JP5152149B2 - クランクシャフト構造 - Google Patents

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本発明は、潤滑油をクランクジャーナルの外周部からコネクティングロッドジャーナルの外周部に貫通する潤滑油孔を介してコネクティングロッドジャーナルの外周部とコネクティングロッドジャーナル軸受の内周部の間に供給するクランクシャフト構造に関する。
一般に、内燃機関のクランクシャフトは、ピストンの往復運動をコネクティングロッドを介して回転運動に変換するものであり、クランクジャーナル軸受を介してシリンダブロックに回転自在に支持されるクランクジャーナルと、コネクティングロッドジャーナル軸受を介してコネクティングロッドの大径部に回転自在に支持されるコネクティングロッドジャーナルとを備えている。
従来、この種のクランクシャフト構造として、クランクジャーナル軸受を半円筒状の上側軸受部材と下側軸受部材とによって構成し、上側軸受部材に穿設した半径方向孔を介してクランクジャーナルとクランクジャーナル軸受との摺動部に潤滑油を供給するとともに、この摺動部に供給された潤滑油を、クランク軸に放射方向に形成した潤滑油孔内に、オイルポンプが発生する油圧と、クランクシャフトが回転するときの遠心力により通過させて、コネクティングロッドジャーナルとコネクティングロッドジャーナル軸受との摺動部に供給するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、この種のクランクシャフト構造として、クランクシャフトの軸線方向に形成された内部穴に、軸線方向に間隔をあけて複数のリング状部材からなる油保持板を、クランクシャフトと一体回転可能に取り付けることにより、クランクシャフトの停止時または低速回転時に潤滑油が油保持板上に残るため、潤滑油の給油量の低減を防止して確実な潤滑をするようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−125565号公報 特開平8−61277号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたクランクシャフト構造においては、オイルポンプが発生する油圧は潤滑油孔内の潤滑油に正圧として作用するとともに、クランクシャフトが回転するときの遠心力は潤滑油孔内の潤滑油に負圧として作用し、この負圧が内燃機関の高速運転時に優勢となるため、潤滑油孔内の潤滑油の脈動と慣性力により、潤滑油孔内の潤滑油にキャビテーションが発生してしまうという問題があった。このため、キャビテーションにより生じた気泡により潤滑油が潤滑油孔内で分断され、コネクティングロッドジャーナル軸受への潤滑油の供給が間欠的になってしまってコネクティングロッドジャーナル軸受が焼き付きを起こしてしまうという問題があった。特に、近年は、燃費の改善のためにオイルポンプの容量を従来よりも低く設定することがあるため、潤滑油孔内の潤滑油にキャビテーションが発生する恐れが高くなっている。
一方、特許文献2に記載されたクランクシャフト構造においては、クランクシャフトの停止時または低速回転時に潤滑油を油保持板上に残すことで給油量の低減を防止するものであるが、油保持板が設けられた内部穴は、クランクシャフトの軸線方向に形成されたものであり、潤滑油の供給にはクランクシャフトの遠心力が作用しない構成であるため、特許文献1に記載のクランクシャフト構造が有する問題に対しては何ら考慮されていなかった。
本発明は、前述の従来の問題を解決するためになされたもので、エンジンの高速回転時において、潤滑油孔内での潤滑油の逆流やキャビテーションの発生による潤滑油の間欠供給を抑制し、コネクティングロッドジャーナル軸受の焼き付きを防止することができるクランクシャフト構造を提供することを課題とする。
本発明に係るクランクシャフト構造は、上記課題を解決するため、(1)クランクジャーナルとコネクティングロッドジャーナルとを備えるクランク軸と、前記クランクジャーナルを回転自在に軸支するクランクジャーナル軸受と、前記コネクティングロッドジャーナルを回転自在に軸支するコネクティングロッドジャーナル軸受と、を備え、前記クランクジャーナル軸受の半径方向に形成した給油孔を介して前記クランクジャーナルの外周部と前記クランクジャーナル軸受の内周部の間に潤滑油を供給するとともに、前記供給された潤滑油を前記クランクジャーナルの外周部から前記コネクティングロッドジャーナルの外周部に貫通する潤滑油孔を介して前記コネクティングロッドジャーナルの外周部と前記コネクティングロッドジャーナル軸受の内周部の間に供給するようにしたクランクシャフト構造であって、前記潤滑油孔が、前記クランクジャーナル内に形成されたクランクジャーナル潤滑油孔と、前記クランクジャーナル潤滑油孔と同軸上に形成されたコネクティングロッドジャーナル潤滑油孔とから構成され、前記コネクティングロッドジャーナル潤滑油孔の壁面にひだ状の突起を形成したものから構成されている。
