JP3077194B2 - 光磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

光磁気記録媒体の製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、光磁気記録媒体に対して磁気ヘッドを摺動
させながら記録を行う光磁気記録方式において使用され
る光磁気記録媒体の製造方法に関するものである。
〔発明の概要〕
本発明は、透明基板上に記録磁性層が形成されてなる
光磁気記録媒体において、前記透明基板とは反対側の表
面に耐摩耗性保護膜を形成するとともに、その表面をバ
ーニッシュ処理することにより、磁気ヘッドを摺動させ
た場合にも十分な耐久性、走行性を確保しようとするも
のである。
〔従来の技術〕
光磁気記録方式は、磁性薄膜を部分的にキュリー点ま
たは温度補償点を越えて昇温し、この部分の保磁力を消
滅させて外部から印加される記録磁界の方向に磁化の向
きを反転することを基本原理とするもので、光ファイル
システムやコンピュータの外部記憶装置、あるいは音
響,映像情報の記録装置等において実用化されつつあ
る。
そして、この光磁気記録方式に用いられる光磁気記録
媒体としては、ポリカーボネート等からなる透明基板の
一主面に、膜面と垂直方向に磁化容易軸を有し且つ磁気
光学効果の大きな記録磁性層(例えば希土類−遷移金属
合金非晶質薄膜)や反射層,誘電体層を積層することに
より記録部を形成し、透明基板側からレーザ光を照射し
て信号の読み取りを行うようにしたものが知られてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、光磁気記録方式には、大きく分けて光変調
方式と磁界変調方式があり、オーバーライト可能である
ということから、磁界変調方式への期待が高まってい
る。
上記磁界変調方式は、印加磁界を高速で反転すること
により磁性薄膜に情報信号を書き込むものであって、磁
界の印加は通常は磁界発生手段を有する磁気ヘッドによ
り行われる。
この場合、高速反転磁界を印加する磁気ヘッドでは、
諸々の制約から非常に小さな磁場しか発生できず、なる
べく磁気ヘッドを記録磁性層に近づける必要がある。例
えば、データ記録用の光磁気ディスクの場合、光磁気デ
ィスク面と磁気ヘッド間の距離を0.1mm以下にしなけれ
ばならない。
このように光磁気ディスクと磁気ヘッドの距離が狭ま
ると、磁気ヘッドのクラッシュ等を防止するために、光
磁気ディスク側の寸法精度を高めて面振れを抑える必要
がある。
しかしながら、基板がポリカーボネート等からなる光
磁気ディスクでは、面振れの抑制にも限度があり、光学
ピックアップのフォーカスサーボのように磁気ヘッドと
光磁気ディスク面間の距離を一定に保つようなサーボを
かけるか、あるいはハードディスクのように,いわゆる
フライングヘッドを採用せざるを得ない。
ところが、特に回転数300〜600rpm程度の低速回転の
システムでは、フライングヘッドは使えず、前記距離を
コントロールするためには複雑なサーボを必要とする。
また、回転数3600rpm程度の高速回転のシステムの場
合、磁気ヘッドがエアー・ベアリングを介して浮上する
フライングヘッドの採用が可能であるが、スタートとス
トップ時のクラッシュの問題を回避する必要がある。
さらに、サーボをかけてディスクとの距離を一定とす
る場合にも、あるいはフライングヘッドを採用する場合
にも、いずれにしても磁気ヘッドと光磁気ディスクの間
に距離を持たせるものであるので、光磁気ディスク側に
おいても、記録磁性層の低磁界で書き込みができるよう
な磁性薄膜としなければならない。
そこで、磁気ヘッドを光磁気記録媒体に対して摺動さ
せながら記録を行う光磁気記録方式が考えられるが、こ
の場合には耐久性、走行性を如何に確保するかが重要な
課題となる。
本発明は、かかる課題を解消すべく提案されたもので
