JP2859504B2 - 複合加工装置 - Google Patents

複合加工装置

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JP2859504B2
JP2859504B2 JP5012806A JP1280693A JP2859504B2 JP 2859504 B2 JP2859504 B2 JP 2859504B2 JP 5012806 A JP5012806 A JP 5012806A JP 1280693 A JP1280693 A JP 1280693A JP 2859504 B2 JP2859504 B2 JP 2859504B2
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晃 小澤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワークの複数箇所の加
工を一工程で行うための複合加工装置に関し、例えば内
燃機関のシリンダヘッドのバルブシートとステムガイド
穴との加工を一工程で行うための複合加工装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の複合加工装置としては、
例えば特公平3−5936号公報に開示されているもの
が知られている。
【0003】この複合加工装置は、シリンダヘッドのバ
ルブシートとステムガイド穴との加工を行うものであ
り、モータにより回転駆動されるスピンドル軸の先端部
に一体に回動自在にテーパ嵌合により同心に挿着された
第1工具と、該第1工具の軸心部に貫設された貫通穴に
摺動自在且つ一体に回動自在に内挿された第2工具とを
備えるものであり、第1工具の先端部にはバルブシート
加工用の第1工具が取付けられ、第2工具の先端部に
は、第2工具の摺動により前進・後退自在とされたステ
ムガイド穴のリーマ加工用の第2工具が取付けられてい
る。
【0004】そして、スピンドル軸の軸心部に貫設され
た貫通穴には、中空軸状のドローバが摺動自在に内挿さ
れ、該ドローバは、その先端部に設けた係止機構によ
り、前記第1工具の後端部に突設されたプルスタッドを
介して第1工具を抜脱不能に係止するようにしている。
【0005】また、前記ドローバの内部には、前記第2
工具によるリーマ加工に際して、該第2工具を前進・後
退させるための駆動ロッドが摺動自在に挿通され、該駆
動ロッドは、その先端部に設けた連結機構により、第2
工具ホルダの後端部に連結されている。
【0006】そして、かかる複合加工装置においては、
まず、第2工具及び第2工具ホルダをシリンダにより駆
動ロッドを介して後退させた状態でスピンドル軸をモー
タにより回転駆動して、第1工具を第1工具ホルダと共
に回転せしめ、この状態で第1工具によりバルブシート
の加工を行うようにしている。次いで、スピンドル軸の
回転速度を変更して、第1工具及び第1工具ホルダを所
定の回転速度で回転せしめ、この状態で、駆動ロッドを
介して第2工具及び第2工具ホルダを前進させ、さらに
後退せしめることによりステムガイド穴のリーマ加工を
行うようにしている。
【0007】ところで、かかる複合加工装置において
は、前記駆動ロッドと第2工具ホルダとを連結すう連結
機構は次のような構成となっている。
【0008】すなわち、第2工具ホルダの後端部には、
T字型の突起が設けられており、これに対応して駆動ロ
ッドの先端部にはT字型の凹部が形成されている。そし
て、第2工具ホルダと駆動ロッドとの連結に際しては、
駆動ロッドをその前進端に前進させた状態で前記第1工
具ホルダをスピンドル軸に挿着し、この時、駆動ロッド
に対して位置決めされた第2工具ホルダの前記突起を駆
動ロッドの前記凹部に挿入するようにしている。そし
て、この状態で駆動ロッドをこれにピニオン及びラック
を介して接続されたモータにより90°回転させ、これ
により前記突起を凹部に挿脱不能に係合させて、第2工
具ホルダと駆動ロッドとを連結するようにしている。
【0009】しかしながら、かかる連結機構にあって
は、ステムガイド穴のリーマ加工時に駆動ロッドを前進
・後退させるためのシリンダの他に、さらに、該駆動ロ
ッドを第2工具ホルダに連結するためにのみ回転させる
モータ等が必要となって、複合加工装置の構成が複雑な
ものとなり易いと共にコスト的にも不利なものとなると
いう不都合があった。
【0010】また、かかる連結機構にあっては、駆動ロ
ッドを前進させた状態で、第2工具ホルダとの連結及び
その解除を行うようにしているために、バルブシートの
加工作業を開始するにあたって、一旦、駆動ロッドを後
退させなければならず、さらに、駆動ロッドと第2工具
ホルダーとの連結及びその解除を行う際に、駆動ロッド
を一々回転させなければならないために、その作業に時
間がかかり、これらのことが作業効率を向上させる妨げ
となっていた。
【0011】さらに、かかる複合加工装置にあっては、
スピンドル軸の後方に配置される駆動ロッド回転用のモ
ータが、該スピンドル軸、駆動ロッド、及び該駆動ロッ
ドを前進・後退させるためのシリンダと軸方向を異とす
るため、これらのモータやシリンダ等をスピンドル軸を
支承するハウジングに一体的に設けることが困難とな
り、これらの構成が大型化しやすいと共に、これらの配
置上の制約を受けやすいという不都合もあった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる不都合
を解消し、スピンドル軸により回転駆動される第1工具
ホルダ内に摺動自在且つ一体に回動自在に設けられた第
2工具ホルダとスピンドル軸内に挿通される駆動ロッド
とを連結するための構成を簡略なものとすることができ
ると共に、その連結及び解除を容易に且つ効率よく行う
ことができ、さらに、該連結構成を含めた全体的構成を
コンパクトなものとすることができる複合加工装置を提
供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる目的を達
