JP2856851B2 - 液晶性ポリマーの前処理方法と液晶性ポリマーフィルムの製造方法 - Google Patents

液晶性ポリマーの前処理方法と液晶性ポリマーフィルムの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、異方性溶融物を形成する液晶性ポリマーの
前処理方法と、前処理した液晶性ポリマーを用いる液晶
性ポリマーフィルムの製造方法に関する。
[従来の技術と発明が解決しようとする課題] 異方性溶融物を形成する液晶性ポリマー、すなわちサ
ーモトロピック液晶性ポリマーは、エンジニアリングプ
ラスチックの領域に属し、機械的性質、寸法安定性、耐
薬品性、耐熱性、電気的特性等が優れており、各種の分
野における要求性能を満足するフィルム用素材として注
目されている。
しかしながら、液晶性ポリマーは、フィルム成形によ
り高弾性率のスプリットファイバーが得られること(特
公昭60−42287号公報参照)からも明らかなように、配
向性が高いので、フィルムの縦方向、すなわち引取り方
向(以下、MD方向という)及びMD方向と直交する幅方向
(以下、TD方向という)に対する機械的異方性が大き
い。一方、異方性の小さなフィルムを得るためには、一
般にポリマーの溶融粘度を高め、MD方向及びTD方向に延
伸することが有利である。ところが、液晶性ポリマーは
一般に溶融粘度が低い。従って、フィルム成形時にスリ
ットから押出された液晶性ポリマーフィルムをMD方向お
よびTD方向に延伸する際、フィルムが破断したり、均一
な延伸ができず、皺のあるフィルムが得られるなど、フ
ィルム成形性が悪いという問題がある。
従って、本発明の目的は、液晶性ポリマーの溶融粘度
を簡便かつ容易に高めることができる液晶性ポリマーの
前処理方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、フィルム成形性がよく、
高い延伸倍率で延伸できると共に、弾性率および強度が
大きく、しかも機械的異方性が小さなフィルムを得るこ
とができる液晶性ポリマーフィルムの製造方法を提供す
ることにある。
[発明の構成] 本発明者は、液晶性ポリマーを該液晶性ポリマーのビ
カット軟化点以上、融点未満の温度で熱処理すると、溶
融粘度が高くなることを見出し、本発明の完成に至っ
た。すなわち、本発明は、異方性溶融物を形成する液晶
性ポリマーを、該液晶性ポリマーのビカット軟化点以
上、融点未満の温度で熱処理する液晶性ポリマーの前処
理方法を提供する。
また、本発明は、前処理した液晶性ポリマーを用いて
フィルム成形する液晶性ポリマーフィルムの製造方法を
提供する。
本明細書において、液晶性ポリマーとは、加熱によっ
て軟化流動して成形可能となり、かつ溶融時には複屈折
を有する異方性溶融相を示すサーモトロピック液晶性ポ
リマーとその組成物とを意味する。
融点とは、示差熱走査熱量計により測定した吸熱ピー
ク位置の温度を意味する。
フィルムとは、当該技術分野でシート等と呼ばれるこ
とのある比較的薄く、実質的に平らな構造物全て包含す
る。
本発明に用いられる液晶性ポリマーとしては、例え
ば、下記の構成成分からなるポリマーが挙げられる。
(1)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸の一種
又は二種以上 (2)芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオー
ルの一種又は二種以上 (3)芳香族ヒドロキシカルボン酸の一種又は二種以上 (4)芳香族チオールカルボン酸の一種又は二種以上 (5)芳香族ジチオール、芳香族チオールフェノールの
一種又は二種以上 (6)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンの一種
又は二種以上。
上記構成成分からなる液晶性ポリマーは、 i)構成成分(1)と(2)とからなるポリエステル、 ii)構成成分(3)からなるポリエステル、 iii)構成成分(1)と(2)と(3)とからなるポリ
エステル、 iv)構成成分(4)からなるポリチオールエステル、 v)構成成分(1)と(5)とからなるポリチオールエ
ステル、 vi)構成成分(1)と(4)と(5)とからなるポリチ
オールエステル、 vii)構成成分(1)と(3)と(6)とからなるポリ
エステルアミド、 viii)構成成分(1)と(2)と(3)と(6)とから
なるポリエステルアミド などの組合せとして選択される。
前記芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、4,
4′−ジフェニルジカルボン酸、4,4″−トリフェニルジ
カルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニ
ルエーテル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェノキシエタ
ン−4,4′−ジカルボン酸、ジフェノキシブタン−4,4′
−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−4,4′−ジカルボ
ン酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテル−3,3′−ジ
カルボン酸、ジフェノキシエタン−3,3′−ジカルボン
酸、ジフェニルエタン−3,3′−ジカルボン酸、ナフタ
レン−1,6−ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;
芳香族ジカルボン酸のアルキル、アルコキシまたはハロ
ゲン置換体、例えば、クロロテレフタル酸、ジクロロテ
レフタル酸、ブロモテレフタル酸、メチルテレフタル
酸、ジメチルテレフタル酸、エチルテレフタル酸、メト
キシテレフタル酸、エトキシテレフタル酸などが挙げら
れる。
脂環族ジカルボン酸としては、トランス−1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸、シス−1,4−シクロヘキサン
ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸など
の脂環族ジカルボン酸;脂環族ジカルボン酸のアルキ
ル、アルコキシまたはハロゲン置換体、例えば、トラン
ス−1,4−(1−メチル)シクロヘキサンジカルボン
酸、トランス−1,4−(1−クロロ)シクロヘキサンジ
カルボン酸などが挙げられる。
芳香族ジオールとしては、ハイドロキノン、レゾルシ
ン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、4,4″−ジヒドロ
キシトリフェニル、2,6−ナフタレンジオール、4,4′−
ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス(4−ヒドロキ
シフェノキシ)エタン、3,3′−ジヒドロキシジフェニ
ル、3,3′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,6−ナ
フタレンジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
メタンなどの芳香族ジオール;芳香族ジオールのアルキ
ル、アルコキシまたはハロゲン置換体、例えば、クロロ
ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、1−ブチルハ
イドロキノン、フェニルハイドロキノン、メトキシハイ
ドロキノン、フェノキシハイドロキノン、4−クロロレ
ゾルシン、4−メチルレゾルシンなどが挙げられる。
脂環族ジオールとしては、トランス−1,4−シクロヘ
キサンジオール、シス−1,4−シクロヘキサンジオー
ル、トランス−1,4−シクロヘキサンジメタノール、ト
ランス−1,3−シクロヘキサンジオール、シス−1,2−シ
クロヘキサンジオール、トランス−1,3−シクロヘキサ
ンジメタノールなどの脂環族ジオール;脂環族ジオール
のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、例え
ば、トランス−1,4−(1−メチル)シクロヘキサンジ
オール、トランス−1,4−(1−クロロ)シクロヘキサ
ンジオールなどが挙げられる。
脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,3
−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペン
チルグリコールなどの直鎖状又は分岐状脂肪族ジオール
が挙げられる。
芳香族ヒドロキシカルボン酸としては、4−ヒドロキ
シ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ
−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸な
どの芳香族ヒドロキシカルボン酸;芳香族ヒドロキシカ
ルボン酸のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換
体、例えば、3−メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3,
5−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ジメチル
−4−ヒドロキシ安息香酸、3−メトキシ−4−ヒドロ
キシ安息香酸、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ安息
香酸、6−ヒドロキシ−5−メチル−2−ナフトエ酸、
6−ヒドロキシ−5−メトキシ−2−ナフトエ酸、3−
クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジクロロ−4