あって、磁気ヘッドを摺動させた場合にも十分な耐久
性、走行性を確保し得る光磁気記録媒体の製造方法を提
供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上述の目的を達成するために、本発明は、透明基板上
に記録磁性層が形成されてなり、光学ピックアップと磁
気ヘッドを対向配置し、前記透明基板とは反対側の表面
に磁気ヘッドを摺動させて記録及び/又は再生を行う光
磁気記録媒体の製造方法において、上記記録磁性層上に
厚さ3〜5μmの紫外線硬化樹脂層及び厚さ0.01〜50μ
mの耐摩耗性保護膜を順次形成するとともに、バーニッ
シュ処理により耐摩耗性保護膜の表面の突起物を除去す
ることを特徴とするものである。
〔作用〕
磁気ヘッドを光磁気記録媒体に対して摺動させながら
記録を行うと、記録磁性層までの距離が十分に小さなも
のとなり、磁気ヘッドから発生する磁界は小さなもので
済む。また、前記磁気ヘッドに対しても特別なサーボ機
構は必要なく、クラッシュ等の問題も解消される。
ただし、この場合、光磁気記録媒体の摩耗や損傷によ
るエラーレートの増加が問題となるが、本発明の光磁気
記録媒体においては、磁気ヘッドの摺動面に耐摩耗性保
護膜が形成されているので、摩耗や損傷等に対する耐久
性も十分に確保される。
また、前記耐摩耗性保護膜は、その表面がバーニッシ
ュ処理されているので、表面突起物が除去され、ヘッド
クラッシュや光磁気記録媒体の傷付き等の問題も解消さ
れる。
〔実施例〕
以下、本発明を適用した実施例について、図面を参照
しながら詳細に説明する。
先ず、第1図は、本実施例の光磁気ディスクに対して
情報信号を記録するための光磁気記録装置の概略構成を
示すもので、この光磁気記録装置は、光磁気ディスク
(1)を挾んで光学ピックアップ(2)と磁気ヘッド
(3)とが対向配置され、前記光磁気ディスク(1)に
対して磁気ヘッド(3)を摺動させながら信号記録を行
うものである。
このような記録装置に用いられる本実施例の光磁気デ
ィスク(1)は、第2図に示すように、基板(4)の一
主面に記録部(5)を積層し、さらにこの記録部(5)
の表面を紫外線硬化樹脂層(6)及び耐摩耗性保護膜
(7)で覆ってなるものである。
基板(4)は、厚さ数mm程度(例えば1.2mm)の円板
上の透明基板であって、その材質としては、アクリル樹
脂,ポリカーボネート樹脂,ポリオレフィン樹脂,エポ
キシ樹脂等のプラスチック材料の他、ガラス等も使用さ
れる。
なお、この基板(4)表面のうち、前記記録部(5)
を設ける側の表面には、通常は再生時に使用するレーザ
光波長のおよそ4分の1の深さを持った案内溝や番地符
号ピット等(いずれも図示は省略する。)が設けられ
る。
記録部(5)は、記録磁性層(8),誘電体層
(9),(10)及び反射層(11)よりなる4層構造を有
し、基板(4)上に第1の誘電体層(9),記録磁性層
(8),第2の誘電体層(10),反射層(11)なる順序
で積層されている。
これらのうち、第1の誘電体層(9)及び第2の誘電
体層(10)としては、酸化物や窒化物等が使用可能であ
るが、誘電体層(9),(10)中の酸素が記録磁性層
(8)に悪影響を及ぼす虞れがあることから窒化物がよ
り好ましく、酸素及び水分を透過させず且つ使用レーザ
光を十分に透過し得る物質として窒化珪素あるいは窒化
アルミニウム等が好適である。
また、上記記録磁性層(8)は、膜面に垂直な方向に
磁化容易方向を有する非晶質の磁性薄膜であって、磁気
光学特性に優れることは勿論、室温にて大きな保磁力を
持ち、且つ200℃近辺にキュリー点を持つことが望まし
い。このような条件に叶った記録材料としては、希土類
−遷移金属合金非晶質薄膜等が挙げられ、なかでもTbFe
Co系非晶質薄膜が好適である。この記録磁性層(8)に
は、耐蝕性を向上させる目的で、Cr等の添加元素が添加
されていてもよい。
