JP2858759B2 - 低酸素雰囲気中におけるポリ(アリーレンスルフィド)樹脂の固相硬化 - Google Patents

低酸素雰囲気中におけるポリ(アリーレンスルフィド)樹脂の固相硬化

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はアリーレンスルフイドポリマーの固相硬化に
関する。1つの態様においては、本発明は原のポリ(ア
リーレンスルフイド)樹脂の分子量を増大させる方法に
関する。別の態様においては、本発明は低酸素雰囲気中
におけるアリーレンスルフイドポリマーの制御された固
相硬化に関する。他のさらに特定の態様においては、本
発明はすぐれた熱安定性を有するポリ(アリーレンスル
フイド))樹脂を製造する方法に関する。
粘稠性が粘稠な液体から結晶性固体にわたる芳香族ス
ルフイドポリマーは技術的に公知である。該ポリマーは
成形組成物のような多くの工業的用途に対して好ましい
性質を示すけれども、未改質のポリマーは、多くの用途
に使用することが妨げられるようなたとえば約4,000グ
ラム/10分を上回る比較的高いメルトフロー値を通常有
している。たとえば、融点を超える加工温度にさらした
ときには、原のままのポリマーは薄膜加工を行うために
は、長い加工時間又は特殊な装置が必要である。原のま
まのアリーレンスルフイドポリマーは高いメルトフロー
値(低粘度)のために、通常の成形方法によつて該原樹
脂を処理することが困難である。芳香族スルフイドポリ
マーは極めて有用な多くの好ましい性質を有しているの
で、実質的にいかなる好ましい性質にも影響を与えるこ
となく、ポリマーの加工性を改善することは好都合なこ
とであろう。
加工性を改善する1つの方法が米国特許第3,793,256
号明細書(以後特許′256と呼ぶ)に示されている。具
体的には、特許′256は、特に、原のポリマーを酸化硬
化させることによつて高分子樹脂の加工性を改善する方
法を開示している。この酸化硬化法は、原の樹脂(好ま
しくは粒状)が酸化性雰囲気にさらされることを含む
が、樹脂はその融点に達しない温度に加熱されるので、
この方法は屡々「固相」硬化と呼ばれる。さらに特許′
256は、該特許に開示される酸化硬化法の好ましい成果
を得るには空気中の酸素含有量(すなわち、約20容量
%)が好適であることを開示している。従つて、特許′
256の公告以後、原のポリ(アリーレンスルフイド)樹
脂を硬化させる酸化性雰囲気として通常空気が用いられ
ている。逆に、そのような高分子樹脂が、たとえばカプ
セル化及び/又は被覆のために用いることができるため
には、該樹脂はメルトフロー値を高くしなければならな
い。
ポリ(アリーレンスルフイド)ポリマーに関し、「硬
化」という用語は、たとえば加硫剤として硫黄を用いる
天然又は合成ゴムの「硬化」又は架橋剤としてスチレン
を用いる不飽和ポリエステル組成物の硬化のように、他
のポリマーに適用される場合の用語の意味とは必ずしも
同意語ではないことを注意しなければならない。該ゴム
又は不飽和ポリエステル組成物の完全硬化は熱可塑状態
から熱固化状態への不可逆転化を生じる。他方、ポリ
(アリーレンスルフイド)樹脂の硬化は、硬化前も硬化
後も、必ずしも同じ程度ではないが、樹脂が熱可塑性で
あるという点が異なる。従つて、PAS樹脂の硬化、及び
それから形成される物体は押出適性、靱性、及び他の重
要な性質における変化を生じる。
或る工業的用途の場合には、原のポリ(アリーレンス
ルフイド)樹脂のメルトフロー値を低下させる(溶融粘
度を上昇させる)ことは望ましいけれども、溶融相にあ
るときに熱的に安定である樹脂を得ることも同様に好ま
しいことである。換言すれば、樹脂が一定時間融点を超
える温度に保たれる間に、溶融粘度が施質的に変化しな
い高分子樹脂を得ることは好ましいことである。熱安定
性がそのように重要な要因である理由は、多くの工業的
用途においては、硬化した高分子樹脂は屡々少なくとも
1回の溶融加工工程を受けるということである。工業的
加工方法の典型的な例は溶融樹脂にガラス、繊維、及び
/又はガラス繊維のような種々の充填剤を添加すること
によつて硬化樹脂を先ず高分子組成物にする場合であ
る。高分子組成物は屡々さらに搬送されて、最終及び/
又は中間成形物に加工される。この後者の加工工程は高
分子組成物をもその調製に使用した樹脂の融点を超える
温度に加熱することを必要とすることが多い。
工業的加工設備の本質的な物理的制約によつて、特に
狭い範囲内の溶融粘度を有する樹脂状物質を加工設備に
供給することが通常必要である。上述のように、樹脂状
物質は2つの異なる事象においてその融点を超える温度
にさらされた。従つて、上記例において、硬化樹脂の熱
安定性が低い(すなわち、樹脂が溶融相に保たれている
ときに、溶融粘度が著しく変化する)場合には、最終溶
融粘度が最終的に特定範囲内に入るためには最初の溶融
粘度がいくらでなければならないかを求めるのは、不可
能ではないにしても、難しいであろう。他方、硬化樹脂
が溶融状態で熱的に安定であるとすれば、所望の流動特
性を保持する樹脂を合成することは遥かに容易であろ
う。従つて、本発明は熱的に安定な硬化アリーレンスル
フイド高分子樹脂の調製方法を提供する。
本発明はまた、本発明の新規な方法によつて処理され
るアリーレンスルフイド樹脂から高分子組成物を製造す
ることも可能にする。
さらに、本発明は、本発明の方法によつて硬化したア
リーレンスルフイド樹脂又は該新規硬化樹脂を用いてつ
くられる高分子組成物からつくられる成形物品を提供す
る。
本発明のその他の態様及び利点は以下の明細書並びに
添付特許請求の範囲を読めば当業者には明らかとなろ
う。
本発明により15容量%以下の酸素を含む酸化性雰囲気
の存在下で、原のポリ(アリーレンスルフイド)樹脂を
固相に保ちながら、加熱することによつて、該樹脂を酸
化的に硬化する。
15容量%以下の酸素を含む酸化性雰囲気にさらしなが
ら、原のポリ(アリーレンスルフイド)樹脂を融点未満
の温度に加熱することによつて、該樹脂のメルトフロー
値を所定の値まで低下させる(溶融粘度を上昇させる)
のに要する時間は、酸化性雰囲気として空気を用いる場
合に、同一樹脂を同一温度で酸化硬化させるのに要する
時間と顕著には異ならないけれども、15容量%以下の酸
素を含む酸化性雰囲気の存在下で硬化させた樹脂の得ら
れる熱安定性は酸化性雰囲気として空気を用いる場合に
同一温度で硬化させた同一樹脂の熱安定性よりも顕著に
高いことが見出された。
本発明並びにそれに付随する利点のより完全な評価
は、以下に簡単に示す添付図面と関連させて考えれば、
下記の詳細な説明を参照することにより理解が深まるに
つれて容易に得られるであろう。
