JP2004237418A - 切削刃具ホルダおよび袋状被加工物の切削加工方法 - Google Patents

切削刃具ホルダおよび袋状被加工物の切削加工方法 Download PDF

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三彦 富岡
Mitsuaki Sugata
充陽 菅田
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肇 反田
Masanobu Oriide
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Abstract

【課題】袋状被加工物の加工に適し、構成が簡単で安価な切削刃具ホルダ,切削加工方法を提供する。
【解決手段】球面切削刃具ホルダ58のホルダ本体60の先端部に、チップ56を保持した回動部材80を回動可能に取り付け、駆動装置134により退避位置と加工位置とに回動させる。回動部材80が退避位置に位置し、軸状部66とほぼ同軸の状態でケース10内に挿入し、挿入後、液圧シリンダ180の液圧室208に加圧したクーラントを導入し、プッシュロッド150,152,スライダ162を前進させ、連結ロッド164を回動させて回動部材80を加工位置へ回動させ、部分凹球面22を切削加工する。加工後、クーラントの供給停止により液圧室208の液圧が低下し、スプリング170の付勢により回動部材80が退避位置へ回動し、ケース10から抜け出す。同様に回動部材がチップを保持した平面切削工具により平座24,26を切削加工する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、袋状被加工物の切削加工に適した切削刃具ホルダおよびその切削刃具ホルダを用いた袋状被加工物の切削加工方法に関するものであり、特に、切削刃具ホルダの構成および加工の簡単化に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
袋状被加工物は、開口部と、その開口部と連なるとともに開口部より横断面積が大きい内部空間とを備えたものである。この袋状被加工物の一例に、自動車の差動装置のケースがある。このケースの内面を切削加工する加工機として、従来、例えば、切削工具をケースの内部空間内に配置するとともに、駆動スピンドルと従動スピンドルとによって挟持し、駆動スピンドルを回転駆動装置によって回転させることにより切削工具を回転させ、上記内面を加工する加工機が知られている。切削工具は切削工具保持アームにより保持され、ケースが移動装置によって移動させられることにより、ケースの内部空間内に配置された状態とされる。その状態で互いに同軸状に配設された駆動スピンドルと従動スピンドルとがそれぞれ、スピンドル移動装置により軸方向に移動させられて互いに接近させられ、先端部がケースの内部空間内に突入して切削工具を保持する。その後、両スピンドルは切削工具を保持して回転させつつ軸方向に移動し、ケースの内面に接触させて切削加工をさせる。切削工具を保持する保持アームは、駆動スピンドルの軸方向に移動可能とされており、切削工具の駆動スピンドルの軸方向に平行な方向の移動を許容する。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−277825号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】
しかしながら、このような加工機は構成が複雑であり、また、特殊な切削工具が必要であって、設備コストが高くなる。特に、エンジンの差動装置のケースのように、内面が部分凹球面および平面状の座面を備える場合、部分凹球面と座面とをそれぞれ切削加工するために互いに異なる切削工具が必要であり、上記駆動スピンドル,従動スピンドル等が2組必要であって、加工機の構成が更に複雑かつ高価となる。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景とし、袋状被加工物の加工に適し、構成が簡単で安価な切削刃具ホルダおよびその切削刃具ホルダを用いた袋状被加工物の切削加工方法を提供することを課題としてなされたものであり、本発明によって、下記各態様の切削刃具ホルダおよび袋状被加工物の切削加工方法が得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。また、一つの項に複数の事項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわけではない。一部の事項のみを選択して採用することも可能なのである。
【0006】
なお、以下の各項において、 (1)項が請求項1に相当し、 (2)項が請求項2に、 (3)項が請求項3に、 (4)項および (5)項を併せた項が請求項4に、 (9)項が請求項5に、(10)項が請求項6に、(11)項が請求項7に、(12)項が請求項8に、(13)項が請求項9に、(23)項が請求項10にそれぞれ相当する。
【0007】
(1)工作機械の工具取付部に取り付けられる取付部とその取付部から延び出た軸状部とを備えたホルダ本体と、
そのホルダ本体に基端部において回動可能に取り付けられ、自由端部に切削刃具を保持する刃具保持部を備えた回動部材と、
その回動部材を、その回動部材がほぼ前記軸状部の軸方向に延びる退避位置と前記軸状部の軸方向と交差する方向に延びる加工位置とへ回動させる駆動装置と
を含む切削刃具ホルダ。
回動部材の加工位置は軸状部の軸方向と直交する方向であることが望ましいが不可欠ではない。
駆動装置は、可動部材および可動部材の運動を回動部材の回動運動に変換する運動変換装置とを含むものとすることができ、その場合、可動部材は、例えば、回転軸線まわりに回転する回転部材としたり、軸方向に移動する軸方向移動部材としたりすることができる。
回動部材は非加工時には退避位置に位置させられており、切削刃具により被加工物に加工を施す場合には、回動部材が加工位置へ回動させられ、それにより刃具保持部に保持された切削刃具が被加工物の被加工面に接触可能な状態とされ、加工が行われる。例えば、袋状被加工物の内面に切削加工を施す場合、回動部材を退避位置に位置させ、ほぼ軸状部の軸方向に延びる状態とすれば、回動部材および軸状部の先端部を袋状被加工物の開口部を通って内部空間内に進入させることができ、その状態で回動部材を加工位置へ回動させれば、切削刃具を被加工物の内面に接触させ、加工を行うことができる。回動部材が加工位置に位置する状態では、被加工物の開口部と干渉し、内部空間内に進入させることができなくても、退避位置に位置する状態では、回動部材が軸状部の軸方向と交差する方向に占めるスペースが少なく、内部空間内に進入させることができるのである。
このように本項によれば、ホルダ本体に、切削刃具を保持する回動部材を回動可能に取り付けるとともに、駆動装置によって回動させることにより、袋状被加工物の加工に適した切削刃具ホルダであって、構成が簡単で安価な切削刃具ホルダが得られる。
また、この切削刃具ホルダは、ホルダ本体の取付部において工作機械に取り付けることができ、汎用の工作機械、例えば、数値制御旋盤等の数値制御式工作機械に本切削刃具ホルダを取り付けて、被加工物の切削加工を安価に行うことができる。
数値制御式の工作機械は、加工プログラムの変更により、同じ切削刃具によって複数種類の被加工物の切削加工を行うことができる。また、例えば、工作機械が数値制御式のタレット旋盤であれば、複数種類の切削刃具をそれぞれ保持する切削刃具ホルダを取り付けて、複数種類の切削加工を安価に行うことができる。
被加工物が自動車の差動装置のケースであって、その内面の部分凹球面および平面状の座面を切削加工する場合であっても、各面を切削加工する切削刃具をそれぞれ保持した切削刃具ホルダをタレットに取り付け、選択的に加工を行わせることにより、簡単にかつ安価に加工を行うことができるのである。本項の切削刃具ホルダによれば、切削加工を行うための専用機が不要であり、専用機の使用に伴って必要となる付帯装置も不要であって、安価に加工を行うことができる。
さらに、メンテナンスを行う場合、加工機のうち、切削刃具ホルダのみについて行うことができ、メンテナンス性が向上する。
(2)前記駆動装置が、
