JP2851719B2 - 磁界変調オーバーライト用磁気ヘッド - Google Patents
磁界変調オーバーライト用磁気ヘッドInfo
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- JP2851719B2 JP2851719B2 JP15310891A JP15310891A JP2851719B2 JP 2851719 B2 JP2851719 B2 JP 2851719B2 JP 15310891 A JP15310891 A JP 15310891A JP 15310891 A JP15310891 A JP 15310891A JP 2851719 B2 JP2851719 B2 JP 2851719B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光磁気記録磁性体層の上
に樹脂保護層を形成した光磁気ディスクに対し磁界を印
加するための磁界変調オーバーライト用磁気ヘッドに関
するものである。
に樹脂保護層を形成した光磁気ディスクに対し磁界を印
加するための磁界変調オーバーライト用磁気ヘッドに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近時、光磁気記録用の磁性体材料が盛ん
に開発されているが、その一例として希土類金属元素と
遷移金属元素からなる非晶質金属合金が提案されてい
る。
に開発されているが、その一例として希土類金属元素と
遷移金属元素からなる非晶質金属合金が提案されてい
る。
【0003】この光磁気記録方式においては、集束レー
ザー光を用いてビットを書き込んだり、また、読み出し
ができ、しかも書き換えを行うこともできる。このよう
な書き換えを光変調記録方式により行う場合、光磁気デ
ィスクに一定の外部磁界を加えながらレーザー光を照射
し、磁性膜を温度上昇させて保磁力を低下させることに
より磁化反転を生じさせ、磁化を一定方向にそろえると
いう消去作業と、書き込みデータに対応した変調光を照
射しながら前述と同様の原理で一部に磁化反転を生じさ
せて記録するという記録作業とを別々に行わねばならな
い。すなわち、光磁気ディスクを少なくとも2回転させ
なければならず、そのため、リアルタイムで書き換える
ことはできなかった。
ザー光を用いてビットを書き込んだり、また、読み出し
ができ、しかも書き換えを行うこともできる。このよう
な書き換えを光変調記録方式により行う場合、光磁気デ
ィスクに一定の外部磁界を加えながらレーザー光を照射
し、磁性膜を温度上昇させて保磁力を低下させることに
より磁化反転を生じさせ、磁化を一定方向にそろえると
いう消去作業と、書き込みデータに対応した変調光を照
射しながら前述と同様の原理で一部に磁化反転を生じさ
せて記録するという記録作業とを別々に行わねばならな
い。すなわち、光磁気ディスクを少なくとも2回転させ
なければならず、そのため、リアルタイムで書き換える
ことはできなかった。
【0004】上記光変調記録方式に代えて、磁界変調オ
ーバーライト方式により書き換えを行うことが提案され
ており、この方式によれば、重ね書き(オーバーライ
ト)が可能になる。この磁界変調オーバーライト方式
は、一般的な磁気ディスクの記録方式と同様の原理を用
いるものであって、磁気ヘッドで直接変調磁界を印加す
ることにより、ディスクの記録層にデータに対応した磁
化反転を生じさせて記録する方式である。この磁界変調
オーバーライト方式は重ね書きが可能であるが、その反
面、大きなバイアス磁界を印加しながら高速でスイッチ
ングできる磁気ヘッドを用いなければならず、そのた
め、この磁気ヘッドは大きなドライブ電流並びに大きな
リアクタンスを有するという点で製作するのが難しいと
いう問題点があった。
ーバーライト方式により書き換えを行うことが提案され
ており、この方式によれば、重ね書き(オーバーライ
ト)が可能になる。この磁界変調オーバーライト方式
は、一般的な磁気ディスクの記録方式と同様の原理を用
いるものであって、磁気ヘッドで直接変調磁界を印加す
ることにより、ディスクの記録層にデータに対応した磁
