JP2855075B2 - キャリアテープ - Google Patents

キャリアテープ

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JP2855075B2
JP2855075B2 JP6091666A JP9166694A JP2855075B2 JP 2855075 B2 JP2855075 B2 JP 2855075B2 JP 6091666 A JP6091666 A JP 6091666A JP 9166694 A JP9166694 A JP 9166694A JP 2855075 B2 JP2855075 B2 JP 2855075B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種電子部品、精密機
器部品、特にはリードフレームを2方向にもつSOP,
TSOP型または4方向にもつQFP型等の微細な電子
部品(以下、単に部品という)を収納する収納部を、長
さ方向に一定間隔で繰り返し備えた、部品の輸送、保管
に有用なキャリアテープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来上記キャリアテープは、プラスチッ
クテープに真空成形、プレス成形または圧空成形等の手
段により所定間隔の収納部を繰り返し形成されていた。
特に微細なリードフレームをもつ部品を収納するキャリ
アテープは、図5に示すように、収納部31の底面32
の中央に凸平面33を設け、この上に部品本体34とリ
ードフレーム35とからなる部品36を載置してリード
フレーム35の先端が底面32に直接当たらないように
し、さらに収納部31内における部品36のがたつきを
防止してリードフレーム35を保護するため、底面32
上に形成したリブ37で部品本体34を挟持し、トップ
カバーテープ38を貼り付けて、図示しないリールに巻
き取り出荷、搬送していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらかかる従
来のキャリアテープでは、リブで部品本体を挟持するこ
とにより収納した部品の横方向のがたつきの抑制はある
程度可能であったが、キャリアテープはプラスチックテ
ープに真空、プレス、圧空の成形手段を施して得られた
ものであるから、基本的に寸法精度はそれほど高くな
く、完全に部品のがたつきを防止することは困難であっ
た。また収納した部品の上面をトップカバーテープによ
って押さえて部品の収納部深さ方向のがたつきを防止す
るわけであるが、前述のようにすべての収納部がこれを
満たすだけの寸法精度を有しているわけではないので、
やはり完全に深さ方向のがたつきを防止することはでき
なかった。これに加えて、貼り付けられるトップカバー
テープには長さ方向にしかテンションが加わらないの
で、幅方向に弛みを生じることがあり、これも部品の深
さ方向のがたつきを助長する一因となっていた。
【0004】このように部品が収納部内でがたつきを起
こす場合、輸送中や検査時における振動等の外的ショッ
クで、部品がリブを乗り越えて収納部の側壁にぶつか
り、リードフレームが損傷を蒙るのを避けることはでき
なかった。かかる問題を解決するために、部品の位置ず
れ防止用突条と蓋を有する収納部を連続一体に射出成形
し、細かく高精度の突条により部品のリードフレームを
保護するとともに、蓋で部品の上面を固定してそのがた
つきを防止する方法が特開平3−661に提案されてい
る。しかしながらこのような形態のキャリアテープで
は、部品の保護は可能であるものの、部品をキャリアテ
ープに収納する部品挿入機や取り出して基板上に実装
するマウンターカセットに既存の装置を使用することが
できなかった。
【0005】本発明は、上記した従来の課題を解決する
もので、部品の横方向のがたつきを防止する部品位置決
め用リブおよび収納部深さ方向のがたつきを防止する部
品係止爪を、射出成形により高い寸法精度で設け、搬送
時や検査時等における部品の損傷を防止し、かつ従来の
キャリアテープとまったく同じように既存の部品挿入機
