JP2002195788A - 銅又は銅合金製伝熱管 - Google Patents

銅又は銅合金製伝熱管

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JP2002195788A
JP2002195788A JP2000401491A JP2000401491A JP2002195788A JP 2002195788 A JP2002195788 A JP 2002195788A JP 2000401491 A JP2000401491 A JP 2000401491A JP 2000401491 A JP2000401491 A JP 2000401491A JP 2002195788 A JP2002195788 A JP 2002195788A
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copper
film
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dent
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Tetsuo Hosoki
哲郎 細木
Kiyonori Koseki
清憲 小関
Chikara Saeki
主税 佐伯
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 フロン系冷媒の蒸発性能を向上させ、また、
内面皮膜がフロン系冷媒に溶解したり、化学反応を起こ
さず、安定であると共に、銅管の製造工程、エアコンの
製造工程、使用時に剥離せず、更にリサイクル時に再溶
解しても不純物成分が侵入しない銅又は銅合金製伝熱管
を提供する。 【解決手段】 銅又は銅合金製の伝熱管本体2の内面の
少なくとも一部に、非晶質セラミックス皮膜6を形成す
る。前述の皮膜6の表面には凹み5が形成され、その面
積の総和は、前述の皮膜6の面積の1乃至75%であ
る。凹みの形状は、その面積と等しい面積の円に換算し
たときに、直径の平均値が0.07乃至10μm、円の
直径の平均値と凹みの深さの最大値との比が0.1乃至
100である。凹みが無い部分における前述の皮膜6の
厚さは、0.1乃至10μmである。凹みの深さは、凹
みが無い部分における前述の皮膜6厚さをtとしたと
き、0.1t乃至1tである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はルームエアコン等の
ヒートポンプ式冷凍空調機器等に使用される熱交換器に
好適な銅又は銅合金製伝熱管に関し、特に、内部を流れ
る冷媒の蒸発性能を向上させることができる銅又は銅合
金製伝熱管に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、ルームエアコンとして、冷暖房兼
用型のヒートポンプ式エアコンが主流となっている。そ
して、このヒートポンプ式エアコン等に使用される銅又
は銅合金製伝熱管には凝縮性能及び蒸発性能が優れてい
ることが要求される。伝熱管の凝縮性能を高めるために
は、管内面が凝縮した冷媒液で覆われることを防止する
ために、凝縮した冷媒液が管内面全体に広がることを防
止するような構造が必要とされる。一方、伝熱管の蒸発
性能を高めるためには、冷媒液を伝熱面である管内面全
体に広めて管内面全体で冷媒の蒸発が生じるような構造
が必要とされる。従って、蒸発性能及び凝縮性能の双方
が優れている伝熱管を得るためには、冷媒液の広がりか
たについての前述の相反する要求を満足させる必要があ
る。
【0003】そこで、このような伝熱管には、管内面に
螺旋状の複数の平行溝を形成して熱伝達効率を向上させ
た内面溝付管が使用されている。
【0004】凝縮性能を向上させることは、管外径、溝
の管軸に対するねじれ角、管内径に対する溝深さの比、
管の肉厚、溝深さに対する溝底部の幅及びフィンの山頂
角等を調整することにより、ある程度高性能化を図るこ
とができる。蒸発性能を無視するのであれば、上述の伝
熱性能を決める要素を調整することにより、凝縮性能に
特化した伝熱管を製作することも可能である。
【0005】凝縮性能を向上させる手段として、管内面
に相互に交差する複数の平行溝が形成された内面溝付管
が提案されている(実開昭63−148078号公
報)。この公報に記載された内面溝付管においては、管
内面に相互に交差する溝が形成されているので、管内面
には四角錘状の複数個の凸部が形成されている。
【0006】一方、蒸発性能の向上には、一般的に冷媒
のぬれ広がりによる伝熱面積の増大及び冷媒核沸騰の促
進が必要とされる。このうち、冷媒のぬれ広がりを促進
させるために、溝の管軸に対するねじれ角、溝深さ及び
溝形状等を種々変化させた内面溝付管が開発され、蒸発
性能の向上が図られている。しかしながら、従来、更に
蒸発性能を向上させるために、冷媒を沸騰させる核を増
やすという観点から、以下のような技術が提案されてい
る。
【0007】第1に、伝熱管内面に金属の粉粒体又はコ
ア材を、はんだ、ろう材又はニッケルめっき等により付
着させ、表面に微細な突起又は多孔質体を形成すること
により、管内面の伝熱面積を増やして、冷媒のぬれ広が
りを促進しつつ、沸騰核を形成して冷媒核沸騰を促進さ
せた伝熱管及びその製造方法が提案されている(特開平
4−225793、以下、従来例1という)。
【0008】また、溝付管の内面全体又は溝底及び山の
頂上部表面に親水性若しくは撥水性などの表面処理を施
し、バランス良く蒸発性能と凝縮性能を向上させる技術
が提案されている(特開平6−147784、以下、従
来例2という)(特開平8−136178、以下、従来
例3という)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
1のように、伝熱管内面に50〜200μm程度の金属の粉粒
体又はコア材を、はんだ、ろう材又はニッケルめっき等
により付着させ、表面に微細な突起又は多孔質体を形成
する方法では、水よりも表面張力が小さいフロンのよう
な流体の沸騰核としては大きすぎ、フロン系の冷媒を用
いるルームエアコン等の熱交換器においては、このよう
な伝熱管を用いても蒸発性能の大幅な向上は期待し難
い。表面張力の小さいフロンに対して、有効な沸騰核と
なり得るためには、表面に形成させる付着物のサイズを
より小さなものにしなければ効果を有しないが、そのよ
うな微細な凹凸を設けた伝熱管は製造することが困難で
ある。
【0010】また、近年、電気製品の部品及び材料のリ
サイクルが真剣に検討されているが、はんだ、ろう材又
はめっき等が付着した銅管では、異種金属の混入が避け
られないため、従来例1はリサイクルの点で好ましくな
い。