成するために、スピンドル軸の先端部に同心に着脱自在
に装着され、該スピンドル軸と一体に回動自在に設けら
れた第1工具ホルダと、該第1工具ホルダに装着された
第1工具と、前記第1工具ホルダの軸心部に貫設された
貫通穴に摺動自在且つ一体に回動自在に内挿された第2
工具ホルダと、該第2工具ホルダの先端部に装着され、
該第2工具ホルダの摺動により前記第1工具ホルダの先
端側に向かって前進・後退自在に設けられた第2工具
と、前記スピンドル軸の軸心部に前記第1工具ホルダの
貫通穴に連通して貫設された貫通穴にその後部側から前
記第2工具ホルダの後端部に向かって軸方向に移動自在
に内挿された駆動ロッドと、該駆動ロッドと前記第2工
具ホルダとを係脱可能に連結する連結手段と、前記駆動
ロッドをその軸方向に移動させることにより該駆動ロッ
ドに前記連結手段を介して連結された前記第2工具ホル
ダを摺動させて前記第2工具を前進・後退せしめるロッ
ド駆動手段とを備えた複合加工装置において、前記連結
手段は、前記駆動ロッド先端部を嵌挿可能に前記第2工
具ホルダの後部に穿設された嵌挿穴と、該嵌挿穴の周壁
部にその径方向に向かって貫設されたボール孔と、該ボ
ール孔に前記嵌挿穴の周壁部の径方向に移動可能に嵌挿
され、その移動により該嵌挿穴の周壁部の内面側及び外
面側に出没可能に設けられたボール体と、前記ボール孔
に対向する前記第1工具ホルダの貫通穴の内周面に、前
記嵌挿穴の周壁部の外面側に突出する前記ボール体を遊
挿可能に設けられた第1凹部と、該第1凹部と前記ボー
ル孔とが対向した状態で前記嵌挿穴に挿脱自在に嵌挿さ
れた前記駆動ロッドの前記ボール孔に対向する外周面
に、前記嵌挿穴の周壁部の内面側に突出する前記ボール
体を嵌入可能に設けられた第2凹部と、前記嵌挿穴に摺
動自在に内挿され、前記ボール孔と第1凹部とが対向す
る位置まで前記駆動ロッドが前記嵌挿穴に嵌挿される際
に、該駆動ロッドの先端部に当接しつつ前記嵌挿穴の内
奥側に摺動可能に設けられた摺動部材と、該摺動部材と
前記嵌挿穴の底部との間に設けられ、前記第1凹部と前
記ボール孔とが対向した状態で該摺動部材の外周面が前
記第2工具ホルダのボール孔を閉塞する位置に該摺動部
材を前記嵌挿穴の開口端側に向かって付勢するスプリン
グと、前記第2凹部にボール体が嵌入された前記駆動ロ
ッドと一体にその前進側に移動可能に設けられ、前記ロ
ッド駆動手段による該駆動ロッドの前進に応じて前記第
2工具ホルダを前進側に押圧する押圧部材とを備え、前
記駆動ロッドにより前記摺動部材を前進させたとき、前
記第1凹部と前記ボール孔とにより係合されている前記
ボール体が前記第2凹部に移動し、前記ボール体により
前記駆動ロッドと前記第2工具ホルダとが連結される
とを特徴とする。
【0014】
【0015】さらに、前記押圧部材は、前記摺動部材か
ら前記嵌挿穴の底部に向かって該摺動部材と一体に移動
自在に突設され、前記ボール孔と第1凹部とが対向する
位置まで前記駆動ロッドが前記嵌挿穴に嵌挿された前記
駆動ロッドが前進側に移動された時に該嵌挿穴の底部に
圧接しつつ前記第2工具ホルダを前進側に押圧すること
を特徴とする。
【0016】また、前記駆動ロッドは、その所定の後退
位置において、前記第2工具ホルダのボール孔と前記第
1凹部とを対向させた状態で前記第1工具ホルダを前記
スピンドル軸に装着することにより前記第2工具ホルダ
の嵌挿部に嵌挿可能に設けられていることを特徴とす
る。
【0017】また、前記ロッド駆動手段は、前記スピン
ドル軸を回動自在に支承するハウジングの後部に該ハウ
ジングと一体的に設けられた流体圧シリンダにより構成
され、該流体圧シリンダの伸縮自在なピストンロッドが
前記駆動ロッドの後端部に同心に連結されていることを
特徴とする。
【0018】
【作用】本発明によれば、前記第2工具ホルダをそのボ
ール孔と前記第1工具ホルダの第1凹部とが対向する位
置に摺動させた状態では、前記ボール体が該第1凹部内
に突出して前記嵌挿部の周壁部の内面側からボール孔内
に埋没し得る状態となり、前記駆動ロッドの先端部を前
記嵌挿部に挿脱自在に嵌挿可能となる。そして、この状
態で、駆動ロッドの先端部を前記嵌挿穴に嵌挿すると、
該駆動ロッドの前記第2凹部が前記ボール孔に対向し、
この時、前記ボール体は前記嵌挿部の周壁部の内面側に
突出して該第2凹部に嵌入し得る状態となる。次いで、
前記駆動ロッドを前記ロッド駆動手段により前進させる
と、前記押圧部材を介して前記第2工具ホルダが前進側
に押圧されて前進し、この時、前記ボール孔及びボール
体が前記第1凹部から離反して、前記ボール体が前記駆
動ロッドの第凹部に嵌入され、この状態が維持され
る。これにより該駆動ロッドの先端部は前記嵌挿部から
抜脱不能となって両者が連結され、前記第2工具ホルダ
は、該駆動ロッドと一体に前進・後退し得るようにな
る。そして、このように駆動ロッドと第2工具ホルダと
を連結した状態で前記ロッド駆動手段により駆動ロッド
を前進・後退させることにより、前記第2工具が第2工
具ホルダと共に前進・後退し、これにより、該第2工具
による加工を行うことが可能となる。
【0019】尚、第2工具ホルダと駆動ロッドとの連結
を解除する際には、上記の場合と逆に、前記ロッド駆動
手段により、駆動ロッドと共に、前記第2工具ホルダを
そのボール孔が前記第1凹部に対向する位置に摺動させ
ることにより、該駆動ロッドが前記嵌挿穴から挿脱自在
な状態となり、この状態で、前記第1工具ホルダを前記
スピンドル軸から取り外せば、前記駆動ロッドも第2工
具ホルダの嵌挿穴から抜脱される。
【0020】また、前記嵌挿穴に摺動自在に内挿された
摺動部材と、これを付勢する前記スプリングとを備え
いるので、前記前記第2工具ホルダのボール孔と前記第
1工具ホルダの第1凹部とが対向し、且つ、前記駆動ロ
ッドが前記嵌挿穴から抜脱された状態では、前記摺動部
材がスプリングの付勢力により前記ボール孔を閉塞する
位置に摺動するので、前記ボール体が前記第1凹部に突
