JP2848513B2 - ダブルvリブドベルト - Google Patents

ダブルvリブドベルト

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JP2848513B2
JP2848513B2 JP6055138A JP5513894A JP2848513B2 JP 2848513 B2 JP2848513 B2 JP 2848513B2 JP 6055138 A JP6055138 A JP 6055138A JP 5513894 A JP5513894 A JP 5513894A JP 2848513 B2 JP2848513 B2 JP 2848513B2
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正彦 川嶋
康司 北浜
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はダブルVリブドベルトに
関し、特にベルト抗張体層部を中心として、その両面に
ベルト長手方向にのびるリブ群を設け、ベルトの腹面側
駆動と共に、ベルトの背面駆動をも同時に効率的かつ実
行可能ならしめてなるダブルVリブドベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用として使用されるVベルトは、
クランク・オルタネータ・ファン間、クランク・パワー
ステアリング間、クランク・クーラー間などにそれぞれ
独立して取り付けられ、一台の自動車には複数本のVベ
ルトが使用されている。
【0003】近時、車体スペースの節約、車体の軽量化
及び燃費節約など、各方面からの要望もあり、抗張体ロ
ープを埋設した接着ゴム層の下面にベルト長手方向にの
びるV形リブを配し、又接着ゴム層の上面を1〜2プラ
イのゴム付帆布にて被覆した一本のVリブドベルトを所
定の位置に配設された複数のプーリー間を曲がりくねっ
た状態で懸架した駆動装置が使用されている(図3)。
【0004】この多軸駆動装置に使用される駆動プーリ
ー(Dr)、所定の目的をもって配された従動プーリー
(Dn1)(Dn3)、(Dn4)に懸架されたVリブ
ドベルトは、ベルト張力を調整する背面アイドラープー
リー(Di)および所定の目的をもって配置された背面
従動プーリー(Dn2)と背面駆動を行っているため、
くさび効果を持たないベルト背面はリブ部に比べて伝達
性能が低くベルト背面又は/及びリブ面が摩耗し、ベル
ト張力低下が生じた時、スリップが発生して、高負荷下
の動力伝達には適さないなどの問題があった。
【0005】これら従来のVリブドベルトの問題点を解
消せしめるため、図4にその一例を示すように、抗張体
ロープ32を埋設した接着ゴム層33の上下両面に、リ
ブピッチ、リブ高さ、リブ形状の等しい複数のベルト長
手方向にのびるV形リブ35、36を連結したダブルV
リブドベルト31が提案され、米国特許第272823
9号明細書の第4図にもこのダブルVリブドベルトの具
体例が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図3に示す複数のプー
リーを所定の位置に配し、これらのプーリー間にベルト
を懸架する折、図4に示すダブルVリブドベルト31を
使用することにより、高負荷の動力伝動は可能となる
が、この形式の駆動機構では小石かみこみ、ミスアライ
メント等によりV形リブ間のリブ溝底に縦裂きが発生す
るケースが頻発する。
【0007】又、この種のダブルVリブドベルトは屈曲
性を重視するあまり、上下リブ溝底間の間隔が小さく縦
裂防止材を入れる事が困難である。しいて、縦裂防止材
を入れるとなると接着ゴム層3を厚くする必要があり、
その結果ベルト総厚が厚くなり屈曲性が低下する等の問
題があった。
【0008】本発明は、従来のダブルVリブドベルトが
もつ上述の問題点を解消すべく鋭意検討の結果到達に至
ったもので、抗張体層の構造を一部改変することにより
ベルト総厚を厚くすることなく、V形リブ間のリブ溝底
に発生する縦裂を防止する事ができるダブルVリブドベ
ルトを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成たせ
るため、本発明の特徴とするところは、接着ゴム層内に
抗張体ロープをスパイラル状に埋設した抗張体層の上下
両面にベルト長手方向にのびる複数のV形リブを同一ピ
ッチで一体的に配置してなるダブルVリブドベルトにお
いて、該抗張体層の上部および下部に配置される上、下
リブと抗張体ロープとの間の少なくともいずれか一方の
接着ゴム層内に長径対短径の比の値が1.5〜10であ
る横断面が扁平状のモノフィラメントが横方向に、かつ
断面の短径をベルトの高さ方向に一致させて並列状に埋
設されているダブルVリブドベルトである。そして該扁
平状のモノフィラメントの短径は0.8mm以下にする
ことが必要である。
【0010】
【実施例】つぎに本発明に係るダブルVリブドベルトの
具体的実施例を図面を用いて説明する。図1は本発明を
実施したダブルVリブドベルトの一部を示す斜視図で、
本発明のダブルVリブドベルト1はポリエステル、ポリ
アミド、アラミド、カーボン、ガラス繊維などを素材と
する低伸度高強力の抗張体ロープ2を、NR(天然ゴ
ム)、SBR(スチレン・ブタジエン・ゴム)、CR
(クロロプレンゴム)、NBR(ニトリルゴム)、HN
BR(水素添加ニトリルゴム)、CSM(クロロスルフ
ォン化ポリエチレンゴム)、ポリウレタン等の単一材、
もしくはこれらを適宜ブレンドしたゴム状弾性体からな
る接着ゴム層3内に埋設してなる抗張体層4を中央に配
し、該抗張体層4の上下両面には、前記接着ゴム層3と
同材質のゴム状弾性体からなるベルト長手方向にのびる
複数の断面V形状の上リブ5と、下部に配した下リブ6
より構成されている点については従来のダブルVリブド
ベルトと同じである。
【0011】尚、上下の各リブには必要に応じてナイロ
ン、ビニロン、ポリエステル、芳香族ポリアミド等の合
成繊維単独、又は、綿、パルプ等の天然繊維糸を前記合
成繊維糸に所定の割合で混入した混合糸を3〜10mm
長さで、ゴム100重量部に対し5〜30重量部の割合
でベルト幅方向に配向混入されている。
【0012】本発明にあっては、該抗張体層4内の抗張
体ロープ2と上下リブ5、6間の接着ゴム層3内に、横
断面が扁平状のモノフィラメント7、8がベルト1に対
して横方向にしかもモノフィラメント7、8の断面の短
径をベルト1の高さ方向に一致させて複数本並列状にベ
ルト全長にわたって埋設されている。該モノフィラメン
トの扁平形状は長径対短径の比が1.5〜10の範囲に
あり、しかも短径の長さは0.8mm以下になるように
設計されている。
【0013】又、モノフィラメント7、8の素材として
はナイロン、ポリエステル、ビニロン、アラミド等の合
成樹脂系の単独、又はそれらの混紡が望ましい。上述の
如く扁平状のモノフィラメントを使用することで小スペ
ースである上下リブ5、6と抗張体ロープ2との間の接
着ゴム層3内に縦裂防止材を挿入することが可能となる
のである。
【0014】ここでモノフィラメントの長径対短径の比
を1.5〜10の範囲に限定した理由は、その比が1.
