JP2854055B2 - 耐型かじり性および化成処理性に優れた深絞り用冷延鋼板 - Google Patents
耐型かじり性および化成処理性に優れた深絞り用冷延鋼板Info
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、極低炭素鋼板の好ましくは連続焼鈍によっ
て製造される、プレス成形時の耐型かじり性、塗装工程
時の化成処理性に優れた深絞り用冷延鋼板に関する。
て製造される、プレス成形時の耐型かじり性、塗装工程
時の化成処理性に優れた深絞り用冷延鋼板に関する。
<従来の技術> 近年、冷延鋼板の焼鈍法は、省エネルギーあるいは納
期短縮などを目的として連続焼鈍法(以下CAL)が広く
取り入れられている。CAL焼鈍によりり値が高い深絞
り性に優れた冷延鋼板を得るには鋼中のC,Nの含量を極
限にまで低減し、鋼中の固溶Cや固溶Nを減少させるこ
とが有効であることが知られている。
期短縮などを目的として連続焼鈍法(以下CAL)が広く
取り入れられている。CAL焼鈍によりり値が高い深絞
り性に優れた冷延鋼板を得るには鋼中のC,Nの含量を極
限にまで低減し、鋼中の固溶Cや固溶Nを減少させるこ
とが有効であることが知られている。
最近の製鋼技術の進歩はめざましく、炭素、窒素を極
限にまで低減することが工業的にも可能となった今日、
極低炭素、あるいはセミ極低炭素CAL焼鈍による深絞り
冷延鋼板の製造は従来の低炭素箱焼鈍による製造に代わ
って急速に広がりつつある。
限にまで低減することが工業的にも可能となった今日、
極低炭素、あるいはセミ極低炭素CAL焼鈍による深絞り
冷延鋼板の製造は従来の低炭素箱焼鈍による製造に代わ
って急速に広がりつつある。
この結果、製造された冷延鋼板は伸び、値に優れた
深絞り用に適した特性を具備することが可能となった。
しかし、このような方法で製造された冷延鋼板の表面性
状は、析出物が少なく軟質なものとなっているため、プ
レス成形時に型かじりが発生しやすい、化成処理性が悪
いなど、自動者用冷延鋼板として致命的な欠点が顕在化
する場合があった。従来この対策を多くの研究者が検討
し、これまでにもその成果が開示されている。
深絞り用に適した特性を具備することが可能となった。
しかし、このような方法で製造された冷延鋼板の表面性
状は、析出物が少なく軟質なものとなっているため、プ
レス成形時に型かじりが発生しやすい、化成処理性が悪
いなど、自動者用冷延鋼板として致命的な欠点が顕在化
する場合があった。従来この対策を多くの研究者が検討
し、これまでにもその成果が開示されている。
たとえば、冷延鋼板の表面にめっきを施す、薬品を塗
布する、あるいは鋼板の成分の中のMn,S成分を故意に上
げるなどがある。しかし、そのいずれもが主に、表面特
性の中でも化成処理性に問題を絞った対策であり、表面
の特性に関する問題を本質適に解決するような技術はま
だ開示されていない。
布する、あるいは鋼板の成分の中のMn,S成分を故意に上
げるなどがある。しかし、そのいずれもが主に、表面特
性の中でも化成処理性に問題を絞った対策であり、表面
の特性に関する問題を本質適に解決するような技術はま
だ開示されていない。
<発明が解決しようとする課題> 従来技術においても化成処理改善策は開示されている
が、これらは、表面調整のために新たに冷延鋼板の表面
に処理層を付与することを前提としており、そのために
製造工程が加わるとともに、その効果は、表面特性の中
でも化成処理性のみに着目したものであり、その他の特
性については何ら言及していない。さらに成形中におけ
る処理層の剥離等の問題が加わり表面に関する問題を本
質的に解決したとはいえない。
が、これらは、表面調整のために新たに冷延鋼板の表面
に処理層を付与することを前提としており、そのために
製造工程が加わるとともに、その効果は、表面特性の中
でも化成処理性のみに着目したものであり、その他の特
性については何ら言及していない。さらに成形中におけ
る処理層の剥離等の問題が加わり表面に関する問題を本
質的に解決したとはいえない。
一方、鋼板の成分変更から対策を考えた例として、鋼
中のMn,Sを上げることが提案されているが、この場合
は、鋼板の本来の特性である伸び、値の劣化はまぬが
れない。
