に形成された酸化皮膜を含む表層部を削り取ることができる。
特開2004−230444号公報
しかし、特許文献1に記載のような鋳造装置を用いた場合には、プランジャの加圧力を利用して、突出部74AによりビレットBの表層部を削り取ることはできるが、削り取られた酸化皮膜を含んだ固相率の高い皮膜含有物Cは、図4に示すように、吐出部74Aのプランジャ射出方向後方側に堆積し、再びプランジャ72のビレットB内に巻込まれる(図4白抜き矢印)。この結果、ビレットB内に巻込まれた皮膜含有物Cは、半溶融状態の合金材料と共に、鋳型60のキャビティ61内に流入してしまい、一旦ビレットから除去された皮膜含有物Cが鋳造品に含まれてしまうことがある。この結果、鋳造品は、前記したように所望の強度を得ることができず、品質不良になってしまう。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、半溶融又は半凝固状態の鋳造材料を鋳型のキャビティ内に鋳造する半溶融鋳造において、鋳造品内にビレット表層部に形成される酸化物が入り込むのを抑制し、良品の鋳造品を得ることができるようにした半溶融鋳造方法及び半溶融鋳造装置を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく多くの実験と研究を行うことにより、ビレットに形成された酸化皮膜は厚みが薄く、半溶融状態のビレットに比べて脆いため、このような酸化皮膜はビレットから剥離し易いとの新たな知見を得た。
本発明は、本発明者らが得た上記の新たな知見に基づくものであり、本発明に係る鋳造方法は、半溶融状態のビレットの表面に形成された酸化皮膜を除去する工程を含み、酸化皮膜が除去されたビレットを用いて鋳造を行う半溶融鋳造方法であって、酸化皮膜を除去する工程は、前記ビレット表面にスリットを形成する工程と、スリットが形成されたビレット表面に加熱されたガスを吹付ける工程と、を少なくとも含むことを特徴とする。
前述したようにビレット表面に形成された酸化皮膜は、半溶融状態のビレット本体に比べて脆く、酸化皮膜の厚みはビレット厚さに比べて薄い。そのために、本発明のようにして、ビレットに加熱ガスを吹付けることにより、ビレットに形成したスリットを起点として、ビレット本体から少なくとも酸化皮膜を容易に脱離させることができる。このようにして得られたビレットを用いて鋳造を行うことにより、鋳造品内に入り込む酸化物の割合を低減することができ、鋳造品の品質を向上させることができる。また、スリットの形成にあたっては、作業性を考慮すると機械加工がより好ましく、たとえば、プレス加工、切削加工などが挙げられる。
本発明に係る半溶融鋳造方法では、前記ガスを吹付ける工程において、前記ガスの吹付け温度が、前記ビレットが半溶融状態となる温度以上、かつ、前記ビレットの融点以下の温度範囲であることが好ましい。このように、ビレットの表面に到達したときの温度を前記温度範囲となるようにガスを吹付けることにより、ビレットから酸化皮膜を取り除くばかりでなく、ビレットの加熱後、一旦放熱して冷却されたビレット表層の固相率の上昇を抑えることができる。この結果、ビレット表層と内部との固相率をより均一なものにすることができ、良質の鋳造品を製造することができる。
本発明に係る半溶融鋳造方法において、前記ビレットとして円柱状のものを用い、前記スリットの形成を前記ビレットの軸線方向に沿って行い、かつ、前記ガスの吹付けを前記ビレットを中心軸線周りに回転させながら、その周面方向に沿うようにして行うことが好ましい。この態様によれば、スリットを起点として、ビレットに形成された酸化皮膜を全周に亘って容易に除去することができる。また、スリットの形成から酸化皮膜の除去までの工程を連続した1つの処理として行えるので、ビレット表面の大気冷却を抑え、所望の固液共存状態に近い状態のビレットを用いて、鋳造品を鋳造することができる。特に、円柱体のビレットの軸線方向全長に亘ってスリットを形成し、加熱ガスは、軸線方向全長に亘ってビレットに吹付けられることがより望ましい。