前記ホルダ本体に前記軸状部の軸方向に移動可能に保持された軸方向移動部材と、
その軸方向移動部材の軸方向の往復運動を、前記回動部材の前記退避位置と前記加工位置との間の往復回動運動に変換する運動変換装置とを含む (1)項に記載の切削刃具ホルダ。
軸方向移動部材は、後述するように液圧シリンダにより軸方向に往復運動させたり、ねじ軸,ナットおよび電動モータを含む移動装置によって往復運動させたりすることができる。
軸方向移動部材は、軸方向に移動させられるため、軸方向において移動のためのスペースがあればよく、工具ホルダの軸状部が太くなることを回避することが容易である。
(3)前記運動変換装置が、前記回動部材の回動軸線から離れた部分と前記軸方向移動部材とに両端がそれぞれ相対回動可能に連結されて、それら回動部材と軸方向移動部材とを作動的に連結する連結ロッドを含む (2)項に記載の切削刃具ホルダ。
運動変換機構は、軸方向移動部材と回動部材との一方に回転可能に保持されたローラ,ボール等の回転体と、他方に設けられて回転体と接触するカム面とから成るカム機構とする等、種々の機構を採用可能である。しかし、本項の連結ロッドを含むものとすれば構成や製造が簡単となる。連結ロッドは、回動部材の回動軸線に対して刃具保持部と同じ側の部分に連結されても、反対側の部分に連結されてもよい。
(4)前記軸方向移動部材を軸方向に往復移動させる液圧シリンダを含む (2)項または (3)項に記載の切削刃具ホルダ。
液圧シリンダは構成が簡単であり、かつ、大きな駆動力を容易に発生させることができる。
(5)前記液圧シリンダが、自身の液圧室に加圧されたクーラントを導くクーラント導入路を備えた (4)項に記載の切削刃具ホルダ。
液圧シリンダは専用の作動液の供給により作動させてもよいが、クーラントを利用すれば、切削刃具ホルダにクーラントを供給するクーラント供給装置に作動液供給装置を兼ねさせることができ、また、切削刃具ホルダのクーラント供給装置接続部に作動液供給装置接続部を兼ねさせることができ、切削刃具ホルダの構成も簡単となり、コスト低減を図り得る。
(6)前記液圧シリンダが、一方向には液圧で作動し、他方向には弾性部材の弾性力で作動する単動シリンダである (4)項または (5)項に記載の切削刃具ホルダ。
液圧シリンダは複動シリンダとすることも可能であるが、単動シリンダとすれば、作動液導入路が少なくて済む利点がある。
(7)前記液圧シリンダが前記液圧で作動する際に前記回動部材を前記加工位置へ回動させる (6)項に記載の切削刃具ホルダ。
本項の切削刃具ホルダによれば、非加工時には液圧シリンダに液圧が供給されない。したがって、長時間、加工が行われないことがあっても、液圧シリンダに液圧を供給し続けなくてよく、液圧供給通路等、切削刃具ホルダの構成要素の劣化が抑えられる。また、液圧供給に異常が生じても切削刃具を非加工状態に保つことができ、例えば、袋状被加工物の内面の加工中に異常が生じても、回動部材が退避位置へ回動させられ、袋状被加工物内から抜け出させることができる。
(8)前記液圧シリンダが前記弾性部材の弾性力で作動する際に前記回動部材を前記加工位置へ回動させる (6)項に記載の切削刃具ホルダ。
(9)前記軸方向移動部材と前記液圧シリンダのピストンロッドとが軸方向に限られた距離相対移動可能に連結されるとともに、それら軸方向移動部材とピストンロッドとの間に弾性部材が配設され、その弾性部材を介して前記ピストンロッドが前記軸方向移動部材を、前記回動部材の加工位置に対応する位置へ移動させる (4)項ないし (8)項のいずれかに記載の切削刃具ホルダ。
本項によれば、回動部材が加工位置に達した後は弾性部材が変形して、ピストンロッドの余分な移動を吸収するため、回動部材や運動変換機構に過大な力が加えられることを回避することができる。また、弾性部材の予荷重を適切な大きさに設定しておくことにより、回動部材を加工位置に保つ力を確実に適切な大きさとすることができる。本項の特徴は、液圧シリンダに供給される液圧が変動する場合に特に有効である。液圧シリンダの大きさを、液圧が低い場合にも回動部材や運動変換機構に適切な大きさの力が加えられるように設定すれば、液圧が高い場合に力が過大となり、液圧が高い場合に適切な大きさになるようにすれば、液圧が低い場合に力が不足してしまう。それに対し、液圧が低い場合にも作動力が十分となるように液圧シリンダの大きさを設定するとともに、ピストンが弾性部材を弾性変形させた後は前進を阻止されるようにしておけば、すなわち、ピストンがストロークエンドに達したり、ピストンロッドがストッパに当接したりするように、前進限度規定手段を設けておけば、液圧の変動にかかわらず常に回動部材や運動変換機構に適切な大きさの力が加えられるようにすることができる。
(10)前記ホルダ本体と前記回動部材との一方が一対の連結片を備え、他方が1枚の連結片を備え、その1枚の連結片が前記一対の連結片の内側面間に嵌合された状態で、それら3枚の連結片を貫通する状態で連結ピンが配設されるとともに、その連結ピンに前記一対の連結片の外側面に接触してそれら一対の連結片の間隔が広がることを防止する係合部が設けられた (1)項ないし (9)項のいずれかに記載の切削刃具ホルダ。
本項の切削刃具ホルダによれば、切削加工時に被加工物から切削刃具に加えられる切削抵抗により、一対の連結片に互いに離間する向きの力が作用しても、係合部によって一対の連結片の間隔が広がって開くことが防止されるため、切削刃具の位置がずれることがなく、加工が精度良く行われる。
(11)前記ホルダ本体に、前記回動部材の前記加工位置側への回動限度を規定するストッパが設けられた (1)項ないし(10)項のいずれかに記載の切削刃具ホルダ。
回動部材が繰り返し加工位置と退避位置とに回動させられても、回動部材はホルダ本体に対して常に一定の加工位置に位置させられ、加工が精度良く行われる。
(12)前記ホルダ本体にクーラント通路が形成され、前記ストッパの前記回動部材と当接するストッパ面に開口させられた(11)項に記載の切削刃具ホルダ。
このクーラント通路に供給されるクーラントは、回動部材がストッパに当接していない状態では、ストッパ面に噴出させられ、ストッパ面を洗浄する。そのため、回動部材がストッパ面に当接するとき、異物を噛み込んだ状態で当接する恐れがなく、回動部材がストッパ面に密着させられ、精度良く加工位置に位置させられる。また、回動部材やストッパ面の損傷等が回避される。
(13)前記回動部材に、一方の端が前記刃具保持部に保持される切削刃具による加工点近傍に向かって開口する一方、他方の端は前記ストッパ面と当接する当接面に開口したクーラント通路が形成され、回動部材が前記加工位置へ回動して前記ストッパ面に当接した状態で、回動部材のクーラント通路がホルダ本体のクーラント通路と連通する(12)項に記載の切削刃具ホルダ。
回動部材がストッパ面に当接していない状態では、ホルダ本体のクーラント通路に供給されるクーラントは、上述のようにストッパ面を洗浄し、回動部材が加工位置へ回動させられ、ストッパ面に当接した状態では、回動部材のクーラント通路がホルダ本体のクーラント通路に連通するため、切削加工時には、クーラントは回動部材のクーラント通路を通って切削刃具による加工点近傍に向かって噴出され、切削刃具や被加工物の冷却作用を為したり、切粉を吹き飛ばし、各隙間、例えば、回動部材とホルダ本体との間の隙間に切粉が侵入することを防止したりする。
(14)前記回動部材が長手形状を成すものであり、長手方向の一端部である前記基端部において前記ホルダ本体に回動可能に連結され、長手方向の他端部である前記自由端部に、前記刃具保持部が、前記切削刃具が回動部材からその回動部材の長手方向に突出する状態で保持可能に設けられた (1)項ないし(13)項のいずれかに記載の切削刃具ホルダ。
本項の切削刃具ホルダにより保持された切削刃具により、例えば、袋状被加工物の内面の部分凹球面状の部分が切削加工される。
(15)前記回動部材が長手形状を成すものであり、長手方向の一端部である前記基端部において前記ホルダ本体に回動可能に連結され、長手方向の他端部である前記自由端部に、前記刃具保持部が、前記切削刃具が回動部材からその回動部材の長手方向と直角な方向に突出する状態で保持可能に設けられた (1)項ないし(13)項のいずれかに記載の切削刃具ホルダ。