反射層(11)は、前記第2の誘電体層(10)との境界
でレーザ光を70%以上反射する高反射率の膜により構成
することが好ましく、非磁性金属の蒸着膜が好適であ
る。また、この反射層(11)は、熱的に良導体であるこ
とが望ましく、入手の容易さや成膜の容易さ等を考慮す
ると、アルミニウムが適している。
これらの各層は、蒸着やスパッタ等の,いわゆる気相
メッキ技術により形成される。このとき各層の膜厚は任
意に設定することができるが、通常は数百〜数千Å程度
に設定される。これらの膜厚は、各層単独での光学的性
質のみならず、組み合わせによる効果を考慮して決める
ことが好ましい。これは、例えば記録磁性層(8)の膜
厚がレーザ光の波長に比べて薄い場合に、レーザ光が記
録磁性層(8)を透過して各層境界で反射した光と多重
干渉し、膜厚の組み合わせにより記録磁性層(8)の実
効的な光学及び磁気光学特性が大きく変動するためであ
る。
紫外線硬化樹脂層(6)は、記録部(5)表面の平坦
化や保護を目的として設けられるものであるが、場合に
よってはなくともよい。この紫外線硬化樹脂層(6)の
膜厚は、3〜5μm程度であり、通常はアクリル系紫外
線硬化樹脂等が用いられる。
以上が光磁気ディスク(1)の基本的な構成である
が、本発明の光磁気記録媒体では、磁気ヘッド(3)を
ディスク面に対して摺動させながら磁界変調記録を行う
ため、前記紫外線硬化樹脂層(6)上に、あるいは前記
記録部(5)上に直接耐摩耗性保護膜(7)を設け、摺
動による摩耗の抑制や磁気ヘッド(3)の走行性の確保
を図るようになされている。以下、この耐摩耗性保護膜
(7)について説明する。
先ず、光磁気ディスク(1)の磁気ヘッド摺動面に形
成される耐摩耗性保護膜(7)は、基本的には熱硬化性
樹脂や電子線硬化樹脂,紫外線硬化樹脂等の樹脂硬化膜
からなるもの、あるいは電子線硬化樹脂や紫外線硬化樹
脂が一部配合された樹脂硬化膜からなるものである。
例えば、電子線硬化性を有するオリゴマに電子線を照
射して硬化し、耐摩耗性保護膜(7)とすることで、磁
気ヘッド接触時の損傷の少ない光磁気ディスクとするこ
とができる。この場合、使用するオリゴマの分子量は、
2000以下であることが好ましい。
同様に、耐摩耗性保護膜(7)中に紫外線硬化樹脂を
配合し、保護膜(7)形成直後に紫外線を照射して硬化
させることにより、強固な膜を形成することができる。
あるいは、耐摩耗性保護膜(7)を形成する際に、硬
化剤を内添して膜強度の向上を図り、耐久性を上げるよ
うにしてもよい。この場合、使用する硬化剤の分子構造
や種類は任意であり、複数種類の硬化剤を使用すること
も可能である。硬化剤の添加量は、使用する硬化剤の種
類にもよるが、通常は樹脂100重量部に対して0.001〜50
重量部とすることが好ましい。また、硬化温度は任意で
あり、常温硬化も可能であるが、硬化速度が遅いことか
ら、恒温槽にて所定の温度環境(例えばガラス転移点以
上)を作り、その中に一定時間入れて硬化速度を速める
ようにすることが好ましい。前記熱硬化処理は、反応時
間の短縮ばかりでなく、残留溶剤や水分の除去、膜硬度
の向上等の点でも有利である。硬化が進み、硬化剤がガ
ラス質となることにより、膜質を硬くし耐久性を向上す
ることができる。
上述のように樹脂硬化膜を耐摩耗性保護膜(7)とす
る場合、その形成方法としては、ドクターブレードによ
る方法やスピンコートによる方法等が好適である。
例えば、ドクターブレードと光磁気ディスク(1)間
の平面出しアダプタ上に塗料を均一に載せ、ドクターブ
レードを手前に移動させることで、均一な厚みを持った
塗膜が形成される。あるいは、モータ回転軸に光磁気デ
ィスク(1)を取付け、回転させながら塗料を光磁気デ
ィスク(1)上に供給して塗膜を形成することで、やは
り厚みムラのない塗膜が形成される。これらの方法は、
膜形成が容易であるばかりでなく、膜厚の均一化が図