さらに、加熱ガスは、ビレットの回転方向に対向して、ビレットの円周の接線と30°〜45°をなす方向から吹付けることが好ましい。この範囲で加熱ガスを吹付けることにより、さらに効率良く酸化皮膜を除去することができる。
また、ビレットに吹付ける加熱ガスの吹付け圧力は、1〜10MPaであることが好ましい。吹付け圧力が1MPaよりも低い場合には、酸化皮膜をビレット本体から脱離することができず、また、吹付け圧力が10MPaよりも高い場合には、半溶融ビレットの形状を維持することが難しい。
本発明の鋳造方法によれば、半溶融状態で鋳造を行うこと、酸化皮膜が形成されることの条件を満たせばビレットの材質は特に限定されるものではないが、特に、酸化皮膜の剥離のし易さ等を考慮するとアルミニウム合金、マグネシウム合金のビレットに特に有効である。例えば、前記ビレットがアルミニウム合金の場合には、前記ガスを吹付ける工程において、前記ガスの吹付け温度は580℃〜650℃の範囲であることが好ましい。アルミニウム合金を半溶融状態にするには580℃〜650℃を要するため、前記温度範囲のガスを吹付けることにより、一旦、放熱されて上昇したアルミニウム合金の固相率を再度低減することができる。
本発明に係る鋳造方法において、加熱されるガスは、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスが好ましい。不活性ガスを用いた場合には、ビレットの表面に新たな酸化皮膜が形成され難いので、高品質の鋳造品を製造することができる。
本発明は、さらに、上述した鋳造方法を好適に行うことができる鋳造装置をも開示する。具体的には、本発明に係る鋳造装置は、半溶融状態のビレットの表面に形成された酸化皮膜を除去する手段を少なくとも備え、該酸化皮膜が除去されたビレットを用いて鋳造を行うための半溶融鋳造装置であって、前記酸化皮膜除去手段は、前記ビレット表面にスリットを形成するスリット形成手段と、前記ビレットにガスを吹付ける手段と、前記吹付けるガスを所定の範囲に加熱するための加熱手段と、を少なくとも備えること特徴とする。
スリット形成手段としては、ビレット表面に所望のスリットを形成することができるのであればよく、例えば、固定したビレットに板体を当接させてスリットを形成する機構や、半溶融状態に加熱されたビレットを把持し搬送する際に、把持具の凸部にビレットを当接させてスリットを形成する機構等、が挙げられる。また、刃状の部材の刃先をビレット表面に沿わせることによりスリットを形成する機構であってもよい。このような機構を備えることにより、簡易的かつ迅速にスリットを形成することができるので、鋳造前のビレットの凝固率の上昇をより確実に抑えることができる。
本発明に係る鋳造装置において、前記ガスを加熱する手段は、ビレットに吹付けられる際のガスの温度が、前記ビレットが半溶融状態となる温度以上、且つ、前記ビレットの融点以下の温度範囲となるように、調整可能となっていることが好ましい。例えば、ビレットとしてアルミニウム合金を用いる場合には、ガス加熱手段は、吹付け時のガスの温度を580℃〜650℃の範囲に加熱可能な加熱能力を備えることが望ましい。また、ガスの温度調整は、吹付け前に予め調整されてもよいが、例えば、加熱ガス吹付け位置近傍にガス温度を測定するセンサを設け、該センサの測定値に基づいて、目標温度となるようにガス加熱温度の調整を行ってもよい。さらに、ガスの供給源としては、例えば圧縮ガスが充填されたガスボンベであってもよく、大気を圧縮するコンプレッサなどを用いるようにしてもよい。また、ガス供給源からのガスの排出経路に、ガスの吹付け圧力を調整するための圧力調整手段が設けられていることが好ましい。さらに、酸化皮膜を脱離した脱離表面に新たな酸化皮膜が形成されないようにすること、脱離表面の組成を変化させないことから、ガスは不活性ガスが好ましく、例としてアルゴンガス、ヘリウムガスなどが挙げられる。
