JP2854527B2 - 多孔質体の製造方法 - Google Patents
多孔質体の製造方法Info
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- H01M4/90—Selection of catalytic material
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Description
電池等の空気極に好適に使用される金属酸化物の多孔質
体の製造方法に関するものである。
て、特開平5−29008号公報に記載されたものが知
られている。前記燃料電池は、図8に示すように、安定
化剤としてイットリアを含むジルコニアからなる緻密な
固体電解質膜1の内側に多孔性の空気極2が形成され、
前記固体電解質膜1の外側にNi−ZrO2 サーメット
からなる燃料極3が形成された構成となっている。
気相、電解質、電極の三相界面を長くするために多孔質
体からなることが望ましく、また固体電解質膜1の基体
となるために一定の強度を有することが望ましい。前記
物性を有する空気極2として、前記公報には金属酸化物
と合成樹脂粉末とを含有するスラリーから余剰のスラリ
ーを除去して成形された成形体をさらに焼成してなるも
のが記載されている。
としては希土類またはアルカリ土類金属を添加したLa
MnO3 、LaCoO3 、CaMnO3 が例示されてお
り、前記合成樹脂粉末としてはテフロン粉末、塩化ビニ
ル粉末、ナイロン粉末、アクリル粉末等が例示されてい
る。
末とから前記のようにして得られた成形体を焼成する
と、得られた多孔質体は通気度が低く、前記空気極2と
して使用することが難しい。
として好適に使用できる通気度を有する金属酸化物の多
孔質体について検討を重ねた結果、La2 O3 、SrC
O3、Mn2 O3 の粉末を混合したのち仮焼して得られ
た粉末に、難溶性澱粉を2.5〜15重量%の範囲で添
加、混合したのち焼成することにより、連続性の開気孔
が形成され、高温固体電解質型燃料電池の空気極に適し
た高い通気度を有する多孔質体が得られることを見い出
し、このような多孔質体については本出願人により既に
特許出願されている(特願平5−221935号明細書
参照)。
よっては焼成中に破損して成形体が得られないことがあ
り、破損することなく焼成できる製造方法の開発が望ま
れる。
て、本発明は燃料電池の空気極として好適に使用できる
通気度を有する金属酸化物の多孔質体を焼成するときに
破損することなく成形体が得られる製造方法を提供する
ことを目的とする。
造方法は、La2 O3 、SrCO3 と、Mn2 O3 また
はMnO2 との粉末を混合したのち仮焼して得られた粉
末に、難溶性澱粉を2.5〜33重量%の範囲で添加、
湿式混合する混合工程と、前記混合工程で得られた混合
物を所定の形状に成形する成形工程と、前記成形工程で
得られた成形体を1時間に400℃未満の割合で所定の
脱脂温度、例えば500℃程度まで昇温して脱脂する脱
脂工程と、前記脱脂工程で脱脂された成形体をさらに所
定の焼成温度、例えば1300℃程度まで昇温し、該焼
成温度に所定時間、例えば10時間程度保持して焼成す
る焼成工程とからなることを特徴とする。
400℃を超えると、前記成形体が所定の脱脂温度まで
昇温する過程で破損を生じるので好ましくない。また、
前記脱脂工程では、昇温速度が比較的緩やかであるとき
には前記脱脂温度まで昇温される過程で十分な脱脂が行
われるが、昇温速度が大きくなるに従って脱脂が不十分
になる傾向がある。そこで、好ましくは前記脱脂温度ま
で昇温された前記成形体を該脱脂温度に1〜5時間程度
維持することにより、前記脱脂を確実に行うことができ
る。
混合された材料から得られるので、微量の水分を含有し
ており、この水分が蒸発しない内に水の沸点以上に加熱
すると、前記水分が気化する際の急激な体積膨張により
前記成形体が破損することがある。そこで、前記脱脂工
程では、前記成形体の破損を防止するために、その昇温
を前記水分が蒸発するまでは1時間に50℃以下の割合
で行うことが好ましい。
