JPH10144801A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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Publication number
JPH10144801A
JPH10144801A JP8303275A JP30327596A JPH10144801A JP H10144801 A JPH10144801 A JP H10144801A JP 8303275 A JP8303275 A JP 8303275A JP 30327596 A JP30327596 A JP 30327596A JP H10144801 A JPH10144801 A JP H10144801A
Authority
JP
Japan
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emitter
electrode
heat
layer
thermal
Prior art date
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Pending
Application number
JP8303275A
Other languages
English (en)
Inventor
Jiyunko Onomura
純子 小野村
Toru Sugiyama
亨 杉山
Kohei Moritsuka
宏平 森塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP8303275A priority Critical patent/JPH10144801A/ja
Publication of JPH10144801A publication Critical patent/JPH10144801A/ja
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  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Junction Field-Effect Transistors (AREA)
  • Bipolar Transistors (AREA)
  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱的な均一性および熱放散効率が高く、かつ
表面配線の微細化も同時に可能とする半導体集積回路を
提供する。 【解決手段】 半絶縁性半導体基板上に形成されたトラ
ンジスタを能動素子として用いる集積回路であって、ト
ランジスタの主電極領域の一方と、該トランジスタの動
作領域の近傍に設けられた該半導体基板に対する熱的接
合領域を接続する熱伝導路を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱伝導率の低い半導
体基板上に形成された半導体装置に係り、特に半絶縁性
基板上に形成された高周波集積回路に関する。
【0002】
【従来の技術】大容量光通信システムやミリ波通信シス
テムなどの実用化が盛んに進められている今日、高周波
動作が可能で高出力化、高利得化さらには高集積化、小
型化が期待されるバイポーラトランジスタは高周波帯の
集積回路として大いに有望視され、その性能向上が求め
られている。特にエミッタ・ベース接合にヘテロ接合を
用いたヘテロ接合バイポーラトランジスタ(以下、「H
BT」と称す)は、ベース層の不純物濃度を高めベース
の抵抗を下げることができるため高周波特性に優れ、か
つ電力利得も高いため注目されている。
【0003】バイポーラトランジスタはベース・エミッ
タ間のオン(ON)電圧が負の温度係数を持つトランジ
スタであるため、素子の温度上昇と消費電力の間に正帰
還がかかり、トランジスタが熱暴走によって破壊される
という、高出力を得るためにはたいへん不利な特性を持
っている。上記HBTでは高電流密度で動作できるとい
う利点を有する反面、半絶縁性GaAsなどの化合物半
導体の熱伝導率がSiのそれの3分の1程度しかない基
板上に形成されるため、発熱しやすく、素子寿命を制限
することになっていた。特にディジタル集積回路のよう
に、数十個〜数百個のトランジスタが接近して配置され
るような場合においては、各トランジスタの温度にバラ
ツキが生じ、動作が不均一となるため回路全体の性能を
大きく劣化させることになっていた。さらに増幅回路を
作成する場合、単位トランジスタを複数個、電気的に並
列接続して構成したマルチフィンガー・トランジスタと
なるため、特定の単位トランジスタに電流が集中し破壊
され易くなる。したがってトランジスタの出力上限およ
び素子寿命、集積回路の性能を伸ばすためには、基板表
面に形成されたpn接合部の発熱を効率良く素子周りに
逃がし、かつ発熱を均一にすることが重要となる。
【0004】上記のような発熱の問題を解決するため
に、マイクロ波パワー素子として、これまでも様々な対
策がなされてきた。例えば、接合部の発熱を基板裏面か
ら逃がす方法として、F.Renらの“Self-Aligned I
nGaP/GaAs Heterojunction Bipolar Transistors for M
icrowave Power Application” (IEEE Electron Device
Letters, Vol.14, No.7, July 1993, pp.332)にあるよ
うに半絶縁性半導体基板を薄く削り、接合部から周辺へ
引き出した電極パッドの下に基板裏面側から基板表面側
へ貫通する孔(以下バイアホールと称する。)を設け、
その孔を金属でメッキする方法があげられる。(以下、
従来例1と称する。) また、特開平3−3335号公報や特開平6−1042
75号公報に見られるように動作領域外の基板表面に形
成されたバンプ電極パッド上にバンプ電極を設けて、こ
のバンプ電極を通して接合部の発熱を基板外へ逃がすと
いう方法がある。(以下、従来例2と称する。) さらにH.Satoらの“Bump Heat Sink Technology-
A novel Assembly Technology Suitable for Power HBT
s-” (GaAs IC Symposium Tech. Dig. 1993, pp.337)や
特開平6−349846号公報、特開平5−19056