ガス吹付け手段としては、広範囲に亘ってビレットに効率よく加熱ガスを吹付けることができるスリット状の吹付け形態を有したノズルが好ましいが、ビレットの大きさ及び形状に合わせて均一にガスを吹付けることができるのであれば、特に限定されるものではない。
前記酸化皮膜除去手段は、前記ビレットをその中心軸線周りに回転させる回転手段をさらに備えることがより好ましく、このような回転手段を設けることにより、簡易的にビレット表面に形成された酸化皮膜を除去することができる。特に、ビレットの形状が円柱状のものであれば、ガスの吹付けをビレットを中心軸線周りに回転させながら、その周面方向に沿うようにして行うことができるので、より好適にビレット本体から酸化皮膜を脱離させることができる。
本発明による方法及び装置を用いることにより鋳造品内においてビレット表層に形成された酸化物の取り込みを抑制して鋳造品の強度低下を低減することができる。また、ヒケの少ない寸法精度のよい鋳造品を製造することもできる。このような結果、良質の鋳造品を製造することが可能となる。
以下に、図面を参照して、半溶融鋳造装置を一実施の形態に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る半溶融鋳造装置1の全体構成図を示しており、図2は、図1のA−A矢視方向断面図を示している。図3は、実施形態に係る半溶融鋳造方法の各工程を説明するための図を示している。
本実施形態に係る半溶融鋳造装置1は、図1に示すように、半溶融状態に加熱されたビレットBの表面に形成された酸化皮膜を除去するための酸化皮膜除去装置(酸化皮膜除去手段)10と、酸化皮膜が除去されたビレットBを射出して鋳造品をするための成形装置50と、を少なくとも備えている。
酸化皮膜除去装置10は、ビレットBにスリットsを形成するためのスリット形成手段20と、ビレットBに吹付ける加熱ガスを生成する加熱ガス生成手段30と、該生成された加熱ガスをビレットに吹付けるための吹付け手段40とを少なくとも備えている。
スリット形成手段20は、油圧機器等から構成される加圧装置21と、一辺が刃状の押付板体22とからなる。この押付板体22は、図2に示すように、後述する吹付け手段40に配置されたビレットBの側面に、加圧装置21の加圧力によって刃状先端部22aが押付け可能となるように、加圧装置21に連結されている。
加熱ガス生成手段30は、ガス供給源31、ガス圧力調整部(圧力調整手段)32及び、ガス加熱部(ガス加熱手段)33を少なくとも備えている。ガス供給源31は、後述するビレットBに吹付けるガスとして、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを充填しており、この不活性ガスがガス圧力調整部32に連通可能に接続されている。
ガス圧力調整部32は、ガス供給源31からの不活性ガスの吹付け圧力を調整するものであり、例えば、圧力調整弁や、流量調整弁などが用いられる。ガス圧力調整部32は、圧力調整された不活性ガスを、ガス加熱部33に案内するようになっている。
ガス加熱部33は、不活性ガスを加熱するための電熱ヒータ33aを備えており、該電熱ヒータ33aにより加熱された不活性ガスを、吹付け手段40に導くようになっている。電熱ヒータ33aは、不活性ガスの吹付けの温度を、ビレットBが半溶融状態となる温度以上、且つ、ビレットBの融点以下の温度範囲となるように、加熱するものである。例えば、ビレットBがアルミニウム合金である場合には、電熱ヒータ33aは、ガス吹付け温度が580℃〜650℃の範囲となるように、加熱可能であることが好ましい。この例において、ガス加熱部33は、このような温度範囲にガス温度を調整するために、加熱されたガス吹付け位置近傍(酸化皮膜を除去するビレットBの近傍)のガス温度を測定するセンサ(図示せず)を備え、このセンサからの測定温度に基づいて電熱ヒータ33aへの通電量を調整するように構成されている。