出した状態に維持され、これにより、該第2工具ホルダ
が、そのボール孔と前記第1凹部とが対向する位置に保
持される。そして、前記駆動ロッドを前記嵌挿穴に嵌挿
する際には、前記手動部材は、該駆動ロッドの第2凹部
が前記ボール孔に対向する位置まで該駆動ロッドの先端
部に当接しつつ前記嵌挿穴の内奥側に摺動する。
【0021】この場合、前記押圧部材を前記摺動部材か
ら前記嵌挿穴の底部に向かって突設したときには、前記
駆動ロッドが、その第2凹部が前記ボール孔に対向する
位置まで前記嵌挿穴に嵌挿された状態で該駆動ロッドを
前進させると、これと共に嵌挿穴内を前進する前記摺動
部材を介して前記押圧部材が嵌挿穴の底部に圧接し、こ
れにより、駆動ロッドの前進に伴って前記第2工具ホル
ダが押圧・前進され、その前進による駆動ロッドと第2
工具ホルダとの連結がなされる。
【0022】また、前記駆動ロッドの後退位置におい
て、前記第1工具ホルダを前記スピンドル軸に装着する
ことにより前記第2工具ホルダの嵌挿部に駆動ロッドの
先端部が嵌挿されるように構成しておくことによって、
前記第2工具による加工時に前記駆動ロッドを前進させ
るだけで、その前進と並行して駆動ロッドと第2工具ホ
ルダとの連結がなされる。
【0023】また、前記駆動ロッドの前進・後退作動だ
けで、前記第2工具による加工作業と、該駆動ロッドの
第2工具ホルダへの連結及びその解除作業とが行われる
ので、前記ロッド駆動手段を、前記スピンドル軸を回動
自在に支承するハウジングの後部に該ハウジングと一体
的に設けた流体圧シリンダにより構成することが可能と
なり、このようにロッド駆動手段としての流体圧シリン
ダとスピンドル軸のハウジングとを一体的に構成するこ
とにより、複合加工装置の構成をコンパクトなものとす
ることが可能となる。
【0024】
【実施例】本発明の一例を図1乃至図5を参照して説明
する。図1は本実施例の複合加工装置の前部の縦断面
図、図2は該複合加工装置の後部の縦断面図、図3は工
具ホルダの縦断面図、図4は該複合加工装置の作動を説
明するための作動説明図、図5は図4のV−V線断面図
である。
【0025】図1及び図2において、1はハウジング2
に回動自在に支承されたスピンドル軸、3はスピンドル
軸1の先端部に挿着された第1工具ホルダ、4は第1工
具ホルダ3の内部に設けられた第2工具ホルダである。
【0026】スピンドル軸1は、そのほぼ全長にわたっ
てハウジング2に内挿され、その前部及び後部が図示し
ないベアリングを介してハウジング2に回動自在に支承
されている。この場合、図1に示すように、ハウジング
2に支承されるスピンドル軸1の前部の外周面には螺旋
溝5が形成されており、この螺旋溝5を被覆するように
してスピドル軸1に焼きばめ等により挿着・固定された
筒体6がハウジング2に支承されている。
【0027】スピンドル軸1の中間部に対応するハウジ
ング2の内部には、スピンドルモータ7が内蔵されてい
る。このスピンドルモータ7は、スピンドル軸1の中間
部に挿着・固定されたロータ8と、このロータ8を被包
してハウジング2の内壁に固着されたステータ9と、こ
のステータ9に巻装されたコイル10とを備えるもので
あり、コイル10への通電により、直接的にスピンドル
軸1をロータ8と一体に回転駆動するようにしている。
【0028】スピンドル軸1の軸心部には、貫通穴11
が貫設されており、この貫通穴11の先端部は、先端側
に拡径するテーパ穴12となっている。
【0029】図3に示すように、前記第1工具ホルダ3
は、前記スピンドル軸1のテーパ穴12に同心に嵌挿可
能なテーパ部13を後部に有するホルダ本体14と、そ
のテーパ部13の後端部から同心に突設されたプルスタ
ッド15とから成り、ホルダ本体14の先端部には、例
えばエンジンのバルブシート切削加工用のチップ16を
外周部に固着した第1工具17がネジ18により同心に
取付けられている。
【0030】プルスタッド15は、その基部19がホル
ダ本体14の軸心部に貫設された貫通穴20に内挿され
て螺着されており、該プルスタッド15の軸心部にはホ
ルダ本体14の貫通穴20に同心に連通する貫通穴21
が貫設されている。また、プルスタッド15の後端部2
2と基部19との間の外周面には環状凹部23が形成さ
れており、後端部22は環状凹部23よりも大径に形成
されている。さらに、プルスタッド15の貫通穴21
は、その後端部を除き、同一径に形成されており、該貫
通穴21の後端部には、環状凹部(第1凹部)24が形
成されている。
【0031】前記第2工具ホルダ4は、第1工具ホルダ
3のプルスタッド15の貫通穴21からホルダ本体14
の貫通穴20にかけてこれらの貫通穴21,20に摺動
自在に内挿されたロッド状のものであり、その先端部に
は、例えばエンジンのバルブステムガイド穴のリーマ加
工用の第2工具25が取付けられている。この場合、第
2工具25は、先端部外周面にリーマ部26を形成した
ロッド状のものであり、その後端部が第2工具ホルダ4
の先端部の軸心部に穿設された工具取付穴27に同心に
嵌挿されてネジ28により第2工具ホルダ4に固定され
ている。そして、第2工具25はホルダ本体14の貫通
穴20から、これに同心に連通して第1工具17に貫設
された貫通穴29を摺動自在に通って第1工具17の先
端側に突出され、第2工具ホルダ4の摺動に連動して、
前進・後退自在とされている。
【0032】第2工具ホルダ4の外周面には、図5に示
すようにその後端部から前部側にかけて互いに平行に延
在する一対の面取り部30,30が形成されており、こ
れらの面取り部30,30には、該面取り部30,30
に臨んでホルダ本体14にその軸心と直交して貫設され
たピン穴31,31に圧入されたピン32,32が当接
・係合している。これにより、第2工具ホルダ4は、第
1工具ホルダ3と一体にその軸心回りに回動自在とされ
ている。
【0033】また、第2工具ホルダ4の後部には、その
後端から前部側に向かって軸心部に穿設された嵌挿穴3
3と、該嵌挿穴33の周壁部34の後端部(嵌挿穴33