3号公報では、さらに効率良く基板外へ熱を逃がすため
動作領域直上のエミッタ電極にバンプ電極を設け、実装
するという方法が採られている。(以下、従来例3と称
する。) ここで以上に挙げた従来例1,2,3の中で、効率良く
放熱を行える構造である従来例3の特開平6−3498
46号公報に示された放熱構造を図22に示した。図2
2(a)にはトランジスタの断面構造図を、図22
(b)にはトランジスタの上面構造図を、図22(c)
にはフリップチップ実装後の半導体装置の断面構造図を
示した。図22で符号31が半絶縁性基板、符号34が
エミッタ電極で、符号881がバンプ電極、符号816
がAlN基板である。エミッタ電極34の熱はバンプ電
極881およびAlN基板上に形成された金属電極81
5を介してAlN基板816に放散される。
【0005】以上の従来例1,2,3は、エミッタ電極
に接続した放熱層をバイアホールやバンプ電極といった
電気的かつ熱的に良好な金属を介して面積の広い接地面
に接続することで放熱の効果を高めているものである。
これは、大きなヒートシンクに放熱させたほうが放熱効
果も高まり、同時に接地インダクタンスを低減させるの
にも効果があるからである。しかし、これらにはバンプ
電極を設けフリップチップ実装するなど難易な加工を伴
う上に、エミッタが接地されない回路に応用ができない
という問題があった。これに対しては、C.A.Boz
adaらが、ベース接地のバイポーラトランジスタにお
いて、エミッタ電極上に10μm以上という厚い金メッ
キ層を形成し、その金メッキ層をエミッタ信号ラインに
接続する方法を“Microwave Power Heterojunction Bip
olar Transistors Fabricated with Thermal Shunt and
Bathtub”において示している。(以下、従来例4と称
す。)図23および図24にこの従来例4の放熱構造を
示した。図23には、トランジスタ周りの上面構造図
を、図24には図23のA−A方向の断面構造図を示し
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例における問
題点を述べる。従来例1,2,3では、先にも述べたよ
うにバンプ電極を設けフリップチップ実装するなど難易
な加工を伴う上に、エミッタが接地されない回路に応用
ができないという問題があった。これを解決した従来例
4では、エミッタ電極60及びそこからの引き出し配線
の一部を厚さ10μm程度の厚い金メッキ層98として
いるため、このような厚い金メッキ層98は配線幅が太
くなければ形成できないという問題を抱えている。特に
最近では光通信用のディジタル集積回路でも、小さな領
域にかなりの消費電力を有するバイポーラトランジスタ
が押し込められるような微細パターンを有した回路が用
いられ、素子の放熱は深刻な問題となってきている。し
かし、これらの微細化されたディジタル集積回路のよう
な配線幅が数μmといった回路では、従来例4の厚さ1
0μmの配線をパターニングすることは困難であり、従
来例4の技術は微細化された集積回路には適用できない
という問題があった。
【0007】また上記の従来例4においてはバイポーラ
トランジスタのエミッタ領域から放散した熱は、長い距
離を経て所定のヒートシンクまで達するため、あるいは
厚みの薄いエミッタ信号ライン37を経て伝導するため
熱抵抗が大きく、十分な放熱効果が得られないという問
題があった。
【0008】上記問題点を鑑み本発明は、半絶縁性半導
体基板上に形成されたトランジスタを用いた高周波集積
回路において、配線パターンの微細化と、良好な放熱特
性を同時に兼ね備えた半導体集積回路を提供することを
目的とする。
【0009】さらに本発明はエミッタ部から放散した熱
をより小さな熱抵抗によって半導体基板側に放散し、十
分な放熱効果を得ることができる構造を有した半導体集
積回路を提供することを目的とする。
【0010】本発明の他の目的は半導体チップ上に形成
された各トランジスタ又はトランジスタユニットの発熱
を均一化し、集積回路としての動作の均一性を担保し
て、あるいは、マルチフィンガートランジスタにおける
特定のトランジスタへの電流集中を回避して、安定かつ
高性能な動作が可能な半導体装置を実現することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明による半導体装置は半絶縁性半導体基板上
に少なくとも一つのトランジスタを搭載した半導体集積
回路であって、このトランジスタ動作領域の近傍の半導
体基板の表面に熱的接合領域を設け、このトランジスタ
の一主電極、たとえばエミッタ電極とこの熱的接合領域
とを接続する熱伝導路を有することを特徴とする。ここ
で「一主電極」とは、パイポーラトランジスタにおいて
はエミッタ電極又はコレクタ電極の一方、電界効果トラ
ンジスタ(FET)および静電誘導トランジスタ(SI
T)においてはソース電極又はドレイン電極の一方を意
味する。「半絶縁性半導体基板」とは半絶縁性GaAs
基板のような熱伝導率の小さな半導体基板を意味し、本
発明の目的を考慮すればSOI構造やSOS構造等の熱
伝導率の低い基板をも含む概念であると解すべきであ
る。
【0012】本発明はバイポーラトランジスタ等のオン
電圧が負の温度係数を持ち、熱暴走により破壊されやす
いトランジスタに対して用いることが好適である。「ト
ランジスタの動作領域」とはトランジスタの主電流、た
とえばエミッタ・コレクタ間電流が流れる領域を意味す
る。「動作領域の近傍」とは、動作領域から5μm〜5
0μm以内好ましくは10〜20μm以内に熱的接合領
域の最外周が位置することを意味する。
【0013】「熱的接合領域」とは熱伝導路となるAu
(金)膜や、Cu(銅)膜等の金属と半導体基板が接合
する領域を意味する。たとえば図1に示す接合面37が
該当するが、この接合面は図1のように平面である必要
はなく、半導体基板中に設けられた溝部の内部を熱的接
合領域としてもよい。又SOI構造においてはSOI膜
(シリコン膜)およびSOI酸化膜を貫通して、支持基
板に達するような溝部の内部を熱的接合領域としてもよ
い。
【0014】熱的接合領域の面積はトランジスタの一主
電極の面積の5倍以上50倍以下が好ましい。図21に
は熱伝導路となる金属層が任意のピッチでトランジスタ
(HBT)のエミッタ電極間の半絶縁性GaAs基板に
