JP2858505B2 - クランクシャフトのクランクピン構造 - Google Patents

クランクシャフトのクランクピン構造

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JP2858505B2
JP2858505B2 JP4115977A JP11597792A JP2858505B2 JP 2858505 B2 JP2858505 B2 JP 2858505B2 JP 4115977 A JP4115977 A JP 4115977A JP 11597792 A JP11597792 A JP 11597792A JP 2858505 B2 JP2858505 B2 JP 2858505B2
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crankshaft
crankpin
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敏郎 島本
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  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンのクランクシ
ャフトにおけるクランクピン構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用エンジンのピストン−クランク
機構にあっては、高回転化、フリクション低減のための
コンロッドメタル、クランクシャフトメタル幅縮小化等
軸受部の使用条件は増々厳しくなっている。
【0003】ところで、クランクシャフトにおけるクラ
ンクピン部(コンロッドメタルとの摺動部)のメタル面
圧及び油膜厚さの解析結果等からも解るように、クラン
クピンの谷部(クランクシャフトセンターに対向した周
面一部)が、遠心力により、主にコンロッドメタルと接
触して回転している。
【0004】即ち、谷部以外の部分は、瞬間的に爆発荷
重を受ける山部(谷部の反対側の周面一部)を除いて殆
んど接触しないのである。事実、エンジン耐久結果をみ
ても、クランクピンの谷側が荒れているケースが大半で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そのため、従来のクラ
ンクピンにあっては、コンロッドメタルと接触しない領
域の存在により、クランクシャフトセンターに対する一
次モーメントが不必要に大きくなって振動・騒音発生の
一要因となっている。
【0006】また、油孔周辺の加工時のかえり,バリ等
の存在により、面取り作業が不十分であると、コンロッ
ドメタルが焼付くというケースもあった。
【0007】そこで、本発明の目的は、振動・騒音の発
生を制御できる一方で、潤滑を良好にしてクランクピン
部の焼付きを効果的に回避できるクランクシャフトのク
ランクピン構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の、本発明の構成は、コンロッドメタルと摺接するクラ
ンクピンのクランクシャフトセンターに対向する谷部両
側の周面部分に、油孔周辺の少なくとも一部を含み該ク
ランクピンの周方向に沿って縦長の凹部を形成したこと
を特徴とする。
【0009】
【作用】前記構成によれば、クランクシャフトセンター
に対する一次モーメントが低減され、クランクシャフト
のバランス率が向上される一方、油孔周辺の加工時にお
けるかえり,バリ等が除去され、焼付き性が向上され
る。勿論、油溜りの形成により潤滑性も向上される。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。図1に示すように、エンジンを構成するク
ランクシャフト1に一体に形成されたクランクピン2に
は、コンロッド3の大端部4がコンロッドメタル5を介
して回転自在に嵌合され、このコンロッド3の小端部6
には図示しない気筒内を往復動し得るピストン7がピス
トンピン8を介して枢支されている。
【0011】また、クランクピン8には縦横に油孔9が
穿設され、この油孔9は油通路10を介してクランクジ
ャーナル11の油孔12に通じ、この油孔12から潤滑
油が供給されるようになっている。なお、図中13はク
ランクアーム、14はバランスウエイトである。
【0012】そして、本実施例では、図2にも示すよう
に、クランクピン2のクランクシャフトセンターCに対
向する谷部(コンロッドメタル5と接触して回転する領
域)15両側の周面部分に、凹部16Aが形成されてい
る。
【0013】前記凹部16Aは、クランクピン2の当該
凹部形成部分に開口する油孔9の周辺全部を含むように
して縦長に形成される。
【0014】この凹部16Aの形成により、クランクピ
ン2の減肉が図れ、クランクシャフトセンターCに対す
る一次モーメントの低減によりクランクシャフトのバラ
ンス率の向上が図れる。この結果、エンジンの振動・騒
音発生が抑制される。
【0015】また、凹部16A形成時に、油孔9の加工
時に形成された油孔周辺のかえり,バリが除去されるの
で、コンロッドメタル5との間での焼付き性が向上され
る。
【0016】さらに、凹部16Aが油溜りとなって潤滑
油が常時滞留するので、前述した谷部15等への潤滑油
供給が良好となり、当該谷部15等の荒れや焼付きが改
善される。
【0017】図3及び図4は、本発明の別の実施例を示
すものである。これは、凹部16Bを、油孔9周辺の下
半部のみ含んで前記谷部15と接するように形成した例
である。
【0018】これによれば、谷部15への潤滑油供給が
より積極的に行われるという利点が得られる。
【0019】なお、本発明は上記各実施例に限定され
ず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で各種の変更が可
能であることは言う迄もない。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、
ランクピンの減肉が図れ、クランクシャフトセンターに
対する一次モーメントを小さくすることが可能となり、
クランクシャフトのバランス率を向上させてエンジンの
振動・騒音発生を抑制することができる。また、凹部の
形成時に、油孔加工時のかえり、バリ等の除去ができ焼
き付き性が向上すると共に、凹部を周方向に沿って縦長
としているため回転方向に対する油溜まり性が向上し、
潤滑性が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す破断側面図である。
【図2】同じく要部を正面から視た説明図である。
【図3】本発明の別の実施例を示す要部側面図である。
【図4】同じく要部を正面から視た説明図である。
【符号の説明】
1 クランクシャフト 2 クランクピン 5 コンロッドメタル 9 油孔 15 谷部 16A,16B 凹部 C クランクシャフトセンター

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンロッドメタルと摺接するクランクピ
    ンのクランクシャフトセンターに対向する谷部両側の周
    面部分に、油孔周辺の少なくとも一部を含み該クランク
    ピンの周方向に沿って縦長の凹部を形成したことを特徴
    とするクランクシャフトのクランクピン構造。
JP4115977A 1992-05-08 1992-05-08 クランクシャフトのクランクピン構造 Expired - Fee Related JP2858505B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102135130A (zh) * 2011-05-04 2011-07-27 天润曲轴股份有限公司 一种新型油孔结构的球墨铸铁曲轴

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