の開口端部)にその周方向に間隔を存して該嵌挿穴33
の径方向に向かって貫設された複数のボール孔35と、
各ボール孔35に嵌挿されたボール体36と、嵌挿穴3
3に摺動自在に内挿されたロッド状の摺動部材37と、
該摺動部材37と嵌挿穴33の底部との間に圧縮状態で
介装されて摺動部材37を嵌挿穴33の開口端側に付勢
するコイルスプリング38と、摺動部材37からコイル
スプリング38の軸心部を通って嵌挿穴33の底部に向
かって突設されたロッド状の押圧部材39とが設けら
れ、嵌挿穴33はプルスタッド15の貫通穴21を介し
て後方に開口している。これらの構成は、後述する駆動
ロッド43と第2工具ホルダ4とを連結するための連結
手段を構成するものである。
【0034】各ボール体36は、その直径が嵌挿穴33
の周壁部34の肉厚よりも若干、大きく形成されている
と共に、前記ボール孔35にこれに沿って移動可能に嵌
挿されており、その移動により、嵌挿穴33の周壁部3
4の内面側あるいは外面側に出没可能とされている。こ
の場合、図3に示すように第2工具ホルダ4が後退され
た状態で、各ボール孔35が前記プルスタッド15の環
状凹部24に対向するようになっており、この状態で、
各ボール体36は周壁部34の外面側の環状凹部24内
に突出し、且つ周壁部34の内面側から埋没可能とされ
ている。そして、図4に示すように第2工具ホルダ4が
前進された時には、第2工具ホルダ4の外周面の各ボー
ル孔35の箇所がプルスタッド15の内周面に摺接する
ようになっており、このため、各ボール体36は、周壁
部34の外面側からボール孔35内に埋没し、周壁部3
4の内面側(嵌挿穴33の内部側)に突出するようにな
っている。
【0035】尚、各ボール孔35の嵌挿穴33側の端部
はボール体36の直径よりも若干、縮径されており、こ
れにより、ボール体36が嵌挿穴33内に脱落すること
のないようにされている。
【0036】摺動部材37の側面部には、その軸方向に
延在する長孔40が貫設されており、この長孔40に
は、図5に示すように、嵌挿穴33をその直径方向に横
断するように周壁部34に挿通・固定された係止ピン4
1が挿入されている。これにより、摺動部材37は、係
止ピン41が長孔40内を動き得る範囲で嵌挿穴33内
を摺動自在とされると共に、図3に示すように前記ボー
ル孔35とプルスタッド15の環状凹部24とが対向す
る状態で、前記コイルスプリング38の付勢力により嵌
挿穴33の開口端側に摺動して係止ピン41を介して係
止される。そして、このように摺動部材37が、嵌挿穴
33の開口端側に摺動して係止された状態では、該摺動
部材37の外周面が前記各ボール孔35の箇所で周壁部
34の内周面に摺接するようになっており、このため、
前記各ボール体36は、周壁部34の内面側に突出不能
となって前記プルスタッド15の環状凹部24内に突出
した状態に維持される。これにより第2工具ホルダ4
は、ボール体36を介してプルスタッド15の環状凹部
24に係止され、前記各ボール孔35と環状凹部24と
が対向する位置に保持される。
【0037】また、摺動部材37は、コイルスプリング
38の付勢力に抗して嵌挿穴33の内奥側に押圧された
時に前記押圧部材39が嵌挿穴33の底部に当接する位
置まで摺動可能とされ、この状態では、図4に示すよう
に、各ボール孔35を嵌挿穴33内に解放するようにし
ている。
【0038】図1及び図2において、前記スピンドル軸
1の貫通穴11には、その後端部から前記テーパ穴12
に向かって中空ロッド状のドローバ42が同心に摺動自
在に挿入され、このドローバ42の軸心部にその後端部
から先端部に向かって駆動ロッド43が摺動自在に挿入
されている。
【0039】ドローバ42は、後述するようにスピンド
ル軸1に挿着された前記第1工具ホルダ3を係止するた
めのものであり、図1の実線示の位置(後退位置)と、
同図仮想線示の位置(前進位置)との間でスピンドル軸
1の貫通穴11内を摺動自在とされている。そして、ス
ピンドル軸1の中間部の貫通穴11内には、スピンドル
軸1の前部側で貫通穴11の内周部に設けられたバネ受
け部44(図1参照)とスピンドル軸1の後部側でドロ
ーバ42の外周部に設けられたバネ受け部45との間で
ドローバ42に外挿されたコイルスプリング46が圧縮
状態で収納されており、このコイルスプリング46によ
りドローバ42が前記後退位置に付勢されている。
【0040】このドローバ42の先端部には、図1に示
すように前記第1工具ホルダ3のプルスタッド15の後
端部22を同心に嵌挿可能な嵌挿穴47が穿設されてお
り、該嵌挿穴47の周壁部48の開口端寄りの端部に
は、その周方向に間隔を存して、該周壁部48の径方向
に向かって複数のボール孔49が貫設されている。そし
て、各ボール孔49には、周壁部48の肉厚よりも若
干、大きな直径を有するボール体50が該ボール孔49
に沿って移動可能に嵌挿され、該ボール体50は、その
移動により周壁部48の外面側あるいは内面側に出没自
在とされている。
【0041】この場合、ドローバ42の後退位置におい
ては、周壁部48の外周面はボール孔49の位置でスピ
ンドル軸1の貫通穴11の内周面に摺接するようになっ
ており、これにより、各ボール体50は、周壁部48の
内面側(嵌挿穴47の内部側)に突出する。また、スピ
ンドル軸1の貫通穴11の内周面には、ドローバ42の
前進位置において各ボール孔49に対向する環状凹部5
1が形成されており、これにより、該前進位置において
は、各ボール体50は、周壁部48の内面側から埋没
し、且つ、周壁部48の外面側で環状凹部51内に突出
し得るようになっている。そして、第1工具ホルダ3の
プルスタッド15の後端部22は、上記のようにボール
孔49及び環状凹部51が対向した状態(ドローバ42
の前進位置)で嵌挿穴47に摺接しつつ嵌挿可能とさ
れ、また、プルスタッド15の前記環状凹部23がボー
ル孔49に対向する位置まで該プルスタッド15の後端
部22が嵌挿穴47内に嵌挿された時には、該環状凹部