この構成により、エンジンの停止時には突起によりコネクティングロッドジャーナル潤滑油孔に潤滑油が保持され、エンジンの始動時には、コネクティングロッドジャーナル潤滑油孔に保持された潤滑油が供給されるので、エンジン始動時の潤滑油の不足が解消される。また、エンジンの運転時には、潤滑油の脈動と逆流が突起により抑制されることによりキャビテーションの発生が防止され、潤滑油の間欠供給が発生することがないので、エンジンの高速回転時において、潤滑油孔内での潤滑油の逆流やキャビテーションの発生による潤滑油の間欠供給を抑制し、コネクティングロッドジャーナル軸受の焼き付きを防止することができる。
また、本発明に係るすべり軸受は、上記課題を解決するため、(1)に記載のクランクシャフト構造において、(2)前記突起が、前記クランクジャーナルの外周部から前記コネクティングロッドジャーナルの外周部へ向かう順方向への潤滑油の通過を許し、前記コネクティングロッドジャーナルの外周部から前記クランクジャーナルの外周部へ向かう逆方向への潤滑油の通過を抑制する逆止弁であるものから構成されている。
この構成により、エンジンの運転時には、潤滑油の逆流が突起により一層抑制されることにより、キャビテーションの発生、潤滑油の間欠供給の発生を防止することができる。
また、本発明に係るすべり軸受は、上記課題を解決するため、(1)または(2)に記載のクランクシャフト構造において、(3)前記突起が、柔軟性を有する樹脂から構成されている。
この構成により、潤滑油の脈動に伴って突起が変形して、潤滑油の脈動を抑制することができるとともに、逆止弁としての機能を十分に発揮することができる。
また、本発明に係るすべり軸受は、上記課題を解決するため、(1)ないし(3)に記載のクランクシャフト構造において、(4)前記コネクティングロッドジャーナル潤滑油孔の内径が、前記クランクジャーナル潤滑油孔の内径よりも大きいものから構成されている。
この構成により、エンジンの停止時には、より多くの潤滑油がコネクティングロッドジャーナル潤滑油孔内に保持され、エンジンの運転時には、潤滑油の逆流が抑制されることによりキャビテーションの発生が防止され、潤滑油の間欠供給が発生することがない。
また、本発明に係るすべり軸受は、上記課題を解決するため、(1)ないし(4)に記載のクランクシャフト構造において、(5)前記コネクティングロッドジャーナル潤滑油孔の壁面にディンプル形状の凹みを形成したものから構成されている。
この構成により、エンジンの停止時には凹みにより潤滑油孔内に潤滑油が保持され、エンジンの運転時には、潤滑油の脈動と逆流が凹みにより抑制されることによりキャビテーションの発生が防止され、潤滑油の間欠供給が発生することがない。
本発明によれば、エンジンの高速回転時において、潤滑油孔内での潤滑油の逆流やキャビテーションの発生による潤滑油の間欠供給を抑制し、コネクティングロッドジャーナル軸受の焼き付きを防止することができるクランクシャフト構造を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るクランクシャフト構造を適用した車両のエンジンの概略斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るクランクシャフトの潤滑油の潤滑経路を示す側面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るクランクシャフトの潤滑油の潤滑経路を示す正面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るクランクシャフト構造のコネクティングロッドジャーナル軸受とコネクティングロッドの分解図である。 (a)は、本発明の第1の実施の形態に係るクランクシャフト構造のコネクティングロッドジャーナル潤滑油孔の断面図であり、(b)は、コネクティングロッドジャーナル潤滑油孔の透過図である。 本発明の第1の実施の形態に係るクランクシャフト構造のコネクティングロッドジャーナル潤滑油孔の他の例を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るクランクシャフト構造による効果を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係るクランクシャフトの潤滑油の潤滑経路を示す正面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るクランクシャフト構造のコネクティングロッドジャーナル潤滑油孔の断面図である。