中のMn,Sを上げることが提案されているが、この場合
は、鋼板の本来の特性である伸び、値の劣化はまぬが
れない。
本発明は、前記極低炭素冷延鋼板の焼鈍材の表面に関
する問題点を本質的に解決し、しかも、極低炭素冷延鋼
板の伸び、値等優れた特性はそのまま生かした耐型か
じり性および化成処理性に優れた深絞り用冷延鋼板を提
供することを目的とする。
する問題点を本質的に解決し、しかも、極低炭素冷延鋼
板の伸び、値等優れた特性はそのまま生かした耐型か
じり性および化成処理性に優れた深絞り用冷延鋼板を提
供することを目的とする。
<課題を解決するための手段> すなわち、本発明は、C:0.005wt%以下、Si:1.0wt%
以下、Mn:1.0wt%以下、P:0.2wt%以下、S:0.05wt%以
下、Al:0.01〜0.10wt%およびN:0.005wt%以下を含み、
残部はFeおよび不可避的不純物よりなり、鋼板の表面よ
り表面最大あらさ(Rmax)に相当する厚さの表面層を有
し、前記表面層において、平均炭素濃度が0.005wt%以
上、0.1wt%以下であり、前記表面層における最大炭素
濃度が0.01wt%以上、0.2wt%以下であることを特徴と
する耐型かじり性および化成処理性に優れた深絞り用冷
延鋼板を提供する。
以下、Mn:1.0wt%以下、P:0.2wt%以下、S:0.05wt%以
下、Al:0.01〜0.10wt%およびN:0.005wt%以下を含み、
残部はFeおよび不可避的不純物よりなり、鋼板の表面よ
り表面最大あらさ(Rmax)に相当する厚さの表面層を有
し、前記表面層において、平均炭素濃度が0.005wt%以
上、0.1wt%以下であり、前記表面層における最大炭素
濃度が0.01wt%以上、0.2wt%以下であることを特徴と
する耐型かじり性および化成処理性に優れた深絞り用冷
延鋼板を提供する。
本発明はまた、C:0.005wt%以下、Si:1.0wt%以下、M
n:1.0wt%以下、P:0.2wt%以下、S:0.05wt%以下、Al:
0.01〜0.10wt%およびN:0.005wt%以下を含みかつ Ti:0.001〜0.15wt%およびNb:0.001〜0.1wt%のうち
から選んだ1種または2種を含有し、残部はFeおよび不
可避的不純物よりなり、鋼板の表面より表面最大あらさ
(Rmax)に相当する厚さの表面層を有し、前記表面層に
おいて、平均炭素濃度が0.005wt%以上、0.1wt%以下で
あり、前記表面層における最大炭素濃度が0.01wt%以
上、0.2wt%以下であることを特徴とする耐型かじり性
および化成処理性に優れた深絞り用冷延鋼板を提供す
る。
n:1.0wt%以下、P:0.2wt%以下、S:0.05wt%以下、Al:
0.01〜0.10wt%およびN:0.005wt%以下を含みかつ Ti:0.001〜0.15wt%およびNb:0.001〜0.1wt%のうち
から選んだ1種または2種を含有し、残部はFeおよび不
可避的不純物よりなり、鋼板の表面より表面最大あらさ
(Rmax)に相当する厚さの表面層を有し、前記表面層に
おいて、平均炭素濃度が0.005wt%以上、0.1wt%以下で
あり、前記表面層における最大炭素濃度が0.01wt%以
上、0.2wt%以下であることを特徴とする耐型かじり性
および化成処理性に優れた深絞り用冷延鋼板を提供す
る。
上記発明において、表面層が連続焼鈍に際して成形さ
れたものであるのが好ましい。
れたものであるのが好ましい。
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
本発明において用いる低炭素鋼板は上記の組成を有す
るものがよい。これを焼鈍、好ましくは連続焼鈍して鋼
板の両面における表層の炭素含有量を目的とする特性に
適合するように調整する。連続焼鈍によらない方法とし
ては、CリッチなFeめっきを鋼板に施し、焼鈍によりC
を拡散させる方法、製鋼段階で表面にCが濃化した連続
鋳造スラブを製造するなどの方法により所期の目的を達
するようにしてもよい。
るものがよい。これを焼鈍、好ましくは連続焼鈍して鋼
板の両面における表層の炭素含有量を目的とする特性に
適合するように調整する。連続焼鈍によらない方法とし
ては、CリッチなFeめっきを鋼板に施し、焼鈍によりC