23により、各ボール体50は、嵌挿穴47の内部側に
突出可能な状態とされる。
【0042】尚、図2を参照して、ドローバ22は、そ
の後退位置において、該ドローバ22の後端部の外周面
に設けられた顎部52がスピンドル軸1の後端部に設け
られたストッパ53により係止されるようになってい
る。
【0043】前記駆動ロッド43は、図1に示す位置
(後退位置)と、図4に示す位置(前進位置)との間で
ドローバ42内を同心に摺動自在とされ、その先端部5
4は、前記第2工具ホルダ4の嵌挿穴33に摺接しつつ
嵌挿可能な径に形成されている。そして、駆動ロッド4
3の先端部54の後部側に連なる外周面には、環状凹部
(第2凹部)55が形成されており、この環状凹部55
は、図1に示すように駆動ロッド43の先端部54が第
2工具ホルダ4の嵌挿穴33に嵌挿された時に、前記ボ
ール孔35に対向し、この対向状態では、前記嵌挿穴3
3内に突出し、且つ該嵌挿穴33の周壁部34の外面側
からボール孔35内に埋没した前記ボール体36が駆動
ロッド43の環状凹部55に嵌入可能とされる。
【0044】図2に示すように、前記ハウジング2の後
部には、前記ドローバ42を前進・後退せしめるドロー
バ駆動用流体圧シリンダ56と、前記駆動ロッド43を
前進・後退せしめるロッド駆動用流体圧シリンダ57
(ロッド駆動手段)とが設けられている。
【0045】ドローバ駆動用流体圧シリンダ56は、ス
ピンドル軸1の後方でハウジング2内にスピンドル軸1
と同心に保持されたシリンダ筒58と、該シリンダ筒5
8に同心に摺動自在に支承されたピストン筒59と、該
ピストン筒59の外周面に一体に形成されたピストン6
0とを備えている。
【0046】ピストン60は、シリンダ筒58の内周面
に形成された環状溝61内で摺動自在とされ、シリンダ
筒58の前端部に形成された顎部62と該ピストン60
との間に圧縮状態で介装されたコイルスプリング63に
よりピストン筒59と共に後退側に付勢されている。こ
の場合、前記コイルスプリング46により後退位置に付
勢されたドローバ42は、その後端部がスピンドル軸1
の貫通穴11からシリンダ筒58内に同心に突出されて
おり、ピストン筒59は、ピストン60と共に後退され
た状態で、ドローバ42に後端面にこれと若干の隙間を
存して対向するようになっている。
【0047】そして、前記環状溝61内でピストン60
の後方に形成された流体室64には、ハウジング2に接
続された流体供給管65がシリンダ筒58の後部の内部
に形成された流体通路66を介して連通・接続されてい
る。
【0048】かかるドローバ駆動用流体圧シリンダ56
においては、流体供給管65から流体通路66を介して
流体室64に加圧流体を供給することにより、ピストン
60及びピストン筒59がコイルスプリング63の付勢
力に抗して前進され、この時、ピストン筒59の先端部
がドローバ42の後端部に当接して該ドローバ42を前
進側に押圧することにより、該ドローバ42を前記前進
位置に駆動するようにしている。そして、流体室64へ
の加圧流体の供給を解除して、コイルスプリング63の
付勢力によりピストン60及びピストン筒59を後退せ
しめることにより、前記コイルスプリング46により後
退位置に付勢されたドローバ42を該後退位置に復帰さ
せるようにしている。
【0049】前記ロッド駆動用流体圧シリンダ57は、
ハウジング2の後端部にスピンドル軸1と同心に該ハウ
ジング2と一体的に形成されたシリンダ筒67と、該シ
リンダ筒67にピストン68を介して摺動自在に挿入さ
れたピストン筒69と、該ピストン筒69内にベアリン
グ70,70を介して回動自在且つ該ピストン筒69と
一体に移動自在に内挿された中空のピストンロッド71
とを備え、ピストンロッド71の先端部は、ドローバ4
2内から前記ドローバ駆動用流体圧シリンダ56のピス
トン筒59内を貫通してその後方に突出された駆動ロッ
ド43の後端部に焼きばめ等により同心に挿着・固定さ
れている。そして、シリンダ筒67の内部には、ピスト
ン68の前後に流体室72,73が形成され、これらの
流体室72,73には、それぞれハウジング2に接続さ
れた流体供給管74,75がハウジング2の内部に形成
された流体供給路76,77を介して連通・接続されて
いる。
【0050】かかるロッド駆動用流体圧シリンダ57に
おいては、流体供給管74から流体供給路76を介して
流体室72に加圧流体を供給することにより、ピストン
68及びピストン筒69がピストンロッド71及び駆動
ロッド43と共に後退し、これにより駆動ロッド43が
前記後退位置(図1参照)に移動される。また、流体供
給管75から流体供給路77を介して流体室73に加圧
流体を供給することにより、ピストン68及びピストン
筒69がピストンロッド71及び駆動ロッド43と共に
前進され、これにより駆動ロッド43が前記前進位置
(図4参照)まで前進される。
【0051】尚、図1及び図2において、本実施例の複
合加工装置においては、ロッド駆動用流体圧シリンダ5
7の後端部からこれに連結された駆動ロッド43の前部
にかけてこれらの軸心部に加工液供給路78が形成され
ており、この加工液供給路78の後端部には、ロータリ
ジョイント79を介して加工液供給管80が接続されて
いる。そして、加工液供給路78は、後述するように前
記第1工具ホルダ3がスピンドル軸1に挿着された状態
で、前記スピンドル軸1の前部の外周面に形成された螺
旋溝5を介して、第1工具ホルダ3の内部に形成された
加工液供給路81に連通し、さらに、該加工液供給路8
1から第1工具17及び第2工具25の内部にそれぞれ
形成された加工液供給路82,83を介して前記第1工
具17のチップ16及び第2工具25のリーマ部26の
箇所に連通するようになっている。
【0052】次に、本実施例の複合加工装置の作動を説
明する。
【0053】図1において、第1工具17を装着した第
1工具ホルダ3と、第2工具25が装着されて第1工具
ホルダ3に組み込まれた第2工具ホルダ4とをスピンド