−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジクロロ−4−ヒドロキ
シ安息香酸、2,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香
酸、3−ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロ
キシ−5−クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−
7−クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5,7−
ジクロロ−2−ナフトエ酸などが挙げられる。
芳香族メルカプトカルボン酸としては、4−メルカプ
ト安息香酸、3−メルカプト安息香酸、6−メルカプト
−2−ナフトエ酸、7−メルカプト−2−ナフトエ酸な
どが挙げられる。
芳香族ジチオールとしては、ベンゼン−1,4−ジチオ
ール、ベンゼン−1,3−ジチオール、ナフタレン−2,6−
ジチオール、ナフタレン−2,7−ジチオールなどが挙げ
られる。
芳香族メルカプトフェノールとしては、4−メルカプ
トフェノール、3−メルカプトフェノール、2−メルカ
プトフェノールなどが挙げられる。
芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンとしては、
4−アミノフェノール、N−メチル−4−アミノフェノ
ール、1,4−フェニレンジアミン、N−メチル−1,4−フ
ェニレンジアミン、N,N′−ジメチル−1,4−フェニレン
ジアミン、3−アミノフェノール、3−メチル−4−ア
ミノフェノール、2−クロロ−4−アミノフェノール、
4−アミノ−1−ナフトール、4−アミノ−4′−ヒド
ロキシジフェニル、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフ
ェニルエーテル、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェ
ニルメタン、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニル
スルフィド、4,4′−ジアミノフェニルスルフィド(チ
オジアニリン)、4,4′−ジアミノジフェニルスルホ
ン、2,5−ジアミノトルエン、4,4′−エチレンジアニリ
ン、4,4′−ジアミノジフェノキシエタン、4,4′−ジア
ミノジフェニルメタン(メチレンジアニリン)、4,4′
−ジアミノジフェニルエーテル(オキシジアニリン)な
どが挙げられる。
前記各構成成分からなる前記ポリマーi)ないしvii
i)は、構成成分及びポリマー中の組成比、シーケンス
分布によっては、溶融時に複屈折を有しないものも存在
するが、本発明で用いられるポリマーは上記ポリマーの
うち溶融時に複屈折を有するものに限られる。
なお、前記以外の液晶性ポリマーには、芳香族ポリア
ゾメチンが含まれる。芳香族ポリアゾメチンの具体例と
しては、ポリ(ニトリロ−2−メチル−1,4−フェニレ
ンニトリロエチリジン−1,4−フェニレンエチリジ
ン)、ポリ(ニトリロ−2−メチル−1,4−フェニレン
ニトリロメチリジン−1,4−フェニレンメチリジン)、
及びポリ(ニトリロ−2−クロロ−1,4−フェニレンニ
トリロメチリジン−1,4−フェニレンメチリジン)など
が挙げられる。
さらに前記以外の液晶性ポリマーにはポリエステルカ
ーボネートが含まれる。このポリマーは本質的には4−
オキシベンゾイル単位、ジオキシフェニル単位、ジオキ
シカルボニル単位及びテレフタロイル単位を含んでい
る。
前記各液晶性ポリマーは、従来公知の方法で製造する
ことができる。
好ましい異方性溶融相を形成するポリエステルは、6
−ヒドロキシ−2−ナフトイル、2,6−ジヒドロキシナ
フタレン及び2,6−ジカルボキシナフタレンなどのナフ
タレン単位を約10モル%以上含有する。好ましいポリエ
ステルアミドは、上記ナフタレン単位と、4−アミノフ
ェノール又は1,4−フェニレンジアミンからなる単位と
の反復単位を含有する。具体的には以下の通りである。
(A)本質的に下記反復単位[I]及び[II]からなる
ポリエステル: このポリエステルは、単位[I]を約10〜90モル%及
び単位[II]を約10〜90モル%含有する。一態様におい
て単位[I]は約65〜85モル%(例えば、約75モル%)
の量まで存在する。他の態様において、単位[II]は約
15〜35モル%、好ましくは約20〜30モル%の低濃度の量
で存在する。また環に結合している水素原子の少なくと
も一部は、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原
子、フェニル基、置換フェニル基及びこれらの組み合せ
からなる群から選ばれた置換基で置換されていてもよ
い。
(B)本質的に下記の反復単位[II]、[III]及び[I
V]からなるポリエステル: このポリエステルは単位[II]を約30〜70モル%含有