およびマウンターカセットが使用できるキャリアテープ
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明のキャリアテープは、長さ方向に収納部を連設
したキャリアテープにおいて、収納部の底面中央に高さ
0.1mm以上の凸平面と、該凸平面または収納部の底
面上に相対向して部品係止爪が立設され、該部品係止爪
は、内方に突き出た突起部の下面で収納した部品に当接
する接触面を有し、該突起部の先端は部品本体の厚みの
10〜50%のアール(半径)の曲面を有し、突起部先
端の凸平面からの高さが挟持する部品本体の厚みの60
〜90%であり、相対向する突起部先端の間隔が挟持す
る部品本体の幅より0.2〜2.0%小さく、部品を部
品係止爪で弾性的に撓んで挟持することを特徴としてい
る。部品係止爪は相対向して設けることが必要で、例え
ば収納した部品本体の対角線の外側または平行で相対向
する2辺の外側に設けて、部品を接触面により挟持す
る。ここで部品係止爪の内側上方に設けられた突起部の
先端の形状は部品本体の厚みの10〜50%のアールを
有することが好ましく、この範囲から外れると部品の出
し入れが困難となる。また部品係止爪の突起部先端の凸
平面からの高さは部品本体の厚みの60〜90%である
ことが好ましく、より好ましくは75〜80%であり、
この範囲を外れると収納した部品を押えて係止すること
ができない。部品係止爪5の突起部7の先端の相対向す
る間隔は挟持する部品の幅より0.2〜2.0%狭くす
ることが好ましく、より好ましくは0.3〜0.5%で
あり、この範囲を外れると収納した部品を挟持すること
が困難である。さらに収納部の底面または凸平面上に部
品位置決め用リブが設けられる。
【0007】
【作用】本発明のキャリアテープでは、立設された部品
係止爪の内方に突き出た突起部の下面(接触面)で部品
に当接するため、部品を収納部に収納した状態におい
て、部品の保持が効果的となりかつ部品取り出し時の部
品の跳ね上がりがない。また収納する部品に寸法のばら
つきが多少あったとしても部品係止爪が弾性的に撓んで
これを吸収し、部品が過大な力で保持されることがなく
部品を取り出すのに要する力も常にほぼ一定に保つこと
ができる。部品係止爪の内側上方に設ける突起部の上側
の面のテーパーは部品本体の下側の面のテーパーと同じ
かこれより鈍角にすることにより、部品挿入時の応力が
緩和されると同時に部品のガイド機能をもたせることが
できる。また部品位置決め用リブは収納した部品を固定
して横のがたつきを防止するとともに、部品の位置を確
定してその挿入、取り出しの機械化を容易にする。しか
して本発明のキャリアテープは、射出成形にて収納部を
成形されているので、部品の寸法形状に合わせて精度よ
くかつ自在に成形でき、上記作用を容易に発揮させられ
る。
【0008】さらに最近特に増加する傾向にある、キャ
リアテープに部品を収納した状態で行う画像処理による
リードフレームの検査においてもNG判定が正確に行な
えるため、誤って不良品を装着したりあるいは良品を誤
って不良と判定する等のミスが少なくなり、結果的に部
品装着機の停止時間を減らし作業効率を向上させること
が可能となる。なお本発明のように射出成形により収納
部を成形すると、収納部の側壁のテーパーを90°とす
ることも可能であるから、画像処理をするような場合、
側壁にリードフレームが映り込むこともなくなり、この
点からも有利であることは明らかである。
【0009】上記の射出成形によるキャリアテープの製
造方法は特願平5−314772に基づくもので、ここ
では詳細な説明は省略するが、概略以下に述べるとおり
である。キャリアテープに繰り返し単位の収納部を形成
しながら同一金型上で順次接続を行うために、一端に接
続端を有する少なくとも一個の繰り返し単位を金型キャ
ビティー内に射出成形し、得られた単片をキャビティー
の他側に隣接する空所に移動させ、前記接続端によりキ
ャビティーの他端の開口部を封止し、前記接続端を他か
らの熱によって溶融させ、注入される樹脂を一体として
接続する動作を繰り返すことによって連続体としてのキ
