JP2604028B2 - タイヤモールド骨部の製造方法 - Google Patents
タイヤモールド骨部の製造方法Info
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- JP2604028B2 JP2604028B2 JP2730789A JP2730789A JP2604028B2 JP 2604028 B2 JP2604028 B2 JP 2604028B2 JP 2730789 A JP2730789 A JP 2730789A JP 2730789 A JP2730789 A JP 2730789A JP 2604028 B2 JP2604028 B2 JP 2604028B2
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- casting
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はタイヤモールドの骨部を精密鋳造法により製
造するタイヤモールド骨部の製造方法に関するものであ
る。
造するタイヤモールド骨部の製造方法に関するものであ
る。
(従来の技術) 鉄系のタイヤモールドを製造するにあたり、タイヤモ
ールドの本体とは別に分割された骨部を精密鋳造してお
き、鋳造された骨部をタイヤモールドの本体の内周面に
接合する方法が知られている(例えば、特開昭59−1248
36号公報)。従来はこのような骨部はロストワックス法
を用い、鉄系合金を鋳造することにより製造されてい
た。
ールドの本体とは別に分割された骨部を精密鋳造してお
き、鋳造された骨部をタイヤモールドの本体の内周面に
接合する方法が知られている(例えば、特開昭59−1248
36号公報)。従来はこのような骨部はロストワックス法
を用い、鉄系合金を鋳造することにより製造されてい
た。
ところが、サイプ等の薄板状の複雑形状部を有する骨
部については、ロストワックスの強度上の問題から形状
出しができない問題があり、別にサイプ部を鋳包むかサ
イプ部を後で埋め込むことが必要となり、多くの工数が
必要となった。次に材質面について検討すると、鉄系合
金として鋳鋼を用いた場合には、鋳造性が悪いために複
雑形状部を鋳出すことが困難であった。また鋳造性の点
から鋳鉄を用いることが考えられるが、通常鋳鉄により
サイプ部を鋳出したばあいには晶出する黒鉛の形で片状
であるために非常に脆く、サイプ部の根本で破損する危
険性が大きかった。そこで球状黒鉛鋳鉄を用いることが
考えられるが、この場合には黒鉛球状化剤として添加さ
れるMgが非常に活性が大きく酸化され易いため、鋳造時
の乱流により酸化物が発生し易く、その巻き込みによっ
て表面欠陥が著しくなる欠点があった。また鋳鉄形合金
全体に共通する問題として、サイプ部の厚みが0.3〜0.5
mmと極めて薄いために凝固速度が大きく、チルが発生し
て非常に脆くなる欠点があった。
部については、ロストワックスの強度上の問題から形状
出しができない問題があり、別にサイプ部を鋳包むかサ
イプ部を後で埋め込むことが必要となり、多くの工数が
必要となった。次に材質面について検討すると、鉄系合
金として鋳鋼を用いた場合には、鋳造性が悪いために複
雑形状部を鋳出すことが困難であった。また鋳造性の点
から鋳鉄を用いることが考えられるが、通常鋳鉄により
サイプ部を鋳出したばあいには晶出する黒鉛の形で片状
であるために非常に脆く、サイプ部の根本で破損する危
険性が大きかった。そこで球状黒鉛鋳鉄を用いることが
考えられるが、この場合には黒鉛球状化剤として添加さ
れるMgが非常に活性が大きく酸化され易いため、鋳造時
の乱流により酸化物が発生し易く、その巻き込みによっ
て表面欠陥が著しくなる欠点があった。また鋳鉄形合金
全体に共通する問題として、サイプ部の厚みが0.3〜0.5
mmと極めて薄いために凝固速度が大きく、チルが発生し
て非常に脆くなる欠点があった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は上記のような従来の問題点を解決して、非常