以下、本発明の第1の実施の形態に係るクランクシャフト構造4について、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
まず、構成について説明する。
図1に示すように、エンジン1は、ピストン2と、可変バルブタイミング機構(VVT−i:Variable Valve Timing−intelligent)3と、クランクシャフト構造4と、オイル供給装置5と、気筒内に直接燃料を噴射する図示しない燃料噴射装置とを含んで構成されている。
図1〜図4に示すように、クランクシャフト構造4は、クランクシャフト6と、クランクジャーナル軸受7と、シリンダブロック8と、コネクティングロッドジャーナル軸受9と、コネクティングロッド10と、を備えている。
クランクシャフト6は、クランクシャフト6に一体的に形成されたクランクジャーナル12およびコネクティングロッドジャーナル13を備えている。クランクシャフト6は、軸受14と、クランクジャーナル12と、を介して内燃機関のシリンダブロック8に回転自在に支持されている。なお、ピストン2はコネクティングロッド10の上部である小径部18にピン20により連結支持されている。
シリンダブロック8には、その内部にオイル通路であるサブギャラリー15とメインギャラリー21が形成されており、このサブギャラリー15は、メインギャラリー21に接続されている。シリンダブロック8は、給油孔7aを有するクランクジャーナル軸受7を介してクランクシャフト6のクランクジャーナル12を回転自在に支持している。
コネクティングロッドジャーナル軸受9は、半割円筒状の上側軸受22と、半割円筒状の下側軸受23と、を備えている。
上側軸受22は、上側軸受22の開口端22a側には、油孔22bが形成されており、この油孔22bは潤滑油孔16に連通するようになっている。
下側軸受23は、下側軸受23の開口端23a側には、油孔23bが形成されており、この油孔23bは潤滑油孔16に連通するようになっている。
コネクティングロッド10は、上下に分割されたロッド付半円弧状のアッパ側半割24と、半円弧状のロア側半割25と、によって構成され、コネクティングロッドジャーナル軸受9を介してクランクシャフト6のコネクティングロッドジャーナル13を挟持した状態でボルト26によりアッパ側半割24とロア側半割25を固定して、コネクティングロッドジャーナル13をコネクティングロッド10の大径部27に回転自在に連結している。
アッパ側半割24は、ロア側半割25に固定するための内周部にネジ溝が形成されたボルト孔24aを有し、ロア側半割25は、アッパ側半割24に固定するための貫通孔25aと、オイル通路25bを有し、このオイル通路25bは、下側軸受23の油孔23bに連通している。
オイル供給装置5は、オイルパン28と、オイルストレーナ29と、ポンプ機構30と、ポンプ機構30から吐出された潤滑油をろ過するオイルフィルタ31と、オイル通路32と、を含んで構成されている。
オイルパン28は、還流された潤滑油を貯留するケースからなり、シリンダブロック8の下部に固定されている。このオイルパン28に貯留された潤滑油内には、オイルストレーナ29の吸入口が浸漬されており、この吸入口から潤滑油が吸入されるようになっている。
クランクシャフト6には、その内部にクランクジャーナル12の外周部とコネクティングロッドジャーナル13の外周部とを連通する潤滑油孔16が形成されている。このため、サブギャラリー15からクランクジャーナル12の外周部とクランクジャーナル軸受7の内周部との間の摺動部に供給された潤滑油は、クランクジャーナル12の外周部から潤滑油孔16内に入り、コネクティングロッドジャーナル13の外周部から潤滑油孔16を出て、コネクティングロッドジャーナル13の外周部とコネクティングロッドジャーナル軸受9の内周部との間の摺動部に供給されるようになっている。
潤滑油孔16内のオイルには、オイル供給装置5のポンプ機構30が発生する油圧が正圧として作用するとともに、クランクシャフト6が回転するときの遠心力が負圧として作用する。すなわち、潤滑油孔16内の潤滑油は、クランクジャーナル12側から押され、コネクティングロッドジャーナル13側から引っ張られることとなる。
なお、潤滑油孔16は、クランクジャーナル12内に形成された部分であるクランクジャーナル潤滑油孔16aと、コネクティングロッドジャーナル13内に形成された部分であるコネクティングロッドジャーナル潤滑油孔16bとから構成されている。また、クランクジャーナル潤滑油孔16aとコネクティングロッドジャーナル潤滑油孔16bは、同軸上となるよう形成されている。このため、回転中心に近いクランクジャーナル潤滑油孔16aよりも、回転中心から遠いコネクティングロッドジャーナル潤滑油孔16bにおいて、クランクシャフト6が回転するときの遠心力により発生する潤滑油孔16の潤滑油を流す力は強いものとなり、また、潤滑油の圧力が低下してキャビテーションが発生しやすい状態となる。