本明細書で述べる「アリーレンスルフイドポリマー」
及び/又は「ポリ(アリーレンスルフイド)」(PASと
略す)という用語は、米国特許第3,354,129号明細書に
記載されているように調製される種類のポリマーを含む
ように意図される。たとえば、該特許において、ポリマ
ーは、極性有機化合物の存在下でポリハロ芳香族化合物
をアルカリ金属スルフイドと反応させることによつて調
製される。得られたポリマーは硫黄原子を介して繰返し
単位で結合されたポリハロ化合物の芳香族構造を含んで
いる。「未改質」または「原(virgin)」という用語
は、ポリ(アリーレンスルフイド)樹脂のある種類を識
別するのに用いられる場合には、任意の以後の酸化性熱
処理(すなわち、硬化)をさせていないポリマーを指
す。
本明細書で使用する「メルトフロー」という用語は溶
融した高分子樹脂が下向きの圧力を受けたときに、オリ
フイス内を流れる速度を指す。本発明においては、メル
トフローは10分当りの押出物のグラム単位(g/10分)で
記録され、「自動計測流量測定(Automatically Timed
Flow Rate Measurement)」と題するASTM D1238、B法
に準拠している。たとえば、約285℃(515゜F)の融点を
有するポリ(フエニレンスルフイド)樹脂の流量を測定
する場合には、5キログラムの全駆動質量を用いながら
樹脂を316℃(600゜F)に加熱する。溶融ポリ(フエニレ
ンスルフイド)樹脂が押出されるオリフイスは0.0825±
0.002インチの内径及び0.315±0.001インチの長さを有
している。従つて、高粘度のポリマーは低いメルトフロ
ーの読みを示すであろうし、その逆も同様である。いい
かえれば、「メルトフロー」という用語と「粘度」とい
う用語は逆関係にある。
本明細書で用いる「硬化速度」という用語は、気相酸
化性雰囲気にさらされながら融点未満の高温に加熱さ
れ、一定時間その温度に保持された高分子樹脂の最終の
メルトフロー値を指す。たとえば、特定のポリ(アリー
レンスルフイド)樹脂の6時間硬化速度は所定の硬化温
度に6時間さらされた後の該樹脂のメルトフロー値であ
る。
本明細書で用いる「押出速度」という用語は、溶融高
分子樹脂が下向きの圧力を受けたときにオリフイスを流
れる速度をも指すという点でメルトフローという用語に
類似している。押出速度試験はメルトフロー試験よりも
さらに多くの限定パラメーターを使用するので、高メル
トフロー値(低粘度)を有するポリマーをさらに正確に
特徴づけることができる。特定樹脂の押出速度は10分当
りの押出物のグラム単位(g/10分)で記録され、ASTM D
1238の改良法に準拠している。押出速度試験で実施され
るASTM D1238改良法は(1)345グラムの駆動質量及び
(2)長さ1.250±0.001インチを有するオリフイスを使
用するものである。
本明細書で用いる「熱安定性」という用語は硬化した
樹脂を一定時間その融点を超える温度に保持している間
の該樹脂の溶融粘度の変化の度合を指す。或る樹脂の熱
安定性が改善されると(すなわち、向上すると)、その
溶融粘度が経時的に変化する度合が減少する。
本発明の場合に、硬化樹脂の熱安定性はニュージヤー
ジー州ピスカタウエイ(Piscataway)のレオメトリツク
ス・インク(Rheometrics.Inc.)から供給されるレオメ
トリツク・ダイナミツク・スペクトロメーター(Rheome
tric Dynamic Spectromete:RDSと略す)を用いて測定す
る。大まかに云えば、RDSは、加熱試料の粘度を周波数
及び/又は時間の函数としてモニターすることによつ
て、通常試料の融点を超える一定温度で試料の粘度変化
を測定するものである。
本発明は任意の公知の方法によつてつくられたPAS樹
脂に広く適用可能である。たとえば、本発明はポリハロ
置換芳香族化合物を、極性有機溶剤中で、任意に回分又
は連続操作の重合改質化合物とともに、硫黄含有反応体
と反応させる樹脂について用いられる。一般に、本発明
の方法によつて用いるために調製されるポリマーは、該
ポリマーを調製することができる物質の高有効性のため
に、繰返し単位R−S(式中、Rはフエニレン、ビフエ
ニレン、ナフタレン、ビフエニレンエーテル、及びそれ
らの低級アルキル置換誘導体よりなる群から選ばれる)
を有するポリマーである。上記に用いた「低級アルキ
ル」という語句は1乃至6個の炭素原子を有するアルキ
ル基を指す。このような低級アルキルの例は、メチル、
プロピル、イソブチル、ヘキシル等を含むが、これに限
定されるものではない。
本発明の方法によつてもつとも処理され易いPAS樹脂
はアリーレン基がフエニレン基のPAS樹脂である。一般
に、本発明の方法はポリ(フエニレンスルフイド)、ポ
リ(フエニレンスルフイドケトン)、ポリ(フエニレン
スルフイドジケトン)、ポリ(ビフエニレンスルフイ
ド)等よりなる群から選ばれるフエニレンスルフイドポ
リマーの加工性を改善するために用いることができる。
本発明の方法に特に適用可能であるのはp−ジクロロベ
ンゼン及び1,2,4−トリクロロベンゼンの混合物を硫黄
源及び金属ハライドと溶融温度において反応させること
によつて調製されるPAS樹脂である。ジハロ芳香族化合
物を用い、又は架橋を助けるためにポリマーにポリハロ
芳香族化合物が付加されている架橋ポリマーにより形成
された線状ポリマーを使用することもできる。
本発明によれば、原のPAS樹脂(粒状)を、15容量%
以下の酸素を含む気相酸化性雰囲気の存在下、樹脂の融
点未満の温度で、樹脂のメルトフロー値の所望の低下
(粘度の上昇)を得るだけの時間加熱することによつ
て、改善されたPAS樹脂を調製することができる。
PAS樹脂の融点は任意の適当な方法によつて容易に測
定することができる。そのような方法の1つは、ポリマ
ー試料10mgを毎分10℃の速度で加熱することによつて試
料の示差熱分析(DTA)を行うことによるものである。
融点はDTAサーモグラムから通常の方法で得られる。本
発明の方法によつて硬化したポリマーは当初の物理的外
観及び硬化速度を保持しながら、それにもかかわらず少
なくとも20容量%の酸素を含む気相酸化性雰囲気の存在
下にあつて硬化された同一樹脂の熱安定性よりも著しく
高い熱安定性を示すことが見出された。
本明細書に開示された本発明の方法によれば、一般に
高分子樹脂の硬化温度は、処理されるポリマーの融点か
ら約10℃乃至約70℃低い、好ましくは約25℃乃至約55℃
低い範囲であろう。樹脂を該温度に保持する時間は、所
望の硬化度のような多くの種々の因子による。一般に、
樹脂は所望の温度に約10分間から約3日間、しかし通常
は約2時間から約12時間にわたる時間保持されるであろ