に薄くかつ複雑なサイプのような複雑形状部をも完全に
形状出しすることができるタイヤモールド骨部の製造方
法を目的として完成されたものである。
に薄くかつ複雑なサイプのような複雑形状部をも完全に
形状出しすることができるタイヤモールド骨部の製造方
法を目的として完成されたものである。
(課題を解決するための手段) 上記の課題を解決するためになされた第1の発明は、
タイヤモールドの分割された骨部を精密鋳造法で製作す
るにあたり、骨部に対応した凹形状の鋳型をセラミック
モールド法により作成しておき、重量%でC3.2〜3.6
%、Si2.0〜2.8%、Mg0.015〜0.04%、不純物としてのM
n0.2%以下、S0.01%以下の組成の球状黒鉛鋳鉄を上記
鋳型の内部に1270〜1350℃の鋳込み温度で、かつ鋳型の
背圧を700mmHg以下まで減圧した状態で鋳込み、得られ
た鋳造品をタイヤモールドのプロファイル面の形状に合
わせて機械加工することを特徴とするものである。
タイヤモールドの分割された骨部を精密鋳造法で製作す
るにあたり、骨部に対応した凹形状の鋳型をセラミック
モールド法により作成しておき、重量%でC3.2〜3.6
%、Si2.0〜2.8%、Mg0.015〜0.04%、不純物としてのM
n0.2%以下、S0.01%以下の組成の球状黒鉛鋳鉄を上記
鋳型の内部に1270〜1350℃の鋳込み温度で、かつ鋳型の
背圧を700mmHg以下まで減圧した状態で鋳込み、得られ
た鋳造品をタイヤモールドのプロファイル面の形状に合
わせて機械加工することを特徴とするものである。
また第2の発明は、第1の発明の球状黒鉛鋳鉄の組成
中にCu0.5〜2.5%を付加したことを特徴とするものであ
り、さらに第3の発明は、第1の発明の球状黒鉛鋳鉄の
組成中に、Ni2.5〜4.0%、Mo0.2〜0.4%を付加したこと
を特徴とするものである。
中にCu0.5〜2.5%を付加したことを特徴とするものであ
り、さらに第3の発明は、第1の発明の球状黒鉛鋳鉄の
組成中に、Ni2.5〜4.0%、Mo0.2〜0.4%を付加したこと
を特徴とするものである。
本発明においては、重量%でC3.2〜3.6%、Si2.0〜2.
8%の組成の球状黒鉛鋳鉄が用いられる。これはサイプ
等の複雑形状部を鋳出すために好ましい範囲を限定した
もので、CとSiがこの範囲を下まわると凝固開始温度が
上昇し、湯流れが悪化して複雑形状部の鋳出しが困難と
なるばかりか、酸化物の巻込みによる欠陥も増加する。
またCとSiがこの範囲を上まわると、鋳造時にカーボン
ロスが発生して鋳造品の表面のカス欠陥発生の原因とな
る。Mgは黒鉛を球状化することによりサイプ部の破損を
防止するための成分であり、黒鉛の球状化のためには0.
015%以上が必要である。しかしMgが0.04%を超えると
鋳造時の酸化物の生成量が多くなり、表面のカス欠陥が
発生する。MnとSは不純物として不可避的に含まれる成
分であり、サイプ等の薄肉部のチル化を防止するために
はMnを0.2%以下、Sを0.01%以下とする必要がある。M
nとSの含有量がこの範囲を超えると、サイプ部等が破
損し易くなる。以上の基本成分に対して、第2の発明に
おいては硬度を増す目的でCuを0.5%〜2.5%まで添加す
ることができる。Cuはチル化傾向を助長させることなく
組織をパーライト化できる性質を持ち、この効果を得る
ためには0.5%以上の添加が好ましい。しかし2.5%を超
えて含有させても含有量に見合う硬度の上昇が得られな
いばかりか、酸化物の巻込みによるカス欠陥が増加す
る。
8%の組成の球状黒鉛鋳鉄が用いられる。これはサイプ
等の複雑形状部を鋳出すために好ましい範囲を限定した
もので、CとSiがこの範囲を下まわると凝固開始温度が
上昇し、湯流れが悪化して複雑形状部の鋳出しが困難と
なるばかりか、酸化物の巻込みによる欠陥も増加する。
またCとSiがこの範囲を上まわると、鋳造時にカーボン
ロスが発生して鋳造品の表面のカス欠陥発生の原因とな
る。Mgは黒鉛を球状化することによりサイプ部の破損を
防止するための成分であり、黒鉛の球状化のためには0.