2 O3 、SrCO3 と、Mn2 O3 またはMnO2 との
粉末を混合したのち仮焼して得られた粉末に、難溶性澱
粉を2.5〜33重量%の範囲で添加し、湿式混合する
ことにより原料混合物が得られる。次に、前記混合物を
成形することにより、所定の形状を有する成形体が得ら
れる。
の割合で所定の脱脂温度まで昇温することにより、前記
成形体が破損することなく短時間で脱脂される。そし
て、前記脱脂された成形体をさらに所定の焼成温度まで
昇温し、該焼成温度に所定時間保持して焼成することに
より、最終生成物である多孔質体が得られる。
いるので、前記脱脂の際の昇温を前記水分が蒸発するま
では1時間に50℃以下の割合で行うことにより前記水
分が気化する際の急激な体積膨張による前記成形体の破
損が防止される。
孔質体についてさらに詳しく説明する。図1乃至図6は
本発明の第1乃至第6の実施例において多孔質体を焼成
する際の熱履歴を示すグラフであり、図7は比較例にお
いて多孔質体を焼成する際の熱履歴を示すグラフであ
る。
する。
の空気極に用いられる多孔質体を次のようにして製造し
た。
製)、SrCO3 (ナカライテスク社製)、Mn2 O3
(アルファプロダクツ社製)の粉末を化学量論的にLa
0.7 Sr 0.3 MnO3 の組成になるように混合し、さら
に水及び分散剤(中京油脂社製PAA、商品名:セルナ
#D305)を添加して攪拌混合したのち、1000℃
で36時間仮焼した。
合したのち、平均粒子径5〜20μmのコーンスターチ
(和光純薬工業社製)を、該粉末に対してそれぞれ2.
5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25
重量%、33重量%添加し、6種の試料を準備した。
湿式混合した後、2000rpm、30分の遠心分離に
かけ、110℃で24時間減圧乾燥した。乾燥後の試料
を瑪瑙乳鉢で粉砕、混合し、一軸油圧プレスでタブレッ
ト型に成形した。
成し、成形体を得た。本実施例では、前記焼成は、図1
示のように、まず室温から100℃まで1時間に30℃
の割合で2時間かけて昇温したのち、さらに500℃ま
で1時間に20℃の割合で20時間かけて昇温し、50
0℃に5時間維持して脱脂を行った。次いで、500℃
から1300℃まで5時間かけて昇温したのち、130
0℃に10時間維持して本焼を行い、そののち5時間か
けて室温まで冷却した。
となく金属酸化物多孔質体の成形体が得られ、この成形
体はX線回折によればLaMnO3 系結晶構造を有する
と共に、不純物が存在しないことが判明した。また、こ
の成形体は、高温固体電解質型燃料電池の空気極として
の使用に好適な気孔率及び導電率を備えている。
いて説明する。
た各試料の成形体の焼成を次のようにして行った。前記
焼成は、図2示のように、まず室温から500℃まで1
時間に50℃の割合で10時間かけて昇温し、500℃
に5時間維持して脱脂を行った。次いで、500℃から
1300℃まで5時間かけて昇温したのち、1300℃
に10時間維持して本焼を行い、そののち5時間かけて
室温まで冷却した。
となく金属酸化物多孔質体の成形体が得られ、この成形
体はX線回折によればLaMnO3 系結晶構造を有する
と共に、不純物が存在しないことが判明した。また、こ
の成形体は、高温固体電解質型燃料電池の空気極として
の使用に好適な気孔率及び導電率を備えている。
での昇温を1時間当り50℃としているので、前記成形
体の焼成に要する時間は全体で35時間であり、第1の
実施例における焼成処理の所要時間である47時間に比
較して格段に短縮されている。
た各試料の成形体の焼成を次のようにして行った。前記
焼成は、図3示のように、まず室温から500℃まで1
時間に50℃の割合で10時間かけて昇温して脱脂を行
った。次いで、直ちに500℃から1300℃まで5時
間かけて昇温したのち、1300℃に10時間維持して
本焼を行い、そののち5時間かけて室温まで冷却した。
となく金属酸化物多孔質体の成形体が得られ、この成形
体はX線回折によればLaMnO3 系結晶構造を有する
と共に、不純物が存在しないことが判明した。また、こ