化反転を生じさせて記録する方式である。この磁界変調
オーバーライト方式は重ね書きが可能であるが、その反
面、大きなバイアス磁界を印加しながら高速でスイッチ
ングできる磁気ヘッドを用いなければならず、そのた
め、この磁気ヘッドは大きなドライブ電流並びに大きな
リアクタンスを有するという点で製作するのが難しいと
いう問題点があった。
【0005】かかる事情に鑑み、次善の策として固定磁
気ディスク装置(HDD)などに一般的に使用される浮
上式の磁気ヘッドを光磁気ディスクに応用することが提
案されている。
気ディスク装置(HDD)などに一般的に使用される浮
上式の磁気ヘッドを光磁気ディスクに応用することが提
案されている。
【0006】ところで、光磁気ディスクの記録層に用い
られる前記非晶質合金層は耐酸化性に劣っており、その
ため、この層の上に非磁性無機質薄膜の保護層を形成
し、更に3〜20μmの厚みの樹脂保護層を形成するこ
とが一般的に行われている。
られる前記非晶質合金層は耐酸化性に劣っており、その
ため、この層の上に非磁性無機質薄膜の保護層を形成
し、更に3〜20μmの厚みの樹脂保護層を形成するこ
とが一般的に行われている。
【0007】
【従来技術の課題】しかしながら、このような層構成の
光磁気ディスクに対し上述した磁気ヘッドを用いた場
合、そのディスク停止時には磁気ヘッドとディスクは接
触しており、ディスクの回転開始時や停止時に摩擦抵抗
が生じる。特にディスクの表面保護層として上記のよう
な樹脂保護層を形成している場合、その表面粗さは中心
線平均粗さ0.8〜1nm(以下、nmRaと略称す
る。また、この測定は測定長さを0.2mmに設定して
おこなった。)と高い平滑性を有しており、また、従来
公知の磁気ヘッドの接触面も一般に同程度の平滑性を有
する。このように平滑性の高いもの同士を接触させる
と、その接触面積が大きくなるために摩擦抵抗が大きく
なり、これによってディスクの比較的低い表面硬度の樹
脂保護層は摩耗が進行し、動作時に磁気ヘッドとディス
クが吸着して磁気ヘッドが破壊される、いわゆるヘッド
クラッシュをきたすという問題点があることが判った。
光磁気ディスクに対し上述した磁気ヘッドを用いた場
合、そのディスク停止時には磁気ヘッドとディスクは接
触しており、ディスクの回転開始時や停止時に摩擦抵抗
が生じる。特にディスクの表面保護層として上記のよう
な樹脂保護層を形成している場合、その表面粗さは中心
線平均粗さ0.8〜1nm(以下、nmRaと略称す
る。また、この測定は測定長さを0.2mmに設定して
おこなった。)と高い平滑性を有しており、また、従来
公知の磁気ヘッドの接触面も一般に同程度の平滑性を有
する。このように平滑性の高いもの同士を接触させる
と、その接触面積が大きくなるために摩擦抵抗が大きく
なり、これによってディスクの比較的低い表面硬度の樹
脂保護層は摩耗が進行し、動作時に磁気ヘッドとディス
クが吸着して磁気ヘッドが破壊される、いわゆるヘッド
クラッシュをきたすという問題点があることが判った。
【0008】更に、このようにディスクの摩耗が進行す
ると、ついには保護層本来の役目を果たすことができな
くなって、ディスクの信頼性を低下させることになる。
ると、ついには保護層本来の役目を果たすことができな
くなって、ディスクの信頼性を低下させることになる。
【0009】上記課題を解決する方法として、特開平2
−232836号公報には、光磁気ディスクの保護膜上
に粗面化処理を施した樹脂膜を設けることが提案されて
いるが、この方法では大面積のディスク表面全体を均一
な表面粗度に加工することは困難であり、量産性に乏し
い。
−232836号公報には、光磁気ディスクの保護膜上
に粗面化処理を施した樹脂膜を設けることが提案されて
いるが、この方法では大面積のディスク表面全体を均一
な表面粗度に加工することは困難であり、量産性に乏し
い。
【0010】
【発明の目的】従って本発明の目的は、光磁気ディスク
の量産性を損なうことなしに、磁気ヘッドと光磁気ディ
スクの摩擦抵抗を減少させ、ヘッドクラッシュを防止す
ることにある。