本項の切削刃具ホルダにより保持された切削刃具により、例えば、袋状被加工物の内面の、袋状被加工物の軸線に直角な平面状の座面が切削加工される。
(16)前記回動部材が長手形状を成すものであり、前記退避位置にある状態において前記ホルダ本体の前記軸状部とほぼ同軸の状態となる (1)項ないし(15)項のいずれかに記載の切削刃具ホルダ。
回動部材が退避位置にある状態において、回動部材が軸状部の軸方向と交差する方向において占めるスペースがより少なくて済む。
(17)前記回動部材が長手形状を成すものであり、前記加工位置にある状態において前記ホルダ本体の前記軸状部の片側へほぼ直角に延び出た状態となる (1)項ないし(16)項のいずれかに記載の切削刃具ホルダ。
(18)前記軸状部がほぼ丸棒状である (1)項ないし(17)項のいずれかに記載の切削刃具ホルダ。
(19)前記軸状部の軸線から偏心した部分に、その軸状部の軸方向に延びる案内孔が形成され、その案内孔に前記軸方向移動部材が摺動可能に嵌合された(18)項に記載の切削刃具ホルダ。
(20)前記軸状部の先端部に外周面に開口し、軸方向に平行に延びる軸方向溝が形成され、その軸方向溝にスライダが摺動可能に嵌合されるとともに前記軸方向移動部材の先端に固定された(19)項に記載の切削工具ホルダ。
本項の切削工具ホルダによれば、切削加工時に回動部材に加えられる切削抵抗に基づく力をスライダが受け、軸方向移動部材が撓んだりすることが防止される。
(21)前記運動変換装置が、前記回動部材の回動軸線から離れた部分と前記スライダとに両端がそれぞれ相対回動可能に連結されて、それら回動部材とスライダとを作動的に連結する連結ロッドを含む(20)項に記載の切削刃具ホルダ。
(22)前記回動部材を常には前記退避位置に向かって付勢する弾性部材を含む(1)項ないし(21)項のいずれかに記載の切削刃具ホルダ。
回動部材は、弾性部材の付勢により、非加工時に退避位置に位置する状態に保たれる。
(23)開口部と、その開口部と連なるとともに開口部より横断面積が大きい内部空間とを備えた袋状被加工物の内面を切削加工する方法であって、
ホルダ本体の前記開口部に進入可能な太さの軸状部の先端部に、その軸状部とほぼ同じ太さを有する回動部材の一端部を、前記軸状部の軸方向と直交する連結ピンによって回動可能に取り付け、その回動部材の他端部に切削刃具を保持させた切削工具を準備する工具準備工程と、
前記回動部材が前記軸状部の先端から同軸的に延び出す姿勢で、回動部材および軸状部の先端部を、前記袋状被加工物の前記開口から前記内部空間内へ挿入する挿入工程と、
前記回動部材を回動させて、前記軸状部の先端部からその軸状部の片側へほぼ直角に延び出す姿勢とする回動工程と、
前記袋状被加工物と前記切削工具とを、前記軸状部の軸方向に平行な相対回転軸線のまわりに相対回転させるとともに、前記軸状部の軸方向と、その軸方向に直角な方向との少なくとも一方に相対移動させつつ、前記回動部材に保持させた切削刃具により、前記袋状被加工物の内面を切削加工する加工工程と
を含む袋状被加工物の切削加工方法。
本項によれば、例えば、 (1)項に記載の作用および効果が得られる。
(24)前記ホルダ本体に、前記回動部材の前記加工位置側への回動限度を規定するストッパが設けられており、前記袋状被加工物と前記切削工具とを、前記切削刃具に対する切削抵抗が前記回動部材を前記ストッパに押し付ける向きに作用するように相対移動させる(23)項に記載の袋状被加工物の切削加工方法。
本項によれば、加工時に回動部材がストッパから離れ、加工が行われなくなったり、加工精度が低下したりすることが防止される。
(25)前記袋状被加工物の内面が、前記軸状部の軸方向に進むにつれて、前記相対回転軸線からの距離が変化する内周面を備えたものであり、その内周面を加工する(24)項に記載の袋状被加工物の切削加工方法。
(26)前記内周面が部分凹球面である(25)項に記載の切削加工方法。
(27)前記袋状被加工物の内面が、前記相対回転軸線と直交する平面を備え、その平面を加工する(23)項ないし(26)項のいずれかに記載の袋状被加工物の切削加工方法。
(28)前記袋状被加工物が、自動車の差動装置のケースである(23)項ないし(27)項のいずれかに記載の切削加工方法。
自動車の差動装置のケースは、内面が部分凹球面状の内周面および開口の中心線(入力軸あるいは出力軸の軸線)と直交する平面状の座面を備えており、それぞれ異なる切削刃具によって切削加工される。そのため、加工には複数種類の切削刃具が必要であるが、それら複数種類の切削刃具をそれぞれ保持する回動部材をホルダ本体に取り付けることにより、部分凹球面および座面をそれぞれ切削加工する切削工具が簡単に得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、自動車の差動装置のケースの内面に切削加工を行う場合を例に取り、本発明の実施形態である切削刃具ホルダおよび袋状被加工物の切削加工方法を説明する。
【0009】
袋状被加工物としての差動装置のケース10は、図1に二点鎖線で示すように、容器状の本体部12と、本体部12の軸線上に隔たった両端部にそれぞれ、互いに同心状に突設された中空円筒状の筒状部14,16とを有する。本体部12の内部空間18は、筒状部14,16と連なるとともに、筒状部14,16より横断面積が大きい内部空間とされている。筒状部14,16は本体部12と同心に設けられ、本実施形態では、筒状部14,16がケース10の開口部を構成している。ケース10の内面20は、その一部が本体部12の軸線であって、ケース10の軸線を中心線とする部分凹球面22と、上記軸線と直交する平面状をなし、内部空間18の筒状部14,16への連通端に設けられた座面24,26とを備えている。部分凹球面22は、本体部12の軸方向に進むにつれて、本体部12の軸線からの距離が変化する内周面である。ケース10は、本実施形態では、図示を省略する主軸台の主軸により、軸線が水平に保持され、切削加工時には、その軸線であって、本体部12の軸線まわりに回転させられる。
【0010】
上記部分凹球面22は、図1ないし図5に示す球面切削工具40によって切削加工され、平面24,26は、図6ないし図10に示す平面切削工具42によって切削加工される。これら切削工具40,42はそれぞれ、工作機械としてのNC(数値制御)タレット旋盤のタレット50に着脱可能に固定される。タレット50には、その旋回軸線を中心とする外周面に複数の工具取付部52が設けられ、それら工具取付部52のうちの一つに球面切削工具40が固定され、別の工具取付部52に平面切削工具42が固定される。タレット50は、旋回装置により、予め設定された旋回軸線まわりに旋回させられ、それにより複数の工具取付部52にそれぞれ取り付けられた切削工具40,42が順次、切削加工を行う作用位置ないし使用位置に位置決めされる。タレット50はまた、本実施形態においては、図示を省略する移動装置により、ケース10の軸線と平行な方向および水平面に直角な方向であって鉛直方向に移動させられる。また、主軸台の、水平面内においてケース10の軸線と直交する方向の位置が位置調節装置(図示省略)により調節され、切削工具40,42の各切削刃具の切れ刃が、ケース10の軸線を含む鉛直面内に位置するようにされる。
【0011】
以下、まず、球面切削工具40を図1ないし図5に基づいて説明する。
球面切削工具40は、図1に示すように、球面切削刃具としてのチップ56と、チップ56を保持する球面切削刃具ホルダ58とを含む。球面切削刃具ホルダ58のホルダ本体60は、本実施形態においては、第一ホルダ本体部材62および第二ホルダ本体部材64を含む。第一ホルダ本体部材62は、軸状部66と、軸状部66の軸方向の一端部に設けられ、軸状部66より大径の取付部68とを含む。取付部68の軸状部66とは反対側の端面には、被位置決め部としての位置決め突部70が突設されており、第一ホルダ本体部材62は、位置決め突部70が第二ホルダ本体部材64に設けられた位置決め部としての位置決め穴72に嵌合されて半径方向に位置決めされる。また、第一,第二ホルダ本体部材62,64は、それぞれに設けられた図示を省略する位置決め突部および位置決め凹部の嵌合により軸線まわりにおいて位置決めされ、取付部68の端面と第二ホルダ本体部材64の先端面との係合により軸線方向において位置決めされ、このように互いに位置決めされた状態で、第一ホルダ本体部材62は、固定装置としての複数のボルト74によって第二ホルダ本体部材64に固定されている。第一,第二ホルダ本体部材62,64は、固定後は一体のホルダ本体60として機能する。本実施形態では、第二ホルダ本体部材64の前記工具取付部52に取り付けられる部分がホルダ本体60の取付部を構成し、軸状部66がホルダ本体60の軸状部を構成している。また、位置決め突部70,位置決め穴72および図示を省略する位置決め突部等が位置決め装置76を構成している。第二ホルダ本体部材64は、前記タレット50の工具取付部52に位置決め装置78により位置決めされて固定装置(図示省略)により着脱可能に固定される。