図5(a)、図5(b)に示すように、潤滑油孔16のコネクティングロッドジャーナル潤滑油孔16bの内壁には、環状で且つ段面がひだ状の突起40が複数設けられている。
この突起40は、エンジン1の停止時にコネクティングロッドジャーナル潤滑油孔16b内に潤滑油を保持する機能を有するとともに、エンジン1の運転時には、潤滑油の脈動を抑制し、脈動によるキャビテーションの発生を抑えるようになっている。
また、突起40は、弾性を有する樹脂等から構成されており、矢印Aで示す潤滑油の順方向、すなわち、クランクジャーナル12からコネクティングロッドジャーナル13に向かう方向に、傾斜して設けられている。これにより、潤滑油が矢印Aの方向に向かうときは、突起40がコネクティングロッドジャーナル潤滑油孔16bの放射方向外側にたわんで潤滑油の通過面積が広くなるため潤滑油の通過を許し、潤滑油が矢印Bの方向に向かうときは、突起40がコネクティングロッドジャーナル潤滑油孔16bの放射方向内側にたわんで潤滑油の通過面積が狭くなるため潤滑油の通過を規制するようになっている。すなわち、突起40は、コネクティングロッドジャーナル潤滑油孔16b内で潤滑油が逆方向に流れることを規制する逆止弁として構成されている。また、突起40を樹脂から構成することにより、潤滑油の脈動に伴って突起40が変形して、潤滑油の脈動を抑制することができる。
なお、図5(a)、図5(b)では、コネクティングロッドジャーナル潤滑油孔16bの内壁から突起40の先端までの高さを誇張して描いているが、突起40の高さは、コネクティングロッドジャーナル潤滑油孔16bの内径が5mmである場合、0.1〜0.2mmとするのが好適である。これは、突起40の高さが0.1mm未満であると、潤滑油を保持する効果を十分に奏することができず、突起40の高さが0.3mm以上であると、コネクティングロッドジャーナル潤滑油孔16b内の潤滑油の流れが阻害され、コネクティングロッドジャーナル軸受9への潤滑油の供給量が減少してしまうためである。
図6に示すように、コネクティングロッドジャーナル潤滑油孔16bの内壁への突起40の形成は、突起40が内壁に複数形成された樹脂等からなる円筒部材45をコネクティングロッドジャーナル潤滑油孔16bの内部に装着することにより実施することができる。
次に、動作について説明する。
エンジン1が運転時にあるときは、クランクシャフト6によってポンプ機構30が駆動され、オイルパン28から潤滑油が吸引されてオイル通路32を介して、シリンダブロック8内部に形成されたメインギャラリー21からサブギャラリー15に潤滑油が圧送される。そして、圧送された潤滑油がクランクジャーナル軸受7の給油孔7aを通って、クランクジャーナル軸受7とクランクジャーナル12との間の摺動面に供給される。また、この潤滑油は、クランクシャフト6に形成された潤滑油孔16を通って、コネクティングロッドジャーナル軸受9にも供給される。
潤滑油孔16内の潤滑油は、クランクジャーナル軸受7とクランクジャーナル12との間隙の変化に応じた脈動を伴ったものであり、また、クランクシャフト6が回転するときの遠心力により、コネクティングロッドジャーナル軸受9に近づくほど圧力が低下する。
このため、エンジン1が高速運転しているときの、特に潤滑油孔16のコネクティングロッドジャーナル潤滑油孔16bにおいて、潤滑油のキャビテーションが発生しやすい状態となる。
本実施の形態では、コネクティングロッドジャーナル潤滑油孔16b内に突起40が形成されているため、エンジン1の停止時には突起40により潤滑油孔16内に潤滑油が保持され、エンジン1の始動時には、潤滑油孔16内に保持された潤滑油が供給されるので、エンジン1の始動時の潤滑油の不足が解消される。また、エンジン1の運転時には、潤滑油の脈動と逆流が突起40により抑制されることによりキャビテーションの発生が防止され、潤滑油の間欠供給が発生することがない。
図7において、破線で示す従来のクランクシャフト構造のコネクティングロッドジャーナル軸受の温度曲線Bでは、エンジン回転数が高い場合に急激に温度上昇して焼き付きに至ってしまっていたが、本実施の形態のクランクシャフト構造4では、実線で示すコネクティングロッドジャーナル軸受9の温度曲線Aのように、エンジン回転数が高くなっても急激に温度上昇することがなく、コネクティングロッドジャーナル軸受9の焼き付きが防止されることとなる。
なお、上記の構成では、コネクティングロッドジャーナル潤滑油孔16bの内壁に突起40を複数設けているが、コネクティングロッドジャーナル潤滑油孔16bだけでなく、クランクジャーナル潤滑油孔16aの内壁にも突起40を複数設けるようにしてもよい。