015%以上が必要である。しかしMgが0.04%を超えると
鋳造時の酸化物の生成量が多くなり、表面のカス欠陥が
発生する。MnとSは不純物として不可避的に含まれる成
分であり、サイプ等の薄肉部のチル化を防止するために
はMnを0.2%以下、Sを0.01%以下とする必要がある。M
nとSの含有量がこの範囲を超えると、サイプ部等が破
損し易くなる。以上の基本成分に対して、第2の発明に
おいては硬度を増す目的でCuを0.5%〜2.5%まで添加す
ることができる。Cuはチル化傾向を助長させることなく
組織をパーライト化できる性質を持ち、この効果を得る
ためには0.5%以上の添加が好ましい。しかし2.5%を超
えて含有させても含有量に見合う硬度の上昇が得られな
いばかりか、酸化物の巻込みによるカス欠陥が増加す
る。
第3の発明においては、更に硬度を上昇させる目的で
Ni2.5〜4.0%、Mo0.2〜0.4%が添加される。これらの成
分は組織をベイナイト化して硬度を上昇させるためのも
ので、Ni2.5%以上、Mo0.2%以上が必要である。しかし
Niが上記の範囲を超えると部分的にマルテンサイト組織
となって後工程での加工性が悪くなり、靭性を低下す
る。またMoはチル化促進元素であるが、Niと同時に含有
させた場合にはチル化傾向が減ずる。しかしMoが0.4%
を超えると薄肉部でチル化が発生する。
Ni2.5〜4.0%、Mo0.2〜0.4%が添加される。これらの成
分は組織をベイナイト化して硬度を上昇させるためのも
ので、Ni2.5%以上、Mo0.2%以上が必要である。しかし
Niが上記の範囲を超えると部分的にマルテンサイト組織
となって後工程での加工性が悪くなり、靭性を低下す
る。またMoはチル化促進元素であるが、Niと同時に含有
させた場合にはチル化傾向が減ずる。しかしMoが0.4%
を超えると薄肉部でチル化が発生する。
以上のような組成の球状黒鉛鋳鉄の溶湯を、第1図及
び第2図に示されるような骨部に対応した凹形状に造型
された鋳型(1)の内部に1270〜1350℃の鋳込み温度で
鋳込む。この鋳型(1)はセラミックモールド法によっ
て造型された通気性を有するもので、アルミナ、ムライ
ト、ジルコン等の骨材にエチルシリケートをバインダと
した一般的なセラミックモールド法によって造型され
る。このような鋳型(1)は通常の砂型に比較して複雑
形状の転写性に優れているうえ、熱伝導率が低いので薄
肉部のチル化を防止することができる。鋳型(1)は第
1図のように減圧チャンバー(2)の内部にセットさ
れ、背圧を絶対圧で700mmHg以下まで減圧した状態で溶
湯の鋳込みが行われる。鋳型(1)は図示のように骨部
(3)の背面部(4)を開放した状態で造型してあるた
め、鋳造時に溶湯は層流状態で鋳型(1)内を充填し、
鋳型の背圧が700mmHg以下に減圧されているためにスム
ーズに吸引されて例えば厚みが0.3mm、幅10mm、高さ20m
mのレベルのサイプを表面欠陥を発生させずに鋳出すこ
とができる。ここで鋳型(1)の背圧が700mmHgを超え
るとサイプの鋳出しが不十分となる。また鋳込温度が12
70℃未満でもサイプの鋳出しが不十分となり、更に酸化
物の巻込み欠陥も増大する傾向となる。逆に鋳込温度が
1350℃を超えた場合は、ピンホール欠陥が多発するため
に1270〜1350℃で鋳込むものとする。
び第2図に示されるような骨部に対応した凹形状に造型
された鋳型(1)の内部に1270〜1350℃の鋳込み温度で
鋳込む。この鋳型(1)はセラミックモールド法によっ
て造型された通気性を有するもので、アルミナ、ムライ
ト、ジルコン等の骨材にエチルシリケートをバインダと
した一般的なセラミックモールド法によって造型され
る。このような鋳型(1)は通常の砂型に比較して複雑
形状の転写性に優れているうえ、熱伝導率が低いので薄
肉部のチル化を防止することができる。鋳型(1)は第
1図のように減圧チャンバー(2)の内部にセットさ
れ、背圧を絶対圧で700mmHg以下まで減圧した状態で溶