ル軸1に取付ける際には、前述したようにドローバ駆動
用流体圧シリンダ56により、ドローバ42を前記前進
位置(図1の仮想線示の位置)に前進させ、また、ロッ
ド駆動用流体圧シリンダ57により、前記駆動ロッド4
3を前記後退位置(図1に示す位置)に後退させた状態
で、第1工具ホルダ3のテーパ部13をスピンドル軸1
のテーパ穴12に同心に嵌挿する。
【0054】この時、ドローバ42の先端部の前記ボー
ル孔49は、スピンドル軸1の貫通穴11の環状凹部5
1に対向しており、このため、該ボール孔49に嵌挿さ
れているボール体50は環状凹部51内に突出し、且つ
前記嵌挿穴47の内面側からボール孔49内に埋没可能
な状態となっている。
【0055】この状態において、第1工具ホルダ3のプ
ルスタッド15の後端部22は、テーパ穴12へのテー
パ部13の嵌挿に伴って、ドローバ42の嵌挿穴47の
内周面に摺接しつつ該嵌挿穴47内に嵌挿され、この嵌
挿は、ボール体50が環状凹部51内に突出することに
より支障なく行われる。そして、テーパ部13がテーパ
穴12に完全に嵌挿された状態で、プルスタッド15の
後端部22が嵌挿穴48のボール孔49の位置から若
干、内奥側の位置まで嵌挿され、この時、プルスタッド
15の前記環状凹部23に対向する。この状態では、ボ
ール体50は、嵌挿穴47の内部側の環状凹部23内に
突出可能とされ、また、プルスタッド15の後端部22
は、嵌挿穴47から抜脱可能な状態となっている。
【0056】一方、かかる作動と並行して、前記後退位
置に移動されている駆動ロッド43の先端部54は、第
1工具ホルダ3のテーパ部13のテーパ穴12への嵌挿
に伴って次のように第2工具ホルダ4の嵌挿穴33に嵌
挿される。
【0057】すなわち、前述したように、第2工具ホル
ダ4は、そのボール孔35とプルスタッド15の内周面
の環状凹部24とが対向する位置に後退された状態でボ
ール体36を介して第1工具ホルダ3に保持されており
(図3参照)、駆動ロッド43の先端部54は、第1工
具ホルダ3のテーパ部13がテーパ穴12に嵌挿される
に伴って、まず、プルスタッド15の貫通穴21を介し
て第2工具ホルダ4の嵌挿穴33内に進入し、次いで、
該嵌挿穴33の開口端側に摺動されている前記摺動部材
37の後端面に当接・係合しつつ、該摺動部材37を前
記コイルスプリング38の付勢力に抗して嵌挿穴33の
底部側に押送することにより、該嵌挿穴33に徐々に嵌
挿される。この時、この嵌挿は、ボール孔35内のボー
ル体36がプルスタッド15の環状凹部24内に突出す
ることにより支障なく行われる。そして、最終的に第1
工具ホルダ3のテーパ部13がテーパ穴12に嵌挿され
た状態では、駆動ロッド43の先端部54は、その後方
に連なって駆動ロッド43の外周面に形成された前記環
状凹部55がボール孔35に対向する位置まで嵌挿穴3
3内に嵌挿される。この状態では、ボール体36は嵌挿
穴33の内部側の環状凹部55内に突出可能とされ、ま
た、駆動ロッド43の先端部54は嵌挿穴33から抜脱
可能な状態となっている。さらに、かかる嵌挿時に前記
摺動部材37と一体に嵌挿穴33の底部側に移動される
前記押圧部材39の先端部は嵌挿穴33の底部に略当接
した状態とされている。
【0058】このように、第1工具ホルダ3のテーパ部
13がテーパ穴12に嵌挿され、また、駆動ロッド43
の先端部54が第2工具ホルダ4の嵌挿穴33に嵌挿さ
れた状態で、次に、前記ドローバ駆動用流体圧シリンダ
56により、ドローバ42が前記後退位置に後退され
る。
【0059】この時、前述したように、ドローバ42の
ボール孔49が、スピンドル軸1の貫通穴11の環状凹
部51から離反すると共に、該ボール孔49の位置でド
ローバ49の外周面が貫通穴11の内周面に摺接し、こ
のため、図1に示すように、ボール孔49内のボール体
50は、前記プルスタッド15の外周面の環状凹部23
内に突出した状態に維持されると共に、プルスタッド1
5の後端部22に当接・係合する。これにより、第1工
具ホルダ3のプルスタッド15は、ドローバ42の嵌挿
穴47内にボール体50を介して抜脱不能に係止される
と共に、該第1工具ホルダ3のテーパ部13がスピンド
ル軸1のテーパ穴12の内壁に圧接され、該第1工具ホ
ルダ3がスピンドル軸1と一体に回動自在な状態にテー
パ嵌合される。
【0060】尚、第2工具ホルダ4は、前述したよに第
1工具ホルダ3と一体に回動自在とされているので、上
記のように、第1工具ホルダ3がスピンドル軸1にテー
パ嵌合された状態では、第2工具ホルダ4もスピンドル
軸1と一体に回動自在とされる。
【0061】次いで、かかる状態において、例えば、図
示しない内燃機関のバルブシートの切削加工とバルブス
テム穴のリーマ加工とを行う際には、まず、スピンドル
軸1をこれに連結された第1工具ホルダ3及び前記第1
工具17と共に前記スピンドルモータ7により回転駆動
すると共に、スピンドル軸1をそのハウジング2を介し
て、図示しない進退装置によりワークに向かって前進さ
せ、これにより、第1工具17によるバルブシートの切
削加工を行う。
【0062】次いで、該バルブシートの切削加工が終了
すると、スピンドル軸1をそのハウジング2を介して若
干、後退させた後に、該スピンドル軸1が第1工具ホル
ダ3及び第2工具ホルダ4と共に、バルブステム穴のリ
ーマ加工用の所定の回転速度で回転駆動され、この状態
で、前記ロッド駆動用流体圧シリンダ57により、駆動
ロッド43が前進駆動される。
【0063】この時、図4を参照して、駆動ロッド43
が前進駆動されると、第2工具ホルダ4の嵌挿穴33内
の押圧部材39が駆動ロッド43と一体に前進しつつ、
該嵌挿穴33の底部を介して第2工具ホルダ4を前進側
に押圧する。このため、第2工具ホルダ4も前進し、こ
の時、第2工具ホルダ4のボール孔35がプルスタッド
15の内周面の環状凹部24から離反すると共に、該ボ
ール孔35の位置で第2工具ホルダ4の外周面がプルス
タッド15の内周面に摺接する。これにより、ボール孔