以上のように、本発明の実施の形態に係るクランクシャフト構造においては、潤滑油孔16が、クランクジャーナル12内に形成されたクランクジャーナル潤滑油孔16aと、クランクジャーナル潤滑油孔16aと同軸上に形成されたコネクティングロッドジャーナル潤滑油孔16bとから構成され、コネクティングロッドジャーナル潤滑油孔16bの壁面にひだ状の突起40を形成するよう構成したので、エンジン1の停止時には突起40により潤滑油孔16内に潤滑油が保持され、エンジン1の始動時には、潤滑油孔16内に保持された潤滑油が供給されるので、エンジン1の始動時の潤滑油の不足が解消される。また、エンジン1の運転時には、潤滑油の脈動と逆流が突起40により抑制されることによりキャビテーションの発生が防止され、潤滑油の間欠供給が発生することがない。
この結果、エンジン1の高速回転時において、潤滑油孔16内での潤滑油の逆流やキャビテーションの発生による潤滑油の間欠供給を抑制し、コネクティングロッドジャーナル軸受9の焼き付きを防止することができる。
また、本発明の実施の形態に係るクランクシャフト構造においては、突起40が、クランクジャーナル12の外周部からコネクティングロッドジャーナル13の外周部へ向かう順方向への潤滑油の通過を許し、コネクティングロッドジャーナル13の外周部からクランクジャーナル12の外周部へ向かう逆方向への潤滑油の通過を抑制する逆止弁であるよう構成したので、エンジン1の運転時には、潤滑油の逆流が突起40により一層抑制されることにより、キャビテーションの発生、潤滑油の間欠供給の発生を防止することができる。
また、本発明の実施の形態に係るクランクシャフト構造においては、突起40が、柔軟性を有する樹脂から構成されているので、潤滑油の脈動に伴って突起が変形して、潤滑油の脈動を抑制することができるとともに、逆止弁としての機能を十分に発揮することができる。
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、図8に示すように、潤滑油孔16のうち、クランクジャーナル潤滑油孔16aとコネクティングロッドジャーナル潤滑油孔16bとで内径を異ならせるようになっている。なお、第1の実施の形態と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
図8に示すように、潤滑油孔16のうち、クランクジャーナル潤滑油孔16aの内径よりもコネクティングロッドジャーナル潤滑油孔16bの内径を大きくしている。クランクジャーナル潤滑油孔16aの内径およびコネクティングロッドジャーナル潤滑油孔16bの内径の具体的数値としては、コネクティングロッドジャーナル潤滑油孔16bの内径を4〜6mmとし、クランクジャーナル潤滑油孔16aの内径を3〜4mmとする組合せが好適である。このため、エンジン1の停止時には、より多くの潤滑油がコネクティングロッドジャーナル潤滑油孔16b内に保持され、エンジン1の運転時には、潤滑油の逆流が抑制されることによりキャビテーションの発生が防止され、潤滑油の間欠供給が発生することがない。なお、本実施の形態は、第1の実施の形態と組合せて実施することができる。
以上のように、本発明の実施の形態に係るクランクシャフト構造においては、コネクティングロッドジャーナル潤滑油孔16bの内径が、クランクジャーナル潤滑油孔16aの内径よりも大きい構成としたので、エンジン1の停止時には、より多くの潤滑油がコネクティングロッドジャーナル潤滑油孔16b内に保持され、エンジン1の運転時には、潤滑油の逆流が抑制されることによりキャビテーションの発生が防止され、潤滑油の間欠供給が発生することがない。
(第3の実施の形態)
本実施の形態では、図9に示すように、潤滑油孔16のうち、コネクティングロッドジャーナル潤滑油孔16bの内壁に、ディンプル形状の凹み47を複数形成するようになっている。なお、第1の実施の形態および第2の実施の形態と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
図9に示すように、コネクティングロッドジャーナル潤滑油孔16bの内壁には、ディンプル形状の凹み47が複数形成されている。具体的には、凹み47のサイズは、直径0.1〜0.2mmとするのが好適である。このため、エンジン1の停止時には凹み47により潤滑油孔16内に潤滑油が保持され、エンジン1の運転時には、潤滑油の脈動と逆流が凹み47により抑制されることによりキャビテーションの発生が防止され、潤滑油の間欠供給が発生することがない。