【0012】
上記第一ホルダ本体部材62の軸状部66は、断面形状が概して円形であり、ほぼ丸棒状を成し、前記ケース10の筒状部14に進入可能な太さを有し、その先端部に、回動部材80が回動可能に取り付けられている。回動部材80は、本実施形態においては長手形状を成し、軸状部66とほぼ同じ太さを有し、図3に示すように、その長手方向の一端部である基端部82に設けられた1枚の連結片84のほぼ中央部において軸状部66に回動可能に取り付けられている。軸状部66の先端部は、図1,図3および図5に示すように、軸線方向に平行な断面形状がコの字形とされ、一対の連結片86,88が設けられており、回動部材80の1枚の連結片84が一対の連結片86,88の内側面90,92間に嵌合された状態で、それら3枚の連結片84,86,88を貫通する状態で連結ピン94が配設され、回動部材80を軸状部66に、軸状部66の軸線と直交する軸線まわりに回動可能に連結している。
【0013】
連結ピン94は、図3に示すように、軸部96と、軸部96の軸方向の両端部にそれぞれ設けられた係合部としての頭部98,100とを有する。頭部98,100はいずれも軸部96より大径であるが、本実施形態では、一方の頭部100は軸部96と一体に設けられ、他方の頭部98は、係合部形成部材としてのワッシャが固定装置としてのねじ102によって軸部96に固定されることにより設けられ、固定後は一体の連結ピン94として機能する。
【0014】
連結ピン94は、頭部98が軸部96から外された状態で連結片84,86,88に挿通され、その状態でねじ102によって頭部98が軸部96に固定され、一対の頭部98,100は、一対の連結片86,88を両側から挟んでいる。本実施形態では、一対の連結片86,88にそれぞれ、外側面に開口する凹部104,106が設けられ、一対の頭部98,100はそれぞれ凹部104,106内に収容されるとともに、その軸部96から半径方向外向きに突出した端面108,110が、凹部104,106のそれぞれ一平面状の底面112,114に接触し、一対の連結片86,88の間隔が広がることを防止する。
【0015】
連結ピン94の連結片84,86,88が嵌合される部分の長さは、一対の頭部98,100の各端面108,110間の距離であって、連結ピン94の軸部96の軸方向の長さによって決まる。この長さは、一対の連結片86,88にそれぞれ設けられて連結ピン94が嵌合されるピン嵌合穴の凹部104,106に開いた開口間の距離より僅かに大きくされており、また、1枚の連結片84および一対の連結片86,88は、嵌め合い寸法が精度良く管理されており、連結ピン94によって軸状部66に連結された回動部材80の回動を許容しつつ、頭部98,100の端面108,110が連結片86,88に外側から接触して、それらの広がりを防止する。本実施形態では、これら底面112,114がそれぞれ、一対の連結片86,88の外側面を構成している。
【0016】
連結ピン94の軸部96は、回動部材80に設けられた連結片84に軸受116を介して相対回動可能に嵌合されている。軸受116は、例えば、ニードルベアリングとされ、軸部96は軸受116内に軽く圧入されており、連結片84に隙間なく嵌合されて、回動部材80はがたつきなく回動する。
【0017】
回動部材80の長手方向の他端部である自由端部118には、図1および図3に示すように、刃具保持部120が設けられている。自由端部118は、本実施形態においては、基端部82より大形とされ、回動部材80は、その長手方向に平行であって、回動軸線に平行な方向の断面形状が概してT字形を成し、自由端部118と基端部82との間に、回動部材80の長手方向に直角な一対の当接面122,124が設けられている。これら当接面122,124は、基端部82から、回動部材80の回動軸線に平行な方向の両側にそれぞれ突出させられている。
【0018】
刃具保持部120の先端には、図3に示すように、取付座126が設けられ、前記チップ56が取り付けられている。チップ56は、本実施形態においては、スローアウェイチップとされている。球面切削刃具ホルダ58においては、取付座126は、チップ56が回動部材80から、回動部材80の長手方向に突出する状態で取り付けられるように設けられている。回動部材80にはまた、図3および図4に示すように、一方の端が、チップ56による加工点近傍に向かって開口する一方、他方の端は当接面124に開口したクーラント通路130が設けられている。
【0019】
回動部材80は、駆動装置134により、図2に示すように、回動部材80がほぼ軸状部66の軸方向に延びる退避位置と、図1に示すように、軸状部66の軸方向と直交する方向に延びる加工位置とへ回動させられる。回動部材80の退避位置側への回動限度は、軸状部66の一対の連結片86,88の各先端面の一部であって、軸状部66の軸線と直角な平面により構成されるストッパ面136,138に、図2および図3に示すように、前記当接面122,124が当接することにより規定される。当接面122,124は、回動部材80の長手方向に直角に設けられ、ストッパ面136,138は軸状部66の軸線に直角に設けられており、また、回動部材80は軸状部66とほぼ同じ太さを有し、連結片84のほぼ中央において軸状部66に取り付けられており、回動部材80は退避位置にある状態においてホルダ本体60の軸状部66とほぼ同軸の状態となる。
【0020】
回動部材80の加工位置側への回動限度は、一対の連結片86,88の、軸状部66の軸線に平行な平面の一部により構成されるストッパ面140,142(図3参照))に、前記当接面122,124が当接することにより規定される。当接面122,124は、回動部材80の長手方向に直角に設けられ、ストッパ面140,142は軸状部66の軸線と平行に設けられており、回動部材80は加工位置にある状態においてホルダ本体60の軸状部66の片側へ直角に延び出た状態となる。当接面122,124およびストッパ面140,142が精度良く形成されるとともに、連結片84,86,88に設けられて連結ピン94が嵌合されるピン嵌合穴も寸法精度良く形成されており、当接面122,124は、予め定められた面の全面でストッパ面140,142に当接し、回動部材が精度良く加工位置に位置決めされる。本実施形態においては、軸状部66のストッパ面136〜142が設けられた部分がストッパ144を構成している。回動部材80の退避位置側への回動限度を規定するストッパと、加工位置側への回動限度を規定するストッパとが一体に設けられていると考えてもよい。
【0021】
駆動装置134は、図1および図5に示すように、第一プッシュロッド150,第二プッシュロッド152および運動変換装置154を含む。第一ホルダ本体部材62の軸状部66には、その軸線から偏心した部分に、軸状部66の軸方向に延びる案内孔156が形成され、その案内孔156に第一プッシュロッド150が摺動可能に嵌合されている。
【0022】
軸状部66の先端部には、図1および図5に示すように、その外周面に開口し、軸方向に平行に延びる軸方向溝160が形成されている。軸方向溝160は、軸状部66の先端であって、前記一対の連結片86,88の間の部分に開口させられており、軸方向溝160にスライダ162が摺動可能に嵌合されるとともに、第一プッシュロッド150の先端に着脱可能に固定されている。固定後は、スライダ162は第一プッシュロッド150を構成すると考えることもできる。前記回動部材80の回動軸線から離れた部分であって、基端部82の先端部と、スライダ162とにはそれぞれ、連結ロッド164が相対回動可能に連結されて、それら回動部材80およびスライダ162が作動的に連結されている。