する。このポリエステルは、好ましくは、単位[II]を
約40〜60モル%、単位[III]を約20〜30モル%及び単
位[IV]を約20〜30モル%含有する。また環に結合して
いる水素原子の少なくとも一部は、炭素数1〜4のアル
コキシ基、ハロゲン原子、フェニル基、置換フェニル基
及びこれらの組み合せからなる群から選ばれた置換基に
より置換されていてもよい。
(C)本質的に下記反復単位[II]、[IV]、[V]及
び[VI]からなるポリエステル: (式中、Rはメチル基、塩素、臭素原子またはこれらの
組み合せを意味し、芳香環上の水素原子に対する置換基
である) このポリエステルは、単位[II]を約20〜60モル%、
単位[IV]を約5〜35モル%、単位[V]を約5〜18モ
ル%及び単位[VI]を約20〜40モル%含有する。このポ
リエステルは、好ましくは、単位[II]を約35〜45モル
%、単位[IV]を約15〜25モル%、単位[V]を約10〜
15モル%及び単位[VI]を約25〜35モル%含有する。た
だし、単位[IV]と[V]の合計モル濃度は単位[VI]
のモル濃度に実質的に等しい。また、環に結合している
水素原子の少なくとも一部は、炭素数1〜4のアルキル
基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、フェ
ニル基、置換フェニル基及びこれらの組み合せからなる
群から選ばれた置換基により置換されていてもよい。こ
の完全芳香族ポリエステルは、一般に、温度60℃でペン
タフルオロフェノールに0.3W/V%の濃度で溶解したと
き、少なくとも2.0dl/g、例えば2.0〜10.0dl/gの対数粘
度を示す。
(D)本質的に下記反復単位[I]、[II]、[VII]
及び[VIII]からなるポリエステル: (式中、Arは少なくとも1個の芳香族環を含む2価基を
意味する)で示されるジオキシアリール単位 (式中、Arは前記に同じ)で示されるジカルボキシアリ
ール単位 このポリエステルは、単位[I]を約20〜40モル%、
単位[II]を10モル%を越え、約50モル%以下、単位
[VII]を5モル%を越え、約30モル%以下、及び単位
[VIII]を5モル%を越え、約30モル%以下の量で含有
する。このポリエステルは、好ましくは、単位[I]を
約20〜30モル%、例えば、約25モル%、単位[II]を約
25〜40モル%、例えば、約35モル%、単位[VII]を約1
5〜25モル%、例えば、約20モル%、及び単位[VIII]
を約15〜25モル%、例えば、約20モル%含有する。ま
た、環に結合している水素原子の少なくとも一部は、炭
素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ
基、ハロゲン原子、フェニル基、置換フェニル基及びこ
れらの組み合せからなる群から選ばれた置換基で置換さ
れていてもよい。
単位[VII]と[VIII]は、ポリマー主鎖内でこれら
の単位を両側の他の単位に結げている2価の結合が、1
または2以上の芳香環上で対称的配置にある(例えば、
ナフタレン環上に存在するときは互いにパラの位置か、
または対角環上に配置されている)と言う意味で対称的
であるのが好ましい。ただし、レゾルシノール及びイソ
フタル酸から誘導されるような非対称単位も使用でき
る。
好ましいジオキシアリール単位[VII]は であり、好ましいジカルボキシアリール単位[VIII]は である。
(E)本質的に下記反復単位[I]、[VII]、[VII
I]からなるポリエステル: (式中、Arは前記に同じ)で示されるジオキシアリール
単位 (式中、Arは前記に同じ)で示されるジカルボキシアリ
ール単位 このポリエステルは、単位[I]を約10〜90モル%、
単位[VII]を5〜45モル%及び単位[VIII]を5〜45
モル%の量で含有する。このポリエステルは、好ましく
は単位[I]を約20〜80モル%、単位[VII]を約10〜4
0モル%及び単位[VIII]を約10〜40モル%含有する。
さらに好ましくは、このポリエステルは、約60〜80モル
%の単位[I]、約10〜20モル%の単位[VII]、及び
約10〜20モル%の単位[VIII]を含有する。また環に結
合している水素原子の少なくとも一部は、炭素数1〜4
のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン
原子、フェニル基、置換フェニル基及びこれらの組み合
せよりなる群から選ばれた置換基で置換されていてもよ
い。
好ましいジオキシアリール単位[VII]は であり、好ましいジカルボキシアリール単位[VIII]は である。
(F)本質的に下記反復単位[I]、[IX]、[X]及
び[VII]からなるポリエステルアミド: (式中、Aは少なくとも1個の芳香環を含む2価基また
は2価トランス−シクロヘキサン基を意味する)で表わ
される単位 一般式Y−Ar−Z [X] (式中、Arは前記に同じ。YはO、NHまたはNR、ZはNH
またはNRをそれぞれ意味し、Rは炭素数1〜4のアルキ