接続している場合において、熱的接合領域となる接合面
の面積AS とエミッタ電極の面積AE との面積比(a=
S /AE )による熱抵抗低減効果特性を示した。図2
1においては、接合面の面積AS とエミッタ電極の面積
E とが同面積(AS =AE )の場合の熱抵抗
(Rtho )で規格化している。図21より分かるように
面積比5〜50の領域が最も効率良く熱抵抗低減が図れ
る。この結果を基に、熱的接合領域の面積はチップサイ
ズや求める素子性能との関係より決定すればよいことが
わかる。すなわち熱的接合領域の面積AS が大きけれ
ば、熱的な接触抵抗が小さくなるだけでなく、半絶縁性
基板中を流れる熱流の断面積が大きくなるので、大きけ
れば大きいほど良いように一見思われるが、図21に示
すように面積比a=AS /AE が50以上でほぼその効
果は飽和する傾向にある。したがって半導体チップの面
積利用効率を考えるとa=50を最大限とすることが好
ましい。a=5〜50ならば、チップサイズの小型化と
良好な熱放散という両方の効果を得ることができる。
【0015】本発明は短い距離でトランジスタの主電極
から半導体基板に熱を放散することができる。したがっ
て熱伝導路を構成する金属層の厚みは従来技術と比較し
て薄くして、たとえば5μm以下としても十分低い熱抵
抗を得ることができる。このため一定の場合には熱伝導
路を電気的信号を伝搬する信号線を兼ねることが可能と
なる。ここで「電気的信号を伝搬する」とは、トランジ
スタの主電極へ信号を入力する場合および主電極から信
号を出力する場合の双方を含む概念として定義される。
図24に示す従来技術においては10μm程度の厚さの
金メッキ層98が要求され、信号線の線幅が数μm程度
となれば、この厚さでの金メッキ層98のパターニング
は困難であったが、本発明によれば線幅数μmであって
も熱伝導路を兼ねた信号線を容易にパターニングでき
る。
【0016】バイポーラトランジスタの場合、図19に
示すように基板表面に形成されたpn接合部90より熱
は発生する。この発熱部90に最も近い電極はエミッタ
電極60となるため、エミッタ電極60から熱を運ぶこ
とが最良となる。また発熱部90は例えば2×16μm
2 程度の小さな領域のため基板側へ逃げる熱は大変少な
い。そこでエミッタ電極60に熱伝導率の高い金属層を
接続し、この金属層を発熱部の面積AE に比べ十分大き
な面積AS で半絶縁性半導体基板に接続し、基板へ熱を
放熱することにより効率よく放熱することができる。例
えば上記金属層を半絶縁性半導体基板に接続させる熱的
接合領域37をエミッタ電極の長手方向に図18のよう
に設けると、温度分布を均一にする効果がある。図18
(a)は素子周りの上面概略図で、図18(b)は図1
8(a)のA−A断面概略図である。図18において符
号31は半絶縁性半導体基板、32がコレクタ電極、3
3がベース電極、34がエミッタ電極である。また35
はエミッタ電極に接続した金属層、つまりエミッタの信
号ラインであり、36が層間絶縁膜、37が半絶縁性半
導体基板31への接合面であり、熱的接触領域を構成し
ている。符号38と39はそれぞれコレクタ、ベースの
信号ラインを示している。
【0017】さらに、エミッタ電極34がエミッタ領域
のできるだけ多くの面積を覆う様にする事で、熱がエミ
ッタ電極34上の金属層35へ伝導するための面積が増
し、さらに熱抵抗低減の効果があがる。例えば、エミッ
タ幅4μm、エミッタ長18μmのエミッタ領域に4×
18μm2 のエミッタ電極が付いて金属層35へ接続し
ている場合と、各サイド1μmづつマージンを取り、2
×16μm2 のエミッタ電極が付いて金属層35へ接続
している場合とでは、金属層35の形状等は同じとして
も前者の方が40%も熱抵抗が低減できる。
【0018】高出力素子のようなマルチフィンガー・バ
イポーラトランジスタにおいては、複数の熱的接合領域
を設け、上記熱伝導路である金属層35を任意のピッチ
でエミッタ電極間の半絶縁性半導体基板に接続させる
と、各エミッタ−フィンガー間の温度分布の均一性がよ
り高められ熱暴走を起こしにくくなる。図20には、マ
ルチフィンガーバイポーラトランジスタにおいて、単位
エミッタ面積36μm2、エミッタ本数10本、エミッ
タ電極上に設けた金属層厚が5μmで、2フィンガーご
とに、上記金属層を熱的接合領域を介して基板に接続さ
せた場合と、基板への接続面がない場合で、どれほど温
度分布に差があるかを示した。フィンガー1本当たりの
消費電力は20mWとした。ここで分かるように、基板
と接続させた場合には、金属層厚がわずか5μmでもか
なりの放熱効果があるのに対し、ただ素子上に金属層を
設けただけでは、金属層を基板と接続させた場合に比
べ、同じ金属層厚5μmでは60%も、金属層厚を50
μmとしても40%も温度が上昇してしまう。
【0019】また本発明においては、熱的接合領域の形
状はエミッタ長手方向と直交する方向へ長くする事でさ
らに効果を増す。これは、素子の長手方向への熱の拡散
量とそれと直交する方向への熱の拡散量では、後者のほ
うが大きく、後者に対する熱抵抗低減を効率良く行う事
が全体の熱抵抗低減に繋がるからである。
【0020】本発明のトランジスタの主電極の一方と、
熱的接合領域とを熱伝導路により接続する構造を用いる
ことで、充分熱抵抗を低減し、素子の温度分布の均一性
を向上させることができる。またこれにより熱暴走を起
こしにくくなるので、最大動作電流密度も1×105
/cm2 と充分大きな値が得られる。従来例のように大
きな熱伝導層となる接地導体層に長い距離を配線して放
熱する必要はないので、金属層の厚さも5μm程度で十
分その効果が得られ、それほど厚くしなくてもよい。
【0021】配線幅が5μm程度であれば本発明の熱伝
導路は電気的な配線である信号ラインとは異なる配線層
とすることも、信号ラインを兼用することも任意に選定
できる。信号ラインと熱伝導路とを異なる配線層とした
場合は、数μmと細い信号ラインで構成されるディジタ
ル集積回路においても、集積回路が完成した後に熱伝導
路を形成することができるので、パターンレイアウトが
容易であり、また充分放熱効果があることがわかる。一
方の主電極に対する信号線の線幅が1μm程度となれ
ば、信号線と熱伝導路は別個に設計すればよい。
【0022】以上述べたように、本発明によれば、従来
の放熱構造ではできなかった数μm程度の細い配線幅の
信号線で構成された集積回路にも応用できる放熱構造を
