JP2857639B2 - 点火プラグ用高アルミナ質絶縁碍子 - Google Patents

点火プラグ用高アルミナ質絶縁碍子

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JP2857639B2 JP63035024A JP3502488A JP2857639B2 JP 2857639 B2 JP2857639 B2 JP 2857639B2 JP 63035024 A JP63035024 A JP 63035024A JP 3502488 A JP3502488 A JP 3502488A JP 2857639 B2 JP2857639 B2 JP 2857639B2
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Spark Plugs (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、内燃機関に使用される点火プラグの絶縁
碍子に関する。
(従来の技術) 近年、自動車用内燃機関の高出力化に伴い、内燃機関
の燃焼室内における吸気及び排気バルブの占有する面積
が拡大してきている。そのため、混合気に点火する点火
プラグにおいては、その小型化が必要とされている上、
ターボチャージャー等の過給装置等により、燃焼室内の
燃焼温度も上昇しているから、点火プラグの高耐熱性も
要求され高アルミナ質絶縁碍子が一般的に使用されるに
至っている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記従来のものにおいて、高アルミナ
質からなる絶縁碍子の場合、その多くはアルミナ85〜95
重量%と残部をSiO2,MgO,CaOから成るものとして高温焼
結させた酸化物であるため、その焼結温度は1,600℃以
上になり、より低い焼成温度でしかも短時間で焼成でき
るものが要求されている。それに対して上記成分に対
し、B2O3を加えることで、強度、化学的耐食性及び電気
的絶縁性に優れ、従来よりも焼結温度を50〜100℃低く
することの可能な絶縁碍子が提案されているが、SiO2,M
gO,CaO等により形成されるガラス質により、径を細く、
長い絶縁碍子を製造しようとすると、焼成中絶縁碍子に
曲がりが発生し寸法精度の低いものが生産される欠点が
ある。そこで、この発明は上記従来のもののもつ欠点を
改善するものであり、焼成温度を低くした上、焼成時に
おける曲がりやそり等の変形を抑制しようとするもので
ある。
(課題を解決するための手段) そのために、アルミナ微粒子85〜97.5重量%を主成分
とし、残部の副成分をSiO2,MgO,CaO,BaO,ZnO,SrOを単独
又は2成分以上の組合せを、0.5〜15重量%とB2O3を1.5
〜9重量%、さらにTiO2,HfO2,ZrO2,NiO,Cr2O3,CaF2,As
2O3のうち少なくとも1成分を0.3〜6重量%含有する粉
末原料を混合して造粒し、これを焼成し、焼結してなる
ものである。
(作用) 上記構成を具えるので、初期焼成段階で生成するガラ
ス質が分相することにより、高温粘性が増大し、アルミ
ナ焼結粒子の移動を拘束するので、焼成における曲がり
やそり等の変形の発生を抑制することができる。
(実施例) この発明を実施例により更に説明する。まず水酸化ア
ルミニウムを1,000℃で仮焼し、得られたAl2O3純度99.9
重量%以上の試料を湿式粉砕することにより粒径を2.5
μm以下とし、90重量%のAl2O3の主成分とした。これ
に、SiO2,MgO,CaO,BaO,ZnO,SrOを単独又は2成分以上の
組合せとする副成分.1とB2O3を副成分.2とし、さらにTi
O2,HfO2,ZrO2,NiO,Ca2O3,CaF2,As2O3のうち少なくとも
1成分を副成分.3として、これを別表に示すよう秤量調
合し、アルミナボールで約10時間湿式混合し、さらにバ
インダーとしてメチルセルローズを乾燥原料に対し約2
重量%となるように添加し、約1時間湿式混合を行な
う。一方、副成分は各成分を乾式で、アルミナボールで
混合し、電気炉中所定の温度で1時間保持し、炉外に取
り出しステンレス製ローラーで急冷、圧延を行なう。こ