【0023】
第一プッシュロッド150は、図1に示すように、その後端部と軸状部66との間に配設された付勢手段の一種である弾性部材としての圧縮コイルスプリング(以後、スプリングと略称する)170により、軸状部66の先端から離れ、案内孔156内に引っ込む方向であって、後退方向に付勢されている。スプリング170による第一プッシュロッド150の付勢により、回動部材80はスライダ162,連結ロッド164を介して退避位置に向かって付勢されている。スプリング170の付勢による回動部材80の回動限度は、回動部材80に設けられた前記当接面122,124が軸状部66に設けられた前記ストッパ面136,138に当接することにより規定され、回動部材80は退避位置に位置させられる。また、回動部材80の回動限度の規定により、スプリング170の付勢による第一プッシュロッド150の後退限度も規定され、回動部材80が退避位置に位置するとき、第一プッシュロッド150は後退端位置に位置させられる。
【0024】
前記第二プッシュロッド152は、前記第二ホルダ本体部材64に設けられた液圧シリンダ180のピストン186のピストンロッド182内に軸方向に相対移動可能に嵌合されている。第二ホルダ本体部材64内には、シリンダボア184が形成されるとともに、ピストン186が液密かつ摺動可能に嵌合され、その前面に上記ピストンロッド182が突設されている。ピストンロッド182は段付状を成し、その大径部188はシリンダボア184内に収容され、小径部190は第二ホルダ本体部材64内に液密かつ摺動可能に嵌合されており、第二プッシュロッド152はピストンロッド182に小径部190側から嵌合されている。
【0025】
第二プッシュロッド152は、ピストンロッド182との間に配設された弾性部材としての圧縮コイルスプリング(以後、スプリングと略称する)192によって小径部190から突出する向きに付勢されている。スプリング192は、コイルを構成する巻き線の横断面形状が矩形の角ばねとされており、十分なばね力が得られる。スプリング192の付勢による第二プッシュロッド152の移動限度は、本実施形態では、図2に示すように、第二プッシュロッド152に軸方向に平行に設けられた長穴194に、小径部190に半径方向に嵌合されたピン196が嵌合され、長穴194の端面に係合することにより規定される。第二プッシュロッド152とピストンロッド182とは、ピン196が長穴194内を移動する範囲内において軸方向に相対移動可能であり、軸方向に限られた距離相対移動可能に連結され、保持されているのであり、本実施形態においては、第一,第二プッシュロッド150,152が軸方向移動部材を構成し、軸方向移動部材とピストンロッド182とが軸方向に限られた距離相対移動可能に連結されている。また、被係合部としての長穴194および係合部としてのピン196が軸方向相対移動制限装置を構成している。スプリング192のセット荷重は、切削加工時に回動部材80を加工位置に保つのに十分な大きさに設定されている。前記スプリング170のばね力はスプリング192より小さく、回動部材80を退避位置へ回動させるのに十分な大きさとされている。
【0026】
本実施形態において液圧シリンダ180は単動シリンダとされており、シリンダボア184のピストン186に対して、ピストンロッド182が収容された側であって、前側の部分には大気圧室200が設けられている。大気圧室200には、弾性部材としての圧縮コイルスプリング(以後、スプリングと略称する)202が収容され、ピストン186を後方へ、すなわちピストンロッド182をシリンダボア184内に引き込む向きに付勢している。スプリング202のばね力は、ピストン186を後退端位置へ後退させるのに十分な大きさとされている。
【0027】
図1に示すように、シリンダボア184のピストン186の他方の側であって、後側の部分には液圧室208が設けられており、この液圧室208には加圧されたクーラントが導かれる。第二ホルダ本体部材64は液圧シリンダ180のシリンダハウジングでもあり、クーラント導入路210が設けられている。クーラント導入路210は、前記工具取付部52等に設けられた通路等(図示省略)を介して、図示を省略するクーラント供給装置に接続され、加圧されたクーラントを液圧室208に導く。第二ホルダ本体部材64内にはまた、別のクーラント通路212が形成されている。このクーラント通路212は、クーラント導入路210から分岐させられるとともに、第一ホルダ本体部材62内に設けられたクーラント通路214に連通させられている。
【0028】
クーラント通路214の先端部は複数、本実施形態では3つに分岐させられ、図1および図4に示すように、分岐クーラント通路ないしクーラント噴出孔216,218,220が設けられている。クーラント噴出孔216,218はそれぞれ、回動部材80が加工位置に位置する状態において当接面122,124と当接する前記ストッパ面140,142に開口させられている。一方のクーラント噴出孔218は、図1に示すように、回動部材80が加工位置へ回動して当接面122,124がストッパ面140,142に当接した状態で、回動部材80の前記クーラント通路130と連通する状態となるように設けられている。また、クーラント噴出孔220は、図4に示すように、軸状部66の先端部の、一対の連結片86,88の間の部分に開口させられている。
【0029】
ピストン186は、液圧室208への加圧されたクーラントの導入により、スプリング202の付勢力に抗して前進させられる。後に詳細に説明するように、ピストン186の前進により第一,第二プッシュロッド150,152が前進させられて回動部材80が退避位置から加工位置へ回動させられる。ピストン186の前進限度は、図1に示すように、ピストンロッド182の前記大径部188と小径部190との間の肩面222がシリンダボア184の前側の端面224に当接することにより規定される。シリンダボア184の端面224がストッパを構成している。液圧室208への加圧されたクーラントの導入が止められれば、ピストン186はスプリング202の付勢により後退させられる。回動部材80が加工位置に位置する状態では、液圧室208は、クーラント導入路210,クーラント通路212,214,クーラント噴出孔218,220,クーラント通路130を経て大気に開放されており、クーラントの供給が止められれば液圧室208の液圧が低下し、ピストン186がスプリング202の付勢により後退させられる。この際、液圧室208内のクーラントは、クーラント導入路210等を経て、クーラント通路130,クーラント噴出孔216,218,220から排出される。
【0030】
ピストン186の後退限度は、ピストン186がシリンダボア184の、後側の端面226に当接することにより規定される。端面226がストッパを構成している。ピストン186が端面226に当接し、後退端位置へ後退させられれば、図2に示すように、第二プッシュロッド152はスプリング192の付勢により、ピストンロッド182に対して前進端位置に位置させられ、第一プッシュロッド150はスプリング170の付勢により後退端位置へ後退させられ、回動部材80が退避位置へ回動させられる。本実施形態では、液圧シリンダ180は単動シリンダであって、液圧で作動する際に回動部材80を加工位置へ回動させるように構成されている。液圧シリンダ180は流体圧アクチュエータの一種である流体圧シリンダであり、駆動源を構成し、駆動装置134を構成していると考えてもよい。
【0031】
このように規定されるピストン186のストロークは、第一プッシュロッド150が回動部材80を退避位置と加工位置との間で回動させるのに要するストロークより大きく、このストロークが確保され、ピストン186が後退端位置へ移動させられた状態では、図2に示すように、第二プッシュロッド152がピストンロッド182に対して前進端位置に位置させられ、第一プッシュロッド150は後退端位置に位置させられるとともに、第一,第二プッシュロッド150,152の間に僅かに隙間が設けられ、かつ、後述するように、回動部材80の加工位置への到達後、第二プッシュロッド152がスプリング192を圧縮してピストン186に対して相対的に後退させられる大きさとされている。
【0032】