【0011】また、従来例2のように、伝熱管内に親水
処理又は撥水処理を施す方法においては、親水処理及び
撥水処理自体が水を対象とするものであるため、水に対
する伝熱性能を向上させることはできるものの、例えば
その親水皮膜が親水基又はアルキル基等の官能基を表面
に有することで親水性を得るものであった場合、これら
の官能基に馴染まない構造を有するフロンのような流体
には適さない。また、親水皮膜又は撥水皮膜は有機皮膜
であるため、フロンに対しては化学的に安定ではなく、
フロン溶液中に溶解しやすい。更に、銅管のリサイクル
を考慮した場合、素材溶解時に銅又は銅合金溶湯を汚染
してしまうという問題点もある。
【0012】更に、従来例3は、表面黒化処理で伝熱管
内面を酸化することにより微細な凹凸を形成することに
よって親水性を得るものであるが、この従来例3は従来
例1と同様に、これにより得られる凹凸はサイズが大き
く、従ってフロン冷媒に対して効果を有しない。
【0013】更に、前述の銅管内面に形成された粉粒
体、表面処理による凹凸又は有機皮膜は、伝熱管をフィ
ンに固定する拡管工程において、ビレットと銅管内面の
機械的な摩擦により離脱したり、又は皮膜が剥離したり
しやすく、目的とする機能を果たさなくなる。更に、前
述の離脱した粉粒体又は皮膜がエアコン運転中にキャピ
ラリー配管等の細径の機内配管を詰まらせたり、コンプ
レッサーを損傷させたりする虞がある。これらの現象が
発生した場合には、エアコン等の熱交換器の性能を低下
させたり、又は故障を引き起こすことが懸念される。
【0014】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、凝縮性能を低下させることなく、フロン系
冷媒の蒸発性能を向上させることができ、また、内面皮
膜が伝熱管内を流れるフロン系冷媒に溶解したり、前記
冷媒と化学反応を起こしたりせず、安定であると共に、
銅管の製造工程、エアコンの製造工程、エアコン使用時
に剥離せず、更にリサイクルに際して再溶解しても不純
物成分が侵入せず、リサイクルが可能である銅又は銅合
金製伝熱管を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係る銅又は銅合
金製伝熱管は、銅又は銅合金製の伝熱管本体と、この伝
熱管本体の内面の少なくとも一部に形成された非晶質セ
ラミックス皮膜とを有し、前記非晶質セラミックス皮膜
の表面には凹みが形成されていることを特徴とする。
【0016】この銅又は銅合金製伝熱管において、前記
伝熱管本体は、その内面に、螺旋状の平行な連続若しく
は不連続な溝が形成されているものか、又はリード角が
相違する2種類の螺旋状溝を重ねた形状の交差溝が形成
されているものとすることができる。また、前記伝熱管
本体は、その内面に、管周方向に複数個に別れた溝付帯
が形成されており、各溝付帯では均一なパターンの螺旋
状溝が形成されており、少なくとも一部の溝付帯の溝角
度は他の溝付帯と溝角度と異なるものであるか、又は少
なくとも一部の溝付帯は交差する溝が形成された交差溝
であるように構成することができる。
【0017】前記非晶質セラミックス皮膜の表面に形成
された凹みの面積の総和が、前記非晶質セラミックス皮
膜の面積に対する割合は、1乃至75%であることが好
ましい。また、各凹みの形状を、その凹みの面積と等し
い面積を有する円に換算したとき、その円の直径の平均
値が、0.07乃至10μmであることが好ましい。更
に、各凹みの周辺の凹みが無い部分における非晶質セラ
ミックス皮膜の厚さは、0.1乃至10μmであること
が好ましい。更にまた、各凹みの深さは、凹みの周辺の
凹みが無い部分における非晶質セラミックス皮膜の厚さ
をtとしたとき、0.1t乃至1tであることが好まし
い。各凹みの形状を、その凹みの面積と等しい面積を有
する円に換算したとき、その円の直径の平均値と前記凹
みの深さの最大値との比が0.1乃至100であること
が好ましい。前記非晶質セラミックス皮膜は、Si
2,ZrO2,SiO2・ZrO2,Al23,及びTi
2からなる群から選択された1種又は2種以上を主成
分とする金属アルコキシド系重合体であることが好まし
い。
【0018】本発明においては、凝縮性能の向上に寄与
する内面溝付管の溝形状を変更することなく、効率的に
蒸発性能を向上させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について詳
細に説明する。前述のように、ヒートポンプ式空調機器
用熱交換器等に使用する伝熱管においては、凝縮性能及
び蒸発性能をいずれも向上させるため、その内面に螺旋
溝が形成されたもの、異なるリード角を有する螺旋状溝
が形成された複数の溝付帯が形成されたもの、交差溝が
形成されたもの、螺旋溝付帯と交差溝付帯を混在させた
もの等、多種多様のものが用いられている。本発明は、
前述のような種々の形状の伝熱管において凝縮性能を全
く損なうことなく、蒸発性能を更に向上させることが可
能な伝熱管を提供するものである。
【0020】即ち、本発明は、蒸発性能の向上には、フ
ロン系冷媒の沸騰の起点となる核を多数設けることが有
効であるという観点から、伝熱管内面を、凹みを有する
セラミックス皮膜で被覆し、前記凹みをフロン系冷媒の
沸騰核として機能させたことを特徴とするものである。
【0021】本発明の実施例に係る伝熱管は、図1
(f)、図2(f)に示すように、伝熱管本体2の内面
に、セラミックス皮膜6を被着し、このセラミックス皮
膜6の表面に凹み5を形成したものである。
【0022】先ず、非晶質セラミックス皮膜6に凹み5
を形成する方法について説明する。本発明において、非
晶質セラミックス皮膜に形成する凹みは、図1及び図2
に示すように、伝熱管内面に塗布した非晶質セラミック
ス処理液を加熱し、前記処理液が重合反応により硬化す
る過程で、セラミック皮膜の形成と同時に凹みを形成す
ることができる。
【0023】図1(a)乃至(f)は本発明の第1実施
例に係るセラミック皮膜の形成方法を工程順に示す図で
ある。図1(a)に示すように、非晶質セラミックス皮
膜の硬化温度以下の温度で揮発する油分1を伝熱管本体
2の内面に塗布し、その上に非晶質セラミックス皮膜処
理液3を塗布する。次いで、全体を加熱する。この加熱
処理を、セラミックス皮膜処理液3がアルコール(希釈
剤)の揮発により固体化する(この段階でまだ重合反応
が始まっておらず硬化したセラミックスではない)前に
行うことにより、図1(b)に示すように、硬化反応と
同時に揮発性油分1が揮発し、まだ硬化が完了しないセ
ラミックス皮膜処理液3中に気泡4が形成される。この
気泡4の発生は、図1(c)乃至(d)に示すように、
セラミックス皮膜処理液3の反応が徐々に進み、硬化が