の成形体は、高温固体電解質型燃料電池の空気極として
の使用に好適な気孔率及び導電率を備えている。
での昇温を1時間当り50℃とし、10時間かけて行っ
たので、前記各試料の多孔質体は前記昇温過程で十分に
脱脂されており、前記脱脂温度に所定時間保持しなくと
も前記高温固体電解質型燃料電池の空気極としての使用
に好適な物性を得ることができる。この結果、前記成形
体の焼成に要する時間は全体で30時間であり、前記第
1の実施例よりさらに短縮することができる。
た各試料の成形体の焼成を次のようにして行った。前記
焼成は、図4示のように、まず室温から100℃まで1
時間に50℃の割合で2時間かけて昇温したのち、50
0℃まで1時間に100℃の割合で4時間かけて昇温
し、500℃に5時間維持して脱脂を行った。次いで、
500℃から1300℃まで5時間かけて昇温したの
ち、1300℃に10時間維持して本焼を行い、そのの
ち5時間かけて室温まで冷却した。
となく金属酸化物多孔質体の成形体が得られ、この成形
体はX線回折によればLaMnO3 系結晶構造を有する
と共に、不純物が存在しないことが判明した。また、こ
の成形体は、高温固体電解質型燃料電池の空気極として
の使用に好適な気孔率及び導電率を備えている。
時間保持するようにしているが、100℃から500℃
までの昇温を1時間当り100℃としているので、前記
成形体の焼成に要する時間は全体で31時間であり、前
記第1の実施例よりさらに短縮することができる。
た各試料の成形体の焼成を次のようにして行った。前記
焼成は、図5示のように、まず室温から100℃まで1
時間に50℃の割合で2時間かけて昇温したのち、50
0℃まで1時間に300℃の割合で1時間20分かけて
昇温し、500℃に5時間維持して脱脂を行った。次い
で、500℃から1300℃まで5時間かけて昇温した
のち、1300℃に10時間維持して本焼を行い、その
のち5時間かけて室温まで冷却した。
の昇温を1時間当り300℃としているが、前記昇温割
合は1時間当り400℃未満であるため、前記焼成処理
中に破損させることなく金属酸化物多孔質体の成形体が
得られた。この成形体はX線回折によればLaMnO3
系結晶構造を有すると共に、不純物が存在しないことが
判明した。また、この成形体は、高温固体電解質型燃料
電池の空気極としての使用に好適な気孔率及び導電率を
備えている。
体で28時間20分であり、前記第1の実施例に比較し
て格段に短縮することができる。
0℃までの昇温は1時間に50℃の割合で行っているの
で、前記成形体に含まれる水分を気化するときに急激な
体積増加を伴わない穏やかな条件で蒸発させることがで
き、前記成形体の破損を防止することができる。
する。本実施例では、酸化マンガンとして、実施例1で
用いたMn2 O3 に変えてMnO2 (片山化学工業社
製)の粉末を用いた以外は実施例1と全く同様にして、
コーンスターチをそれぞれ2.5重量%、10重量%、
15重量%、20重量%、25重量%、33重量%含
む、6種の試料を準備し、各試料の成形体を得た。
を次のようにして行った。前記焼成は、図6示のよう
に、まず室温から100℃まで1時間に30℃の割合で
2時間かけて昇温したのち、さらに500℃まで1時間
に20℃の割合で20時間かけて昇温し、500℃に
1.5時間維持して脱脂を行った。次いで、500℃か
ら1300℃まで5時間かけて昇温したのち、1300
℃に10時間維持して本焼を行い、そののち5時間かけ
て室温まで冷却した。
2 を用いているが、Mn2 O3 の場合と同様にして、前
記焼成処理中に破損させることなく金属酸化物多孔質体
の成形体が得られた。この成形体はX線回折によればL
aMnO3 系結晶構造を有すると共に、不純物が存在し
ないことが判明した。また、この成形体は、高温固体電
解質型燃料電池の空気極としての使用に好適な気孔率及
び導電率を備えている。
試料の成形体の焼成を次のようにして行った。前記焼成
は、図6示のように、室温から100℃まで1時間に5
0℃の割合で2時間かけて昇温したのち、500℃まで
1時間に400℃の割合で昇温し、500℃に5時間維
持して脱脂を行った。次いで、500℃から1300℃