前記平面切削工具42を図6ないし図10に基づいて説明する。
平面切削工具42は、平面切削刃具としてのチップ250と、チップ250を保持する平面切削刃具ホルダ252とを含み、チップ250は、本実施形態においてはスローアウェイチップとされている。平面切削刃具ホルダ252は、回動部材以外の部分は球面切削刃具ホルダ58と同様に構成され、回動部材も刃具保持部を除いて実質的に前記回動部材80と同様に構成されている。特に、第二ホルダ本体部材64は全く同じものとされている。平面切削工具42において、球面切削工具40と同じ作用を為す構成要素には同じ符号を付して対応関係を示し、説明を省略し、平面切削工具42に特徴的な部分を説明する。
【0033】
平面切削刃具ホルダ252の回動部材256は長手形状を成し、長手方向の一端部である基端部258において、前記回動部材80と同様に、第一ホルダ本体部材62の軸状部66の先端部に連結ピン94によって回動可能に連結され、長手方向の他端部である自由端部260には、図6および図8に示すように、刃具保持部262が設けられている。
【0034】
回動部材256の自由端部260の先端部には、複数、本実施形態においては2つの取付座270が形成され、刃具保持部262を構成している。これら取付座270は、チップ250が回動部材256から、回動部材256の長手方向と直角な方向に突出する状態で保持可能に設けられ、それぞれチップ250が取り付けられている。回動部材256にはまた、図6および図9に示すように、自由端部260に、一方の端が2つのチップ250による各加工点近傍に向かって開口する一方、他方の端は当接面124に開口した複数、本実施形態では2つのクーラント通路272,274が設けられている。これらクーラント通路272,274は、自由端部260の、チップ250の切刃側の部分に設けられており、回動部材256が加工位置へ回動させられた状態においてクーラント噴出孔218に連通させられる。
【0035】
以上のように構成された球面切削工具40および平面切削工具42によるケース10の内面20の加工を説明する。
加工に先立って、まず、球面切削工具40および平面切削工具42を準備する。球面切削工具40においては、ホルダ本体60の軸状部66の先端部に、チップ56を保持した回動部材80の基端部82を、軸状部66の軸方向と直交する連結ピン94によって回動可能に取り付け、回動部材80の刃具保持部120にチップ56を保持させた球面切削工具40を準備する。連結ピン94による回動部材80の軸状部66への取付けは、前述のように行われる。平面切削工具42においては、ホルダ本体60の軸状部66の先端部に、チップ250を保持した回動部材256の基端部258を、軸状部66の軸方向と直交する連結ピン94によって回動可能に取り付け、回動部材256の刃具保持部262にチップ250を保持させた平面切削工具42を準備する。
【0036】
そして、これら球面切削工具40および平面切削工具42をタレット50の工具取付部52に取り付け、それぞれ部分凹球面22および平面24,26を切削加工させる。まず、球面切削工具40による部分凹球面22の加工を説明する。非加工時には、液圧シリンダ180の液圧室208への加圧されたクーラントの供給は断たれており、図2に示すように、ピストン186が後退端位置に位置し、第二プッシュロッド152がピストン186に対して前進端位置に位置し、第一プッシュロッド150が後退端位置に位置するとともに、回動部材80は退避位置に位置し、第一,第二プッシュロッド150,152の間には隙間がある。
回動部材80は、軸状部66の先端から同軸的に延び出す姿勢とされており、その姿勢でタレット50を移動装置によって移動させ、球面切削工具40の回動部材80および軸状部66の先端部を、ケース10の筒状部14の開口から内部空間18内へ挿入する。
【0037】
挿入後、液圧シリンダ180の液圧室208に加圧されたクーラントを導入し、回動部材80を加工位置へ回動させる。液圧室208への加圧されたクーラントの導入により、ピストン186が前進させられる。この際、第二プッシュロッド152は、図2に示すようにピストン186に対して前進端位置にあり、ピストン186と共に前進させられる。そして、第二プッシュロッド152は第一プッシュロッド150に当接し、その状態から更にピストン186が前進させられることにより、第一プッシュロッド150がスプリング170の付勢力に抗して前進させられるとともにスライダ162が前進させられる。それにより連結ロッド164が回動させられて回動部材80が退避位置から加工位置へ向かって回動させられる。回動部材80の回動は、当接面122,124がストッパ面140,142に当接することにより規定され、回動部材80は図1に示すように加工位置に位置させられ、軸状部66の先端部から、軸状部66の片側へ直角に延び出す姿勢とされる。本実施形態では、回動部材80は軸状部66から、水平面に直角な方向において上方へ延び出させられる。
【0038】
前述のように、第一プッシュロッド150が回動部材80を退避位置と加工位置との間で回動させるためのストロークと、ピストン186が後退端位置に位置する状態における第一,第二プッシュロッド150,152の間の隙間との和より、ピストン186のストロークの方が大きくされているため、ピストン186が前進端位置に到達する前に第一プッシュロッド150が前進端位置に到達し、回動部材80が加工位置へ到達する。回動部材80が加工位置へ到達するまでの間は、スプリング192を介してピストンロッド182が第二プッシュロッド152を一体的に前進させ、回動部材80の加工位置に対応する位置へ移動させる。
【0039】
回動部材80が加工位置へ到達した後、図1に示すように、ピストン186は前進端位置へ到達するまで前進させられるが、この前進は、第二プッシュロッド152がスプリング192を圧縮してピストン186に対して相対的に後退させられることにより許容される。それによりピストン186が前進端位置へ到達した状態では、スプリング192の付勢力が第二プッシュロッド152に作用し、第一プッシュロッド150,スライダ162,連結ロッド164を介して回動部材80が加工位置へ回動する向きに付勢され、当接面122,124がストッパ面140,142に押し付けられ、回動部材80が加工位置に位置する状態に保たれる。
【0040】
ピストン186を前進させるべく、液圧室208に加圧されたクーラントが供給されるとき、クーラント通路212,214,クーラント噴出孔216,218,220を通って軸状部66の先端部にもクーラントが供給される。このクーラントは、回動部材80が加工位置へ到達し、当接面122,124がストッパ面140,142に当接するまでの間、クーラント噴出孔216,218のストッパ面140,142への開口から噴出させられて、ストッパ面140,142を洗浄する。これらクーラント通路212,214等が洗浄装置を構成している。回動部材80が加工位置へ到達し、当接面122,124がストッパ面140,142に当接すれば、クーラント噴出孔218が回動部材80のクーラント通路130に連通させられる。
【0041】
このように回動部材80が加工位置へ回動させられ、ピストン186が前進端位置へ移動させられたならば、主軸が図示を省略する回転装置によって回転させられ、ケース10がその軸線まわりに回転させられ、軸状部66に対して相対回転させられるとともに、タレット50が移動装置によって移動させられ、球面切削工具40が軸状部66の軸方向と、その軸方向に直角な方向とに移動させられ、回動部材80に保持されたチップ56が部分凹球面22に沿って移動させられて切削加工する。本実施形態では、タレット50の旋回によって球面切削工具40が作用位置に位置決めされた状態では、軸状部66の軸線は水平となって、ケース10の軸線と平行となり、球面切削工具40は、軸状部66の軸方向に平行な水平方向と、水平面に直角な方向とに移動させられる。球面切削工具40は、加工時には、軸状部66の軸方向において、ケース10の開口側から奥側へ、すなわち筒状部14側から筒状部16側へ移動させられる。そのため、チップ56に対する切削抵抗が回動部材80をストッパ面140,142に押し付ける向きに作用し、回動部材80は加工位置に保たれ、チップ56により安定して切削加工が行われる。
【0042】