ャリアテープが得られる。
【0010】
【実施例】(実施例1) 本発明のキャリアテープの一実施態様を図1(a),
(b),(c),(d)によって説明する。このキャリ
アテープは、収納部2がテープの長さ方向に24mm
の間隔をおいて繰り返し設けられ、収納部2の底面3の
中央に高さ0.2mmの正方形の凸平面4が突設され、
このまわりに部品係止爪5、部品位置決め用リブ6が形
成されている。このようなキャリアテープを、ポリプロ
ピレン三井ノーブレンBJ3H−MF[三井東圧(株)
製、商品名]を使用し、射出成形により成形し、これに
図3(a),(b),(c)に示すような寸法の部品本
体11とリードフレーム12とからなるQFP型部品1
3を収納した。部品係止爪5は幅が0.5mmで、部品
本体11の4隅を保持するが、突起部7の先端の向かい
合う間隔を部品本体11の対角線の長さ28.28mm
に対して0.35%小さい28.18mmとした。また
部品係止爪5を金型から円滑に離型させるため、その根
本には角窓8を設けアンダーカットにならないようにし
た。つぎに部品係止爪5の断面形状であるが、部品本体
11の周縁には図3(c)に示すように上、下に12°
のテーパーがついているので、部品係止爪5の突起部7
には上側に15°、下側に12°のテーパーをつけた。
また突起部7の先端の凸平面4上面よりの高さは、部品
本体11の厚みが1.4mmであるから、その78.6
%の1.1mm、突起部7のアールは厚みの14.3%
の0.2mmとした。また部品位置決め用リブ6の、内
側上部の部品本体11に接触する面のテーパーは12°
とし、凸平面4の上面よりの高さは、部品本体11から
出ているリードフレーム12の下端から部品本体下面ま
での距離0.63mmに対し50〜85%が好ましいの
で、63%の0.4mmに設定した。
【0011】なお対象とする部品本体の厚みが0.2m
m以下、リードフレームのピッチが0.5mm以下のよ
うな微細部品を、部品挿入機で収納部に挿入した状態
で、CCDカメラ等を用い画像処理してリードフレーム
の検査を行う場合が増えているが、この場合でも本発明
のキャリアテープであれば、部品係止爪と部品位置決め
用リブを併用し、部品を収納部の中央に正確に位置決め
して検査を高精度にかつ誤りなく行うことができる。し
かし対象とする部品によっては、前記のような4隅を保
持する部品係止爪があれば部品位置決め用リブは設けな
くてもよい。さらに部品係止爪5を、図1(e)に示し
たように、中空にすればさらに安定的な弾性を付与する
ことが可能となるので、部品の挿入、取り出しは一層容
易となる。また本発明において部品本体のテーパーをも
つ面は必ずしも平面に限るのではなく、曲面で構成され
る場合には、部品係止爪および部品位置決め用リブも接
触面を曲面にすることはもちろんである。
【0012】(実施例2) 本発明のキャリアテープの別の実施態様の詳細を図2
(a),(b),(c),(d),(e)によって説明
する。このキャリアテープは、収納部2をテープの長
さ方向に16mmの間隔をおいて繰り返し設けられ、収
納部2の底面3の中央に高さ0.2mmの長方形の凸平
面4が突設され、この上に部品位置決め用リブ6と部品
のリードフレームの出ていない2辺を保持する部品係止
爪5とが形成されている。上記のキャリアテープは、実
施例1と同様に成形され、図4(a),(b),(c)
に示すような寸法の部品本体21とリードフレーム22
とからなるSOP型部品23を収納した。部品係止爪5
は4.0mmの幅で部品本体21の相対向する2辺を保
持するが、突起部7の相対向する先端の間隔を部品本体
21の長辺の長さ15.24mmに対して0.46%小
さい15.17mmとした。また部品係止爪5を金型か
ら円滑に離型させるためその根本には角窓8を設けアン
ダーカットにならないようにした。つぎに部品係止爪5
の断面形状であるが、部品本体21の周縁には図4
(c)に示すように上、下に15°のテーパーがついて
いるので、部品係止爪5の突起部7には上側に18°、
下側に15°のテーパーをつけた。また突起部7の先端
の凸平面4上面よりの高さは、部品本体21の厚みが
