JP2615463B2 - 快削黒鉛鋳鋼とそれを用いた機械部品の製造方法 - Google Patents

快削黒鉛鋳鋼とそれを用いた機械部品の製造方法

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JP2615463B2 JP63021726A JP2172688A JP2615463B2 JP 2615463 B2 JP2615463 B2 JP 2615463B2 JP 63021726 A JP63021726 A JP 63021726A JP 2172688 A JP2172688 A JP 2172688A JP 2615463 B2 JP2615463 B2 JP 2615463B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】 本発明は快削黒鉛鋳鋼の改良、とくに被削性に加えて
機械的性質を改善した快削黒鉛鋳鋼に関する。本発明
は、この鋳鋼を用いた機械部品の製造方法にも関する。
【従来の技術】
鋳鋼の塑性加工や切削加工を容易にするために、その
内部に球状黒鉛を析出させることが行なわれている。黒
鉛を析出させるには、黒鉛鋼では黒鉛化熱処理を施せば
よいが、鋳鋼において熱処理により黒鉛を析出させよう
とすると、熱処理に長時間を要する上に、析出した黒鉛
が粗大で形状が球状にならないため、目的を達成するこ
とが困難である。 鋳鋼に対しては、溶製時にMg,Caなどを接種すると、
鋳造ままで球状黒鉛を鋳物中に生成させることができる
が、球状黒鉛の分布が均一でなく、しかも析出した黒鉛
粒径が大きいため、被削性などの製品特性は満足できる
ものとはいえない。 この改善策として、溶製時にREMの接種を行なうと効
果的であることが見出され、すでに提案された(特願昭
61−248284)。これによって、鋳造ままで微細な球状黒
鉛が鋳物中に均一に分布した、被削性と機械的性質のす
ぐれた鋳鋼を得ることができる。
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記した技術をさらに一歩前進さ
せ、すぐれた被削性を維持したまま、引張強度をより強
くした快削黒鉛鋳鋼を提供すること、およびこの鋳鋼を
用いた機械部品の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
本発明の快削黒鉛鋳鋼は、C:1.0〜1.5%、Si:1.0〜3.
2%、Mn:1.0%以下、Cr:1.0%以下およびREM:0.01〜1.0
%を含有し、P:0.1%以下、S:0.3%以下であって、残部
が実質的にFeからなる組成を有する。 本発明において「REM」とは、原子番号57のLaから71
のLuまでの希土類元素を意味する。 これを用いた本発明の機械部品の製造方法は、C:1.0
〜1.5%、Si:1.0〜3.2%、Mn:1.0%以下、Cr:1.0%以下
およびREM:0.01〜1.0%を含有し、P:0.1%以下、S:0.3
%以下であって、残部が実質的にFeからなる組成の快削
黒鉛鋳鋼を部品形状に鋳造し、鋳造品を750〜770℃の温
度に加熱して硬さを低下させるとともに均一にするか、
または770℃を超える温度に加熱して硬さを高める熱処
理を施したのち、機械加工により仕上げることからな
る。鋳造後の熱処理に要する時間は、鋳造品の形状によ
って異なるが、通常は1〜2時間程度で足りる。加熱後
は、放冷すればよい。
【作 用】
本発明の快削黒鉛鋳鋼は、さきに提案した(特願昭61
−248284)黒鉛快削鋳鋼に対して一定量のCrおよびMnの
添加したものということができる。その合金成分のはた
らきと、組成範囲の限定理由を以下に説明する。 C:1.0〜1.5% 黒鉛生成に不可欠な元素であり、十分な量の球状黒鉛
を析出させて黒鉛による被削性向上効果を高く得るため
には、1.0%以上添加を要する。上限値1.5%を超える
と、粒界に沿って網目状黒鉛が析出して機械的性質が低
下してしまう。 Si:1.0〜3.2% Siは黒鉛の析出を促進する。1.0%未満ではこの効果
が小さく、黒鉛析出量が少ない。一方、3.2%を超える
と鋳鋼の硬度が増大し、延性が著しく低下する。 REM:0.01〜1.0% REMは黒鉛の析出を促す。この効果は0.01%程度の低
い含有量から認められ、0.1〜1.0%の範囲で十分に高ま
る。1.0%を超えると鋳物のヒケが大きくなり、割れが
生じるおそれがある。 P:0.1%以下、S:0.3%以下 これらの元素は不純物である。Pは冷間脆性を、Sは
熱間脆性をひき起こすとともに、どちらも黒鉛の析出を
阻害し被削性をそこなう。そこで、それぞれ、P:0.1%
以下、S:0.3%以下に規制する。 Mn:1.0%以下、Cr:1.0%以下 MnおよびCrは、両者あいまって鋳鋼の引張強度を強く
する。これらの含有量と引張強度との関係は第1図に傾
向を示すとおりであって、相互補完の関係にあるが、Mn
およびCrの含有量が多いほど引張強度は強くなるから、
Mn,Crとも、1.0%を超えて添加すると黒鉛の析出が抑制
され、また鋼が硬くなりすぎて被削性が低下する。この
ため、どちらも1.0%を上限値とした。 本発明の鋳鋼は、MnおよびCrの添加にその原因がある