提供することができる。これにより容易に高性能な高周
波集積回路を得ることができるようになる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態を説明する。
【0024】(第1の実施の形態)図1および図2は本
発明の第1の実施の形態に係るディジタル集積回路を説
明する図である。図1(a)はディジタル集積回路の平
面図で、図2に示す等価回路中のトランジスタ(HB
T)Q1 ,Q2 の近傍の上面構造の概略を示す。図1
(b)は図1(a)のA−A方向に沿った断面図で、図
1(c)はトランジスタQ2 の近傍を模式的に示す鳥瞰
図である。本発明の第1の実施の形態に係るトランジス
タQ1 ,Q2 は、半絶縁性GaAs基板1上に形成され
たエミッタトップ型のHBTでnpn構造を有する。す
なわち半絶縁性GaAs基板1上に、下から順にコレク
タコンタクト層(サブコレクタ層)、コレクタ層、ベー
ス層、エミッタ層、エミッタコンタクト層が形成され、
最上層のエミッタコンタクト層の上部にエミッタ電極6
0が形成されている。またベース層が露出されるように
形成されたベース溝部の底にベース電極40が、コレク
タコンタクト層が露出するように形成されたコレクタ溝
部の底にはコレクタ電極20が形成されている。エミッ
タ電極60にはエミッタ信号ライン35が、ベース電極
40にはベース信号ライン39が、コレクタ電極20に
はコレクタ信号ライン38が接続されるように、形成さ
れている。図1(a)で斜線(ハッチング)を入れて示
した配線が第2層配線であり、ハッチングの無い配線3
5,38が第1層配線である。第1層配線と第2層配線
の間には、酸化膜(SiO2 膜)、窒化膜(Si3 4
膜)等の第1の層間絶縁膜が形成され、両者を電気的に
分離している。第2層配線の上部はポリイミドやBCB
(bisbenzocyclobutene )等の第2の層間絶縁膜30が
形成され、この第2の層間絶縁膜中のエミッタ電極の上
部と、HBTの動作領域の近傍にコンタクトホール37
が設けられている。コンタクトホール37は本発明の
「熱的接合領域」に該当する領域である。そしてこのコ
ンタクトホール37の接合面とエミッタ電極60とが熱
伝導路99,100により熱的に接続されている。熱伝
導路99,100はメッキ工程で形成されたAu(金)
層等の熱伝導率の高い金属の層である。本発明の熱的接
合領域となる接合面37はエミッタ電極の長手方向に平
行な方向に位置し、第1層配線等の回路配線のない部分
で、半絶縁性GaAs基板1と熱伝導路99,100と
を接合している。
【0025】本発明の第1の実施の形態においてはHB
Tのエミッタ面積の5〜50倍の面積を有する接合面
(熱的接合領域)37により熱伝導路99,100が半
絶縁性GaAs基板1に接し、面積が広いためエミッタ
電極から伝導してきた熱は効率よく基板1に放散され
る。またエミッタ電極から接合面37までの距離を短く
できるため、熱抵抗は極めて小さい。
【0026】特に図1(a)に示すように、基板への放
熱面となる接合面37の形状をエミッタ長手方向と直交
する方向へ長くする事でさらに放熱効果を増す。これ
は、素子の長手方向への熱の拡散量とそれと直交する方
向への熱の拡散量では、後者のほうが大きく、後者に対
する熱抵抗低減を効率良く行う事が全体の熱抵抗低減に
繋がるからである。
【0027】以上のように本発明の第1の実施の形態に
おいては、エミッタ電極上に厚い金属層99,100を
設け、この金属層を任意の領域の半絶縁性半導体基板1
に接続し、半絶縁性半導体基板1に放熱させることで、
充分熱抵抗を低減し、素子の温度分布の均一性を向上さ
せることができる。またこれにより熱暴走を起こしにく
くなり、最大動作電流密度も1×105 A/cm2 と充
分大きな値が得られる。この熱伝導路99,100は電
気的な配線である信号ライン35とは異なる配線層で形
成されるため、数μmと細い信号ラインで構成されるデ
ィジタル集積回路においても、集積回路が完成した後に
熱伝導路を形成することで、充分放熱効果を得ることが
できる。さらに従来例のように大きな熱伝導層となる接
地導体層に長い距離を配線して放熱する必要はなく、熱
抵抗は小さい。このため熱伝導路99,100となる金
属層の厚さも5μm程度とそれほど厚くしなくてもよ
い。
【0028】本発明の第1の実施の形態に係るディジタ
ル集積回路は図3および図4に示す方法で製造できる。
以下においてはnpn型HBTについて説明するが、p
np型HBTの場合は導電型をすべて逆にすればよい。
【0029】(a)まず半絶縁性GaAs基板1の上に
MBE法、減圧MOCVD法、CBE法、ALE法、M
LE法等によりサブコレクタ層として500nmのn+
型GaAs層2(Siドーピング濃度5×1018
-3)、コレクタ層として600nmのn型GaAs層
3(Siドーピング濃度5×1016cm-3)を設ける。
次に、ベース層として50nmのp+ 型GaAs層4
(Cドーピング濃度1×1019cm-3)、エミッタ層と
しての70nmのn型Alx Ga1-x As層5(Siド
ーピング濃度5×1018cm-3、x:0→0.3→
0)、エミッタコンタクト層として100nmのInG
aAs層6(Siドーピング濃度3×1019cm-3)を
順次成長して図3(a)に示すような積層構造を得る。
【0030】(b)このようにして成長した基板上にS
iO2 膜11を堆積する。その上にフォトレジストをコ
ーティングし素子分離パターンをパターニングする。次
にフォトレジストをマスクとしてプロトンおよびボロン
イオンを用いたイオンインプランテーションにより素子
分離を行う。イオンインプランテーションのマスクに用
いたフォトレジストを除去後、新たなフォトレジストを
コーティングし、ベース電極のパターニングをする。次
にこのフォトレジストをマスクとしてSiO2膜11を
リアクティブイオンエッチング(RIE)によりエッチ
ングする。次にSiO2 膜11をマスクとして燐酸と過
酸化水素水の混合液により、エミッタコンタクト層6、
およびエミッタ層5をエッチングしベース層を露出す
る。次にベース電極材料としてTi/Pt/Auを真空
蒸着し、図3(b)に示すようにベース電極40を形成
する。ベース電極40のパターニングは、前もってベー
ス電極形成部のみを露出するように、フォトレジストパ
ターンを形成し、真空蒸着後にこのフォトレジストを除