吹付け手段40は、吹付けノズル41と、回転装置42とを備えている。吹付けノズル41は、ビレットBの軸線方向に亘って不活性ガスを吹付けるべく、先端がスリット状の形態をした開口が形成されている。また、回転装置42は、円柱体のビレットBの端面を把持する把持部42a,42aと、該把持部42aの一方を介してビレットBを中心軸線周りに回転させるモータ42bと、を備えている。さらに、図2に示すように、ビレットBの形状が円柱体である場合には、吹付けノズル41が、加熱ガスがビレットBの回転方向に対向して、ビレットの円周の接線と30〜45°をなす方向から吹付けられるように配置されている。
尚、成形装置50は、前記図4に示す成形装置70での部材と同じ機構を有する部材に、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。また、本実施形態に係る半溶融鋳造装置1は、酸化皮膜除去装置10から成形装置50へ、破線に示すようなビレットBの搬送のための手段(図示せず)も備えているが、従来から、後述する加熱炉11(図2参照)から成形装置50へ、ビレットBを搬送する手段と同等のものが用いられており、この手段の詳細な説明も省略する。但し、ビレットBを搬送することが可能であれば、このような手段に限定されるものではない。
以上のように構成された半溶融鋳造装置1を用いて、本実施形態に係る半溶融鋳造方法の各工程を説明する。
まず、図3(a)に示すように、まず、ビレットBを加熱装置11内に配置し、ヒータ11aにより、ビレットBを半溶融状態に加熱する処理を行う。次に、半溶融状態に加熱されたビレットBを加熱装置11から取り出し、以下に示す一連の酸化皮膜fの除去処理を行う。具体的には、ビレットBが中心軸線周りに回転可能なように、回転装置42の把持部42a,42aによってビレットBを把持する。次に、図3(c)に示すように、把持されたビレットBの表面に、スリット形成手段20を用いてスリットsを形成する(スリット形成工程)。具体的には、加圧装置21を作動させて、ビレットBの軸線方向に沿って押付板体22の刃状先端部22aを押し付けて、ビレットBの表面にスリットsを形成する。
そして、ガス供給源31からガス圧力調整部32に不活性ガスを導入し、ガス圧力調整部32において、不活性ガスの吹付け圧力が所定の圧力となるように、不活性ガスの圧力を調整する。次に、ガス加熱部33において、不活性ガスの吹付け温度(ガスがビレット表面に到達したときの温度)が、前記ビレットが半溶融状態となる温度以上、且つ、前記ビレットの融点以下の温度範囲となるように、不活性ガスを加熱し、その温度調整を行う(ガス加熱工程)。
さらに、図3(c)に示すように、回転装置42のモータ42bによりビレットBを中心軸線周りに回転させながら、ビレットBの周方向に沿って不活性ガスを吹付けて(ガス吹付け工程)、ビレットBからスリットsを起点として酸化皮膜fを除去する。そして、図3(d)に示すようにビレットBを搬送しスリーブ71内に投入し、図3(d)に示すように、成形装置50により鋳型内にビレットBを射出し、鋳造品を成形する。
このようにして得られた鋳造品は、鋳造前のビレットBに形成された酸化皮膜を全周に亘って除去すると共に、一旦、放熱されて上昇したビレット表面近傍の固相率を再度低減することができるので、鋳造品内の酸化物の入り込みを抑制して鋳造品の強度低下を低減することできる。
以下に本実施形態に係る実施例を示す。
(実施例)
直径75mm、長さ250mmの円柱状のアルミニウム合金(JIS:AC4C)のビレットを高周波加熱器で585℃に加熱し、半溶融状態にした。次に、このビレットを酸化皮膜除去装置に搭載し、ビレットに形成された酸化皮膜の除去を行った。具体的には、加圧装置を用いて、厚さ0.5mmの鉄板(押付板)を圧力10kg/cmの加圧条件でビレットに押付け、溝幅0.5mm、溝深さ1mmのスリットをビレットの表面に形成した。そして、不活性ガスを加熱し、吹付け温度600℃、吹付け圧力1MPaの加熱ガスをビレットに吹付けると共にビレットを回転させて、酸化皮膜を含むビレットの表層部の脱離を行った。このようにして、得られたビレットを用いて鋳型内にビレットを射出して、鋳造品の成形を行い、内部欠陥の観察を行った。