と思われるが、鋳造ままでは一般に硬さが高い。また、
部位や部品ごとに硬さにバラツキが大きいことがある。
そこで本発明の機械部品の製造方法においては、鋳造後
に熱処理を施して鋳造品の硬さを適当なレベルに引き下
げるとともに、均一にしたのち、機械加工による仕上げ
を行なう。 このとき、処理温度によって、得られる鋳鋼の硬度が
異なる。第2図に示したように、処理温度が770℃近辺
までは、高温で処理するほど、鋳鋼は軟くなる。しか
し、この温度を超えると、組織がオーステナイト化する
ため、熱処理後はパーライト主体の組織となる。すなわ
ち、770℃を超える温度で熱処理を施すと、鋳鋼はあた
かも焼ならされた状態となり硬くなる。この現象は790
℃以上の温度領域で顕著であり、処理温度が高くなるに
つれて硬度も増す。 従って、機械加工の容易さを求める場合は、770℃止
りの熱処理を行なえばよく、加工性を多少犠牲にしても
高い硬さをもたせたい場合は、770℃を超える高温の熱
処理を行なえばよい。
【実施例】
表に示す組成のダクタイル鋳鉄および快削黒鉛鋳鋼を
溶製した。No.1は従来材(FCD45)、No.2は比較のため
に用いた通常の鋳鋼であり、No.3〜5が本発明の鋳鋼で
ある。 これらの鋳鋼を、770℃に2時間加熱して空冷し、引
張強度を測定した。表に併記した結果からわかるよう
に、本発明の鋳鋼は、従来材にくらべて引張郷土が30〜
70%強くなっている。 各材料の溶湯の流動性を渦巻鋳造法により測定した。
この方法は、融点より80℃高い温度に加熱した溶湯を、
10mm角の流路が渦巻型に20mmずつの距離をおいて設けら
れたフラン鋳型に、渦巻の中心から注湯し、湯の流れた
長さを測定して、その長短で流動性を知るものである。 測定結果を表にあわせて記載した。本発明の鋳鋼は従
来品に匹敵する溶湯の流動性を示し、鋳造が容易である
といえる。 上記した溶湯を、それぞれ融点より80℃高い温度に加
熱したのち、第3図に示すキャビティをもつフラン鋳型
に注湯した。得られた鋳造品のX線写真を撮影し、引け
巣の面積を測定した。投影面上の引け巣面積率を表にあ
わせて記す。本発明の鋳鋼は、通常の鋳鋼品にくらべ
て、引け巣の発生が少ない。 本発明の鋳鋼No.3,4とFCD45(ダクタイル鋳鉄)の被
削性試験を行なった。本発明の鋳鋼は鋳造後に770℃で
2時間加熱し空冷したものを、FCD45は鋳造ままのもの
を、それぞれ試験に供した。 被削性試験は、試験片をドリルで穿孔し、一定の切削
長さに対するドリル刃のコーナー摩耗を測定することに
より実施した。試験条件は下記のとおりである。 工具:超硬ドリル(直径5mm) 送り:0.2mm/rev. 穴深さ:10mm(めくら穴) 切削速度:30m/min 切削油:水溶性 結果を第4図に示す。図のグラフからわかるように、
本発明の鋳鋼は、従来のダクタイル鋳鉄(FCD45)にほ
ぼ匹敵する被削性を有している。
【発明の効果】
本発明の鋳鋼は、従来品(FCD45)と同等の被削性を
もちながら、すぐれた引張特性をあわせもっている。こ
れまでに従来品が使用されていた分野、たとえば、ディ
スクブレーキ用のキャリパーなどに本発明の鋳鋼を使用
すると、より品質の高い製品が得られる。 さらに、本発明の鋳鋼の溶湯は流動性が通常の鋳鋼品
より改善されているので、鋳造時の湯流れがよく、引け
巣などの欠損が生じることが少ない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、さきに開示した黒鉛快削鋳鋼に対してMnおよ
びCrを添加した場合の、引張強度の改善傾向を示すグラ
フである。 第2図は、熱処理温度と鋳鋼の硬さとの関係を説明する
ための図面であって、本発明に従う鋳鋼の熱処理後にお
ける硬さを示したグラフである。 第3図は、引け巣の発生状況を確認するために鋳造した
試験片の縦断面図である。 第4図は、本発明の鋳鋼およびダクタイル鋳鉄(FCD4
5)を対象とする、切削試験の結果を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭54−11773(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:1.0〜1.5%、Si:1.0〜3.2%、Mn:1.0%
    以下、Cr:1.0%以下およびREM:0.01〜1.0%を含有し、
    P:0.1%以下、S:0.3%以下であって、残部が実質的にFe
    からなる組成の快削黒鉛鋳鋼。
  2. 【請求項2】C:1.0〜1.5%、Si:1.0〜3.2%、Mn:1.0%
    以下、Cr:1.0%以下およびREM:0.01〜1.0%を含有し、
    P:0.1%以下、S:0.3%以下であって、残部が実質的にFe
    からなる組成の快削黒鉛鋳鋼を部品形状に鋳造し、鋳造
    品を750〜770℃の温度に加熱して硬さを低下させるとと
    もに均一にするか、または770℃を超える温度に加熱し
    て硬さを高める熱処理を施したのち、機械加工により仕
    上げることからなる機械部品の製造方法。
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