進行する過程で継続して生じる。そして、図1(d)に
示すように、セラミックス皮膜処理液3内には、気泡4
(開口していない)と凹み5(開口している)が生じ
る。更に硬化が進行すると、図1(e)に示すように、
殆どの気泡が表面に開口して凹み5となる。そして、皮
膜の硬化が完了した時に、図1(f)に示すように、非
晶質セラミックス皮膜6には、内面が平滑な凹み5が残
る。
【0024】図2(a)乃至(f)は本発明の第2実施
例に係るセラミックス皮膜の形成方法を工程順に示す図
である。図2(a)に示すように、伝熱管本体2の内面
に、非晶質セラミックス皮膜の硬化温度以下の温度で揮
発する油分1を懸濁させた非晶質セラミックス皮膜処理
液3を塗布する。次いで、図2(b)に示すように、セ
ラミックス皮膜処理液がアルコール(希釈剤)の揮発に
より固体化する前に加熱処理することにより、硬化反応
と同時に揮発性油分1が揮発し、まだ硬化が完了しない
セラミックス皮膜処理液3中に気泡4が形成する。その
後、第1実施例と同様に、図2(c)乃至(f)に示す
ように、セラミックス皮膜6の硬化が完了した時に、非
晶質セラミックス皮膜6の表面には凹み5が形成され
る。
【0025】これらの方法によって非晶質セラミックス
皮膜に凹み5を形成するには、揮発性油分1の揮発温度
が非晶質セラミックス皮膜6の形成温度(硬化完了温
度)よりも低いことが必要である。
【0026】本処理溶液に皮膜成分の希釈材として用い
られるアルコールは、揮発温度が低すぎるため、皮膜形
成温度に加熱され皮膜成分が硬化を始める段階で既に揮
発してしまい、凹みを形成させる揮発性油分としての役
割を果たさない。また、アルコールの揮発温度に合わせ
て皮膜形成温度を選んだ場合、皮膜の硬化反応が十分に
進まず、従って凹み形状が持続できないばかりか、皮膜
の強度及び密着強度等の耐久性を低下させてしまうた
め、揮発性油分の添加が必要不可欠である。
【0027】非晶質セラミックスに形成する凹み5の形
状及び寸法は、非晶質セラミックス皮膜処理液3の粘
度、硬化温度及び塗布厚さ、並びに揮発性油分1の揮発
温度及び添加量等に依存して変化する。例えば、上記揮
発性油分の揮発温度を選ぶことによる。その関係をグラ
フに示すとのようになる。例えば、図4に示すように、
同一の非晶質セラミックス皮膜処理溶液3を用いた場合
でも、揮発性油分1の揮発温度が高いほど非晶質セラミ
ックス皮膜6に形成される凹み5の寸法は小さくなる。
これは、温度上昇に伴って非晶質セラミックス皮膜処理
液3の重合反応が進んで、その粘度が大きくなり、非晶
質セラミックス皮膜6中で形成される揮発性油分1の揮
発による気泡4の寸法が小さくなるためである。
【0028】選んだ揮発性油分1の揮発温度が高い場合
は、セラミックス皮膜処理溶液3の重合反応が幾分進ん
で粘度が高くなっているため、発生した気泡4同士が互
いに結合できずに、そのまま加熱形成されることによっ
て小さな凹み5を無数に有するセラミックス皮膜6にな
る。一方、揮発温度が低い揮発性油分1を選んだ場合
は、揮発温度の段階においてあまり重合反応が進んでい
ないため、依然セラミックス皮膜処理溶液3が流動性を
保っており、発生した気泡4は互いに容易に結合し得
る。このため、このまま加熱成形されることにより大き
な凹み5を有したセラミックス皮膜6となる。
【0029】従って、非晶質セラミックス皮膜処理液3
の粘度、硬化温度及び塗布厚さ、並びに揮発性油分1の
揮発温度等の数値を予め確認し、更に予備実験によって
セラミックス皮膜処理溶液3及び揮発性油分1の種類を
選ぶ必要がある。
【0030】なお、基本的な分子構造が同じである揮発
性油分1の揮発温度は、一般的に、分子量が大きいもの
は高く、逆に分子量が小さいものは低い。
【0031】本発明において、銅管の内面に形成するセ
ラミックス皮膜は、例えばSiO2、ZrO2、SiO2
・ZrO2、Al23又はTiO2等を主成分とするもの
である。これらの非晶質セラミックス皮膜を伝熱管内面
に形成するためには、前記酸化物のうちの1種又は2種
以上を含む金属アルコキシド系重合体ポリマーに適宜無
機フィラーを加えたものをアルコールで適当な濃度に希
釈して伝熱管内部に塗布し(スプレー、浸漬、塗布)、
前記伝熱管を還元性又は非酸化性雰囲気中にて、50〜50
0℃の温度に加熱し、所定時間経過後、室温まで冷却す
ることによって作製することができる。
【0032】また、所望の特性を満たすものであれば、
金属アルコキシド系に変えてアルカリ金属塩系の重合体
ポリマーを使用することも可能である。
【0033】このようにして作製したセラミックス皮膜
は、硬さが高く、冷媒との摩耗により消耗し難いこと、
表面が滑らかで冷媒の流れを乱さないこと、特にフロン
のような冷媒と反応せず、長時間冷媒に曝された状態に
あっても変質を起こさないこと、銅又は銅合金との接着
が強固であり、長時間安定して所望の特性を保つことが
できること、低温から高温まで安定であり、熱交換器の
温度が変わっても特性を持続できること、皮膜を極めて
薄くしても凹みの形状を長期間維持できるので、伝熱性
能を損なうことが無いこと等の多くの優れた特性を備え
ている。このため、このセラミックス皮膜は、伝熱管内
面の表面改質によって高い蒸発性能を付与するには最適
である。また、例えば、内面にセラミックス皮膜が形成
された銅管をそのままの状態で溶解炉に投入すると、溶
解過程においてセラミックス皮膜は溶湯表面に分離して
スラグとなるため、リサイクルの観点からも優れてい
る。即ち、この銅溶湯に対し、脱ガス及びノロ曳き等の
精錬を行った後、鋳造することによって、銅として再生
することが可能である。
【0034】非晶質セラミックス皮膜処理液として、例
えば、下記の化学式1に示すSi−CH3結合及びSi
−O結合を含む構成を有する金属アルコキシド系ポリマ
ーを適当な濃度にアルコールで希釈した後、この処理溶
液を銅管内面に塗布する。そして、銅管内面に溶液を塗
布した後、これを適当な条件で熱処理すると、管内面に
Si−CH3結合及びSi−O結合を有する均一な非晶
質セラミックス皮膜が形成される。
【0035】
【化1】
【0036】前記非晶質セラミックス皮膜処理液は、熱
処理によって、温度が上昇して縮重合反応を起こし、O
H基の酸素の手が切れて他の酸素又はSiと結合し、下
記化学式2に示す構造を有する非晶質のセラミックス皮
膜が形成される。
【0037】
【化2】
【0038】化学式2に示す構造において、非晶質セラ
ミックス皮膜に良好な耐久性と表面滑性を合せて持たせ
るためには、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−I
R)によるSi−CH3結合に対するSi−O結合の伸
縮ピーク面積比(Si−O)/(Si−CH3)で判定