う。特に、処理される樹脂の種類によつては、さらに長
い硬化時間がさらに低い温度の使用と通常結びついてお
り、その逆も同様である。
上記のように、PAS樹脂の硬化は酸素濃度が約20容量
%未満の気相酸化性雰囲気の存在下にある間に行うべき
である。本発明の好適な態様においては、気相酸化性雰
囲気は空気と任意の適当な不活性ガスの混合物である。
このような適当な不活性ガスの例は水蒸気、窒素、二酸
化炭素等、又はそれらの混合物を含むが、これに限定さ
れるものではない。しかし、経済的目的から云えば、好
適な不活性ガスは窒素である。
原の高分子樹脂を硬化させるのに用いられる雰囲気中
の酸素濃度は、15容量%の酸素濃度よりも低く減少し続
けるので、得られる硬化樹脂の熱安定性は顕著に向上し
続ける。しかし、工業的適用に対しては、工業的硬化容
器内で硬化させる大量の樹脂並びに不活性ガス本来のコ
ストにより、気相酸化性雰囲気中の酸素濃度の容量%は
通常約15容量%乃至約3容量%、さらに好ましくは約12
容量%乃至約6容量%の範囲、例えば、約10容量%であ
る。しかし、酸素処理が約15容量%以下である場合に、
もつとも顕著な改善が生じる。
本発明の方法によつて所望の硬化レベルが得られたの
ちに、加熱プロセス及び15容量%以下の酸素を含む酸化
性ガスのPAS樹脂固体粒子本体の通過を終了させる。酸
化性ガスの残留分は任意に不活性ガス状媒質を通すこと
によつて粒状物質本体から除くことができる。このよう
な不活性ガス状パージ媒質の例は水蒸気、窒素、二酸化
炭素等又はこれらの混合物を含むが、これに限定される
ものではない。しかし、経済的な目的から、好適な不活
性ガスは窒素である。この任意のパージは通常約1分乃
至約30分、好ましくは約1分乃至約10分、さらに好まし
くは約5分未満で完了させることができる。硬化したPA
S樹脂粒子本体は、さらに不活性ガス状媒質の存在下に
あり、かつ任意の酸化性ガスが少なくとも実質的に存在
しない間に、粒状樹脂の温度が、任意の酸化性ガスの存
在下で著しい量のそれ以上の硬化が起らないと思われる
温度未満の温度に下がるまで冷却される。
硬化PAS樹脂の冷却方法は任意の適当な手段によつて
行うことができる。本発明の好適な態様では、冷却は粒
状樹脂から硬化容器壁を経て冷媒への熱流によつて行わ
れる。他の適当な冷却方法は、粒状本体の細隙に窒素の
ような不活性媒質の冷却流を通すことによるものであ
る。固体の樹脂状粒子の温度が、任意の酸化性ガスの存
在下にある場合に、著しいそれ以上の硬化が起らないと
思われる温度まで低下したあとで、任意の適当な手段、
好ましくは粒子を、大気温度を流動しつつある空気流と
接触させることによつて粒子を大気温度までさらに冷却
させることができる。
本発明は以下の実施例からさらに十分に理解されるで
あろう。これらの実施例は本発明のすぐれた態様を示す
つもりにすぎず、本発明の特許請求の範囲を限定しよう
とするつもりでは全くない。
実施例I 本実施例は、PAS樹脂の硬化法に用いられる気相酸化
性雰囲気中の酸素濃度が、所定のメルトフロー値まで樹
脂を硬化させるのに要する時間に如何に変化を及ぼすか
を示すものである。本実施例で用いたPAS樹脂は融点285
℃(515゜F)、押出速度約50g/10分、及び264℃(507゜
F)における6時間硬化速度119g/10分を有し、フイリツ
プス66社(Phillips 66 Company)からRyton(:商標)
ポリ(フエニレンスルフイド)として市販されている原
のポリ(フエニレンスルフイド)(「PPS」と略す)で
あつた。
上記粒状PPS樹脂の最初の150c.c.の試料を、ガスパー
ジ組成が調節可能である実験室用硬化容器に入れた。内
容物の温度が260℃(500゜F)に上るまでの間硬化容器の
中に窒素ガスをパージした。容器の内部温度が260℃(5
00゜F)に達すると、窒素パージ気流を止めて、1SCFHの
速度で流れる空気流に切換えた。この硬化法を6時間継
続した。
6時間硬化時間が終ると、硬化容器内の内容物を冷却
し、空気流を窒素パージ気流に切換えた。硬化容器の内
部温度が66℃(150゜F)に達すると、窒素パージ気流を
止めて、改善された粒状樹脂を取出し、大気温度まで冷
却した。以後、この樹脂を樹脂1と呼ぶ。
樹脂1が硬化したレベルを示す粘度スペクトルを、レ
オメトリツクス・ダイナミツク・スペクトロメーター
(Rheometrics Dynamic Spectrometer)(RDS)を用い
て得られたデータ点を用いてプロツトした。このスペク
トルを第1図に図示するグラフで示す。
先ず、樹脂1の1グラムの試料を、約1/8インチの厚
さのデイスクとなるように、直径1インチのダイの中
で、約10000psiの圧力をかけてコールドプレスしてRDS
用試料を調製した。次にデイスクを真空オーブン中、窒
素のパージ下で110℃(220゜F)で約2時間乾燥した。RD
Sを、10mm離して配置された直径1インチの円形平行板
プラテンを用い、0.30ラジアン/秒から始まり500.00ラ
ジアン/秒で終る周波数掃引モードで、試料に15容量%
のひずみを与えて操作した。試料を、加熱窒素連続気流
を用いて所望の温度に加熱した。RDSにより樹脂1の粘
度(ポアズ)を周波数(ラジアン/秒)の函数としてモ
ニターした。RDSによつて採取されたデータを第I表に
示す。
2種類の別のPPS樹脂試料(すなわち、樹脂2から樹
脂3まで)を樹脂1の場合に述べた方法と同一の方法に
より硬化し、分析した。樹脂1の硬化プロセスと樹脂2
或いは3の硬化プロセスとの僅かな差異は使用した酸化
性雰囲気であつた。
具体的には、樹脂2は50容量%の酸素濃度を含む酸化
性雰囲気を用いて硬化させた。この濃度は、6時間硬化
プロセスの間、硬化容器内に空気70容量%及び酸素30容
量%の混合物を1SCFMの速度で吹込むことによつて得ら
れた。
樹脂2が硬化したレベルを示す粘度スペクトルは、RD
Sによつて得られたデータ点を用いてプロツトした。こ
のスペクトルを第1図のグラフにプロツトする。RDSに
よつて得られ、樹脂2の粘度スペクトルをプロツトする
のに用いたデータ点を第I表に示す。
樹脂3を10容量%の酸素濃度を含む酸化性雰囲気を用
いて硬化した。これを、6時間硬化プロセスの間、空気
50容量%及び窒素50容量%の混合物を1SCFMの速度で、
硬化容器内に吹込むことによつて得た。
樹脂3が硬化したレベルを示す粘度スペクトルを、RD
Sにより得られたデータ点を用いてプロツトした。この
スペクトルを第1図のグラフにプロツトする。RDSによ
つて得られ、樹脂3の粘度スペクトルをプロツトするの
に用いたデータ点を第I表に示す。
粘度スペクトル及び樹脂1乃至3の6時間硬化速度か