去する、いわゆるリフトオフ法を用いる。
【0031】(c)次に基板表面全体に絶縁膜としての
ポリイミドをスピンコートし、エッチバックした後熱硬
化させ、エミッタベース間にポリイミド12を埋め込
む。次にフォトレジストを全面にコーティングし、コレ
クタ電極形成予定部分のみを開孔したフォトレジストの
パターニングをする。次にフォトレジストをマスクとし
てSiO2 膜11をエッチングし、さらに続けて燐酸と
過酸化水素水の混合液によりエミッタコンタクト層6、
エミッタ層5、ベース層4、コレクタ層3を順次エッチ
ングしコレクタコンタクト層2を露出する。次にAu/
Ge/Ni/Ti/Pt/Auを蒸着後、先のフォトレ
ジストを除去しリフトオフ法により図3(c)に示すよ
うなコレクタ電極20のパターンを形成する。パターニ
ング後、熱処理を行ない、コレクタ電極20とコレクタ
コンタクト層2とをアロイする。
【0032】(d)次にフォトレジストをコーティング
し、エミッタ電極、エミッタ信号ライン、コレクタ信号
ライン、及びバイアス回路を含む回路の伝送線路形成予
定部分を露出したフォトレジストのパターンを形成す
る。このフォトレジストをマスクとしてエミッタコンタ
クト層6の上部のSiO2 膜11をエッチング除去し、
全面にTi/Pt/Auを蒸着する。このフォトレジス
トを除去し、リフトオフ工程により、エミッタ電極6
0、エミッタ信号ライン35、コレクタ信号ライン38
及びバイアス回路等のTi/Pt/Au膜からなる第1
層配線を図4(d)に示すように完成させる。図4
(a)の断面図に直交する方向は、図1(b)に示すよ
うにエミッタ信号ライン35、コレクタ信号ライン38
が引き出される。
【0033】(e)次に全面にSi3 4 膜を堆積し、
フォトリソグラフィーを用いて、ベース電極の上部のS
3 4 膜にコンタクトホールを開孔する。この際、図
1(a)の平面図に示すようにコレクタ信号ライン38
の上部のSi3 4 膜中にもコンタクトホールが形成さ
れる。さらにSi3 4 膜およびフォトレジストの2層
マスクを用いてベース電極上部のポリイミド膜を除去す
る。ポリイミド膜の除去はRIE法等を用いればよい。
Si3 4 膜のエッチングに用いたフォトレジスト膜を
除去し、Al,Ti,Ni,Mo等の第2層配線用金属
材料を真空蒸着し、フォトリソグラフィー法を用いて、
ベース信号ライン39のパターニングをする。
【0034】第2層配線にAlを用いる場合は、RIE
法等により容易にエッチングできるので、リフトオフ法
を用いる必要はない。なお、ベース電極上のコンタクト
ホールのアスペクト比が大きい場合は、W等のプラグ金
属でコンタクトホールを埋め込んでから第2層配線39
を形成すればよい。
【0035】この上に厚さ5μmのBCB膜30をスピ
ンコートし、250℃で硬化させる。次にフォトリソグ
ラフィー法およびRIEを用いてエミッタ電極60の上
部および接合面(熱的接合領域)37形成予定領域とな
る半導体基板1の上部のBCB膜およびSi3 4 膜を
選択的に除去する。BCB膜およびSi3 4 膜のエッ
チングに用いたフォトレジストを除去後、熱伝導路10
0形成予定部分を露出した、新たなフォトレジストパタ
ーンを形成する。そしてメッキ用の基盤メタルとしてT
i/Au膜70を全面に蒸着後、このフォトレジストを
除去する。このリフトオフ工程により、熱伝導路100
形成予定部分にTi/Au膜70をパターニングする。
このTi/Au膜70を用いて電解メッキを行ない、図
4(e)に示すように厚さ5μmの熱伝導路100を形
成すれば本発明の第1の実施の形態に係るディジタル集
積回路が完成する。
【0036】(第2の実施の形態)図5は本発明の第2
の実施の形態に係る光通信用レーザードライバーの出力
段差動増幅回路部分の素子周りの上面構造の概略図であ
る。また図6には図5に対応する回路図を示す。図6に
示すQ1 〜Q7 はエミッタトップ型のHBTであり、R
1 〜R6 は抵抗である。図6のうちHBTQ7 、抵抗R
1 〜R6 等を省略した部分が図5の平面図に対応する。
図5において各HBTは半絶縁性GaAs基板上に形成
され、それぞれエミッタ電極、ベース電極、コレクタ電
極を具備している。各電極にはそれぞれエミッタ信号ラ
イン35、ベース信号ライン39、コレクタ信号ライン
38が接続され、これらのラインを介して図6のような
回路を構成している。図5において斜線で示したベース
信号ライン39が第2層配線であり、エミッタ信号ライ
ン35とコレクタ信号ライン38とは第1層配線で形成
されている。第1層配線35,38と第2層配線39と
の間はSiO2 膜、Si3 4 膜等の第1の層間絶縁膜
で絶縁されている。そして第2層配線の上部にポリイミ
ドやBCB等の誘電体(絶縁物)を用いた第2の層間絶
縁膜が形成され、この上に熱伝導路101,102,1
03,104が形成されている。熱伝導路101,10
2,103,104は厚さ5〜10μmの金メッキ膜で
あり、各HBTQ1,Q2,Q3,Q4のエミッタ領域
と半絶縁性GaAs基板上の接合面37とを接続してい
る。熱的接合領域となる接合面37は各HBTQ1,Q
2,Q3,Q4の動作領域の近傍、すなわちエミッタ領
域から10〜20μm程度以内に設けられ、エミッタ領
域からの熱を短い距離で半絶縁性基板に放出するように
している。熱伝導路101〜104は、エミッタ電極の
長手方向に垂直な方向に素子全面を覆うように広がり、
回路配線のない領域で半絶縁性半導体基板と接続してい
る。熱伝導路と半絶縁性半導体基板と接続領域は任意の
位置に配置することができ、集積回路の配線に配置に対
し支障をきたすことなく高性能な高周波集積回路を得る
ことができる。
【0037】接合面37の面積はエミッタ電極の面積の
5〜50倍に形成することが好ましい。このように広い
接合面37で半絶縁性基板に接することにより、エミッ
タ面積の小さい超高周波用HBTであっても有効に、エ
ミッタ領域からの熱を半絶縁性基板に放散させ熱的な均
一性を高めることができる。
【0038】(第3の実施の形態)図7および図8は本
発明の第3の実施の形態に係る光通信用レーザードライ
バーの出力段回路部分の素子周りの上面構造の概略図お
よび等価回路図である。
【0039】図8に示すようにレーザードライバーにお
いては小さな領域にそれぞれ600mW程消費するマル
チフィンガー型素子X1 ,X2 ,X3 が3つも集積さ