ル基またはアリール基を意味する)で表わされる単位 一般式O−Ar−O [VII] (式中、Arは前記に同じ)で表わされるジオキシアリー
ル単位 このポリエステルアミドは、単位[I]を約10〜90モ
ル%、単位[IX]を5〜45モル%、単位[X]を5〜45
モル%、及び単位[VII]を約0〜40モル%の量で含有
する。また環に結合している水素原子の少なくとも一部
は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコ
キシ基、ハロゲン原子、フェニル基、置換フェニル基及
びこれらの組み合せよりなる群から選ばれた置換基より
置換されていてもよい。
好ましいジカルボキシアリール単位[IX]は であり、好ましい単位[X]は であり、好ましいジオキシアリール単位[VII]は である。
本発明の異方性溶融相を形成するポリマーには、一つ
のポリマー鎖の一部が前記異方性溶融相を形成するポリ
マーのセグメントから構成され、残りの部分が異方性溶
融相を形成しない熱可塑性樹脂のセグメントから構成さ
れるポリマーも含まれる。
前記液晶性ポリマーのなかで好ましいポリマーは、完
全芳香族ポリエステルおよび完全芳香族ポリエステルア
ミドである。
完全芳香族ポリマーは、一般溶剤には実質的に不溶で
ある傾向を示し、従って、溶液加工には適さない。しか
しながら、これらのポリマーは通常の溶融加工法により
加工することができる。なお、特に好ましい完全芳香族
ポリマーはペンタフルオロフェノールにはいくらか可溶
である。
液晶性ポリマーは、成膜性などを損わない範囲で適宜
の分子量を有していてもよい。例えば、好適な完全芳香
族ポリエステルは、通常重量平均分子量が約2,000〜20
0,000、好ましくは約10,000〜50,000、特に好ましくは
約20,000〜25,000である。また好適な完全芳香族ポリエ
ステルアミドは、通常、分子量が約5,000〜50,000、好
ましくは約10,000〜30,000、例えば、15,000〜17,000で
ある。分子量の測定は、ゲルパーミエーションクロマト
グラフィーならびにその他のポリマーの溶融形成を伴な
わない標準的測定法、例えば圧縮成形フィルムについて
赤外分光法により末端基を定量することにより実施でき
る。またペンタフルオロフェノール溶液にして光散乱法
を用いて分子量を測定することもできる。
完全芳香族ポリエステルアミドは、温度60℃でペンタ
フルオロフェノールに0.1重量%濃度で溶解したとき、
一般に、少なくとも約2.0dl/g、例えば約2.0〜10.0dl/g
の対数粘度(I.V.)を示す。
前記完全芳香族液晶性ポリマーのなかで好ましい液晶
性ポリマーは、前記一般式[I]および[II]で表わさ
れる反復構成単位を少なくとも60モル%以上含む完全芳
香族ポリエステル(A)(D)、特に一般式[I]およ
び[II]で表わされる反復構成単位100モル%からなる
完全芳香族液晶性ポリマー(A)である。このようなポ
リマーは、一般に他の液晶性ポリマーよりも機械的特
性、寸法安定性、耐薬品性、耐熱性および電気的特性に
優れている。
このような液晶性ポリマーを、該液晶性ポリマーのビ
カット軟化点以上、融点未満の温度で熱処理することに
より、溶融粘度を大きくする。
液晶性ポリマーのビカット軟化点は、通常、100〜400
℃、好ましくは120〜350℃程度である。
熱処理温度は、液晶性ポリマーの種類に応じて、ビカ
ット軟化点以上、融点未満の温度範囲内で適宜選択でき
るが、一般に温度が高い程、溶融粘度が高くなる。ま
た、熱処理により液晶性ポリマーの吸熱ピーク温度(融
点)が高くなる。従って、熱処理に際して、液晶性ポリ
マーを低温で処理し、順次温度を連続的または段階的に
高めて処理する場合には、最終的な熱処理を、未処理の
液晶性ポリマーの融点よりも高い温度で行なうことがで
きる。例えば、液晶性ポリマーが前記一般式[I]およ
び[II]で表わされる反復構成単位を含む完全芳香族ポ
リエステルである場合、初期の熱処理温度は、例えば、
220〜280℃、好ましくは250〜270℃程度の範囲内で選択
でき、その後、前記温度よりも高い温度で熱処理可能で
ある。
熱処理時間は、ポリマーの種類および熱処理温度に応
じて選択できるが、通常、30分〜48時間、好ましくは3
〜30時間程度である。
また、熱処理に際して、ブロック状ポリマーをそのま
ま熱処理してもよいが、熱処理効率等の点から、粉末
状、粒状、ペレット状等の液晶性ポリマーを熱処理する
のが好ましい。粉末状、粒状、ペレット状等の液晶性ポ
リマーを低い温度で熱処理した後、順次温度を上げて処
理するというように、段階的に温度を高めて熱処理を用
いる場合には、熱処理時のポリマーの融着を防止でき
る。
熱処理の雰囲気は特に制限はなく、空気や、窒素、炭
酸ガスなどの不活性雰囲気中あるいは真空下で熱処理す
ることができる。液晶性ポリマーの熱処理中の変質を防
止するためには、不活性ガス雰囲気中、あるいは真空下
で行うのが好ましい。