することが可能であり、以下の理由よりこの値を8〜2
0とすることが望ましい。
【0039】非晶質セラミックス皮膜のSi−O結合に
対するSi−CH3結合のFT−IRによる伸縮ピーク
面積比(Si−O)/(Si−CH3)(以下、ピーク
面積比という)の大きさは、皮膜の非晶質構造中におけ
るメチル基の数に対応する。皮膜は化学式2に示すよう
に、Si4+にメチル基が結合すると、Si4+のネットワ
ークが壊れる。ピーク面積比は、このような皮膜の非晶
質構造中における欠陥の多さに対応し、皮膜の硬さ及び
変形能等に影響する。ピーク面積比が8未満でメチル基
が多いと、非晶質構造中の欠陥が多くなり、膜の強度が
低下し、また、皮膜が形成されない場合も発生して耐食
性を長期間安定に保てなくなる。一方、ピーク面積比が
20を超え、メチル基が少ないと、非晶質セラミックス
皮膜中の欠陥が少なくなって皮膜の変形能が低下し、銅
又は銅合金管の曲げ加工又は加熱による素地の熱膨張に
追従せず、割れを起こしやすくなる。従って、ピーク面
積比は8乃至20とすることが好ましい。
【0040】なお、前記赤外吸光度スペクトルは顕微A
TR赤外分光法により測定することができ、例えば、Pe
rkin Elmer社製のFT-IR Paragon 1000 (MCT (Magnetron
Computed Tomography) 検出器使用)に、顕微観察用のA
uto Image System及び円錐型Geクリスタルを組み合わ
せ、分解能を8cm-1とし、積算回数100回、分析面
積100×100μm2の条件で測定することができ
る。
【0041】図3は測定した非晶質セラミックス皮膜の
赤外吸収スペクトルの1例を示すグラフ図である。図3
において、横軸は波数を、縦軸は吸収強度を示す。な
お、この皮膜は、99.99体積%N2ガス雰囲気中に
て、昇温速度が60℃/分で500℃の加熱温度まで加
熱し、15分間加熱保持した後、降温速度が10℃/分
で降温させる加熱処理を行ったものである。これにより
形成された皮膜の厚さは7μm、表面粗さRaは0.2
μmであった。
【0042】得られた赤外吸収スペクトルについて、1
300乃至1200cm-1に現れるSi−CH3伸縮振
動に由来する吸収ピークの面積と、1200乃至900
cm- 1に現れるSi−O伸縮振動に由来する吸収ピーク
の面積の比をピーク面積比とする。図3においては、S
i−CH3伸縮振動に由来する吸収ピークの面積が4
8.837、Si−CH3伸縮振動に由来する吸収ピー
クの面積が3.0489となり、従ってピーク面積比は
約16.0であった。
【0043】化学式2に示すようなSi−CH3結合及
びSi−O結合を有する非晶質セラミックス皮膜におい
て、Si−O結合は共有結合であるため、その結合力が
強く、従って皮膜の耐摩耗性及び表面滑性が優れる。ま
た、Si−CH3結合によりSi4+のネットワークが切
断されており、従って、銅管の成形又は熱膨張等に合わ
せて皮膜が変形する変形能を付与させることが可能にな
り、皮膜が銅管から剥離せず、更に皮膜の耐久性を向上
させることができる。
【0044】以上はSi−CH3結合及びSi−O結合
を有する非晶質セラミックスについて述べたが、ZrO
2、SiO2・ZrO2、Al23、TiO2等を主成分と
する金属アルコキシド系の重合体の場合においても、F
TIRによるピーク強度比、(Zr−O)/(Zr−C
3)、(Al−O)/(Al−CH3)、(Ti−O)
/(Ti−CH3)を適正な範囲とすることにより、目
的とする非晶質セラミックス皮膜を形成することが可能
になる。
【0045】なお、曲げを行う時期及び皮膜に付与した
い性質を考えて非晶質セラミックス皮膜を形成させる温
度を室温〜500℃の間で選定することができる。ま
た、加熱初期には、銅管と非晶質セラミックス皮膜との
間に酸化皮膜が形成されやすく、加熱するときの昇温速
度及び加熱後の冷却速度が速いと、銅とセラミックスの
線膨張の違いにより、皮膜が剥がれやすくなる。従っ
て、熱処理するときは、非酸化性又は還元性雰囲気が望
ましく、特に300℃以上の温度に加熱する場合には、
600℃/分以下の速度で加熱し、その後5乃至300
分保持して、100℃/以下の速度で冷却することが望
ましい。
【0046】このように、熱処理時の雰囲気、昇温速
度、降温速度、加熱保持温度及び加熱保持時間を適切に
規制することにより、熱処理時に銅管が酸化されて銅管
表面と非晶質セラミックス皮膜との界面に酸化膜が形成
されて皮膜が剥がれやすくなる事態を防止することがで
き、セラミックス皮膜と銅管との間の線膨張率の違いに
より、皮膜が割れたり剥がれたりすることがなくなる。
従って、銅管内面に、銅管との優れた密着性及び変形能
を有する非晶質セラミックス皮膜を形成することができ
る。
【0047】なお、この非晶質セラミックス皮膜は、塗
布する処理液の濃度、塗布厚さ又は塗布回数等を変化さ
せることによって膜厚を変えることができる。また、皮
膜を形成した銅管の内面に再度処理液を塗布し、加熱す
ることによって膜厚を厚くすることもできる。
【0048】次に、本発明における各構成要件の数値限
定理由について説明する。
【0049】非晶質セラミックス皮膜が形成されている
部分において、凹みの面積率が1〜75% 凹みの面積率が1%より小さい場合、目的とする蒸発性
能を得るのに必要な凹みの数及びサイズにならず、本発
明の効果が得られない。凹みの面積率が75%より大き
い場合は、隣の凹みと接近しすぎて相互作用を誘発して
しまい、有効な冷媒核沸騰を起こすことができなくな
る。また、凹みが多すぎると、期せずして冷媒のぬれ広
がり性を向上させてしまい、伝熱管の凝縮性能を低下さ
せてしまう。
【0050】ここで、前記非晶質セラミックス皮膜に形
成されている凹みは、使用される液冷媒が伝熱管の表面
で核沸騰するのに有効であり、この凹み領域は走査電子
顕微鏡(SEM)を用いて観察することができる。本発
明における非晶質セラミックス皮膜に形成された凹みの
様子を示すSEM像写真を図5に示す。
【0051】図5は本発明により内面溝付管の内表面の
溝底部に形成された非晶質セラミックス皮膜を、日本電
子株式会社製フィールドエミッション走査電子顕微鏡J
SM−6340Fを用いて10000倍に拡大し、電子
銃の加速電圧を10kVにして観察した像である。
【0052】図6は、代表的な凹みを拡大した写真であ
る。所望の凹み形状は、SEMにおいて規定の加速電圧
で表面を観察した時に、暗領域16とそれを囲む明領域
17とで形成された楕円状領域として観察される。明領
域17は、窪んでいる領域16に向かって傾斜面を形成
しており、走査型電子顕微鏡の原理によって、明領域1
7又は暗領域16として映し出される。即ち、暗領域1