れ、さらには塗料の固形分,粘度を操作することにより
表面粗さや膜厚を制御することが可能である。
また、量産性を考慮した場合には、グラビア方式やサ
ンドブラスト転写方式、オフセット方式等も好適であ
る。
グラビア方式は、例えばディスクホルダーの外周面に
光磁気ディスク(1)を磁気ヘッド側表面を外方に向け
て取付け、インクネリロールとグラビアロールの間に塗
料ノズルから塗料を供給し、前記ディスクホルダーをバ
ックロールで押しつけながら走行させることでグラビア
ロール表面の塗料を光磁気ディスク(1)の磁気ヘッド
側表面に転写するものである。塗料の転写に際しては、
バックロールの位置やグラビアロールのパターン深さで
厚みをコントロールすることができる。塗料転写後は、
平坦化処理を行い、ドライヤーで乾燥して塗膜を形成す
る。なお、バックロールは必ずしも円筒形でなくともよ
く、ディスクホルダーの搬送ベルトがその役目を果たす
ような構成とすることも可能である。また、インクネリ
ロールや塗料を供給する塗料ノズルの位置や回転は任意
である。
サンドブラスト転写方式は、表面をサンドブラスト処
理によって粗面としたサンドブラストロールを用いて塗
料を転写するもので、基本的な装置構成は先のグラビア
方式と同様である。ただし、インクネリロールは不要
で、バックロールの位置やサンドブラストロールの周
速、表面粗さによって膜厚をコントロールする。
オフセット方式も、表面が平坦なオフセットロールを
用いる他はグラビア方式と同様の装置構成で、バックロ
ールの位置やオフセットロールの周速、オフセットロー
ルとインクネリロール間の距離によって膜厚をコントロ
ールする。
これらの方式は、膜厚の均一化や厚み制御の容易さ、
再現性、表面粗さの点で優れたものであり、また塗布ス
ピードを1分間当たり100m以上に設定することができ、
量産性の点で非常に有利である。
勿論、耐摩耗性保護膜(7)は、上述の硬化膜に限ら
れるわけではなく、例えばAl,Ni等の耐摩耗材をメッ
キ,蒸着,スパッタ等の手法により形成したものや、ポ
リテトラフルオロエチレン等のような潤滑性高分子材料
あるいは絹等の不織繊維の被膜であってもよい。ポリテ
トラフルオロエチレンは、固体潤滑剤として広く用いら
れており、膜形成の方法としては、直接ディスク面に擦
り付ける方法や、蒸着する方法、溶剤に溶かしてスピン
コートする方法等がある。不織繊維は、繊維径500μm
以下の繊維からなるものが好適で、繊維の種類は天然,
化繊を問わない。さらには、研磨材系非磁性膜や潤滑剤
被膜とすることも可能であり、潤滑粉末を被着すること
により形成することも可能である。この場合、潤滑剤と
しては、脂肪酸や脂肪酸エステル等、公知のものがいず
れも使用可能であり、種類や組成は問わない。潤滑粉末
には、カーボンやポリテトラフルオロエチレン等の摩擦
係数の小さい物質の粉末を用いればよいが、粉末の硬度
は基板(4)よりも低いことが好ましい。なお、使用す
る潤滑粉末の粒度は、#8〜#200000程度である。
また、上述の耐摩耗性保護膜(7)は、必ずしも単層
である必要はなく、多層化することも可能である。この
場合、各層の樹脂の種類や添加物の種類等を選定するこ
とで、種々の要求に対応することが可能となる。あるい
は、耐摩耗性保護膜(7)を金属材料により構成する場
合には、下層を硬い金属膜(あるいはセラミクス等の非
金属膜でも良い。)とするとともに、上層をAu,Ag,Pb等
の軟らかい金属膜とし、衝撃や摩擦を減少するような構
造とすることも可能である。
さらに、上述の耐摩耗性保護膜(7)には、潤滑粉末
や研磨材等の固体充填材を添加し、走行性,耐久性のよ
り一層の改善を図るようにしてもよい。潤滑粉末,研磨
材の種類は問わないが、潤滑粉末としてはカーボン(カ
ーボンブラックやグラファイト粉末等)やポリテトラフ
ルオロエチレン粉末(いわゆるテフロン粉末)等が、研