以上のように熱処理した液晶性ポリマーは溶融粘度が
高い。また、熱処理により液晶性ポリマーのメルトテン
ション、すなわちメルトストレングスが大きくなる。こ
れらのことは、熱処理によって液晶性ポリマーの結晶化
度が大きくなるためと考えられる。なお、熱処理前後の
液晶性ポリマーを熱分析すると、熱処理により吸熱ピー
クが高温側にシフトする。また、一旦熱処理した後、溶
融温度に加熱しても、前記吸熱ピークは高温側に維持さ
れる。
このように本発明の方法で前処理すると、容易かつ簡
便に溶融粘度を高くすることができる。従って、熱処理
した液晶性ポリマーを用いると、フィルム成形性を高め
ることができる。
本発明の製造方法では、前記のようにして熱処理した
液晶性ポリマーを用いてフィルムを製造する。フィルム
の製造において、液晶性ポリマーは単独で、またはポリ
マー組成物として使用できる。
ポリマー組成物には、その他の異方性溶融相を形成す
るポリマー;異方性溶融相を形成しない熱可塑性樹脂;
熱硬化性樹脂;可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯
電防止剤、難燃剤、着色剤、発泡剤、架橋剤、滑剤など
の添加剤;無機繊維、ウィスカー、炭酸カルシウム、高
分散性けい酸、アルミナ、水酸化アルミニウム、タルク
粉、マイカ、硫酸バリウムなどの充填剤などを含有させ
てもよい。なお、ポリマー組成物中の異方性溶融相を形
成するポリマーと他の成分とは熱力学的に相溶していて
もよい。
前記ポリマー組成物中、液晶性ポリマーは少なくとも
50重量%、好ましくは少なくとも80重量%含有される。
フィルム成形法としては、インフレーション法、Tダ
イ法のいずれであってもよいが、異方性の小さなフィル
ムが得られ易いインフレーション法が好ましい。インフ
レーション法は、ダイの環状スリットから筒状フィルム
を上方へ押出してフィルム成形する上吹法、下方へ押出
してフィルム成形する下吹法のいずれであってもよい
が、バブルに圧力を容易にかけることができ、かつフィ
ルムを破断することなく、皺のないフィルムを容易に得
られる下吹法が好ましい。
以下、下吹きインフレーション法による液晶性ポリマ
ーフィルムの製造方法について、添付図面に基づいて説
明する。
第1図は本発明の一例である液晶性ポリマーフィルム
の製造方法を示す概略図、第2図は第1図に示すインフ
レーション成形法を示す概略断面図である。
ホッパー(1)に本発明の前処理方法で熱処理した液
晶性ポリマー又はポリマー組成物(以下、単に液晶性ポ
リマーという)を供給する。この液晶性ポリマーは、ス
クリュー(2)を供えた押出し機(3)に取付けられた
インフレーションダイ(4)の環状スリット(5)から
下方に押出されて、筒状フィルム(6)が形成される。
液晶性ポリマーの溶融押出し温度は、ポリマーの構成
単位の種類や組成比などに応じて選択できる。前記好ま
しい液晶性ポリマーの適切な溶融押出し温度は、例え
ば、180〜360℃程度の範囲から選択できる。
環状スリット(5)の間隙、すなわちリップクリアラ
ンスは、通常0.2〜10mm、好ましくは0.5〜4mm程度であ
る。環状スリット(5)の直径は、成形するフィルムの
幅に応じて設定でき、特に制限されないが、環状スリッ
ト(5)の直径が大きすぎる場合には、筒状フィルム
(6)を安定して膨脹させることが困難となり、フィル
ムの特性が低下し易い。従って、環状スリット(5)の
直径は、200mm以下、特に120mm以下であるのが好まし
い。
筒状フィルム(6)の中空部に、インフレーションダ
イ(4)に接続された気体供給パイプ(7)から、例え
ば、空気、窒素、炭酸ガスなどの気体を供給して膨脹さ
せ、バブルと称される筒状フィルム(6)を引取り方向
と直交するTD方向に延伸すると共に、引取機のニップロ
ール(10)で引取りながらドラフトをかけてMD方向に延
伸する。
好ましいTD方向の延伸倍率、すなわちブロー比(Dt
d)は、1.5〜10倍、特に2.5〜6倍程度である。MD方向
の延伸倍率Dmdは、1.5〜40倍、好ましくは5〜25倍程度
である。
また、好ましいDtdとDmdとの比は、 0.1≦Dtd/Dmd<2.5、特に 0.4≦Dtd/Dmd≦1.5程度である。
ダイ(4)から押出した筒状フィルム(6)は、膨脹
させるまでの間、そのまま自然冷却してもよく、前記エ
アリング(8)などの冷却筒、加熱筒または保温筒など
を通過させてもよい。膨脹させるときのフィルム温度
は、自然冷却または保温筒を使用して調整するのが好ま
しい。
筒状フィルム(6)を膨脹させるときの好ましいフィ
ルム温度は、通常、液晶性ポリマーの二次転移温度以上
であって、かつ押出し温度よりも10〜100℃、特に20〜7
0℃程度低い温度である。フィルム温度が低すぎる場合
には、延伸効果が低下し、高すぎる場合には、筒状フィ
ルムを均一に膨脹させることが困難である。
筒状フィルム(6)のTD方向の延伸は、前記のように
気体をインフレーションダイ(4)の内側から筒状フィ