ら判るように、粒状PPS樹脂の硬化レベルは酸化性雰囲
気中の酸素濃度によつて顕著には影響されない。
実施例II 本実施例は、硬化プロセスの気相酸化性雰囲気中の酸
素濃度が、酸化硬化したPAS樹脂の熱安定性に如何に変
化を及ぼすかを示すものである。本実施例で用いたPAS
樹脂は、実施例Iで用いたものと同じ樹脂であつた。
本実施例において、樹脂1乃至3(実施例I)の熱安
定性を、RDSを用いて30分間にわたり測定した。樹脂1
乃至3の試料1グラムを、それぞれ約1/8インチの厚さ
の3個のデイスクとなるように、それぞれ直径1インチ
のダイの中で約10,000psigの圧力をかけて先ずコールド
プレスしてRDS用試料を調製した。次いで、デイスクを
真空オーブン中、窒素のパージ下で、約2時間、110℃
(200゜F)で乾燥した。RDSを、1.0mm離して配置された
直径1インチの円形平行板プラテンを用いて、330℃(6
26゜F)で、約2分から始まり約33分で終る時間掃引モー
ドで、各樹脂試料に15容量%のひずみを与えて操作し
た。試料を加熱窒素連続気流を用いて所望の温度に加熱
した。
RDSは、樹脂1乃至3の粘度(ポアズ)を、それぞれ
時間(すなわち、分)の函数としてモニターした。具体
的には、熱的平衡に達した後(すなわち、2.8分後)、R
DSにより、時間掃引が完了するまで、個々の樹脂試料の
粘度を略々3分間隔でモニターした。
RDSにより採取されたデータは、比較のために、一定
樹脂のすべての粘度を初めの読みでモニターされた粘度
で割つて標準化した。この標準化されたデータを第II表
に示す。
本発明の有効性を視覚的に示すために、第II表のデー
タを第2図に図示するグラフにプロツトする。このデー
タから、20容量%の酸素濃度を含む気相酸化性雰囲気中
で硬化させた樹脂1は、加熱プロセスの間に、260容量
%のポリマーの溶融粘度上昇を示すことがわかる。さら
にデータから、50容量%の酸素濃度を含む気相酸化性雰
囲気中で硬化させた樹脂2は、加熱プロセスの間に、29
0容量%のポリマーの溶融粘度上昇を示すことがわか
る。
樹脂1及び2について採取したデータに基づくと、同
一加熱時間の間に、10容量%の酸素濃度を含有する気相
酸化性雰囲気中で硬化させた樹脂3の溶融粘度は略々25
0容量%だけ上昇するであろうことが予想されるはずで
ある。しかし、第II表並びに第2図でわかるように、樹
脂3の溶融粘度は僅か160容量%だけ上昇したにすぎな
い。従つて、樹脂3の熱安定性の改善は、樹脂1及び2
により得られた傾向から考えて予期されないものであ
る。
実施例III 本発明の有効性をさらに示すために、本実施例は、20
容量%の酸素濃度を含む酸化性雰囲気中で硬化させたPA
S樹脂の熱安定性と、10容量%の酸素濃度を含む酸化性
雰囲気中で硬化させた同一樹脂の熱安定性とをさらに比
較するものである。
本実施例で用いたPAS樹脂は、米国特許第3,354,129号
明細書に開示されている重合条件下で、73lbs.の50重量
/容量%NaOH、91lbs.の58重量/容量%・NaSH、32ガロ
ンのN−メチル−ピロリドン(NMP)、及び140lbsのp
−ジクロロベンゼン(p−DCB)を90ガロンの重合反応
器中で反応させることによつて調製したポリ(フエニレ
ンスルフイド)(PPS)樹脂であつた。得られた高分子
樹脂は、略々59g/10分の押出速度及び略々20g/10分の26
4℃(507゜F)における6時間硬化速度を有していた。
上記PPS樹脂の最初の46lb.の試料を2立方フイートの
硬化容器に充てんした。内容物の温度が218℃(425゜F)
に上るまで、容器に窒素ガスをパージした。容器の内部
温度が218℃(425゜F)に達したとき、窒素パージ気流を
2.5SCFMの速度で流れる空気流に切換えた。これらの条
件下で硬化させた樹脂を以後樹脂4と呼ぶ。
本硬化プロセス中種々の時間間隔で、硬化容器から樹
脂4の試料を取り出して分析した。それぞれの時間にお
けるこれらの試料のメルトフロー値をASTM D1238を用い
て測定し、第3表に記す。この硬化プロセスは、樹脂4
のメルトフロー値が155乃至115g/10分の所定の目標範囲
内に低下するまで続けられた。樹脂4が目標とするメル
トフロー範囲内まで硬化したとき、加熱操作を止め、酸
化性雰囲気(すなわち、空気)を窒素気流と切換えた。
硬化容器の外部ジヤケツトを冷却油流と接触させて冷却
した。
硬化容器中の内容物の温度が略々54℃(130゜F)まで
冷えたとき、硬化した樹脂4を容器から取出して最終の
メルトフロー値を測定した。樹脂4の最終のメルトフロ
ー値及び目標とするメルトフロー範囲に到達するまでに
要した時間を第III表に記す。
同じPPS樹脂の別の46lb.の試料を樹脂4の場合に示し
た方法と同じ方法によつて硬化させた。この2番目に硬
化させた樹脂を以後樹脂5と呼ぶ。樹脂4の硬化プロセ
スと樹脂5の硬化プロセスとの僅かな差異は使用した酸
化性雰囲気であつた。具体的には、樹脂5は10容量%の
酸素濃度を含む酸化性雰囲気を用いて硬化させた。この
濃度は、硬化プロセスの間に、空気50容量%と窒素50容
量%との混合物を2.5SCFMの速度で硬化容器内に吹込む
ことによつて得た。
硬化プロセスの間に容器から樹脂5の試料を取り出し
て分析した。それぞれの時間におけるこれらの試料のメ
ルトフロー値をASTM D1238を用いて測定し、第III表に
記す。さきに樹脂4について述べた範囲と同じメルトフ
ロー範囲内まで樹脂5が硬化したとき、硬化操作を止
め、硬化容器内の内容物を冷却した。
硬化容器中の内容物の温度が約54℃(130゜F)まで冷
えたとき、硬化した樹脂5を容器から取出して最終のメ
ルトフロー値を測定した。樹脂5の最終メルトフロー値
及び目標とするメルトフロー範囲に達するまでに要した
時間を第III表に記す。
10容量%の酸素を含む酸化性雰囲気中でPPS樹脂を硬
化することは、所望のメルトフロー値を得るのに要する
時間を著しく増大させないということを視覚的に示すた
めに、第III表にあるデータを第3図に図示するグラフ
にプロツトする。第3図及び第III表のデータから判る
ように、特定のPPS樹脂の所望の硬化レベルを得るのに
要する時間は酸化性雰囲気中の酸素の濃度によつて顕著
には影響を受けない。
次に、樹脂4及び5の熱安定性をRDSを用いて60分間
にわたつて測定した。このRDS分析用試料は実施例IIに
示した方法と同じ方法によつて調製した。
RDSを、樹脂4及び5の粘度(ポアズ)をそれぞれ時
間(すなわち分)の函数としてモニターした。具体的に
は、熱的平衡が得られた後(すなわち、2.5分後)、RDS
は時間掃引が完了するまで、略々3分間隔で個々の樹脂
試料の粘度をモニターした。