の量産性を損なうことなしに、磁気ヘッドと光磁気ディ
スクの摩擦抵抗を減少させ、ヘッドクラッシュを防止す
ることにある。
【0011】更に本発明の他の目的は光磁気ディスクの
樹脂保護層の摩耗を低減させて、その信頼性を向上させ
ることにある。
樹脂保護層の摩耗を低減させて、その信頼性を向上させ
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の磁界変調オーバ
ーライト用磁気ヘッドは、基板上に少なくとも光磁気記
録磁性体層及び保護層を順次形成した光磁気ディスクに
対し使用するものであって、前記保護層と対面する部位
に、セラミックフィラーを含んだ中心線平均粗さ1〜1
00nmの樹脂層を配設したことを特徴とする。
ーライト用磁気ヘッドは、基板上に少なくとも光磁気記
録磁性体層及び保護層を順次形成した光磁気ディスクに
対し使用するものであって、前記保護層と対面する部位
に、セラミックフィラーを含んだ中心線平均粗さ1〜1
00nmの樹脂層を配設したことを特徴とする。
【0013】
【作用】以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】図1は本発明の磁界変調オーバーライト用
磁気ヘッドの概略を示し、図2はこの磁気ヘッドが磁界
を印加している典型的な光磁気ディスクの断面図を示
す。
磁気ヘッドの概略を示し、図2はこの磁気ヘッドが磁界
を印加している典型的な光磁気ディスクの断面図を示
す。
【0015】図1の磁気ヘッド1はスライダ2とコア3
から構成され、それぞれにセラミックフィラーを含有さ
せた樹脂層5を形成し、光磁気ディスクとの接触面4の
表面粗さ(中心線平均粗さ)を1〜100nmRaに設
定している。セラミックフィラーの平均粒径を適当に選
択することにより所望の表面粗さが得られる。
から構成され、それぞれにセラミックフィラーを含有さ
せた樹脂層5を形成し、光磁気ディスクとの接触面4の
表面粗さ(中心線平均粗さ)を1〜100nmRaに設
定している。セラミックフィラーの平均粒径を適当に選
択することにより所望の表面粗さが得られる。
【0016】1nmRa未満ではデッスクと磁気ヘッド
との摩擦力が大きいため、吸着が発生し、また、100
nmRaを超えると表面粗さが大きすぎるためにヘッド
が浮上しなくなり、ヘッドクラッシュが発生する。本発
明者らの研究によれば、従来公知の磁気ヘッドを使用し
た場合、静摩擦係数が3.2と大きな値であったが、磁
気ヘッドの接触面の表面粗さを上記のように設定するこ
とで同係数を1.0〜0.4と著しく小さくすることが
できた。
との摩擦力が大きいため、吸着が発生し、また、100
nmRaを超えると表面粗さが大きすぎるためにヘッド
が浮上しなくなり、ヘッドクラッシュが発生する。本発
明者らの研究によれば、従来公知の磁気ヘッドを使用し
た場合、静摩擦係数が3.2と大きな値であったが、磁
気ヘッドの接触面の表面粗さを上記のように設定するこ
とで同係数を1.0〜0.4と著しく小さくすることが
できた。
【0017】本発明の磁気ヘッド1では、表面粗さが1
〜100nmRaであるが、好適には1〜80nmRa
がよく、この範囲であれば、磁気ヘッドの浮上特性が安
定化される。
〜100nmRaであるが、好適には1〜80nmRa
がよく、この範囲であれば、磁気ヘッドの浮上特性が安
定化される。
【0018】磁気ヘッド本体の構成としては、スライダ
ー部と磁気コア部を同一磁性材料で一体的に形成したモ
ノリシック型、スライダー部を非磁性セラミック材料、
磁気コア部を磁性材料で成形し、両者を接合して形成し
たコンポジット型などがある。コンポジット型では、ス
ライダー部にはチタン酸カルシウムやチタン酸バリウム
などのセラミック材料を、磁気コア部にはMn−Znフ
ェライトやNi−Znフェライト及びそれらにセンダス
ト合金を薄膜形成したものなどを用いる。
ー部と磁気コア部を同一磁性材料で一体的に形成したモ
ノリシック型、スライダー部を非磁性セラミック材料、
磁気コア部を磁性材料で成形し、両者を接合して形成し
たコンポジット型などがある。コンポジット型では、ス