35内のボール体36は、駆動ロッド43の環状凹部5
5内に突出した状態に維持され、従って、駆動ロッド4
3の先端部54は、第2工具ホルダ4の嵌挿穴33内に
ボール体36を介して抜脱不能に係止されて、該第2工
具ホルダ4に連結される。かかる状態において、第2工
具ホルダ4に取付けられている前記第2工具25は第2
工具ホルダ4と一体に回転しつつワークに向かって前進
し、そのリーマ部26によりバルブステム穴のリーマ加
工を行う。
【0064】次いで、駆動ロッド43が最大限に前進さ
れ、バルブステム穴のリーマ加工が終了すると、前記ロ
ッド駆動用流体圧シリンダ57により、駆動ロッド43
が前記後退位置(図1に示す位置)に後退される。この
時、前述したように、駆動ロッド43の先端部54は、
第2工具ホルダ4に連結されているので、該第2工具ホ
ルダ4及び第2工具25も駆動ロッド43と共に原位置
に後退する。
【0065】そして、この後退により、第2工具ホルダ
4は、そのボール孔35がプルスタッド15の環状凹部
24に対向する位置に後退し、これにより、駆動ロッド
43は、再び第2工具ホルダ4の嵌挿穴33から抜脱可
能な状態とされる。
【0066】尚、上述した第1工具17及び第2工具2
5による加工時には、第1工具17の前記チップ16及
び第2工具25のリーマ部26には、それぞれ前記加工
液供給路78等を介して加工液が供給される。
【0067】このようにして、ワークの加工が終了した
後に、前記第1工具ホルダ3をスピンドル軸1から取り
外す際には、前記ドローバ駆動用流体圧シリンダ56に
よりドローバ42が前記前進位置に前進されて、第1工
具ホルダ3のプルスタッド15がドローバ42の嵌挿穴
48から抜脱可能な状態とされ、この状態で、第1工具
ホルダ3がスピンドル軸1のテーパ穴12から抜脱され
る。
【0068】この時、前記駆動ロッド43は前述したよ
うに第2工具ホルダ4の嵌挿穴33から抜脱可能な状態
となっているので、該第2工具ホルダ4の第1工具ホル
ダ3と共に、駆動ロッド43から取り外される。そし
て、この取り外しの際には、駆動ロッド43の先端部5
4が、嵌挿穴33から抜脱されるに伴って、前記摺動部
材37がコイルスプリング38の付勢力により嵌挿穴3
3の開口端側に摺動し、最終的には、図3に示すように
ボール孔35閉塞する。このため、該ボール孔35内の
ボール体36は、プルスタッド15の環状凹部24内に
突出した状態に維持され、これにより、第2工具ホルダ
4は、ボール孔35と環状凹部24とが対向する位置
で、すなわち、駆動ロッド43が、嵌挿穴33に挿脱自
在となる位置でボール体36を介して第2工具ホルダ3
に保持される。
【0069】このように、本実施例の複合加工装置にお
いては、第2工具ホルダ4と駆動ロッド43との連結
を、第2工具25による加工時に駆動ロッド43を前進
させるだけで、容易に連結することができ、また、その
連結の解除を加工の終了後に駆動ロッド43を後退させ
るだけで行うことができる。従って、駆動ロッド43と
第2工具ホルダ4との連結及びその解除と、第2工具2
5を用いた加工とを連続的に効率よく行うことができ
る。
【0070】また、第2工具ホルダ4と駆動ロッド43
との連結のために、駆動ロッド43の先端部54を第2
工具ホルダ4の嵌挿穴33に嵌挿する作業は、第1工具
ホルダ3をスピンドル軸1に装着するだけで容易に行う
ことができ、第2工具ホルダ4と駆動ロッド43との連
結のための作業を極めて効率よく行うことができる。
【0071】
【発明の効果】上記の説明から明らかなように、本発明
によれば、第2工具ホルダに設けたボール孔が第1工具
ホルダに設けた第1凹部に対向した状態で駆動ロッドの
先端部を第2工具ホルダの嵌挿穴に嵌挿すると共に、該
駆動ロッドの外周面に設けた第2凹部を前記ボール孔に
対向させ、さらに駆動ロッドを前進させつつ押圧部材に
より第2工具ホルダを押圧して前進させることにより、
ボール孔に嵌挿されたボール体を駆動ロッドの第2凹部
に嵌入した状態に維持して駆動ロッドと第2工具ホルダ
とを連結するように構成したことによって、その連結及
び解除のための構成を簡略なものとすることができると
共に、その連結及び解除を容易に行うことができる。
【0072】そして、第2工具ホルダの嵌挿穴から駆動
ロッドを抜脱した状態で、嵌挿穴に摺動自在に内挿した
摺動部材により、ボール孔を第1工具ホルダの第1凹部
に対向する位置で閉塞して、ボール体を第1工具ホルダ
の第1凹部に突出した状態に維持し、第1工具ホルダを
そのボール孔が第1工具ホルダの第1凹部に対向する位
置、すなわち、駆動ロッドが第2工具ホルダの嵌挿穴に
挿脱自在となる位置でボール体を介して第2工具ホルダ
に保持せしめるように構成したことによって、駆動ロッ
ドと第2工具ホルダとの連結作業を極めて容易に短時間
で行うことができる。
【0073】この場合、前記押圧部材を摺動部材から嵌
挿穴の底部に向かって突設して設けたことによって、該
押圧部材を極めて簡略なものとすることができると共
に、駆動ロッドの前進に連動した第2工具ホルダの前進
側への押圧を円滑に行うことができ、駆動ロッドと第2
工具ホルダとの連結を円滑に行うことができる。
【0074】また、駆動ロッドの後退位置において、第
1工具ホルダをスピンドル軸に装着することにより該駆
動ロッドが第2工具ホルダの嵌挿穴に嵌挿されるように
構成したことによって、駆動ロッドと第2工具ホルダと
の連結は、第2工具による加工時に駆動ロッドを前進さ
せるだけで行うことができ、その連結作業と第2工具に
よる加工作業とを連続的に効率よく行うことができる。
従って、加工作業の作業効率を向上させることができ
る。
【0075】また、駆動ロッドの前進・後退駆動だけ
で、駆動ロッドと第2工具ホルダとの連結及びその解除
と、第2工具による加工作業とを行うことができるの
で、該駆動ロッドを駆動するためのロッド駆動手段を、
スピンドル軸を支承するハウジングに一体的に設けた流
体圧シリンダにより構成することができ、このように、