5以下では短径の長さが0.8mmより大きくなり、そ
の分だけ接着ゴム層3の厚みが厚くなり、その結果抗張
体層4の厚みも厚くなりベルトの屈曲性が低下する。一
方、その比が10以上ではモノフィラメントが扁平状に
なりすぎてモノフィラメント間の間隔が狭くなり、その
結果ベルトが曲げにくくなり、厚みを薄くして曲げやす
くした効果と相殺されていまい寿命向上は不可能とな
る。
【0015】図2は本発明の他の実施例で抗張体層4’
の抗張体ロープ2と下リブ6間の接着ゴム3内に扁平状
のモノフィラメント8がベルト1に対し横方向に挿入さ
れている場合である。当然のことながら扁平状のモノフ
ィラメントの埋設位置は上記図2とは反対側の抗張体層
4’の抗張体ロープ2と上リブ5間の接着ゴム層3内で
あってもよいことは言うまでもないことである。
【0016】実験例 次に、図1に示すダブルVリブドベルトの下側のモノフ
ィラメントを除去した本発明に係るダブルVリブドベル
ト1’と、図4に示す従来のダブルVリブドベルト31
につき、効果確認のために縦裂力を測定した具体的実験
例につき説明する。実験方法は、K型のリブ山が上下と
も4個のダブルVリブドベルトで長径が1.65mm、
短径が0.22mmで長径対短径の比が7.5である横
断面が偏平状のナイロンモノフィラメントを上側に並列
状に配置してなるスダレの短径をベルトの高さ方向に一
致させて埋設したダブルVリブドベルトのリブ山2個づ
つをチャックで掴み、リブ溝底部を境にして、引張試験
機にて引張速度50mm/分で引張つて縦裂力を比較し
た。
【0017】その結果、本発明によるベルトは145〜
153N(ニュ−トン)、従来のベルトは52〜62N
の縦裂力が得られ、本発明ベルトは従来のベルトに対し
約2.6倍の縦裂力をもっている事が確認できた。
【0018】
【発明の効果】本発明に係るダブルVリブドベルトは、
抗張体層の上部および下部に配置される上下リブと抗張
体ロープとの間の少なくともいずれか一方の接着ゴム層
内に扁平状のモノフィラメントを横方向に、かつ断面の
短径をリブドベルトの高さ方向に一致させて並列状に埋
設させることにより次のような効果を奏する。
【0019】1.扁平状のモノフィラメントを使用する
事で、小スペースであるリブ溝底〜抗張体ロープ間に縦
裂防止材を入れる事が可能で、かつ充分な縦裂力が得ら
れる。 2.扁平状のモノフィラメントを一定のスペースで、抗
張体層に対し、横方向に並列させることによって、モノ
フィラメント間に接着ゴムが流れ込む事を可能にし、接
着力の大幅な低下を防げる。 3.屈曲性も良いため、屈曲時の応力集中による抗張体
層とVリブ間の層間剥離の心配も少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダブルVリブドベルトの部分斜視
図である。
【図2】本発明に係る他の実施例を示すベルト断面図で
ある。
【図3】ダブルVリブドベルトの一使用態様を示す多軸
駆動装置の概略正面図である。
【図4】従来のダブルVリブドベルトの部分斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 ダブルVリブドベルト 2 抗張体ロープ 3 接着ゴム層 4 抗張体層 5 上リブ 6 下リブ 7 扁平状モノフィラメント 8 扁平状モノフィラメント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16G 5/06 F16G 5/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接着ゴム層内に抗張体ロープをスパイラ
    ル状に埋設した抗張体層の上下両面にベルト長手方向に
    のびる複数のV形リブを同一ピッチで一体的に配置して
    なるダブルVリブドベルトにおいて、該抗張体層の上部
    および下部に配置される上、下リブと抗張体ロープとの
    間の少なくともいずれか一方の接着ゴム層内に長径対短
    径の比の値が1.5〜10である横断面が扁平状のモノ
    フィラメントが横方向に、かつ断面の短径をベルトの高
    さ方向に一致させて並列状に埋設されていることを特徴
    とするダブルVリブドベルト。
  2. 【請求項2】 扁平状のモノフィラメントの短径は0.
    8mm以下である請求項1記載のダブルVリブドベル
    ト。
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