ライダー部にはチタン酸カルシウムやチタン酸バリウム
などのセラミック材料を、磁気コア部にはMn−Znフ
ェライトやNi−Znフェライト及びそれらにセンダス
ト合金を薄膜形成したものなどを用いる。
【0019】また、セラミックフィラー材料としては、
In2 03 、SnO2 、ITO、SnO2 −Sb、Sb
2 03 、IrO3 、MoO2 、NbO2 、PtO2 、R
uO2、WO2 などの酸化物、MoC、NbC、Ta
C、TiC 、WCなどの炭化物、NbN、Ta2 N、
TiN、VN、ZrNなどの窒化物など導電性を有する
ものや、SiO2 , Al2 03 、CeO3 , ZrO2 、
CdO、Bi2 O3 , Si3 N4 、TiN、SiC、C
dC、ZnSなど導電性を有しないものを用いることが
できるが、摩擦帯電による塵埃の吸着を防止するために
は、導電性を有するものの方が好ましい。この場合、フ
ィラーによって磁気ヘッドの接触部の粗面化と塵埃吸着
防止が同時に達成できることになり、非常に好都合であ
る。これらのフィラーは所望特性に応じて、単一に、も
しくは2種以上を混合して樹脂に分散含有させる。
In2 03 、SnO2 、ITO、SnO2 −Sb、Sb
2 03 、IrO3 、MoO2 、NbO2 、PtO2 、R
uO2、WO2 などの酸化物、MoC、NbC、Ta
C、TiC 、WCなどの炭化物、NbN、Ta2 N、
TiN、VN、ZrNなどの窒化物など導電性を有する
ものや、SiO2 , Al2 03 、CeO3 , ZrO2 、
CdO、Bi2 O3 , Si3 N4 、TiN、SiC、C
dC、ZnSなど導電性を有しないものを用いることが
できるが、摩擦帯電による塵埃の吸着を防止するために
は、導電性を有するものの方が好ましい。この場合、フ
ィラーによって磁気ヘッドの接触部の粗面化と塵埃吸着
防止が同時に達成できることになり、非常に好都合であ
る。これらのフィラーは所望特性に応じて、単一に、も
しくは2種以上を混合して樹脂に分散含有させる。
【0020】樹脂層5の材料としては、アクリル系、エ
ポキシ系、ポリエステル系、アクリル酸エステル系、ア
クリルウレタン系、ポリエーテル系、シリコーン系など
の樹脂を主成分とする、例えば紫外線硬化型樹脂、熱硬
化型樹脂、嫌気性硬化型樹脂、湿気硬化型樹脂などが用
いられるが、就中、紫外線硬化型樹脂が短時間硬化する
ために生産上好ましい。
ポキシ系、ポリエステル系、アクリル酸エステル系、ア
クリルウレタン系、ポリエーテル系、シリコーン系など
の樹脂を主成分とする、例えば紫外線硬化型樹脂、熱硬
化型樹脂、嫌気性硬化型樹脂、湿気硬化型樹脂などが用
いられるが、就中、紫外線硬化型樹脂が短時間硬化する
ために生産上好ましい。
【0021】樹脂層5中へのフィラーの含有量は、3〜
40Wt%の範囲が好適である。3Wt%未満では所望通り
の表面粗度が得られず、40Wt%を越えると樹脂の粘度
が上昇しすぎて塗布に支障をきたす。
40Wt%の範囲が好適である。3Wt%未満では所望通り
の表面粗度が得られず、40Wt%を越えると樹脂の粘度
が上昇しすぎて塗布に支障をきたす。
【0022】樹脂層5の厚みは、磁気ヘッドのコアギャ
ップ部分と光磁気ディスクの記録層との距離が適正にな
る範囲で選択するが、通常この距離は約25μmであ
り、一方、光磁気ディスク側には記録層上に5〜20μ
m厚の樹脂保護層が形成されるため、磁気ヘッド側の樹
脂層5の層厚としては、15μm以下が許容される。
ップ部分と光磁気ディスクの記録層との距離が適正にな
る範囲で選択するが、通常この距離は約25μmであ
り、一方、光磁気ディスク側には記録層上に5〜20μ
m厚の樹脂保護層が形成されるため、磁気ヘッド側の樹
脂層5の層厚としては、15μm以下が許容される。
【0023】セラミックフィラーの平均粒径は、樹脂層
5の表面粗さに影響を与えるが、更にこの表面粗さは樹
脂層5の塗布厚さとも関連がある。所望通りの表面粗度
を達成するためにはフィラーの粒径は0.05〜1μm
がよく、好適には0.15〜0.9μmがよい。
5の表面粗さに影響を与えるが、更にこの表面粗さは樹