磨材としてはアルミナや酸化クロム(いわゆるグリー
ン)等が好適である。また、複数種類を同時に添加する
ことも可能である。
上記固体充填材は、耐摩耗性保護膜(7)に内添する
のが一般的であり、この場合粒子サイズは最大でも膜厚
の2倍以内とすることが好ましい。また、固体充填材を
少量のバインダと混合して、あるいは固体充填材のみで
耐摩耗性保護膜(7)表面に塗布することも可能である
が、その場合には最大粒子サイズは耐摩耗性保護膜
(7)の膜厚と同等以下としなければならない。
さらにまた、上記耐摩耗性保護膜(7)に磁気記録媒
体の分野等で広く用いられている潤滑剤や極圧剤,カッ
プリング剤等を内添あるいは塗布し、磁気ヘッド接触時
の損傷を防止するようにしてもよい。
潤滑剤としては、オレイン酸等の高級脂肪酸や脂肪酸
エステル等、あらゆる種類の潤滑剤が使用可能であり、
極圧剤も、リン系極圧剤、イオウ系極圧剤、ハロゲン系
極圧剤、有機金属系極圧剤、複合系極圧剤等、従来公知
のものがいずれも使用可能である。カップリング剤とし
ては、シランカップリング剤やチタンカップリング剤,
ジルコアルミネート系カップリング剤等、各種のカップ
リング剤を使用することができる。これらカップリング
剤を使用することで、耐摩耗性保護膜(7)を構成する
樹脂と基板,さらには研磨材等の粉末成分間を化学的に
結合させ、膜強度や基板に対する接着性を高めることが
可能である。
その他、γ−Fe2O3針状磁性粉末やCo含浸(ドープ)
γ−Fe2C3針状磁性粉末、Co被着(コーティング)γ−F
e2C3針状磁性粉末、金属磁性粉末、CrO2磁性粉末、バリ
ウムフェライト等の磁性粉末を研磨材として使用するこ
とも可能である。これら磁性粉末を含んだ磁性塗膜は、
磁気テープ等により耐久性が高いことが実証されてお
り、また透磁率が高いことから小さな磁界でも十分に記
録部(5)に磁界を与えられる可能性がある。
これら磁性粉末を耐摩耗性保護膜(7)中に分散する
場合、磁性粉末の配向方向は無配向、円周方向(膜面に
対して斜めに配向された場合も含むものとする。)、ラ
ジアル方向(面内の一方向)、垂直方向等任意である
が、配向方向を選択することによって様々な利点が得ら
れる。
例えば、無配向では、光磁気ディスク(1)面内でど
の位置でもランダムな方向に磁性粉末が向いているた
め、記録磁性層(8)に与える磁気的影響はどの部分を
とっても同じと考えられ、ピット長、ノイズ等の影響が
なくなる。円周方向に配向した場合にも、光磁気ディス
ク(1)のどの部分でも同様の配向となり、記録磁性層
(8)にとって局所的な磁気異方性を与える要因が少な
く、ピット長、ノイズ等に場所による変化を与えること
がない。一方、垂直配向した場合には、記録磁性層
(8)の磁化方向と磁性粉末の磁化容易軸方向が一致
し、この方向での透磁率が高いことからより大きな磁界
を記録磁性層(8)に与えることができ、小さな磁界で
記録可能となる。
配向方法は、磁気記録媒体において採用されている方
法がいずれも適用でき、例えば無配向とするには、一対
の配向用マグネットを磁極の対向方向が塗膜の膜面内で
互いに直交する如く配置し、塗膜が乾燥する前にこれら
配向用マグネットにそれぞれ交流電圧を印加すればよ
い。円周方向に配向するには、幅方向の両側縁がそれぞ
れN極,S極とされた長尺状のマグネットを用い、このマ
グネットの長手方向一端部を光磁気ディスク(1)の中
心に置き、この一端部を中心としてマグネットをディス
クの円周方向に回転させればよい。ラジアル方向に配向
する場合には、やはり幅方向の両側縁がそれぞれN極,S
極とされた長尺状のマグネットを用い、光磁気ディスク
(1)上でマグネットの幅方向に平行移動すればよい。
垂直配向する場合には、光磁気ディスク(1)のディス
ク面に垂直に磁束が通るように直流マグネットを配置
し、光磁気ディスク(1)を回転すればよい。
なお、上述の耐摩耗性保護膜(7)において、顔料等