れ、発熱の問題は深刻な問題である。また各素子X1
2 ,X3 のどの端子も、直接接地されることはない。
図8の3つの素子X1 ,X2 ,X3 はいずれも半絶縁性
GaAs基板上に形成されたエミッタ・トップ型HBT
である。図7はそのうち2つのHBT(X1 ,X3 )の
近傍のみの平面図を示す。
【0040】図7に示すように各HBTは複数本のエミ
ッタ電極60を有している。そしてこの複数本のエミッ
タ電極60を挟むようにベース電極40が形成され、さ
らにこのエミッタ電極、ベース電極とインターディジタ
ル構造にコレクタ電極20が形成されている。トランジ
スタX1 のエミッタ電極60、ベース電極40、コレク
タ電極20にはそれぞれエミッタ信号配線351、ベー
ス信号配線391、コレクタ信号配線381が接続され
ている。トランジスタX3 のエミッタ電極60、ベース
電極40、コレクタ電極20にはそれぞれ、エミッタ信
号配線353、ベース信号配線393、コレクタ信号配
線383が接続されている。図7で斜線の入った配線と
して示したベース信号配線391,393が第2層配線
で、エミッタ信号配線351,353、コレクタ信号配
線381,383は第1層配線である。第1層配線と第
2層配線の間にはSiO2 膜、Si3 4 膜等の第1の
層間絶縁膜で絶縁されている。この第1の層間絶縁膜の
下部でエミッタ信号配線351とコレクタ信号配線38
3とが電気的に接続されている。各エミッタ信号配線3
51,353中には半絶縁性GaAs基板との接合面3
7が開口されている。接合面37が本発明の熱的接合領
域を形成している。
【0041】第2層配線391,393の上部にポリイ
ミドやBCB等の誘電体(絶縁物)を用いた第2の層間
絶縁膜が形成され、その上に熱伝導路105,106が
形成されている。熱伝導路105,106は厚さ5〜1
0μmの金メッキ膜であり、各HBT(X1 ,X3 )の
エミッタ領域と半絶縁性GaAs基板上の接合面37と
を接続している。熱的接合領域となる接合面37は各H
BT(X1 ,X3 )の動作領域の近傍、すなわちエミッ
タ領域から10〜20μm程度以内に設けられ、エミッ
タ領域からの熱を短い距離で半絶縁性基板に放出するよ
うにしている。熱伝導路105,106は、エミッタ電
極の長手方向に垂直な方向を長手方向とした接合面37
で半絶縁性GaAs基板と接続している。熱伝導路と半
絶縁性GaAs基板と接合面37は任意の位置に配置す
ることができる。
【0042】接合面37の面積は各エミッタ電極の総面
積の5〜50倍に形成することが好ましい。このように
広い接合面37で半絶縁性GaAs基板に接することに
より、エミッタ面積の小さい超高周波用HBTであって
も有効に、エミッタ領域からの熱を半絶縁性基板に放散
させることができる。
【0043】図7に示すようなマルチ・フィンガー型の
パワーHBTにおいてはエミッタ信号配線351,35
3の幅は太くなる。したがって、このようなエミッタ信
号配線の幅が十分太い場合には、図7に示すようにエミ
ッタ信号配線351,353と熱伝導路105,106
とを重ねて配置することが可能となる。また一部の第1
層配線を省略して、熱伝導路105,106をエミッタ
信号配線として用いることも可能である。この場合はエ
ミッタ信号配線が接合面により、半絶縁性GaAs基板
に接して形成され、エミッタ電極60からの熱はエミッ
タ信号配線を介して半絶縁性GaAs基板に放散され、
さらに半絶縁性GaAs基板の底面に設けられたヒート
シンクにより吸収されることになる。
【0044】(第4の実施の形態)図9〜図11は本発
明の第4の実施の形態に係るマイクロ波モノリシックI
C(MMIC)の能動素子周辺の構造を示す。本発明の
第4の実施の形態においては能動素子としてマルチフィ
ンガー型パワーHBTを用いている。図9はベース接地
型HBTを含んだ電力増幅器のチップ周りの上面構造の
概略図で、図10は図9のA−A断面での素子周りの断
面構造の概略図、図11は図9のB−B断面での素子周
りの断面構造の概略図である。
【0045】図10の断面図に示されるように本発明の
第4の実施の形態に係るHBTは半絶縁性GaAs基板
61の上にコレクタコンタクト層(サブコレクタ層)7
4、コレクタ層75、ベース層76、エミッタ層79を
順に堆積した積層構造を有している。サブコレクタ層7
4にはコレクタ電極64、ベース層76にはベース電極
63、エミッタ層79上にはエミッタ電極621がそれ
ぞれオーミック接触されている。エミッタ電極621は
2つのエミッタ層79を互いに接続している。
【0046】図9に示すようにベース電極63にはベー
ス引出し配線66が接続され、このベース引出し配線6
6は半絶縁性GaAs基板61中に設けられたバイアホ
ール611を介して、GaAs基板61の裏面の接地導
体層81と電気的に接続し、ベース接地動作を可能とし
ている。コレクタ電極64にはコレクタ引出し配線65
が接続され、さらに出力整合回路としての伝送線路69
およびコレクタ直流バイアス供給ライン613に接続さ
れている。出力整合回路には直流バイアス遮断用のコン
デンサ615が設けられている。ベース電極63、コレ
クタ電極64はSiO2 膜等の絶縁膜71およびSi3
4 膜等の絶縁膜72からなる第1の層間絶縁膜により
エミッタ電極621,622と分離されている。エミッ
タ電極622は2つのエミッタ電極621を接続してい
る。第1の層間絶縁膜71の上部にはポリイミド膜、B
CB膜等からなる第2の層間絶縁膜73が形成されてい
る。エミッタ電極621の上部の第2の層間絶縁膜中の
コンタクトホールおよびこのエミッタ電極の近傍のGa
As基板61の上部の第2の層間絶縁膜中に開孔された
コンタクトホール(接合面)610を介してエミッタ引
出し配線67がパターニングされている。コンタクトホ
ール610が本発明の熱的接合領域を構成し、エミッタ
引出し配線67は本発明の熱伝導路を構成している。エ
ミッタ引出し配線67はさらに第2の層間絶縁膜の下部
に形成された入力整合回路としての伝送線路68および
エミッタ端子への直流バイアス供給ライン612と電気
的に接続されている。図9に示すように入力整合回路6
8にもMOS型等のコンデンサ615が形成され直流バ
イアスを遮断している。入出力整合回路68,69、直
流バイアス供給ライン612,613、ベース引き出し
配線66、コレクタ引き出し配線65は全て同一レベル
の第1層配線として形成されている。
