JP2858643B2 - 高出力半導体装置 - Google Patents

高出力半導体装置

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JP2858643B2
JP2858643B2 JP7338500A JP33850095A JP2858643B2 JP 2858643 B2 JP2858643 B2 JP 2858643B2 JP 7338500 A JP7338500 A JP 7338500A JP 33850095 A JP33850095 A JP 33850095A JP 2858643 B2 JP2858643 B2 JP 2858643B2
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昌佑 金
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Nippon Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高出力半導体装置
に関し、特に、高出力HBT(Heterojunction Bipolar
Transistor )や高出力MESFET(Metal-Semicond
uctor FET)などのように多数の単位トランジスタが
並列接続されて構成されたマイクロ波帯用の高出力トラ
ンジスタを有する半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高出力トランジスタでは、多数の単位ト
ランジスタ(素トランジスタ)を横方向に並べ、マルチ
フィンガー電極を用いて並列に接続して一つのトランジ
スタに構成している。而して、これらのマイクロ波帯用
トランジスタでは、年々高周波数化が進むとともに高出
力化が進み、それに伴って熱放散の重要性が増してきて
いる。この要求に応えるため、高出力トランジスタで
は、通常PHS(Plated Heat Sink)と呼ばれる放熱構
造が採用されている。
【0003】図6は、PHS構造を有する従来のHBT
の断面図である(但し、同図においては基板表面に形成
された電極・配線の図示は省略されている)。同図に示
されるように、化合物半導体基板5aは、裏面を研磨す
ることにより薄くなされており、基板裏面には下地金属
層(図示なし)を介してPHSを構成する金メッキ電極
4が形成されている。化合物半導体基板5aの表面に
は、単位トランジスタ15が多数形成されており、これ
らのトランジスタは図示が省略された電極・配線により
並列に接続されている。基板表面に形成された素子によ
る発熱は、直接大気中に放射される外、半導体基板5a
を介して金メッキ電極4へ伝達され、この半導体素子が
搭載された筐体を介して外部に放射される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のPHS
構造の半導体装置では、半導体基板とPHSの厚メッキ
層との接触面積が広くはなく、熱抵抗が十分に低減され
ていないため、接合温度の上昇によりトランジスタの動
作が制限を受けるという問題点があった。また、従来の
構造では、半導体基板と厚メッキ層との接触が平面的で
あるため、両者間の結合力が弱く熱サイクルが加わる
と、界面での剥離が生じ放熱効果が著しく低下するとい
う問題点があった。さらに、半導体基板からの放熱能力
が基板全体に亙って同じであるため、高出力動作時、放
熱性能の低いチップ中央部において熱集中が起こり、こ
れにより結果的にトランジスタ全体で取り扱える消費電
力が制限をうけるという問題点があった。
【0005】従って、本発明の解決すべき課題は、第1
に、半導体基板−厚メッキ層間の熱抵抗を低減してより
放熱効果を高めることであり、第2に、半導体基板と厚
メッキ層との結合力を強めて容易に剥離することのない
ようにすることであり、第3に、チップ中央での熱集中
を緩和してより大きい消費電流を取り扱いうるようにす
ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した第1、第2の課
題は、半導体基板裏面に櫛歯状の凹凸を設けこの凹凸面
に厚メッキ層を形成することにより解決することができ
る。そして、第3の課題は、半導体基板中央部での基
板の厚さを薄くする、基板裏面の櫛歯状凹凸のピッチ
を細かくする、のいずれかあるいは両方の手段を採用す
ることにより解決することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明による高出力半導体装置
は、半導体基板の表面側に並列接続された複数の単位ト
ランジスタが形成され、半導体基板の裏面側に厚い放熱
用の金あるいは金を含む合金のメッキ層を有するもので