6は窪んでいるため、この領域に打ち込まれた電子は反
射するとき斜面に遮られて逃げ出すことができなくな
り、検出される電子の量が少なくなり、暗い像として映
し出される。すり鉢状の傾斜面の明領域17に打ち込ま
れ、ある程度の深さで滴状の電子溜りを形成した電子
は、そこに傾斜が形成されているために、側面から逃げ
出しやすくなり、そこで反射される電子が多くなって検
出される電子の量が多くなり、よって明るい像として映
し出される。
【0053】本発明の非晶質セラミックス皮膜において
凹みの無い部分の表面は特性上極めて滑らかであり、明
領域17と凹みとの境界18が明瞭に現れる。この境界
18で形成される楕円状の輪郭が、本発明において非晶
質セラミックス皮膜に形成される凹みである。
【0054】また、暗領域16の大きさ及び明領域17
の幅については特に規定しない。本発明においては、暗
領域16が極めて小さいか、若しくは存在しない場合、
即ち、凹み5が図7に示すように、すり鉢形状の場合も
含む。また、本発明は、明領域17の幅が極めて狭い
か、若しくは存在しない場合、即ち、凹み5の形状が図
8及び図9に示すような場合も含む。
【0055】なお、凹みの面積率は、セラミックス皮膜
を形成した銅管内面を走査型電子顕微鏡等で、表面に垂
直の方向に5000〜20000倍程度で観察し、これ
をもとに画像解析することにより得られる。上記規定に
従って写真に撮影された凹みの輪郭をトレース紙又はO
HPシート等にトレースし、例えばKONTRON社製デジタ
ル画像解析システム装置IBASシステムを使用し、凹
み部分の総面積を写真視野の総面積で除することにより
面積率を得ることができる。
【0056】図10は、図5のSEM写真の凹みを上記
規定に従ってOHPシートにトレースしたものである。
この図10を使用して求めた凹み部分の面積率は、2
6.41%であった。但し、図10における凹み部分の
総面積は29.89μm2,写真視野面積は113.1
9μm2であった。
【0057】各凹みの形状を、その凹みの面積と等しい
面積を有する円に換算したとき、その円の直径の平均値
が、0.07乃至10μm 直径の標準偏差値が0.1μmより小さい場合、この凹
みが沸騰核になり得ず、所望の特性が得られない。直径
の標準偏差値が10μmより大きい場合、表面張力が比
較的小さい冷媒であるフロンに対して沸騰核として働か
なくなり、所望の特性が得られない。
【0058】なお、凹みを円に換算した直径の度数分布
は、セラミックス皮膜を形成した銅管内面を走査型電子
顕微鏡などで表面方向より5000〜20000倍程度
で観察し、これをもとに画像解析することにより得られ
る。図5に示すようなSEM写真に撮影された凹みの輪
郭を上記規定に従って、図10のようにトレース紙又は
OHPシートなどにトレースし、KONTRON社製デジタル
画像解析システム装置IBASシステムを使用し、全て
の凹み形状を認識させる。画像解析システムにより認識
された凹み形状の面積から、全ての凹み形状について下
記数式1を使用して等価円直径を算出し、それらの値か
ら平均値を求める。
【0059】
【数1】 等価円直径 = 2√(面積/π)
【0060】図11に示すグラフは、図5のSEM写真
から上記方法によって凹みをOHPシートにトレースし
た図10を使用して画像処理したものであり、等価円直
径の平均値は0.13μmであった。
【0061】凹みの周辺の凹みが無い部分における非晶
質セラミックス皮膜の厚さは、0.1乃至10μm セラミックス皮膜の凹みの周囲における凹みの無い部分
の厚さが0.1μmより小さい場合、これに形成する凹
みの大きさが所望の特性を有する大きさにならず、液冷
媒の沸騰核としての効果をなさない。皮膜厚さが、10
μmを超えると、これに形成する凹みが大きくなりすぎ
るため、フロンを冷媒にした空調機器の場合、所望の性
能を得られない。また、皮膜厚さが大きすぎると、形成
後に皮膜の割れを生じ易く、その後熱交換器に組み入れ
る時の拡管工程において、皮膜割れを生じ易くなり、こ
の場合所望の特性が期待できなくなる。また、皮膜厚さ
が大きくなることにより、拡管工具として用いるビレッ
トを管内に挿入しにくくなるという不具合が生じる。
【0062】なお、セラミックス皮膜の凹みが無い部分
とは、皮膜の平均的な最大膜厚をいう。セラミックス皮
膜の厚さの測定は、セラミックス皮膜を形成した銅管を
発熱が少ない方法で切断し、非晶質セラミックス皮膜を
形成した熱交換器の任意部分を発熱が少ない方法で切断
し、走査型電子顕微鏡(Scanning electron microscope
(SEM))等で10000倍以上の倍率で切断面に垂
直な方向から観察することにより、膜厚を測定する。
【0063】図12は本発明の伝熱管においてみられた
図5のようなセラミックス皮膜の切断面を観察したとき
の模式図である。銅管本体19の内表面に被覆された非
晶質セラミックス皮膜20はその表面に凹凸を有し、こ
の表面に形成された凹凸の極大点21を数点選んでその
部分の皮膜厚さを測定し、これを平均することにより求
める凹みの周囲における凹みの無い部分の皮膜厚さを得
ることができる。
【0064】本発明の試作サンプル(図5)について、
断面観察により皮膜厚さ測定を行った結果、求める皮膜
厚さは1.10μmであった。なお、膜厚測定には日本
電子株式会社製フィールドエミッション走査電子顕微鏡
JSM−6340Fを使用した。電子銃の加速電圧は1
0kVであった。セラミックス皮膜のように絶縁体であ
る場合、電子銃より打ち込まれた電子を保持し帯電して
しまうため、像を得ることができない。そこで観察資料
を炭素蒸着によりコーティングし像を得て膜厚測定に供
する。
【0065】非晶質セラミックス皮膜の凹みの深さは、
凹みの周辺の凹みが無い部分における非晶質セラミック
ス皮膜の厚さをtとしたとき、0.1t乃至1t 凹みの深さが皮膜厚さtの0.1倍より小さい場合、沸
騰核として働くには小さすぎるため、所望の特性を得る
ことができない。また、この凹みの深さは比膜厚さt以
上に深くすることは不可能であるため、比膜厚さ以上の
深さになることはない。
【0066】なお、凹みの深さ測定は、皮膜厚さの測定
と同様SEM観察により行うことができる。前述と同様
の方法で切断面に垂直な方向よりセラミックス皮膜の断
面を観察し、図12のセラミックス皮膜20の表面にお
ける皮膜厚さの最小値22を測定して、凹み底部の膜厚
を得る。前述の如くして求めた凹みの周囲における凹み
の無い部分の膜厚から凹み底部の膜厚を差し引くことに
より、求める凹みの深さが得られる。
【0067】以上に示した方法により、本発明における
試作サンプル(図5)の凹み深さを測定した結果、凹み
底部の皮膜厚さは0.21μmであり、凹みの深さ0.