なお、上記構成に加えて、クランクジャーナル潤滑油孔16aの内径を、コネクティングロッドジャーナル軸受9に向かって徐々に小さくようにしてもよい。この場合も上記と同様に、エンジン1の停止時には凹み47により潤滑油孔16内に潤滑油が保持され、エンジン1の運転時には、潤滑油の脈動と逆流が凹み47により抑制されることによりキャビテーションの発生が防止され、潤滑油の間欠供給が発生することがない。なお、本実施の形態は、第1の実施の形態および第2の実施の形態と組合せて実施することができる。
以上のように、本発明の実施の形態に係るクランクシャフト構造においては、コネクティングロッドジャーナル潤滑油孔16bの壁面にディンプル形状の凹み47を形成したので、エンジン1の停止時には凹み47により潤滑油孔16内に潤滑油が保持され、エンジン1の運転時には、潤滑油の脈動と逆流が凹み47により抑制されることによりキャビテーションの発生が防止され、潤滑油の間欠供給が発生することがない。
以上のように、本発明に係るクランクシャフト構造は、エンジンの高速回転時において、潤滑油孔内での潤滑油の逆流やキャビテーションの発生による潤滑油の間欠供給を抑制し、コネクティングロッドジャーナル軸受の焼き付きを防止することができるという効果を有し、潤滑油をクランクジャーナルの外周部からコネクティングロッドジャーナルの外周部に貫通する潤滑油孔を介してコネクティングロッドジャーナルの外周部とコネクティングロッドジャーナル軸受の内周部の間に供給するクランクシャフト構造として有用である。
1 エンジン
2 ピストン
4 クランクシャフト構造
5 オイル供給装置
6 クランクシャフト
7 クランクジャーナル軸受
7a 給油孔
8 シリンダブロック
9 コネクティングロッドジャーナル軸受
10 コネクティングロッド
12 クランクジャーナル
13 コネクティングロッドジャーナル
15 サブギャラリー
16 潤滑油孔
16a クランクジャーナル潤滑油孔
16b コネクティングロッドジャーナル潤滑油孔
18 小径部
20 ピン
21 メインギャラリー
22 上側軸受
22a 開口端
22b 油孔
23 下側軸受
23a 開口端
23b 油孔
24 アッパ側半割
25 ロア側半割
27 大径部
40 突起
45 円筒部材
47 凹み

Claims (5)

  1. クランクジャーナルとコネクティングロッドジャーナルとを備えるクランク軸と、
    前記クランクジャーナルを回転自在に軸支するクランクジャーナル軸受と、
    前記コネクティングロッドジャーナルを回転自在に軸支するコネクティングロッドジャーナル軸受と、を備え、
    前記クランクジャーナル軸受の半径方向に形成した給油孔を介して前記クランクジャーナルの外周部と前記クランクジャーナル軸受の内周部の間に潤滑油を供給するとともに、前記供給された潤滑油を前記クランクジャーナルの外周部から前記コネクティングロッドジャーナルの外周部に貫通する潤滑油孔を介して前記コネクティングロッドジャーナルの外周部と前記コネクティングロッドジャーナル軸受の内周部の間に供給するようにしたクランクシャフト構造であって、
    前記潤滑油孔が、前記クランクジャーナル内に形成されたクランクジャーナル潤滑油孔と、前記クランクジャーナル潤滑油孔と同軸上に形成されたコネクティングロッドジャーナル潤滑油孔とから構成され、
    前記コネクティングロッドジャーナル潤滑油孔の壁面にひだ状の突起を形成したことを特徴とするクランクシャフト構造。
  2. 前記突起が、前記クランクジャーナルの外周部から前記コネクティングロッドジャーナルの外周部へ向かう順方向への潤滑油の通過を許し、前記コネクティングロッドジャーナルの外周部から前記クランクジャーナルの外周部へ向かう逆方向への潤滑油の通過を抑制する逆止弁であることを特徴とする請求項1に記載のクランクシャフト構造。
  3. 前記突起が、柔軟性を有する樹脂から構成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のクランクシャフト構造。
  4. 前記コネクティングロッドジャーナル潤滑油孔の内径が、前記クランクジャーナル潤滑油孔の内径よりも大きいことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1の請求項に記載のクランクシャフト構造。
  5. 前記コネクティングロッドジャーナル潤滑油孔の壁面にディンプル形状の凹みを形成したことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1の請求項に記載のクランクシャフト構造。
JP2009248704A 2009-10-29 2009-10-29 クランクシャフト構造 Expired - Fee Related JP5152149B2 (ja)

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