ルム(6)の中空部に圧入する方法に限らず、インサー
トマンドレルを使用して筒状フィルム(6)を押し拡げ
る方法などの慣用の方法で行なうことができる。好まし
い方法は筒状フィルム(6)に気体を圧入する方法であ
る。この場合、必要に応じて、圧入する気体の流量、圧
力および温度を、筒状フィルム(6)の均一な膨脹性を
損わない範囲に調整するのが好ましい。気体圧入法で
は、筒状フイルム(6)の温度と圧入気体の圧力とがバ
ランスした位置で筒状フィルム(6)を膨脹、延伸させ
ることができる。
なお、この例では、インフレーションダイ(4)から
下方へ押出した筒状フィルム(6)の周囲にはエアリン
グ(8)が配置されているとともに、幅方向に延伸した
筒状フィルム(6)をガイド板(9)で案内しながら、
ニップロール(10)で引取っている。また前記ニップロ
ール(10)で折畳んだフィルムを、ローラ(11)、複数
対のローラ(12a)(12b)(13a)(13b)を経て巻き取
りロール(14a)(14b)に巻き取っている。前記ニップ
ロール(10)と、巻き取り側の一対のローラ(13a)(1
3b)との間には、図示しないスリッタが配置されてい
る。
延伸処理が施された後、自然冷却または保温筒を使用
して、ニップロール(10)を通過させるときのフィルム
温度を調整するのが好ましい。ニップロール(10)を通
過させるときの好ましいフィルム温度は、50〜170℃、
特に70〜150℃程度である。フィルム温度が低すぎる場
合には、高弾性率を示す液晶性ポリマーから形成される
フィルムに皺が発生し易く、高すぎる場合には、筒状フ
ィルム(6)が融着し易い。
このようなインフレーション法により成膜する場合、
押出し機(3)にて溶融した液晶性ポリマーの粘度が高
いので、気体供給パイプ(7)から十分な量の気体を供
給しても、筒状フィルム(6)を安定かつ均一に膨脹さ
せることができ、筒状フィルム(6)が破断したりする
ことがない。その結果、皺のない均一な厚みのフィルム
が得られる。また、筒状フィルム(6)を膨脹させてTD
方向に延伸しながら、引取ってMD方向に延伸するので同
時二軸配向が可能である。
従って、本発明の方法により得られた液晶性ポリマー
フィルムは、引張り弾性率および引張り強度が大きいだ
けでなく異方性が著しく小さく、機械的特性に優れてい
る。特に好ましい液晶性ポリマーフィルムは等方性を示
す。
なお、上吹きインフレーション法およびTダイ法で成
膜する場合も、溶融した液晶性ポリマーの溶融粘度が高
いので、下吹きインフレーション法の場合と同様に、延
伸倍率を高くでき、異方性が小さなフィルムが得られ
る。
上記のようにして得られたフィルムには、必要に応じ
て熱処理が施される。この熱処理は、フィルムの緊張
下、または無緊張下で行なうことができる。熱処理は、
適宜の雰囲気、たとえば、空気、窒素、真空雰囲気中
で、70〜300℃程度の温度で行なうことができる。熱処
理の温度履歴サイクル、熱処理時間、張力などは、フィ
ルムの種類、必要とするフィルムの物性に応じて設定で
きる。
さらに、液晶性ポリマーフィルムには、コロナ放電処
理などの表面処理を施してもよい。
液晶性ポリマーフイルムの膜厚は特に制限されない
が、通常、1〜500μm、好ましくは10〜250μm程度で
ある。
本発明の方法により得られた液晶性ポリマーフィルム
は、包装用フィルム、写真フィルム、磁気記録テープな
どの記録媒体用フィルム、電気絶縁用フィルムなどの種
々の用途で使用できる。
[発明の効果] 本発明の前処理方法で液晶性ポリマーを処理すると、
液晶性ポリマーの溶融粘度を容易かつ簡便に大きくでき
る。
本発明の液晶性ポリマーフィルムの製造方法では、溶
融粘度の高い液晶性ポリマーを用いるので、フィルム成
形性がよく、高い延伸倍率で延伸することができる。従
って、弾性率および強度が大きく、しかも機械的異方性
の小さなフィルムを得ることができる。
[実施例] 以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明す
る。
実施例1 前記反復単位[I]および[II]で構成されたポリエ
ステル(A)からなる液晶性ポリマー(ポリプラスチッ
ク(株)製、商品名ベクトラA900)のペレットを、空気
雰囲気中、常圧にて、250℃の温度で3時間熱処理し
た。
なお、未処理の液晶性ポリマーは下記の特性を有す
る。
ビカット軟化点:200℃ 示差熱走査熱量計による融点:278℃ 実施例2〜実施例6 実施例1で用いた液晶性ポリマーを、空気雰囲気中、
常圧にて、表1に示す条件で熱処理した。
比較例1 実施例1で用いた液晶性ポリマーを、空気雰囲気中、
常圧にて、150℃で3時間熱処理した。
比較例2 実施例1で用いた液晶性ポリマーを熱処理することな
く、試験に供した。
そして、各実施例および比較例で得られた液晶性ポリ
マーの溶融粘度と、メルトテンションを測定した。な
お、溶融粘度は、東洋精機(株)製のキャピログラフPM
D−C(直径9.55mm、長さ250mmのバレル、および直径1.