第一プッシュロッド150は、前進端位置へ前進させられた状態では、図1に示すように、その先端部の案内孔156からの突出長さが長くなる。また、連結ロッド164の第一プッシュロッド150との連結部の位置が、回動部材80との連結部の位置より軸方向溝160の底面に近い位置となっている。そのため、回動部材80に加工位置側から退避位置側に向かう回転モーメントが加えられると、連結ロッド164から第一プッシュロッド150の先端部が軸方向の圧縮力を受けるのみならず、軸方向溝160の底面側へ押す横力も受けることとなる。
しかし、この横力は第一プッシュロッド150の先端に固定されたスライダ162により軸方向溝160の底面に伝達され、第一プッシュロッド150が撓むことが防止される。部分凹球面22を切削加工する場合、切削抵抗は回動部材80をストッパ面140,142に押し付ける向きに作用するため、原則として回動部材80に退避位置側に向かう回転モーメントが加えられることはない。したがって、スライダ162を省略することも可能であるが、例えば、ケース10に部分凹球面22に開口する穴等が設けられている等の理由により、切削が断続切削となる場合には、切削抵抗が大きく変動し、回動部材80を退避位置側へ回動させる向きの回転トルクが作用することもあるため、スライダ162に横力を受けさせ、第一プッシュロッド150が撓まないようにすることは有効である。
【0043】
回動部材80を軸状部66に連結する一対の連結片86,88は、連結ピン94の頭部98,100によって、回動部材80の回動軸線の両側から挟まれており、ケース10と回動部材80との相対回転方向において切削抵抗が作用するが、それによって連結片86,88が開くことがなく、回動部材80ががたつかず、切削加工が安定して行われる。
【0044】
加工中、液圧シリンダ180にクーラントが供給され続けるとともに、軸状部66の先端部にも供給される。そして、軸状部66に設けられたクーラント噴出孔218からクーラント通路130にクーラントが供給され、クーラント通路130の開口からチップ56に向かって噴出され、チップ56を冷却するとともに、切粉を吹き飛ばす。また、クーラント噴出孔220からクーラントが噴出されて切粉を吹き飛ばし、球面切削工具40の先端部の各隙間、例えば、回動部材80と軸状部66との間の隙間に切粉が侵入することを防止する。
【0045】
加工終了後、液圧室208への加圧されたクーラントの導入が断たれ、液圧室208の液圧が低下し、ピストン186がスプリング202の付勢により後退させられる。ピストン186の後退時に液圧室208内のクーラントはクーラント通路130,クーラント噴出孔220から排出され、回動部材80の当接面122,124がストッパ面140,142から離間した後はクーラント噴出孔216,218,220から排出されるが、それらクーラント通路130等によって絞り作用を受け、回動部材80は退避位置へゆっくり回動させられる。クーラント通路130等は絞り装置ないし回動部材戻り速度調整装置としても機能するのである。
【0046】
ピストン186の後退により、第二プッシュロッド152がピストン186と共に後退させられるとともに、第一プッシュロッド150がスプリング170の付勢により後退させられ、スライダ162が後退させられるとともに連結ロッド164が回動させられ、回動部材80が加工位置から退避位置へ回動させられ、軸状部66の先端部から同軸的に延び出す姿勢とされる。その状態でタレット50が移動させられて球面切削工具40が後退させられ、回動部材80および軸状部66の先端部がケース10の筒状部14の開口から外へ抜け出させられる。
【0047】
平面切削工具42によってケース10の座面24,26を加工する場合には、タレット50を旋回させて平面切削工具42を作用位置に位置決めする。そして、球面切削工具40による加工時と同様に、図7に示すように、回動部材256を退避位置に位置させ、軸状部66の先端から同軸的に延び出す姿勢で、回動部材256および軸状部66の先端部を、ケース10の筒状部14の開口から内部空間18内へ挿入する。
【0048】
挿入後、液圧シリンダ180の液圧室208に加圧されたクーラントを導入し、図6に示すように、前記回動部材80と同様に回動部材256を加工位置へ回動させる。回動後、例えば、まず、奥側の座面26を加工するのであれば、平面切削工具42が前進させられ、2個のチップ250のうち、前方側に位置するチップ250が加工開始位置において停止させられる。そして、ケース10が回転させられるとともに、平面切削工具42が、図6に二点鎖線で示すように、軸状部66の軸線と直角な方向に移動させられて座面26を切削加工する。回動部材256が退避位置から加工位置へ回動するまでの間、ストッパ面140,142がクーラントによって洗浄されること、回動部材256の加工位置への回動により回動部材256のクーラント通路272,274がクーラント噴出孔218に連通させられ、クーラント通路272,274からクーラントが噴出して冷却作用等を為すこと、連結ピン94の頭部98,100により挟まれて一対の連結片86,88の開きが防止されること等は、部分凹球面22の切削加工時と同じである。座面26の加工時には、切削抵抗は、回動部材256をストッパ面140,142に押し付ける向きに作用し、安定して切削加工が行われる。
【0049】
座面26の加工が終了したならば、平面切削工具42が後退させられて他方のチップ250が座面24の加工を開始する位置へ移動させられ、ケース10の回転および平面切削工具42の移動により座面24を切削加工する。座面24の加工時には、切削抵抗が回動部材256を加工位置から退避位置へ回動させる向きに作用し、連結ロッド164により第一プッシュロッド150の先端部に、軸方向に対して傾斜した方向の力が伝達されるが、その力の横方向の成分(横力)は前述のようにスライダ162により受けられるため、第一プッシュロッド150が撓み、回動部材256が加工位置から後退することが防止される。第一プッシュロッド150は、前進端位置へ前進した状態では、その先端部の案内孔156からの距離が長くなり、撓み易いが、先端部に固定されたスライダ162が横力を受けるため、撓みが回避されるのである。連結ロッド164,第一プッシュロッド150および第二プッシュロッド152は、切削抵抗に基づく圧縮力に耐え得るものとされており、回動部材256はスプリング192の弾性力によって加工位置に保たれ、加工が精度良く行われる。加工終了後、回動部材256が退避位置へ回動させられ、平面切削工具42が後退させられ、回動部材256および軸状部66の先端部がケース10の筒状部14を通って外へ抜け出させられる。
【0050】
本実施形態の切削刃具ホルダ58,252はそれぞれ、ホルダ本体60が2分割された構造とされるとともに、第二ホルダ本体部材64の構成が同じにされており、安価に製造することができる。軸方向移動部材は第一,第二プッシュロッド150,152により構成されており、非加工時には第一プッシュロッド150にスプリング202のばね力は作用せず、スプリング170の小さいばね力のみが作用し、互いに僅かに屈曲した状態にある連結ロッド164と第一プッシュロッド150とに作用する張力によって、第一プッシュロッド150に大きな曲げ力が作用することが回避される。
【0051】
さらに、ピストン186は、ピストンロッド182に対して軸方向に相対移動可能に嵌合された第二プッシュロッド152およびスプリング192を介して回動部材80を加工位置に回動させるようにされており、回動部材80は、スプリング192の予荷重で規定される力でストッパ面140,142に当接させられる。ピストンロッド182と第二プッシュロッド152とを一体的とし、回動部材80を液圧室208に供給される液圧に応じた力で加工位置に位置させるようにしてもよいが、その場合には、液圧の大きさを精度良く制御しなければ、押付け力が過大となり、第一プッシュロッド150,連結ロッド164等に変形,破損等が生じる恐れがあるのに対し、その恐れなく回動部材80を加工位置に保つことができる。
【0052】
なお、上記実施形態においては、別部材である第一,第二プッシュロッド150,152が軸方向移動部材を構成していたが、軸方向移動部材は一つの部材により構成してもよく、一端が液圧シリンダのピストンロッドに軸方向に限られた距離、相対移動可能に連結され、他端が連結ロッドに連結される部材としてもよい。