湯の鋳込みが行われる。鋳型(1)は図示のように骨部
(3)の背面部(4)を開放した状態で造型してあるた
め、鋳造時に溶湯は層流状態で鋳型(1)内を充填し、
鋳型の背圧が700mmHg以下に減圧されているためにスム
ーズに吸引されて例えば厚みが0.3mm、幅10mm、高さ20m
mのレベルのサイプを表面欠陥を発生させずに鋳出すこ
とができる。ここで鋳型(1)の背圧が700mmHgを超え
るとサイプの鋳出しが不十分となる。また鋳込温度が12
70℃未満でもサイプの鋳出しが不十分となり、更に酸化
物の巻込み欠陥も増大する傾向となる。逆に鋳込温度が
1350℃を超えた場合は、ピンホール欠陥が多発するため
に1270〜1350℃で鋳込むものとする。
このように鋳造を行うと、第3図に示されるようにサ
イプ(5)付きの骨部(3)とその背面部(4)とが一
体となった鋳造品が得られるので、その背面部(4)を
タイヤモールドのプロファイル面に併せてR形状に機械
加工すれば、第4図のとおりのタイヤモールド用骨部が
得られることとなる。
イプ(5)付きの骨部(3)とその背面部(4)とが一
体となった鋳造品が得られるので、その背面部(4)を
タイヤモールドのプロファイル面に併せてR形状に機械
加工すれば、第4図のとおりのタイヤモールド用骨部が
得られることとなる。
(実施例) 第1表及び第2表に示す溶湯成分、鋳造条件で第3図
に示される骨部形状を有する鋳造品を20本ずつ鋳造し
た。鋳型はムライトを骨材とし、エチルシリケートをバ
インダとした鋳型材によりセラミックモールド法により
造型したもので、第1図に示されるように20本分が同時
に鋳造できる形状とされている。鋳型は造型後に一次焼
成を行い、その後700℃にて二次焼成を行ったうえ、第
2図に示されるように減圧チャンバー内にセットして用
いられる。骨部形状は全長100mm、幅6mm、高さ20mmの凸
形状部に厚み0.4mm、高さ15mm、骨部幅方向に10mmの突
出長さを有するサイプを4個所突出させたものである。
鋳造品はその背面部をタイヤモールドのプロファイル面
の形状に合わせたR形状に機械加工され、第4図に示さ
れる最終形状品とされる。
に示される骨部形状を有する鋳造品を20本ずつ鋳造し
た。鋳型はムライトを骨材とし、エチルシリケートをバ
インダとした鋳型材によりセラミックモールド法により
造型したもので、第1図に示されるように20本分が同時
に鋳造できる形状とされている。鋳型は造型後に一次焼
成を行い、その後700℃にて二次焼成を行ったうえ、第
2図に示されるように減圧チャンバー内にセットして用
いられる。骨部形状は全長100mm、幅6mm、高さ20mmの凸
形状部に厚み0.4mm、高さ15mm、骨部幅方向に10mmの突
出長さを有するサイプを4個所突出させたものである。
鋳造品はその背面部をタイヤモールドのプロファイル面
の形状に合わせたR形状に機械加工され、第4図に示さ
れる最終形状品とされる。
評価は外観(酸化物の巻き込み、カスの有無、サイプ
鋳出しレベル、鋳出し不足のものは平均充填長)と、背
面加工時のサイプ破壊の有無及びブリネル硬度により行
った。
鋳出しレベル、鋳出し不足のものは平均充填長)と、背
面加工時のサイプ破壊の有無及びブリネル硬度により行
った。
第3表に示すとおり、本発明によるNo.1〜No.10は酸
化物の巻き込みやサイプの鋳出し不足もない良好な表面
品質を有し、背面加工時のサイプの破損もなかった。特
にCuを含有させたNo.5〜No.7はCu増量に伴い硬度も増加
しており、またNi、Moを含有させたNo.8〜No.10につい
てはブリネル硬度が300前後の高いレベルに達した。
化物の巻き込みやサイプの鋳出し不足もない良好な表面
品質を有し、背面加工時のサイプの破損もなかった。特
にCuを含有させたNo.5〜No.7はCu増量に伴い硬度も増加
しており、またNi、Moを含有させたNo.8〜No.10につい
てはブリネル硬度が300前後の高いレベルに達した。
これに対してNo.11以下は比較例を示すものであり、N