を選択することによって色彩を付与することにより、耐
久性を確保すると同時にデザイン性を持たせて商品価値
を高めることも可能である。
以上の構成を有する耐摩耗性保護膜(7)において
は、良好な磁界変調記録を行うために、その膜厚を適切
な値に設定する必要がある。
すなわち、前記耐摩耗性保護膜(7)の膜厚は、磁気
ヘッド(3)と記録部(5)との距離を決定するが、こ
のとき磁気ヘッド(3)が記録部(5)からどれだけ離
れていてもよいわけではなく、記録に必要な最低限度の
磁界が記録部(5)の記録磁性層(8)に届く範囲とし
なければならない。磁気ヘッド(3)側から言えば、同
じ磁界を記録磁性層(8)に与えるための記録電流を十
分に小さくし得る距離としなければならない。例えば、
記録磁性層(8)において、±200エルステッドの磁界
を発生するためには、磁気ヘッド(3)と記録磁性層
(8)の距離が0.4mm(400μm)であると、およそ±1A
の記録電流が必要となるのに対して、前記距離が0.04mm
(40μm)であると、およそ±0.5Aの記録電流で済む。
下限については、耐久性を確保するに足る膜厚であれ
ばよく、またこの耐摩耗性保護膜(7)に若干のスクラ
ッチが入っても記録部(5)を傷付けることのないよう
な範囲とすればよい。
このような点に鑑み、上記耐摩耗性保護膜(7)の膜
厚は、0.01〜50μmとすることが好ましい。この膜厚が
50μmを越えると、記録磁性層(8)に達する磁界の強
さが小さなものとなり、記録の際に大きな記録電流が必
要となる。逆に、前記膜厚が0.01μm未満であると、十
分な耐久性を確保することが難しくなり、またスクラッ
チ等により記録部(5)を損傷する虞れがある。
ところで、上述の耐摩耗性保護膜(7)においては、
その表面に表面突起物があると磁気ヘッドの走行に影響
を及ぼす。例えば、耐摩耗性保護膜(7)の表面に大き
な突起物が存在すると、この突起物に磁気ヘッドが衝突
し、いわゆるヘッドクラッシュを起こす等して、磁気ヘ
ッドや光磁気ディスクを損傷する虞れがある。
そこで本実施例では、耐摩耗性保護膜(7)の表面を
バーニッシュ処理し、大きな突起物を除去するととも
に、表面粗さを適当な値とすることにより、前述の不都
合を解消することとする。
耐摩耗性保護膜(7)の表面をバーニッシュ処理する
手法としては、例えばラッピングテープを耐摩耗性保護
膜(7)の表面に接触させる方法がある。すなわち、ラ
ッピングテープを順次送り出すとともに、これをコンタ
クトロールによって光磁気ディスク(1)上に形成され
た耐摩耗性保護膜(7)に押し当て、この状態で光磁気
ディスク(1)を回転することによって円周方向の表面
処理がなされる。このとき、ラッピングテープは、巻き
取り装置及び巻き出し装置によって常に新しい面で処理
するようにする。
これによって、耐摩耗性保護膜(7)表面の突起物が
削り取られ、信頼性が向上する。
前述のバーニッシュ処理においては、ラッピングテー
プの送り方向と光磁気ディスクの回転方向は、順方向、
逆方向のいずれでもよく、またラッピングテープの材
質、表面構造も問わない。ただし、ラッピングテープの
表面粗さは、#10〜#30000程度とすることが好まし
く、コンタクトロールの径は0.5〜300mm、ラッピングテ
ープの送り速度は1〜10000mm/分とすることが好まし
い。
次に、実際に光磁気ディスクを作成し、磁気ヘッドを
摺動させて記録を行い、その特性を評価した。
作成した光磁気ディスクの記録部は4層構造であり、
その膜厚は下記の通りである。
第1の誘電体層 :Si3N4 1000Å 記録磁性層 :Tb−Fe・Co・Cr 230Å 第2の誘電体層 :Si3N4 500Å 反射層 :Al 700Å 紫外線硬化樹脂層: 3μm 上記構成を有する光磁気ディスクの紫外線硬化樹脂層
上に、下記の手法により耐摩耗性保護膜を形成した。