【0053】
また、ピストンロッド182と第二プッシュロッド152との間に配設する弾性部材として、角ばねに代えて、皿ばねを用いてもよい。
【0054】
さらに、回動部材を加工位置から退避位置へ回動させる際、液圧シリンダの液圧室をタンクに開放し、クーラントがタンクに戻されるようにしてもよい。このようにすれば、例えば、回動部材が迅速に退避位置へ戻るようにすることができる。
【0055】
また、上記実施形態の切削刃具ホルダは、液圧シリンダを含んで構成されていたが、液圧シリンダを含まない切削刃具ホルダも本発明に係る切削刃具ホルダである。第一ホルダ本体部材62およびそれに設けられた部材が本発明に係る切削刃具ホルダを構成するのであり、第一ホルダ本体部材62がホルダ本体を構成し、第一プッシュロッド150が軸方向移動部材を構成し、運動変換装置を構成する連結ロッド164と共に駆動装置を構成する。
【0056】
さらに、切削工具を移動装置により、互いに直交する3方向に移動可能とし、切削工具と被加工物との、水平面内において被加工物の軸線と直交する方向の相対位置を切削工具の移動により調節するとともに、切削工具を被加工物の軸線に平行な方向および水平面に直角な方向に移動させて加工を行うようにしてもよい。
【0057】
また、軸方向移動部材を軸方向に往復移動させる液圧シリンダは、弾性部材の弾性力で作動する際に回動部材を加工位置へ回動させるものとしてもよい。
【0058】
以上、本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である球面切削刃具ホルダがチップを保持するとともに、回動部材が加工位置に位置する状態を示す正面図(一部断面)である。
【図2】上記回動部材が退避位置に位置する状態での球面切削刃具ホルダを示す正面図(一部断面)である。
【図3】上記球面切削刃具ホルダを示す左側面図である。
【図4】上記球面切削刃具ホルダの先端部を示す平面図である。
【図5】上記球面切削刃具ホルダの先端部を示す底面図である。
【図6】本発明の実施形態である平面切削刃具ホルダがチップを保持するとともに、回動部材が加工位置に位置する状態を示す正面図(一部断面)である。
【図7】上記回動部材が退避位置に位置する状態での平面切削刃具ホルダを示す正面図(一部断面)である。
【図8】上記平面切削刃具ホルダを示す左側面図である。
【図9】上記平面切削刃具ホルダの先端部を示す平面図である。
【図10】上記平面切削刃具ホルダの先端部を示す底面図である。
【符号の説明】
10:ケース 14,16:筒状部 18:内部空間 20:内面 22:部分凹球面 24,26:座面 40:球面切削工具 42:平面切削工具 50:タレット 52:工具取付部 56:チップ 58:球面切削刃具ホルダ 60:ホルダ本体 62:第一ホルダ本体部材 64:第二ホルダ本体部材 66:軸状部 80:回動部材 82:基端部84,86,88:連結片 90,92:内側面 94:連結ピン 112,114:底面 118:自由端部 120:刃具保持部 122,124:当接面 130:クーラント通路 134:駆動装置 136,138,140,142:ストッパ面 150:第一プッシュロッド 152:第二プッシュロッド 154:運動変換装置 156:案内孔 160:軸方向溝 162:スライダ 164:連結ロッド 170:圧縮コイルスプリング 180:液圧シリンダ 182:ピストンロッド 186:ピストン 192:圧縮コイルスプリング 202:圧縮コイルスプリング 208:液圧室 210:クーラント導入路 212,214:クーラント通路 250:チップ 252:平面切削刃具ホルダ 256:回動部材 258:基端部 260:自由端部 262:刃具保持部
272,274:クーラント通路

Claims (10)

  1. 工作機械の工具取付部に取り付けられる取付部とその取付部から延び出た軸状部とを備えたホルダ本体と、
    そのホルダ本体に基端部において回動可能に取り付けられ、自由端部に切削刃具を保持する刃具保持部を備えた回動部材と、
    その回動部材を、その回動部材がほぼ前記軸状部の軸方向に延びる退避位置と前記軸状部の軸方向と交差する方向に延びる加工位置とへ回動させる駆動装置とを含むことを特徴とする切削刃具ホルダ。
  2. 前記駆動装置が、
    前記ホルダ本体に前記軸状部の軸方向に移動可能に保持された軸方向移動部材と、
    その軸方向移動部材の軸方向の往復運動を、前記回動部材の前記退避位置と前記加工位置との間の往復回動運動に変換する運動変換装置とを含むことを特徴とする請求項1に記載の切削刃具ホルダ。
  3. 前記運動変換装置が、前記回動部材の回動軸線から離れた部分と前記軸方向移動部材とに両端がそれぞれ相対回動可能に連結されて、それら回動部材と軸方向移動部材とを作動的に連結する連結ロッドを含むことを特徴とする請求項2に記載の切削刃具ホルダ。
  4. 前記軸方向移動部材を軸方向に往復移動させる液圧シリンダを含み、その液圧シリンダが、自身の液圧室に加圧されたクーラントを導くクーラント導入路を備えたことを特徴とする請求項2または3に記載の切削刃具ホルダ。
  5. 前記軸方向移動部材と前記液圧シリンダのピストンロッドとが軸方向に限られた距離相対移動可能に連結されるとともに、それら軸方向移動部材とピストンロッドとの間に弾性部材が配設され、その弾性部材を介して前記ピストンロッドが前記軸方向移動部材を、前記回動部材の加工位置に対応する位置へ移動させることを特徴とする請求項4に記載の切削刃具ホルダ。
  6. 前記ホルダ本体と前記回動部材との一方が一対の連結片を備え、他方が1枚の連結片を備え、その1枚の連結片が前記一対の連結片の内側面間に嵌合された状態で、それら3枚の連結片を貫通する状態で連結ピンが配設されるとともに、その連結ピンに前記一対の連結片の外側面に接触してそれら一対の連結片の間隔が広がることを防止する係合部が設けられたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の切削刃具ホルダ。
  7. 前記ホルダ本体に、前記回動部材の前記加工位置側への回動限度を規定するストッパが設けられたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の切削刃具ホルダ。
  8. 前記ホルダ本体にクーラント通路が形成され、前記ストッパの前記回動部材と当接するストッパ面に開口させられたことを特徴とする請求項7に記載の切削刃具ホルダ。
  9. 前記回動部材に、一方の端が前記刃具保持部に保持される切削刃具による加工点近傍に向かって開口する一方、他方の端は前記ストッパ面と当接する当接面に開口したクーラント通路が形成され、回動部材が前記加工位置へ回動して前記ストッパ面に当接した状態で、回動部材のクーラント通路がホルダ本体のクーラント通路と連通することを特徴とする請求項8に記載の切削刃具ホルダ。
  10. 開口部と、その開口部と連なるとともに開口部より横断面積が大きい内部空間とを備えた袋状被加工物の内面を切削加工する方法であって、
    ホルダ本体の前記開口部に進入可能な太さの軸状部の先端部に、その軸状部とほぼ同じ太さを有する回動部材の一端部を、前記軸状部の軸方向と直交する連結ピンによって回動可能に取り付け、その回動部材の他端部に切削刃具を保持させた切削工具を準備する工具準備工程と、
    前記回動部材が前記軸状部の先端から同軸的に延び出す姿勢で、回動部材および軸状部の先端部を、前記袋状被加工物の前記開口から前記内部空間内へ挿入する挿入工程と、
    前記回動部材を回動させて、前記軸状部の先端部からその軸状部の片側へほぼ直角に延び出す姿勢とする回動工程と、
    前記袋状被加工物と前記切削工具とを、前記軸状部の軸方向に平行な相対回転軸線のまわりに相対回転させるとともに、前記軸状部の軸方向と、その軸方向に直角な方向との少なくとも一方に相対移動させつつ、前記回動部材に保持させた切削刃具により、前記袋状被加工物の内面を切削加工する加工工程とを含むことを特徴とする袋状被加工物の切削加工方法。
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