RDSにより採取されたデータを、比較のために、一定
樹脂のすべての粘度を2分置いてモニターした粘度で割
つて標準化した。この標準化されたデータを第IV表に示
す。
本発明の有効性を視覚的に示すために、第IV表のデー
タを第4図に図示するグラフにプロツトする。このデー
タから、20容量%の酸素濃度を含む気相酸化性雰囲気中
で硬化させた樹脂4は、分間隔の加熱プロセスの間に、
542容量%のポリマーの溶融粘度上昇を示すことがわか
る。さらに、本データから、10容量%の酸素濃度を含む
気相酸化性雰囲気中で硬化させた樹脂5は、同一加熱プ
ロセスの間に僅か312容量%のポリマーの溶融粘度上昇
を示すにすぎないことがわかる。従つて、10容量%の酸
素濃度を含む気相酸化性雰囲気中で硬化させた樹脂(す
なわち、樹脂5)の熱安定性は20容量%の酸素濃度を含
む酸化性雰囲気中で硬化させた同じ樹脂(すなわち、樹
脂4)の熱安定性に比して著しく改善された。
実施例IV 本発明の有効性をさらに示すために、本実施例は20容
量%の酸素濃度を含む酸化性雰囲気中で硬化させた工業
用品質のPAS樹脂の熱安定性と、すべて10容量%未満の
種々の酸素濃度を含む酸化性雰囲気中で硬化させた同じ
工業用品質の樹脂の熱安定性とをさらに比較するもので
ある。
本実施例で用いたPAS樹脂は、285℃(515゜F)の融
点、約76g/10分の押出速度、及び66g/10分の264℃(507
゜F)における6時間硬化速度を有し、Ryton(:商標)
ポリ(フエニレンスルフイド)としてフイリツプス66社
(Phillips 66 Company)から市販されている原のポリ
(フエニレンスルフイド)(「PPS」と略す)であつ
た。
上記PPS樹脂の最初の45lb.の試料を2立方フイートの
硬化容器に充てんした。内容物の温度が218℃(425゜F)
に上がるまで、窒素ガスを容器内にパージした。容器の
内部温度が218℃(425゜F)に達したとき、窒素パージ気
流を2.5SCFMの速度で流動する空気流に切換えた。これ
らの条件下で硬化させた樹脂を以後樹脂6と呼ぶ。
硬化プロセスの間に、種々の時間間隔で、硬化容器か
ら樹脂6の試料を取出して分析した。それぞれの時間に
おけるこれらの試料のメルトフロー値をASTM D1238を用
いて測定し、第V表に記す。硬化プロセスは樹脂6のメ
ルトフロー値が155乃至115g/10分の所定目標範囲内に低
下するまで継続させた。樹脂6が目標のメルトフロー範
囲内まで硬化したとき、加熱操作を止め、酸化性雰囲気
(すなわち、空気)を窒素気流に切換えた。冷却油流と
接触させることによつて硬化容器の外部ジヤケツトを冷
却した。
硬化容器中の内容物の温度が略々54℃(130゜F)に冷
えたとき、硬化した樹脂6を容器から取出し、最終メル
トフロー値を測定した。樹脂6の最終メルトフロー値及
び目標とするメルトフロー範囲に達するのに要する時間
を第V表に記す。
同一PPS樹脂の別の45lb.の試料を樹脂6について示し
た方法と同じ方法によつて硬化させた。この第2の硬化
した樹脂を以後樹脂7と呼ぶ。樹脂6の硬化プロセスと
樹脂7の硬化プロセスとの僅かな相違は用いた酸化性雰
囲気であつた。具体的には、樹脂7は、酸素濃度を8容
量%から1容量%まで変動させた酸化性雰囲気を用いて
硬化した。この濃度は、硬化プロセスの間、空気と窒素
との混合物を硬化容器内に吹込み、容器定数により酸化
性雰囲気の全体の流れを2.5SCFMに保つことによつて得
られた。樹脂7を硬化させるのに用いた酸化性雰囲気中
に含まれた酸素の濃度は第V表に示す。
硬化プロセスの間に容器から樹脂7の試料を取出して
分析した。それぞれの時間におけるこれらの試料のメル
トフロー値はASTM D1238を用いて測定し、第V表に記
す。樹脂6について上に述べた範囲と同じ目標のメルト
フロー範囲内まで樹脂7が硬化したとき、硬化操作を止
め、硬化容器中の内容物を冷却した。
硬化容器中の内容物の温度が略々54℃(130゜F)に冷
えたときに、硬化した樹脂7を容器から取出して、最終
メルトフロー値を測定した。樹脂7の最終のメルトフロ
ー値及び目標のメルトフロー範囲に達するのに要した時
間を第V表に記す。
10容量%未満の酸素を含む酸化性雰囲気中でPPS樹脂
を硬化させることは、所望のメルトフロー値を得るのに
要する時間を著しく増大させないということを視覚的に
示すために、第V表のデータを第5図に図示したグラフ
にプロツトする。第5図及び第V表のデータから判るよ
うに、特定のPPS樹脂の所望の硬化レベルを得るのに要
する時間は酸化性雰囲気中の酸素の濃度によつて顕著に
は影響されない。
次に、樹脂6及び7の熱安定性をRDSを用いて60分間
にわたつて測定した。このRDS分析用試料は実施例IIで
示した方法と同じ方法によつて調製した。
RDSは樹脂6及び7の粘度(ポアズ)をそれぞれ時間
(すなわち、分)の函数としてモニターした。具体的に
は、熱的平衡が得られた後(すなわち、2.5分後)、RDS
により時間掃引が完了するまで、略々3分間隔で個々の
樹脂試料の粘度をモニターした。
RDSによつて採取されたデータは、比較のために一定
樹脂のすべての粘度を最初の時刻の読みでモニターした
粘度で割ることによつて標準化した。この標準化された
データを第VI表に示す。
本発明の有効性を視覚的に示すために、第VI表のデー
タを第6図に図示するグラフにプロツトする。このデー
タから、20容量%の酸素濃度を含む気相酸化性雰囲気中
で硬化させた樹脂6は硬化プロセスの間に、950容量%
のポリマーの溶融粘度上昇を示すことがわかる。さら
に、このデータから10容量%未満の酸素濃度を含む気相
酸化性雰囲気中で硬化させた樹脂7は硬化プロセスの間
に、僅か470容量%のポリマーの溶融粘度上昇しか示さ
ないことがわかる。従つて、10容量%未満の酸素濃度を
含む気相酸化性雰囲気中で硬化させた樹脂(すなわち、
樹脂7)の熱安定性は20容量%の酸素濃度を含む酸化性
雰囲気中で硬化させた同じ樹脂(すなわち、樹脂6)の
熱安定性に比して顕著に改善された。
実施例V 本実施例は、10容量%の酸素濃度を含む酸化性雰囲気
の存在下で硬化させたPAS樹脂からつくつたポリマー組
成物の熱安定性が、20容量%の酸素濃度を含む酸化性雰
囲気の存在下で硬化させた同一PAS樹脂を用いることに
よりつくつた組成物の熱安定性よりも著しく高いことを
示すものである。これは組成物の物性の何ら明白な犠牲
なくして達成される。本実施例に用いたPASポリマーは
実施例IIIで調製したものと同一のポリ(フエニレンス
ルフイド)(PPS)ポリマーである。
本実施例において、58.75重量%の樹脂4(実施例II
I)、40.00重量%のガラス繊維、1.00重量%の腐食抑制