脂層5の塗布厚さとも関連がある。所望通りの表面粗度
を達成するためにはフィラーの粒径は0.05〜1μm
がよく、好適には0.15〜0.9μmがよい。
【0024】また、樹脂層5には更に固体潤滑剤の粒子
や液体潤滑剤を含有させてもよい。それによって、摩擦
抵抗を一層低減化することができる。この固体潤滑剤と
しては、二硫化モリブデン、ポリ四フッ化エチレン(登
録商標:テフロン)などがある。
や液体潤滑剤を含有させてもよい。それによって、摩擦
抵抗を一層低減化することができる。この固体潤滑剤と
しては、二硫化モリブデン、ポリ四フッ化エチレン(登
録商標:テフロン)などがある。
【0025】次に光磁気ディスクについては、光磁気記
録用磁性体層として希土類金属−遷移金属の非晶質合金
やガーネット、PtMnSb合金などが用いられるが、
非晶質合金を例に挙げて層構成を説明する。
録用磁性体層として希土類金属−遷移金属の非晶質合金
やガーネット、PtMnSb合金などが用いられるが、
非晶質合金を例に挙げて層構成を説明する。
【0026】図2は本発明に係る光磁気ディスクの典型
的な層構成を示しており、基板6の上に誘電体層7を介
して磁性体層8が形成され、更に磁性体層8の上に無機
質保護層9及び樹脂保護層10が順次形成される。
的な層構成を示しており、基板6の上に誘電体層7を介
して磁性体層8が形成され、更に磁性体層8の上に無機
質保護層9及び樹脂保護層10が順次形成される。
【0027】基板6にはガラス板や透光性プラスチック
板が用いられ、プラスチック基板材料としてはポリカー
ボネート系、ポリオレフィン系、アクリル系、エポキシ
系等の樹脂がある。
板が用いられ、プラスチック基板材料としてはポリカー
ボネート系、ポリオレフィン系、アクリル系、エポキシ
系等の樹脂がある。
【0028】また、誘電体層7は磁性体層に対する基板
の影響を遮断する保護膜としての作用とともに、CN比
を向上させるエンハンスメント効果を誘起する作用があ
り、Si、Al、Tiの窒化物、Siの炭化物、Cd、
Znの硫化物、Mgのフッ化物、Al、Ce、Zr、S
i、Cd、Biの酸化物などにより形成される。
の影響を遮断する保護膜としての作用とともに、CN比
を向上させるエンハンスメント効果を誘起する作用があ
り、Si、Al、Tiの窒化物、Siの炭化物、Cd、
Znの硫化物、Mgのフッ化物、Al、Ce、Zr、S
i、Cd、Biの酸化物などにより形成される。
【0029】磁性体層8は非晶質垂直磁化膜であって、
例えばGdDyFe、GdTbFe、TbFeCo、D
yFeCo、NdGdDyFe、GdTbDyFe、G
dTbFeCo、TbDyFeCo、GdDyFeC
o、NdDyFeCoなどがある。
例えばGdDyFe、GdTbFe、TbFeCo、D
yFeCo、NdGdDyFe、GdTbDyFe、G
dTbFeCo、TbDyFeCo、GdDyFeC
o、NdDyFeCoなどがある。
【0030】無機質保護層9は、Ti、Cr、Ta、A
l、Zrなどの耐食性金属、もしくはこれらの化合物、
または上記誘電体層7に用いられたのとと同一材料によ
っても形成される。更に、金属層と化合物層、金属層と
誘電体層等を組み合わせて積層したものなども目的に応
じて用いることができる。
l、Zrなどの耐食性金属、もしくはこれらの化合物、
または上記誘電体層7に用いられたのとと同一材料によ
っても形成される。更に、金属層と化合物層、金属層と
誘電体層等を組み合わせて積層したものなども目的に応
じて用いることができる。
【0031】以上の各層7、8、9は公知の薄膜形成手
段、例えばスパッタリング法により形成すればよい。
段、例えばスパッタリング法により形成すればよい。
【0032】また、樹脂保護層10については、エポキ
シ系、ポリエステル系、アクリル系、ウレタンアクリレ
ート系などの紫外線硬化型樹脂により形成するが、必要
に応じてその樹脂に固体もしくは液体の潤滑材を入れて
磁気ヘッドとの摩擦抵抗を減少させることができる。ま
た、紫外線硬化型樹脂を用いる場合、硬化後の硬度が鉛
筆硬度で2H以上となる樹脂を用いるのが、長寿命化の
点で望ましい。
シ系、ポリエステル系、アクリル系、ウレタンアクリレ