まで5時間かけて昇温したのち、1300℃に10時間
維持して本焼を行い、そののち5時間かけて室温まで冷
却して、金属酸化物多孔質体の成形体を得た。本比較例
では、焼成に要する時間は全体で28時間に短縮するこ
とができたが、得られた多孔質体は前記第1の実施例で
得られた多孔質体と同様の物性を有しているものの、前
記脱脂を行う際に成形体が破損し、完全な形状の成形体
を得ることができなかった。
の製造方法によれば、La2 O3 、SrCO3 と、Mn
2 O3 またはMnO2 との粉末を混合したのち仮焼して
得られた粉末に難溶性澱粉を2.5〜33重量%の範囲
で混合してなる成形体を、前記脱脂工程において1時間
に400℃未満の割合で所定の脱脂温度まで昇温するこ
とにより、前記成形体を破損することなく焼成すること
ができ、燃料電池の空気極に適した通気度を有する金属
酸化物の多孔質体を得ることができる。
体を脱脂温度まで昇温する際に、前記成形体に含有され
る水分が蒸発するまでは1時間に50℃以下の割合で昇
温することにより、前記水分の気化に伴う急激な体積膨
張を避けることができ、前記成形体の破損を防止するこ
とができる。
する際の熱履歴を示すグラフ。
する際の熱履歴を示すグラフ。
する際の熱履歴を示すグラフ。
する際の熱履歴を示すグラフ。
する際の熱履歴を示すグラフ。
する際の熱履歴を示すグラフ。
を示すグラフ。
図。
極。
Claims (2)
- 【請求項1】La2 O3 、SrCO3 と、Mn2 O3 ま
たはMnO2 との粉末を混合したのち仮焼して得られた
粉末に、難溶性澱粉を2.5〜33重量%の範囲で添
加、湿式混合する混合工程と、 前記混合工程で得られた混合物を所定の形状に成形する
成形工程と、 前記成形工程で得られた成形体を1時間に400℃未満
の割合で所定の脱脂温度まで昇温して脱脂する脱脂工程
と、 前記脱脂工程で脱脂された成形体をさらに所定の焼成温
度まで昇温し、該焼成温度に所定時間保持して焼成する
焼成工程とからなることを特徴とする多孔質体の製造方
法。 - 【請求項2】前記脱脂工程において、前記成形体の昇温
を含有される水分が蒸発するまでは1時間に50℃以下
の割合で行うことを特徴とする請求項1記載の多孔質体
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6262566A JP2854527B2 (ja) | 1993-11-15 | 1994-10-26 | 多孔質体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-284722 | 1993-11-15 | ||
JP28472293 | 1993-11-15 | ||
JP6262566A JP2854527B2 (ja) | 1993-11-15 | 1994-10-26 | 多孔質体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07187848A JPH07187848A (ja) | 1995-07-25 |
JP2854527B2 true JP2854527B2 (ja) | 1999-02-03 |
Family
ID=26545603
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6262566A Expired - Lifetime JP2854527B2 (ja) | 1993-11-15 | 1994-10-26 | 多孔質体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2854527B2 (ja) |
-
1994
- 1994-10-26 JP JP6262566A patent/JP2854527B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07187848A (ja) | 1995-07-25 |
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