剤としての炭酸リチウム、及び0.25重量%の離型剤とし
ての高密度ポリエチレンよりなる混合物をドライブレン
ドすることによつて最初の高分子組成物を調製した。こ
の混合物を316℃(600゜F)の温度でDavis−Standar
d(:商標)押出機を通して押出した。押出生成物を粉
砕して粉末にした。次に粉末を150℃(302゜F)の通風オ
ーブン内で2時間乾燥した。この乾燥した高分子組成物
を以後組成物1と呼ぶ。
組成物1をArburg(:商標)221E/170R射出成形機を
用い、316℃(600゜F)のバレル温度及び135℃(275゜F)
の金型温度で試験試料に成形した。これらの試験試料は
引張試験片及び衝撃試験片から成つた。組成物1からつ
くつた試験試料を以下のASTM試験法にかけた:アイゾツ
ト衝撃試験(ASTM 256)、曲げ弾性率及び曲げ強さ(AS
TM D790)、引張強さ(ASTM D638)、及びメルトフロー
(ASTM D1238)。上記試験の結果を第VII表に記す。
組成物1について示した方法と同じ方法を用いて別の
乾燥高分子組成物(すなわち、組成物2)を調製した。
組成物1の調製法と組成物2の調製法との僅かな相違は
用いた樹脂であつた。具体的には、組成物2を、樹脂5
(実施例III)を用いて調製した。
組成物2を成形して試験試料とし、組成物1と同様の
試験にかけた。上記試験の結果を第VII表に記す。
第VII表のデータから、10容量%の酸素を含む酸化性
雰囲気中で硬化させたPPS樹脂からつくつた高分子組成
物(すなわち、組成物2)の物性は、20容量%の酸素を
含む酸化性雰囲気中で硬化させたPPS樹脂からつくつた
組成物(すなわち、組成物1)の物性と著しい差異のな
いことがわかる。
さらに、組成物1及び2の熱安定性をRDSを用いて60
分間にわたり測定した。このRDS分析用試料は実施例II
で示した方法と同じ方法によつて調製した。
RDSにより組成物1及び2の粘度(ポアズ)を、それ
ぞれ時間(すなわち、分)の函数としてモニターした。
具体的には、熱的平衡が得られた後(すなわち、2.5分
後)、RDSは時間掃引が完了するまで、略々3分間隔で
個々の樹脂試料の粘度をモニターした。
RDSによつて採取されたデータは、比較のために、一
定樹脂のすべての粘度を、初めの読みでモニターした粘
度で割ることによつて標準化した。この標準化されたデ
ータを第VIII表に示す。
本発明の有効性を視覚的に示すために、第VIII表のデ
ータを第7図に図示するグラフにプロツトする。このデ
ータから、20容量%の酸素濃度を含む気相酸化性雰囲気
中で硬化させた樹脂4から調製した組成物1は、硬化プ
ロセスの間に542容量%のポリマーの溶融粘度上昇を示
すことがわかる。さらに、データから、10容量%の酸素
濃度を含む気相酸化性雰囲気中で硬化させた樹脂5から
調製した組成物2は、硬化プロセスの間に僅か197容量
%のポリマーの溶融粘度上昇しか示さないことがわか
る。従つて、10容量%の酸素濃度を含む気相酸化性雰囲
気中で硬化させた樹脂からつくつた高分子組成物(すな
わち、それぞれ樹脂5及び組成物2)の熱安定性は、20
容量%の酸素濃度を含む酸化性雰囲気中で硬化させた同
じ樹脂から調製した組成物(すなわち、それぞれ樹脂4
及び組成物1)の熱安定性に比して著しく改善された。
実施例VI 本実施例は、10容量%未満の酸素濃度を含む酸化性雰
囲気の存在下にある間に硬化させた工業用PAS樹脂から
つくつた高分子組成物の熱安定性が、20容量%の酸素濃
度を含む酸化性雰囲気の存在下にある間に硬化させた同
一の工業用樹脂によつてつくられた組成物の熱安定性よ
りも著しく高いことを示すものである。本実施例で用い
た工業用PASポリマーは実施例IVで用いたものと同一の
ポリ(フエニレンスルフイド)(PPS)ポリマーであ
る。
本実施例において、58.75重量%の樹脂6(実施例I
V)、40.00重量%のガラス繊維、1.00重量%の腐食抑制
剤としての炭酸リチウム、及び0.25重量%の離型剤とし
ての高密度ポリエチレンよりなる混合物をドライブレン
ドすることによつて最初の高分子組成物を調製した。こ
の混合物を316℃(600゜F)の温度でDavis−Standar
g(:商標)押出機を通して押出した。押出生成物を粉
砕して粉末にした。次に粉末を150℃(302゜F)の通風オ
ーブン中で2時間乾燥した。この乾燥した高分子組成物
を以後組成物3と呼ぶ。
組成物3を、Arburg(:商標)221E/170R射出成形機
を用い、316℃(600゜F)のバレル温度及び135℃(275゜
F)の金型温度で成形して試験試料とした。これらの試
験試料は引張試験片及び衝撃試験片よりなるものであつ
た。組成物3からつくつた試験試料を以下のASTM試験法
にかけた:アイゾツト衝撃試験(ASTM D256)、曲げ弾
性率及び曲げ強さ(ASTM D796)、引張強度(ASTM D63
8)、及びメルトフロー(ASTM D1238)。上記試験の結
果は第XI表に記す。
組成物3について示した方法と同じ方法を用いて別の
乾燥高分子組成物(すなわち、組成物4)を調製した。
組成物4の調製法と組成物3の調製法との僅かな相違は
用いた樹脂であつた。具体的には、組成物4は樹脂7
(実施例IV)を用いて調製した。
組成物4を成形して試験試料とし、組成物3と同じ試
験にかけた。上記試験の結果を第IX表に記す。
10容量%未満の酸素を含む酸化性雰囲気中で硬化させ
た工業用品種のPPS樹脂からつくつた高分子組成物(す
なわち、組成物4)の物性は、20容量%の酸素を含む酸
化性雰囲気中で硬化させた同一工業用品質のPPS樹脂か
らつくつた組成物(すなわち、組成物3)の物性と著し
い相異のないことが第IX表のデータからわかる。
次に、組成物3及び4の熱安定性をRDSを用いて60分
間にわたり測定した。このRDS分析用試料は実施例IIに
示した方法と同じ方法によつて調製した。
RDSにより組成物3及び4の粘度(ポアズ)をそれぞ
れ時間(すなわち、分)の函数としてモニターした。具
体的には、熱的平衡が得られた後(すなわち、約2.5分
後)、RDSは時間掃引が完了するまで、略々3分間隔で
個々の樹脂試料の粘度をモニターした。
RDSによつて採取されたデータは、比較のために、一
定樹脂のすべてを粘度を最初の読みでモニターされた粘
度で割ることによつて標準化した。この標準化されたデ
ータを第X表に示す。
本発明の有効性を視覚的に示すために、第X表のデー
タを第8図に図示するグラフにプロツトする。このデー
タから、20容量%の酸素濃度を含む気相酸化性雰囲気中
で硬化させた樹脂6から調製した組成物3は、硬化プロ
セスの間に、707容量%のポリマーの溶融粘度上昇を示
すことがわかる。さらに、このデータから、10容量%の