ート系などの紫外線硬化型樹脂により形成するが、必要
に応じてその樹脂に固体もしくは液体の潤滑材を入れて
磁気ヘッドとの摩擦抵抗を減少させることができる。ま
た、紫外線硬化型樹脂を用いる場合、硬化後の硬度が鉛
筆硬度で2H以上となる樹脂を用いるのが、長寿命化の
点で望ましい。
【0033】以上のように本発明の磁気ヘッド1におい
ては、樹脂層5を形成したことで、摩擦係数を低減化で
き、ヘッドクラッシュを防止できるとともに、磁気ヘッ
ドの接触面の大半がセラミックやフェライトに比較して
硬度の小さい樹脂層に覆われているため、ディスクの樹
脂保護層の摩耗量を低減化でき、これにより、ディスク
の長期信頼性を高めることができる。
ては、樹脂層5を形成したことで、摩擦係数を低減化で
き、ヘッドクラッシュを防止できるとともに、磁気ヘッ
ドの接触面の大半がセラミックやフェライトに比較して
硬度の小さい樹脂層に覆われているため、ディスクの樹
脂保護層の摩耗量を低減化でき、これにより、ディスク
の長期信頼性を高めることができる。
【0034】
【実施例】次に本発明の実施例を述べる。
【0035】光磁気ディスクは下記のように作製した。
【0036】ポリカーボネート樹脂製ディスク基板をマ
グネトロンスパッタリング装置に配置し、また、この装
置にスパッタリングターゲットとして、イットリウムサ
イアロンセラミック焼結体を備えた。そして、5×10
-7Torrに至るまで十分に真空排気し、しかる後、Ar圧
を所定値に設定し、印加電力1KWで5分間プレスパッタ
し、厚み1000Åの非晶質イットリウムサイアロン層
をスパッタリング形成した。次いで基板を装置内に保持
したままターゲットをGdDyFeターゲットに交換
し、同じくスパッタリング法によって、上記非晶質イッ
トリウムサイアロン層の上に厚み200Åの磁性体層を
形成した。そして、同様の手順で続けて非晶質イットリ
ウムサイアロン層を300Åの厚みで、金属アルミニウ
ム層を1000Åの厚みで夫々順次形成した。
グネトロンスパッタリング装置に配置し、また、この装
置にスパッタリングターゲットとして、イットリウムサ
イアロンセラミック焼結体を備えた。そして、5×10
-7Torrに至るまで十分に真空排気し、しかる後、Ar圧
を所定値に設定し、印加電力1KWで5分間プレスパッタ
し、厚み1000Åの非晶質イットリウムサイアロン層
をスパッタリング形成した。次いで基板を装置内に保持
したままターゲットをGdDyFeターゲットに交換
し、同じくスパッタリング法によって、上記非晶質イッ
トリウムサイアロン層の上に厚み200Åの磁性体層を
形成した。そして、同様の手順で続けて非晶質イットリ
ウムサイアロン層を300Åの厚みで、金属アルミニウ
ム層を1000Åの厚みで夫々順次形成した。
【0037】次に上記成膜基板をスパッタリング装置よ
り取り出し、更にアクリルウレタン系紫外線硬化型樹脂
を上記金属アルミニウム層の上に10μmの厚みでスピ
ンコートし、そして、紫外線を照射して硬化させた。硬
化後の樹脂の硬度は鉛筆硬度2Hに設定した。
り取り出し、更にアクリルウレタン系紫外線硬化型樹脂
を上記金属アルミニウム層の上に10μmの厚みでスピ
ンコートし、そして、紫外線を照射して硬化させた。硬
化後の樹脂の硬度は鉛筆硬度2Hに設定した。
【0038】また、磁気ヘッドについては、スライダー
材料が焼結チタン酸カルシウム、コア材料が焼結Mn−
Znフェライトであるコンポジットヘッドを用いて、そ
のディスクとの接触面に以下の方法でセラミックフィラ
ー含有の樹脂層を形成し、フィラー材質、表面粗さの異
なる磁気ヘッドF〜Jを準備した。更に比較のために樹
脂層を形成しない磁気ヘッドEも準備した。
材料が焼結チタン酸カルシウム、コア材料が焼結Mn−
Znフェライトであるコンポジットヘッドを用いて、そ
のディスクとの接触面に以下の方法でセラミックフィラ
ー含有の樹脂層を形成し、フィラー材質、表面粗さの異
なる磁気ヘッドF〜Jを準備した。更に比較のために樹
脂層を形成しない磁気ヘッドEも準備した。
【0039】磁気ヘッドF〜Jについては、樹脂層形成