あって、半導体基板の裏面には櫛型状の凹凸が形成され
ていることを特徴とする。そして、半導体基板の裏面に
形成された櫛型状の凹凸は、半導体基板の中央部では細
かく周辺部では粗くなされるか、あるいは、半導体基板
は、中央部で周辺部より薄くなされる。
【0008】本発明の上記の構成によると、半導体基板
からPHSメッキ層に放熱される放熱経路の面積が増加
してチップの裏面からの放熱性が向上し、素子における
接合温度の上昇を抑えることができる。また、基板とメ
ッキ層とが噛み合った構造となるため両者間の結合が高
まり、剥離が生じにくくなる。さらに、半導体基板の中
央部の放熱能力を基板の両端部より大きくすることによ
って中央部の熱集中を抑制することが可能となり、トラ
ンジスタ全体としての取り扱える電力をより高めること
ができる。
【0009】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。 [参考例] 図1(a)は、本発明の参考例であるHBTの平面図で
あり、図1(b)は図1(a)の○印部分の拡大断面図
である。また、図2は、図1(a)のA−A線での断面
図である(但し、図2においては、電極・配線の図示は
省略されている)。
【0010】図1(a)に示すように、半導体チップの
図の左右にはエミッタボンディングパッド1が形成され
ており、エミッタボンディングパッド1間はエミッタ配
線14により接続されている。また、図1(a)の上下
には、コレクタパッド2とベースパッド3が配置されて
おり、各パッドからはマルチフィンガー状のコレクタ電
極11とベース電極12が延びている。
【0011】図1(b)に示されるように、半絶縁性G
aAs基板5上には、n+ −GaAsサブコレクタ層6
が形成されており、その上にn−GaAsコレクタ層7
とp+ −GaAsベース層8が複数に分割されて突起状
に形成されている。各ベース層8上には、n−AlGa
Asエミッタ層9とn+ −InGaAsエミッタキャッ
プ層10が形成されており、エミッタキャップ層10上
にはエミッタ配線14に接続されたエミッタ電極13が
形成されている。また、サブコレクタ層6上にはコレク
タ電極11が、ベース層8上にはベース電極12が形成
されている。
【0012】図1(b)、図2に示されるように、半絶
縁性GaAs基板5(図2では化合物半導体基板5a)
の裏面側には、ピッチが10μm凹部の深さが5μmの
櫛歯状の凹凸が形成されている。この凹凸は、研磨によ
り基板全体の厚みを30μmに加工した後、フォトリソ
グラフィ法およびドライまたはウェットエッチング法を
適用することにより形成することができる。基板裏面に
凹凸を形成した後、Ti/Pt/Auをこの順に蒸着
し、その上に20μmの膜厚に金メッキを行うことによ
って、PHSである金メッキ電極4を形成する。図1、
図2に示した参考例によれば、半導体基板と金メッキ層
との接触面積が増大したことにより、図6に示した従来
例に比較して熱抵抗を20%低減することができた。
【0013】 [第の実施例] 図3は、HBTに係る本発明の第の実施例を示す断面
図である。本実施例の平面図および拡大断面図は図1に
示した参考例の場合とほぼ同様である。本実施例の参考
例と相違する点は、参考例では、基板裏面に形成された
凹凸のピッチが10μmで一定であったが、本実施例で
のピッチは、チップ周辺部では15μm、チップ中央部
で5μmで、ピッチはチップ周辺部から中央部に向かっ
て漸減している。
【0014】本実施例によれば、凹凸のピッチが細かく
なったことにより、熱抵抗は参考例の場合よりもさらに
低減され、図6の従来例に比較して25%低減された。
さらに、チップ中央部での放熱性能が向上したことによ
り、トランジスタの全体の取り扱い電力を増加させるこ
とが可能になり、参考例のものに比較して6%程増加さ
せることができた。
【0015】 [第の実施例] 図4は、HBTに係る本発明の第の実施例を示す断面
図である。本実施例の参考例と相違する点は、参考例で
は、基板の厚さが30μmで一定であったが、本実施例
においては、基板周辺部の厚さが30μmで中央部での
厚さが20μmになされている。本実施例の半導体装置
を製作するには、研磨法により基板膜厚を30μmとし
た後、フォトエッチング法あるいはダイシングソーを用
いた研削により深さ10μmの溝を形成し、その後フォ
トエッチング法により、深さ5μmの櫛歯状の凹凸を形
成する。本実施例によれば、基板が部分的に薄くなされ
たことにより、熱抵抗は第の実施例の場合よりもさら
に低減され、図6の従来例に比較して35%低減されて
いる。
【0016】 [第の実施例] 図5は、HBTに係る本発明の第の実施例を示す断面
図である。本実施例の第の実施例と相違する点は、第