89μmが求まった。これと前記皮膜厚さとの比から、
凹みの無い部分のセラミックス皮膜厚さをtとしたとき
の凹みの深さは約0.81tであった。測定に使用した
SEM及び観察条件は前述と同じである。
【0068】非晶質セラミックス皮膜の凹みの形状をそ
の面積が等しい円に換算したときの直径と凹みの深さの
最大値との比が0.1〜100 凹みの直径と深さとの比が0.1より小さい場合、即ち
凹みが皮膜の厚さ方向に深すぎる形状となるため、有効
な核沸騰を起こすキャビティ構造になり得ず、蒸発性能
の向上に寄与できない。前記比が100より大きい場
合、凹みの形状が平たくなりすぎて沸騰核としての機能
を果たさず、蒸発性能の向上に寄与できない。
【0069】この場合に、凹み面積に等しい等価円に換
算した直径とは、上述の方法により求められた等価円直
径の平均値であり、凹みの深さの最大値は前述の方法に
より測定された皮膜厚さと凹み底部における最小皮膜厚
さとの差である。
【0070】なお、本発明はルームエアコン等のヒート
ポンプ式冷凍空調機器に使用される熱交換器用伝熱管と
してだけでなく、フロンを伝熱管外表面に滴下する冷媒
として使用する圧縮式冷凍機の沸騰伝熱管外表面に適用
できる。凹みの大きさを、水に対しても適正なように大
きく調整すれば、毛細管現象により凹み部において水の
沸点(100℃)より低い温度での蒸発を促すことがで
きるので、エアハンドリングユニット,吸収式等、水を
冷媒として用いる空調機器用伝熱管にも使用可能であ
る。また、内面溝付管に採用されるような溝形状にとど
まらず、吸収式伝熱管に使用されるようなコルゲート加
工又は内面リブ加工された内面形状であっても所望の特
性を発揮することができる。
【0071】また、銅管の材質としては、無酸素銅、り
ん脱酸銅、タフピッチ銅、Cu−Fe−P、Cu−Mn
−P、Cu−Ni−Si、Cu−Sn−P及びCu−Z
n等でであるが、この他の銅合金でも管に加工できる材
質であれば全て適用することができる。
【0072】なお、銅管内面へのセラミックス皮膜の接
着強度、銅管内表面とセラミックス皮膜の界面における
皮膜膨れの防止などの点から、銅管の含有する酸素量は
30ppm以下、水素量は2ppm未満であることが望
ましい。
【0073】また、本発明の蒸発性能に優れた伝熱管
は、通常の抽伸方式で作製した伝熱管のみだけでなく、
銅又は銅合金条に溝付圧延して圧延面を内側にして丸
め、その端部どおしを高周波溶接などによって接合した
溶接管にも適用することが可能である。
【0074】
【実施例】以下、本発明の実施例の伝熱管について、そ
の蒸発性能を本発明範囲から外れる比較例と比較して具
体的に説明する。以下の各実施例において、供試材の作
製方法,共通する測定方法及び試験方法について述べ
る。
【0075】供試材の作製方法 <供試伝熱管>供試伝熱管として、内面溝付管を作製し
た。その製造は、電気銅地金→溶解→鋳造→熱間押出し
→冷間圧延→冷間抽伸加工→中間焼鈍→内面溝転造加工
の工程を経ることによった。材質には、りん脱酸銅管
(JIS H3300 C1220)を使用した。その
形状及び溝形状は、外径7.0mm,溝深さ0.2mm,管
の円周方向溝ピッチ0.41mm、管軸に対する捩じれ角
度18°(右ねじ方向)、フィン頂角20°、溝数5
0、溝底肉厚0.25mmとした。この内面溝付管を直管
に矯正し、長さ3350mmに切断した。
【0076】<凹みを有するセラミックス皮膜の形成方
法>前述のように、伝熱管に優れた蒸発性能を付与する
手段は、フロン等の冷媒液が通る伝熱管の内面に、無数
の凹みを有するセラミックス皮膜を被覆することによ
る。セラミックス皮膜処理溶液には、セラミカG1−5
0(日板研究所製)を使用した。種々の皮膜厚さを得る
ために、皮膜処理溶液の希釈剤(イソプロパノール)に
対する皮膜成分の割合を変えた。凹みを形成するための
揮発性油分として、イソパラフィン系合成炭化水素を使
用し、その分子量を100,500及び1000から選
び、揮発温度が異なることにより、これと混入量を変え
ることにより発生する気泡の大きさ、即ち得られる凹み
のサイズを調節した。
【0077】揮発性油分の混在方法は、内面についてア
セトン及びn−ヘキサンの有機溶剤による有機洗浄を行
った内面溝付管に、揮発性油分を予め塗布しておく方
法(図1)及び皮膜処理溶液に予め混入させておく方
法(図2)の2種類により実施可能であるが、同条件で
の予備試験の結果、いずれの方法でも形成される凹みの
形状及びそれにより得られる伝熱性能はほぼ同等である
ことを確認した。そこで、本実施例においては、の方
法を採用した。揮発性油分を塗布する際に、塗布量を規
定するために、予め伝熱管内面についてアセトン及びn
ーヘキサンによる脱脂処理を施した。
【0078】<セラミックス皮膜の形成処理条件>皮膜
厚さを変化させるために、下記表1に示す皮膜成分濃度
を有する皮膜処理溶液を作成した。規定した塗布量の揮