前に被膜面を研磨及び洗浄し、プラズマ処理を行って、
膜密着性を高めるようにした。その後、アクリル酸エス
テル系の紫外線硬化型樹脂(大日本インキ化学工業株式
会社製:SD−17)に、フィラーとしてアンチモンド
ープの酸化スズまたはSiO2 の平均粒径0.15〜1
μmのフィラーを3〜40Wt%混合し、更に分散溶媒と
してイソプロピルアルコールとブタノールの1:1混合
溶媒を10〜15Wt%混合したものを塗布液として準備
し、その塗布液をスプレーコーティング法により前記磁
気ヘッドの接触面に塗布硬化させた。
前に被膜面を研磨及び洗浄し、プラズマ処理を行って、
膜密着性を高めるようにした。その後、アクリル酸エス
テル系の紫外線硬化型樹脂(大日本インキ化学工業株式
会社製:SD−17)に、フィラーとしてアンチモンド
ープの酸化スズまたはSiO2 の平均粒径0.15〜1
μmのフィラーを3〜40Wt%混合し、更に分散溶媒と
してイソプロピルアルコールとブタノールの1:1混合
溶媒を10〜15Wt%混合したものを塗布液として準備
し、その塗布液をスプレーコーティング法により前記磁
気ヘッドの接触面に塗布硬化させた。
【0040】かくして得られた光磁気ディスク磁気ヘッ
ドを用いて、コンタクトスタートストップ(CSS)耐
久試験を行い、ヘッドクラッシュ発生までのサイクル回
数を測定したところ、表1に示す通りの結果が得られ
た。
ドを用いて、コンタクトスタートストップ(CSS)耐
久試験を行い、ヘッドクラッシュ発生までのサイクル回
数を測定したところ、表1に示す通りの結果が得られ
た。
【0041】CSS耐久試験は2400rpmの回転
数、サイクル15秒の条件により行った。ヘッド浮上時
の回転数はヘッドのクラッシュ音がない時のデイスク回
転数として測定し、クラッシュ発生までのサイクル回転
数と、環境試験前後のビットエラーレイトの測定を行っ
た。環境試験は、CSS試験後の光磁気ディスクを80
℃、90%RHの高温高湿槽内に1000時間放置の条
件で行った。また、静摩擦係数も同時に測定し、その結
果を表1に示す。
数、サイクル15秒の条件により行った。ヘッド浮上時
の回転数はヘッドのクラッシュ音がない時のデイスク回
転数として測定し、クラッシュ発生までのサイクル回転
数と、環境試験前後のビットエラーレイトの測定を行っ
た。環境試験は、CSS試験後の光磁気ディスクを80
℃、90%RHの高温高湿槽内に1000時間放置の条
件で行った。また、静摩擦係数も同時に測定し、その結
果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1より、表面粗さを1〜100nmRa
とした磁気ヘッドG、H、Jは静摩擦係数が小さく、し
かもディスク回転数1800rpm以下でヘッドが浮上
し,サイクル回数10万回までヘッドクラッシュが発生
せず、ヘッドクラッシュ発生の阻止効果がきわめて大き
いことが確認できる。更に、環境試験での信頼性も高い
ことが判る。
とした磁気ヘッドG、H、Jは静摩擦係数が小さく、し
かもディスク回転数1800rpm以下でヘッドが浮上
し,サイクル回数10万回までヘッドクラッシュが発生
せず、ヘッドクラッシュ発生の阻止効果がきわめて大き
いことが確認できる。更に、環境試験での信頼性も高い
ことが判る。
【0044】然るに、表面粗さを1nmRa未満とした
磁気ヘッドFや、表面粗さを100nmRaよりも大き
くした磁気ヘッドIはヘッド浮上時のディスク回転数が
1800rpmよりも高くなり、さらにヘッドクラッシ
ュ発生阻止効果が小さいことが判る。
磁気ヘッドFや、表面粗さを100nmRaよりも大き
くした磁気ヘッドIはヘッド浮上時のディスク回転数が
1800rpmよりも高くなり、さらにヘッドクラッシ
ュ発生阻止効果が小さいことが判る。
【0045】更に、樹脂を形成せず、且つ表面粗さを1
nmRa未満とした磁気ヘッドEは、ヘッドクラッシュ
発生阻止効果が小さく、環境試験での信頼性も低いこと
が判る。
nmRa未満とした磁気ヘッドEは、ヘッドクラッシュ
発生阻止効果が小さく、環境試験での信頼性も低いこと
が判る。
【0046】尚、磁気ヘッドを構成する材料や、樹脂層