o.11は鋳込温度が低いためサイプの鋳出しが不十分であ
り、酸化物の巻込みも多数発生した。No.12は鋳込温度
が高すぎるためにピンホールが多数発生し、No.13は減
圧不足のためにサイプの鋳出しが不十分であった。No.1
4はMgが少ないために黒鉛の球状化が不完全となり、背
面加工時にサイプの破損が発生した。No.15はMgが多い
ために酸化物の巻込みが著しく、No.16はC、Siが少な
くサイプの鋳出しが不完全であるうえ、酸化物の巻込み
が発生した。No.17はC、Siが多く、全数酸化物の巻込
みが発生した。No.18はMn、Sが多く、外観は良好であ
ったがサイプ部にチルが発生したため、背面加工時にサ
イプ部が破損した。No.19はCu量が3.0%と多いために一
部に酸化物の巻込みが発生しており、またCu量を2.5%
としたNo.7に比較して硬度の増加もほとんど認められな
い。No.20はNi、Moが少なく外観、加工性ともに良好で
あるが、No.8〜No.10に比較して硬度の増加が少ない。N
o.21はNi、Moが多いため、硬度が高くなりすぎまたチル
が発生したことにより背面加工時にサイプが破損した。
No.22は一般的な鋳鋼を用いたもので、サイプ部を鋳出
すことができなかった。なおロストワックス法により第
4図に示す形状のワックス型を製作した場合は、ワック
ス型成形用の型からワックス型を離型する際に、サイプ
部が破損してしまった。
o.11は鋳込温度が低いためサイプの鋳出しが不十分であ
り、酸化物の巻込みも多数発生した。No.12は鋳込温度
が高すぎるためにピンホールが多数発生し、No.13は減
圧不足のためにサイプの鋳出しが不十分であった。No.1
4はMgが少ないために黒鉛の球状化が不完全となり、背
面加工時にサイプの破損が発生した。No.15はMgが多い
ために酸化物の巻込みが著しく、No.16はC、Siが少な
くサイプの鋳出しが不完全であるうえ、酸化物の巻込み
が発生した。No.17はC、Siが多く、全数酸化物の巻込
みが発生した。No.18はMn、Sが多く、外観は良好であ
ったがサイプ部にチルが発生したため、背面加工時にサ
イプ部が破損した。No.19はCu量が3.0%と多いために一
部に酸化物の巻込みが発生しており、またCu量を2.5%
としたNo.7に比較して硬度の増加もほとんど認められな
い。No.20はNi、Moが少なく外観、加工性ともに良好で
あるが、No.8〜No.10に比較して硬度の増加が少ない。N
o.21はNi、Moが多いため、硬度が高くなりすぎまたチル
が発生したことにより背面加工時にサイプが破損した。
No.22は一般的な鋳鋼を用いたもので、サイプ部を鋳出
すことができなかった。なおロストワックス法により第
4図に示す形状のワックス型を製作した場合は、ワック
ス型成形用の型からワックス型を離型する際に、サイプ
部が破損してしまった。
(発明の効果) 本発明は以上に説明したように、溶湯の成分及び鋳造
条件等を適切に設定することによって非常に薄くかつ形
状の複雑なサイプ等をも完全に鋳出すことができるよう
にしたもので、このようにして得られた骨部をタイヤモ
ールドの本体の内周面に取付ければ容易にタイヤモール
ドを製造することができる。よって本発明は従来の問題
点を一掃したタイヤモールド骨部の製造方法として、産
業の発展に寄与するところは極めて大である。
条件等を適切に設定することによって非常に薄くかつ形
状の複雑なサイプ等をも完全に鋳出すことができるよう
にしたもので、このようにして得られた骨部をタイヤモ
ールドの本体の内周面に取付ければ容易にタイヤモール
ドを製造することができる。よって本発明は従来の問題
点を一掃したタイヤモールド骨部の製造方法として、産
業の発展に寄与するところは極めて大である。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明において用いられる鋳型の断面図、第2
図はその平面図、第3図は鋳造品の斜視図、第4図は背
面部を機械加工した完成品の斜視図である。 (1):鋳型、(2):減圧チャンバー、(3):骨