発性油分を塗布した内面溝付管の内面に凹みを形成させ
るセラミックス皮膜処理溶液を満たしてシリコン栓で封
止し、1分間保持した後抜液し、乾燥工程を設けずに直
ちに内面に純度99.99%の窒素ガスを封入してか
ら、予め昇温してあるローラー炉床を有するいわゆるロ
ーラーハウス型の焼鈍炉(同窒素ガスで置換)に投入
し、200℃で30分間保持後、炉内を同窒素ガス中で
冷却することにより、供試管を降温速度5℃/分で冷却
した。均一な皮膜厚さを得るため、供試内面溝付管の両
管端150mmずつを切断し、さらに50mmを切除して皮
膜の性状及び皮膜に形成された凹みの形状測定に供し、
各測定値の代表値とした。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】<揮発性油分塗布方法>前記揮発性油分を
塗布するために、表1に示す塗布量について、夫々表1
に示す希釈割合で揮発性油分を有機溶剤に溶かし、有機
洗浄を終えた供試伝熱管に希釈溶液を満たしてシリコン
栓で密封し、1分間保持した後、抜液し、管内をドライ
ヤーで通風乾燥して希釈溶剤を乾燥させた。希釈溶剤に
はn−ヘキサンを使用した。
【0082】<伝熱性能測定方法>各内面溝付管を長さ
3000mmの二重管式熱交換器(以下、外観と称す)
の内側に配置し、内面溝付管内に冷媒(R410A)を
供給し、内面溝付管と外観との間の管状部に水を供給し
て熱交換を行い、伝熱性能を測定した。
【0083】<伝熱性能評価方法>伝熱性能の評価は蒸
発性能及び凝縮性能の両方について、冷媒流量20kg
/時間(R410A)で行った。内面に凹みを有するセ
ラミックス皮膜を形成した内面溝付管(本実施例及び比
較例)及びセラミックス皮膜を形成しなかった内面溝付
管(比較材)の伝熱性能を測定し、比較材に対して伝熱
性能が向上又は低下した割合を算出することにより評価
した(±%)。
【0084】<セラミックス皮膜が有する凹みの等価直
径の標準偏差値,凹みの深さ,等価直径/深さ比,面積
率測定方法>供試材に所望の凹みを持たせるセラミック
ス皮膜処理を施して両管端を150mmずつ切除した
後、さらに50mmを切除し、それについて内表面及び
断面をSEM観察し、必要に伴ってSEM写真を用いた
画像処理解析を行って各測定を行い、各供試材の代表値
とした(各測定及び算出方法は上述の通り)。
【0085】<セラミックス皮膜が有する凹みの膜厚測
定方法>供試材に所望の凹みを持たせるセラミックス皮
膜処理を施して両管端を150mmずつ切除した後、さ
らに50mmを切除し、膜厚測定に供した。供試材を適
当な大きさに切断し、その切断面をSEM観察すること
により膜厚測定を行った。SEM観察には、日本電子株
式会社製フィールドエミッション走査電子顕微鏡JSM
−6340Fを使用した。電子銃の加速電圧は10kV
であった。
【0086】上記のように作製した本実施例,規定の範
囲から外れる比較例及び処理を行わない比較例を各種作
製した。表1は各処理条件を示す。これらの供試材から
50mm切り出したサンプルを用いて測定した測定値及
び伝熱性能評価結果の一覧を前記表2に示す。
【0087】なお、比較例1は、揮発性油分を塗布する
前処理を実施しないことにより、本発明における凹みを
有さない平滑な表面の非晶質セラミックス皮膜を有する
内面溝付き伝熱管である。
【0088】比較例材は、本発明における非晶質セラミ
ックス皮膜を有さない、未処理の内面溝付き伝熱管であ
る。
【0089】実施例1〜13は銅管の内面に凹みを多数
配した非晶質セラミックス皮膜が形成されているため、
蒸発側伝熱性能が向上した。また比較例1は、銅管の内
面に形成された非晶質セラミックス皮膜に凹みを形成し
ていないため、蒸発性能は比較材と同程度であった。
【0090】実施例1は、皮膜形成のための処理溶液皮
膜成分濃度が小さかったために、皮膜厚さが0.04μ
mと本発明の範囲の下限値より小さくなり、所望の凹み
サイズを形成するのに十分ではなかったために効率的な
冷媒核沸騰を起こすことができず、蒸発性能は大きく改
善しなかった。
【0091】実施例5は、皮膜形成のための処理溶液皮
膜成分濃度が大きかったために、皮膜厚さが13.0μ
mと本発明の範囲の上限値より大きく、銅管素地からの
熱伝達を阻害したために、蒸発性能は大きく改善しなか
った。また、実施例5の伝熱管を使用した熱交換器の試
作を実施した結果、拡管時のビレット接触抵抗を上昇さ
せてしまい、拡管中の座屈,アルミフィンのアベック現
象など、その他の弊害を引き起こしたため、これによる
熱交換器製作は困難と判断された。
【0092】実施例6は、凹み形成のための揮発性油分
塗布量が小さかったために、凹みの面積率が0.4%と
本発明の範囲の下限値より小さくなり、所望の凹み面積
率に至らず効率的な冷媒核沸騰を起こすことができず、
蒸発性能は大きく向上しなかった。
【0093】実施例9は、凹み形成のための揮発性油分
塗布量が大きかったために、凹みの面積率が0.87.