流体圧シリンダをスピンドル軸を支承するハウジングに
一体的に設けることにより、複合加工装置の全体的構成
をコンパクトで簡略なものとすることができると共に、
そのスピンドル軸を備えた主要部を機台に取り付ける際
の配置上の自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合加工装置の一例の前部の縦断面
図。
【図2】図1の複合加工装置の後部の縦断面図。
【図3】図1の複合加工装置に装着された工具ホルダの
縦断面図。
【図4】図1の複合加工装置の作動説明図。
【図5】図5のV−V線断面図。
【符号の説明】
1…スピンドル軸、2…ハウジング、3…第1工具ホル
ダ、4…第2工具ホルダ、17…第1工具、24…環状
凹部(第1凹部)、25…第2工具、33…嵌挿穴、3
5…ボール孔、36…ボール体、37…摺動部材、38
…コイルスプリング、39…押圧部材、43…駆動ロッ
ド、55…環状凹部(第2凹部)、57…ロッド駆動用
流体圧シリンダ(ロッド駆動手段)、71…ピストンロ
ッド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23P 23/02 B23B 41/00 B23B 19/02 B23B 31/107 B23B 41/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スピンドル軸の先端部に同心に着脱自在に
    装着され、該スピンドル軸と一体に回動自在に設けられ
    た第1工具ホルダと、該第1工具ホルダに装着された第
    1工具と、前記第1工具ホルダの軸心部に貫設された貫
    通穴に摺動自在且つ一体に回動自在に内挿された第2工
    具ホルダと、該第2工具ホルダの先端部に装着され、該
    第2工具ホルダの摺動により前記第1工具ホルダの先端
    側に向かって前進・後退自在に設けられた第2工具と、
    前記スピンドル軸の軸心部に前記第1工具ホルダの貫通
    穴に連通して貫設された貫通穴にその後部側から前記第
    2工具ホルダの後端部に向かって軸方向に移動自在に内
    挿された駆動ロッドと、該駆動ロッドと前記第2工具ホ
    ルダとを係脱可能に連結する連結手段と、前記駆動ロッ
    ドをその軸方向に移動させることにより該駆動ロッドに
    前記連結手段を介して連結された前記第2工具ホルダを
    摺動させて前記第2工具を前進・後退せしめるロッド駆
    動手段とを備えた複合加工装置において、前記連結手段
    は、前記駆動ロッド先端部を嵌挿可能に前記第2工具ホ
    ルダの後部に穿設された嵌挿穴と、該嵌挿穴の周壁部に
    その径方向に向かって貫設されたボール孔と、該ボール
    孔に前記嵌挿穴の周壁部の径方向に移動可能に嵌挿さ
    れ、その移動により該嵌挿穴の周壁部の内面側及び外面
    側に出没可能に設けられたボール体と、前記ボール孔に
    対向する前記第1工具ホルダの貫通穴の内周面に、前記
    嵌挿穴の周壁部の外面側に突出する前記ボール体を遊挿
    可能に設けられた第1凹部と、該第1凹部と前記ボール
    孔とが対向した状態で前記嵌挿穴に挿脱自在に嵌挿され
    た前記駆動ロッドの前記ボール孔に対向する外周面に、
    前記嵌挿穴の周壁部の内面側に突出する前記ボール体を
    嵌入可能に設けられた第2凹部と、前記嵌挿穴に摺動自
    在に内挿され、前記ボール孔と第1凹部とが対向する位
    置まで前記駆動ロッドが前記嵌挿穴に嵌挿される際に、
    該駆動ロッドの先端部に当接しつつ前記嵌挿穴の内奥側
    に摺動可能に設けられた摺動部材と、該摺動部材と前記
    嵌挿穴の底部との間に設けられ、前記第1凹部と前記ボ
    ール孔とが対向した状態で該摺動部材の外周面が前記第
    2工具ホルダのボール孔を閉塞する位置に該摺動部材を
    前記嵌挿穴の開口端側に向かって付勢するスプリング
    と、前記第2凹部にボール体が嵌入された前記駆動ロッ
    ドと一体にその前進側に移動可能に設けられ、前記ロッ
    ド駆動手段による該駆動ロッドの前進に応じて前記第2
    工具ホルダを前進側に押圧する押圧部材とを備え、前記
    駆動ロッドにより前記摺動部材を前進させたとき、前記
    第1凹部と前記ボール孔とにより係合されている前記ボ
    ール体が前記第2凹部に移動し、前記ボール体により前
    記駆動ロッドと前記第2工具ホルダとが連結されること
    を特徴とする複合加工装置。
  2. 【請求項2】前記押圧部材は、前記摺動部材から前記嵌
    挿穴の底部に向かって該摺動部材と一体に移動自在に突
    設され、前記ボール孔と第1凹部とが対向する位置まで
    前記駆動ロッドが前記嵌挿穴に嵌挿された前記駆動ロッ
    ドが前進側に移動された時に該嵌挿穴の底部に圧接しつ
    つ前記第2工具ホルダを前進側に押圧することを特徴と
    する請求項記載の複合加工装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動ロッドは、その所定の後退位置に
    おいて、前記第2工具ホルダのボール孔と前記第1凹部
    とを対向させた状態で前記第1工具ホルダを前記スピン
    ドル軸に装着することにより前記第2工具ホルダの嵌挿
    部に嵌挿可能に設けられていることを特徴とする請求項
    1記載の複合加工装置。
  4. 【請求項4】 前記ロッド駆動手段は、前記スピンドル軸
    を回動自在に支承するハウジングの後部に該ハウジング
    と一体的に設けられた流体圧シリンダにより構成され、
    該流体圧シリンダの伸縮自在なピストンロッドが前記駆
    動ロッドの後端部に同心に連結されていることを特徴と
    する請求項1記載の複合加工装置。
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