0mm、長さ5mmのキャピラリーを使用)を用い、所定の剪
断速度における溶融粘度を280℃で測定した。
また、メルトテンションは前記キャピログラフを用い
て測定した。すなわち、第3図に示されるように、シリ
ンダ(21)内の液晶性ポリマーを300℃で溶融し、溶融
した液晶性ポリマーを、ピストン(22)を10mm/分の速
度で移動させてキャピラリー(直径1.0mm、長さ10mm)
からストランドとして押出した。押出したストランド
を、プーリー(23a)(23b)に掛渡すと共に、一対のゴ
ムロール(24a)(24b)からなる引取り機により引取り
速度10m/分の速度で引取った。なお、プーリー(23a)
には、ロードセルが取付けられている。ストランドの引
取りによりプーリー(23a)を持上げる力が作用するの
で、この作用する負荷をロードセルから読取り、メルト
テンション(g)とした。
熱処理条件と共に、結果を表1に示す。
表1より明らかなように、熱処理により、液晶性ポリ
マーの溶融粘度およびメルトテンションが大きくなる。
また、実施例2で得られた液晶性ポリマーと、比較例
2の液晶性ポリマーとを示差熱走査熱量計により熱分析
したところ、第4図に示す結果を得た。なお、参考まで
に、実施例2で得られた液晶性ポリマーを300℃で溶融
した後の液晶性ポリマーの熱分析結果を併せて示す。
第4図より、液晶性ポリマーの熱処理により、吸熱ピ
ークが約278℃から約313℃へシフトすると共に、溶融し
ても吸熱ピークが約311℃に位置する。
前記実施例2〜実施例4、比較例1及び比較例2で得
られた液晶性ポリマーを用いてインフレーション成形法
により、フィルム成形した。すなわち、液晶性ポリマー
のペレットを、予め150℃の温度で8時間乾燥し、イン
フレーションダイを備えた押出し機を用いて、下記の条
件で下方又は上方に押出して延伸した。
下吹きインフレーション法の条件 押 出 し 方 向 :下方 押 出 し 温 度 :280℃ リップクリアランス:1.0mm ブロー比(Dtd) :5.0倍 ドラフト比(Dmd) :6.0倍 上吹きインフレーション法の条件 押 出 し 方 向 :上方 押 出 し 温 度 :280℃ リップクリアランス:1.0mm ブロー比(Dtd) :3.0倍 ドラフト比(Dmd) :12.0倍 フィルム成形性を以下の基準で評価した。
バブルの膨脹性 優 :空気圧を十分にかけることができる 良 :膨脹性が若干劣る 可 :所定の空気圧をかけることができない 不可:短時間しか膨脹できず、バブルが破裂する 皺の発生 優 :皺の発生がない 良 :若干皺が発生 不可:多数の皺が発生 フィルム成形性の結果を表2に示す。
表2より明らかなように、熱処理した液晶性ポリマー
を用いると、下吹法並びに上吹法のいずれについても、
所望のブロー比で延伸することができ、皺のないフィル
ムが得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一例である液晶性ポリマーフィルムの
製造方法を示す概略図、 第2図は第1図に示すインフレーション成形法を示す概
略断面図、 第3図はメルトテンションの測定方法を示す概略図、 第4図は実施例2と比較例2の液晶性ポリマーの熱分析
結果を示す図である。 (3)…押出し機、(4)…インフレーションダイ、
(5)…環状スリット、(6)…筒状フィルム

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】異方性溶融物を形成する液晶性ポリマー
    を、該液晶性ポリマーのビカット軟化点以上、融点未満
    の温度で熱処理することを特徴とする液晶性ポリマーの
    前処理方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の方法で前処理した液晶性ポ
    リマーを用いてフィルム成形する液晶性ポリマーフィル
    ムの製造方法。
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