塗料の組成 カーボン(平均粒径200μ) …100重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 …100重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 …100重量部 上記組成物をメチルエチルケトン・トルエン・シクロ
ヘキサノン混合溶媒(1:1:1)と共にボールミルにて40
時間混練した。
次いで、熱硬化剤(商品名コロネートL)20重量部及
び脂肪族炭化水素系潤滑剤(オリーブオイル)1.5重量
部を加え、20分間撹拌した。
これを上記紫外線硬化樹脂層上に転写ロールを用いて
塗布スピード5m/分で塗布し、乾燥した。乾燥後の塗膜
の膜厚は20μmであった。
次いで、この耐摩耗性保護膜の表面を、表面粗さ#10
00のラッピングテープを用いてバーニッシュ処理した。
バーニッシュ処理の際のラッピングテープの送り速度は
1mm/分とした。
以上によって得られた光磁気ディスクにおいては、耐
摩耗性保護膜表面に大きな突起物は見当たらず、105
ス後にも傷付きは認められなかった。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明により製造
される光記録媒体においては、耐摩耗性保護膜が表面に
形成されているので、磁気ヘッドの摺動による摩耗を大
幅に抑制することが可能であり、耐久性を確保すること
が可能である。また、前記耐摩耗性保護膜の表面は、バ
ーニッシュ処理されて表面突起物が除去されるとともに
表面粗さが適切な値とされているので、走行性の点でも
良好な特性を発揮し、ヘッドクラッシュ等による磁気ヘ
ッドや光磁気記録媒体の傷付きを解消することが可能で
ある。
一方、本発明により製造される光記録媒体を用いれ
ば、光磁気記録媒体に対して磁気ヘッドを摺動させて磁
気ヘッドと記録磁性層の距離を複雑なサーボ等を要する
ことなく小さな値に安定に維持することができる。した
がって、磁界変調磁気ヘッドは、発生する磁界が小さな
ものであっても使用可能であり、また大磁界を発生する
能力があるならば、印加電流を減らして省電力化を図る
ことが可能である。さらに、磁気ヘッドの周波数特性を
高周波域まで確保することが可能となり、高速転送レー
ト及び高密度化を図ることが可能となる。
また、光磁気記録媒体側から見たときには、磁界感度
の高い記録磁性層である必要がなくなり、また記録磁性
層が低磁界で記録可能な膜である場合には、磁界に対す
るマージンを広くとることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の光磁気記録が適用される摺動型光磁気
記録方式を説明するための模式図である。 第2図は本発明を適用した光磁気記録媒体の構成例を示
す要部拡大断面図である。 1……光磁気ディスク 2……光学ピックアップ 3……磁気ヘッド 5……記録部 7……耐摩耗性保護膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 11/105 G11B 5/84

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板上に記録磁性層が形成されてな
    り、光学ピックアップと磁気ヘッドを対向配置し、前記
    透明基板とは反対側の表面に磁気ヘッドを摺動させて記
    録及び/又は再生を行う光磁気記録媒体の製造方法にお
    いて、 上記記録磁性層上に厚さ3〜5μmの紫外線硬化樹脂層
    及び厚さ0.01〜50μmの耐摩耗性保護膜を順次形成する
    とともに、バーニッシュ処理により耐摩耗性保護膜の表
    面の突起物を除去することを特徴とする光磁気記録媒体
    の製造方法。
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