1%と本発明の範囲の上限値より大きくなり、所望の凹
み面積率よりも大きくなり過ぎて効率的な冷媒核沸騰を
起こすことができず、蒸発性能は大きく向上しなかっ
た。
【0094】実施例10は、揮発性油分(イソパラフィ
ン系合成炭化水素)の平均分子量が小さかったために、
揮発性油分の揮発温度が下がってしまい、加熱時間の早
い段階即ち処理溶液が流動性を維持している段階で発泡
が始まるため、気泡が結合しやすく、凹みの等価円直径
が本発明の範囲の上限値より大きくなった。また気泡が
早い段階で消滅してしまい、皮膜厚さに対する凹みの深
さ比が本発明の範囲の下限値より小さくなった。従って
等価円直径/深さ比が本発明の範囲の上限値より大きく
なった。このため効率的な冷媒核沸騰を起こすことがで
きなくなり、蒸発性能は大きく向上しなかった。
【0095】実施例13は、揮発性油分(イソパラフィ
ン系合成炭化水素)の平均分子量が大きかったために、
揮発性油分の発泡温度が上がってしまい、処理溶液が流
動性を失ってから揮発を始めるため、気泡が結合しにく
く、凹みの等価円直径が本発明の範囲の下限値より小さ
くなった。また揮発性油分の揮発時に、処理溶液の粘度
が高いため、従って等価円直径/深さ比が本発明の範囲
の下限値より小さくなった。このため効率的な冷媒核沸
騰を起こすことができなくなり、蒸発性能は大きく向上
しなかった。
【0096】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明において
は、その表面に凹みを有する非晶質セラミックス皮膜を
内面溝付管伝熱管の内表面に形成することにより、特に
表面張力の小さいフロン系冷媒に対して有効な冷媒核沸
騰を起こさせて、伝熱管の内面蒸発側伝熱性能を有効に
向上させることができる。本発明は、内面溝形状を変更
せずに適用できる技術であるため、凝縮伝熱性能を低下
させること無く、蒸発伝熱性能だけを向上させることが
できる。また、本発明における非晶質セラミックス皮膜
は、銅管表面との密着性が優れ、更に、化学的に安定で
あるため、比較的反応性が高いフロン系冷媒に対しても
反応しないため、使用中に表面に形成した凹み形状を変
形させることが無く、またセラミックスであるため皮膜
の消耗が少なく、長期にわたって安定した性能の維持が
可能である。
【0097】更にこの皮膜は、管内面に形成された後は
銅の膨張収縮に合せて変形し、かつ銅管の曲げに対して
も追随して変形して剥離しない。従って、熱交換器製造
工程における拡管工程などあらゆる厳しい製造条件に耐
えることができ、製造工程における自由度の高い熱交換
器の設計・製造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)乃至(f)は本発明の第1実施例に係る
セラミック皮膜の形成方法を工程順に示す図である。
【図2】(a)乃至(f)は本発明の第2実施例に係る
セラミックス皮膜の形成方法を工程順に示す図である。
【図3】測定した非晶質セラミックス皮膜の赤外吸収ス
ペクトルの1例を示すグラフ図である。
【図4】横軸に揮発性油分の揮発温度をとり、縦軸に凹
み等価円直径の平均値をとって、両者の関係を示すグラ
フ図である。
【図5】本発明における非晶質セラミックス皮膜に形成
された凹みの様子を示すSEM像写真である。
【図6】代表的な凹みを拡大した写真である。
【図7】セラミックス皮膜の断面形状を示す模式図であ
る。
【図8】セラミックス皮膜の断面形状を示す模式図であ
る。
【図9】セラミックス皮膜の断面形状を示す模式図であ
る。
【図10】図5のSEM写真の凹みを上記規定に従って
OHPシートにトレースしたものである。
【図11】図5のSEM写真から上記方法によって凹み
をOHPシートにトレースした図10を使用して画像処
理したグラフである。
【図12】本発明における図5のようなセラミックス皮
膜の切断面を観察したときの模式図である。
【符号の説明】
1;揮発性油分 2;伝熱管本体 3;非晶質セラミックス皮膜処理液 4;気泡 5;凹み 6;セラミックス皮膜 16;暗領域 17;明領域 18;境界 19;銅管本体 20;非晶質セラミックス皮膜 21;極大点 22;最小値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F28F 21/04 F28F 21/04 (72)発明者 佐伯 主税 神奈川県秦野市平沢65番地 株式会社神戸 製鋼所秦野工場内 Fターム(参考) 4E096 EA04 EA18 4K022 AA02 AA33 AA49 BA33 CA03 DA06 DB19 DB24 DB30

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅又は銅合金製の伝熱管本体と、この伝
    熱管本体の内面の少なくとも一部に形成された非晶質セ
    ラミックス皮膜とを有し、前記非晶質セラミックス皮膜
    の表面には凹みが形成されていることを特徴とする銅又
    は銅合金製伝熱管。
  2. 【請求項2】 前記伝熱管本体は、その内面に、螺旋状
    の平行な連続若しくは不連続な溝が形成されていること
    を特徴とする請求項1に記載の銅又は銅合金製伝熱管。
  3. 【請求項3】 前記伝熱管本体は、その内面に、リード
    角が相違する2種類の螺旋状溝を重ねた形状の交差溝が
    形成されていることを特徴とする請求項1に記載の銅又
    は銅合金製伝熱管。
  4. 【請求項4】 前記伝熱管本体は、その内面に、管周方
    向に複数個に別れた溝付帯が形成されており、各溝付帯
    では均一なパターンの螺旋状溝が形成されており、少な
    くとも一部の溝付帯の溝角度は他の溝付帯の溝角度と異
    なるものであるか、又は少なくとも一部の溝付帯は交差
    する溝が形成された交差溝であることを特徴とする請求
    項1に記載の銅又は銅合金製伝熱管。
  5. 【請求項5】 前記非晶質セラミックス皮膜の表面に形
    成された凹みの面積の総和が、前記非晶質セラミックス
    皮膜の面積に対する割合は、1乃至75%であることを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の銅又
    は銅合金製伝熱管。
  6. 【請求項6】 各凹みの形状を、その凹みの面積と等し
    い面積を有する円に換算したとき、その円の直径の平均
    値が、0.07乃至10μmであることを特徴とする請
    求項5に記載の銅又は銅合金製伝熱管。
  7. 【請求項7】 各凹みの周辺の凹みが無い部分における
    非晶質セラミックス皮膜の厚さは、0.1乃至10μm
    であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項
    に記載の伝熱管。
  8. 【請求項8】 各凹みの深さは、凹みの周辺の凹みが無
    い部分における非晶質セラミックス皮膜の厚さをtとし
    たとき、0.1t乃至1tであることを特徴とする請求
    項1乃至7のいずれか1項に記載の銅又は銅合金製伝熱
    管。
  9. 【請求項9】 各凹みの形状を、その凹みの面積と等し
    い面積を有する円に換算したとき、その円の直径の平均
    値と前記凹みの深さの最大値との比が0.1乃至100
    であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項
    に記載の銅又は銅合金製伝熱管。
  10. 【請求項10】 前記非晶質セラミックス皮膜は、Si
    2,ZrO2,SiO2・ZrO2,Al23,及びTi
    2からなる群から選択された1種又は2種以上を主成
    分とする金属アルコキシド系重合体であることを特徴と
    する請求項1乃至9のいずれか1項に記載の銅又は銅合
    金製伝熱管。
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