【0047】図9に示すようなマルチフィンガーHBT
の場合フィンガー間に設けられる金属層67の基板への
接合面610の面積は大きいほど放熱は良くなる。しか
し図21に示すように一定以上の大きさではその効果は
飽和するので、本発明の第4の実施の形態においては基
板への放熱面の大きさは単位エミッタサイズの5倍以
上、50倍以内とすることでチップサイズの拡大を抑制
している。ここではエミッタ幅2μm、エミッタ長18
μmとし、フィンガー2本を単位セルとしている。そし
て2セルおきに接合面610を設けている。例えば中央
の接合面610の幅は30μm、長さは30μmであ
る。また接合面60とエミッタ電極622との距離は2
0μm、金属層67厚は10μm程度が好ましい。
【0048】以上のようにエミッタ電極の極く近傍にエ
ミッタ電極622からの熱伝導路67の接合面610を
複数個形成することにより、極めて小さな熱抵抗で、エ
ミッタ領域からの発熱を半絶縁性半導体基板61に放散
することができる。複数の接合面610の総面積が広い
ので金属67と半導体61界面での熱的な接触抵抗も小
さい。さらに、広い伝導路を形成して半絶縁性半導体基
板中を熱が流れるため、半導体基板の熱伝導率が小さく
ても効率良く、所望のヒートシンクに熱を逃がし、半導
体基板中の熱的均一性を高めることが可能となる。
【0049】(第4の実施の形態の第1の実施例)図1
2〜14は第4の実施の形態に係るMMICの第1の実
施例の構造の概略を示す。図12は平面図、図13は図
12のA−A方向に沿った断面図、図14はB−B方向
に沿った断面図であり、電力増幅器を構成するマルチフ
ィンガー型パワーHBTの近傍の構造を示す。図9〜図
11に対応する部分には同一の符号を付し、重複する説
明は省略する。この第1の実施例においては入力整合回
路としての伝送線路91が図14に示すように第2層配
線で構成されている点が図9〜図11とは異なる点であ
る。図12で斜線で示した配線が第2層配線である。こ
の時本発明の熱抵抗低減用の熱伝導路であるエミッタ引
出配線67は図14に示すような、エミッタ電極の長手
方向に沿った方向においては基板に接続されることな
く、第2のエミッタ電極66と第2層配線である入力整
合回路91に接続されている。一方エミッタ電極の長手
方向に垂直方向の断面上では、図13に示すようにエミ
ッタ引出配線67は半絶縁性GaAs基板61と接合面
(熱的接合領域)610において熱接触をしている。図
14に示すように、エミッタ電極の長手方向においてポ
リイミドやBCB等から成る第2の層間絶縁膜上の第2
層配線として入力整合回路91およびエミッタ引出配線
67を配置することにより、入力側の引出配線のインダ
クタンスの影響を小さくし、効率良く素子の特性を活か
すことができるようになっている。さらに回路の小型化
も図れる。ここではエミッタ幅2μm、エミッタ長18
μmとし、フィンガー2本を単位セルとしている。そし
てエミッタ電極の長手方向に直交する方向で1セルおき
に接合面610を設けている。接合面610の幅は10
μm、長さは40μm、エミッタ電極との距離は16μ
m、金属層厚は5μmである。
【0050】(第4の実施の形態の第2の実施例)図1
5〜図17は第4の実施の形態に係るMMICの第2の
実施例の構造の概略を示す。第2の実施例はベース接地
型パワーHBTを用いた電力増幅器において、ベースの
接地インダクタンスを低減する構造を示す。図15は平
面図、図16は図15のA−A方向に沿った断面図、図
17はB−B方向に沿った断面図である。図9〜図14
に対応する部分には同一の符号を付している。
【0051】前述した図9および図12においてはパワ
ーHBTの両サイドでバイアホール611を用いて基板
裏面の接地導体層81に接続していたが、第2の実施例
においては入力側の整合回路91と同じ方向にベース引
き出し配線66を配置し、このベース引き出し配線66
の下部の半絶縁性GaAs基板61中にバイアホール6
11を設けることによりベースの接地インダクタンスを
低減している。図17に示すように入力側整合回路91
は第2層配線とし、ベース引き出し配線66を第1層配
線としている。第1層配線と第2層配線とはポリイミド
やBCB等の第2の層間絶縁膜73で分離されている。
図15においても斜線で示した配線91,612が第2
層配線を示すことは図12と同様である。
【0052】入力整合回路としての伝送線路91が第2
層配線で構成されているため小型で高性能なMMICを
得ることができる。また、ベース引き出し配線66が短
い距離でバイアホール611に接続できるのでベースの
浮遊インダクタンスが低減できる。この時本発明の熱抵
抗低減用の熱伝導路を兼ねるエミッタ引出配線67はパ
ワーHBTの近傍で接合面610を介して半絶縁性Ga
As基板61に接続される。ここでパワーHBTのエミ
ッタ幅2μm、エミッタ長18μmで、フィンガー1本
を単位セルとしている。そしてエミッタ電極の長手方向
の垂直方向において2セルおきに接合面610を設けて
いる。接合面610の幅は10μm、長さは30μm
で、エミッタ電極との距離は14μm、金属層厚は5μ
mである。
【0053】上記のように、本発明第1〜4の実施の形
態によって記載したがこの開示の一部をなす論述及び図
面はこの発明を限定するものであると理解すべきではな
い。たとえば、上記実施の形態においてはnpn型、エ
ミッタトップのHBTを用いたディジタル集積回路、レ
ーザードライバー、あるいは電力増幅器について述べた
が、この他どのような高周波回路、集積回路についても
応用できる。素子に関しても、pnp型HBTやコレク
タトップのHBTでも利用でき、さらに上述ではエミッ
タのバンドギャップのみが大きいシングルヘテロバイポ
ーラトランジスタについて述べたが、コレクタのバンド
ギャップもエミッタ同様大きいダブルヘテロバイポーラ
トランジスタでも応用は可能である。また化合物半導体
デバイスに限らず、熱放散の問題となるシリコンデバイ
スにおいても適用可能なことはもちろんである。
【0054】さらに図面等は多義的に解すべきでこの開
示から当業者には様々な代替実施の形態および運用技術
が明らかとなろう。また、本発明はここでは記載してい
ない様々な実施の形態および実施例を包含するというこ
とを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示