部、(4):背面部。
図はその平面図、第3図は鋳造品の斜視図、第4図は背
面部を機械加工した完成品の斜視図である。 (1):鋳型、(2):減圧チャンバー、(3):骨
部、(4):背面部。
Claims (3)
- 【請求項1】タイヤモールドの分割された骨部を精密鋳
造法で製作するにあたり、骨部に対応した凹形状の鋳型
をセラミックモールド法により作成しておき、重量%で
C3.2〜3.6%、Si2.0〜2.8%、Mg0.015〜0.04%、不純物
としてのMn0.2%以下、S0.01%以下の組成の球状黒鉛鋳
鉄を上記鋳型の内部に1270〜1350℃に鋳込み温度で、か
つ鋳型の背圧を700mmHg以下まで減圧した状態で鋳込
み、得られた鋳造品をタイヤモールドのプロファイル面
の形状に合わせて機械加工することを特徴とするタイヤ
モールド骨部の製造方法。 - 【請求項2】タイヤモールドの分割された骨部を精密鋳
造法で製作するにあたり、骨部に対応した凹形状の鋳型
をセラミックモールド法により作成しておき、重量%で
C3.2〜3.6%、Si2.0〜2.8%、Cu0.5〜2.5%、Mg0.015〜
0.04%、不純物としてのMn0.2%以下、S0.01%以下の組
成の球状黒鉛鋳鉄を上記鋳型の内部に1270〜1350℃の鋳
込み温度で、かつ鋳型の背圧を700mmHg以下まで減圧し
た状態で鋳込み、得られた鋳造品をタイヤモールドのプ
ロファイル面の形状に合わせて機械加工することを特徴
とするタイヤモールド骨部の製造方法。 - 【請求項3】タイヤモールドの分割された骨部を精密鋳
造法で製作するにあたり、骨部に対応した凹形状の鋳型
をセラミックモールド法により作成しておき、重量%で
C3.2〜3.6%、Si2.0〜2.8%、Ni2.5〜4.0%Mo0.2〜0.4
%.、Mg0.015〜0.04%、不純物としてのMn0.2%以下、
S0.01%以下の組成の球状黒鉛鋳鉄を上記鋳型の内部に1
270〜1350℃の鋳込み温度で、かつ鋳型の背圧を700mmHg
以下まで減圧した状態で鋳込み、得られた鋳造品をタイ
ヤモールドのプロファイル面の形状に合わせて機械加工
することを特徴とするタイヤモールド骨部の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2730789A JP2604028B2 (ja) | 1989-02-06 | 1989-02-06 | タイヤモールド骨部の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2730789A JP2604028B2 (ja) | 1989-02-06 | 1989-02-06 | タイヤモールド骨部の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02207941A JPH02207941A (ja) | 1990-08-17 |
JP2604028B2 true JP2604028B2 (ja) | 1997-04-23 |
Family
ID=12217430
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2730789A Expired - Lifetime JP2604028B2 (ja) | 1989-02-06 | 1989-02-06 | タイヤモールド骨部の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2604028B2 (ja) |
-
1989
- 1989-02-06 JP JP2730789A patent/JP2604028B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02207941A (ja) | 1990-08-17 |
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