の実施例では、基板裏面に形成された櫛歯状の凹凸の
ピッチが10μmで一定であったが、本実施例において
は、基板周辺部でのピッチが15μmで中央部でのピッ
チが5μmと狭くなされている。この構成により、本実
施例のHBTでは、熱抵抗は第、第の実施例の場合
よりもさらに低減され、図6の従来例に比較して40%
低減された。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による高出
力半導体装置は、半導体基板裏面に櫛歯状の凹凸を形成
した後にPHSメッキ層を設けるものであるので、本発
明によれば、半導体基板とPHSメッキ層との接触面積
を大幅に増加させることができ、熱抵抗を低減してトラ
ンジスタの接合での温度上昇を抑制することができる。
また、基板とPHSメッキ層との結合強度が高まり、熱
サイクルを経ても基板が剥離することのないようにする
ことができる。さらに、基板中央での厚さを薄くしたり
あるいは基板中央での凹凸のピッチを細かくしているの
、チップの中央部の放熱能力をチップ両端部より大き
くすることにができ、中央部の熱集中を抑制してトラン
ジスタ全体としての取り扱える電力をより高めることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例の平面図と部分拡大断面図。
【図2】本発明の参考例の断面図。
【図3】本発明の第の実施例の断面図。
【図4】本発明の第の実施例の断面図。
【図5】本発明の第の実施例の断面図。
【図6】従来例の断面図。
【符号の説明】
1 エミッタボンディングパッド 2 コレクタボンディングパッド 3 ベースボンディングパッド 4 金メッキ電極 5 半絶縁性GaAs基板 5a 化合物半導体基板 6 n+ −GaAsサブコレクタ層 7 n−GaAsコレクタ層 8 p+ −GaAsベース層 9 n−AlGaAsエミッタ層 10 n+ −InGaAsエミッタキャップ層 11 コレクタ電極 12 ベース電極 13 エミッタ電極 14 エミッタ配線 15 単位トランジスタ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 27/06 29/73 29/812 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/8222 H01L 21/06 H01L 21/331 H01L 21/338 H01L 21/8232 H01L 27/06 H01L 29/73 H01L 29/812

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板の表面側に並列接続された複
    数の単位トランジスタが形成され、前記半導体基板の裏
    面には該基板の短辺に平行に櫛型状の凹凸が形成され、
    かつ、該裏面側に厚い放熱用の金あるいは金を含む合金
    のメッキ層が形成されている高出力半導体装置におい
    て、半導体基板の裏面に形成された前記櫛型状の凹凸
    は、中央部の単位トランジスタの下面において細かく周
    辺部の単位トランジスタの下面においては粗く形成され
    ていることを特徴とする高出力半導体装置。
  2. 【請求項2】 半導体基板の表面側に並列接続された複
    数の単位トランジスタが形成され、前記半導体基板の裏
    面には該基板の短辺に平行に櫛型状の凹凸が形成され、
    かつ、該裏面側に厚い放熱用の金あるいは金を含む合金
    のメッキ層が形成されている高出力半導体装置におい
    て、前記半導体基板は、中央部の単位トランジスタの形
    成領域において周辺部の単位トランジスタの形成領域よ
    り薄くなされていることを特徴とする高出力半導体装
    置。
  3. 【請求項3】 半導体基板の表面側に並列接続された複
    数の単位トランジスタが形成され、前記半導体基板の裏
    面には該基板の短辺に平行に櫛型状の凹凸が形成され、
    かつ、該裏面側に厚い放熱用の金あるいは金を含む合金
    のメッキ層が形成されている高出力半導体装置におい
    て、半導体基板の裏面に形成された前記櫛型状の凹凸
    は、中央部の単位トランジスタの下面において細かく周
    辺部の単位トランジスタの下面においては粗く形成され
    ており、かつ、前記半導体基板は、中央部の単位トラン
    ジスタの形成領域において周辺部の単位トランジスタの
    形成領域より薄くなされていることを特徴とする高出力
    半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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