の構成、磁気ヘッドに組み合わせて用いる光磁気ディス
クは上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要
旨を逸脱しない範囲内で種々の構成を採用できる。
の構成、磁気ヘッドに組み合わせて用いる光磁気ディス
クは上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要
旨を逸脱しない範囲内で種々の構成を採用できる。
【0047】
【発明の効果】以上の通り、本発明の磁界変調オーバー
ライト用磁気ヘッドによれば、セラミックフィラーを含
有させた樹脂層でもって、その表面粗さを1〜100n
mRaとしたことにより、磁気ヘッドとディスクの摩擦
抵抗を減少させ、ヘッドクラッシュを防止することがで
き、しかも、ディスクの樹脂保護層の摩耗を低減して、
その信頼性を向上させることができた。
ライト用磁気ヘッドによれば、セラミックフィラーを含
有させた樹脂層でもって、その表面粗さを1〜100n
mRaとしたことにより、磁気ヘッドとディスクの摩擦
抵抗を減少させ、ヘッドクラッシュを防止することがで
き、しかも、ディスクの樹脂保護層の摩耗を低減して、
その信頼性を向上させることができた。
【図1】本発明の磁気ヘッドの概略図。
【図2】実施例の光磁気ディスクに係わる層構成を示す
断面図。
断面図。
1 磁気ヘッド 2 スライダー 3 コア 5 樹脂層
Claims (1)
- 【請求項1】基板上に少なくとも光磁気記録磁性体層及
び保護層を順次形成した光磁気ディスクに用いる磁界変
調オーバーライト用磁気ヘッドにおける前記保護層と対
面する部位に、セラミックフィラーを含んだ中心線平均
粗さ1〜100nmの樹脂層を配設したことを特徴とす
る磁界変調オーバーライト用磁気ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15310891A JP2851719B2 (ja) | 1991-06-25 | 1991-06-25 | 磁界変調オーバーライト用磁気ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15310891A JP2851719B2 (ja) | 1991-06-25 | 1991-06-25 | 磁界変調オーバーライト用磁気ヘッド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH052790A JPH052790A (ja) | 1993-01-08 |
JP2851719B2 true JP2851719B2 (ja) | 1999-01-27 |
Family
ID=15555150
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15310891A Expired - Fee Related JP2851719B2 (ja) | 1991-06-25 | 1991-06-25 | 磁界変調オーバーライト用磁気ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2851719B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07176103A (ja) * | 1993-12-20 | 1995-07-14 | Canon Inc | 光磁気記録再生システムならびにこれに用いる磁気ヘッド及び光磁気記録媒体 |
JP4890077B2 (ja) * | 2006-04-11 | 2012-03-07 | 新科實業有限公司 | スライダの製造方法 |
-
1991
- 1991-06-25 JP JP15310891A patent/JP2851719B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH052790A (ja) | 1993-01-08 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |