JP2549214B2 - 光磁気記録媒体およびそのドライブ装置 - Google Patents

光磁気記録媒体およびそのドライブ装置

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JP2549214B2
JP2549214B2 JP3109681A JP10968191A JP2549214B2 JP 2549214 B2 JP2549214 B2 JP 2549214B2 JP 3109681 A JP3109681 A JP 3109681A JP 10968191 A JP10968191 A JP 10968191A JP 2549214 B2 JP2549214 B2 JP 2549214B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気記録媒体とその
ドライブ装置とに係り、特に、光磁気記録媒体とドライ
ブ装置に備えられた磁界発生装置との摺動によって発生
する摩擦熱の影響を除くための手段に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばコンピュータの外部記憶装置とし
て実用化されている光磁気ディスク等の光磁気記録媒体
は、透明基板上に少なくとも磁性層(例えば、希土類−
遷移金属系の非晶質垂直磁化膜)を含む薄膜を形成して
なり、透明基板を通じて磁性層にレーザビームを照射
し、磁性層を局所的にキュリー温度近傍あるいはそれ以
上の温度まで昇温しつつ磁界発生装置より磁性層にバイ
アス磁界を印加し、磁性層の磁化の向きを可逆的に反転
させて情報の記録と消去とを行う。
【0003】磁性層にバイアス磁界を印加する磁界発生
装置には、媒体駆動時、光磁気記録媒体上を摺動する接
触式と、光磁気記録媒体より離隔した位置に保持される
非接触式とがあるが、接触式の磁界発生装置は、磁界発
生部を磁性層により近接して配置することができ、かつ
媒体の面振れ等に関係なく常に磁界発生部から磁性層ま
での距離をほぼ一定に保つことができるので、小さな磁
界で安定な記録および消去を行うことができるという点
で非接触式よりも優れる。その反面、接触式の磁界発生
装置は、光磁気記録媒体の薄膜を摩耗や衝撃により損傷
しやすいという欠点を有している。
【0004】かかる欠点を解決するため、従来より、例
えば特開昭64−42039号公報に記載されているよ
うに薄膜上に潤滑層を形成したものや、例えば特開昭6
4−43834号公報および特開平1−227241号
公報に記載されているように薄膜上に高分子シートある
いは非磁性金属の薄板を形成したものが提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】接触式の磁界発生装置
の使用を可能にするためには、前記従来技術のように光
磁気記録媒体の耐摩耗性および耐衝撃性を改善するだけ
では足りず、光磁気記録媒体と磁界発生装置との摺動に
よって発生する摩擦熱の影響を除去するための何らかの
手段を必要とする。すなわち、摩擦熱によって磁性層が
昇温されると、レーザビーム照射による磁性層の温度制
御が困難になり、情報の誤記録や誤消去を起しやすくな
るからである。
【0006】本発明は、かかる課題を解決するためにな
されたものであって、摩擦熱によって磁性層が昇温され
ない構造の光磁気記録媒体、および摩擦熱を記録トラッ
クに作用させない構造の磁界発生装置を備えたドライブ
装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するため、光磁気記録媒体に関しては、透明基板上
に少なくとも磁性層を含む薄膜と断熱層と高熱伝導層と
潤滑層とを形成してなり、前記透明基板を通じて前記磁
性層にレーザビームを照射しつつ前記磁性層にバイアス
磁界を印加して情報の記録と消去とを行う光磁気記録媒
体において、前記高熱伝導層を高熱伝導物質の箔体にて
構成すると共に、前記断熱層を前記薄膜と前記高熱伝導
層とを接着する接着剤もしくは粘着剤にて構成した。
【0008】また、ドライブ装置に関しては、光磁気記
録媒体を介して、磁性層にレーザビームスポットを照射
する光学ヘッドと、磁性層にバイアス磁界を印加する磁
界発生装置とが相対向に配設され、かつ前記磁界発生装
置が前記光磁気記録媒体上を摺動するように構成された
光磁気記録媒体のドライブ装置において、前記磁界発生
装置に前記光磁気記録媒体と非接触の磁界発生面と媒体
摺動面とを形成し、前記磁界発生面を前記レーザビーム
スポットが照射された記録トラックに位置付けると共
に、前記媒体摺動面を当該レーザビームスポットが照射
された記録トラックの隣接領域上に配設するという構成
にした。
【0009】
【作用】前記第1の手段によると、光磁気記録媒体と磁
界発生装置との摺動によって発生した熱が高熱伝導層を
通じて膜面方向に拡散されると共に、断熱層によって磁
性層側への伝播が防止されるので、摩擦熱によって磁性
層がほとんど昇温されることがない。よって、レーザビ
ーム照射による磁性層の温度制御が容易になり、情報の
誤記録や誤消去が防止される。また、磁界発生装置が摺
動される面に潤滑層を形成したので光磁気記録媒体の耐
摩耗性が改善される。さらには、磁性層上に断熱層と高
熱伝導層と潤滑層とを積層したので、磁性層の耐衝撃性
と耐食性とが併せて改善される。この場合、前記高熱伝
導層を高熱伝導物質の箔体にて構成し、前記断熱層を前
記薄膜と前記高熱伝導層とを接着する接着剤もしくは粘
着剤にて構成すると、透明基板上に形成された磁性層を
含む薄膜上にローラ塗布等の手段によって接着剤層もし
くは粘着剤層を形成した後、これら接着剤層もしくは粘
着剤層に別途作製された箔体を接着するだけで断熱層と
高熱伝導層とを作製することができるので、高熱伝導層
及び断熱層をスパッタリング等の真空成膜手段によって
形成する場合に比べて光磁気記録媒体の製造が格段に容
易になり、光磁気記録媒体の製造コストを低減すること
ができる。
【0010】また前記第2の手段によると、レーザビー
ムスポットがアクセスされ、情報の記録、再生、消去が
行われている記録トラック上を磁界発生装置が摺動しな
いので、光磁気記録媒体と磁界発生装置との摺動によっ
て発生した摩擦熱が直接当該記録トラックに作用せず、
記録トラック上を磁界発生装置が摺動する場合に比べて
摩擦熱の影響を緩和することができる。よって、前記と
同様にレーザビーム照射による磁性層の温度制御が容易
になり、情報の誤記録や誤消去が防止される。加えて、
当該手段によると、従来の磁界発生装置をそのまま利用
することができるので、小型にして省電力性及び記録再
生特性に優れたドライブ装置を安価に実現できる。
【0011】
【実施例】図1は本発明に係る光磁気記録媒体の一例を
示す要部断面図であり、図2は平面図である。図1に示
すように、本発明の光磁気記録媒体は、片面にレーザビ
ームスポットを案内するための案内溝や記録領域のアド
レスを表示するプリピットなどのプリフォーマットパタ
ーン1が形成された透明基板2と、透明基板2のプリフ
ォーマットパターン形成面に担持された第1エンハンス
層3と、第1エンハンス層3上に積層された磁性層4
と、磁性層4上に積層された第2エンハンス層5と、第
2エンハンス層5上に積層された反射層6と、反射層6
上に積層された断熱層7と、断熱層7上に積層された高
熱伝導層8と、高熱伝導層8上に積層された潤滑層9と
から構成されている。
【0012】透明基板2は、図2に示すように、例えば
ガラスなどの透明セラミック材料や、ポリカーボネー
ト、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルペンテン、
エポキシなどの硬質透明樹脂材料をもって、中心部にセ
ンター孔2aを有する所望直径の円板状に形成される。
プリフォーマットパターン1は、図2に示すように、セ
ンター孔2aと同心の渦巻状もしくは同心円状に形成さ
れる。なお、プリフォーマットパターン1の形成方法に
ついては、公知に属する事項でありかつ本発明の要旨と
は直接関係がないので、説明を省略する。
【0013】第1エンハンス層3は、透明基板2と磁性
層4との間で信号再生用ビームを多重反射させ、見かけ
上のカー回転角を大きくすることによって再生感度を向
上させるものであって、透明基板1よりも光の屈折率が
大きな、例えば窒化珪素などの誘電体によって形成され
る。
【0014】磁性層4は、公知に属する任意の組成の光
磁気記録用の磁性層を用いることができるが、特に、希
土類元素−遷移金属系の垂直磁化膜が好適である。希土
類元素−遷移金属系の垂直磁化膜としては、スパッタリ
ング法によって成膜されるテルビウム−鉄−コバルト系
の合金が特に好適であり、これに白金やニオブを添加し
たものも良好な結果を得られる。
【0015】第2エンハンス層5は、磁性層4の熱が反
射層6に拡散するのを防止し、かつ磁性層4を衝撃や腐
食などから保護し、さらには磁性層4と反射層6との間
で磁性層4を透過したレーザビームを多重反射させ、見
かけ上のカー回転角を大きくすることによって再生感度
を向上させるものであって、前記第1エンハンス層3と
同様の誘電体によって形成される。
【0016】反射層6は、磁性層4への透湿を防止する
と共に、磁性層4を透過したレーザビームを入射側に戻
すためのものであって、例えば金やアルミニウムなどの
金属材料、あるいはこれら金属材料を主成分とする合金
材料、それにいわゆる銀鏡などの高反射率材料によって
形成される。
【0017】断熱層7は、例えばポリテトラフルオロエ
チレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化
ビニリデン、ポリフィニレンオキシド、ポリスルホン、
ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、
ポリベンズイミダゾールなどの耐熱性高分子材料の蒸着
膜をもって形成することもできるが、前記反射層6と高
熱伝導層8とを接着する接着剤もしくは粘着剤をもって
形成することがより好ましい。接着剤もしくは粘着剤か
らなる断熱層7は、例えばローラ塗布やスプレー塗布等
の手段をもって形成することができる。
【0018】高熱伝導層8は、アルミニウム、銅、錫、
シリコン、セリウム、ランタン、インジウム、ゲルマニ
ウム、鉛、ビスマス、テルル、タンタル、スカンジウ
ム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、カドミウ
ム、亜鉛、セレン、アンチモン、ガリウム、マグネシウ
ム、ホウ素、炭素などの金属材料または非金属材料、も
しくはCeO2,La23,SiO,SiO2,In
23,Al23,GeO,GeO2,PbO,SnO,
SnO2,Bi23,TeO2,Ta25,Sc23,Y
23,TiO2,ZrO2,V25,Nb25,Cr
23,WO2,WO3,CdS,ZnS,CdSe,Zn
Se,In23,In2Se3,Sb23,Sb2Se3
Ga23,Ga2Se3,GeS,GeSe,GeS
2,SnS,SnS2,SnSe,SnSe2,Pb
S,PbSe,Bi2Se3,Bi23,MgF2,Ce
2,CaF2,TaN,Si34,AlN,BN,Ti
2,B4C,SiCなどの合金または無機化合物の箔体
をもって形成することができる。
【0019】潤滑層9は、ヘキサデカン、ブチルステア
レート、オレイン酸、エチルステアレート、ステアリン
酸、オクタデシルアミン、固形ステアリン酸などの潤滑
剤をもって形成される。潤滑層9の形成手段としては、
潤滑剤の溶剤溶液を高熱伝導層8の表面にコーティング
する方法、潤滑剤を含浸させた高分子シートを高熱伝導
層8の表面に貼着する方法、前記高熱伝導層8の表面を
ポリッシングし、形成された微細な凹部内に潤滑剤を含
浸させる方法などを採ることができる。
【0020】前記実施例の光磁気記録媒体は、反射層6
の表面に断熱層7を介して高熱伝導層8を形成し、さら
にこの高熱伝導層8上に潤滑層9を形成したので、これ
らの各層7〜9が反射層6以下の層の保護膜として機能
し、磁界発生装置を摺動させたときの耐摩耗性および耐
衝撃性、それに磁性層の耐食性が改善される。また、光
磁気記録媒体と磁界発生装置との摺動によって発生した
摩擦熱が高熱伝導層8を通じて膜面方向に拡散されると
共に、断熱層7によって磁性層4側への伝播が防止され
るので、摩擦熱によって磁性層4がほとんど昇温される
ことがない。よって、レーザビーム照射による磁性層の
温度制御が容易になり、情報の誤記録や誤消去が防止さ
れる。この場合、前記高熱伝導層を高熱伝導物質の箔体
にて構成すると共に、前記断熱層を前記薄膜と前記高熱
伝導層とを接着する接着剤もしくは粘着剤にて構成した
ので、透明基板上に形成された磁性層を含む薄膜上にロ
ーラ塗布等の手段によって接着剤層もしくは粘着剤層を
形成した後、これら接着剤層もしくは粘着剤層に別途作
製された箔体を接着するだけで断熱層と高熱伝導層とを
作製することができ、高熱伝導層及び断熱層をスパッタ
リング等の真空成膜手段によって形成する場合に比べて
光磁気記録媒体の製造が格段に容易になり、光磁気記録
媒体の製造コストを低減することができる。
【0021】なお、前記実施例においては、ディスク状
光磁気記録媒体を例にとって説明したが、カード状光磁
気記録媒体など他の形状の光磁気記録媒体にも応用でき
ることは勿論である。
【0022】また、前記実施例においては、断熱層7の
下地が第1エンハンス層3と磁性層4と第2エンハンス
層5と反射層6とからなる4層構造になっている光磁気
記録媒体を例にとって説明したが、本発明の要旨がこれ
に限定されるものではなく、少なくとも磁性層を有する
全ての膜構造を有する光磁気記録媒体に応用することが
できる。
【0023】次に、本発明に係る光磁気記録媒体ドライ
ブ装置の一例を、図3によって説明する。図3におい
て、11は光磁気記録媒体、12は光磁気記録媒体11
の磁性層4にレーザビームスポットを照射する光学ヘッ
ド、13は磁性層4にバイアス磁界を印加する磁界発生
装置を示し、その他図1と対応する部分にはそれと同一
の符号が表示されている。
【0024】この図に示すように、本例のドライブ装置
には、磁性発生装置13として、強磁性材料によって形
成されたヨーク14と、該ヨーク14の一部に巻回され
たコイル15とからなる電磁石が備えられている。ヨー
ク14は、媒体駆動時に光磁気記録媒体11の潤滑層9
に接触する外側ヨーク14a,14bと、光磁気記録媒
体11とは非接触のセンターヨーク14cとから構成さ
れており、外側ヨーク14a,14bの先端部が媒体摺
動面に、センターヨーク14cの先端部が記録磁界また
は消去磁界Hの発生部になっている。外側ヨーク14
a,14bの先端部からセンターヨーク14cの先端部
までの段差sは、センターヨーク14cの先端部が光磁
気記録媒体11に接触しないだけの大きさがあれば足り
る。一方、この段差sが大きくなるにしたがって磁性層
4に印加される磁界が低下するため、これらを考慮して
段差sの大きさは、1〜50μm程度とすることが好ま
しい。前記磁性発生装置13は、図3に示すように、セ
ンターヨーク14cの先端部を光学ヘッド12の光軸A
−Aと同軸に位置付け、外側ヨーク14a,14bをレ
ーザビーム16がアクセスされている記録トラックの隣
接領域に当接するようにして配設される。
【0025】前記実施例のドライブ装置は、磁界発生部
であるセンターヨーク14cを光磁気記録媒体11と非
接触に構成し、媒体摺動面である外側ヨーク14a,1
4bをレーザビームスポットが照射された記録トラック
の隣接領域に当接するようにしたので、図3に示すよう
に、光磁気記録媒体11と磁界発生装置13との摺動に
よって発生した摩擦熱Jが情報の記録、再生、消去が行
われている記録トラックに直接作用せず、記録トラック
上を磁界発生装置13が摺動する場合に比べて摩擦熱の
影響を緩和することができる。よって、レーザビーム照
射による磁性層の温度制御が容易になり、情報の誤記録
や誤消去が防止される。また、本例のドライブ装置は、
従来よりこの種のドライブ装置の磁界発生装置として用
いられている磁界発生装置13をそのまま利用すること
によって構成できるので、小型にして省電力性及び記録
再生特性に優れたドライブ装置を安価に実現できる。
【0026】なお、前記実施例においては、磁界発生装
置13として、センターヨーク14cの両側に外側ヨー
ク14a,14bが設けられたいわゆる両ヨーク形の電
磁石を用いた場合を例にとって説明したが、図4に示す
ように、センターヨーク(磁界発生部)14cの片側に
のみ外側ヨーク14aが設けられたいわゆる片ヨーク形
の電磁石を用いることもできる。
【0027】また、前記実施例においては、磁界発生装
置13として電磁石を用いた場合を例にとって説明した
が、磁気ヘッドや永久磁石など、他種の磁界発生装置を
用いた場合にも、同様に構成される。
【0028】以下に本発明の実験例を示し、本発明の効
果を明らかにする。 〈実験例1〉射出成形法にて形成された円板状のポリカ
ーボネート基板のプリフォーマットパターン転写面に、
SiNよりなる第1エンハンス層と、テルビウム−鉄−
コバルト系の非晶質垂直磁化膜よりなる磁性層と、Si
Nよりなる第2エンハンス層と、AlTiよりなる反射
層をスパッタリング法により順次積層し、多数の同一構
成の光磁気ディスクを作製した。しかる後に、それぞれ
別個の光磁気ディスクの反射層上に、厚さが異なる各種
のアルミニウム箔を接着剤にて接着し、断熱層および高
熱伝導層を有する各種の光磁気ディスクを作製した。最
後に、各光磁気記録媒体のアルミニウム箔上にステアリ
ン酸のベンゼン溶液をスピンコートし、乾燥して潤滑層
付きの光磁気ディスクを作製した。また、比較例とし
て、アルミニウム箔が接着されておらず、かつ潤滑層が
形成されていない点を除いて、前記実験例1と同じに形
成された光磁気ディスクを作製した。この実験例1に係
る光磁気ディスクを図3の磁界発生装置を備えたドライ
ブ装置に装着して情報の記録、再生、消去を106 回繰
り返した後のエラーレートと、比較例に係る光磁気ディ
スクを従来の接触式の磁界発生装置を備えたドライブ装
置に装着して情報の記録、再生、消去を106 回繰り返
した後のエラーレートとを測定し、アルミニウム箔の厚
さとエラーレートとの関係を調べた。その結果を図5に
示す。図5から明らかなように、実験例1の光磁気ディ
スクは、厚さが約54μm以上のアルミニウム箔が接着
されたものを除き、いずれも比較例の光磁気ディスクよ
りもエラーレートが減少している。ただし、アルミニウ
ム箔の厚さには最適値があり、約14〜42μmの厚さ
のアルミニウム箔が接着された光磁気ディスクは、情報
の記録、再生、消去を106 回繰り返した後においても
1×107 以下のエラーレートを保持することができる
が、これよりも薄いアルミニウム箔が接着された光磁気
ディスクおよびこれよりも厚いアルミニウム箔が接着さ
れた光磁気ディスクは、共にエラーレートが上昇する。
これは、ある程度厚いアルミニウム箔を接着しないと充
分な摩擦熱の放熱効果を得ることができず、反対にアル
ミニウム箔の厚さが大きくなるほど磁界発生装置の磁界
が透過しにくくなるためである。
【0029】〈実験例2〉実験例1と同様にして作製さ
れた光磁気ディスクの反射層上に、20μmの厚さのア
ルミニウム箔を接着剤にて接着し、次いでこのアルミニ
ウム箔上にステアリン酸のベンゼン溶液をスピンコート
し、乾燥して潤滑層付きの光磁気ディスクを作製した。
この実験例2に係る光磁気ディスクを、図3の磁界発生
装置を備えたドライブ装置であって磁界発生装置の段差
sの大きさが異なる種々のドライブ装置に装着して情報
の記録、再生、消去を行い、エラーレートを測定した。
図6に、段差sの大きさとエラーレートとの関係を示
す。図6から明らかなように、磁界発生装置にわずかで
も段差sを設けると(例えば、0.1μm程度)エラー
レートの改善に効果があるが、段差sを40μm以上に
するとエラーレートが上昇に転じ、段差sを約52μm
以上にするとエラーレートが段差sを有しない磁界発生
装置を用いた場合よりも悪くなる。これは、段差sが過
大になると、磁界発生装置の磁界が磁性層に達しなくな
るためである。
【0030】〈実験例3〉実験例1に係る光磁気ディス
ク、および実験例1の欄で説明した比較例に係る光磁気
ディスクを温度80℃、相対湿度90%の環境下に10
00時間した後、アルミニウム箔の厚さと欠陥の総数と
の関係を調べた。その結果を図7に示す。図7から明ら
かなように、反射層上にアルミニウム箔を接着すると欠
陥の減少に顕著な効果がある。特に、厚さが1μm以上
のアルミニウム箔を接着すると、欠陥を最低レベルにす
ることができる。実験例1および3より、反射層上に接
着されるアルミニウム箔の厚さは、1〜50μmとする
ことが好ましいことがわかる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光磁気記
録媒体は、記録層の表面に断熱層と高熱伝導層と潤滑層
とを順次積層したので、耐摩耗性、耐衝撃性、耐食性と
共に耐摩擦熱性が改善され、接触式の磁界発生装置を備
えたドライブ装置を用いて信頼性の高い情報の記録、再
生、消去動作を行うことができる。また、前記高熱伝導
層を高熱伝導物質の箔体にて構成すると共に、前記断熱
層を前記記録層と前記高熱伝導層とを接着する接着剤も
しくは粘着剤にて構成したので、透明基板上に形成され
た磁性層を含む薄膜上にローラ塗布等の手段によって接
着剤層もしくは粘着剤層を形成した後、これら接着剤層
もしくは粘着剤層に別途作製された箔体を接着するだけ
で断熱層と高熱伝導層とを作製することができる。よっ
て、高熱伝導層及び断熱層をスパッタリング等の真空成
膜手段によって形成する場合に比べて光磁気記録媒体の
製造が格段に容易になり、光磁気記録媒体の製造コスト
を低減することができる。
【0032】また、本発明のドライブ装置は、磁界発生
装置の磁界発生部を光磁気記録媒体と非接触に構成する
と共に、その媒体摺動面を磁界発生部が位置付けられて
いる記録トラックの隣接領域に当接するので、光磁気記
録媒体と磁界発生装置との摺動によって発生した摩擦熱
が情報の記録、再生、消去が行われている記録トラック
に直接作用せず、記録トラック上を磁界発生装置が摺動
する場合に比べて摩擦熱の影響を緩和することができ
る。よって、レーザビーム照射による磁性層の温度制御
が容易になり、情報の誤記録や誤消去が防止される。ま
た、本発明のドライブ装置は、従来よりこの種のドライ
ブ装置の磁界発生装置として用いられている磁界発生装
置をそのまま利用することによって構成できるので、小
型にして省電力性及び記録再生特性に優れたドライブ装
置を安価に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光磁気記録媒体の一例を示す要部
断面図である。
【図2】本発明に係る光磁気記録媒体の一例を示す平面
図である。
【図3】本発明に係るドライブ装置の一例を示す説明図
である。
【図4】磁界発生装置の他の例を示す説明図である。
【図5】アルミニウム箔の厚さとエラーレートとの関係
を示すグラフ図である。
【図6】磁界発生装置の段差とエラーレートとの関係を
示すグラフ図である。
【図7】アルミニウム箔の厚さと欠陥の総数との関係を
示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 プリフォーマットパターン 2 透明基板 3 第1エンハンス層 4 磁性層 5 第2エンハンス層 6 反射層 7 断熱層 8 高熱伝導層 9 潤滑層 11 光磁気記録媒体 12 光学ヘッド 13 磁界発生装置 s 段差
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 浩幸 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立 マクセル株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−8346(JP,A) 特開 平2−105352(JP,A) 特開 平2−240846(JP,A) 特開 平2−161640(JP,A) 特開 平4−95251(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に少なくとも磁性層を含む薄
    膜と断熱層と高熱伝導層と潤滑層とを形成してなり、前
    記透明基板を通じて前記磁性層にレーザビームを照射し
    つつ前記磁性層にバイアス磁界を印加して情報の記録と
    消去とを行う光磁気記録媒体において、前記高熱伝導層
    が高熱伝導物質の箔体にて構成され、前記断熱層が前記
    薄膜と前記高熱伝導層とを接着する接着剤もしくは粘着
    剤にて構成されていることを特徴とする光磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光磁気記録媒体におい
    て、前記薄膜が、前記透明基板上に形成された第1エン
    ハンス層と、この第1エンハンス層上に積層された磁性
    層と、この磁性層上に積層された第2エンハンス層と、
    この第2エンハンス層上に積層された反射層とから構成
    されていることを特徴とする光磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の光磁気記録媒体におい
    て、前記高熱伝導物質が、アルミニウム、銅、錫、シリ
    コン、またはこれらの合金であることを特徴とする光磁
    気記録媒体。
  4. 【請求項4】 光磁気記録媒体を介して、磁性層にレー
    ザビームスポットを照射する光学ヘッドと、磁性層にバ
    イアス磁界を印加する磁界発生装置とが相対向に配設さ
    れ、かつ前記磁界発生装置が前記光磁気記録媒体上を摺
    動するように構成された光磁気記録媒体のドライブ装置
    において、前記磁界発生装置に前記光磁気記録媒体と非
    接触の磁界発生面と媒体摺動面とを形成し、前記磁界発
    生面を前記レーザビームスポットが照射された記録トラ
    ックに位置付けると共に、前記媒体摺動面を当該レーザ
    ビームスポットが照射された記録トラックの隣接領域上
    に配設したことを特徴とする光磁気記録媒体のドライブ
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の光磁気記録媒体のドラ
    イブ装置において、前記磁界発生装置の媒体摺動面と磁
    界発生面との段差を、50μm以下としたことを特徴と
    する光磁気記録媒体のドライブ装置。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の光磁気記録媒体のドラ
    イブ装置において、前記磁界発生装置が、電磁石、磁気
    ヘッド、もしくは永久磁石のいずれかであることを特徴
    とする光磁気記録媒体のドライブ装置。
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