2.8mmであるから、その67.9%の1.9mm、
突起部7の先端のアールはその32.1%の0.9mm
とした。さらに部品位置決め用リブ6の凸平面4の上面
よりの高さは、部品本体21から出ているリードフレー
ム22の根本から下端までの距離が1.2mmであるか
ら、これの50〜85%がよいので、67%の0.8m
mに設定した。
【0013】上記実施例1、2のキャリアテープによれ
ば、収納した部品の横および深さ方向のがたつきが防が
れ、搬送時や検査時における部品の損傷を従来のキャリ
アテープより確実に防止でき、かつ既存の部品挿入機お
よびマウンターカセットによって従来のキャリアテープ
と全く同様に処理することができた。
【0014】
【発明の効果】上記したように、本発明のキャリアテー
プによれば、部品係止爪によって部品を収納部内に弾力
的に挟持して収納することができ、搬送中の振動などに
よるがたつきは抑制され、部品を損傷することがない。
さらに部品位置決め用リブを設けることで、より正確に
部品の位置を確定することができる。 上記構成からなる
キャリアテープは、射出成形によりきわめて高い精度で
成形することができるので、部品の寸法に多少のばらつ
きがあっても、きわめて高い 位置精度で収納部内に挟持
され、従来の部品挿入機やマウンターカセットを使用し
て抵抗なく挿入や取り出しを行うことができるだけでな
く、画像処理による検査を可能とし、部品の搬送、取扱
多くの利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のキャリアテープの、(a)は部分平面
図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図、(c)は
(a)のB−B線に沿う断面図、(d)は部品係止爪
部分拡大断面図、(e)は他の例の部品係止爪の部分拡
大断面図である。
【図2】本発明の他の例のキャリアテープの、(a)は
部分平面図、(b)は(a)のE−E線に沿う断面図、
(c)は(a)のF−F線に沿う断面図、(d)は
(a)のG−G線に沿う断面図、(e)は部品係止爪
部分拡大断面図である。
【図3】QFP型部品の、(a)は平面図、(b)は
(a)のC−C線に沿う断面図、(c)は(a)のD−
D線に沿う断面図である。
【図4】SOP型部品の(a)は平面図、(b)は側面
図、(c)は正面図である。
【図5】部品を収納した従来のキャリアテープの断面図
である。
【符号の説明】 …キャリアテープ 11、21、34…部品本
体 2…収納部 12、22、35…リード
フレーム 3…底面 13、23、36…部品 4…凸平面 31…収納部 5…部品係止爪 32…底面 6…部品位置決め用リブ 33…凸平面 7…突起部 37…リブ 8…角窓 38…トップカバーテープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65D 73/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長さ方向に収納部を連設したキャリアテ
    ープにおいて、収納部の底面中央に高さ0.1mm以上
    の凸平面と、該凸平面または収納部の底面上に相対向し
    部品係止爪が立設され、該部品係止爪は、内方に突き
    出た突起部の下面で収納した電子部品に当接する接触面
    有し、該突起部の先端は電子部品本体の厚みの10〜
    50%のアール(半径)の曲面を有し、突起部先端の凸
    平面からの高さが挟持する電子部品本体の厚みの60〜
    90%であり、相対向する突起部先端の間隔が挟持する
    電子部品本体の幅より0.2〜2.0%小さく、電子部
    品を部品係止爪で弾性的に撓んで挟持することを特徴と
    するキャリアテープ。
  2. 【請求項2】 前記収納部の底面または凸平面上に電子
    部品位置決め用リブが設けられている請求項1に記載の
    キャリアテープ。
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