の副成分溶解物を湿式で約50時間アルミナボールで粉砕
し、2.5μm以下の粒度とする。すべてのスリラーはバ
インダー混合後、約10分間泡抜きを行い、静かに撹拌し
ながら約100℃に保つ恒温槽中で乾燥させるものであ
る。この塊状乾燥物は、さらに粉砕され粒度150〜350μ
mとし試験粉末とした。この試験粉末を金型に入れ、60
0kg/cm2で加圧し、7×10×70mmの四角柱成形体を得
た。この四角柱成形体を300℃/hrで昇温し、所定温度で
1時間保持することにより焼結体とした。この焼結体の
焼結度は、アルキメデス法により見掛け比重が変化しな
くなった時を100%として、各温度での焼結度を算出
し、変形は成形体の長辺からの曲がりを測定し変形量と
した。その結果を第1図に示す。図中各数字は実施例の
番号を示す(試料No.6,7,11,12は比較例)。この図にお
いて、従来のものは、1,600℃の温度で完全に焼結する
ものの、初期焼結段階においてアルミナ結晶間の粒界相
で発生するガラス質相が焼結の開始となる1,000〜1,200
℃において、極めて低粘性となり、アルミナ結晶粒がこ
れにより移動しやすくなり焼結体の自重によって著しく
変形するものである。一方、この発明の実施例において
は、従来品と同等又はその以上の焼結性を示し、特にN
o.9は1,500℃で焼結が完了するものである。又第2図に
示す焼結段階における変形は、従来品にくらべてその変
形量を1/2以下とすることができる。これは第3図に示
すように初期段階において、副成分.1が副成分.2のB2O3
により溶解しガラス化(A)し、副成分.3の作用により
このガラス質(A)内に極めて細い粒子(C)が分相に
より形成され、これらの分相粒子(C)は、成分系によ
り異なるがSiO2,BaO,CaOあるいは複数成分もしくは、Ti
O2,ZrO2,NiOであり、これらが上記ガラス質(A)内に
分散してその粘性を高め、変形を抑制するものと考えら
れる。さらに、副成分.1〜3とそれらとアルミナを予め
溶解した副成分を使用したもの(No9,10,13,14)(第1
表参照)においても同様に変形を抑制できる効果が認め
られる。
(発明の効果) 以上のとおり、焼結温度を低下させ、かつ焼結体の変
形量を少なくすることにより、製品の歩留りを向上さ
せ、コストを低減させるとともに、量産可能である優れ
た効果をもつものであり、特に小型点火プラグの絶縁碍
子として有用となるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来例、比較例を含め実施例の焼成温度に対す
る焼結達成率を示し、第2図は同焼成温度に対する変形
量を示す。第3図は組成の模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−119156(JP,A) 特開 昭62−46953(JP,A) 特開 昭62−123059(JP,A) 特開 昭61−168560(JP,A) 特開 昭61−44758(JP,A) 特開 昭48−91113(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミナ微粒子85〜97.5重量%を主成分と
    し、残部の副成分をSiO2,MgO,CaO,BaO,ZnO,SrOを単独ま
    たは2成分以上の組合せで、0.5〜15重量%とB2O3を1.5
    〜9重量%、さらにTiO2,HfO2,ZrO2,NiO,Cr2O3,CaF2,As
    2O3のうち、少なくとも1成分を0.3〜6重量%含有する
    粉末原料を混合して造粒し、これを焼成し、焼結してな
    る点火プラグ用高アルミナ質絶縁碍子。
  2. 【請求項2】上記残部を構成する副成分を900〜1,500℃
    で溶解した後、粉砕することにより粒径を2.5μm以下
    とした請求項(1)記載の点火プラグ用高アルミナ質絶
    縁碍子。
JP63035024A 1988-02-19 1988-02-19 点火プラグ用高アルミナ質絶縁碍子 Expired - Fee Related JP2857639B2 (ja)

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