を拡散させる方法、製鋼段階で表面にCが濃化した連続
鋳造スラブを製造するなどの方法により所期の目的を達
するようにしてもよい。
まず、焼鈍好ましくは連続焼鈍法により、深絞り性に
優れた鋼板を製造するには、C,Nの量は可能な限り少な
い方が好ましく、C:0.005wt%以下、N:0.005wt%以下と
する必要がある。
優れた鋼板を製造するには、C,Nの量は可能な限り少な
い方が好ましく、C:0.005wt%以下、N:0.005wt%以下と
する必要がある。
Siは鋼を強化する作用があり、所望の強度に応じて必
要量添加されるが、添加量が1.0wt%を越えると深絞り
性に悪影響を及ぼすので1.0wt%以下と限定する。
要量添加されるが、添加量が1.0wt%を越えると深絞り
性に悪影響を及ぼすので1.0wt%以下と限定する。
MnもSiと同様、鋼を強化する作用があり、所望の強度
に応じて必要量添加されるが、添加量が1.0wt%を越え
るとやはり深絞り性に悪影響を及ぼすので1.0wt%以下
に限定する。
に応じて必要量添加されるが、添加量が1.0wt%を越え
るとやはり深絞り性に悪影響を及ぼすので1.0wt%以下
に限定する。
PもSiやMnと同様、鋼を強化する作用があり、所望の
強度に応じて必要量添加されるが、添加量が0.2wt%を
越えると深絞り性に悪影響を及ぼすので0.2wt%以下に
限定する。
強度に応じて必要量添加されるが、添加量が0.2wt%を
越えると深絞り性に悪影響を及ぼすので0.2wt%以下に
限定する。
Sは、少なければ少ないほど深絞り性が向上するので
極力低減することが好ましいが、その含有量が0.005wt
%以下ではさほど悪影響を及ぼさないので0.05wt%以下
に限定する。
極力低減することが好ましいが、その含有量が0.005wt
%以下ではさほど悪影響を及ぼさないので0.05wt%以下
に限定する。
Alは脱酸剤として、また後述する炭窒化物形成元素の
歩留まり向上のために添加されるが、含有量が0.010wt
%に満たないとその添加効果に乏しく、一方0.10wt%を
越えて添加してもその効果は飽和に達するので、0.010
〜0.10wt%の範囲に限定する。
歩留まり向上のために添加されるが、含有量が0.010wt
%に満たないとその添加効果に乏しく、一方0.10wt%を
越えて添加してもその効果は飽和に達するので、0.010
〜0.10wt%の範囲に限定する。
さらに、本発明で用いる冷延鋼板には、Tiおよび/ま
たはNbを下記の通り添加してもよい。
たはNbを下記の通り添加してもよい。
Tiは炭窒化物形成元素であり、鋼中の固溶(C,N)を
低減させ、深絞り性に有利な{111}方位を優先的に形
成させるために添加される。しかしながら添加量が0.00
1wt%未満ではその添加効果に乏しく、一方0.15wt%を
越えて添加してもそれ以上の効果は得られず、むしろ鋼
板表面性状および延性の劣化につながるので0.001〜0.1
5wt%の範囲に限定する。
低減させ、深絞り性に有利な{111}方位を優先的に形
成させるために添加される。しかしながら添加量が0.00
1wt%未満ではその添加効果に乏しく、一方0.15wt%を
越えて添加してもそれ以上の効果は得られず、むしろ鋼
板表面性状および延性の劣化につながるので0.001〜0.1
5wt%の範囲に限定する。
Nbは炭化物形成元素であり、鋼中の固溶Cを低減させ
るとともに、熱延鋼板組織の微細化を促進して、深絞り
性に有利な{111}方位を優先的に形成させるために添
加される。しかしながら添加量が0.001wt%未満ではそ
の添加の効果が乏しく、一方0.1wt%を越えて添加して
もそれ以上の効果は得られず、むしろ延性の劣化につな
がるので0.001〜0.1wt%の範囲に限定する。
るとともに、熱延鋼板組織の微細化を促進して、深絞り
性に有利な{111}方位を優先的に形成させるために添
加される。しかしながら添加量が0.001wt%未満ではそ
の添加の効果が乏しく、一方0.1wt%を越えて添加して
もそれ以上の効果は得られず、むしろ延性の劣化につな
がるので0.001〜0.1wt%の範囲に限定する。
以上の限定範囲内の成分元素および不可避的不純物よ
りなる成分の冷延鋼板を焼鈍する。このとき、その連続