酸素濃度を含む気相酸化性雰囲気中で硬化させた樹脂7
から調製した組成物4は、硬化プロセスの間に、僅か47
0容量%のポリマーの溶融粘度上昇しか示さないことが
わかる。従つて、10容量%未満の酸素濃度を含む気相酸
化性雰囲気中で硬化させた樹脂からつくつた高分子組成
物(すなわち、それぞれ樹脂7及び組成物4)の熱安定
性は、20容量%の酸素濃度を含む酸化性雰囲気中で硬化
させた同じ樹脂から調製した高分子組成物(すなわち、
それぞれ樹脂6及び組成物3)の熱安定性に比して著し
く改善された。
以下のデータは種々の濃度の酸素を有する雰囲気中で
のポリ(アリーレンスルフイド)樹脂硬化の熱安定性に
及ぼす影響を比較するものである。試験に供した種々の
酸素濃度は次の通りであつた:(a)50容量%、(b)
21容量%、(c)18容量%、(d)15容量%、(e)12
容量%、及び(f)10容量%。固体状態で硬化させた特
定のポリ(アリーレンスルフイド)樹脂は約285℃の融
点、約47g/10分の空気中で264℃における6時間硬化速
度を有するRayton PPS(:商標)としてフイリツプス・
ペトロリウム社(Phillips Petroleum Company)から市
販されているポリ(フエニレンスルフイド)(PPSと略
す)であつた。
実施例VII 試料調製 上記の粒状PPS樹脂の最初の80グラムの試料(約200m
l)をガスパージ組成が調節可能である実験室用500ml硬
化容器に入れた。内容物の温度が260℃(500゜F)に上が
るまで窒素ガスを硬化容器内にパージした。容器の内部
温度が260℃(500゜F)に達したとき、窒素パージ気流を
止めて、50容量%の酸素濃度を含み、100ml/分の速度で
流れる気相酸化性雰囲気流に切換えた。この酸素濃度
を、硬化プロセスの間に、窒素50容量%及び酸素50容量
%の混合物を硬化容器に吹込むことによつて得た。硬化
プロセスは約4時間継続した。
この4時間硬化時間が終ると、硬化容器中の内容物を
冷却し、空気流を窒素パージ気流に切換えた。硬化容器
の内部温度が略々66℃(150゜F)に達したとき、窒素パ
ージ気流を止めて改善された粒状PPS樹脂を取出して、
外気温度まで冷却した。以後この樹脂を樹脂1と呼ぶ。
樹脂1のメルトフロー値をASTM D1238を用いて測定し、
第XI表に記す。
樹脂1を硬化させるのに用いた方法と同じ方法によつ
て、前記PPS樹脂の別の試料(すなわち、樹脂2)を硬
化させた。樹脂2のメルトフロー値を第XI表に記す。
上記PPS樹脂の別の10個の試料(すなわち、樹脂3か
ら樹脂12まで)を、樹脂1を硬化させるときに用いた方
法と同じ方法により硬化させ、分析した。樹脂1の硬化
プロセスと樹脂3から12までの硬化プロセスの僅かな相
違は硬化雰囲気中の酸素濃度であつた。
具体的には、樹脂3及び4は21容量%の酸素濃度を含
む酸化性雰囲気を用いて硬化させた。この濃度は4時間
硬化プロセスの間に、硬化容器中に空気を100ml/分の速
度で吹込むことによつて得られた。樹脂3及び4のメル
トフロー値を第XI表に記す。
樹脂5及び6は18容量%の酸素濃度を含む酸化性雰囲
気を用いて硬化させた。これは4時間硬化プロセスの間
に、硬化容器中に空気86容量%及び窒素14容量%の混合
物を100ml/分の速度で吹込むことによつて得られた。樹
脂5及び6のメルトフロー値を第XI表に記す。
樹脂7及び8は15容量%の酸素濃度を含む酸化性雰囲
気を用いて硬化させた。これは、4時間硬化プロセスの
間に、硬化容器中に空気71容量%及び窒素29容量%の混
合物を100ml/分の速度で吹込むことによつて得られた。
樹脂7及び8のメルトフロー値を第XI表に記す。
樹脂9及び10は、12容量%の酸素濃度を含む酸化性雰
囲気を用いて硬化させた。これは、4時間硬化プロセス
の間に、硬化容器中に空気57容量%及び窒素43容量%の
混合物を100ml/分の速度で吹込むことによつて得られ
た。樹脂9及び10のメルトフロー値を第XI表に記す。
樹脂11及び12は10容量%の酸素濃度を含む酸化性雰囲
気を用いて硬化させた。これは4時間硬化プロセスの間
に、硬化容器中に空気48容量%及び窒素52容量%の混合
物を100ml/分の速度で吹込むことによつて得られた。樹
脂11及び12のメルトフロー値を第XI表に記す。
第XI表に記されたデータは、硬化雰囲気中の酸素濃度
は硬化度に顕著には影響を及ぼさないということを示
す。
熱安定性を測定するための流動学的分析 溶融状態にある樹脂1から12までの熱安定性を、レオ
メトラツクス・ダイナミツク・スペクトロメーター(RD
S)を用いて測定した。
分析する樹脂(粉末)の1グラムの試料を、直径1イ
ンチのダイの中で、略々1/8インチの厚さのデイスクを
形成するように約10,000psiの圧力をかけて先ずコール
ドプレスしてRDS用の試料を調製した。次にデイスクを
窒素パージ下で、110℃(200゜F)の真空オーブン中で少
なくとも2時間乾燥した。RDSは1.0mm離して配置された
直径1インチの円形平行板プラテンを用い、1.0ラジア
ン/秒の定周波数モードで、330℃において、試料に15
%のひずみを与えて作動させた。試料は加熱窒素連続気
流を用いて所望の温度に保つた。
RDSは樹脂1から12までの溶融粘度(ポアズ)をそれ
ぞれ時間(分)の函数としてモニターした。具体的に
は、熱的平衡が得られた後(すなわち、約5分後)、RD
Sは時間掃引が完了するまで、略々3分間隔で個々の樹
脂試料の粘度をモニターした。
RDSによつて採取されたデータは、比較のために、一
定樹脂のすべての粘度を、熱的平衡が得られた後の最初
の読みでモニターされた粘度で割ることによつて標準化
した。この標準化されたデータを第XII表に記す。
以下の第XIII表は、第XII表に記した、種々の樹脂の
溶融粘度の60分間の分析時間にわたる上昇率を示す。
第XII及びXIII表のデータは、60分間の分析時間にわ
たる、50容量%の酸素濃度を含む気相酸化性雰囲気中で
硬化させた樹脂1及び2の溶融粘度の平均上昇が略々45
7%であつたことを示す。さらに、データは、60分間の
分析時間にわたる、21容量%の酸素濃度を含む気相酸化
性雰囲気中で硬化させた樹脂3及び4の溶融粘度の平均
上昇が略々316%であつたことを示す。又、データは、6
0分間の分析時間にわたる、18容量%の酸素濃度を含む
気相酸化性雰囲気中で硬化させた樹脂5及び6の溶融粘
度の平均上昇が略々278%であつたことを示す。
このデータに基づくと、同一硬化条件を受けた場合に
は、それぞれ15容量%、12容量%、及び10容量%の酸素
濃度を含む気相酸化性雰囲気中で硬化させた樹脂7及び
8、樹脂9及び10、並びに樹脂11及び12の溶融粘度の平