(比較例)
実施例1と同じビレットを用いて、鋳造品を成形した。実施例と異なる点は、半溶融状態のビレットに形成された酸化皮膜を除去していない点である。そして、実施例1と同じように、鋳造品の内部欠陥の観察を行った。
(結果)
実施例の鋳造品には、内部欠陥は見られなかったが、比較例の鋳造品には、局所的に酸化物が入り込んだ内部欠陥が確認された。
本実施形態に係る半溶融鋳造装置の全体構成図。 図1のA−A矢視方向断面図。 実施形態に係る半溶融鋳造方法の各工程を説明するための図であり,(a)はビレットを半溶融状態に加熱する工程であり、(b)は、ビレットにスリットを形成する工程であり、(c)は、ビレットに加熱ガスを吹付ける工程であり、(d)は、ビレットを成形装置のスリーブに配置する工程であり、(e)は、酸化皮膜を除去したビレットにより鋳造品を成形する工程。 従来の半溶融鋳造装置を説明するための図。
符号の説明
1:半溶融鋳造装置,10:酸化皮膜除去装置,20:スリット形成手段,21:加圧装置,22:押付板体,22a:刃状先端部,30:ガス生成手段,31:ガス供給源,32:圧力調整部,33:ガス加熱部,33a:ヒータ,40:吹付け手段,41:ノズル,42:回転装置,42a:把持部,42b:モ―タ,50:成形装置,B:ビレット,C:皮膜含有物,f:酸化皮膜,s:スリット

Claims (7)

  1. 半溶融状態のビレットの表面に形成された酸化皮膜を除去する工程を含み、酸化皮膜が除去されたビレットを用いて鋳造を行う半溶融鋳造方法であって、
    前記酸化皮膜を除去する工程は、前記ビレット表面にスリットを形成する工程と、スリットが形成されたビレット表面に加熱されたガスを吹付ける工程と、を少なくとも含むことを特徴とする半溶融鋳造方法。
  2. 前記ガスを吹付ける工程において、前記ガスの吹付け温度は、前記ビレットが半溶融状態となる温度以上、かつ、前記ビレットの融点以下の温度範囲であることを特徴とする請求項1に記載の半溶融鋳造方法。
  3. 前記ビレットとして円柱状のものを用い、前記スリットの形成を前記ビレットの軸線方向に沿って行い、かつ、前記ガスの吹付けを前記ビレットを中心軸線周りに回転させながら、その周面方向に沿うようにして行うことを特徴とする請求項1または2に記載の半溶融鋳造方法。
  4. 前記ビレットはアルミニウム合金であり、前記ガスを吹付ける工程において、前記ガスの吹付け温度は580℃〜650℃の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半溶融鋳造方法。
  5. 前記ガスに、不活性ガスを用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半溶融鋳造方法。
  6. 半溶融状態のビレットの表面に形成された酸化皮膜を除去する手段を少なくとも備え、該酸化皮膜が除去されたビレットを用いて鋳造を行うための半溶融鋳造装置であって、
    前記酸化皮膜除去手段は、前記ビレット表面にスリットを形成するスリット形成手段と、前記ビレットにガスを吹付ける手段と、前記吹付けるガスを所定の温度範囲に加熱するための加熱手段と、を少なくとも備えること特徴とする半溶融鋳造装置。
  7. 前記酸化皮膜除去手段は、前記ビレットをその中心軸線周りに回転させる回転手段をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の半溶融鋳造装置。
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