焼鈍後の板厚方向での炭素濃度分布を以下に述べるよう
に制御すると、耐型かじり性および化成処理性に優れた
深絞り用冷延鋼板が得られる。
りなる成分の冷延鋼板を焼鈍する。このとき、その連続
焼鈍後の板厚方向での炭素濃度分布を以下に述べるよう
に制御すると、耐型かじり性および化成処理性に優れた
深絞り用冷延鋼板が得られる。
鋼板の高い伸び、高値等の優れた特性は上記成分鋼
に適切な焼鈍好ましくはCAL焼鈍を施すことによって達
成される。さらに、この優れた特性を実際のプレス成形
時に発揮するためには、プレス成形時のもう一つの要因
である摺動特性を向上する必要がある。たとえば、高い
値および伸びを有していても、プレス成形時に鋼板と
型が焼きつき、型かじりが発生すると、そのためにプレ
ス割れが発生し、鋼板の特性の有利性が発揮されない場
合がある。また、プレス成形後の塗装工程において化成
処理性が悪いとやはり自動車用鋼板としては使えない。
このような問題点は、極低炭素CAL焼鈍による冷延鋼板
の表面性状が、従来の低炭素箱焼鈍材と比較して、表面
層の機械的性質および析出物において差があることに起
因している。
に適切な焼鈍好ましくはCAL焼鈍を施すことによって達
成される。さらに、この優れた特性を実際のプレス成形
時に発揮するためには、プレス成形時のもう一つの要因
である摺動特性を向上する必要がある。たとえば、高い
値および伸びを有していても、プレス成形時に鋼板と
型が焼きつき、型かじりが発生すると、そのためにプレ
ス割れが発生し、鋼板の特性の有利性が発揮されない場
合がある。また、プレス成形後の塗装工程において化成
処理性が悪いとやはり自動車用鋼板としては使えない。
このような問題点は、極低炭素CAL焼鈍による冷延鋼板
の表面性状が、従来の低炭素箱焼鈍材と比較して、表面
層の機械的性質および析出物において差があることに起
因している。
本発明は、このような従来低炭素箱焼鈍材において優
れていた表面に関わる特性を極低炭素CAL焼鈍材におい
ても達成するための技術を開示するものであり、そのた
めに、鋼板の表面層における炭素濃度分布を規定してい
る。
れていた表面に関わる特性を極低炭素CAL焼鈍材におい
ても達成するための技術を開示するものであり、そのた
めに、鋼板の表面層における炭素濃度分布を規定してい
る。
即ち、鋼板表面から表面最大あらさに相当する厚さ
(Rmax,μm)の表面層における炭素濃度がその平均値
で0.005wt%以上、0.1wt%以下であり、その最大炭素濃
度が0.01wt%以上、0.2wt%以下であることを必要とす
る。なお、Rmaxは通常約10μm程度である。
(Rmax,μm)の表面層における炭素濃度がその平均値
で0.005wt%以上、0.1wt%以下であり、その最大炭素濃
度が0.01wt%以上、0.2wt%以下であることを必要とす
る。なお、Rmaxは通常約10μm程度である。
即ち、プレス成形時において型かじりを発生させない
ためには、鋼板の表面層はある程度硬質であり、かつ析
出物が多い方がよい。しかし、その範囲は、鋼板の所期
最大あらさに相当する厚さの表面層を限定すれば十分で
あり、それ以上の厚さの炭素濃度を高めることは、鋼板
の値、延性等特性を害することになる。また、プレス
成形時における型かじりを抑制し、その後の化成処理工
程においても効果を発揮するためには、この表面層にお
ける炭素濃度を上記限定範囲下限以上にする必要があ
り、上限を越える炭素濃度の濃縮は、鋼板の深絞り性に
悪影響を及ぼす。
ためには、鋼板の表面層はある程度硬質であり、かつ析
出物が多い方がよい。しかし、その範囲は、鋼板の所期
最大あらさに相当する厚さの表面層を限定すれば十分で
あり、それ以上の厚さの炭素濃度を高めることは、鋼板
の値、延性等特性を害することになる。また、プレス
成形時における型かじりを抑制し、その後の化成処理工
程においても効果を発揮するためには、この表面層にお
ける炭素濃度を上記限定範囲下限以上にする必要があ
り、上限を越える炭素濃度の濃縮は、鋼板の深絞り性に
悪影響を及ぼす。
本発明において好適に用いられるCAL(Continuous An
nealing Line)は加熱、均熱および冷却ゾーンを有す
る。CAL中で浸炭する場合は均熱ゾーン後期から冷却ゾ
ーン初期にかけて浸炭用雰囲気として、浸炭に適する条
件にして行なうのが効率的である。
nealing Line)は加熱、均熱および冷却ゾーンを有す
る。CAL中で浸炭する場合は均熱ゾーン後期から冷却ゾ
ーン初期にかけて浸炭用雰囲気として、浸炭に適する条
件にして行なうのが効率的である。
浸炭用雰囲気としては、N2+H2を主体とするガス中に
COを適量添加したものを用いる。そして、浸炭条件は適
切に選定する。
COを適量添加したものを用いる。そして、浸炭条件は適
切に選定する。
<実施例> 次に本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
(実施例) 表1に示す組成の鋼を溶製後、熱間圧延により板厚2.
8mmの熱延板として、脱スケール後冷間圧延により板厚
0.7mmの冷延板とした。
8mmの熱延板として、脱スケール後冷間圧延により板厚
0.7mmの冷延板とした。
加熱、均熱および冷却ゾーンを有するCALにおいて、
加熱ゾーンにて810℃に加熱後、均熱ゾーン後期にて、7
50℃から800℃間の所定の温度にて3%H−0.5〜1.0%C
Oを含有する窒素雰囲気に10〜30sec間置いて浸炭し、そ
の後直ちに冷却する場合のCALヒートサイクルをシミュ
レートした熱処理を施した。
加熱ゾーンにて810℃に加熱後、均熱ゾーン後期にて、7
50℃から800℃間の所定の温度にて3%H−0.5〜1.0%C
Oを含有する窒素雰囲気に10〜30sec間置いて浸炭し、そ
の後直ちに冷却する場合のCALヒートサイクルをシミュ
レートした熱処理を施した。
この場合の加熱温度、均熱時間およびCポテンシャル
(CO濃度、露点)を変化させて鋼板表面での浸炭量を変
化させた。さらにスキンパスによって表面あらさを変化
させ表面特性調査用のサンプルを製造した。
(CO濃度、露点)を変化させて鋼板表面での浸炭量を変
化させた。さらにスキンパスによって表面あらさを変化
させ表面特性調査用のサンプルを製造した。
表面特性としては、摺動特性および化成処理製を調査
した。
した。
摺動特性は、摺動試験機により無塗油条件での摩擦係
数を測定した。無塗油条件での摺動試験は、プレス成形
時における型かじり性を評価するためのものであり、摺
動中に型かじりが発生すると摩擦係数は高くなる。
数を測定した。無塗油条件での摺動試験は、プレス成形
時における型かじり性を評価するためのものであり、摺
動中に型かじりが発生すると摩擦係数は高くなる。
化成処理性は、特に処理の初期(15秒)におけるりん
酸塩結晶核の発生数を比較した。核の発生数が多いほ
ど、最終的に形成させる化成処理膜は緻密に形成され、
その後の塗装膜の特性が優れることがわかっている。り
ん酸塩処理液は、PB−L3020(43℃)を用いた。
酸塩結晶核の発生数を比較した。核の発生数が多いほ
ど、最終的に形成させる化成処理膜は緻密に形成され、
その後の塗装膜の特性が優れることがわかっている。り
ん酸塩処理液は、PB−L3020(43℃)を用いた。
評価方法は下記の通りである。
○…良好 △…ムラ有 ×…スケ有 表1にはCAL焼鈍後の鋼板表面層における炭素濃度
を、また表2にはその摺動試験結果、化成処理試験結果
および引張特性をまとめて示す。
を、また表2にはその摺動試験結果、化成処理試験結果
および引張特性をまとめて示す。
<発明の効果> 本発明によって、極低炭素CAL材の優れた特性(高E1,
高値)は維持しつつ、実際に自動車用鋼板として使用
する場合に必要となる、摺動特性および化成処理性など
表面特性にかかわる重要な特性についても本質的に解決
できた。
高値)は維持しつつ、実際に自動車用鋼板として使用
する場合に必要となる、摺動特性および化成処理性など
表面特性にかかわる重要な特性についても本質的に解決
できた。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C23C 8/22 C23C 8/22 (72)発明者 加藤 俊之 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社技術研究本部内 (72)発明者 阿部 英夫 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社技術研究本部内 (56)参考文献 特開 昭63−38556(JP,A) 特開 平1−96330(JP,A) 特開 平3−72032(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 38/00 - 38/60 C21D 9/46 - 9/48,9/52 C23C 2/06,8/22
Claims (3)
- 【請求項1】C:0.005wt%以下、Si:1.0wt%以下、Mn:1.
0wt%以下、P:0.2wt%以下、S:0.05wt%以下、Al:0.01
〜0.10wt%およびN:0.005wt%以下を含み、残部はFeお
よび不可避的不純物よりなり、鋼板の表面より表面最大
あらさ(Rmax)に相当する厚さの表面層を有し、前記表
面層において、平均炭素濃度が0.005wt%以上、0.1wt%
以下であり、前記表面層における最大炭素濃度が0.01wt
%以上、0.2wt%以下であることを特徴とする耐型かじ
り性および化成処理性に優れた深絞り用冷延鋼板。 - 【請求項2】C:0.005wt%以下、Si:1.0wt%以下、Mn:1.
0wt%以下、P:0.2wt%以下、S:0.05wt%以下、Al:0.01
〜0.10wt%およびN:0.005wt%以下を含み、かつ Ti:0.001〜0.15wt%以下およびNb:0.001〜0.1wt%のう
ちから選んだ1種または2種を含有し、残部はFeおよび
不可避的不純物よりなり、鋼板の表面より表面最大あら
さ(Rmax)に相当する厚さの表面層を有し、前記表面層
において、平均炭素濃度が0.005wt%以上、0.1wt%以下
であり、前記表面層における最大炭素濃度が0.01wt%以
上、0.2wt%以下であることを特徴とする耐型かじり性
および化成処理性に優れた深絞り用冷延鋼板。 - 【請求項3】前記表面層の連続焼鈍に際して形成された
ものであることを特徴とする請求項1または2に記載の
耐型かじり性および化成処理性に優れた深絞り用冷延鋼
板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33975789A JP2854055B2 (ja) | 1989-12-28 | 1989-12-28 | 耐型かじり性および化成処理性に優れた深絞り用冷延鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33975789A JP2854055B2 (ja) | 1989-12-28 | 1989-12-28 | 耐型かじり性および化成処理性に優れた深絞り用冷延鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03202443A JPH03202443A (ja) | 1991-09-04 |
JP2854055B2 true JP2854055B2 (ja) | 1999-02-03 |
Family
ID=18330519
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33975789A Expired - Fee Related JP2854055B2 (ja) | 1989-12-28 | 1989-12-28 | 耐型かじり性および化成処理性に優れた深絞り用冷延鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2854055B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4169864B2 (ja) * | 1999-04-19 | 2008-10-22 | 株式会社日本テクノ | 鋼の浸炭処理方法 |
-
1989
- 1989-12-28 JP JP33975789A patent/JP2854055B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH03202443A (ja) | 1991-09-04 |
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