から妥当な、特許請求の範囲の発明特定事項によっての
み限定されるものである。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば従来の放熱構造ではでき
なかった数μm程度の細い配線で構成された集積回路に
も応用できる放熱構造を提供することができる。したが
って容易に高出力、高性能な高周波半導体集積回路を得
ることができる。
【0056】本発明の熱伝導路は熱伝導専用の配線とし
て設計すればその配線の厚みは任意の厚みに選定でき、
極めて小さな熱抵抗を得ることができ、熱放散の効果は
絶大である。
【0057】一方、本発明の熱伝導路は極めて短い距離
でトランジスタの主電極領域から半導体基板に熱を放出
する構造であるので本来的に熱抵抗が小さい。したがっ
て、比較的薄い金属膜であっても熱伝導路として機能す
るので、この熱伝導路を数μm幅の信号配線として兼ね
ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るディジタル集
積回路の構造を示す図である。
【図2】図1に対応する等価回路である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るディジタル集
積回路の製造方法を説明する工程断面図(その1)であ
る。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るディジタル集
積回路の製造方法を説明する工程断面図(その2)であ
る。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るレーザードラ
イバーの出力段差動増幅回路の一部を示す平面図であ
る。
【図6】図5に対応した等価回路である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係るレーザードラ
イバーの出力段回路の一部を示す平面図である。
【図8】図7に対応した等価回路である。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係るMMICの一
部を示す平面図である。
【図10】図9のA−A方向断面図である。
【図11】図9のB−B方向断面図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態に係るMMICの
第1の実施例を示す平面図である。
【図13】図12のA−A方向断面図である。
【図14】図12のB−B方向断面図である。
【図15】本発明の第4の実施の形態に係るMMICの
第2の実施例を示す平面図である。
【図16】図15のA−A方向断面図である。
【図17】図15のB−B方向断面図である。
【図18】本発明を説明するための能動素子近傍の構造
を示す図である。
【図19】バイポーラトランジスタの発熱部の位置を説
明する図である。
【図20】本発明の熱伝導路を基板に接続させた場合
と、基板への接続面がない場合で、どれほど温度分布に
差があるかを示した図である。
【図21】本発明の熱的接合領域の接地面積とエミッタ
電極面積の比と熱抵抗の関係を示す図である。
【図22】従来の半導体装置の構造を示す図である。
【図23】他の従来例を示す平面図である。
【図24】図23のA−A方向断面図である。
【符号の説明】 1,31,61 半絶縁性半導体基板 2,74,889 サブコレクタ層 3,75 コレクタ層 4,76,888 ベース層 5,77 エミッタ層 6 エミッタコンタクト層 20,32,64 コレクタ電極 30,36,73 ポリイミドやBCB等からなる第2
の層間絶縁膜 33,40,63 ベース電極 34,60 エミッタ電極 35 エミッタ電極に接続した金属層(エミッタの信号
ライン) 37,610 接合面(熱的接合領域) 38 コレクタの信号ライン 39 ベースの信号ライン 65 コレクタ引き出し配線 66 ベース引出配線 67 本発明の熱抵抗低減用の金属層であるエミッタ引
出配線 68 入力整合回路である伝送線路 69 出力整合回路である伝送線路 71,72 第1の層間絶縁膜 81 基板裏面に設けられた接地導体層 90 発熱部 91 入力整合回路である伝送線路 99,100,101,102,103,104,10
5,106 熱伝導路 611 ベースの引出配線に接続した接地の為のバイア
ホール 612 エミッタ端子への直流バイアス供給ライン 613 コレクタ端子への直流バイアス供給ライン 615 直流バイアス遮断用の容量 621,622 エミッタ電極 881 バンプ電極 884 上層配線 885 エミッタフィンガー部 836 層間絶縁膜 813 ベース引き出し電極 814 コレクタ引き出し電極 815 AlN基板上の金属電極 816 AlN基板 817 トランジスタ部 818 電極引き出し用バンプ 819 別電位の電極引き出し用バンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 29/73 27/095

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半絶縁性半導体基板上にトランジスタを
    搭載した半導体集積回路であって、 該トランジスタの動作領域の近傍の該半導体基板の表面
    に熱的接合領域を設け、 該トランジスタの一主電極と、該熱的接合領域とを接続
    する熱伝導路を有することを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記熱伝導路が、電気的信号を伝搬する
    信号線を兼ねることを特徴とする請求項1記載の半導体
    装置。
  3. 【請求項3】 前記熱的接合領域の面積が、前記一主電
    極の面積の5倍以上、50倍以下であることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の半導体装置。
JP8303275A 1996-11-14 1996-11-14 半導体装置 Pending JPH10144801A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8303275A JPH10144801A (ja) 1996-11-14 1996-11-14 半導体装置

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