均上昇はそれぞれ略々270%、250%、並びに240%にな
るであろうと予想されるはずである。しかし、第XII並
びにXIII表から判るように、樹脂7及び8、樹脂9及び
10、並びに樹脂11及び12の平均溶融粘度の平均上昇はそ
れぞれ僅か略々204%、179%、並びに188%であつた。
従つて、樹脂1乃至6により得られた傾向から考える
と、樹脂7乃至12の熱安定性の改善は予期されないもの
である。
【図面の簡単な説明】
第1図は種々の濃度の酸素を含む酸化性雰囲気の存在下
で硬化させた樹脂の硬化速度粘度スペクトルである。図
表中、縦軸は粘度を示し、横軸は周波数(ラジアン/
秒)を示す。 第2図は種々の濃度の酸素を含む酸化性雰囲気の存在下
で硬化させた樹脂の熱安定性粘度スペクトルである。図
表中、縦軸は標準化粘度を示し、横軸は時間(分)を示
す。 第3図は種々の濃度の酸素を含む酸化性雰囲気の存在下
で硬化させた樹脂の硬化速度グラフである。グラフ中、
縦軸はメルトフロ(g/10分)を示し、横軸は時間(時
間)を示す。 第4図は種々の濃度の酸素を含む酸化性雰囲気の存在下
で硬化させた樹脂の熱安定性粘度スペクトルである。図
表中、縦軸は標準化粘度を示し、横軸は時間(分)を示
す。 第5図は種々の濃度の酸素を含む酸化性雰囲気の存在下
で硬化させた樹脂の硬化速度グラフである。グラフ中、
縦軸はメルトフロー(g/10分)を示し、横軸は時間(時
間)を示す。 第6図は種々の濃度の酸素を含む酸化性雰囲気の存在下
で硬化させた樹脂の熱安定性粘度スペクトルである。図
表中、縦軸は標準化粘度を示し、横軸は時間(分)を示
す。 第7図は種々の濃度の酸素を含む酸化性雰囲気の存在下
で硬化させた樹脂の熱安定性粘度スペクトルである。図
表中、縦軸は標準化粘度を示し、横軸は時間(分)を示
す。 第8図は種々の濃度の酸素を含む酸化性雰囲気の存在下
で硬化させた樹脂の熱安定性粘度スペクトルである。図
表中、縦軸は標準化粘度を示し、横軸は時間(分)を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 7:14 3:26) (C08L 81/02 23:04) (72)発明者 ジョセフ・エマーソン・フィガード アメリカ合衆国オクラホマ州74006,バ ートルズヴィル,ウッドビル・ロード 4006 (56)参考文献 特開 昭57−119926(JP,A) 特開 昭54−155255(JP,A) 特開 昭54−162752(JP,A) 特開 昭57−87459(JP,A) 特開 昭61−101534(JP,A) 特開 昭59−115331(JP,A) 特開 昭62−197422(JP,A) 米国特許3793256(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 75/02 - 75/10 C08L 81/02

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリ(アリーレンスルフイド)樹脂を、約
    3容量%〜約15容量%の酸素を含む気相酸化性雰囲気の
    存在下で、該樹脂の融点から約10℃乃至約70℃低い温度
    に、樹脂の硬化を達成させるのに足る時間固体粒子状態
    で加熱することよりなるポリ(アリーレンスルフイド)
    樹脂の酸化硬化方法。
  2. 【請求項2】前記の硬化済固体粒子を前記酸化性雰囲気
    から取出すために、該固体粒子を不活性流体でパージす
    ることを含む請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】前記固体粒子を、前記不活性流体の存在下
    でかつ前記酸化性雰囲気が実質的に不存在下で、該酸化
    性雰囲気が存在するときでも、該固体粒子の顕著な量の
    それ以上の硬化が起らないと思われる温度まで冷却する
    ことを含む請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】前記固体粒子の温度をさらに下げるため
    に、前記のように冷却させた固体粒子を比較的冷たい空
    気と接触させることを含む請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】前記酸化性雰囲気が約12容量%から約6容
    量%にわたる酸素含量である請求項1〜4のいずれかに
    記載の方法。
  6. 【請求項6】前記酸化性雰囲気が空気及び不活性ガスの
    混合物よりなる請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】前記固体粒子を加熱する前記温度が、前記
    樹脂の融点から約25℃乃至約55℃低い範囲にある請求項
    1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】前記樹脂が−R−S−繰返し単位(式中、
    Rはフエニレン、ビフエニレン、ナフチレン、ビフエニ
    レンエーテル、又はそれらの低級アルキル誘導体であ
    る。)を含む請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】前記樹脂が、ポリ(フエニレンスルフイ
    ド)、ポリ(フエニレンスルフイドケトン)、ポリ(フ
    エニレンスルフイドジケトン)、又はポリ(ビフエニレ
    ンスルフイド)である請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】前記固体粒子を加熱する前記時間が約10
    分間乃至約3日間の範囲にある請求項1〜9のいずれか
    に記載の方法。
  11. 【請求項11】該ポリ(アリーレンスルフイド)樹脂が
    未改質である請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 【請求項12】請求項1〜11のいずれかに記載の方法に
    より調製される硬化樹脂をガラス繊維と、所望の場合に
    は腐食抑制剤、並びに所望の場合には離型剤と混合し、
    こうして生じた混合物を、成形品を与えるように成形工
    程に付すことを含む成形品の製造方法。
  13. 【請求項13】前記腐食抑制剤が炭酸リチウムである請
    求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】前記離型剤が高密度ポリエチレンである
    請求項12又は請求項13記載の方法。
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